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2024年12月 1日 (日)

映画人交流会Vol18 開催報告

恒例の「映画人交流会」のVol18が昨日高田馬場BSホールにて開催されました。

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前回も200をわずかに切る感じの入場者でしたが、今回も200前後の人が参加され、会場は大混雑でした。

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映画関係者は様々な業種によって構成されるため、会場でまずお名前と職業(カメラマン,監督,役者,メイクetc etc)をシールに書いてもらい服の目立つところに貼っていただきます。これは第一回から一貫して行っているところです。

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恒例の映像デモコーナーです。この映像デモ参加の条件として毎回書いているのですが、なかなか定着しないので、
1.「映画祭」もしくは「劇場」といった場所で公開されること 2.監督もしくはプロデューサーの立ち合いのもと行われること
3. 2分以内の予告編を映像として送ること以上が条件です。

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今回デモが行われたのは以下の作品です

① 中田 圭 監督「SCRUM」「銀幕彩日」「Diamond Shake」「しあわせの家」
② 谷 健二 監督「追想ジャーニー リエナクト」
③ 古川 達郎 監督「いちごとひまわりと」
④ 田口 敬太 監督「対話する世界」
⑤ 佐藤 竜憲 監督、出演者・豊田 崇史「そして、優子Ⅱ」
⑥ みやび 監督、女優・秋田 ようこ、大山 真絵子「憧れdoll」
⑦ 城旺 和馬 監督、宣伝・畑野 良輔「ANXIOUS GUYS」
⑧ 小平 哲兵 監督、脚本・羽石 龍平、桑江 良佳「初めての女」
⑨ 藤川 佳三 監督「風に立つ愛子さん」
⑩ 草場 尚也 監督「雪子a.k.a.」
⑪ 政成 和慶 監督、俳優で真砂 豪「きみといた世界」

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前回も今回も会場のキャパを超える方が参加され、やや酸欠状態に近い方もいらしたようです。この会場はコロナ前後から使っていますが、そろそろ限界かもしれません。手前味噌ですが映画業界ではおそらく最大級の交流会だと思いますので

来年はこういう会議室系ではなくライブハウスを考えたいと思います。会場選びに時間かかるかもしれませんが、来年の夏くらいに考えたいと思います。
今全般的に物価があがってますが、おそらく大きな箱を選ぶとなると経費も必然的にあがりますので、この低予算の会費で出来るのも今回が最後かもしれません。

しかしご来場された方からは大いに交流ができた、ということで評判はとても良かったです。日本の映画文化の振興のためにもこの動きは続けたいと思います。

12月 1, 2024 映画・テレビイベント・コンサート17- | | コメント (0)

2017年11月23日 (木)

ブレードランナー2049を見てーハンズジマーとバンゲリスに見る「劇伴」と「映画音楽」の違い

告:ブレードランナー2049に関する若干のネタバレ情報があります。ご覧になっていない方は読まないことをお勧めします

ここ二か月半の業務の殺人的な多忙さで見たい映画をロクに見れなかったのだが昨日ようやく「ブレードランナー2049」を見ることができた

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実は4か月ぶりの映画館(^^;;)
ようやく「電気羊の夢」の続きをみることができました

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前作より30年後の世界。ネタバレになってしまうが、レプリカントは進化し人類と共存する時代となっている。30年内に「人類の飢餓」そして謎の「大停電」なんかもあったりするがその過程で「人類の救世主」ともなったウオレス社が倒産したタイレル社(旧レプリカンとネクサス6の開発)の資産を受け継ぐが、実はこのウオレス社が人類を支配するという背景でストーリーが始まる。
2049年のロサンジェレスは「強力わかもと」こそなかったが、相変わらず歌舞伎町のような街の感じで見に行った劇場が東宝シネマ新宿だっただけに余計に映画の余韻が残った。AIが駆動する初音ミクのようなバーチャル恋人あり、さまざまな今の日本を思わせるものが盛り込まれていたが、主人公のライアンゴスリング演じるKにもAIによるバーチャル恋人がいるが、演じたのはキューバ出身のアナ デ アーマス 可愛い女優さんなので今後人気が出てくるだろう。 正直いってこういうバーチャル恋人は10年以内には確実に現実化するような気がする。

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アナ デ アーマス 

さて映画自体はすごいよかったが、一応映画人として音楽をやっている人間からすると正直音楽はハンスジマーでなくバンゲリスの方がよかった、と思っている。最後にバンゲリスの音楽が一瞬流れたけど、エンドロールにもバンゲリスのブレードランナーのテーマを流してほしかったというのが正直な気持ちだ。それは最初のブレードランナーのバンゲリスの音楽がとても印象的だったということもあるが、自分の気持ちとしてブレードランナーのような名作には「映画音楽」があって欲しいと考えるからである。

私も最近になってわかってきたような気がするのだが「映画音楽」と「劇伴音楽」は実は違うのという点だ。

以前の記事で日本を代表する映画音楽の大家佐藤勝先生が
 「劇伴音楽というのは本来、差別用語である」という点について述べた。

佐藤勝先生は早坂文雄(七人の侍の音楽の方)、伊福部昭、武満徹などと並ぶ日本の映画音楽の大家であり、早坂先生亡き後の黒澤映画の音楽の常連(用心棒etc)

を始め円谷の特撮映画(伊福部先生とほぼ交代で作っていた) そして岡本喜八監督とは名コンビといわれるくらいの日本の映画音楽の大御所といっていい方で伊福部先生と並ぶ大家といっていい。

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佐藤勝先生

この点をクラシックのアカデミズムの世界では映画音楽というものに対して「戦前から連なる映画音楽に対する差別用語」として『劇伴』という言葉が使われていたという解釈だし、確かにクラシックのアカデミズムでは今でも「劇伴」とか「商業音楽」の仕事を「お金のために魂を売った下衆な音楽」などと決めつけ、蔑むような風潮が現在でもクラシックアカデミズムの中に根強く残っているのも事実だ、

だがどうもそれだけではないということが最近わかったような気がする。

実は同じ映画やドラマのために作られた曲でも「映画音楽(あるいはドラマ音楽)」と「劇伴」は似て非なるものといっていいことがわかっている。

それが今回のブレードランナーでも顕著に表れている

結論からいうとバンゲリスは映画音楽作家でありハンスジマーは「劇伴音楽作家」なのだ。そして両者は本質において全く違うのだ。

では「劇伴音楽」と「映画音楽」はどう違うのか?

ひとことでいえば「映画音楽」は音楽として独立した存在になりうるが「劇伴音楽」はその映画、映像のために書いた音楽で映像とは不可分であるという点

そしてハンスジマーが最近これだけ注目されているのは映像と究極的に不可分であり、担当する映画の演出に徹した「究極の劇伴」として作られているからである。音楽作曲のスキルも多種多用で、エクリチュールの複雑さ、手法を楽しみたい人は堪能できるが、それらは映像と密着、不可分な存在として音楽が存在する。

だがハンスジマーの音楽、とりわけ最近の音楽を映像なしで聴いたらどんな風に思うだろうか? 映画を見た人ならおそらくハンスジマーの音楽を聴いてその音楽がなっていたシーンを思い出すかもしれない。だがそれはあくまで映画を見た人という条件がつく

誤解しないで欲しい。先ほど私はブレードランナー2049はハンスジマーではなくバンゲリスの方がいいと云った。だがそれは初作のブレードランナーのファンとしてバンゲリスの音楽に思い入れがあるからだ。しかしハンスジマーがブレードランナー2049のために書いたジマーの「究極の劇伴」が悪い作品という意味ではない。ジマーの作品は映像と音楽の隅々までのミクロなレベルでシンクロ、や「演出音」に徹したものであり、最近のジマーは音楽よりは「音効」に近いものになっている。

そしてそういう「劇伴」が最近のハリウッド映画の主流になっているのはまぎれもない事実だ。

一方、「映画音楽」というのは映像がなくても音楽として独立して存在しうるし、映画音楽だけで映画全体のイメージをマクロに観衆に伝えることができる音楽だ。

J ウイリアムズのご存じ「スターウオーズ」「インデイ―ジョーンズマーチ」はこのテーマを聴いただけでその映画全てを連想することが可能である。音楽として独立していると同時にその音楽の存在が映画そのものをマクロに表現している。

あるいは映画の名作としてマーラーの交響曲第五番の第四楽章「アダジエット」は音楽として独立しているが、ビスコンテイの名作「ベニスに死す」では音楽として強烈な存在感を放っている。 つまり映画音楽というのは映画の中でも強烈な存在感を音楽として持っているのだ。

実は私の経験で云うと、音楽が映画の中で強烈な存在感をもつことを嫌う監督も少なくない。「映像が音楽に負ける」「音楽が強すぎる」ということで嫌がるのだ。結構こういうタイプの映画監督は少なくない。そしてたぶん最近のハリウッド系の監督の多くはこのタイプではないかと思う

つまり「映画音楽」を好む映画監督と「劇伴に徹してほしい」映画監督とはっきり分かれている。先述の佐藤勝先生は後者のタイプの監督とは絶対に仕事しないだろう。そして最近の傾向として後者のタイプの映画監督の方が多いような気がする。

整理するとこのようになる

音楽のタイプ 映画音楽 劇伴音楽
音楽の表現 マクロ的(映画全体を表現) ミクロ的(映画の細部までこだわって表現)
音楽のタイプ 音楽そのものとしても独立して存在可能 映像と密着、一体化した音楽、反面映画を見ていない人にはわかりにくい
映画の中の位置 映画の中で強烈な存在感をもつ 映画の中では「脇役」に徹する。目立たないが効果的な音楽演出を目指す
音楽の印象 映画そのものの存在に近いため、メロデイその他の印象が観衆に残りやすい 全部がそうではないが、音楽として、メロデイとして印象に残りにくいことが多い
主な作曲家 エンニオ モリコーネ、ジョン ウイリアムズ、ミシェル ルグラン、最近だとアレクサンドル・デスプラ等が入るかも ハンスジマー、ベンジャミン ウォルフィッシュ,キャサリン、クルージ

 

念のために言っておくが私一応両方対応可能ではある。ただ映画音楽作家としての個人的な好みは「映画音楽作家」であることはいうまでもない。その意味で佐藤勝先生に私は賛同するものである。

 

 

 

 

11月 23, 2017 映画・テレビ | | コメント (0)

2017年11月 6日 (月)

新人監督映画祭ー今年も拙音楽担当作品2作品上映!!

先日開催終了した「東京国際映画祭」は自分は(少なくとも今までは)全く縁がないのだけどなぜかこの映画祭だけはいろいろと縁があります

ユナイテッドシネマ豊洲で開催される「新人監督映画祭」

新人監督映画祭といっても出品している方の大半は新人ではありません(笑) まあこれからの時代を担う映画監督のための映画祭という意味で今回が第四回を数えます。

不思議にこの映画祭、第一回からいろんな形で関わり、昨年をのぞいてほぼ毎年私が関わった映画が上映されています。

私が関わった作品が上映されていない昨年でも、なぜかこの映画祭のプロモーション映像の音楽をやることになったという何とも不思議な縁がありました。

 

 

昨日「新人監督映画祭」全上映作品が発表されました。そのうち二本が拙音楽担当させていただいております

http://ndff.net/filmslist/

・「もしもに愛を」 (宮本ともこ監督)     11月12日19時上映  スクリーン6

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監督:宮本ともこ

出演:金井久成、南條みずほ、田中日香里、榊滉太郎、笹本ゆり

恋人を妊娠させた小牧は面接に着ていくスーツを買いに行く。店には修行中の魔法使い、魔子がいた。それぞれのもしもを描く群像劇。

予告編

 

・「再恋」

11/17(金)16:30  スクリーン5上映

監督:中田圭
   
出演:佐野紫音、亀井理那、TOMORO 他

Siren

どこにでもいそうな少女。ある日、あっけなく初恋が玉砕し失恋した少女は、恋の意味を知るべく旅に出た。といっても周囲数キロ以内のプチ旅へ…平凡ながらもその中で、少女は人生の意味を知っていく…ひとりの少女が、出会う人々の人生に触れながら、ほんのちょっと成長していく姿を描く青春ストーリー。

ユナイテッドシネマ豊洲にて上映

尚、私は行けませんが11月11日の午前中にレッドカーペットがあります。女優さん、俳優さん、監督さん大勢来ますのでよろしければユナイテッドシネマ豊洲までお越しください

 

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11月 6, 2017 映画・テレビ | | コメント (0)

2017年8月24日 (木)

映画にしてほしい作曲家、映画にはとてもならない作曲家

夏休みになると「夏休み記事」のようなものを毎年かいているけど、今年はまだ夏休みを取っていないし、業務多忙になるとやはりブログ更新自体が正直負担になっている。ブロガーというのはヒマ人でないとできないというがその通りで、こういう記事も今年で最後にしようかな、などと考えたりもする。

一応作曲ということをやっている人間の端くれからみれば歴史に名を残している作曲家がどのような人生を送ったかについては興味がある。そしてその作曲家の人生をさまざな観点から描いた映画も多い。今年は映画の中で描かれた作曲家について考えてみたい

ただ、作曲家の人生を描いた映画の場合、当たり前だがたいていの場合はその作曲家の作品が背景音楽として使われるため我々のような映画音楽、劇伴に関わっている人間の出番はないのだが、いずれにせよ歴史に残るような偉大な作曲家の音楽を聴きながらであるから作品しては興味を大いにそそる

作曲家をテーマとした映画をググってみたらこんなにもあったのでびっくりした

クラシック音楽家(作曲家)がテーマの「映画」作品集
https://matome.naver.jp/odai/2142937575071429501

予想以上に多く、全部入れると大変なので主だったものをリストにいれておく。正直、結構私が見ていない映画、知らない映画も多い。また正直いってすべてが傑作であるとは限らないことも付記しておく

ヨハンセバステイアンバッハ アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記 (公開題「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」) [1968年映画 DVD] 音楽家J・S・バッハの半生を彼の作った名曲をバックに、第二の妻アンナ・マグダレーナの日記をナレーションに綴った伝記映画。
ジョージフレデリックヘンデル ヘンデルの生涯(1985年 イギリス映画)
(現在は販売停止)
廃盤 J・S・バッハと一緒に行ったリューベックの作曲家ブクステフーデ訪問、ローマでのドメニコ・スカルラッティとのチェンバロ競演,ヘンデルにまつわる有名なエピソードがふんだんに紹介されている。
ウオルフギャング・アマデウス・モーツアルト 『モーツァルトの恋』(1942年 オーストリア映画) [DVD] 宮廷付き指揮者になることを夢見ていた若きモーツァルトは、ウェーバー家の娘コンスタンツェと結婚する。しかし、モーツァルトが本当に愛しているのはコンスタンツェの姉で歌手のルイーゼだった。
ウオルフギャング・アマデウス・モーツアルト アマデウス(1984年 アメリカ映画) [DVD] アントニオ・サリエリ。オーストリア皇帝に仕えた秀才作曲家比類なき才能をいかんなく発揮するモーツァルトの下劣な性格に嫌悪感を抱きながらも才能に嫉妬し、モーツァルトを貶めようと策を巡らせる。
ルッドヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 楽聖ベートーヴェン (1936年 フランス映画)[DVD] 19世紀はじめ、若きベートーヴェンはウィーンの娘ジュリエッタに思いを寄せていたが、彼女は伯爵と結婚してしまう。失意の彼を慰めるテレーゼとの愛も報われぬまま、彼は次第に聴覚を失っていく。
ルッドヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 不滅の恋 ベートーヴェン デラックス版(1994年 イギリス・アメリカ) [DVD] 本作は単なるラブ・ロマンスではない。
物語は一通の手紙を通し、生涯女性の愛に恵まれず、民衆からも偏屈な人物と思われていたこれまでの彼のイメージを一掃し、その屈折した生い立ちゆえに人々から誤解されてきた彼の本当の姿、そして聴覚障害の為自らの偉大な音楽も聴衆の賞賛も聴くことも出来なかった彼の心に秘めた激情と苦悩を、その壮絶な軌跡と共に描いてゆく。
フランツシューベルト 未完成交響楽(1933年 オーストリア) [DVD] 貧しい作曲家・シューベルトは上流階級のサロンでピアノ演奏を行ったのをきっかけに貴族の娘の家庭教師になる。やがて2人は恋に落ちるが、親の妨害により、娘は軍人と結婚することになる。
ニコロ・パガニーニ パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(通常盤-2013年ドイツーDVD) 1830年、イタリア。敏腕マネージャー、ウルバーニの働きで富と名声を手にしたパガニーニは、私生活では女や酒、ギャンブルにまみれた堕落した毎日を送っていた。ある日、指揮者ワトソンの尽力でロンドン公演を行うことになったパガニーニは、そこでワトソンの娘シャーロットと出会う。美しい声を持つシャーロットと音楽を通して心をかよわせ、初めて本当の恋を知るパガニーニだったが……。
へクターベルリオーズ 『幻想交響楽』 1944年 フランス(販売中止) 廃盤 1830年、ロマンチスムの花が咲きにおうころ。エクトル・ベルリオーズは医学生としてパリに上京した。しかし彼には父が望む医道に進むことは堪えられぬ事だった。いつか音楽に心身を打込んで医学には遠ざかったので父親は送金しなくなってしまった。
フレデリック・ショパン ショパン 愛と哀しみの旋律 (2002年 ポーランド)[DVD] 祖国ポーランドを逃れ、たどり着いたパリでは作曲家として認められず失意の底にいたショパンは、女流作家ジョルジュ・サンドと出会う。彼女の情熱にのまれるように愛が始まり、ショパンは次々と名曲を生み出していく。
ロベルト・シューマン 愛の調べ(1947年 アメリカ) [DVD] 天才的ピアニストの折紙つきのクララ・ヴィークは、父ヴィーク教授の弟子ロベルト・シューマンと恋仲だったが、教授はシューマンの才を認めず結婚を許さない。
フランツ・リスト フランツ・リスト 愛の夢(1971 旧ソ連・ハンガリー合作)(販売停止)

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ハンガリー生れのフランツ・リスト(I・シンコビッチ)は、幼い頃から天才ピアニストとしてずば抜けた才能をみせ、今は芸術の都パリでサロンの人気を集めていた。リストは、芸術に理解が深いマリー・ダグー伯爵夫人(K・ルーチコ)の励ましで、世界一のピアニストといわれるタールベルグとの弾きくらべに勝ち、センセーションを呼んだ。。
リヒャルト・ヴァーグナー 『ワーグナー/偉大なる生涯』(1983)( 1983年 イギリス・ハンガリー・オーストリア合作)(販売停止)

 

廃盤 1849年、ドレスデンの三月革命の渦中に飛び込んだワーグナーは、首謀者として目をつけられ、各面の失敗と共に祖国を追われ逃亡生活を送ることに。妻ミンナを愛しながらも、出資者である豪商ヴェーゼンドンクの妻マティルデと恋に落ち、その不倫の情熱を『トリスタンとイゾルデ』の完成に注ぐ…
ヨハン・シュトラウス(息子) グレートワルツ(1938年 アメリカ) [DVD] 若きヨハン・シュトラウス勤めていた銀行をクビになり恋人であるパン屋の娘ボルディの心配をよそに、近所の音楽愛好者たちを集めて管弦楽団を組織し、自分の作曲したワルツをカフェーで演奏した。それは始め客に喜ばれなかったけれどもそこへ帝室オペラ劇場の歌姫カーラと歌手シラーが現われて称賛したことから、町行く人々まで楽の音に聞きとれるのだった。カーラはこの若い作曲家に興味を感じて、彼女のパトロンであるホーヘンフリード伯の夜会に招待した。そしてその席で、彼女はシュトラウスの作曲になるワルツを歌った。
ピョートル・イリッチ・チャイコフスキー) チャイコフスキー (1970年旧ソ連)[DVD] ピアノ協奏曲を完成させたチャイコフスキーは、それを“難しすぎる”の一言で切って捨てた恩師とトラブルを起こす。打ちひしがれた彼に、援助の手を差し伸べたのは、富豪の未亡人フォン・メック夫人だった…。
セルゲイ・ラフマニノフ ラフマニノフ ある愛の調べ (2007年 ロシア)[DVD] セルゲイ・ラフマニノフは10歳くらいの頃、両親が離婚、厳格な名教授ズヴェレフに引き取られる。ラフマニノフの才能をひと目で見抜いたズヴェレフは、毎日のように精魂込めて彼を指導していた。しかし数年後、ピアニストとしての精進を求めるズヴェレフと、作曲の喜びに目覚めたラフマニノフは決裂してしまう。ラフマニノフはその頃、アンナという年上の女に恋をしていた。

上記を見ておわかりのように、既に廃盤で手に入らないものもあるが、時代に残るほどぼ名作ではなかった、ということかもしれない。個人的には「未完成交響楽」などは映画としてはかなりいただけない出来だったように記憶している。

そしてバッハとかモーツアルト、ベートーベンを除けばやはりロマン派の作曲家が多い。恋愛遍歴も多い作曲家が多く、不倫、駆け落ち、略奪愛、なんでもあり、というところも映画にしやすいのも事実だ、

尚、番外編として作曲家が主役ではないが、次の3作品もあげておこう

番外編

カストラート ジョージフレデリック・ヘンデル かつて存在したボーイソプラノの声を保つため去勢した歌手(カストラート)の話。オランダの俳優ジェローン・クラッブがヘンデルを演じた。クラッブはオランダ人だがこの映画ではフランス語、英語、イタリア語をしゃべっている。
クララ・シューマン 愛の協奏曲 [DVD] ロベルト・シューマン、ヨハネスブラームス コンサートホールで観客の喝采を浴びる作曲家ロベルト・シューマンと妻でピアニストのクララは、ヨハネス・ブラームスと名乗る男に呼び止められる。クララはヨハネスとの出会いに運命的なものを感じ、波止場の薄暗い居酒屋へ足を運ぶ。そこでヨハネスの演奏を聴き、彼の才能を一瞬で見抜く。ロベルトは持病の頭痛に苦しんでいた。クララは夫を救うため、自ら指揮者として楽団員の前に立つ。そして女性の指揮者への偏見をはねのけ、見事な演奏を引き出す。ある日、ヨハネスがシューマン家を訪れる。ヨハネスは夫妻の子供たちに気に入られ、シューマン家で共同生活を送ることになる。
ベニスに死す [DVD] グスタフ・マーラー、アーノルドシェーンベルク 映画の役柄では別名になっているが、主役の「エッシエンバッハ教授」は明らかにグスタフマーラーのモデルであり、映画劇中で芸術論をエッシャンバッハに挑んでいるアルフレッドなる若者は、若き日のアーノルドシェーンベルクである。映画史上、普及の名作という評価が高く、ビスコンテイの代表作にも揚げられる。で映画の中の美少年は日本の少女マンガでも大いに素材として使われている。

表ばかり並べてしまったが、ここから本題に入る。勿論上記以外にもまだたくさんあるのだが、作曲家をテーマとした一定の知名度がある映画作品というとだいたいこんなものではないかと思う。作曲家の生き様と愛情を描いた作品だが、まだ映画になっていない大作曲家がいるので、こんな作曲家の映画というのはどうだろう。

私が映画にしてほしい作曲家

・ヨセフ・ハイドン 

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理由としては今であれば立志伝中の人物になるからだ。生まれの身分も低く、バッハやモーツアルトのように音楽家の家に生まれたわけではない。身分の低さを蔑まれ多くの苦難、障害をのりこえて宮廷楽長の地位を手に入れた人物だ。

結婚してもカミさんとは折り合いが悪く別居、夫婦ケンカを毎日のようにしていたという。歌手の愛人がいたという情報もあるが確かな情報はない(いてもおかしくはないが..) 。まあその辺りが映画にしにくい理由なのかもしれないが、逆境をはねかえし自分の努力と才能だけではいあがった人物の姿を描く、という映画は最近あまり見かけないので、そういう映画があってもいいのではないだろうか?

人格者としても知られ77歳という当時としては高齢で没したが、葬儀にはハイドンを慕う人の列が絶えなかったという。

・ヨハネス・ブラームス 

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別表のクララ・シューマン 愛の協奏曲 では登場人物として出てくるものの主役となった映画は私の知る限りない。もっともクララ・シューマン 愛の協奏曲 では若いころのブラームスではあるが、

そのクララシューマンとの「不倫?」(たぶんそういっていいと思うのだが)をテーマに映画にしてもいいかもしれないが、ベートーベンに匹敵する交響曲を書くために悪戦苦闘する日々を描くとか、いろいろとやりようがあるのではないか。確かにクララシューマンをのぞいては女性遍歴というのが少ないのも映画にしづらい理由かもしれない、

個人的には「三大B」の一人といわれる作曲家の人生を描いた映画がないというのはいささかさびしい

・クロード・ドビュッシー

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この人も是非映画にしてほしい作曲家の一人である。

名曲もたくさんあるし、何よりも音楽史上でも革命的な表現手法を作り上げた人物である。その影響は現代音楽だけでなくジャズ、そして現代のアンビエントやポピュラーミュージックにまで及ぶ。加えて当時の著名な作曲家、(ラベル、サテイ、バルトーク、ヒンデミート、ストラビンスキー)を始め、マネ、ルノワール、ドガといった印象派の画家との交流も出てくるので20世紀初頭のフランスの文化、芸術分野ではオールスターを出すことも可能だ。(但しドビュッシー自身は自分が「印象派」と呼ばれるのを嫌がっていたという記録が残っている)

女性遍歴もすごい。不倫、浮気のオンパレードである。映画にはもってこいの題材だと思うがいかがだろう?

