ネット関係のインフラが一通り整備されて、結局作品届けを著作権期間に登録する
インターネットが普及して四半世紀がゆうに超え、SNSを始めさまざまなインフラが整備された今日このころ、SNSについては先日の兵庫県知事に関する問題、そしてとりわけネットユーザー,SNSユーザーに蔓延るリテラシーのなさ、といった問題が出てきている。
その意味ではネット関係はさまざまな問題や課題が生じてきているが、一般にはコンテンツを拡散するという意味ではもはや欠かせないものになっている。だがそのコンテンツのありかた、とりわけコンテンツの権利の管理方法についてはネットが普及する前と大きく変わると思いきや、実際には従来の権利管理機関ー著作権信託期間もしくは委託期間が従来通りの体制で寧ろ強化されている現状がある。
実はインターネット黎明期には音楽の著作権を始め権利の概念が変わるだろう、といった考え方はコンテンツメーカーの間でも強くあった。そのため同時期に作ったクラブ系のアンビエントの作品を私はあえて著作権信託せず、権利の扱い方がどうなるか、見てみようと思っていた。いわば乱暴な言いかただが自作をネット時代における「実験台」としてあえてネットの状況にまかせるままにしたのである。
だが得た結論はある意味では「インターネット革命の伝説」を信じ、著作権やコンテンツ権利が革命的に変わる、などと期待する人たちから見れば寧ろ失望する内容かもしれない。例えばネットの新たな権利の管理の「クリエイテイブコモンズ」なるものは実はたいして役に立たないこともみえてきたし、何かと風当たりが強く、当ブログでも何回か批判をしたJASRACを始め、本来ならJASRACと信託機関として二分しなければならないNext-toneも著作権の重要な権利である「演奏権」の管理ができないため、どうしても脆弱な面は否めない。日本の著作権の信託問題はこの「演奏権」がいまだJASRACの事実上独占状態になっている点が問題である。
つまりひとことでいって旧態依然なのである。
そうして登録しないまま20年の月日が流れていった。3年前にもアンビエントのアルバムを出したが、それも同様に登録しなかった。以下の作品である
そして結論からいって本日上記のアルバムの作品の全ての作品届けを提出した。当たり前だが著作権というのは亡くならないどころか更に重要性をおびてきて、最終的に権利を持った人間が強くなる、という当たり前のことに気づいていたためである。
自分の会社の出版部を通しての作品届けだが、もう一つ従来の著作権出版での管理を決断させた理由として、先日のSpotifyの決定のように一カ月1000回再生しない作品は分配対象からはずす、ということもあるのと、音楽の不正ダウンロードや権利を無視した使用方法も後を絶たないのも事実。それらを鑑みるとやはり権利を守る音楽出版社は必要である、という結論に達した。
しかし「レコード会社」はもういらない。ストリーミング(サブスク)がメインになった時代だと、配信だと単価が安すぎるためにクッションが間にあるとアーチストの取り分はただでさえ少ないのが減ってしまう。だからサブスクのプラットホームに流す代理店のようなものさえあればいい。つまりTunecoreとかCD Baby とかOrchard とかで十分である。
とはいえ、権利を守る会社というのは必要である。だから音楽出版を通し自作を管理する。
一方映画やドラマの音楽をある出版社経由でリリースして現在ストリーミングだしているが、これがライセンシングを中心にそこそこ使われている。
ということでこれから形は時と場合によって違いますが、世間に発表した作品は著作権の信託期間に作品届けを出しますよ、というお知らせでした。
12月 4, 2024 パソコン・インターネット音楽 | Permalink | コメント (0)
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