・スコット・ジョっプリン

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別に私が「ラグタイムシリーズ」のコンサート活動をしているからジョップリンを揚げているのではない。だが私は日本の音大を中心にいまだ主流となっている西洋クラシック音楽の史観には異を唱えている人物である。とりわけ20世紀に入ってからジャズを始めポピュラー音楽発展の歴史をほぼ完全に無視している風潮には激しく疑問に思い憤りすら感じている。

ラグタイムというのはジャズの前身の音楽であり、人気ミュージカル「シカゴ」の"All that Jazz"のピアノのフレーズを見ればジャズがラグタイムから発祥した音楽であることがすぐにわかる。このラグタイムからジャズ、ブルース、ブギウギと発展してきているのでいうなれば現代のポピュラーミュージックの「ご先祖様」といっていい音楽である。

そのラグタイムの王といわれるジョっプリンの今年は没後100年、来年は生誕150年を迎えるのだが、その業績に対して私はジョっプリンの扱いが不当に低い、ということは声を大にしていいたい。

先日アメリカのシャーロッツビルでの白人至上主義者の暴動、トランプ大統領がその差別主義を事実上擁護と受け取られてもやむをえない行動をとったことで差別主義に対する批判が高まっている、ジョっプリンはアフリカ系であることから生涯、人種差別と闘うことを余儀なくされた作曲家だ。それを乗り越えていかに「キングオブラグタイム」の地位を獲得したか、そこを描いてもいいし、とにかく生涯はドラマチックである。ヘイトスピーチがいまだに鳴り止まない日本でもこういう映画が必要なのではないかと思うのである。

・ジョージ・ガーシュイン

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正直にいう。私はガーシュインのような作曲家でありたいと思っている。20世紀を代表とする作曲家であり、ポピュラーミュージック、そして芸術音楽双方に不滅の実績を残した作曲家である。今でいう「全米一位」(当時は今のようなヒットチャートが出来上がっていなかったが、「スワニー」や「アイ・ゴット・リズム」は間違いなく今でいう全米一位になったヒット曲である)のヒット作家といわずとしれた「ラプソデイーインブルー」や「パリのアメリカ人」そして日本では演奏される機会が少ないが個人的には「ピアノコンチェルトへ長」はラベルの「ト調」とバルトークのピアノ協奏曲第2番 と並べ私は「20世紀の三大ピアノコンチェルト」と勝手に読んでいるほどの傑作である。後にも先にもガーシュインのような作曲家はガーシュイン以外にはいない。

人生は確かに典型的な仕事人間だったためドラマ性は少ないが、まだ人種差別意識が強かった当時に自らアフリカ系のコミュニテイに入り込み彼らの生き様を研究したり、当時まだ黎明期のデイクシーランドジャズを研究し、ジャズの語法を発展させる等、人生として見るべき点も多い。先ほどのジョっプリンの話ではないが、全世界的に右翼的、人種差別的な動きが出ていることから逆にガーシュインのような作曲家の生き方を描くのは意味があると思う、。

やや話がそれるが、ジャズ、ポピュラーミュージックの歴史を踏まえた記事が当ブログにあるのでご興味ある方は参照されたい

間違いだらけの現代音楽史(1)ー1920年代は十二音技法もジャズも「最先端の音楽」だった

間違いだらけの現代音楽史(2)ー1930-1950年代ーコード譜システムの確立と西洋音楽の伝統の事実上の終焉

・エリック・サテイ

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変人が多い作曲家の中でも特に群を抜いた「変人」といわれるエリックサテイだが、この人の人生をみると20世紀初頭の音楽、演劇、美術等のオールスターが出るだろうから是非映画にしてほしいものだ。

ロマンスの記録が少ないが人生で数少ないロマンスの相手が多くの画家と浮名を流し、後ユトリロの母になるシュザンヌ・ヴァラドンだ。この女性の人生自体が映画になったが、ヴァラドンとのロマンスがあの名曲「おまえが欲しいーJe te veux」を生んだことを考えるとこれだけで映画の素材として充分である。

さらにサテイの周辺にはクロード・ドビュッシーを始めサテイを師と仰ぐダリウスミヨー、プーランク等の6人組だけでなく、演劇ではジャンコクトー、美術のパブロピカソ、等、当時のパリ在住の文化人、芸術家のオールスターが出てくる、これだけでも楽しい

サテイは現代音楽だけでなく現代のポピュラーミュージック、環境音楽にも大きな影響を与えた作曲家で私的には「現代音楽(現代音楽ではない)の父」と呼んでいいと思う、その作曲家の人生を映画でみるのも悪くない

・ベーラ・バルトーク

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バルトークは私は20世紀最大の作曲家の一人と考えているが正直、お世辞にも「親しみやすい音楽」とはいえない。だから映画にしても一般受けしないのでは、という意見もわからんではない、

実際バルトークの代表作の「弦楽と打楽器とチェレスタの音楽」の第三楽章(あの歌舞伎をお拍子木のような感じで始まる部分)はキューブリックのホラーの名作 映画「シャイニング」の最も怖いシーンに使われたし、実際バルトークの「夜の音楽」というのは「お化けが出そうな」音楽が多い。だがそれはバルトークが生きた時代と密接に関係している。

実はバルトークの時代には本当に「お化け」がいたのだ、その「お化け」の名前はナチスドイツ、とりわけ1930年代に入ってからナチスドイツの存在は周辺諸国に恐怖を与えた、バルトークの「お化けが出そうな」夜の音楽はまさしくそれを表現したものである。これは戦前回帰を画策する「日本会議」やネトウヨのヘイトスピーチの風が吹き荒れる現代日本の風潮、そして白人至上主義が勃興したアメリカ等、昨今の世界情勢を連想させる動きである。

バルトークの人生の後半はそのような暗い世相、ナチスドイツとの闘い、亡命、そうしたものが反映されていて、時代に翻弄された作曲家だったのだ。これだけでも十分に映画になる要素はあろう。最晩年の「オーケストラのためのコンチェルト」や「無伴奏バイオリンソナタ」「ピアノ協奏曲第三番」は亡命先のアメリカで書いたこともあって「お化け」的な要素は減って行っている。バルトークが望んだようなハンガリーの民主化は冷戦終結後、バルトークの死後50年近く待たねばならなかった。

映画にはならない作曲家

・フェリックス・メンデルスゾーン

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まず筋金入りのお坊ちゃんである。銀行家の家に生まれ、子供のころからモーツアルトのような「神童」などと持ち上げられ、何一つ不自由なく苦労らしい苦労もしないで育った。自宅にコンサートホールを持ち、自分のオーケストラすら持っていたという。少し先輩だが自分の作品の演奏機会をなかなか作ることができなかったシューベルトなどからすれば羨ましい限りである。

性格もかなり嫌な奴っだったらしい。まあ上記のような境遇をもつだけでも十分に嫌な奴である。

そして映画的な観点から見ると38歳という若さで死去する以外は特にドラマチックな人生を歩んでいるわけではない、死去するまではすべてが順風満帆である、

ただユダヤ系ということもあって、死後かなり不当な評価や迫害を受けていたことも事実だ。昨今も白人至上主義やヘイトスピーチ等がネットを中心にあふれているが昨今の人種差別が堂々と大手をふってまかり通っている最近の風潮を考えるとメンデルスゾーンのような作曲家を評価するのは必要と考える。ただやはり人生を描くにあたって映画にはならないかなあ(笑)

・アントン・ブルックナー

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ブルックナーファンや研究家には申し訳ないが、このブルックナーはどんなに好意的に描こうとしてもどうひっくりかえしてもこの人の人生だけは映画にならない。

理由? まず地味である。性格もくそまじめでこれといった浮いた話もない。
我々の知っている範囲では女性遍歴もまず0に近い。74歳まで生きたが一生童貞だったという話もある、

この人の人生を見ているとどうやってドラマにしたらいいのかわからないのだ。作品、交響曲もみな長いし雰囲気もどれも似たような感じー教会のコラールのような感じ。映画音楽として使ってもワンパターンになってしまう。

長く無難で地味な人生を送ってきたブルックナー、でも個人的には四番のロマンチックといわれる交響曲や7番、8番は好きですよ、特に8番の第四楽章などは映画やゲーム音楽にしてもいい感じだ。 

ただ人生は映画にはとてもならない 申し訳ないけど

・モーリス・ラヴェル

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個人的には大好きな作曲家なのだがいささかマザコンの気があり、生涯独身であったこと、そして最盛期の頃に病気がだったことを考えると確かに映画にしにくいかもしれない。

ただ個人的にはガーシュインとの出会い、

ボレロを聴いて感動したガーシュインが弟子入りを志願したところ、「あなたは既に一流のガーシュインではないか。なぜ二流のラベルになろうとするのか?}というとことはドラマにしてほしいけどね

でもそこだけ描いても長編映画にはしにくいしね

難しいところだ

=======================================================================

以上、ずいぶん長くなってしまったがやはり映画とクラシック音楽と映画というのは実に密接な関係がある、ということがわかる、私も仕事の中でクラシック音楽を使う場面がずいぶんあるのだが、正直クラシック音楽を「演奏する」というのはいささか辛い。「クラシック音楽」というのは形式主義的な側面が強いので、クラシックの中でもうるさ方はそういうことにこだわるからだ。

まあ作曲家の人生となれば殆どその作曲家の音楽作品を背景音楽として使われることになるだろうけどね。

ちなみに上記でも少しふれたが、私はいまだに音大系中心に支配されている20世紀音楽史観には異を唱えている。詳しい話はここではふれないけれど最後に私が作った20世紀の音楽史観をチャートにしたものがあるのでご興味がある方はこちら。詳しくはこちらの記事をお読みください

間違いだらけの現代音楽史(4)ー生きた文化のありかたを捨てたアカデミズムが支配した「クラシック音楽」とその流れに贖った反アカデミズムの音楽
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2015/08/4-0b92.html

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関連記事

奇人変人が多い大作曲家の人物像

>

kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2004/02/post-ad2d.html

 

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8月 24, 2017 文化・芸術映画・テレビ音楽16-23 | | コメント (0)

2017年5月 1日 (月)

拙音楽担当ドキュメンタリー「涙の数だけ笑おうよ」林家かん平師匠凱旋映画上映会+高座のトークショー終了報告

昨年の9-10月に角川シネマ新宿を始めとして全国11劇場にて劇場公開されました拙音楽担当のドキュメンタリー「涙の数だけ笑おうよ」
今回は主役の林家かん平師匠の地元の府中市の要請もあって、凱旋映画上映会+高座のトークショーが開催されました。

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場所は京王線府中駅に直結している府中グリーンプラザです。
大野の地元は府中市の隣街ということもあって、今回は手伝いとして参加しました。

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控え室でのかん平師匠。 昨年の角川シネマ新宿の時以来ですが、昨年の公開日初日もらいそびれたかん平師匠の手ぬぐいをいただきました。(^ ^)

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これは記念になります。(^^)
ご存じない方もいらっしゃいますので、「涙の数だけ笑おうよ」の公式予告編です。

今回は高座付き上映、ということで映画上映後にかん平師匠の落語です

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落語のあとは監督との舞台挨拶です

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劇場の一般公開は終わりましたが、これからイベント上映を続けていく予定です。今日も大勢の皆さんに来ていただきました。次回は6月に埼玉県所沢市、こちらもかん平師匠ゆかりの地です

 

 

 

5月 1, 2017 映画・テレビ | | コメント (0)

2017年4月23日 (日)

デジタル時代に入り「音楽や映画なんか簡単にできる」的な風潮に対する違和感

デジタル時代に入って何がドラステイックに変わったかといえばやはり制作予算が劇的に削減された点にあるだろう、音楽制作費などはその最たるもので、今ではとても信じられないが音楽バブル時代にはアルバム一枚に1000万もかけていた時代があったのだが、今ではアルバムでも200万かけられない状態、

一般のシングルや歌ものなどはもはや宅録が当たり前の状態となり、かくいう私も自宅にボーカルブースを装備してPro toolsによるデジタル録音で対応している。

映画の方もコンパクトな4Kデジタルカメラの出現でフィルム時代では考えられない低予算で撮影が可能になった。そのことが映像のニーズをも増幅している。映像も音楽もデジタル時代に入って確かにクオリティの高いコンテンツを遙かに低予算で作ることが可能になっている。

だが、 である

そのことを勘違いする人間もかなり増えているのを感じる。

それも一般の人、映像や音楽に全くのど素人ならともかく、比較的我々の業界、製作に近い世界の人間の中でそういった勘違いが蔓延っているのを感じるのだ。

どういうわけか、我々制作でやっている人間の仕事、というのはなぜか一部の人には「簡単な仕事、誰でもできる仕事」という風に見えてしまっているらしい。一体我々の仕事のどこを見てそう感じるのかわからないがとにかくそう考える人間が少なくないのは事実なのだ。

例えば酷いケースになると歌録りは「カラオケボックス」でできる(???)、などと本気で考えている人間がいた。「オケと歌がミックスすりゃいいんだろう?」って おいおいカラオケボックスの歌を録るのと制作で歌録りするのは全然違うんだよ。

こんなド素人のような勘違いを本気でするのが、例えば某芸能プロダクションの社長だったりする。我々制作サイドに近い人間、それも自分のところのタレントをスタジオに送ったりしているのなら少しは制作のプロセスについて理解してもよさそうだが、理解レベルは一般の映像や音楽の世界を知らないド素人と同じレベルだったりするのだ。信じられないかもしれないがそれが現実。

音楽はDTM DAWを使えばまだそれでも低コストで作ることが可能だが、これが映画だとそうはいかない。映画は音楽と違い多人数の人間がいないと絶対にできないのだ。
 撮影だけでデイレクター、カメラマン(場合によっては複数) 照明、音声、それ以外に衣装さん、メイクさん とかいれば最低でも7-10人のクルーが必要になる。 

ところがそれを理解しないで映画を作ろうとする人間が増えているのだ。当然撮影には大勢の人間が必要、なんてことなど理解していない。 嘘みたいな話だが、ホームビデオの感覚でー酷い場合はスマホのカメラで一本の映画ができるなどと本気で考えているから困った、ものだ。

音声って必要なの? カメラのマイクだけじゃだめなの?
カメラって一台だけでできないの?

MAって何? 必要なの それ?

これらはとあるモデルプロが自分のところのモデル主演の映画撮影の時に実際本当に飛び出た発言である。

歌はカラオケボックスでできる。映画はホームビデオかスマホだけで十分じゃん、だからタダみたいな値段でできるでしょ?

こんなド素人感覚で音楽や映画を作ろうとしている会社、事務所、プロダクションが多いことに愕然とする。

背景にあるのはクリエイター,制作クルーに対する著しいリスペクトの欠如である。制作のプロはその技術を会得するために血のにじむような努力でその職人技を磨く、そういう人間に対するリスペクトの念など欠片も持っていない。そんなノウハウなどタダでしょ?みたいに本気で思っている

実際一般の人でも音楽や映像クリエイター、製作クルーを「趣味を仕事のようにしているロクでもない奴ら」であって尊敬するに値しない人たちだなどと考えている人もいるようだ。 しかしそれが一般のシロウトならともかく制作の世界に近い芸能事務所やプロダクションになるとこれは最悪である。

そして残念ながらそういうパターンは本当に増えている、製作クルーもクリエイターもお前ら霞でも食ってろというのが、こういう連中の言い分らしい。

昨今映像制作の分野は確かに活気を帯びているが、一方でこういう勘違い制作が増えているというのも困ったものだ

それにしても私のような音楽制作もデイレクターの映像制作もそんなに簡単に誰でもできる仕事のように見えてしまうのだろうか? 見えてしまうとしたらどうして見えるのだろうか? 一度そう考えている人たちに聞いてみたいものだ。

悲しいかな、日本の芸能界をも含む、この国の文化レベルがこういうところで見えてしまう、というのが悲しい現実だ

 

 

4月 23, 2017 映画・テレビ | | コメント (1)

2017年2月27日 (月)

オスカー2017年ー終盤の大ハプニングと反トランプ色を鮮明にした「声明」を出した授賞式

 

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いやー今年のオスカー授賞式は前代未聞のハプニングが起き、正直「やられました」

まあそれは後でゆっくり書くとしてまずは今年のオスカー授賞式の焦点として

1. La La Landがどれだけ取るか。
2. 対抗馬のムーンライトによる番狂わせがあるか。
3. 反トランプの演出がどれだけあるか 

反トランプは明確にありました。というか今回のオスカーはひとことでいって映画アカデミー、アメリカの映画産業そのものは「反トランプ」色をより鮮明にし、事実上のトランプの移民排斥を始め、人種差別主義的な政策に対して明確な「NO!」という声明を出した、といっていいと思います。

まずその前におもな受賞者を記しましょう。詳細や掲載されている他の受賞者は英語ですがオスカーの公式サイトをご覧ください

作品賞   ;  ムーンライト *

監督賞   ;    デミアン・チゼル(ラ・ラ・ランド)

主演男優賞:  ケーシー アフレック(マンチェスターバイザシー)

主演女優賞:  エマ・ ストーン (ラ・ラ・ランド)

助演男優賞:  マハーシャラ アリ(ムーンライト)

助演女優賞:  ヴィオラ・ デービス (フェンス)

作曲賞   ;  ジャステイン ハーヴィッツ(ラ・ラ・ランド)

歌曲賞   ;    ジャステイン ハーヴィッツ(ラ・ラ・ランド)

外国映画賞:  セールスマン (アスガー・ファバルディ監督) **

*:一度は「ララランド」とアナウンスされたが、アカデミー賞受賞者の封筒が間違っていて、しまい後程アカデミーのスタッフに手渡され正式に「ムーンライト」と発表された

**注:受賞者不在のまま代理人が声明を読み上げた

https://www.oscars.org/oscars

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オスカー見ている時に猫は上から目線 (^^;)

 

 

授賞式はジャステインテインバーレイクのパフォーマンスで始まりました。

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今回映画アカデミーだけでなくハリウッドのセレブたちがどれだけトランプ大統領の政策に対して反対表明をしているかは、以前から知っていましたが、今回は正直反トランプ一色に染まったといってもいいでしょう

どれだけ反トランプかといいますと

1.司会者ジミー・キンメルの発言

まずは今回も主演女優賞にノミネートされているメリルストリープに対してトランプ大統領が「過大評価されている女優だ」などと評したことにたいして、皮肉たっぷりに「過大評価されている女優が毎年オスカーにノミネートされている、オスカーもいくつも取っている、なんという過大評価されている人だ」などと発言

このほか
「ハリウッドは国籍で差別することはない」

「私たちはトランプ大統領に感謝しなければなりません。大統領の差別発言連発のおかげで、昨年『白一色』だったオスカーに対して今年はアフリカ系の作品が今年はムーンライトを始めこんなに沢山アフリカ系の方がノミネートされましたから」

あとキンメルの発言ではなくメキシコの俳優ガエル・ガルシア・ベルナルさんは「メキシコ人、そして人間として、私たちを分断する全ての壁に反対する」と述べ、喝采を浴びた。

2.外国語映画賞にイランのファヴァルテイ監督、あと差別をテーマとした長編アニメズートピアが受賞

トランプのイランを始めとするイスラム諸国の入国禁止の大統領令に(現在は裁判所の裁定で施行停止になっている)抗議してアスガー・ファバルディ監督は欠席、その監督に「最優秀外国映画賞」が与えられた。

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イランのファバルディ監督

またズートピアは動物の話をモチーフに差別というものをテーマとしており、まさしくイスラム教を始めとする人種差別を推進するトランプ大統領に対する反対声明ともなっている

3.作品賞をイスラム教、LGBT, そしてアフリカ系アメリカ人をテーマとした映画の「ムーンライト」が受賞

極め付けはこれだろう。イスラム教、LGBT,、そして貧困層のアフリカ系 いずれもトランプ大統領が虐げ蔑ろにしようとしている人たちである。その人たちの苦悩と生き様を描いた映画が今年の作品賞。 これ以上ドナルドトランプに対する明確なメッセージは他にあるまい。

下馬評は圧倒的に「ラ・ラ・ランド」だった、しかしこういう政治状況もあり私は「番狂わせ」を期待したが、その通りにはなった。但しハプニングが起きたので少々複雑ではある、

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但し残念ながら作品賞発表の時に前代未聞の不手際が起きてしまったことである。作品賞のプレゼンターのウオーレンビーテイーとフェイドゥナウエイに作品賞ではなく、主演女優賞を受賞したエマ・ストーンさんと出演作「ラ・ラ・ランド」の名前が書かれた紙の入った封筒が誤って手渡されたことが間違いの原因のようだが、それによって一度「ラ・ラ・ランド」と発表された受賞作が訂正された。

そのためかなり混乱が起きてしまった

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残念な事態だが、「ラ・ラ・ランド」や「ムーンライト」の関係者が授賞式後和気あいあいにしているのが救いだった

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まあハプニングというのは時々おきるけど、こういうのはやはり語り草になるだろう、

トランプ大統領出現によるアメリカの分断、かなり事態は深刻だが、来年のオスカーはどのような状態になるのだろうか?

 

 

 

2月 27, 2017 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年12月18日 (日)

映画「ひかりをあててしぼる」レビュー DVがもたらした屈折した愛情による悲劇と狂気

めったにこのブログでは映画のレビューなど書かないのだがあまりにも衝撃的でインパクトのある映画だったので..

一昨日坂牧良太監督のお誘いで「ひかりをあててしぼる」という映画を見に行った。

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最終日に辛うじて間に合って見に行くことができた。実はこの映画の情報は10月に行った「映画人交流会」で予告編を見ていたのである程度見るのに心の準備が必要な映画なのは知っていた。

しかし実際に見たら予想以上の衝撃的な内容の映画だった。

あまりにもいろいろと考えさせられる映画だったので、自分の考えをまとめる意味でもここでレビューする。そのためネタバレにはなってしまうが、この映画は「ユーロスペース」での上映は終了したものの他の劇場で上映する可能性もあるので見ていない方はこの記事をスルーすることを強くおすすめする。

映画は実際に10年前に本当に起きた殺人事件をベースに脚本が作られる。登場人物の実名は変えられているもののほぼ事件の事実に近い内容で作られている。

これはDV(ドメステイックバイオレンス)が元で起きた悲劇で主には夫が妻にたいする暴力に対して妻が夫を最終的には殺してしまうのだが、妻が夫のDVの「仕返し」で夫を殺すといった単純な話ではない。もっと病的で恐ろしい内容だ。夫も妻も幼い頃にDVを受けた経験があり、それが最終的には狂気を誘発するさまが描かれている。まさに現代の病んだ社会が生んだ戦慄のストーリーだ

主人公の谷中浩平(忍成修吾)は、いわゆる普通のサラリーマン。ある日、友人の巧と合コンに参加、そこにいた美しい女、木下智美(派谷惠美)。浩平と智美は急接近、やがて結婚することになる。当初は幸せな夫婦生活だった。しかし、虚栄心の強い智美は浩平を振り回すようになり、やがて二人の間に溝ができていく。

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自由を奪われたくないので、できた子供も堕胎を選ぶ智美。人に羨ましいと言われる生活をするため、高級マンションに住む。その為に借金をする…。
智美に嫌われたくないと、必死に理想の夫を目指す浩平。しかし、ついに溜まっていた不満が爆発、智美に暴力を振るうようになる。鼻や歯が折れるほどの暴力を受けつづける智美、しかし、智美もまた浩平に依存していき、逃げ出す事なく暴力を甘んじて受ける。

Story_image2

つまり妻の智美は夫である浩平の暴力に対していわばSMの「どM」の状態に入っていく。実際浩平の暴力のあといきなり智美にたいしてセックスするシーンがあるが、この時の妻の智美の顔の表情を見ればわかる。夫からの暴力に性的エクスタシーを感じていたのだ。

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夫の浩平も妻の智美も幼い時にDV体験があり、それが結果的に愛情表現というものをかなり屈折させたものにしていく。そして智美の「どM=マゾ度」がエスカレートしていくと夫の浩平の方がだんだんついていけなくなり、やがて耐えられなくなってしまう。

そこで夫の方から出た「別れ話」 

その瞬間智美の極度のマゾが反転してサドに変化していまう、極端なMからSへのより戻しである。 元々DVを背景とした「マゾ」「サド」の形自体がかなり屈折した愛情である。しかもかなり極端な形で出ているだけに狂気へと発展する。

そこで起きた殺人 

しかもホームセンターでノコギリを買い死体をあちこちに置いて行く。

妻の智美からすれば、実は夫を殺すのも「愛情表現」なわけである。ちょうどストーカーがつきまとう相手に受け入れられず、他の女性(男性)を愛することを知ると激昂してつきまとう相手を殺してしまうーその心境に極めて近いような気がする

実に恐ろしい光景である。主演女優の派谷 惠美の演技もすごかったが最後の殺人シーンは戦慄ものだった。人間はどうしてあんなに恐ろしいことができるようになるのだろう?と思った

もしかしたら強い愛情と強い憎しみというのは紙一重なのではあるまいか、そう考えさせる事件であった。

実際の事件の犯人(智美の実在モデル)も夫を殺しても悪いことをしたとは思っていなかったらしい。 興味ある方は実際に起きた事件の概要について述べたサイトがあるので参照されたい。

キャッチコピーにある「世界一残酷で世界一ピュアな夫婦の物語」という意味はどんなに屈折していようが、ひたむきな愛情が元で起きた殺人事件である、ということをたぶん言いたかったのではないかと思う。ただ個人的にはあまりにも屈折した愛情だけに「ピュア」という表現には少し違和感を覚える。

だが元をただせば幼い時に受けたDV体験がこうした屈折した、異常な愛情表現を誘発したということはできるかもしれない。 特に男はいかなる理由があろうとも絶対に女性に暴力をふるってはならない。例え女性からなぐられても男は女性を殴り返してはならない。なぜなら一部例外はあるが一般論として男の方が力が強いからである。女性は乱暴するものではない。愛してかわいがるものである、

こういう重いテーマの映画だが仕事柄どうしても音楽に目が向いてしまう。映画に使われた音楽は環境音楽、ミニマル系を採用している。これは二種類の効果があり、一つは観客に「癒し」をもたらすものであることーこの重いテーマの映画だけに観客には「癒し」のようなものを提供しないと見ていて辛すぎるというのもある、

そしてもう一つは観客に「もやもや」した、少し不吉なことが起きそうな印象を与える効果だ。そして実際に凶事が起きるのだが...

その面では効果的になっていたと思う。

最後にDVによる屈折した愛から起きた悲劇だが、この二人は決して特殊な人たちではない。同じような境遇にあればだれにでも陥りやすい狂気ではないかなとも思う。

映画のタイトル「ひかりをあててしぼる」とは事件の背景、問題点はどこにあるのか、に光をあててみつけだる(しぼる)という意味ではないかと勝手に解釈しているが、どうだろうか?

間違いなくここ一年で見た映画の中でも強烈なインパクトのある映画といっていい

 

 

 


 

 

12月 18, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年10月 9日 (日)

どんどんグローバル化する映画、アニメ、ゲーム等の映像コンテンツ 音楽が取り残されないようにするために

もう一昨日の話だが恒例のゲーム、アニメ交流会に出席した。先日ダブルブッキングで問題が起きた代アニステーションが会場

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政府の「クールジャパン」政策によってかなり世界の市場に進出している日本のアニメコンテンツ、日本が世界に対して優位を保っている数少ないコンテンツの1つだ。会場には外国からの参加者も多く日本のアニメ、ゲームが完全にグローバル市場に進出していることを実感もする

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日本が発端となったコスプレーヤー(左)が目立つのもゲームアニメ業界ならでは。最近ではコスプレは日本よりも海外の方がさかんになっているくらいだ。

 

今回はアニメ関係者よりもゲーム関係者の方が多かった印象があるが、それでも劇場公開ものを計画している会社もあったので名刺交換をした。

最近ゲーム業界は任天堂は別格ながら中国や韓国勢にだいぶ押され気味で苦戦しているようだがアニメだけは世界に対して優位を保っている。

いずれにせよゲーム、アニメはもはや日本国内の市場だけでなく海外の市場に対して出していく流れになっており、この流れはもはや完全に定着した、といっていいだろう

だがゲームやアニメだけではない。映画の世界も負けてはいない。
シンゴジラがアメリカ国内での劇場公開を始め世界100か国を超す国で劇場公開されるだけでなく、日本のインデペンデントな映画でも海外での公開される例が増えている。低予算のインディペンデント映画ながら昨年「第28回東京国際映画祭」日本映画スプラッシュ部門でも上映された内田英治監督の「下衆の愛」などは海外で高く評価され、海外の劇場での配給も決定している

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実は今映像制作の世界ではこのグローバル化の流れに合わせて従来の日本の芸能界、映画の世界の常識を根底からくつがえすようなことが起き始めている。
ちょうど野球でいえば20年前に元ドジャースの野茂秀雄投手が日本の野球界のパンドラの箱を開けでから日本の野球選手が次々とメジャーリーグ入りしているのと同じように、日本の俳優が次々と海外の映画、ドラマに出演している。それも当たり前のように出始めている

■真田広之、福島リラ、尾崎英二郎…海外ドラマで活躍する日本人俳優が続々!!
http://www.crank-in.net/drama/column/36087

■ハリウッド映画に出演したことのある日本人俳優や女優まとめ 窪塚洋介やすみれなども
http://news-sk.com/geinou/2040/

また私の俳優の友人も多数出演している遠藤周作の不朽の名作小説の映画化であるMスコセッシ監督の「沈黙」がようやく2017年に日本でも公開される。早く見たいと思っている映画の1つだ

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ちなみに私の友人俳優はこの「沈黙」出演後も別のハリウッド映画に出演しているし、実は決定でないため詳細はいえないが私も海外のドラマ、映画の音楽制作に関する案件がある。

このように映画制作に関しては国境のないボーダーレス社会、グローバル化がどんどん進行している。日本の芸能マスコミが大きく扱っていないだけでもうかなり日本の俳優が当たり前のように外国映画に出ている時代が始まっているといって差し支えない。はっきりいって社会の一面にこういう情報が扱われる段階になってから動き始めても手遅れだ。

ちょっと前だったら日本の芸能界で「ハリウッド映画に出る」なんていおうものなら、嘲笑と袋叩きにあっただろう。だがもはやそのような行為をする人間の方が時代遅れの人間として逆に今や嘲笑の対象になっているのだ。

その意味では今面白い時代に入ってきている。

だが映画人としてはともかく音楽人としては残念な点がある

それはこの急速に進行するグローバル化、ボーダーレス化の流れの中で音楽だけが取り残されている、という現実である

これは勿論「日本語」という言葉の壁もある。これは両方の意味があって日本語が日本という国でしか使えないという現実、そして日本人自身が外国語を覚えることを極端に苦手としている人が多い、という二重の障害がある。だがその障害自身は映画やアニメの世界でも同様にある。

何よりも問題なのは日本のミュージシャンや業界関係者の多数が日本国内しか見ておらず、この急速に進行する映像の世界のグローバル化、ボーダーレス化に対して無関心な音楽関係者が多い、という現実もある。

しかしこのままではアニメや映画の文化が復活しても音楽は停滞のどん底に永久にさまよい続けることになろう。もはや業界というのもおこがましいくらい産業として機能していない音楽の世界

それを変えるにはグローバル化する映像ー映画、アニメ、ゲームの中に何とか音楽を取りこんでいくしか方法はない。それも従来のような地上波TVの「タイアップ」の発想ではダメだ。もはや視聴者自身がその見え透いた手法を見透かして冷めた目で見ている。

完全に制作現場にはいりこみ、映画やドラマの監督といっしょに作っていくという発想でないとダメなのだ。

12月12日に「晴れたら空に 豆まいて」でその音楽関係者と映像関係者との交流を深めることを目的とした「音楽&映像ー年末大忘年会兼大交流会」を開催します。
この急速な流れに出遅れず、音楽文化を救うきっかけにでもなれば、と考えて開催する予定である。

 

 

 

 

10月 9, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年9月24日 (土)

劇場公開映画二本が公開されての所感

今月は私が映画音楽を作曲した映画が二本公開されました。映画の世界は音楽と違いメジャーインデイースの差というものはあまり音楽の世界ほどはないのですが、劇場公開かそうでないか、というのは天と地くらいの差があります。その意味では一月に二本も自分が音楽を担当した映画が公開された意味は決して小さくないと考えます。

まず一本目は既に何回もお知らせしているドキュメンタリー映画『涙の数だけ笑おうよ 林家かん平奮闘記』の公開が9月3日に公開されおかげさまで大好評をいただきました。

「涙の数だけ笑おうよ」公式ウエブサイト
http://www.nkw-kanpei.com/

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そして二本目にあたる映画「中野JK 退屈な休日-Boring Holiday」が昨日無事公開されました。本日より12時20分より池袋シネリーブルにて公開されでいきます。

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「中野JK 退屈な休日-Boring Holiday」の制作自体は昨年行われたのですが、まさか『涙の数だけ笑おうよ 林家かん平奮闘記』とともに同じ月に公開になるとは思っていませんでした。ちなみに『涙の数だけ笑おうよ 林家かん平奮闘記』の音楽の作業は今年の3月に行っています。ちょうど半年前ですね。両者の音楽の作業的には半年くらいのタイムラグがあるだけに何か不思議な感じです、

映画音楽作家として本格的にやっていこうと考えてから6年かかって劇場公開映画に普通に関われるようになりました。
とはいえ、私としてはこれでやっと本当の意味でのスタートラインに立ったという風に考えております。自分が映画音楽作家としての地位を確立できるかどうか、これからが本当の正念場だと考えております。

今回手掛けた2つの作品は内容も世界も全く異なる映画ではたで聴くと同じ作曲家が作ったとは思えないほど違うかもしれません。しかし映画音楽作家はいかなる映像のコンセプトにも対応できるようでないといけません。特に最近は映像に対するニーズが多様化しております。昔は映画、劇伴音楽といえばクラシック系作曲家の独壇場でしたが、最近はその多様なニーズに対応できる必要性が生じ、特定の音楽ジャンルにしか対応できない人は映画音楽の仕事を行うことが難しくなっていくでしょう。

その意味でもよろしければ『涙の数だけ笑おうよ 林家かん平奮闘記』「中野JK 退屈な休日-Boring Holiday」の両方の音楽を聴き比べていただければ幸いです。両方の映画の上映時間はこちらのページをご覧ください

まあ取りあえずこの二本の映画音楽に関して「酷い映画音楽作家だ」などという声が出ていないだけでも安心なんですが、何とありがたいことに全く見知らぬ方からこんなつぶやきを発見いたしました。

 ゼロイチロクQ月。
「涙の数だけ笑おうよ」観たゲソ(^^)
落語家のドキュメント。
映画館のCMで、ナレーションと音楽がいいなぁ〜てな感じで観賞したら、カメラワークや話の展開が面白かったゲソ(^^)
そしてクスッと笑える。

普通映画のコメントに音楽まだ言及しているケースはそんなに多くないんですが、まあこういうコメントをいただいただけでも今回はやってよかっらなあという感じを持っています。

我々の世界はなんだかんだいっても実績が全てなので、とにかくこういう実績を積み重ねていくしかないんですが、この調子で続けて行きたいと考えています。

ちなみに私は映画音楽作家としてやっていく上で、一つの心構えとして次のようなものを持っています。

それは自分は音楽屋であり、演奏の仕事もしているので音楽人ではあるけれど、映画やドラマの音楽をやっている以上、同時に映画人なければならない。

 

という意識を持っています。ですから時間を空いている時になるべく映画を見ようと思っていますし、映画の仕事をする以上それは絶対に必要なことだと考えます。

私はとにかく音楽を通じて映画がよい作品になることのお手伝いをしたい、という基本姿勢を持っていますし、それが映画音楽作家としての当然の心構えだと思っています。ですからいろいろと勉強をする必要があります。私自身まだまだ勉強が足りないと思っています。

また一方では、今映画、映像制作の世界は大きな変革期に差し掛かっています。それは映像制作というものがどんどんグローバル化している、という点です。その流れの中で音楽を位置付けというものを考えざるを得ません。

クールジャパンの影響でアニメやゲームは既にグローバル化しています。そして負けじと映画の世界もグローバル化しています。日本人俳優が外国の映画に出ることは珍しくなくなりました。いや、当たり前の時代に入ったといって過言ではありません。

その中で残念ながら音楽だけが取り残されているのです

映画音楽というものを手掛ける以上、その映像のグローバル化に合わせ音楽自身もグローバル化していけるようなことも今後は考えて行かねばなりません。どのみち21世紀は映像の時代。映像という媒体なしには音楽は広がって行かないという切実な現実がありますから

その意味では映画人でも勿論あり続けますが、音楽人でもあり続けないといけないと思います。それが今後の私の作曲家としての生き方になると思います。

 

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さんみゅーの皆さんと中田圭監督、またごいっしょにお仕事したいですね

 

 

 

 

 

 

 

9月 24, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年9月 6日 (火)

シンゴジラ 二度見で確認したさまざまなこと(ネタバレ注意!!)

(注意!!:この記事はネタバレを含みます。まだシンゴジラを映画館で見ていない方は決して読まないで下さい)

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話題になっているシンゴジラーこれが数ある怪獣映画を含めて(それこそ本田猪四郎監督の元祖ゴジラ(1954)を含めて)もゴジラシリーズの最高傑作の1つといっていいだろう。
日本映画ここまでできるのか、という驚きとやはり監督の庵野秀明の凄さを感じた。だてにエバンゲリオンで一時代を築いていない。アニメ監督が実写やると失敗するケースが少なくないんだけど庵野さんは確かに違う。
まず脚本が素晴らしい。サブタイトルに日本対虚構と書いているが日本の政治機構と官僚システムが日本に本当にゴジラが襲来したらどうなるか極めてリアリティーを持って描いてる。細部までこだわって出来上がった脚本は見事といっていい。

そして特筆すべきはその「仕掛け」の細かさだ。あとでさまざまな人の話しを聞いて正直、見逃した、聞きのがしたものが多いことに気づき、日本映画には珍しく二度見をしてしまった。それほどの作品なのだ。

そして確認した。その中で今話題になっている点を特に3点揚げようと思う。

1.石原さとみ演じるカヨコ パターソンの英語が酷いという話

一応私はアメリカ在住も長いので、こういう話を聞いた時は驚いた。英語の発音にはかなり気を付けている方だが、その私が聞いても石原さとみの英語はじつに綺麗な発音で感心していたくらいだ。その石原さとみの英語をかなり叩いている輩がいるが、そんなに酷かったのか改めてもう一度石原さとみの英語を聞いてみた。

結論からいう。

少しも酷くない寧ろものすごく上手い
若干西海岸訛りはあるもののハリウッド映画でも十分役をもらえるくらいに上手である

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一体誰がそんなことを言い出したのか知らないが、この英語の発音が酷いと主張している輩はおそらく十中八九、英会話能力の高い人間ではないだろう。もし難くせをつけて「完璧な英語ではない」などと主張している人間がいたとしたらそれは英語という言語に対する無知をさらけだしているに過ぎない。

そもそもひとくちに英語といってもさまざまなアクセントが存在し、オーストラリア英語、イギリス英語、アメリカ英語でも西海岸、東海岸、テキサスで英語の発音は全然違う。英語を話す民族は多様でありどの発音が正しくどれが正しくない、などという考えなどないのだだから英国人は他国人の英語の発音につべこべ言わないし、ネイティブは様々な国から来た相手の英語を聞き取ろうと無意識に努力する。だから殆どの日本人は知らないようだが完璧な英語、片言程度の英会話能力しかなくても自然にコミュニケーションができるものなのだ。

つまり石原さとみの英語が酷いと主張するのは英語圏の言語文化のありかた対する無知をさらけだしており、絶対に英語に堪能な人間の発言ではない、と断言できる。

なぜ石原さとみの英語が酷く感じたのか、帰国子女仲間で話したことがあるのだが、「日本語が日本人過ぎるから(笑)」なんて話もでたが、我々帰国子女がよくやる会話の中にさりげなく英語をはさめる、ニュアンスで英語出してしまう、ということに拒絶反応を示している人間が多い可能性が高いのではないか、という話になった。

日本人は言語に対してフレキシブルな対応することが極端に苦手な国民であり、それが日本人がいつまでたっても英語コミュニケ―ション障害から逃れられない原因になっているのではないか、という話も出た。ここでいうフレキシブルというのは日本語と他の言語を同時に使っていたり「ネイテイブじゃないー日本人がしゃべるような日本語じゃない」日本語に違和感を感じたり、ということである。

要するに石原さとみが演じた今回のキャラも帰国子女よろしく役柄でナチュラルな英語の発音と「普通の日本語」が混ざったことに対する拒絶反応ーそれが鼻についた、てことが今回の「石原さとみー英語酷い」騒動になったのではあるまいか。これがルー大柴のようなブロークンな英語と日本語と混じっているのなら日本人は違和感を感じないのだろうけれど、本物の英語と日本語が混じっているがゆえに違和感と拒絶反応を示した人間が多いのではないだろうか?

また最近のネットの言質をみるとますます「多様性」というものを容認しなくなっている傾向を感じる。そういう人間には英語の発音には多様性がある、などということなど到底理解できまい

そしてそれは平均的日本人の外国語習得レベルの低さを図らずも証明してしまったことになる。日本人の外国語コミュニケーション障害は想像以上に深刻、といわざるを得ない。

もしもそれをいわれたくなかったら少なくとも石原さとみの英語が酷いというのは自分で英語が苦手と自分でいっているようなものだからやめた方がいい。

.Imax なのに劇中音楽がモノラルに聞こえるいう話

今回のシンゴジラは過去のゴジラシリーズとのストーリー上のつながりは皆無である。映画上では「ゴジラ」なる怪獣が「初めて登場した」かのような扱いになっている。

しかし過去のゴジラシリーズに対するオマージュは忘れない。その1つに伊福部昭先生の「ゴジラ」のテーマ音楽が使われている点である、エンドロールにはモノラルだが過去のゴジラシリーズに使われた音楽が流れている。
当然ながらImaxで見ようがここの部分はモノラルだから当然ながらImaxでも音の広がりは感じられない。しかし同時に劇中音楽でも使われていたためにそれもモノラルではないか、という話が出ていた。

二度目に見てそれを確認した。

結論からいうと鎌倉から川崎に「第四形態」になったゴジラが出現した時になった伊福部先生のゴジラは新録ものだと思う。トランペットを始めとするオーケストラの定位がはっきりわかったからである。

しかし二度目の武蔵小杉での自衛隊対ゴジラの戦いのときに流れた「自衛隊マーチ」はやられた。攻撃の音響効果、音声はImaxで広がりの出るものであったが、それに惑わされ、その背景に流れていた「自衛隊マーチ」はたぶん伊福部先生のモノラル版を使っている。

なぜ最初が新録で二回目の「自衛隊マーチ」はモノラルにしたのか理由がわからない。おそらく映画音楽録音時に片方しかレコーデイングしていない、というのは常識的に考えられないので、モノラル版を選んだのは庵野監督の判断なのだろう。単純に伊福部バージョンの方が絵にはまったから、というのがおそらく理由と思われる。

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3.シンゴジラはエヴァ(エヴァンゲリオン)に似すぎているという話

結論からいって両者が似ているのは当たり前である。なぜならどちらも庵野秀明監督の独特の表現スタイルで作られているからだ。例えば多数の音声、話声が同時に流れるスタイルは確かにエヴァンゲリオンでも使われたが、これはエヴァを真似したのではなくこういう「音声の聞かせ方」が庵野スタイルなのだ。
確かにゴジラのしっぽがエヴァの「シト」に似ているし最後のゴジラの尻尾に隠された人間のシルエットはひょっとしたらエヴァンゲリオンファンの庵野監督なりの「サービス」なのかもしれないが(TVシリーズの予告編では「サービス、サービス」で締めるのが恒例だったが)

だがそれでもシンゴジラエヴァンゲリオンは全く本質が異なる映画であるといっていい。

(1)  人間ドラマ
確かにシンゴジラエヴァンゲリオンもある意味「神話」がテーマとなっている点では共通している。エヴァンゲリオンでは庵野秀明は旧約聖書の「死海文書」がストーリーを左右しているし、シンゴジラは「神話」と化したゴジラそのものがテーマである。そこでは人間個々のドラマではなく、人間(信者)と神の関わりが描かれる点では共通している。

但しエヴァンゲリオンでは全く人間ドラマがないわけではない。巨大な人型兵器エヴァンゲリオン(EVA)初号機のパイロットにされた主人公碇シンジの心の葛藤、特務機関NERV(ネルフ)の総司令である父親碇ゲンドウとの激しい確執等が描かれており、そこには神話とはいえ人間ドラマが存在する。

一方シンゴジラはオリジナルゴジラの戦後ではなく災害後(災後)の日本が描かれる。
ここでは、神に抗い、虚構の神を信じ、作り上げ、戦う人々が信者として、現れる。つまりゴジラそのものが広大な神話である。そのためには陳腐な人間ドラマなど逆にジャマなのだ。

主役の長谷川博巳演じる矢口蘭堂も石原さとみ演じるカヨコ・パターソンもハリウッド映画なら二人のラヴシーンを作っただろうが、ここではそんな要素は不要なのだ。そういうものをすべてそぎ落としたところに、今回の映画シンゴジラがあるといっていい。 

(2)  下地のドラマの違い
今回の
シンゴジラは確かに怪獣映画ではあるが、実際には入念なあらゆるケースのシミュレーションを研究した上でのポリティカル・サスペンスとして描かれている。ゴジラが暴れるシーンよりも会議室でのシーンが圧倒的に多く、その会議の内容、脚本が本当に細かいところまで入念に練られた脚本である。

これは庵野監督が尊敬する岡本喜八監督作品『日本のいちばん長い日』が脚本の下地となり、日本の運命を左右する重大な決断の模様を戯画化して戦争の終わりを描いているからである。今回もその苦渋の決断をしなければならない部分の戯画化が随所にみられることからも明らかである。

そして何よりも今回の「ゴジラ出現」のキーパーソンである牧悟郎教授は写真のみの出演ながらなんと岡本喜八監督その人である。これは庵野監督の岡本監督へのオマージュを意図しており、この映画の下地が『日本のいちばん長い日』であることを監督自ら表明しているようなものである。

当然ながらエヴァンゲリオンではそのような要素はない。だから両者は一見似ているが全く本質が違う作品である。

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それ以外に今回の映画にはかなり細かい芸当で過去のゴジラシリーズ、とりわけ本田猪四郎+円谷監督の初代ゴジラへのオマージュが沢山ちりばめられている。私も「そういえば」といいたくなるものも沢山ある。

『シン・ゴジラ』で見つけたオマージュや小ネタ #細かすぎて伝わらないシン・ゴジラの好きなところ選手権 のタグから
http://togetter.com/li/1015812

今回何よりもうれしいのは、2015年の「ギャレスエドワーズ」の「ゴジラ」でもはや日本ではゴジラ映画は作られないのではないか、と一時思われたにも関わらず、日本人はハリウッドに対して白旗は揚げないぞ、という気概を感じさせてくれた映画であったことである。

まさにマニアの本気、プロの本気、東宝の本気、ヒットメイカーの本気が漲る。
細かすぎる技、ネタ、謎、遊び心、出来ることを盛り沢山にし、出来ないことを切り捨ててみせた潔さ。
その挑戦は、日本映画史の伝承を21世紀に権現させたものと云っていいだろう、

庵野秀明監督は日本映画の中で金字塔を改めてうちたてたといっていいと思う作品である

 

 

 

 

9月 6, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年9月 4日 (日)

ドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」初日盛況!! ご来場ありがとうございました。

兼ねてからお知らせの通り、昨日9月3日(土)『涙の数だけ笑おうよ 林家かん平奮闘記』の公開が開始されました。私も関係者として会場におりました。

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初日の映画館に今回の映画制作において多大なご協力をいただいた林家一門の総帥の海老名香葉子さん、ならびにかん平師匠を公私で支えながら映画の作品の完成を見ずに他界された江戸家猫八師匠のご長男、江戸家小猫さんからお花をいただきました、

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映画館のポスターに自分の名前が入ったものが貼ってある。だんだん自分が関わった映画が公開される、ということが実感として伝わってきます。

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ドキュメンタリー映画というと「取っつきにくい」というイメージがあるかと思いますが、実際見ていただいてとても楽しめる、笑える内容になっているのではないか、と思います。かん平さんのような障害があっても明るくがんばることができることが伝われば幸いです。
実際始め観客はかん平さんのギャグに「笑っていいのかどうか」という思いがよぎったのか、遠慮しがちでしたが、だんだん映画の雰囲気が「普通にギャグで笑っていい」という風に感じたのか、最後は会場でもかん平さんのギャグに皆さん笑っていました。

映画上映後万雷の拍手が出ました。
そして滅多にない映画上映後のかん平師匠の高座が始まりました。

 

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映画でも最初は「障害者」とわかるんですが、次第に映画を見ていると「普通の人」に見えてくるから不思議です。今回も小噺が非常に好評でした。

おわったあと花束贈呈

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故猫八師匠のご長女から花束贈呈

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竹藤監督を含む関係者の舞台挨拶。左端から竹藤監督、兄弟子の橘屋竹蔵、林家かん平師匠、ホームランたにし  爆笑の舞台挨拶でした。

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全員によるマスコミ向けフォトセッション

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尚、今回は角川シネマ新宿だけでなく、札幌、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡等全国9劇場での公開になります。そのため今回はぱパンフレットを制作

これから公開される劇場で600円で販売しています(^_^)

よく考えたら映画の公開でパンフレットができたのは8年前の「俺たちの世界」以来ですかな?

これからはいつも自分の名前が載るようにしなくては、と思いを新たにします

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本日角川シネマ新宿で公開開始しましたドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」は本日より3週間公開されます。

時間は

午前11時-

午後一時ー

尚、前売り券、まだございますのでご興味ある方は是非お問い合わせ下さい。是非ご覧になって下さい。かん平師匠のがんばっている姿と同時にかん平師匠のギャグもおおいに笑えます。

また今回の作品の音楽についても全く知らない方からも「音楽がよかった」というコメントをいただき、映画音楽作家冥利につきるお言葉をいただきました。個人的には今回のトランペットソロを演奏して下さった牧原さんのマイルスデイビスを彷彿させるソロをじっくり聞いていただきたかったんですが、それはまた別の機会に実現できればと思います。サントラは..出ないかなあ(^^::)

是非劇場まで足を運んでいただければ幸いです、

劇場情報

東京 角川シネマ新宿 03-5361-7878 2016年9月3日(土)

大阪 シネ・リーブル梅田 06-6440-5930 2016年9月24日(土)

名古屋 名演小劇場 052-931-1701 2016年9月17日(土)

厚木(神奈川) アミューあつぎ映画.comシネマ 046-206-4541 2016年>9月17日(土)

福岡 KBCシネマ 092-751-4268 2016年10月公開

札幌ディノスシネマズ札幌劇場 011-221-3802 2016年10月公開

京都 京都みなみ会館 075-661-3993 秋公開

神戸 元町映画館 078-366-2636 秋公開

仙台 櫻井薬局セントラルホール 022-263-7868 2016年10月9日(日)

 

 

 

 

9月 4, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年7月20日 (水)

さんみゅ~第一回主演映画「中野JK 退屈な休日Boring Holiday」 ようやく情報解禁!!

この秋は9月3日の角川シネマ新宿を皮切りに全国に劇場公開するドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」以外にもう一本,私大野が音楽を担当した映画が劇場公開になります、とあらかじめお知らせしていましたが..

本日ようやく情報解禁となりました。

昨年の第2回中野新人監督映画祭特別プレミアオープニング作品としても公開されました「中野JK 退屈な休日Boring Holiday」

9月24日(土)よりシネ・リーブル池袋 他で順次劇場公開開始となります。

シネ・リーブル池袋は9月24日から 12:20~13:40です
http://www.ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/comingsoon

劇場公開用の予告編です

 

 

 

という訳で、本日お休みします♡
ある日、学校に行くのが面倒くさくなった女子高生たちは、ズル休みを決定。プチ旅行(と称した散歩)へと出かけるのだった。少女たちが様々な人たちに出会いながら、ほんのちょっと成長していく姿を瑞々しく描いた青春ストーリー。サンミュージックが手掛ける人気アイドルグループ、さんみゅ~第一回主演映画。共演には個性的な面々が集結。彼女たちのドラマに華を添えます。監督は「非金属の夜」「乱暴者の世界」などで注目を受ける俊英、中田圭。

監督・脚本中田圭
総合プロデューサー:和田敦也
撮影:飯岡聖英(J.S.C.)/録音:山口勉/音楽:大野恭史
編集・ポストプロダクションプロデューサー:金子尚樹

さんみゅ~(木下綾菜/西園みすず/野田真実/長谷川怜華/小林弥生/新原聖生)
山内遥/川村エミコ(たんぽぽ)/ぶっちゃあ(ブッチャーブラザーズ)/志水季里子/久保新二
友情出演:佐藤永典/渡辺知夏子
四方堂亘/工藤俊作

製作・配給:アールツーエンターテインメント 宣伝協力:ダモアエムシープロモーション

というわけで9月は私が関わった映画関係で忙しくなりそうです。

よろしければ両方見にいってくださいねー(^^)

 

 

 

7月 20, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年6月 4日 (土)

涙の数だけ笑おうよ 関係者試写会

かねてお知らせの通り9月3日に角川シネマ新宿を皮切りに全国に劇場公開されるドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」の関係者向け試写会が角川書店本社の試写室にて行われました。

 

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このドキュメンタリー映画は平成二年に脳溢血で倒れた噺家の林家かん平の奮闘記なのですが、映画の詳細については以前のブログ記事をご覧ください

今回は映画に出演した人、クルーその他関係者向けの試写会でした。
映画を作る時に竹藤監督が一番気を配ったのは林家かん平が客観的にみて暗い境遇にいる(本人は障害者、母親は寝たきり)にも関わらず、非常に明るく挑戦をしていく様を描き、寧ろ明るい印象を持てるようにしたという点です。その中で林家かん平が映画の中で自然に出てくるギャグが本人の悲惨な状況を忘れさせてしまうように作っていたという点です。

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林家一門の総帥といっていい存在の海老名香代子さん。映画が「悲惨な暗い内容」になっていなかったことを高く評価していただきました。

全体的に非常にポジテイブな反応が返ってきましたので制作スタッフとしては安心しました。
とにかく無事終了!!  (^^)

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なぜか私が中央になってしまいました(汗) 竹藤監督は私の右(写真正面からみて左)、写真正面から見て二人が映画のプロデユーサーです。

9月3日 角川シネマ新宿1 皮切りに全国へ劇場公開開始!!

 





















大阪 シネ・リーブル梅田 06-6440-5930
名古屋 名演小劇場 052-931-1701
厚木(神奈川) アミューあつぎ映画.comシネマ 046-206-4541
福岡 KBCシネマ 092-751-4268
札幌 ディノスシネマズ札幌劇場 011-221-3802
神戸 元町映画館 078-366-2636
仙台 櫻井薬局セントラルホール 022-263-7868
京都 京都みなみ会館 075-661-3993

 

 

 

 

 

 

 

 

6月 4, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年5月23日 (月)

拙映画音楽担当「涙の数だけ笑おうよ」9月3日角川シネマ新宿を皮切りに全国へ劇場公開!!

拙映画音楽の劇場公開ドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」の情報です。

 

詳細がわかりましたのでお知らせいたします

 

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気っぷのいい語り口で将来を嘱望されていた林家かん平が、脳溢血で倒れたのは、1990年の10月、師匠林家三平(先代)の追善興行の打ち上げの夜でした。症状はかなり重くて、右半身付随と落語家の命とも言える言語に障がいが残りました。

3年に及ぶ厳しいリハビリの入院生活を繰り返し、高座に復帰します。
元気な時のような滑らかな口調の落語は出来なくなっていましたが、好きな古典落語はそれなりに味のある喋り口調で演じていました。

しかし25年の歳月は、いくらリハビリに励んでいても体力、気力の衰えは隠しようがなく、高座も座布団から車椅子に変わり、得意としていた古典落語も、思うように喋れなくなってきていました。

なんとか噺家を続けたい…

そんなある日、朝のテレビドラマを見ていたかん平は劇中の主人公が言った台詞に強く胸を打たれます。それは…

 

頑張っていれば、きっと神様がご褒美をくれる

感動を与えられる映画、だと勝手に考えております

 

http://www.nkw-kanpei.com/

 

    • 監督・出演

       

      ナレーター:津川雅彦

      企画・製作:萩野和仁

      プロデューサー:安西志麻

      製作補:原田雅昭

      撮影:大杉 誠

      音楽:大野恭史
      トランペット演奏:牧原正洋

      監督・編集:竹藤恵一郎

 

    • 配給会社

       

      オフィス・シマ

 

  • 上映時間

     

    85分

予告編です。

 

 

 

9月3日 角川シネマ新宿1 皮切りに全国へ劇場公開開始!!

 

http://www.kadokawa-cinema.jp/shinjuku/movie/30515next.html

 





















大阪 シネ・リーブル梅田 06-6440-5930
名古屋 名演小劇場 052-931-1701
厚木(神奈川) アミューあつぎ映画.comシネマ 046-206-4541
福岡 KBCシネマ 092-751-4268
札幌 ディノスシネマズ札幌劇場 011-221-3802
神戸 元町映画館 078-366-2636
仙台 櫻井薬局セントラルホール 022-263-7868
京都 京都みなみ会館 075-661-3993

 

 

 

 

 

 

 

5月 23, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年5月17日 (火)

ライブハウスで映画イベントー「フールジャパン鉄ドンへの道」凱旋上映会に参加

私は本来は映画音楽作家なんですが、なんとある映画でいい歳こいて俳優デビューしました(笑)  短いですが台詞もありました。その映画がおバカ映画オムニバス映画「フールジャパン鉄ドンへの道」 なんと夕張国際ファンタスティック映画祭でイベント賞受賞した作品です。(^^)

 

http://tetsudon.com/

 

3分以内のおバカ映画が22作品あるオムニバス映画ですが、私はその中の岩崎友彦監督の"BOOB SLINGER"<にバーテンダー役で出ています(笑)

 

映画「フールジャパン鉄ドンへの道」 全22作品紹介

 

http://tetsudon.com/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E3%80%80%E9%89%84%E3%83%89%E3%83%B3%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%93/

 

凱旋上映は阿佐ヶ谷のライブハウス、ロフト、ライブハウスで映画って初めての体験です

 

 

 

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大盛況立ち見が出ました。

 

 

 

 

 

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ヒドイ映画には「カネ返せ」コールと共に豆を監督に投げつけます(笑)

 

 

 

 

 

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本当は夕張とか行ったことがないので行ってみたかったのと、試写会兼打ち上げもあったのですが2-4月と超多忙だっただめ参加できませんでした。(このこと自体はありがたいことなんですが) 今日ようやく自らの出演作を見ることができました。該当シーンは結構ウケたようなので安心しました(笑)

 

ライブハウスなので劇場のようなかしこまった雰囲気ではなく結構気楽に映画を見れる、という利点はありますが、上映中に地震!! (そんじょそこらじゅうから携帯の「地震警報」が鳴りました) というハプニングもありました。

 

面白かったですけど、さすがに一時間以上の作品をライブハウスの椅子で見るとお尻が痛くなりました。やはりライブハウスでの映画というのはキツイかな(汗) 第三部ではもはやお尻が限界でした(^^;)

 

今回の「フールジャパン鉄ドンへの道」 は自主映画なんですがこの手のイベントだと知った顔によくでくわします。同じ映画の関係者以外にも知り合いは多数いましたので話ははずみました。

 

一方では最近音楽関係のイベントは昔と違って知った顔に会うことが少なくなりましたね。それだけ私が映画の世界にどっぷり浸かってきてこうなったのか、それだけ音楽業界から手を引いた人間が多いのか、両方かもしれません。

 

私もこの夏、音楽を担当した二本の映画が劇場公開されます。もうすぐ詳細な情報が発表できると思いますので、よろしくです。

 

 

 

 

5月 17, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年5月 4日 (水)

映画「第九条」公開決定!! 憲法九条について考える機会に 無関心に決してならないで下さい。

私自身は映画音楽等の仕事をしているもののこの映画には関わっていないのだが、7月に行われる参議院選挙は安倍晋三が実現しようとしている改憲の動きを本格的に誘発する可能性があるだけにここでもお知らせをしておく。

 

この映画の公開が決まったのはなんと憲法記念日の昨日である。自民党は7月の参議院選挙にて憲法を争点にすることを嫌がっているが、当の安倍晋三は改憲を公約にしたがっているのは周知の事実である。だからこそこの夏に公開されることに意味があると思う。皆さんに憲法の意味を理解してもらう意味でも是非皆さんに見ていただきたい。

 

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公式サイト 
https://dai9jo.localinfo.jp/

安倍首相が憲法改正の意思を明確に示し、
その一つの分岐点になるであろう夏の参議院選挙に合わせて、
今の日本社会に痛烈なる一撃を加える衝撃の映画が誕生した。
タイトルそのままに日本国憲法第九条に真正面から挑んだ力作。
どのような成り立ちでこの条文が出来たのか?
大東亜戦争、日本国憲法成立の歴史、朝鮮戦争、米ソ冷戦、
沖縄の米軍基地問題、拉致、核など、多角的に九条の存在に切り込む。

果たして、九条は維持すべきか?破棄すべきか?

ハリウッド不朽の名作『12人の怒れる男』のごとく12人の若者が熱い議論を交わす。

激しい意見の格闘の末、彼らの出した結論は?

予告編

 

 

7月2日よりブリリアショートショートシアター(横浜みなとみらい)にて公開
http://www.brillia-sst.jp/

 

こんな問題 おれには関係ねえよ、
なんて決して思わないで下さい。 日本の未来がかかっている時期です。

だからこそ真剣にこの映画をみて皆さんに考えていただきたい、と思う次第

 

 

 

 

 

 

 

5月 4, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年5月 2日 (月)

日本の映画界は面白くなり始める? 4月の公開された高質な2本の映画を見て

GWに入った。

4月はおかげさまで仕事やFacebookの交流会その他でめちゃくちゃ忙しかった。

昨日の朝、未明にようやく作業を終えて、今ようやく一息入れられる状態である。

そんな中でも映画関係の仕事をしていることもあり、知り合いの監督さんや女優さんから促されてインデペンデントな映画を2本見に行った。

実その映画が二本とも素晴らしかったのだ。
日本の映画、今後の展開次第では面白くなるぞ、そんな印象を受けた映画だった。

まず最初みたのは内田英治 監督の「下衆の愛」

 

 

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昨年の東京国際映画祭のプレミア作品として上映されたそうだが、基本的にはコメデイー、しかもネタバレになるので詳細は書かないが最後はめちゃくちゃブラックなコメデイである。ギャグも下ネタまじりが多いのだが、まあ結構笑わせてもらった。ただ人によっては「だんだん笑えなくなってきた」(とりわけ監督をやってきた人)というのも理解できる。私も自主映画に関わってきたから、わかるが。映画というのは金がかかる。そのため泥臭い、汚いものもついてまわる場合があるのだ。

「下衆の愛」という題名どおり、登場人物、とりわけ監督やプロデユーサーは人間的にどうしようもない奴しか出てこない。まあ監督に関しては私の周囲にはこういう人物はいないかな、と信じたいが(笑)とにかく人間的にはどうしようもないが映画への愛だけは持ち続けている、その意味での「下衆の愛」(笑)
とまあ自主映画で這い上がろうとしている人たちの悲惨な現実も描いているが、それだけ映画に関わっている人からすれば身につまされる話というのもあるのだ。まあ私はキャストではなくクルーの方なのだが、キャスト(女優さん、俳優さん)の人たちの特に厳しい現実が描かれていただけに現場の人ほど笑えないかもしれない、我々クルーは「職人」に徹すればいいのでまだ楽かもしれない。「職人に徹する」と割り切るところまで行くのが大変だが..

 

いずれにせよコメデイとして、お色気もたっぷりだし見ていて楽しい映画である。4月30日からキネカ大森にて2016/4/30-5/13 上映

 

http://www.gesunoai.com/

もう一本の映画「つむぐもの」はコメデイではなく感動のヒューマンドラマである。日本映画で久々に泣いた作品だ、

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ベテラン俳優の石倉三郎氏の芸能生活50周年での初主演映画だが、知り合いの女優さんも出ていたし、私の周囲の映画関係者も見ていたので評判はきいていた。だができあがりは本当に私の予想をはるかにこえるできの作品であった、心の底から見に行ってよかったと思える作品である。

介護をテーマとした映画でしかも地理的に近いのになかなか分かり合えない日本人と韓国人、しかも日本人でもとっつきにくい偏屈な和紙職人と日本にワーキングホリデーで介護ヘルパーとして働く両者か次第にお互い心を開いていき、お互い言葉や文化を超えて誰よりも深くわかり合っていく。

 

年老いた和紙職人を石倉三郎が熱演。普通なら分かり合えるはずのない二人が介護を通して強い絆をもつことによって本当の介護とは何かという問題提起も行っている。この映画は厚生労働省の協賛も得ている。

 

個人的に伯母の成年後見人や父親の介護、そして現在は母親の面倒を見ているので老人ホームや介護現場は多少は知っている。映画に出てくるような極端な例は少ないが介護現場で働く人には大変な敬意を感じる。同時に「介護はキレイごとばかりではない」というのも全くその通りで時には心を鬼にして嫌がる老人を施設に入れなくてはならない場合も確かに存在する。難しい問題だ。

 

 

映画の話に戻ると余命いくばくもなくなった主人公とのいつの間にかできた強い絆が涙を誘う。人間は言葉、文化、そしてお互いの歴史のいきさつなどを超えた大切なものがある、ということに気づかせてくれる映画である。

石倉三郎演じる主人公は最後の和紙を作るために工房に行き、仕上がり後絶命。
工房で死ねるのは職人冥利につきる。
私も実はスタジオかピアノの前で死ねたら、なんて思う時がある。人生最後の作品を作り終えて死ねたらなんて理想的だろう、なんてこと考えながら映画を見終えた。

 

素晴らしい映画だった、犬童一利監督、先日の交流会にて久しぶりにあったがこんなに素晴らしい監督だったとは。

 

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映画上映後のトークショーにて、右が主演の石倉三郎さん。左が犬童監督

 

この映画おすすめです

 

つむぐもの」の今後の上映劇場その他の情報

 

 

 

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この両方の映画を見て思った

 

日本映画、結構いい感じじゃん。

 

勿論いわゆるメジャーどころではなく、こうしたインデペンデントの分野でこんなにクオリティの高い映画が生まれていたとは

 

この2本の映画、作品としての共通点はあまりないが、明らかに従来のメジャー映画とは一線を画している要素が両方にある。
それは映画の視点が最初から日本だけでなく海外に目を向けている点である。

 

つむぐものは韓国のスター、キム コッピを起用していることからも最初からアジアを見ながら映画を制作しているし「下衆の愛」に関してはプロデユーサーが日本やアジアの映画をヨーロッパに積極的に紹介活動してきたイギリス人プロデユーサー アダム トレル氏だが彼が今の日本映画の現状に関して苦言を呈したことは記憶に新しい

 

■苦言!日本映画「レベル低すぎ---」アダム・トレル氏発言が、ネットで拡散中!
http://cinefil.tokyo/_ct/16952732

上記記事はアダムが、下記の3点をいいたいといっているが、

1、日本では映画は製作委員会のもので監督のものじゃない!
2、ギャラが安すぎ!
3、映画評論家が『この映画はだめ』と言わない!


いずれも確かにそのとおりなのだが、一番の問題はメジャーはテレビドラマを映画化する等、日本でしか通用しない論理で映画を作って結果としてどんどんクオリティを下げているという点が私は問題だと考える。

 

その点は音楽も同じだ。いや、ある意味映画より酷い状況だ。なにせ今ジャニーズとAKBにエグザイルの一部分しかない状況、 これはもはや音楽チャートなどと呼べるようなものではなく、実際音楽のクオリティも日本のメジャー映画以上にどんどんクオリティが下がっている。今やお隣の韓国にもバカにされているのが現状だが、一番救いがたいのは自分たちがバカにされている、という認識すらない点である。

 

「以前はアジアの中で日本の評価が一番高かったけど、今では韓国、中国、台湾やタイなどにお株を奪われている。ちょっとやばいよ」

Thank you Adam.
Same can be said on Japanese music industry.
(はい。ありがとうアダム 同じことは日本の音楽産業についてもいえるよ)

 

しかし今水面下でも確実に今までとは違う動きが映画産業の中で動きつつあるし、それに音楽も連動して動く可能性を感じている。いや、動くように持って行かないといけない。

 

この2本の劇場公開された映画(実は映画の世界では音楽と違い、メジャー、インデペンデントはそれほど大きな問題ではない。「劇場公開」されるか、されないか、は大きいけどね。)を見て日本が長い間の低迷から抜け出して世界に名乗りをあげる可能性も出てきていることを感じている。

 

一応映画音楽の分野に関わっている私としても負けていられない。

 

ということでこの夏くらいに劇場公開される拙映画音楽日本をここでご紹介させていただく

 

1.劇場公開ドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」

 

■2016年9月3日 角川シネマ新宿にてロードショー

 

 

 

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公式サイト  http://www.nkw-kanpei.com/

 

ナレーター:津川雅彦
企画・製作:萩野和仁
プロデューサー:安西志麻
製作補:原田雅昭
撮影:大杉 誠
音楽:大野恭史
トランペット演奏:牧原正洋
監督・編集:竹藤恵一郎

 

2.劇場公開映画「中野JK 退屈な休日」

 

予告編
2016年ロードショー

 

監督:中田圭
出演:さんみゅ~、川村エミコ(たんぽぽ)、ぶっちゃあ 他
音楽  大野恭史

 

 

 

 

 

 

5月 2, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年2月29日 (月)

オスカー2016 授賞式 モリコーネ先生初受賞おめでとう。そして最後に意外な展開

今年も恒例のオスカー授賞式がドルビーシアターにて行われた。

 

 

 

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詳細な受賞者はオスカーの公式サイトを参照されたい。

 

http://oscar.go.com/

 

今年のオスカーはノミネート者に「白人」が集中している、という人種問題まで出てきたのが何とも困ったものだが、アカデミー会員擁護派からは「アフリカ系が目立つ作品が少なかった」という説明も出ているが果たして本当にそうなのだろうか?

確かにロシアを舞台とした「ブリッジオブスパイ」とか「レヴエナント-蘇えりしもの(アメリカ開拓時代北西部の極寒の地が舞台)などではアフリカ系の俳優が出るチャンスはないだろう。しかしタランテイーノの新作「ヘイトフルエイト」はアフリカ系のサミュエル L ジャクソンが主役である。タランテイーノ映画の常連でもあるジャクソンのベテランの演技はもっ評価されてしかるべきで、少なくともノミネートされてもおかしくはなかったのではないか? とも思う。

あと笑われるかもしれないが、「スターウオーズーフォースの覚醒」の主役となっているジョン・ボイエガもいる

 

だが何よりも映画『ストレイト・アウタ・コンプトン(Straight Outta Compton)というラッパーグループを描いた伝記映画のようなものがありながら、この映画の俳優から一人もノミネートされていなかった、という背景もあるだろう。この『ストレイト・アウタ・コンプトンは脚本賞にノミネートされた。受賞はできなかったが.. (脚本賞は「スポットライトー世紀のスクープ」)

要するに「アフリカ系」が映画で活躍していない、と断じるは短絡的すぎるということだ。

 

ただ2013年公開の「それでも夜は明ける-12 years a slaveのようなアフリカ系をテーマとしたヒューマンドラマの映画がなかったのは確かだ。この映画はケニア人だがルピタ・ニョンゴをスターダムに押し上げたが、逆にアフリカ系の役どころが映画でまだまだ限られているというのが問題かもしれない。

確かに今ドナルドトランプでもない限り、ロコツに人種に対する偏見を大っぴらにいう人間はアメリカ社会では少ないがトランプがあれだけ支持を集めているところを見ると人種のるつぼのアメリカの人種問題はやはり残念ながら根が深いといえるだろう。こういう問題ーissue, 議論- controversy がでなくなる日は果たして来るのだろうか?

しかし今回の司会はクリスロック ご存じジャッキーチェンとの共演の「ラッシュアワー」でおなじみの俳優、コメデイアンである。

 

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人がアカデミー賞見るのを邪魔する猫。画面はクリスロック

 

アフリカ系であるクリスロックは当然そちらの話をギャグネタにさんざん出したが、寧ろそこを逆手にとってエンタテインメントにしている。そういうしたたかさ、たくましさは必要だろう。

 

詳細な受賞者の内容はオスカーの公式サイトをご覧いただくとして、全体的には技術関係の賞は「マッドマックスー怒りのデスロード」が視覚効果賞を除きほぼすべてを制覇、監督賞、撮影賞は「レヴエナントー蘇りしもの」、レオナルドデイカプリオが六度目の正直で主演男優賞を受賞した。一応映画音楽関係に従事しているので映画の作曲賞はこちらも六度目の正直で作曲賞を受賞したマエストロ、エンニオ・モリコーネ先生。88歳で初めての受賞。先生おめでとうございます。(!!)  Molto Grande Felicitacion Maestro

 

これだけ輝かしい実績を持っているモリコーネ先生でもオスカーには縁遠かったというのが、やはり運とかいろんなことがからんでいるんでしょうね。

 

ちなみにモリコーネ先生の「続夕陽のガンマン」(The Good The Bad The ugly)の音楽はいまだにどうやってレコーデイングしたのかわかりません。あれと同じサウンド作ろうとしてもなかなかあの音にならないんですよ。(汗)

 

作品賞は何と意外や意外!!

「スポットライトー世紀のスクープ」が受賞(!!)

これはおそらく誰も予想していなかったと思いますが、思うにアカデミー会員の中で「レヴエナントー蘇りしもの」「マッドマックスー怒りのデスロード」で票が割れてしまい、結果的に「スポットライト」が取ったんじゃないか、という風な気もするんですがどうでしょうかね?

 

しかしこの映画は日本じゅうの報道関係者に見て欲しい映画ですね。ジャーナリスト魂を貫くということがいかに大事な子であるか。それに引き替えいかに今の日本のマスコミが酷い恥ずかしい状態にあるか。
この映画を見て反省して欲しいと思います、安倍晋三とただスシ、天ぷらをごちそうしてもらって喜んでいるなんて最低ですよ

詳しい受賞者の面子は以下のサイト、英語ですがご覧ください。

http://oscar.go.com/winners

 

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デイカプリオの受賞を「タイタニック」の恋人役のケイトウィンスレット祝福の抱擁

 

そう、肝心なことを書き忘れました。
残念ながら日本人期待のスタジオジブリの作品 「思い出のマーニー」jは残念ながら受賞ならず
まあ日本勢がノミネートされるのがまだ珍しい状況ではダメですね。まだまだ多くの人が挑戦しなければ
デイカプリオもモリコーネ先生も六度目にしてやっと受賞してますからね。
そんな甘いもんじゃありません

 

 

 

 

 

 

2月 29, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2016年2月10日 (水)

映画「アンブロークン」鑑賞ー不屈の精神を描いた良質の作品ー映画を見もしないで反対運動していた奴らは恥を知れ!!

当ブログでもこの件に関しては何回か書いた。

先週の6日から公開になっていたのだが、業務の関係でようやく本日見ることができた。

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上映会場の渋谷イメージフォーラム

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ネトウヨ連中が見もしないで反日映画などと決めつけた映画、本当にそうなのか見てみよう、ということで見に行ったが、反日映画かどうかはこの記事のタイトルを見ればわかるだろう。一体誰がこの記事を「反日映画」などというデマを流したのか知らんが、そもそも捕虜収容所のシーンは映画全体で半分くらいしかない。しかもネトウヨ連中が騒いだ、「南国の収容所」は全体でも20分も描かれていない。いわんや人肉シーンなどどこにもない

ひとことでいえばベルリンオリンピックに出場したオリンピック陸上選手、ルイサンベリーニの生涯を描いた作品であり、映画の大半がザンベリーニの生涯を描くのに割いている。

これだけいえば、この映画は反日を目的とした映画ではないのは明らかであろう。わざわざいうのもバカバカしいくらいだ。

もっともここで実際に映画を見た私が「アンブロークンは反日映画ではない」などといったところでたぶん愚か者のネトウヨ連中は聞く耳を持つまい。奴らはチャンネル桜あたりのネトウヨデマサイトが「カラスの頭は白い」などといっても「そのとおりだ」などといいそうな連中だ。ネトウヨが好む情報にしか耳を傾けず、それ以外の人間がどんなに証拠を見せようが見ようともしない(もっともまともに文字すら読めないかもしれんが)

映画を見てこの程度の日本が太平洋戦争が関係した映画も公開できない今の日本って何なんだ? と思った。同時にどこかのバカネトウヨが流したデマを鵜呑みにして拡散したネトウヨやあろうことか、それに便乗した産経、文春に対してもの凄い怒りが込み上がってきたのと同時に日本人としてとてつもない恥ずかしい思いがした。
先日の映画「ジョンラーベ」のケースでもそうだが、海外では「日本人は戦争の歴史を正視するを拒否する国民」という評判が定着していて、ナチスのような負の歴史があるドイツ人ですら冷静に取り組んでいるのに、日本人はどうもそれと違うようだ」という評価をされてしまっている。

このような国が諸外国から尊敬される国、になると今の日本人は本気で思っているのだろうか?

とまあ、かなり頭にきているが、一応映画関係の仕事をしている手前、まずは冷静になって映画のレビューを書こうと思う。

この映画の公式予告編

 

 

純粋に映画作品として見ると実によくてきた作品だと思う、まあ歴史的な映画の名作と比べると、というのはあるが非常に感動的に描かれているし良質の作品だったといって差し支えないだろう。

映画は前述のようにベルリンオリンピックに出場したオリンピック陸上選手、ルイサンベリーニの生涯を描いた作品で、子供の頃落ちこぼれだったルイを兄が「耐えれば必ず報われるif you can take it, you can make it 」という兄の励ましによって陸上のオリンピック選手になるところまで成長する。この言葉は主人公ルイを支え不屈の精神の源となる。後半の戦争のシーンでかなり絶望的な状況にまで追い込まれるが、兄の「耐えれば必ず報われる」が心の支えとなり、それが不屈な精神「アンブロークン」につながっていく

音楽は昨年オスカーで作曲賞を取った「ブダペストホテル」のような斬新な表現はなかったもののアレキサンドル デスプレが的確にまとめている。映画の中で映画音楽がどうなっているかを聴くのはもはや職業病だが、「ブダペストホテル」がよかっただけに今回はデスプレにしてはやや無難に作っている印象があったのが少し残念かな。

今回の映画の事実上の「悪役」の渡辺伍長(後に軍曹に昇進)を演じたMiyavi 「サムライギタリスト」としてミュージシャンとして欧米での評価も高いが、映画出演は(自主映画を入れて)二作目とは思えないほど、残忍でしかもコンプレックスをかかえた(実はかなり弱さも持っている)人物をよく演じていたと思う。こういう演技をすればハリウッドからもっとオファーが来るだろう。

ちなみに海上でボート漂流(何と47日!)でルイと共に生き残ったフィリップを演じていたのは「スターウオーズーフォースの覚醒」でファーストオーダーの八ックス将軍を演じたドーナル・グリーソンだ。アイルランド人だがスターウオーズではキレイなイギリス英語でセリフをいっていたが、この映画ではアメリカのアクセントで話している。さすがだと感心してしまう。

さてこの映画が私が反日映画でないと断言するのは上記の「耐えれば必ず報われる」によって培われた不屈の精神であると同時に映画の最後にかつて収容所で捕虜の兵士たちを苛酷に扱った元日本軍兵士を「赦す」ことで戦後再会した話も掲載されたからである。実際ザンベリーニは80歳の時に長野オリンピックの聖火ランナーに参加している。第二次大戦さえなければ本来戦前の(幻の)東京オリンピックで走っていた選手である。

さて、まともな知的水準を持った人間ならこれで「アンブロークン」が反日映画ではないことがお分かり頂けると思うが、本来なら正式なロードショーで公開されるべきなのに、愚かなネトウヨのデマによる反対運動で一年以上公開が遅れたためこんな貧弱なパンフレットしかなかった。

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本来ならもっときちんとしたパンフレットになっていなくてはならないだろうが今となっては反対運動起こした連中への皮肉にも見える。

今回のことで特に腹に据えかねるのはデマを鵜呑みにしたネトウヨに産経、文春、読売までが便乗して「アンブロークン=反日映画」などという誤ったイメージを拡散、プロパガンダしたことだ。その中でそのデマプロパガンダ拡散の一翼を担った産経が懲りもせず「アンブロークン」に関して記事を書いているが、正直これも何とも酷い記事といわざるを得ない。

■「不屈の男 アンブロークン」は反日映画なのか? 気になった“問題のシーン”
http://www.sankei.com/premium/news/160206/prm1602060006-n4.html

この記事を書いた伊藤徳裕なる記者も甚だ問題がある人物でその点は後述するが、何せ「アンブロークン=反日映画」というプロパガンダを大々的に行った産経だ。「反日かどうかは映画を見てから判断しろ」というコメントもかなり来ていたらしく、記者もかなり繰り返しこのことを書いていたが、それにしてもこの記者は「アンブロークン」に関してどうしてもネガテイブなイメージを植え付けたかったように思う。しかしそのやりかたが酷いというより、ここまで来るとあまりにも滑稽だ、

どこが酷いが引用しよう。


捕虜になったザンペリーニが連行された島の独房から初めて外に連れ出される場面だ。彼がそこで断片的に目にするのは、大ナタ数本と転がっている幾つもの“丸い物体”。一瞬“頭蓋骨だ!”とゾクッとした。

 何度か見直してみると、どうやらヤシの実らしい。「らしい」と書いたのは、一瞬なので判別が難しいのだ

おそらく該当のシーン南国の島でルイが司令官に無線機のことを質問されるシーンの横のジャングルの光景のことを云っていると思う。あそこしかここで書かれている該当のシーンは映画にはない。

だとすると、はっきりいわせてもらう

あんた バカか? 

その「ドクロ」らしき(実際にはヤシ)ジャングルで司令官が何をしていたか見てなかったのか? 

飯食っていただろうが。

それともあんたは日本軍はドクロの山がある(本当にそうならかなりの死臭がするはず)ところで平気で飯が食えるほど鬼畜だと思っているのか? 日本軍に対して失礼なのはどっちだ? 

ザンペリーニは後日、全裸になって座れと命令され、号泣する。“処刑される”と思ったのだ。なぜそう思ったのか。ナタと“丸い物体”を見ていたからだ。そこに「日本人は人肉を食う」というミスリードはなかったのか?

 あくまでこの記者は人肉にこだわりたいらしい(笑)
確かに全裸で膝まづけ、と言われている時は私も処刑、と考えなくもなかったが、すぐにルイもフィリップも水をかぶらされていることで、それは沐浴であることはバカでもわかる。あれを見て「人肉にミスリード」される人間がいたとしたら、それこそ鬼畜の趣味を持った異常な人間でまともな人間ならそんなことを考えないはずだ

なんかこの文章を読んでいてこの記者は「涙ぐましい」ほど「アンブロークン」を人肉を始めとするネガテイブなイメージに結び付けようという姑息な意図が感じられる。たぶんこの記者は「アンブロークン」が反日映画という評価になることを心の底から望んでいたのであろう。

そもそも在特会を始めとするバカネトウヨならともかく、いやしくもマスメデイア、報道に片足をつっこんでいる人間が、映画を見もせず誤ったプロパガンダを拡散することなど、マスメデイアとしてあってはならない言語道断な行為である。残念ながら上記の文章を読んでいてこの記者がそのことに対する反省の弁らしきものが全くなかった。

この伊藤徳裕なる記者は免許取り消し中に運転して人身事故を起した「前科」があり、しかも免許取り消しの事実を産経新聞に報告していなかったという記者としても人間としてあるまじき行為も行っている

免許取り消し中に運転して人身事故…産経新聞記者のモラル大欠如
http://npn.co.jp/article/detail/19820085/

これに関する罪の償いは行ったのだろうが、この文章を読んでいてどうも性根までは腐ったままの印象を受ける。それどころか以前自分たちが流したデマプロパガンダの印象に何とか近づけようという姑息な印象操作をしようとしているのがこの文章を読んでいてありありとわかる。それも涙ぐましいほどの努力で(笑)

はっきりいってやるが、

アンブロークンがあんたが期待したような反日映画でなくて残念だったな

上記の文章の最後の一行だが

ジョリー監督には直接話を聞きたいことがたくさんある。ぜひ、来日してください。

はっきりいわせてもらうが、アンジェリーナが来日してもあんたみたいなバカ記者は相手にしないと思うよ

まあ産経新聞なんて所詮はネトウヨメデイアだ。

ネトウヨは頭脳の上でも人間性の上でも救いがたいバカだが、困ったことに今回のようにデマの拡散能力だけはものすごく持っている。それが日本社会に甚だしい有害な結果をもたらしている。

ただひたすら、自分たちの気に入らない人間を「反日」「サヨク」「在日」「ぶさよ」「売国奴」、とまあこの辺の言葉を使って他人を攻撃、叩くことを目的としている現代の害虫である。この害虫をなかなか駆除できないのが問題だが、人を叩く、攻撃することでしか精神の安定を得られないという極めて心の貧しい人間。一体どういう育ち方をすればこんな心の貧しい人間になるのか。はっきりいって親の顔が見たい。

<追記>

Miyavi演じた渡辺軍曹は実在の人物,渡邊睦裕で戦争犯罪人として指名手配されながら7年間逃げ切った人物。手記「『アメリカに裁かれるのは厭だ! 七年間潜行し遂に戰犯を逃れた男の手記」(文芸春秋)から自分の犯罪を認識しながらも罰を受ける事、罪を償う事を拒否した人物である。
要するに単なる卑怯者であってそこには擁護する理由などどこにもない。そんな人物を映画「アンブロークン」は寧ろ抑制的に節度を持って描いている。残忍ながらも弱さを持った人間として。
後にザンベリーニが赦す旨を伝えても小心者のこの男は面会を拒否した。その事実が全てを証明しているだろう。そのような人物を節度を持って描いたこの映画だからこそ絶対に反日映画ではないと断言できる理由でもある

参考リンク 渡邊睦裕(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E9%82%8A%E7%9D%A6%E8%A3%95

 

 

 

2月 10, 2016 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年12月21日 (月)

スターウオーズ「フォースの覚醒」がファンを熱狂させ、新三部作(エピソード1-3)が忘れられた存在になってしまう理由

先日待ちに待った「スターウオーズーフォースの覚醒」が公開され早速i Max 3Dの環境で見ることができた

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ネタバレにならない範囲で感想を書くと、スターウオーズの旧作へのリスペクトとオマージュをきちんと盛り込みつつ、新たな冒険の序章をファンに期待させる内容で予想以上の出来だったと思う。評論家も私の周囲の映画監督からの反応も上々で既に複数回みた人もいる。かなり細かいところにいろんな仕掛けがしてあったようで、もう一度見てそれを確認しようと思う。とにかく期待を裏切らない映画の出来であるといっていい。

 

 

 

映画会場はそんなことで超満員の状態だった。

 

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i Max 3D 2D といろんな環境で見ることができるが、やはり現代最高の環境となるとi Max 3Dといっていいだろう。その環境だとミレニウムファルコンやXウイングでの空中戦がまるで自分が本当に飛んでいるような感触になる。臨場感は抜群である。

 

 

 

今回のエピソード7はエピソード6の「ジェダイの帰還」から30年後ということになるが、ここで新シリーズが実質的に始まったことで、ルーカスが監督した新三部作(エピソード1-3)のスターウオーズシリーズの中の位置がかなり低下してしまうのは避けられないのではないか、という思いだ。

 

実はエピソード1の「ファントムメナス」が公開された時は今回のようなファンや評論家の評価は必ずしも高くはなかった。17年ぶりの新作でもあるのに期待はずれの声も小さくなかった。

 

今回のエピソード7のフォースの覚醒を見て何に原因があるか私なりに考察してみる。

いくつか考えられる原因を見てみると

 

 

1.旧三部作のキャラクターの少なさ

 

 

 

新三部作(エピソード1-3)はエピソード4の「新たなる希望」の30年前から始まる。旧三部作のキャラクターが少ないのは仕方がない。R2D2とC3PO、そしてヨーダは出てきたもののチューバッカーとダースベーダ―がエピソード3の最後に出てきたくらい。 スターウオーズファンは全く新しい映画のような印象を与えてしまう。対してエピソード7は旧三部作のおなじみのキャラクターがオマージュたっぷりで出てくる。スターウオーズのファンの心をくすぐっている。

 

 

 

2.新キャラクターの不出来

 

 

 

 

 

 

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今回のエピソード7ではBB-8(写真)という新しいドロイドのキャラが登場し、これがなかなかファンに評判がいい。CG技術の進化もあるのだろうが、ロボットであるにも関わらず非常に人間っぽい表情をするロボットで、女性ファンからも「カワイイ」という声が多数出ている。エピソード7を盛り上げる新しい人気キャラの登場である。このBB-8は旧三部作のR2D2のような働きをするが、勿論R2D2も登場するのでこの2つのキャラを今後どう使い分けていくのか見ものである。

 

 

 

対して新三部作(エピソード1-3)に出てくるジャー・ジャー・ビンクス(写真)は残念ながら明らかな失敗作だ。

 

 

 

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CG技術が進歩してキャラクターが表情豊かになったという点では評価に値するが、BB-8のような「カワイさ」はなく寧ろウザったい部分もある。あまりファンもこの新キャラクターには熱狂せず寧ろストーリー上ではジャマにすらなってくる。

 

 

 

案の定エピソード2以降は出番が少なくあまりスターウオーズファンの間でも評判がよいわけではなかった。

 

ジャージャーはILMの開発したCG技術のいわば実験的キャラクターの域を出なかった点が不幸といえば不幸であった。

 

3.演じる俳優、キャステイングの違い

 

 

 

エピソード7は少女レイとフィンが新キャラとして登場し、エピソード7以降はこの2人の成長の模様を描きながら物語が進行していくことは想像に堅くない。大きな試練の中でも果敢に立ち向かっていく姿は観客の感情移入を誘い、ワクワクする展開になることは容易に想像できる。脇に旧三部作のキャラクターが支えているのもファンの思い入れを強くする。ネタバレになるのでこれ以上は書かないが、ストーリーとしては旧三部作のオイシイ展開にをベースに展開いくものと思われる。

一方、新三部作(エピソード1-3)において実質的主役のパドメにしてもアナキンにしても成長の過程をあまりきちんと描いている印象はない。エピソード1-3の印象が今一つ少ないのはこの主役2人に対する感情移入があまりみていてしない点である。エピソード2「クローン戦争」でのラブストーリーもあまり印象に残らなかった

加えて衣装、メイクにしてもエピソード1のパドメの日本髪をベースにデザインしたと思われるヘアコスチュームは我々日本人には悪趣味に見えるし、エピソード3のアナキンスカイウオーカー演じるハイデン・クリスチャンセンは俳優として不名誉な、ゴールデンラズベリー賞を受賞している。私も正直いってミスキャストだったように思う。

 

4.最初から「結末」がわかっている新三部作

 

 

 

そもそも新三部作は「新たなる野望」に至るまでの「いきさつ」を描いたものであり、観客は最初から結末ー最後どうなるかがわかっている。スターウオーズのようなSF映画の場合、結末がわかっている状態ではスリリングな展開を見せるのは極めて難しい。エピソード1の段階でヨーダは生き残ってもメイス・ウインドウは死ぬんだろうな、とすぐ観客は予想できてしまう。云ってみれば過去の過程、回想を映画にするようなもので、これはよほど綿密に計算された効果的な演出を施さないと難しい。

 

エピソード7以降でルーカスは民主共和国の復活を描くといっているが、どのような展開になるかまだわからない。レイはどうなるのか(勘の鋭い人はレイはホントは誰なのかは気づくはず)フィンとの関係は、等ファンをやきもきさせる余地は十分にある。

 

5.監督の演出力

 

 

 

ジョージルーカスには非常に厳しい言葉だが、詰めるところJJ エイブラハムとルーカスの演出能力の違い、ということに尽きるかもしれない。ルーカスはプロデユーサーとして、キャラクターの原案を作ることに関しては抜群に優秀だが、単純に正当な映画の演出となるとやはり一歩譲るといわざるを得ない。ルーカスの初期の「アメリカングラフィテイ」はいい作品だと思うしスターウオーズの「新たなる希望」も監督作品としては素晴らしいと思うが前述の「結末のわかっているSF」を演出力でカバーする、という点はやはり克服できなかった、ということができる。

 

JJエイブラハムは脚本、監督から作曲まで手掛ける多才な人間だが、エピソード8以降は製作総指揮(エグゼクテイブプロデユーサー)を勤め『LOOPER/ルーパー』『BRICK ブリック』などで知られるライアン・ジョンソンが監督を務める。さらに「正当派」な映画の演出に変わっていくものと思われる

 

 

 

以上、私なりに分析してみたが、何はともあれエピソード7、細かいところだいぶ見そびれているようなので、もう一度見に行こうかと思っている。合わせてエピソード8のできが素晴らしいものであると祈りたいものである。

 

 

 

 

12月 21, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年12月 9日 (水)

拙映画音楽担当 劇場公開オムニバス映画「傷女子」2016年2月5日DVD発売!!

もうずいぶん前のような気がするんですが昨年の夏に公開されたオムニバス映画「傷女子」が来年の2月5日にセル、レンタル共に発売開始が決定しました。

まだ一年ちょっとしか経ってないんですね。なぜか相当昔の話のように感じますが..

 

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劇場公開当時とフライヤー、ジャケットのデザインが変わってますね

前はこうでした ↓

 

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1.「じんじんじん」佐藤ありさ(リンクSTAR´s)主演×  世志男監督
2.「スケバン料理人マリー」大蔵愛主演×小泉剛監督
3.「愛の夢」大山貴世主演×天野邪子監督
4.「深夜駆け込み」田口夏帆主演×竹藤恵一郎監督
5.「はじめての悪魔祓い」夏目くるみ主演×中村公彦監
6.「あたしは地球」関根みなみ(team monolith)主演×マッケンジー・荒監督
7.「さよならは八月のバイバイ」佐々木麻衣主演×賀川貴之監督

私は竹藤監督の「深夜駆け込み」の音楽を担当しました。何はともあれDVDの発売日程が決まってよかったです (^^)

 

 

 

 

 

 

 

 

12月 9, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年12月 2日 (水)

映画「ジョンラーベ」上映会にて鑑賞ー史実に忠実ですが反日映画ではありません

5年越しでようやく公開された映画「ジョンラーベ」 日本では配給会社がつかず、5年間も未公開だった作品で「上映禁止」なんて海外では書かれたが勿論「上映=違法」ではなく集客云々以前に、「南京事件」と聞くだけで、上映妨害のトラブルを恐れて配給会社が腰が引けた、というのは察しがつく。 来年の2月に公開が決まった映画「アンブロークン」は在特会を中心とするネトウヨの反対で配給会社が降りたが、この「ジョンラーベ」 は2009年、まだネトウヨが今ほど激しく活動していなかった時期である。

しかし在特会やネトウヨの派手な活動期以前にも、ことテーマが「南京事件」となると右翼などによる暴力的な抗議や上映妨害が、市場原理と巧みにリンクして、自主規制へ追い込むという、この国の深刻な現実がある。それで最近は配給会社もマスコミも「自主規制」などという実質的に表現や言論の自由が圧力に負けてしまう事実を自ら作ってしまう。私的にはこれは不幸なことであるし、民主主義国家としては恥ずかしいことだと思う。

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それを市民グループが上映権を買い取り、今回の一連の上映会が開催されていた。会場は全員ボランテイアによる運営で、どこかのネトウヨサイトの馬鹿馬鹿しいデマのように日当いくら、なんてことは勿論ない(笑)

(ー念のために国会でも沖縄でも日当が出ると言い張っているネトウヨ諸君は、どこでどう申し込んだら「日当」がもらえるのか教えてほしいものである。国会の集まりに私は何回も参加しているがそんなものもらっている姿など見たことがない(爆) 現場にどうせいったこともない連中がネトウヨデマサイトを鵜呑みにして拡散している、という状況なんだろうがホント困ったものである)

この映画は香川照之、井浦新(ARATA)柄本明杉本哲太等テレビでも人気の演技派たちが出演している映画でもあり、それだけでも期待がもてたが、結論からいって作品としてはよくできているし、演出のメリハリもよくできていた。

映画はドイツの演技派として定評のあるウルリッヒ・トゥクル、それに皇族でありながら陸軍中将朝香宮鳩彦王に香川照之、南京事件に大きく関わったと後にGHQより追求される松井石根大将に柄本明 彼らの演技は本当にも応えがあった。

作品はドイツ語、英語、日本語、南京だから南京語だと思うがフランス、アメリカ等の多国籍の場面が多かったので英語が若干多いかな、という感じ。ちなみに英国人の医師を演じたスティーブブシェミはアメリカ人だが(タランティーノ映画の常連)きちんとイギリス英語になっていた。これ以外に難しいことなので感心した。
演技派揃いだと映画が締まる、その意味でこの作品はかなり質の高い作品であったといっていいと思う。

さて一応映画音楽をやっている身なので、映画となると音楽の使い方にすぐ耳がいってしまうが、場面の雰囲気にはよく合っているとは思うがもう少し印象的な映画音楽でもよかったのでは?とも思う。もっともそこは監督の考え方で「音楽が目立つ」ことを嫌う監督もいるのでその辺りは難しいところだが、しかし映画音楽の曲のイメージ自体はこんなものではないかな?と思う。たぶん自分がやっても似たような感じにはなるだろう。ただもうちょっと印象的なメロデイにしたと思うが..

まあどうせネトウヨ連中は見ようとすらしないだろうし、聞く耳などもたんと思うが結論からいって

これは断じて反日映画ではない

といっていいと思う

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冒頭にフロリアン・ガレンベルガー監督の日本人向けの挨拶が上手な英語でなされていたが、この映画は日本人を卑下したり非難している映画ではないという点を再三強調していたし、実際主人公のラーベがナチス党員でありドイツ自身もかなり負の部分も描いていた。また日本軍の空爆がドイツのハーゲンクロイツの旗を大きく見せただけで空爆がやみ、旗の下に隠れている南京市民が助かるという何とも歴史の皮肉の場面も見せている。

ガレンベルガー監督自身は大変な親日家であり、日本文化や歴史を大変研究しているのはこの映画を見てもわかる。何よりもドイツもヨーロッパでホロコーストという負の歴史があるドイツ人が描くからこそ史実に向き合って見えてくる部分が出てくるだろうと思う。

しかし同時に監督はこうも云っている

「日本とドイツでは歴史的責任や罪に対する姿勢に異なる部分があると考える」「日本の文化の中では、過ちや失敗に向き合い、前向きに議論することが難しいように感じる」

正直この言葉に一人の日本人としていいようもない恥ずかしい思いにかられた。実際この映画は日本社会のそういった体質のために公開に5年もかかってしまった。世界の人はこの事実に対してどう思うだろうか?日本と同じ「過去と向き合わなければならない」ドイツ人がナチスの同盟国だった日本の戦争犯罪に厳しい視線を向けていること、それも同時に極悪非道のレッテルを貼られているナチスからも決して目を背けずにそれをやっている、という点はやはり学ぶべきことではないだろうか?

確かにこの映画は南京事件における日本軍の残虐さも描いている。正視に耐えないようなカットもある。にも関わらず何度も書くがこの映画は断じて反日映画ではない。それはドイツ、日本、双方をかなり客観的に描いているからである。既にナチス政権になっているドイツは挨拶に「ハイルヒトラー」が日常化していて、極悪非道のレッテルが貼られている当時の日本兵を、同じく極悪非道のレッテルが貼られているナチスの象徴であるナチス式敬礼で追い返すというグロテスクさを美談の中にさりげなく忍びこませている。日本軍がどうこうというより戦争の度を超えた狂気そのものを描いていると私は解釈している、

一方では全ての日本人がこの残虐行為を肯定していたわけではなかったことは、ARATA扮する小瀬少佐がラーベが代表を務める「安全地帯」を日本軍が殲滅させようとしている、という情報をリークしているシーンでもわかる。あくまで史実には公平に描いている。

またラーベは決して諸外国で作った「安全地帯」の代表に最初からなるつもりではなかった点も描かれている。しかし結果としてそれを受諾し、20万人以上の南京市民の生命を守ったのは史実として中国、ドイツ、その他の国にも記録として残っているし、またラーベ自身の日記『ラーベの日記』が南京事件の歴史的にも重要な資料として国際的にも扱われている。

正直いうとジョンラーベはナチス党員だったが、厳密にナチスの思想に傾倒しているわけではなく、単にビジネス上の理由でナチス党員になったと考えた方がしっくりくる。事実ジョンラーベは帰国後、ベルリンその他で日本軍の残虐行為を喧伝するフィルムの上映・写真の展示を行うとともに、ヒトラーに上申書を提出し、日本軍による非人道的行為を止めさせるよう働きかけることを提言した。しかし、政府からはまったく相手にされないどころか、直後にゲシュタポによって逮捕勾留されてしまう。、また第二次大戦後はナチス党員だったために職に復帰できず不遇の人生を送り1950年に没している。

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朝香宮鳩彦王

ちなみにジョン・ラーベ研究家の永田喜嗣氏は映画の主題である南京事件については史実に沿った描かれ方がされていると解説しているが、香川照之演じる朝香宮鳩彦王については、史実において南京事件には関与していなかったとされている。これはおそらくは欧州では貴族や王族が最終的には全ての責任を全うすべきであるという「ノブレス・オブリージュ」(noblesse oblige「高貴さは(義務を)強制する」を意味し、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うため、責任は免れないという概念)が基本的な考え方だからだろうと永田氏は書いているが、私は朝香宮鳩彦王が陸軍中将という階級に既にいたことを考えると、関与が全くなかったと考えるのはやはり不自然だと考える。そもそも虐殺のきっかけとなった「捕虜は取らないー南京事件論争#中島今朝吾日記「捕虜ハセヌ方針」は誰の命令だったのかも定かではないが、もし松井大将自身でなければ、その次の地位にいる人物が行ったと考えるのは自然ではあるまいか。実際朝香宮の指揮下の部隊が最も卑劣な行為をしていたと中国側の資料には記述されている

まあその辺りは歴史学者にまかせるとして、戦争という狂気の中で大勢の人命が失われたのは事実だと思うので、ことさら「南京事件」に関して感情と拒絶反応を示すというのはやはり未来を見る上での障害になると思うし、ましてそれに関する映像、著作その他の表現に圧力をかけ見せない、読ませない、という行動に走るのはやはり言語道断であるといわざるを得ない。南京事件を描いているという理由だけで見もしないで反日映画と決めつけるのは司馬遼太郎の「坂の上の雲」を日露戦争を描いているというだけで戦争賛美作品と決めつけるのと同じくらい愚劣な行為である。

歴史の事実に関しては論争はあっていい。しかしそこから目を背け語ることすらさせない、」史実に向き合おうとすらしない、そのような国が国際的に信頼されるはずがない。日本と同じ戦争責任という重荷を背負っているドイツ人監督には敬意と、そして日本という国のそのような態度を持ち続ける姿勢に恥ずかしさを覚えずにはいられない。

 

 

 

 

12月 2, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年11月26日 (木)

なぜ「あさが来た」がヒットして「花燃ゆ」がコケたかに関する考察

たぶん歴史がらみなので私のもう1つのブログKyojiのよろずひとりごとに書いたのだと思われますが今年の大河ドラマ「花燃ゆ」は高杉晋作が没した時点で見るのをやめました。

まだ放送終了していませんが、大河ドラマ史上最低視聴率更新は避けられそうにないです。
大河ドラマというととかく視聴率云々という話が必ずでますが、私は基本的にはことNHKの番組に関してはそういう議論は興味ありません。過去「低視聴率」といわれながらも質のいい大河ドラマもありましたし、そもそも民放のように広告収入とは無縁のNHKにはあまり視聴率で云々することにあまり意味を感じないからです。個人的には視聴率と騒ぎ過ぎ、とすら思います。

とはいえ、今回の「花燃ゆ」の低視聴率はやはりこういう結果になるべくしてなったといわざるを得ません。
対照的に今オンエア中の「あさが来た」は前の「まれ」があまりにもクオリテイが低かったという面はあるにせよ、まだ放送開始二か月とはいえ、朝の連ドラとしてはヒットしているといっていいと思います。あまり視聴率について書きたくはないのですがビデオリサーチの第5週の週間平均視聴率が、22.8%、10月28日には自己最高となる23.7%を記録したそうです。

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実はよく見ると「花燃ゆ」「あさが来た」には共通点があります。

1.どちらも知名度の低い女性が主人公であること

2.幕末から明治が舞台であること

にも関わらずこの両者の違いは何なのか、
私なりに勝手に分析してみましたが、やはり両者には根本的な違いがありました。

1.主人公(ヒロイン)が後世に残した「実績」が違う

そもそもこれが決定的な違いです。「花燃ゆ」の楫取美和子こと主人公の杉文(すぎ、あや)は吉田松陰の妹であり、幕末志士の久坂玄随の妻、そして最初の群馬県令(知事)である楫取素彦の妻という波乱万丈な人生を歩んだにせよ、特に何か後世に残る実績を遺したわけではありません。それゆえ幕末の動乱や松下村塾で犠牲者が出てもただオロオロするばかりでやってることはおにぎりを握ることくらい、この人物を主人公にするにはそもそも無理があります。(ていうかよくこんな企画が通ったなと個人的には不思議です)

対象的に「あさが来た」の主人公の白岡あさは実在の人物、広岡浅子がモデルで日本で最初の女性実業家といっていい人物でした。現在の大同生命の創業者でもあります。

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「あさ」のモデルとなった広岡浅子(1849-1919)

玉木宏演じる遊び人の亭主、白岡新次郎も加島屋・広岡信五郎の人物像そのままで、関西の経済人が明治時代にいかにがんばったかをよく描いています。

後世に残す実績が殆どない人物と関西経済界の担った女性実業家では勝負になりません。

2.ドラマ、脚本に関する切り口

だいたい幕末⇒明治ものというと幕末の志士、武士を中心としたドラマが多いのですが、今回のように幕末から明治にかけての商人や一般庶民に焦点をあてたドラマというのは今までなかったように思います。幕末志士として中心になって登場するのは薩摩の志士であった五代友厚であり、たまに大久保利通が出るくらい。あとは一般的には決して知名度が高いとはいえない京都、大阪の商人たち。しかしこの人たちが現在の関西経済界の屋台骨を築いていくわけです。

五代友厚については私のもう1つのブログで詳しく書こうと思いますが、大久保や西郷とともに倒幕に活躍した志士で勝海舟の長崎海軍伝習所にも学び、イギリスにも留学した人物。現在の大阪商工会議所、大阪証券取引所の設立者でもあり薩摩人ながら現在でも大阪経済界を作った人物として大きな尊敬を集めています。

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五代友厚 1836-1885

この商人、庶民にスポットあてたという切り口が非常に面白い。大同生命だけでなく、UFJの元となった鴻池銀行も出てくるでしょう。現代人の我々にも身近なものを作った人たちのあまり知られていない生涯は確かに視聴者の興味もそそります。

対照的に「花燃ゆ」は毛利家の奥というこれもあまり知られていないところにスポットをあててますが、これが決定的な企画倒れとなりました。ひとことでいって大河ドラマではなく「花王奥様劇場」のノリなってしまったんですね。これが平日の午後の30分ドラマならまだ我慢できますが、日曜のゴールデンに奥様劇場を見るのは正直辛い。しかもこれを描くことによって主人公がどんな実績をあげたのか、というと特に目をみはるものはありません。何よりも明治になってから長州藩の奥なんて跡形もなくなりますからね。

この無理な設定には脚本陣は相当苦労したのではないかと推察します。正直いささか気の毒に思う面もありました。

「花燃ゆ」は完全に「切り口」で失敗したといわざるを得ません

3.出演した俳優の存在感の違い

今回の「あさが来た」で五代友厚を演じているデイーン・フジオカの演技は大好評でなかなかいい味を出しています。その他少々頭の足りない遊び人の新次郎を演じる玉木宏、不幸なところに嫁いでしまう姉のはつ演じる宮崎あおい(失礼ながら不幸な女性を演じるのはぴったり!)いずれも役者としていい味を出しています。

しかし「花燃ゆ」は伊勢谷友介の吉田松陰はよかったし、高杉晋作演じる高良健吾もがんばったものの「花燃ゆ」の不人気を復すまではいきませんでしたし、何よりもドラマの途中で(伊勢谷などは前半で)死亡したためいなくなってしまいました。高杉死去のあとはさすがに見ようという意欲がなくなりましたね。はっきりいって

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あと主役の井上真央さんもやや荷が重すぎたかなという気もしないではありません。ちょっと今回の企画の中で演じるのは気の毒な感じもしましたね。

我々は企画と通すために、プレゼン等で日夜、結構大変な思いをしているんですが、何か今回の「花燃ゆ」は企画の面でやや安易な感じを受けてしまいますね。

やはり籾井NHK会長が安部晋三首相をヨイショする意図で今回の無理のある企画をごり押ししたのではないか、とどうしても勘繰ってしまいますね。正直そう思われてもしかたのない企画内容です。 今のNHKは明らかにNHKの本来のありかたとは違う方向に行っていますね

 

 

 

 

11月 26, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年11月 2日 (月)

新人監督映画祭「退屈な休日」主役のさんみゅーたちと共にレッドカーペット歩きました

かねてからお知らせのとおりさる10月31日に新人監督映画祭にて拙映画音楽最新作「退屈な休日」(中田圭監督)のプレミア上映が行われました。

そのプレミア上映にさきだって映画祭のオープニングセレモニー兼レッドカーペットのセレモニーが行われました。会場には人気急上昇中のアイドル さんみゅーがレッドカーペットを歩くということで既に多くのファンと思われる人がレッドカーペットの会場を占拠していました。

 

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何でも徹夜してまったファンもいたという話です。

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レッドカーペット特設ステージは完全に包囲されていました。

そんな中関係者用の試写会のあとレッドカーペット用に着替えました。この日がちょうどハロウイーンなのでこの写真を見せたら「ハロウイーンコスチューム着てるのか」、と冷やかす友人もいましたが(笑)

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まあ通常はオスカーのようにスタッフクルーに対する賞をもうける映画祭の場合をのぞいては、我々のようなスタッフクルーがレッドカーペットを歩くというのは通常はないのは事実です。しかし今回は監督の要望で私も加わりました。

映画祭のレッドカーペットの花といえばやはり女優さんですね。やはり女優さんのコスチュームは目立ちます。(^^)

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レッドカーペットのウオーキングが始まる前にレッドカーペット前のテントでスタンバイします。ついに記念写真!!

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スタンバイしている時の様子です。

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そして柄にもなく他の出演者とともにレッドカーペットを歩いてしまいました。音楽賞、作曲賞とかがない映画祭では普通我々のような映画音楽作家は歩かないんですが(^^;;)

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とはいえ、将来的にはオスカーのコダックシアターのレッドカーペットを歩くことは目標になっています。

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はっきりいって本気です。

そのためにも今水面下でいろんなことを仕掛けています。勿論まだ何もいえる段階ではありませんが,,

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さんみゅーのフォトセッションには「カメラ小僧」が大勢いました。ファン層を見ると若い人だけでなく「オッサン」世代も結構います。昔アイドルを支持した人たちが再びさんみゅーのようなアイドルを支持する、そういう構造のように見えました。

明らかにAKBのような「オタク」的な人間はいないように思いました。

さんみゅーは昔ながらの正統派のアイドルですね。支持層も幅広い点でAKBやその亜流系アイドルとは明らかに一線を画します。私はAKBのようなアイドルはシステムとして好きじゃないので、さんみゅーたちを見ると好感が持てます。

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全体で集合写真!!  私は右から4番目に立ってます。

まあ面白い体験でした。今月は映画撮影にも参加したしレッドカーペットも歩いたし結構記念になることがありました。

しかしこれをただの記念に終わらせるつもりはありません。終わらせてはいけません。

ということで次回は新人監督映画祭よりも大きな舞台でレッドカーペットを歩かせて頂ければ、などと考えます。(笑)

 

 

11月 2, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年10月28日 (水)

「劇伴音楽」という言葉は「差別用語?」-ということで私は「劇伴音楽作家」ではなく「映画音楽作家」になります(笑)

まずかねてからお知らせしていました拙映画音楽新作の「退屈な休日」(さんみゅー主演ー中田圭監督作品)が「新人監督映画祭」でのプレミア上映されます。

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レッドカーペット&オープニングセレモニー
中野サンプラザ前特設ステージ 31日 12時~

1.  10月31日  14時ー 
2. 11月 3日   10時ー  どちらも中野サンプラザフォレストルームにて上映

新人監督映画祭  http://ndff.net/

今回のこの作品の中田監督とは今後さまざまなプロジェクトでごいっしょさせてもらうと思いますが、先日とある居酒屋で監督と飲んでいて面白い話を聞きました。

それは 「劇伴音楽というのは本来、差別用語である」という点

これは恥ずかしながら私も知らなかったのですが、それは日本の偉大な映画音楽作曲家の一人、佐藤勝先生の言葉らしいです。

実際私はアニメやゲームの音楽に関わったことがありますが、アニメやゲームの世界では普通に「劇伴音楽」という言葉を使いますので

佐藤勝先生は早坂文雄(七人の侍の音楽の方)、伊福部昭、武満徹などと並ぶ日本の映画音楽の大家であり、早坂先生亡き後の黒澤映画の音楽の常連(用心棒etc) を始め円谷の特撮映画(伊福部先生とほぼ交代で作っておられました) そして岡本喜八監督とは名コンビといわれるくらいの日本の映画音楽の大御所といっていい方です

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佐藤勝 1928-1999

佐藤先生の持論としてwikipediaを参照しますと「『劇伴』という映画音楽を意味する業界用語に関しては「戦前から連なる映画音楽に対する差別用語」として激しく嫌悪し続け、「俺は劇の伴奏なんか一度たりとも書いたことはない!」(2010年キネ旬ムック「オールタイム・ベスト映画遺産・映画音楽篇」キネマ旬報社)、「劇伴なんて言葉を使う監督とは組みたくない」(1991年の映画「大誘拐」パンフレットより)といった発言を多く残している。」と書いてあります。

確かに最近の映画監督のなかには音楽を単に「映像のBGMというレベルでしか考えていない人(映像の中で絶えず音楽が流れている)もいる一方で、映画の中で「音楽が目立つ」ことを極端に嫌う監督、もいますが、映画音楽を映画監督と作曲家のコラボレーション、という観点で語っている映画監督は減っているような気がします。

佐藤先生は「映画音楽は映像・作劇に溶け込むことで、初めて効果を生み出せるもの」という信念をもっていらっしゃったようで、自分の音楽がいかに映画に貢献できるかということに徹底してこだわり続けたそうですが、それは映画音楽作家の本来のありかたである、と考えます。そのためには映画監督と作曲家が徹底的に音楽について論じあい、音楽によってどういう効果を狙っているかについてお互いに考える機会というものが必要だと考えます。

前にも書きましたが映画音楽作家は音楽家であると同時に「映画人」でもないといけない、と思います。少なくともそういう意識を持たないといい映画音楽を作ることなどできない、と私は考えます。

伊福部昭先生はそうやって、あの有名なゴジラの鳴き声を本多猪四郎監督や円谷監督と共にさまざまな試行錯誤をした上であのなき声を作ったわけですし、武満徹も小林正樹監督の「怪談」で効果的なホラー音楽(クレジットには武満氏は『音楽・音響』となっていました)を作り上げました。(私見ではホラー音楽で最も怖い映画音楽といっていいと思います)

やはり映画音楽を作る上ではそういう取り組み方が必要だと考えますし、最近はハリウッドですらそういう映画音楽の作り方をしなくなっています。(最も昨年オスカーを取った「ブダペストホテル」の音楽はよくできていましたけど)

「退屈な休日」の中田圭監督はそういった考え方を理解し、今後のプロジェクトそういった試みを考えている、というのは非常にありがたい、と考えています。映画音楽というものを単なるBGMに終わらせない、真の意味のコラボレーションになりうると思います。

話を佐藤勝先生の戻しますが、確かにクラシックのアカデミズムの世界では映画音楽というものに対して「戦前から連なる映画音楽に対する差別用語」として『劇伴』というくくりで見下す雰囲気は確かにあったようです。実際一昨年の佐村河内事件の時もあるクラシックのアカデミズムの現代音楽作家が「映画音楽なんて所詮余技だ」「本来の作品じゃない」などといった発言をした人物がいました。これらの見解は映画音楽に対してある種の偏見が背景にある、といわざるを得ません。佐藤先生はそのことをいっていたのでしょう。

もっともそういう偏見にみちたクラシックのアカデミズムの現代音楽の作曲家たちはアカデミズムの世界でしか通用しない世界観で、後世に対する影響はクラシックの現代音楽以外の音楽には殆ど影響を及ぼしていない、という点は以前指摘しました。これは反アカデミズムの現代音楽だったミニマリズムやアンビエントがポピュラーミュージックを始め現代音楽に対して大きな影響を及ぼしている点とは対極にあります。非常に厳しい言い方をさせてもらえればクラシックのアカデミズムの現代音楽は狭いムラ社会にしか通用しない自己満足の自称芸術、以上のものではない、といってもいいと思います。

だからアカデミズムの現代音楽系が『劇伴』を佐藤先生のおっしゃる「戦前から連なる映画音楽に対する差別用語」として使ったところで、そんな連中のいうことなどスルーすればいい、と思わないでもないですが、まあ折角中田監督がこういう情報をくれたので、少なくとも中田監督の前では『劇伴』などという言葉は使わず、監督と映画音楽のコラボレーションを行う、というスタンスで行こうと考えております。

 

 

 

 

10月 28, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年10月22日 (木)

映画を見もしないで反対運動したネトウヨのせいで公開できなかった「アンブロークン」の日本公開が決定!!

本日「アンブロークン」の翻訳をされている田中 昭成 さんから連絡がきて、日本での公開が一部のネトウヨ、在特会の反対で見送られてきたアンジェリーナジョリー監督の映画「アンブロークン」の公開が決定したとの報を受けた。

ビターズエンド社による公開のようでこれでこの作品を日本人が手軽に鑑賞できる環境が整うことになった。
邦題は「アンブロークン」ではなく「不屈の男」である

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■アンジェリーナ・ジョリー監督『アンブロークン』来年2月日本公開へ!(Cinema Today)
http://www.cinematoday.jp/page/N0077431

アンジェリーナ・ジョリーが監督を務め、ミュージシャンのMIYAVIがハリウッドデビューを果たした映画『アンブロークン(原題) / Unbroken』が、『不屈の男 アンブロークン』という邦題で2016年2月に日本で公開されることが明らかになった。

 第87回アカデミー賞で撮影賞をはじめとした3部門にノミネートされた本作は、第二次世界大戦で日本軍の捕虜となったオリンピック選手ルイ・ザン
ペリーニ氏の実話を描いた作品。1936年のベルリン・オリンピック5,000メートルで驚異的なタイムをたたき出し、第二次世界大戦で空軍パイロットに
なったルイ氏は、ある日乗っていた爆撃機が海に不時着し、47日間漂流した末に、日本軍の捕虜として収容所に送られてしまう。収容所では彼に異常に執着す
るワタナベ伍長から執拗な虐待を受けるが、ルイ氏は不屈の精神で耐え抜き、遂に解放の時を迎える……。『名もなき塀の中の王』などのジャック・オコンネル
が、2年に及ぶ収容所生活を生き延びたルイ氏を演じた。

映画を見もしないで反日映画などときめつけ反対運動で上映できなくなり、表現の自由、言論封殺が行われる、などということがあってはならないし、こういう事態こそ日本の恥である。

さあこの映画が本当にあのバカどもがいう反日映画なのかどうか見てみようじゃないか。

もっともネトウヨの体質としてどんな優秀な学術データよりも「チャンネル桜」を始めとするネトウヨのデマサイトの情報の方を信じて、しかもそれを見て自分がいろいろ調べた気になっている救いがたい連中、例え我々が実際に見て仮に「少しも反日映画ではない」といってもこいつらは聞く耳をもたんだろう。

この映画の上映反対運動で呆れるのは読売や産経や文春といったマスコミまでがネトウヨの論調に便乗して映画を見もせずに「反日映画」であるかのようなプロパガンダを行ったことだ、

バカにつける薬はない、というけど在特会やネトウヨにもつける薬はないということだろう。

いずれにせよさまざまな「アンブロークン」の公開に関する署名運動も行われたがその目的がこれで達成されることになった。

さて、ネトウヨデマサイトのみを見て映画を見もせずにあくまで「反日映画」などと決めつけたい人間などは無視して、実際に映画を見てどういう映画だったのか、色眼鏡なしに見て評価をしてほしいものである。

 

 

 

10月 22, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年10月18日 (日)

大野映画音作最新作 さんみゅー主演「退屈な休日」が完成!! カワイイ映画ができました

先程のライブに先だって先日から殆ど突貫工事状態で中田圭監督の新作「退屈な休日」の映画音楽制作作業に取り組んでいました。

主演はサンミュージック期待のアイドルグループ さんみゅーです

 

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何せこのお仕事のお話をいただいたのが今月初め、そして今月末の「新人監督映画祭」のプレミア作品として上映されることが決定したということで、すでに完成予定期日まで二週間を切る段階での作業開始でした。

まあ映画音楽制作というのはたいていの場合映画制作の工程では一番最後になることが多いのでいつも時間がない、という事態には慣れてはいるんですが、それでも今回はかなり泡を食いました。

それでも辛うじて間に合わせまして昨日MA

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何とか昨日完成にこぎつけました。監督のtwitterでの発言にもありましたようにできばえに満足されているようなので私も一安心です。

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映画完成直後の中田圭監督

今回は非常に可愛く楽しい映画に仕上がったと思います。特に映画をよく知っている人はパロディーオンパレードなので抱腹絶倒ものになるでしょう。私も有名映画音楽のパロデイーを相当やりました(笑)

この作品はまずは今月10月31日から中野で行われる「新人監督映画祭」のプレミア作品として上映されます。 http://ndff.net/

この映画祭は昨年私が音楽を担当した作品が3作品上映される等、いろいろと縁がある映画祭です。今年は何と「退屈な休日」のスタッフの一人でオープニング当日にレッドカーペットを歩くことになりました。監督にそうするように言われましたので(笑) 

さんみゅー のこの娘たちといっしょにあるくことになります。

予告編です。

 

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よろしければ応援にかけつけて下さい(笑)

 

10月 18, 2015 映画・テレビ | | コメント (1)

2015年10月 3日 (土)

映画ロケに行ってきました。この歳で俳優デビューです(笑)

さてここのところ「鉄子の育て方」とか「この坂道」に関する情報ばかりでしたが、実は現在短編1本、劇場公開の長編1本の映画に関わっています。

 

そのうちの1つの撮影ロケに参加しました。

 

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実は今回の短編映画では音楽だけではなく俳優としても参加しています。
過去エキストラは何回かありましたが実際の役は初めてです。
一応ちゃんと台詞もあります。(笑)

 

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何とバーテン役です。(笑)

撮影の朝は早い。
新宿に朝の6時に集合。
そこからロケの現地(埼玉県秩父市)まで車で約二時間

 

朝は土砂降りでこりゃえらい日にロケやるなと思いましたが、天気回復 ロケ日和になりました。

 

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ロケの様子

 

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今回のロケの現場、アメリカ西部の雰囲気を出すクリオステーブルという馬の牧場だそうでその筋の人たちには有名な場所らしいです

 

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今回は役者としても参加していますから特別ですが、普通我々映画音楽をやっている人間はポストプロ(撮影の後の作業)での作業のため撮影現場に行くことは普通ありません。

 

しかし私は必要が生じればいつでも行くつもりであります、そして原則MA(音楽や音声その他を入れ込む作業ーマルチオーデイオ作業ともいいます{和製英語})には立ち会います。
MAにまで立ち会う映画音楽作曲家は私ぐらい(確か久石さんもやっているはずですが)だそうですが、私は原則映画に音楽がきちんとはまったことを確認した上で終わりだと考えています。(なぜ皆さんMAに立ち会わないのか、逆に私は不思議なんですけどねー作曲家の事務所がそれをさせていないから?) それは映画音楽家としていい仕事をしたいという矜持でもあります。

 

いずれにせよ映画の音楽の作業をする際にはやはりその映画がいい作品になって欲しい、と耐えず願いながら取り組んでいます。特に作品が映画祭とかに出品されたらそれは実質的に運命共同体になりますからね。

 

映画音楽の作家として活躍されている方の中には映画の世界とは一歩引いて「あくまで仕事としてやっている」という意識で取り組んでいる方がいます。
勿論それはそれでいいんですが、但し例え一時成功した人でもそういう態度で取り組んでしまうと、少なくともこれからは長い目で映画音楽の分野で仕事をしていくのは私は難しいのではないか、と考えます。映画音楽、劇伴は確かに誰でもできる作業ではないですが(確かに適性はあります)しかし映画音楽の仕事をしたいという若手の作曲家はものすごく多いですからね。私でもいつそういう人にとって代わられるかわかりません。

 

映画音楽作家は勿論音楽の世界の人間ー音楽人ではありますが同時に映画人でもないといけない、と考えます。そのことによって監督、プロデユーサーそしてその他のスタッフの方との信頼関係をつなぐことができるからです。特に映画監督は自分でスタッフのチームを作る傾向がありますからね。〇〇組という風に(暴力団じゃないですよ(笑))

 

今日撮影した作品は来年の夕張国際ファンタステイック映画祭にて上映予定です。西部劇テーストのコメデイですが、いい評価をもらえるようにこれから「本職」の音楽の方でもがんばろうと思っております

 

 

10月 3, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年9月29日 (火)

鉄子の育て方 一通りオンエア終了にあたって

昨日未明、名古屋テレビ製作のドラマ「鉄子の育て方」のMXテレビでのオンエアが終了しました。昨年の4月の名古屋テレビ(テレビ朝日系列)でのオンエアを始め小刻みにさまざまな地方放送局でオンエアされていました。必ずしもテレビ朝日系列とは限らなかったんですが

 

京広域圏 メ〜テレ(NBN) 2014年4月7日 - 7月1日 月曜 24:20 - 24:50(火曜 0:20 - 0:50) テレビ朝日系列 制作局
2014年 4月10日 - 7月3日 木曜 4:30 - 5:00 再放送
熊本県 熊本朝日放送(KAB) 2014年5月29日- 木曜 26:00 - 26:30(金曜 2:00 - 2:30)  
静岡県 静岡朝日テレビ(SATV) 2014年7月1日 - 火曜 26:05 - 26:35(水曜 2:05 - 2:35)  
沖縄県 琉球朝日放送(QAB) 2014年7月4日 - 金曜 9:55 - 10:25  
北海道 北海道放送(HBC) 2014年9月14日 - 日曜 24:58 - 25:28(月曜 0:58 - 1:28) TBS系列  
新潟県 新潟テレビ21(UX) 2014年10月4日 - 土曜 25:45 - 26:15(日曜 1:45 - 2:15) テレビ朝日系列  
岩手県 岩手朝日テレビ(IAT) 2014年 12月27日 - 2015年1月4日 深夜帯で連続放送  
鳥取県・島根県 日本海テレビ(NKT) 2015年 1月5日 - 3月30日 月曜 26:04 - 26:34(火曜 2:04 - 2:34) 日本テレビ系列  
大阪府 テレビ大阪(TVO) 2015年 4月7日 - 6月30日 火曜 25:35 - 26:05(水曜 1:35 - 2:05) テレビ東京系列  
全国放送 エンタメ〜テレ☆シネドラバラエティ> 2014年7月6日 - 日曜 14:30 - 15:00 CS放送  
MONDO TV 2015年2月2日 -    
シンガポール Hello! Japan 2015年 2月17日 - 火曜 21:30 - (現地時間)    
山形県 山形テレビ(YTS) 2015年7月1日- 火曜 24:50 - 25:20(水曜 0:50 - 1:20) テレビ朝日系列  
東京都 東京メトロポリタンテレビジョン サブチャンネル(TOKYO MX2) 2015年7月20日- >月28日 日曜 24:00 - 24:30(月曜 0:00 - 0:30) 独立局 最終週のみ2話連続、1時間枠

 

まあプロデユーサー、スタッフの皆さんの苦労の後がわかります。

 

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そして昨日念願の関東のオンエアが終了。

一応「第一部 完」と書いてありましたが果たして「第二部」はあるんでしょうか?(^^;)

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まあ欲を言えばテレ朝でオンエアされるのが一番よかったのですが、おそらく「鉄オタ」というマニアックな内容だったためキー局にやや敬遠されたところがあったかもしれません。しかしだからこそこのドラマは面白かったと思います。個人的にはこのドラマのスタッフに参加できるようになってとても光栄に思い、感謝をしております。

実は私は事情により途中からスタッフに加わりました。そのためローバジェットの案件であり制作期間も2週間ないという大変なものでした。まあそんなもんですが,,

NHKの大河とか連ドラはともかく、普通の低予算ドラマの場合は映画と同じ作り方などとてもできません。何せオンエアの1-2週間前に編集ができあがり、すぐに納品という感じですから、じっくり映像に合わせて作る、なんてことをやっていたら間に合わないわけです。

そのためあらかじめ脚本を読んでおいて、どういう音源が必要かということをあらかじめ想定して作られなければなりません。今回はあらかじめ想定して作った曲と監督から要望が出た内容の曲で20曲くらいは作ったのかな?

ただドラマを見ながら個人的にはさまざまな反省点もありました。それは次回の機会に生かしたいと思います。

とにかく「鉄子の育て方」 なかなか面白いドラマでした。オンエアが終わってしまうと何か寂しいですね。またこのスタッフチームと一緒に仕事できる機会が訪れることを願っております。

 

 

9月 29, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年6月19日 (金)

作曲家と映画監督のコラボレーションという映画音楽のありかたについて

先日のShort Short Film Festival & Asiaでの拙映画音楽の短編映画「この坂道」の上映会はいずれも超満員でした。千原ジュニアの作品と同じグループの影響もあったのでしょうが、本当にたくさんの方に見ていただきました。ありがとうございました。

何度も書きますがこのShort Short Film Festival & Asiaでの入選は本当に予想もしなかった大成果で、この作品に関われてよかったと思います。先日もこのブログ記事に書きましたがこれで映画音楽作家としては「第二段階」-次のステップに本格的に向かうことになります。今までは順調でしたが今度はいばらの道が待っていることでしょう。

「この坂道」の映画音楽制作は実はかなりの難産でした。作業も本来ありえない作業もあったりしたのですが、非常に充実したものでした。それは監督が最初から私との「コラボレーション」という意識で取り組んでいただいたことで、音楽制作にかなりのモーテイベーシヨンがわいた、という点でした。映画のタイトルバックの最初の音楽については「長調でも、短調でもない曲」とオーダーされ、結局現状のミニマル調(モード、ですね)の音楽になりましたし、クライマックスの抱擁のシーンでは何回音楽を変えたか覚えてないくらいです。

しかし結果的にその「コラボレーション」による試行錯誤がこの映画をよくしたことに疑いの余地はありません。「この坂道」がShort Short Film Festival & Asia入選まで行ったのはこのプロセスがよい作用をしたと思っています。

ちょうどその折、こういう記事を見かけました。見事カンヌ映画祭入選を果たした是枝裕和監督の「海街diary」に関する記事です。

■[海街diary]是枝裕和監督と音楽の菅野よう子に聞く コラボレートのきっかけは二女役の長澤まさみ
http://news.mynavi.jp/news/2015/06/14/147/

映画音楽を単なるBGM という捉え方しかしないのか、そうではなく映画監督と作曲家の「コラボレーション」としてとらえるのか、で出来上がる映画のクオリティーは天と地くらいに違うと思います。

殆どの映画監督は「音楽は重要だ」とおっしゃいますがこのレベルまで考えてくれる監督はまだそれ程多くない印象があります。

今回の短編映画「この坂道」の成功(といっていいと思います。短編の最高峰Short Short Film Festival & Asia に入選しましたので)をきっかけによりいい映画を作るという意味でも作曲家である私と映画監督との「コラボレーション」という姿勢で取り組みたいと考えております

映画と音楽のコラボレーションをお考えの映画監督の皆さん。いつでもご相談承りますので(^_^)

お気軽にご相談下さい

大野恭史公式サイト

http://www.kyojiohno.com

 

音楽制作会社ハイブリッドミュージック

 

http://http://www.hybridmusic.jp

 

お問い合わせはこちら

 

 

 

6月 19, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年6月13日 (土)

拙映画音楽作品「この坂道」国内最高峰の短編映画祭ーShort Short Film Festival & Asia にて上映!!

昨日ですが拙映画音楽「この坂道」Short Short Film Festival & Asia2015で上映されました。

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短編の映画祭では日本では最高峰、「映画芸術科学アカデミ
公認の映画祭」
でこれより上のレベルの映画祭となるとカンヌ、ベネチア、ベルリン
といったいわゆる三大映画祭しかありません。だからこそ今回のこのSSFFに入選するなどとは思っていませんでしたし、初監督作品ながら国内最高峰映画祭に入選した「この坂道」の宮本ともこ監督はまさに快挙といっていいかもしれません。

審査員の顔ぶれ、

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審査の結果は15日にわかります。

まかり間違えてグランプリ取っちゃいましたらオスカーノミネート候補になってしまうんですが、まあそれはないでしょう(笑) しかし仮に受賞しなくても作品はアメリカのア
カデミー関係者、映画業界関係者に見られるわけでこの意味は大きいです。

満員の会場で上映が開始されました。
この短編映画自体はもう小さな映画祭を含め何回見たか記憶にないくらいなのですが、今回はSSFFの規定に基づき本来は30分の映画を25分に短縮、-再編集してでの上映です。

 

しかし30分を25分というと5分の短縮ですが、これは実際にみて予想以上の削除になりました。

中間部の削除に使われた音楽はその前のカットに移動されたのですが、問題は最後のショパンの「エオリアハープ」の部分でした。

元々この映画では本来ありえない、ことを要求されていました。それはショパンのエチュードの曲の部分とカットを完全に同期させるという監督の要求で、エチュード何小節目は映画のこのカットの部分に合わせる、等かなり細かい要求にあわせなくてはなりませんでした。そのためこの難曲を何と  

画面を見ながら弾く 

ということをやらざるを得なかったのです。

ところが今回はその再編集に伴い、その絵の部分を大幅に編集せざるを得なかったため。当然前の映像に合わせていたわけですが、映像が変わったために特に曲のケツの部分が中途半端な終わり方になってしまいました。 ただでさえ最近この曲の演奏を粗が見えてきている上に(実はここだけの話、何か所か間違いがありますwww) 終わり方が変な終わり方だったので思わず頭をかかえてしまいました。

いやーまあ、真夏(ではないですが)の夜の夢ということにしましょう。個人的には忘れたいです。(^^;)

ちなみに「アジア インターナショナル&ジャパン プログラム A」 どれも入選するだけの作品でした。監督もインド人、シンガポール人等 多彩全員英語通じたのでいろいろ話せました。Skipシテイもそこそこ国際色ありましたが、SSFFはやはりいいですね。普通に英語しゃべって違和感ない空間なのがいいです。

明日もまだ上映があるのでネタバレしない範囲で書きますと

「自転車」(インド)ーインド映画の裾野の広さを感じた作品、音楽も新鮮で子供の演技も素晴らしい。特に音楽は「やられた」と思いましたね。フルート、アコーデイオン、タブラ(インドの民族打楽器)という変則的な編成ですが、それが非常に効果的。特に  アコーディオンとタブラが合うなんて思いませんでした。作品の完成度とクリエイテイブの面で非常に高い作品。

「皮膚」(シンガポール) ー想像力豊かなアニメーション作品

「嫌わないでよ」
(日本)-中学を舞台とした人間の残酷さを描いた作品、但し物語の発展性に乏しい(たぶんこれが作風?)ため好き嫌いがあるかも(但しグランプリ最右翼候補という情報もある)

「クレーム」
(日本)-千原ジュニアの作品 ひとことでいってオチが全て

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結局良くも悪くも「この坂道」は5作品の中では一番正統派の作品といっていいでしょうね。

果たしてどういう評価が下されるか。神のみぞ知る、という感じでしょうか?

しかしスタッフの一人の私がいうと手前味噌になってしまいますが宮本ともこ監督ー伊参スタジオ映画祭のシナリオ大賞に始まりSKIPシテイ国際Dシネマ映画祭、札幌国際短編映画祭と来て今回のShort Short Film Festival & Asia2015入選、初監督作品でここまでこれたのは見事と心から称賛したいと思います。

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右が宮本監督

本当に「この坂道」は予想以上の成果を収めることができました。
この作品に参加できてよかったと思います。

皆さん本当にお疲れ様でした。

 

 

 

6月 13, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年6月 5日 (金)

拙映画音楽作品「この坂道」入選のShort Short Film Festival & Asia 開幕!! オープニングセレモニーに行ってきました。

拙映画音楽作品「この坂道」が入選したShort Short Film Festival & Asiaが本日開幕しました。

実は今日のオープニングセレモニー、行く予定ではありませんでした。しかし前の打ち合わせが予想以上に早く終わったこと、次に顔出すことろがオープニングセレモニーが行われた表参道ヒルズからよく考えれば非常に近かったこともあり、急きょ参加することにしました。

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このShort Short Film Festival & Asia、ただの短編映画祭ではないことはオープニングセレモニーでのこの顔ぶれをみればわかると思います。

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鉄拳、MayJ .斎藤工、鶴田真由  堀潤m、司会は別所哲也とLiLiCo

セレモニーの冒頭はなぜかライトセーバー(笑) ルーカスから実際送られてきたそうです。

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正直いってまさかこの映画祭で上映されることになるとは思いませんでした。まあ半分冗談(半分本気でしたけど)でダメ元で出してみたら、と監督に云ったよ
うな気はするんだけどまさか本当にこの映画祭で上映されることになるとは。まあ間違ってもグランプリ受賞はしないと思うんですが(笑)、私はこの映画祭の入選だけでこの作品は大
成功
だったと思っています。なぜならこの映画祭は上記のオープニングセレモニーの出席者の顔ぶれを見てもわかるように普通の映画祭ではないからです。

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というのもこの映画祭、別所哲也が主宰するShort Short Film Festival & Asia 「映画芸術科学アカデミ
公認の映画祭」
だからです。アカデミー公認の映画祭は日本ではこの映画祭と広島国際アニメーションフェスティバルの2つしかありません。

「映画芸術科学アカデミ
公認の映画祭」
になると何が違うかといいますと、この映画祭での受賞作品は自動的にアカデミー賞のノミネート候補作に推挙されるシステムです。つまり(ま
あ間違ってもそういうことはないと思うんですが)「この坂道」が受賞作品になれば、来年のオスカー授賞式にて最優秀短編映画、最優秀外国短編映画等のノミ
ネート作になる可能性が出てくるわけで、実際このShort Short Film Festival & Asiaや広島国際アニメーションから日本からノミネートされた作品が出ています。
 
 また仮に受賞できなくても上映作品は間違いなくアメリカアカデミー関係者やアメリカの映画業界関係者に見られますので、ここから世界に進出できる可能性も出てくるわけです。この意味は決して小さくありません。

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Short Short Film Festival & Asiaはご存じ別所哲也とLiLiCoで進行されます。

実はこの映画祭、チケットの申し込みは必要なんですが何と無料です。

そのせいかオープニングスクリーニングは既にこんなに並んでます。

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これをみて思いました。
来週の「この坂道」の上映日はかなり早めに行かないとダメだ、ということです。

実は同じグループに千原ジュニアの作品があり、本人もたぶん来るだろうから普段短編映画なんか見ない連中が押しかける可能性があります。 心して行かないと駄目でしょうね。

ちなみに「この坂道」は千原ジュニア作品の次に上映されます。

改めて「この坂道」の上映スケジュールです。

(1) ブリリア ショートショート シアター /    6/12 (金)  20:00-21:50
   http://www.shortshorts.org/ssff/infocus/_63_1.html

(2)  Laforet 原宿             /    6/13 (土)  11:20-13:10
   http://www.laforet.ne.jp/

(3) シダックス・カルチャーホール      /    6/14 (日)  15:40-17:30
   http://www.shidax.co.jp/ssv/hall/culture_hall.html

それでは会場でお会いしましょう

 

 

 

 

6月 5, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年4月 6日 (月)

第六回ラブストーリー映画祭で「この坂道」が上映されました。

兼ねてお知らせページにてお知らせしましたとおり、拙映画音楽作品 短編の「この坂道」が第六回ラヴストーリー映画祭にて上映されました。

会場はここです、昔 キネアティックという名前だったそうですが...

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宮本ともこ監督の「この坂道」

何だかんだいいながら、結構いろんなところで上映されています。

伊参スタジオ映画祭 (シナリオ大賞受賞)
・TOKYO月イチ映画祭
・SKIP CITY 国際Dシネマ映画祭 入選
・札幌国際短編映画祭

会場はSKIPシティとか新人監督映画祭と比べてはいけないんでしょうが小さめです。
お陰さまで満員です。

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舞台挨拶です。

やはりこういうのは何度でもいいですね

 

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映画関係者の実績としてはこういうことを積み重ねていくしかありません。まだまだいくつかの映画祭、その他で提出が予定されているようですが、頑張ってほしいものです。

 

 

 

4月 6, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年3月30日 (月)

日米で活躍する光武蔵人監督にお会いしました。

私は時々ブログにてソーシャルネットの問題点などを論じたりはしているが、それを抜きに論じるとソーシャルネットによって多大な恩恵を受けた人間の一人であることは事実である。

元々持っている人脈は音楽を職業にしている人間にしては貧弱だった。仕事を依頼される会社も今思えばよくそんなに少なくてやっていけたと思うほど非常に限られていた。

しかしfacebookを始めとするソーシャルネットはそれを補って余りある人脈をつなげてくれた。確かにソーシャルネットは使い方を誤ると望ましくない人物とつながることもあるが、そこの部分さえ気を付け訳のわからないIT記事に安易に煽動されることを避ければ有効なツールであることは事実である。

そして本日もその出会いに感謝する日となった。

 

映画監督に光武蔵人(みつたけ くらんど)というアメリカ LA(ロサンジェレス)を中心に活動している監督ー作品にサムライ・アベンジャー/復讐剣 盲狼女体銃 ガン・ウーマン等の作品を発表した映画監督で日本とアメリカ両方をまたにかけて活躍している方である。

元々全然無関係のアメリカ人の知人でのスレッド(当然英語)を通じてfacebookでつながったのだけれど、SNSでいろいろやりとりをしているうちにかなり話が合いそうな気がしていた。かねがねお会いしたかったんだがようやく実現した。

今回の一時帰国で次回作も決定されたとのことなのだが、実際にお話しをして映画音楽に対する考え方にかなり接点を感じた。実は意外にこういうことって少ないのである。

 

Mitsutake

 

監督との記念写真 新宿にて

 

 

これを機会に音楽の方で作品のお手伝いができれいいと思う、一日も早く仕事でごいっしょできる日が来ることを願うものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月 30, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年2月24日 (火)

Oscar2015を見て、音楽をテーマとした映画やミュージカル映画制作に当たって音楽制作者からのお願い

オスカー2015年 昨日終わりました。各部門の受賞者は英語ですがオスカー公式サイトをご参照ください

http://oscar.go.com/

今年の作品賞にノミネートされた作品はいつにも増してみたいと思う映画が多いような気がします。「グランドブダペストホテル」は絶対見たい映画ですし、レ・ミゼラブルでいい味を出していたエデイーレッドメインがホーキング博士を演じた「博士と彼女のシオリ―(原題:The theory of everything)」の鬼気迫る演技はそれだけを見に行くだけでも価値があります。主演男優賞は当然。

一応「同業者」として映画の作曲賞を受賞したアレキサンドル デスプラが8度目の正直でオスカーの作曲賞を受賞したのはおめでとうといいたいですね。前述の「グランドブダペストホテル」を始め、ナチスの暗号を分析する第二次大戦当時の話のサスペンス映画「イミテーションゲーム」の音楽も担当。フランス人の父とギリシャ人の母を持つ作曲家ですがオスカーを取っていよいよ映画音楽の第一人者に加わりました。アメリカに移住してからそこまでいくのに10年かかったそうですね。何でもそうですが「やりつづける」ことが道につながります。

そして録音賞を取った「セッション(原題:whiplash)」で原題のwhiplashは「ムチのひも」という意味。ドラムステイックをムチのひものようにしならせて叩くというニュアンスが込められているんですが、まあ保守的な日本の音楽教育界でもあんな「体育会系の指導方法」はないだろう(笑)と思うようないわばスパルタ音楽教育の話。とはいえ一応音楽人の端くれとしては興味があります。

ところでその「セッション」はビッグバンドの演奏シーンがありますが、映画を見ていないので何ともいえませんが、おそらく録音賞を取ったからには間違いなく、プロのレコーデイングエンジニアも撮影時にからんでいる可能性が高いと思われます。

セッション」のような映画は当然ながら通常の映画よりは音楽の重要性が高くなります。このような場合通常の撮影時の「音声録音」と同じ録り方をしても決してライブ感のあるいい音にはなりません。間違っても音声マイクをそのままデジカメにぶち込むという録り方はしない方がいいです。できれば良質のプリアンプとアナログの卓を通してからミックスする(たぶんハイレゾモードのpro tools等に一度入れていると思います)方法を取らないといい音にはなりません。

昨年の「レ・ミゼラブル」も撮影時に別ブースにオーケストラを録音しながらライブでミュージカルを録るという手法がとられましたが、音楽制作者の立場から見ますとおそらく気が遠くなるほどの作業量が仕込みに必要だったことは容易に想像できます。

最近のハリウッドの流れとして撮影時にプロの本格的なレコーデイングチームを導入し(おそらくはトレーラートラックにコントロールルームを設置して、ということが行われているでしょう)いい音で撮影する、という流れができつつあるそうです。勿論それをやるにはそれなりの費用とスタッフが必要ですが..

そこでもしこの記事を映画関係者がお読みになった場合は音楽制作者の立場からお願いがありますが、もし「音楽をテーマとした映画」もしくは「ミュージカル映画」を撮影する企画、計画がある場合、できれば事前にご相談をいただければと思います。

それらの映画をよい音で録るにはやはり高度の専門知識と現場経験が必要だからです。

映画の中でミュージカルやバンド演奏をどのようなシチュエーションで撮影するか、音楽を扱うかによって必要な作業が大きく変わってきます。詳細なプランをご教示いただければ「これをやるためにどんな作業が必要か、どんな機材やスタッフが必要か」というのはだいたいわかりますので、ご相談していただければバジェットを組む時にある程度の検討がつくと思います。一応録音や音楽制作に関しましてはありとあらゆる現場を経験していますので..

たぶん、それをやらないと実際撮影してもうまくいかない、思ったような音が録れないという事態になる可能性が高いです。一つ間違えれば現場が修羅場と化します(笑)

ちなみに私もミュージカルを映画に導入した経験があります。その時は歌をあらかじめ録ってミュージックビデオを録る要領で作ったのですが(予算の制約もありましたので) クランクアップした後に、歌詞を変えたり音楽の編集で逆に絵を合わせる(それじゃ何のために事前に音楽録ったのといいたくなりましたが(笑))作業等、恐ろしいほどの手間が発生しました。まあ一応映画が完成してDVD も発売されていますので、今では笑い話になりますが、できればもう少し前の段階でご相談いただければまだ作業がスムーズに運んだのではないか、と思います。

そんなわけでもし音楽をテーマとした作品、ミュージカル映画の製作をお考えの方はよろしければご相談いただければ幸いです。

お問い合わせはこちら

 

ちなみについでですが、私が音楽を担当したミュージカルを使った映画です。「いじめ」をテーマとした映画です。

よろしくお願いします

 

 

 

 

2月 24, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2015年2月12日 (木)

もはやネトウヨは表現の自由や社会にとって有害な存在となったーその騒ぎに便乗した恥知らずのマスコミによって公開中止となった「アンブロークン」について

我が国の表現の自由について戦慄を覚えるほどの危機的事態が発生していることが判明した。

■文春、産経の「反日」攻撃でアンジーの映画が公開見送りに! ネトウヨが作る検閲社会
http://lite-ra.com/2015/02/post-837_2.html

アンジェリーナジョリーの初監督作品は太平洋戦争で日本軍の捕虜となった元オリンピック陸上選手ルイス・ザンペリーニ氏の半生を描いたものなのだが、これが日本の歴史のねつ造シーンがある、との理由からネトウヨ、保守主義者の間で「これから上映のアンジェリーナの映画は、日本兵が外国人捕虜を虐待して殺害して食べたという捏造映画だ」という批判が高まった。

「アンジェリーナの反日食人映画を許すな」
「ウソも甚だしい!アンジーは反日プロパガンダをやめろ!」>&
 

 配給元にはこんな抗議の声が殺到し、日本での公開ができない状況に追い込まれた。そのため監督のアンジェリーナジョリー自身が「これは反日的な映画ではない」とわざわざ読売新聞のインタビューで述べたという

ところが実際この映画を見た映画評論家の町山智浩氏が今年1月の段階で「完全に間違った情報によって叩かれている」と指摘、

町山氏 

   「『アンブロークン』っていうタイトルは、『不屈』『くじけない』という意味なんです」

「ザンペリーニさんは、日本軍から開放された後、アメリカに帰国するのですが、長い間拷問されていたので、憎しみが渦巻いて、もう悪夢の中で何度も何度も
拷問した軍曹を殺す夢を見るんです。でも、その憎しみから解放されるには、結局、相手を赦すしかない。敵を赦すしかないんだ、という結論に彼は達した」
「映画では最後、ザンペリーニさんが、日本の人たちに拍手されながら、長野オリンピックで、聖火ランナーとして走る映像が出てきます。だから、これは別に日本が悪いという映画でもなんでもない。本当に強い男は敵を赦す。そういう話なんです」

アンジー自身も読売新聞のインタビューで、こう答えている。

「ルイスは日本を愛していた。長野冬季五輪の聖火を運んだことを人生で最も誇れる瞬間の一つだと語った。映画を見る機会があれば、そう判断できるだろう」

反日どころか、テーマは全く逆である。

 


「アンブロークン」trailer

 

町山氏は「映画が完成したのはついこの間なので。日本では誰も見ていないのに、と思いましたけどね」と皮肉まじりに語っていたが、要はアホなネトウヨは映画も見もしないで自分の理解や知識が及ばない事象や人びとを片っ端から“敵”“反日”と設定して叩くといういつもの典型的な行動パターンをやっていたわけだ。

それに何とあろうことか、大手マスコミがそのおバカなネトウヨの騒ぎに便乗したのである。

週刊文春6月26日号の記事

 

「勘違い女優が撮るトンデモ反日映画」というタイトルのワイド記事を公開。「原作が日本人の残虐性を誇張する“トンデモ本”」としてネット上で話題になっていると紹介した。そして、〈何千人もの捕虜が(中略)人肉食の儀式的行為で生きたまま食べられた〉という原作の一節を引用し、「看過できない」「歴史をでっち上げるのだけはやめて
ほしい」

そして産経新聞12月6日

「(原作には)『捕虜たちが焼かれたり、人体実験で殺され、(日本の)古来からの人食いの風習で生きたまま食われた』などと捏造されたストーリーが史実のように描写されている」
「『映画にそうしたシーンがあれば、中韓が政治的に利用しかねない』と懸念する在米日本人もいる」

いずれの記事もよく読むと、すべて原作をベースにして語っているだけでどうみても映画を見た上での記事ではない。なぜなら実際に見た町山さんの話だと人肉のシーンは映画にはないからである。

 

つまり今回のできごとは、ネットの「『アンブロークン』は日本軍による食人映画」という“完全なるデマ”を鵜呑みにしたバカなネトウヨ連中が反日ではない映画を見もしないで反日と決めつけ、その騒ぎにこれまた映画を見ていない大手マスコミが便乗し、一本の良質な映画が公開中止に追い込まれた、というのが真相である。

今回何が問題かというとこの映画、安部政権や行政が映画の公開中止に関与したという上からの圧力ではなく下の方からの圧力で公開中止に追い込まれた、というのは余計に事態を深刻化させている。

ネトウヨのアホ連中だけでなく、いやしくもマスコミの言論機関である文春と産経が映画を見もしないで「反日」と決めつけ上映禁止に追い込む、という表現の自由を守るべき言論機関自体が結果的に表現の自由を危機的な状況に追い込む片棒を担いだ、という事実が私は何とも腹立たしい。

上記の記事を書いた文春と産経の記者に聞きたいのは、あの記事を書いた時に記者としてのプライドと羞恥心は一体どこを向いていたのか? という点だ。

そして何よりも今回の事態で、反日映画でない映画を反日と決めつけられ公開中止、という点もさることながら、何よりも今回の事態で「反日」映画を上映できない国になってしまったという点がより深刻だ、

つまりこのことはこの国にもはや表現の自由が事実上なくなったことを意味する。政府による弾圧ではなく、ネトウヨの暴走によって表現の自由が奪われているのである。こいつらヘイトスピーチは言論の自由などとほざいている一方で今回のような映画を見ないで喚きたてて表現の自由をぶっこわしたという既成事実を作り上げたのである。

今回でこのネトウヨは映画、その他の表現にとって、そして社会そのものにとって極めて有害な存在になってきている。そろそろ例の在特会を始めとして、ネトウヨ全体に対するネトウヨ対策を社会全体で考えないとこの国は取り返しのつかない国になってしまう。

最近の嫌な感じがするのはそのネトウヨを意識した、あるいはネトウヨのご機嫌取りでもしているのかと思われるマスコミ記事が増えている点である。

特に最近の産経新聞は本当に酷い

 

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先日の2月7日のコラム記事

 

 

 

これに関しての詳しい内容は私のもう1つのブログ記事に書いてある。ひとことでいって「(殺された日本人2人)の仇討のための改憲をすべき」といった内容だ。頭が戦前の人間が書いたとしか思えない記事だ。

 

http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20150208

そしてまたやらかしたようだ。

本日の曽野綾子のコラム記事

何と「移民受け入れを進めろと言いながら居住区は人種で分けた方がいい」ってこれってかつての南アフリカよろしく「人種隔離政策」ではないか。

今度は事実上のアパルトヘイト肯定

 

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どんだけ時代錯誤だ? 産経新聞

それともネトウヨ対象にネタを提供、ウケ狙ってるのか?

いっそのこと「産経新聞はネトウヨの味方です」というスローガンでも出したらいかがかな?

そして先ほども言ったようにネトウヨは極めて社会にとっても有害な存在にはっきりなってきている。言論と表現の自由の敵、社会の敵といっても過言ではない。

その味方をしている(ように見える)産経新聞も有害なマスコミかもしれない。

 

 

2月 12, 2015 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年12月 1日 (月)

新人監督映画祭ー「サメロメ2014」上映終了とサメロメ2014の音楽について

昨日は拙映画音楽の最新作「サメロメ2014」上映が「新人監督映画祭」にて行われました。一昨日と違い昨日は舞台挨拶モードで会場に行きました。

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今回なんでこんな気合い入っているかと言いますと今回の「サメロメ2014」は30年前の映画を音楽総入れ替えしたバージョンなので、普通舞台挨拶などしない映画音楽作家が主役になるからです。

映画祭で映画音楽作家が主役になるなんて滅多にある機会ではないですからね。

とはいえ実はまだ最終的な仕上がりをまだ見ていないので、音楽が最終的にどう映像に対して座ったのか確認していなかったので実はドキドキでした。

あと30年前の出演者の方もお見えになる、とのことで昔のイメージを持っていらっしゃる方は相当違和感を感じてしまうのでは、という懸念もありました。

しかし恐れていた(?)批判もなく、ご来場いただいた方からは大変ポジテイブな反応をいただきました。勿論全員の感想は聞いていませんが、.

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無事上映終了後、普通はありえない映画音楽作家の舞台挨拶。

取りあえずご来場いただいた方、楽しんでいただけましたでしょうか?

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上映会終了後の記念写真。大半の方は監督も30年ぶりに会われたそうです。

さて、ここで「サメロメ2014」の音楽について述べたいと思います。

今回の音楽の総入れ替えプロジェクト、まあ今だから言いますがかなり実現が危ぶまれました。監督からなかなかOKがもらえず、実際やめようとも思いました、(笑)

この作品は竹藤監督のある意味原点であり、一番思い入れのある作品で、しかもイメージが30年間固定されていた、という事情があるので、どんな音楽を入れてもたぶん違和感を感じるだろうな、というのは予想していました。そのためある意味私も開き直って、どうせなら好き勝手にやらせてもらおうと思いました。その間、監督の間でかなりのせめぎ合いがあったのはいう間でもありません。

しかし最終的にはこの映画を何回か見てフィルムスコアリングをしているうちに、「これは今まで世の中にない、面白いものができるかもしれない」 と思うようになりました。監督の言葉を借りますと、学生時代だからできた作品で今は絶対にこんな作品は作ろうと思ってもできない、とのこと。そこの部分が理解できるようになった時、この作品は逆に今までにない既存の映画作品とは全く違う作品になる可能性がある、と思うようになりました。

この「サメロメ」の意味は「覚めろ 目」 つまり夢なのか現実なのかわからない世界

これは単に映画の世界の表現だけでなく、観客も夢の中に誘い、果たして自分は夢を見ているのか、もしくは現実に映画を見ているのかわからなくなるような仕掛けになっています。

そのため映画音楽は一部、眠くなるような仕掛けになっています。

まあ私にはスリーピングミュージックという作品がありますので、人を眠くさせる音楽を作るのは得意分野です。(笑) そうした音楽による誘いによって映画だけなく観客も非現実の世界に引き込まれるように音楽は作られています。

音楽はまた現実ではありえないような世界、をノイズ音響系やアンビエントの音楽を使って表現しており、一部クラシック調はあるものの、通常の映画音楽の作り方ではない手法が取られています。一部は勿論劇伴的な作り方をしている部分もあることは事実ですが..

ご覧になった方はどんな印象を持たれたでしょうか?

尚、最後のエンドロールの中の音楽ーまあエンデイングテーマといっていいんだろうと思いますが、実はあの曲には歌詞があります。

但し普通の歌詞ではなく、まったくデタラメな言語による歌で歌詞の最後の部分は「サメロメ」で終えるようにしています。全く意味がない歌詞なんですが、最後に「サメロメ」で終えることによってひょっとしてあの歌詞には意味があるんじゃないか、という印象を持たせるのが狙いで(実際には意味がないんですけどww) そういうのも面白いんじゃないか、と提案しましたが、監督に却下されました(笑) 要は人間の生の声を入れたくない、ということだったようです。

ちなみに私が考えていたのは声楽のバリトン歌手にそれを歌わせようと思っていたのですが、まあまかり間違えてこの「サメロメ2014」のサウンドトラック発売などという事態になったら(たぶんないでしょうけど(笑)) そういうボーナストラックを入れてもいいかな、などと思いますが..www

しかし「サメロメ2014」は明らかに一般受けする映画ではありません。たぶん劇場公開されることはないでしょう。

しかし一部の方にカルト的な人気が出る可能性はあります。 そんな作品です。

さてそんなことで無事「新人監督映画祭」も終わりました。

せっかくなのでエンデイングセレモニーを見ようと思いましたがすごい人(!!!)

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本会場入りは諦め、控室のモニターでエンデイングセレモニーを見ていました。

そして無事映画祭終了。

振り返ってみれば今回ほどどっぷり映画祭につかったことはなかったのではないかと思います。私のような音楽関係者にはめったにない経験だけに、貴重な体験をさせてもらいました。

最後に今回はオムニバス映画の1エピソード、短編1本、そして長編1本と何と3本の自分が音楽を担当した映画が上映されました。このような機会を与えて下さった 新人監督映画祭に感謝いたします。まして映画音楽作家が舞台挨拶する、とは滅多にないことなので緊張しました。ステージでライブするのとは全く勝手が違い ますからね。

今回の映画祭をきっかけにまた次のステップに進むことができればと考えます。映画劇伴音楽作家としては本当に貴重な体験でした。

ありがとうございました。㎡(_ _)m



12月 1, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年11月30日 (日)

新人監督映画祭レポートー拙音楽担当二作品上映と嵐の中のレッドカーペット

既に当ブログでも何回もご紹介しておりますが、金曜日の28日から東京中野の中野セントラルパーク サウス コングレスクエア にて「新人監督映画祭」が開催されています。

昨日は拙映画音楽担当作品の2作が上映されましたので会場に行きました。

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映画祭はライブやコンサートとはまた違った雰囲気ですね。よく考えたらあまり映画祭というものに私は参加したことないかもしれません

俳優さん女優さんは顔見知りでなくてもすぐわかりますね。オーラを発してますから

盟友の竹藤監督は勿論のこと、開会前なのに結構知り合いに会いました。
半分内輪な映画祭なのかな? という気もしますが(笑) 

会場で配られる案内です

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「傷女子」は既にだいぶ前から公式サイトでも表示されてますが

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あとの私が関係している2作品、「この坂道」と「サメロメ2014」偶然にも隣に並んで紹介されています。

まずは「傷女子」(オムニバス映画)(竹藤恵一郎監督「深夜駆け込み」の音楽担当、渋谷アップリンク公開作品)の上映です。

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「傷女子」の舞台挨拶の模様です。この後別会場でレッドカーペットの会場に舞台挨拶グループは向かうのです    

が、しかし

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折角のレッドカーペット 雨の中です。(T_T)

こんなに降るなんて聞いていません

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我らがアイドル7×監督7 「傷女子」キャストのレッドカーペット
よりによって一番土砂降りの時
女優さん おめかししていて、控室では本当にまぶしいほどキレイだったんですが、こうなるともうそれどころじゃない感じです。

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知り合いの監督さんのレッドカーペット。どしゃ降りの中です。

折角のレッドカーペット、参加された監督さん、女優さん、俳優さん 本当に気の毒でした。

実はこの日私の作品はプログラムのド頭と最後という風に間が異常に空いてしまったので、会場を出たり入ったりしました。それでも映画3本くらい見ましたかね

出たり入ったりしましたが結局丸一日中野にいたことになります。

面白いのも結構ありましたが、。しかし職業病で使われる音楽ばっかりに耳が行ってしまいます。

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そして「この坂道」の舞台挨拶 。今回は子役以外キャスト総出演です。

久々に見ましたが、個人的には最後の自分の演奏のショパン エチュード 「エオリアンハープ」。今聴いてもすごい気になりますww。

いずれにせよ新人監督映画祭、私が行ったのは2日目ですが大勢の方にご来場いただきありがとうございました。

本日のレッドカーペットはどしゃ降り、嵐の中で行われましたが、夜はキレイな星空、オリオン座が見えました。

ちなみにいちおうまだオリオン座の右肩のベテルギウスはあるみたいです。いつ爆発するか、なんていわれてますけどね(笑)

さて、本日はいよいよ大野の映画音楽最新作「サメロメ2014」午後3時40分より「ルーム3」にて上映です。ぴあ入選作の音楽を総入れ替えした台詞のない映画です。その為大野が舞台挨拶に立ちますので応援に是非お越し下さい(^^)

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11月 30, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年11月16日 (日)

映画「サメロメ」に挿入テーマは大野のアルバム"metanature"のFLO-を始めかなり斬新な映画音楽になっています

先日の記事にも書きましたように30日の新人監督映画祭 にて竹藤恵一郎監督のぴあフィルムフェステイバル入選作のリメーク作品「サメロメ2014」の上映の関係で30日にて中野セントラルパーク サウス コングレスクエア で舞台挨拶にたちます。

以前もお話したとおり、今回の「サメロメ2014」は通常の私の映画音楽と比べかなりとんがった音楽表現になっています。以前も申したとおり音楽もアンビエントあり、ミニマルあり、ノイズ音響系あり、70年代の「電子音楽(もはや死語)」の影響のある音楽もあり、通常の「仕事」での私の音楽とはかなり違います。それは私のアンビエントのアルバム"metanature"からの曲ーFlo-が挿入歌(「歌」ではない、インストですが..)として使われており、実質的な「サメロメ2014」テーマ曲となっていることからもわかります。

Metanature
Kyoji (大野恭史)metanature

このアルバムは私の最近のピアノソロの活動と同様、仕事ではなく自主的に作ったアルバムで純粋に自分のために作った作品です。

http://homepage1.nifty.com/hyb-music/metanature.htm

そのーFlo-です

自分でいうのもなんですが、かなり斬新なサウンドトラックに仕上がっています。

予告編です.。この音楽もーFlo-をもじった音楽になっています

ご興味ある方は"metanature公式サイト"かアマゾンにてお買い求めください


えい

11月 16, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年9月10日 (水)

映画音楽次回作「サメロメ2014」音楽完成

渋谷アップリンクにて「傷女子」いよいよ今週の金曜日(9月12日)までですが、そんな折昨年の10月から手掛けていた映画音楽作品が完成しました。

「傷女子」のの「深夜駆け込み」を始め昨年の「だから私は眠れない」(橋元優菜さん主演)そして多くの教育映画の制作を共にした盟友監督の竹藤恵一郎監督が30年前「ぴあフィルムフェステイバル」で入選を果たした「サメロメ」の音楽を総入れ替えしたリメーク(といっていいでしょう)です。

そのため今回の音楽総入れ替えバージョンは「サメロメ2014」と題されました

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この映画は何と「サイレント」映画、つまり台詞が一切なく映画の舞台も何となく病院らしい感じはあるのだけれど、どこなのかわからない。そもそも登場人物が何者なのかすらわからない。(人間ですらないかもしれない)そんな不思議な非現実の世界です。

音楽もアンビエントあり、ミニマルあり、ノイズ音響系あり、70年代の「電子音楽(もはや死語)」の影響のある音楽もあります。(クラウスシュルツ、タンジェリンドリームとか)とかなりとんがった感じになりますが、たぶん映画を見た人は不思議な感覚に見舞われるでしょう。

先日の音楽の詰めの作業でかなり細かいところまで音楽に関して監督と入念な打ち合わせ、一部は監督の目の前で手弾き演奏もしました。じっくり中身の濃い入念な打ち合わせを終え無事メドがたつようになり、ようやく完成の運びとなりました。

まあとにかく何とかまとまって一年間の肩の荷がようやく下りました、
自分でいうのもなんですが、かなり斬新なサウンドトラックに仕上がっています。

たぶん11月頃の某映画祭で上映されることになると思います。
詳細が決まり次第当ブログにてお知らせいたします。

「サメロメ2014」予告編です


9月 10, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

珍しく撮影現場に立ち会って撮った「深夜駆け込み」メーキング

さて映画「傷女子」おかげさまで連日盛況です。あと残すところ2日となりました。まだ見ていない方は是非ご覧になって下さい。

特別鑑賞券は今夜12時直前まで受け付けています。
http://t.co/B1SslHmexN

さてブログ記事で最近女優さんとの記念写真を撮っていささか羨ましがられましたが(笑)、普通映画音楽をやっていても、女優さん俳優さんに会う機会など実はめったにありません。

というのも我々映画音楽をやっている人間はたいていの場合、撮影が終了してから(クランクアップ)してから、その後の作業工程(これを業界では「ポストプロダクション」といいます)の段階に入り、映像の租編(本編が来ることはまずありません)が来てから、私たちの仕事が始まるというケースが殆どだからです。ですから私たちの作業は撮影スタッフとは別の世界にいる場合が殆どです。

俳優さん、女優さんに会う機会があるとすれば「試写会」 「上映の舞台挨拶」そして「キャスト+スタッフの合同打ち上げ」くらいですね。それでもそういう席で話してお互い意気投合する場合は確かにあります。特に商業映画よりは映画祭等に出す作品でごいっしょすると、何となく仲間意識のようなものが生まれますね。秦さんや安住さんもそういった関係でおつきあいをさせていただいています。

あと最近ありがたいのはソーシャルネットがあることですね。facebook経由で映画監督+スタッフだけでなく女優さん、俳優さんともつながることができ、随時近況や情報交換ができます。これはちょっと前では考えられなかったことです。

しかし稀ですが、私も撮影現場に行くことがあります。商業映画、教育映画含めて今まで相当な数の映画に関わってきましたが、実は今回の「深夜駆け込み」を含めて3回だけ撮影現場に行ったことがあります。うち一度は「エキストラが足りない」ので呼びだされたケース、そしてあと二回は映画に「鼻歌」のシーンがあって、その「鼻歌指導」のために立ち会ったケースです。

今回の「深夜駆け込み」を見た人はわかりますが、冒頭に主人公のマモルが「ショパンの革命」のメロデイの鼻歌を歌います。経験上、クラシックはうるさ方の人が多いので鼻歌といえど正確に歌わないと、あとで何をいわれるかわかりませんので、

そして撮影現場に立ち会いました。こういうセットがあるスタジオで撮影しました。

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ここが映画の舞台です。
そして撮影開始

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今回の鼻歌撮影の秘密兵器、i-padが活躍しました

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そして極めつけは、情報公開解禁になりましたので、

田口夏帆さん演じる主人公ヒナの血だらけシーン

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今回はメークさんが大活躍でした

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まさにプロフェッショナリズム、見事でした。

そして映画は無事作業を終え、公開されました。

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ちなみに「傷女子」では唯一(!?) 田口夏帆さんのシャワーシーンがあります(笑)

アップリンク劇場で連日、盛況ありがとうございました。
まだ見ていない方、是非アップリンク午後八時半からお越しください


9月 10, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年9月 1日 (月)

アイドル7x 監督7 Vol2「傷女子」上映と-竹藤監督「深夜駆け込み」組舞台あいさつ

当ブログでも何回も告知しましたように昨日が アイドル7×監督7「傷女子」 初日はおかげさまで満員御礼でした。
今日は
「傷女子」の中の「深夜駆け込み」組(竹藤恵一郎監督)の上映後の舞台挨拶がありますので私も駆けつけました。(レイトショーの関係で照明条件が悪い(汗))

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映画ですが、先日の試写会の時と比べ大幅に順番が変わりました。それは7作品それぞれの特徴、作風があまりに違うために観客に違和感を感じさせないための変更ですが、新しい順番にしたら全く違和感なく自然に見れました。

ちなみにオムニバス7作品の順番は以下の通りです。

1.じんじんじん 
  丗志男   監督   佐藤ありさ主演

2.スケバン料理人  小泉剛   監督   大蔵 愛 主演
    マリー

3.愛の夢       天野邪子 監督  大山貴世 主演

4.深夜駆け込み*  竹藤恵一郎監督  田口夏帆 主演

5.はじめての悪魔  中村公彦 監督  夏目くるみ 主演
          祓い

6.私は地球     マッケンジー荒監督 関根みなみ 主演

7.さよならは八月  賀川貴之 監督  佐々木麻衣 主演
       のバイバイ

*当方音楽担当

作品は泣けるものあり、おちゃらけ系あり、不思議な世界あり、シリアスなものあり、と各々の監督がやりたいことを素直にやっていますので、バラエテイに富んでいますので飽きないかもしれません。

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上映後の舞台挨拶ー!!

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舞台挨拶に私も加わりましたが、私のアイドル7×監督7 の「7」のポーズがぎこちない(汗)

上映がレイトショーのため既に11時を回っていましたが、やっぱり打ち上げー(^o^)

終電の 時間を気にしながら, ではありますが..

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一応帰りは辛うじて終電間に合いました、(^^)

「傷女子」毎日舞台挨拶があります。9月12日まで渋谷アップリンク劇場にてレイトショー公開

http://www.uplink.co.jp/movie/2014/30106

チケット予約はこちら

https://ticket.tickebo.jp/ja/event/show/9009001/?tcktvwid=724CM3KN63J&cal=1&cnv=1



9月 1, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年8月24日 (日)

映画「傷女子」試写会に行ってきました

いよいよ来週の土曜日。8月30日から渋谷アップリンクにて公開されるオムニバス映画「傷女子」の試写会に昨日行ってきました。

公開される映画の試写会には既に何回もいっておりますが、やはり緊張しますね。どんなできあがりになっているかいつも気になります。

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フライヤーです

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「傷女子」から「深夜駆け込み」キャスト勢ぞろいです。

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前列左から 岩ゲントさん 宮 弘之さん、清水黒貴さん 主演の田口夏帆さんです。

後は盟友の竹藤監督 

試写前、7人の監督が勢ぞろい

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今回は本当に「濃い」作品が多いです。シリアスなものとギャグ系あり、SF(!?)あり。
一人一人の作風があまりに違うので、戸惑われる方もおられるかもしれませんが、おのおの力作であり印象的な作品が多いと思います。

監督、キャスト、スタッフ、みんなでグチャグャの打ち上げです。

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深夜駆け込みの竹藤監督

改めて「傷女子」の詳細です。

日時  2014.8.30 (土) ~9.12(金) 連日20:30~

料金  一般¥1,500/学生¥1,300 (平日学割¥1,100)/
     シニア¥1,100/UPLINK会員¥1,000
会場
X(2F)

http://team-kalahari.com/

毎日舞台挨拶があります。

特に初日、2日、5日は主演アイドルさん 多数来ます

よろしくお願いします

8月 24, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年8月 5日 (火)

大ヒット作の映画を見るも、字幕上映の会場はガラガラ

やっと映画を見る時間が取れそうなのだが、最近は字幕で上映するところが減ってきて字幕上映を探すのに苦労するようになった。私などは吹き替えでは絶対に見ない主義なので(英語に限らず他の言語でも)最近のこの傾向にはやはり首をかしげてしまう。、特に若い人は字幕を読めない、追えない人が増えているからこういうことになっているけどこれってやはりいかがなものかな、という気がするね。

というわけでやっと「マレフィセント」と「ゴジラ」を遅まきながら見に行ったんだけど..

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夏休み中でヒット作にも関わらず字幕だとこんなにガラガラ。吹き替えは満席状態なのに..

だいぶ前にもこれに関する記事を書いたけど

■ガラガラだった洋画の映画館-字幕が読めない文盲の若者が増えている
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2007/07/post_6dfc.html

最近は声優ではなく所謂タレントなどに吹き替えさせる傾向まで出てきて、日本のマーケット全体がそういった吹き替えを好む傾向が強くなっているようだが、何かやっぱり今の日本人って純粋に作品を楽しむというより、何かタレントが吹き替えしてるから見るとか、そういう感じで映画館に行っている人が多いような感じだけどね。あのーこれバラエテイじゃないんだから、といいたくなるけど

あとある意味日本人の文章読解力が落ちているののも原因かもしれない。一瞬の字幕(それも文字制限があるからせいぜい十数文字)すら追うことができない傾向はtwitterで140文字すら満足に読めない輩が増えている点でもわかる。実際ウェブページ運営しているとわかるけど明らかにウェブページをきちんと読んでいなくて問い合わせして来る人とか時々いる。(それもたいていの場合一番肝心なところを読んでいない)

正直、字幕で映画を見れば英語を始めとする外国語の勉強にもなるし、ヒアリング力も鍛えられてくるから私は吹き替えで映画を見るのはそういう意味でもおすすめできない。

ちなみに今日みたマレフイセントゴジラもよかった。特にマレフイセントは一見の価値あり。登場人物の心理描写が見事だし、アンジェリーナのこの演技を吹き替えで見たらもったいない!

ゴジラも監督のギャレスエドワーズが昔からのゴジラのきちんと敬意を表した上でゴジラを作っているのがよくわかるし、最後のシーンでアメリカのゴジラファンが映画館で拍手を送った理由がよくわかる。アメリカ人もKaiju(今や英語となった) が大好きということがわかり何かうれしくなってしまう。

別にグローバリズムとやらを引っ張り出すつもりはないけど、外国の映画を吹き替えでしか見ない、というのは外国の文化を理解しようという姿勢をそぐような気がして仕方ないのだが...


8月 5, 2014 映画・テレビ | | コメント (2)

ドラマ「鉄子の育て方」DVD情報とその後のオンエア状況

お知らせページにも書いてありますように大野の音楽担当ドラマ「鉄子の育て方」 
9月24日 vap よりDVD発売決定!! です、

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DVD Box Vol 1. http://www.vap.co.jp/goods/1403684509285/

DVD Box Vol 2  http://www.vap.co.jp/goods/1403684715425/

そしてその後のオンエア状況ですが、地方局でもう終わってしまうものもあるようですが以下のようになっています。実は殆どは今日私も知ったという状況です。(汗)

熊本県 熊本朝日放送(KAB) 2014年5月29日- 木曜 26:00 - 26:30
(金曜 2:00 - 2:30)
静岡県 静岡朝日テレビ(DTB) 2014年7月1日 - 火曜 26:05 - 26:35
(水曜 2:05 - 2:35)/td>
沖縄県 琉球朝日放送(QAB) 2014年7月4日 - 金曜 9:55 - 10:25
全国放送 エンタメ〜テレ☆シネドラバラエティ(CS) 2014年7月6日 - 日曜 14:30 - 15:00;

CSとはいえ全国放送があるということは、関東や関西などでのオンエアは難しそうな感じでしょうかね?何か新たな情報があればまた公開させていただきます

鉄子の育て方 公式サイト

http://www.nagoyatv.com/tetsuko/index.html


8月 5, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年7月30日 (水)

続テレビがつまらなくなった原因3ー過剰かつ偽善にみちた正論がもたらす社会の息苦しさ

(長文注意)

テレビがつまらなくなった、こんな声を聞いてから長いし、当ブログでもそれに関する記事をだいぶ書いた。

■テレビをつまらないという以前にくだらないバラエティ番組を見るのをやめようー番組だけでなく映画や音楽のコンテンツの質の向上のために
http;//kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2012/12/post-7701.html

■テレビがつまらなくなった理由2-そこには現在の日本社会が抱える3つの良くない風潮の問題があった
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2013/02/2-8595.html

私も最近はテレビ関係の音楽の仕事をしていることもあり、テレビ業界の状況は自分にも影響してくるので、テレビの停滞状況はある意味死活問題でもある。

しかしこの問題突き詰めてみれば見るほど、単に制作現場の質の低下とか、スポンサーの予算削減、そして上記の記事の中にある昨今の日本企業内の風潮(テレビ局も会社である以上例外ではない)等さまざまな要素、原因がからんで昨今のテレビ番組のつまらなさ、につながっているとみることができる。

そんな中、元フジテレビのアナウンサーで現在はフリーの長谷川豊氏のこの記事はテレビ番組の質の低下は、昨今の日本社会が閉塞している原因と連動しているとの指摘があり非常に興味深い。

■テレビがつまらなくなった訳
http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/archives/39344539.html

要点だけ引用させていただく(それでも結構長い(汗))

27時間テレビで草なぎ君が、はるか昔の一件について質問されていました。もう何年も前、草なぎ君は問題を起こし、ニュースになりました。
懐かしい。あれを朝から報じたのが僕でした。あの時の草なぎ君、本当に立派でした。


先週の事ですが、僕がメインキャスターを担当している番組「バラいろダンディ」内で神奈川県逗子海岸の「ある問題」を取り上げました。


そう。


テレビって、なんでつまらなくなったのか。
この二つを見ると、良く分かります。

<中略>

僕はせっかく辞めたのだし、そこのところは突き詰めていきたいと思っていた。「なぜ、つまらなくなったのか?」色々と語っている評論家や学者さんではわからない。内部を知る人間でなければ、実際に現場の人間がどれだけ一生懸命頑張ってるかなんてわからない。どれだけ才能のある人間がいるかなんてわからな い。

『昔よりも面白くない』

なんてもの、テレビ以外にもあふれてないか?先週お伝えした逗子海水浴場のニュース。
あまりにもお客さんの…特に若い男女のマナーが悪いという苦情が相次いだらしい。このままでは、安心して子供を連れて行けない、と。


逗子市は逗子の海岸を「日本一安全でマナーのいい浜辺」として利用できるようにしよう!と決断。結果…

・酒はダメ
・刺青は論外
・音楽もかけちゃダメ


逗子海岸は今年施行された法律により、日本一、間違いなく「マナーが良く」「子供にも安心して楽しめる海岸」へと生まれ変わった。

そして、大きな問題が発生した。
海開きは7月1日。そこから2週間がたち、逗子海岸お訪れたお客さんは
1万3千人。


去年の同時期は…

7万4千人だった。

なんと、客が激減。7分の1の客数では周囲の海の家や旅館は立ち回らない。そう。
地元の観光協会やホテルなどが逗子市を相手取って裁判を検討し始めたのだ!

一体何故?


マナーがいい方がいいんじゃないのか?
親子で安心して遊べる方がいいんじゃないのか?

しかし、行政が良かれと思ってやったことは、逗子海岸が「見捨てられた海岸」となる結果をもたらした。。
答えの一つはここにあるように思える。

<中略>

草なぎ君、本当に頑張っている。偉いと思う。
可哀想に、昔、もう何年も前の話。
草なぎ君はストレスでお酒をかなりの量を飲むようになった。そらそうだ。国民的アイドルグループの一員の重圧ってきっと並みの神経じゃ耐えられないはずだ。
で、酒に酔った草なぎ君は酔っ払い、あくまで彼が住んでいたマンションの「プライベートガーデン」内で素っ裸になったとのこと。
 
で、おまわりさんに怒られたってだけの話だ。
 
僕はこれが大きく報じられた時にどう考えても「何が悪いのか分からなかった」のだ。でもテレビでは偉そうな顔をしたコメンテーターが
 
「彼は社会的影響が大きいのですから自覚が足りないとしか…」
 
と責めたてていた。そんなもんか?そんな悪いか?今まで彼が残してきた功績、彼のお陰で受けた感動、それをぶっ潰すほどのもんなのか?

<中略>

「今回の草なぎ君の一件に関して、街中でアンケートを取りました。『草なぎ君は活動自粛に入りますが、それについてどう思いますか?』」
 
答えは80%を超える人たちが「そこまでしなくていいと思う」と回答したのだった。そらそうだ。全然誰も怒ってなかった。

逗子の海岸もそう。
 
みんな、そこまでの正論、期待してないし。そこまで言われたら…もう、堅苦しいんだよね。
 
草なぎ君もそう。
 
みんな、全然怒ってなかったし。怒る訳ないし。酒飲んでの失敗くらい、みんなやってるだろ。僕、何回失敗したか分からんわい。でも、あれで何か月も謹慎させられるんだよね。
 
最近はテレビだけじゃなく、行政も何もかも、
「そこまで怒らんでも」

ってことに対して、怒りすぎ、

「そこまできちきちせんでも」
ってことで、きちきちしすぎなんです
 
会議室の中で考えちゃうと、それでいいって思っちゃうんでしょうね。
違うんだよなぁ。
人間ってもっともっとリラックスして生きてます。本当はいろんなこと出来るのに、なんだか形上の「正論」にあぐらをかいて、単に決まりを作って、単にあれもこれも辞めるって決めて安心することに甘えて。
 
テレビがつまらなくなったのも、
今の日本が息苦しくなっているのも、
 
原点は同じだと思う。

上記の文章を読んで一体逗子市の条例と昔の草薙報道、そして昨今のテレビのつまらなさに何の関係があるのかと思うかもしれない。これらは一見無関係に見えるが実は根底の部分ではつながっている。

最近ネットに限らず、情報化社会といわれる現代の中で1つ揚げられるのは「過剰な善意による悪作用」という現象である。

「過剰な善意による悪作用」とは何か?

それは善意とか正論という一見正しいと思われる見解が、結果的に社会に対してマイナスの作用を及ぼすことであり、私はその「過剰な善意による悪作用」こそが日本社会を閉塞させている元凶ではないかと思うのである。

例えば当ブログでもCMが一部のクレーマーによって放送禁止になった件

■放送禁止のCMに見る日本の「表現の自由」の危機と日本社会を閉塞させている病原菌たち *1
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2013/03/cm-b0f6.html

また記憶に新しいドラマ「明日ママがいない」に対する放送禁止運動

■ドラマ「明日ママがいない」その他CMの状況に見る、安部政権の表現の自由項改悪とは別のもう1つの危機  *2

https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/01/cm-af54.html

勿論「過剰な善意」を振り上げる人たちは全部同じ人たちではない。いわゆる「暇人クレーマー」'クレームのためのクレームを言う連中)もいれば、普通の一般市民もいる。つまり大きく分けると

1.悪意を持って善意を振りかざす輩ー(人を「叩く」ことが目的)

2.純粋な善意で過剰な善意正論を展開する人たち

の2種類がいる。例えば「明日ママがいない」の孤児院のえがき方に反発した人たちは純粋な善意で日本テレビに抗議したと思うし、上記の逗子市の「日本一マナーのいい海水浴場」にしようという人たちは純粋に善意で活動していたと思う。一方ではテレビCMのように重箱の隅をつつくようなクレームのためのクレームを言う連中は、「正義」をふりかざすことによって「自分の立場(ネットでの書き込みでの正論展開」を有利にして、「叩く」ことを目的としている連中である。これは悪意をもって善意、正義をふりかざしているエセ正義の連中である。前述の単なる羽目をはずして素っ裸になったに過ぎない草薙剛を徹底的に「叩く」ことが目的であって、そのために善意、正義を道具として利用しているに過ぎない。

残念ながら純粋な善意で活動していた人たちもエセ正義として叩いている暇人バカも結果として同じく「過剰な善意による悪作用」を社会にもたらしてしまっているという点では同じである。

つまりこういうこと。

私たちは善意、とか正論とかいうものを過剰に評価しすぎてはいないか

会議でもネットでも善意、正義を云う方は楽である。しかし世の中、人間の生活はそんな単純に白か黒かで分けられるようなものではない。理想と現実にはギャップがあるように、人間の営みなんてものは何でも正論、善意だけでくくることなどできないのである。

現代のこの状況は云ってみればヨーロッパの中世にある意味近い社会になっている。ヨーロッパの中世は何でも「聖書の教義」絶対視され、少しでもその教義からはずれたものは悪とされた。キリスト教教義、聖書の教義を述べる人たち(これを本来エバンジェリストというのだよ。私がIT連中がこの言葉を使うのを嫌う理由がわかるでしょ?)が正論でそれ以外の見解は「悪魔の行為」として火あぶりの刑の対象となる。

ちょうどクレーマー連中が放送局や企業に対して「正論でないことをする」とクレームをいう、誰かが問題を起すと掲示板、ブログでエセ正義をふりかざして徹底的に「叩く」

はっきりいって構図は中世のヨーロッパと全く同じ。

ヨーロッパの中世が15世紀にルネッサンスが起きるまで1000年以上も長く停滞した時代を送ったことは世界史に少しでも詳しい人ならわかるであろう。

現代は情報化社会といわれるが、そういった底の浅い善意、正論があたかも中世ヨーロッパの人たちを徹底的に縛ったキリスト教の教義(ドグマ)よろしく、今の日本社会を非常に息苦しい、風通しの悪い社会に結果としてしまっている、といえよう。

さて、これとテレビ番組のつまらなさがどう関係しているって?

テレビ局、とりわけ民放はスポンサーの広告費で成り立っている。

企業の広告担当はサラリーマン、放送局の人間も本来サラリーマン的意識はもつべきではないんだが、実質的に完全にサラリーマン化している。

サラリーマン化している、ということはリストラが当たり前になった現代では可能な限りミソをつけない、「無難な」仕事をするーつまり「事なかれ主義」、という方向に強くベクトルが働く。

それゆえ、CMでも番組でも声高きマイノリテイであるクレーマーがエセ正義をふりかざす輩にいとも簡単に腰砕けになってしまう。それが上記*1*2のケース、

当然こういうのが続けば番組制作サイドとしては「無難な」「差しさわりのない」内容の番組しか作らなくなるのは自明の理ではないだろうか?

前述の長谷川豊氏の記事で逗子市の条例による海水浴客激減現象と数年前の草薙の報道、そして昨今のテレビ番組のつまらなさ、それらが根底ではつながっているという意味はおわかりいただけただろうか?

結局「過剰な善意による悪作用」社会を息苦しくし、閉塞状況を作り上げその結果としてテレビ番組の質の低下、というところまで悪影響が及んでいるのである。

誤解を恐れず極端なことをいえばテレビ番組をつまらなくしたのは他ならぬ視聴者自身ー善意や正論に惑わされ包容力をすっかり失った我々自身ーということでもある。

テレビはある意味世相を反映する鏡だからだ。

最近思うのは安価な善意、正論には乗らないことだ。日本人は先進国でもとりわけ情報のリテラシーが低い国民として知られるが、一見善意、正論に見えるものでも安易にシェアしたり拡散しない方がいい。大震災でも情報の正確さを確かめもせずデマが拡散した。拡散人たちの多くは「善意で」情報を流した。だがその「善意」が曲者なのである。

まず過剰な善意、正論を何でもふりかざすのはやめた方がいい。人間なんてそんなキレイなもんじゃないし。不完全な生き物なのだ。そして不完全だからこそいい、という面もある。

今のままでは中世ヨーロッパのような善意、正論の「教義(ドグマ)」が支配する息苦しい社会になり、社会や文化の停滞状況、閉塞状況はいつまでたっても続くであろう。


7月 30, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年7月23日 (水)

チームカラハリーアイドル7x監督7 第二弾「傷女子」より「深夜駆け込み」予告編と映画におけるクラシック音楽について

昨年、チームカラハリの 『アイドル7×7監督』にて橋元優菜さん主演の映画「だから私は眠れない」の音楽をやりましたが今年もその第二弾をやります。

昨年と大きくちがうのは昨年は7人の監督の短編映画を7本立てにしたのに対し、今年は「傷女子」という共通のテーマによるオムニバス映画になっている点です、その中のエピソードの1つ「深夜駆け込み」(竹藤恵一郎監督)の予告編が本日解禁になりました。

「傷女子」 2014年8月30日ー9月12日 

渋谷アップリンクにてレイトショー公開

〈主演キャスト・50音順〉
大蔵 愛 /大山 貴世/佐々木 麻衣/佐藤 ありさ(Links)/関根 みなみ(team monolith)/田口 夏帆/夏目 くるみ

〈監督・50音順〉
天野 邪子/賀川 貴之/小泉 剛/世志男/竹藤 恵一郎/中村 公彦/マッケンジー・荒

尚、蛇足ですが天野邪子監督とタッグを組んでいる大山貴世さんは昨年私が手掛けた映画「暴走 」(DVD発売中)にも出演されています。

この「深夜駆け込み」(竹藤恵一郎監督)ではショパンの「革命」が実質的なテーマ曲となっています。 今回もまた弾きました(汗)

映画の仕事をするとどうしてもクラシックをやらざるを得ない時があります。私はクラシックのピアニストではありませんがここ2年だけで映画のためにショパンを3曲も弾きました。SKIPシテイ短編ノミネート昨「この坂道」ではショパンの「エオリアハープ」そして今回は「革命」です。(よりによってwww) 

ちなみにあと1つはT映さんの教育映画で「子犬のワルツ」を弾いてます

クラシックの人間でない我々が映画のためにクラシックを弾くというのはかなり精神的にかまえるんですね。結構うるさ方がクラシックって多いから

実際ある時「あなたのピアノはイタリア風、フランス風のメソードがメチャクチャだ」などといってきたオバサンがいました。  

はっきりいって私の答えは

知らねえよ!!  そんなこたぁ 映画見ている人にとっちゃどうでもいいことなんだよ!!

といいたいんですがね。

実際以前ある映画でベートーベンの「月光」を使ったときは映画のイメージに合わせて普段より暗く、ゆっくりにあえて弾いた時がありました。映画のイメージに合わせるにはそういうことが場合によっては必要なんです。だから映画の音楽には音楽アカデミズムなんか逆にいらないんですわ。

正直今回の「深夜駆け込み」はショパンの「革命」という超― 難曲 (しかも有名曲!!)なので最初はお先真っ暗になりましたが、

ああ、そうか必要なのは始めの部分と エンデイングだけか。

じゃあそこだけそれらしく弾いちまえばいいか  ← 何たる安直

とタカをくくっていたら監督から「中間部まで弾いて」  といわれ

(> <) おーまい がっ!!  まあ全曲でぶっ続けでないだけいいか (^o^)

というわけで作業を本格化することになります。

ところで昨年の『アイドル7×7監督』では同じ竹藤監督の「だから私は眠れない」の(先ほどま書いたように橋元優菜さん主演)では監督のイメージで「惑星ソラリス」でバッハのコラール曲ープレリュード『イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ』(BWV 639 )をやりました。これはオルガン曲なのでパイプオルガンのソフトシンセで作ったのですが、本編ではそのバッハのコラールをジャズにアレンジしました。(バッハはジャズにアレンジしやすい)

先ほども書きましたように昨年のチームカラハリの 『アイドル7×7監督』は短編映画を7本集めたもののため、いちいちエンドロールが入っていました、私の担当の映画、スタッフも少ないし、キャストも2人だけなのでエンドロールもそんなに長くないだろうとタカをくくって、ジャズのエンデイングのインプロビゼーション、「かなり適当」に弾いてしまいました。

ところが、です

何とそのジャズバージョン映画では最後まで流れてしまっていました。(汗)

それに気づいたのが上映会に来てから 

えっ!?  (@o@)  ア  ゼ  ン...

(監督はそのテーク気に入っていたようですが..)

時すでに遅し、 まあ映画でもドラマでも音楽ってどう使われるかわかりませんから手は抜かないようにしましょう。www

という教訓でした、(笑)

>改めて宣伝

チームカラハリ、 『アイドル7×7監督』のオムニバス映画

「傷女子」 2014年8月30日ー9月12日 

渋谷アップリンクにてレイトショー公開

〈主演キャスト・50音順〉
大蔵 愛 /大山 貴世/佐々木 麻衣/佐藤 ありさ(Links)/関根 みなみ(team monolith)/田口 夏帆/夏目 くるみ

〈監督・50音順〉
天野 邪子/賀川 貴之/小泉 剛/世志男/竹藤 恵一郎/中村 公彦/マッケンジー・荒

渋谷アップリンクwebsite

http://www.uplink.co.jp/


7月 23, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年7月21日 (月)

拙映画音楽作品「この坂道-The Uphill climb」がSkipCity国際Dシネマ祭にて上映いたしました。

かねてからお知らせしていましたが、私が音楽を担当いたしました短編映画「この坂道」(宮本とも子監督)が昨日午後5時半よりSKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて上映されました。

Skipcity

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭はぴあフィルムフェステイバルと並ぶ新人監督の登竜門としての映画祭で国内でも有数の映画祭といっていいでしょう。その国際Dシネマ映画祭の短編部門に「この坂道」がノミネートされました。

「この坂道」以外に上映されたのは「ストロボ」(A.T監督)と「ヨボセヨ」(佐藤草喜 監督)でどちらも予想以上に作品のクオリティが高く、いろいろ言われているけど日本の短編映画のレベルは数年前と比べて格段に上がっているという印象を持ちました。
これ、予想以上に受賞厳しいかもしれないですね(笑)

まあプロで仕事しているデイレクターとかが映画を作っているというパターンが結構あったからかもしれませんが、私はびあフイルムフェス入賞作と今回のSkipCityノミネート作と両方の音楽をやりましたが、あくまで今日見た範囲でいえばはっきり言ってSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の方が作品のレベルが高いといっていいでしょう。もっともびあはもう今から7年前なのでその時とは事情が違うかもしれませんが

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3作品上映後に宮本監督と主演の安保匠(あんぼ たくみ)さんのQ&Aがありました。

本日上映の「この坂道」23日の午前10時にも上映されます。最終日に受賞作決定ー勿論受賞したらうれしいですが会場に来たらそんなことどうでもよくなりました。大事なことは今回のノミネートだけで充分な実績を監督が積み、このSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で女流映画監督として名乗りをあげたこと。そしてこういう実績を積み上げていけば監督の将来は明るいということです。

たぶん今後とも宮本監督の映画に音楽をつけることでしょう。私の仕事が生きるようになるためにも宮本監督の応援をよろしくお願いします


7月 21, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年7月12日 (土)

大野のテーマミュージック作曲"Viva Peru" いよいよ7月13日からMXテレビ(902)よりレギュラーオンエア!!

4月と5月にオンエアしました旅番組、''Viva! Peru!''がいよいよ明日7月13日から毎週午後6時30分 MXテレビ(地デジ9チャンネル)で全12回レギュラーで放送開始いたします。

7月13日(日)より毎週18時30分~45分 MXテレビ第二にてオンエア!!
(地デジの9チャンを回したら、「チャンネル」を押すとMXテレビの092になります。)

http://www.mxtv.co.jp/bangumi/create_html2014.php?date_value=20140713

尚、MXテレビは東京ローカルですが、神奈川県の東半分(厚木市くらい)埼玉の南半分 (桶川市近辺)千葉の西半分(成田市くらい)まで試聴可能です。(メドは高速の圏央 道、北関東自動車道あたりといわれます)

尚、レギュラーオンエアに合わせまして番組のために作った3曲の題名を考えました。 ペルーアンデスの旅の番組ということでタイトルをいずれもスペイン語にしています。

1.メインテーマ曲ー Canción de viaje de Andes (アンデスの旅の歌)
ほぼ毎週流れると思います。n

2.サブテーマ- Vamos a la fiesta (お祭りに行こう)
 番組では現地のお祭りやイベントのカットが多いですので。

3サブテーマ-La puerta de la historia (史跡)
     番組では世界遺産のマチュピチュを始め民芸品の製作や史跡をめぐります

Quena2
ケーナ(写真上)は竹でできていて日本の尺八に近い楽器ですが、リコーダーにも似ています。そのせいか我々日本人が聴いて何か親しみやすいものを感じますね。

私には珍しいフォルクローレ調の曲です、よろしければお聴きください。


7月 12, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年5月 6日 (火)

VIVA! ペルー初回3回オンエア終了してー「偽物」や「似せモノ」が多い時代だからこそ「本物」を大事にしたい

先程、MXテレビで4/29 , 5/5, 5/6 の3日間に午後6時15分よりの番組"Viva ペルー”のオンエアが終了しました。

全7回なのであと4回分残っていますが、そちらのオンエア日程も決定次第お知らせいたします。

おかげさまで予想以上に好評だったようです。15分番組ですが、「短い!」「もっと見たかった」という感想が多く今回の番組の目的でもあった「ペルーへの旅情をかき立てられた」という印象を持った人が多かったとプロデユーサーも喜んでいました。

Quena1

やはり現地の映像もさることながら、今回のテーマ曲で本物のペルーの楽器ケーナの演奏でレコーデイングしたことが結果的には大きかったようです。正直低予算なのでどうしようかとも思ったんですがやはり公共の電波に流れるものだからいい加減なものは作りたくなかったんですね。たぶんソフトシンセでやっだらこうはいかなかったと思います。私には珍しいフォークローレ調の音楽ですが番組の雰囲気に合っていたようでよかったです。全3曲書いたのですが、本日6日のオンエアでは3曲とも入っていました。

やはり「本物」を大事にする心は大切にしたいです。
特に今世の中に「偽物」や「似せモノ」が多い時代だからこそ余計にそういう考え方が大事だと思います。コンテンツに付加価値をつける1つの方法ではないでしょうか。

というわけで残り4回のオンエア日程、決定次第お知らせさせていただきます。

5月 6, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年3月 3日 (月)

オスカー2014年とその感想

つい先ほど、2013年度のオスカー受賞式が終了、受賞者が発表されました。

http://oscar.go.com/nominees

主な受賞者

最優秀作品: 「それでも夜はあける」(原題:12years a Slave)

最優秀監督:  アルフォンゾ・キュアロンゼログラビテイ(原題:gravity)」

主演男優賞:  マシュー・マコノヒーダラス・バイヤーズ・クラブ

主演女優賞:  ケイト・ブランシェットブルージャスミン

助演男優賞:  ジャレット・レトーダラス・バイヤーズ・クラブ

主演女優賞:  ルピタ・ニョオンゴそれでも夜はあける」(原題:12years a Slave)

あと個人的には音楽関係者なので

作曲賞  : ステイーブン・プライス ゼログラビテイ(原題:gravity)」

主題歌賞: Let it Go 雪の女王(原題:Frozen)」

その他の受賞者は上記リンク先をご参照ください

今回は日本勢でジブリの宮崎監督の「風立ちぬ」が長編アニメ部門、短編アニメ部門に森田修平監督の「九十九(海外では"Possession"がノミネートされましたがいずれも惜しくも受賞せず。あと長編ドキュメンタリーに日本人アーチストの篠原夫妻の姿を描いた「キューテー&ボクサー」も惜しくも受賞できませんでした、

しかし残念ではありますが、ひるまず日本人のクリエイテイビテイをどんどん出し続けていただきたいものです。日本という国は「この作品を海外(ハリウッド)に出す」なんていうと「おめえバカじゃねえか?」などという人間が必ずいますが、そんな雑音など無視して大胆に自分の作品を出してほしいものです。大事なことはこういうことを続けることであって、そうすることによって大きな夢につなげることができます。

あと全般的な感想として、作品賞は「それでも夜はあける」(原題:12years a Slave)個人的にはすごくよかったと思いますが「ゼログラビテイ(原題:gravity)」と事実上「痛み分け」という感じでしょうか。このオスカーは純粋に得票数で決まりますが、票の流れが業界関係者の思惑に直接結びつくところがあります、
主演女優賞にケイトブランシエツトはよかったですね、何度目の正直でしょうか。それにしても相変わらずウディアレンはハリウッドに来ない(笑)。あと監督賞の発表の時に今年御年87歳のシドニーポワテイエが出たときは少し感動しましたね。

さて毎年このオスカーに関して書いていますが、そろそろ具体的に世界に出るようなプロジェクトに参加したいものです。いくつか話はありますけどね。まあとにかく大事なことは「やり続ける」ことじゃないでしょうかね。道のりは遠いですが夢は持ち続けましょう。今の日本は「夢を持つ」ということを「大人げない」「現実的でない」などといって寧ろ蔑む傾向すらあるように思います。そういう風潮が今の日本という国を閉塞させていると思いますので。エンタテインメントに関わっている我々こそがそれを打破する、少なくとも打破しようと試み続けることが重要じゃないでしょうか


3月 3, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年2月23日 (日)

当事者気取りで『大声で」批判する表現の自由をなくす害虫たち

面白くなおかつ大いに共感する記事があったので紹介させていただく。 まさにネットだけでなく昨今の日本の風潮を見事なまでに言い当てている、

■当事者でもないのに当事者気取りで批判するダメな人の例 http://kasakoblog.exblog.jp/21711771/

こんなこと書いたら、障害者の人が不快に思うはず。削除しろ!」 「こんなこと書いたら、福島の人がかわいそうだ。取り下げろ!
」 ごくたま~にだけど、こんなレスポンスをいただくこともある。 でもそれを見る度に笑ってしまう。

おまえ、誰だよ。 例えば「こんなこと書いたら、福島の人がかわいそうだ」。 で、あんたは福島の人なのかと聞くと、そうではないという。
福島の人に聞いたのかというと聞いていないという。
じゃあ、福島の人がどう思うかわからないじゃないか
自分が気に食わないからといって、 自分とは関係のない「誰か」をだしにして批判するのはおかしい

<中略>
ところが人の意見が気に食わない人は、 ある特定の人の意見だけを一般化して批判する。
「みんな不快に思っている」「一般的に好ましくない」など。
みんなって誰だよ? っていうかみんなに聞いたのかよ。
あんたが聞いたのは、1人か2人ぐらいじゃないのか。
だったらみんなが不快だと思っているんじゃなく、 その2人が不快に思っているだけに過ぎない。
「みんな」とか「一般的に」という言葉を使うのはおかしい。

そうそうよくいる。
自分が気に食わないだけなのに世間のほぼ全員が気に食わないなどと思い込んでいるおバカさん

ネットにはこんな人間がうじゃうじゃいる。

自分が不快だと思っているだけなのに、 声高に叫んで一般化するクレーマーの事例としては、CM中止なんかもそうだろう。

昨年には食用きのこメーカー「ホクト」の「セクシーきのこCM」が、 「不快」「子供には見せられない」などの苦情で打ち切られたが、 「おもしろかったのに」「残念」という意見もあったという。

自分が気に食わないなら見なけりゃいい。 子供に見せなきゃいい。 っていうかさ、テレビなんて不快なものだらけで、 不快なものだからこそテレビがおもしろい側面があるわけで、 CMが不快で子供に見せられないとかいうなら、 そもそもテレビなんてくだらないもん、子供に見せるなよと思う。

何か意見を発表すれば、それを気に食わないと思う人もいるし、 それがいいと思う人もいる。
例えば100人見た人の中で、10人がいいと思い、90人が不快だと思うかもしれないし、 50人がいいと思い、50人が不快だと思うかもしれないが、 100人全員が素晴らしいと思うものなんてまずない。
どんなに素晴らしいものであったとしても、 そこに文句つけて批判する人は必ずいる。 万人に受けるものなどあるわけがない。
というかそんなものがある方が気持ち悪い。

自分が気に食わないことを理由に、さもみんなが気に食わないと装う、モンスタークレーマーの意見なんか聞いていたら、何もできなくなる。
そもそも世に発表してみなければ、どんな反応がかえってくるかもわからない。 法律に違反したり、事実と異なることだったり、単なる誹謗中傷だったり、 社会に実害を及ぼすようなことをしない限り、 自分がおもしろいと思うものは投稿すればいい。

それに対しておもしろいと思う人もいれば、不快だと思う人もいる。 ただそれだけの話だ。 気に食わないのなら「自分は気に食わない」と言えばいいだけの話。

それを「みんながそういっている」みたいな一般化したり、 極端な事例を上げて反論したり、 当事者でもないのに、当事者はこう思うはずだという批判は意味がない。
そういう無意味な批判をしないこと。 またこうした害悪なクレーマーに惑わされて、 批判を恐れて、本心を隠して無難なことをしようなんて思わない方がいい。

万人に受ける意見なんかないんだから。
「みんなもそう思っている」とか、 「○○な人は不快に思っているはず」といった、 当事者気取りのモンスタークレーマーにならないよう気を付けたい

ご存じの通り当ブログでは以下の記事を書いているが

■放送禁止のCMに見る日本の「表現の自由」の危機と日本社会を閉塞させている病原菌たち

https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2013/03/cm-b0f6.html

■ドラマ「明日ママがいない」その他CMの状況に見る、安部政権の表現の自由項改悪とは別のもう1つの危機

http:/kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/01/cm-af54.htmll;

私はこの方の意見内容を全面的に支持する。

100人が見て100人が気に入る表現など存在しない。音楽でもそうだがどんな世界的な名曲といわれる音楽でも必ず気に食わないという人は存在する。

問題は自分が気に食わない=世間全員が気に食わないなどと勘違いするおバカさん、そういう奴が偽善的な主張で表現の自由を侵すクレーマーという害虫になっていること

そしてその害虫の訳の分からない主張にいとも簡単に屈し、無難に丸く収めよう=事なかれ主義に走る企業にも問題がある。

中川淳一郎さんは「ネットでは正義ではなく声の高い人間が勝つ」といったがテレビやその他のクレーマーもそれと同じ。

現代社会にとっては百害あって一利ない連中である。

そろそろそういう人間のいうことを無視し、発言力を下げることを考えないといけない。目前には安部政権が憲法で表現の自由を制限させようという動きを加速している。愚かなクレーマーなどにかまっている暇などないはずだ

2月 23, 2014 映画・テレビ | | コメント (0)

2014年1月29日 (水)

ドラマ「明日ママがいない」その他CMの状況に見る、安部政権の表現の自由項改悪とは別のもう1つの危機

既にメデイア等でかまびすしいほど報じられている日本テレビのドラマ「明日、ママがいない」にまつわる放送禁止要求の声、及びスポンサーのCM「自粛」の動き

まず私はこのドラマを見ていなかったので、見ないで論じるのは良くないと思い、たまたま娘がこのドラマをよく見ていたので録画したもの、そして本日の放送も見てみた。但し本日は業務の制作の仕事の関係者打ち上げに出席したため、途中から見る形になった。

実質2回分も見ていないので必ずしもこのドラマの全てを把握したわけではないが、私が見た範囲ではおそらく三上博史演じる施設「コガモの家」の施設長、佐々木友則の子供達に対する乱暴な態度や施設の劣悪な環境を見て、「子供の施設って全てこんな感じだ」と受け止めた視聴者がいたため、その関係で実際の子供や孤児の施設がこのイメージ固定化を恐れ声を揚げているのだろうと推察する。

まあ気持ちはわからなくはない。しかしもしそうだとしたらそのように感じる視聴者がいかにメデイアリテラシーが低いかということの証明でもある。

日本のドラマには「このドラマはフィクションです」とわざわざ断りも入れているし、ドラマのプロデユーサーも「コガモの家」は世の中の施設を代表するものではない、とわざわざ会見で述べている。にも関わらずこのドラマに対するヒステリックともいえる世間の反応は一体何なんだろうか。

そもそも「明日、ママがいない」に出てくる「コガモの家」はたまたまドラマのストーリー設定上たまたまああいう酷い施設として描かれているに過ぎない。あの「コガモの家」を見て世の中の児童養護施設の全てがあれと同じなどとは少なくとも私は思わないし、あのドラマというフィクションを見てその内容を全て鵜呑みにして児童養護施設は全て「コガモの家」と同じともし本気で受け取った人がいたとしたら私はその人間の知的水準をはっきりいって疑わざるを得ない。

寧ろこのドラマは児童虐待、や親に棄てられた子供達の現実を描いたドラマとして大いに評価すべきであり、勿論全てが現実通りではないにせよ、そういう子供達の現実に光をあてる、児童虐待や親から無理矢理施設に預けられた子供達の悲しみ、心の葛藤を描くという今までにない画期的なドラマである。芦田愛菜の演技力も光る。

こうした世間の反応にドラマのスポンサーを簡単に降りる企業もいかがなものかと思う。
■日本テレビ:3社がCM見合わせ…児童施設舞台ドラマ2話
http://mainichi.jp/select/news/20140123k0000e040221000c.htm

実はこういう例は「明日、ママがいない」だけではない。

■<キリン>チューハイ「カエルCM」中止 未成年飲酒誘発?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140124-00000002-mai-bus_all

 キリンビールは23日、カエルのキャラクターが登場する缶チューハイのテレビCMを中止することを明らかにした。外部から「キャラクターを使った表現方法が未成年者の関心を誘い、飲酒を誘発しかねない」との指摘を受けたため。

 放送を中止するのは、17日に開始した缶チューハイ「本搾り」のCM。スーツ姿のカエルのキャラクターと俳優の大沢たかおさんの掛け合いで商品をPRする内容で、当初は26日まで放送し、その後、続編も計画していた。

 20日にアルコール問題を扱う団体から指摘を受け、25日から中止する。カエルの声優を当てる31日までのキャンペーンも、予定を繰り上げて24日に終了する。

 

キリンは「指摘を真摯(しんし)に受け止めた。CMに関する社内基準を厳しくして再発防止に努める」と説明している。

■全日空:差別批判でCM取りやめ 金髪に高い鼻
http://mainichi.jp/select/news/20140121k0000m040144000c.html

 全日本空輸が、羽田空港の国際線増便をアピールするテレビCMで、外国人の容姿を差別的に表現しているとの苦情を受け、放送を取りやめたことが20日、分かった。全日空は近く内容を差し替え、あらためて放送するとしている。

 CMは18日から放送された。日本人タレントが金髪のかつらをかぶり、鼻を高くした変装で会話するシーンがあった。

全日空は「差別的な意図はないが、寄せられた意見を参考に新しいCMの内容を検討する」(広報部)と説明している。

これらに共通するのは次の二点である

1.必ずしも世間では多数派ではない、声高きマイノリテイのクレーム(一部はナンセンスクレームといっていい)による表現の自由の破壊

2.そういう声高きマイノリテイに「問題を起さない=事なかれ主義」体質によっていとも簡単に屈してしまう企業

以前こういう記事を書いたが

■放送禁止のCMに見る日本の「表現の自由」の危機と日本社会を閉塞させている病原菌たち

https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2013/03/cm-b0f6.html

そもそもインパクトのある表現を出そうと思ったら、ある程度難くせをつけられるリスクを負うだけの覚悟が必要である。そしてインパクトのないCMなど広告効果など出るはずもない。そんなことは広告に携わる人間なら常識だ。にも関わらず本当にいとも簡単に腰砕けになってしまっているこの現状.. まさに「事なかれ主義」「臭いものには蓋をする」という今の日本社会の体質を見ることができる

どうも状況はこの時より悪くなっているようだ。特にテレビ番組に関してはこういう視聴者の動きも最近のテレビ番組をつまらなくしている原因にもなっているような気がする。こういう社会問題をえぐるようなドラマに対して毎回このような「自粛」を強いられるような事態になればもう誰もこういう社会になかなか日の当たらない問題について目を向けることがなくなってしまう。私はそのことを強く危惧する。

社会の現実を描くことにこうも拒絶反応を示す人間が増えれば、このままでは結局「差し障りのない」コンテンツばかりを作るしかなくなってしまう

やはり今の日本、根本的なところがおかしくなっているといわざるを得ない。これは安部政権が現在画策する憲法21条の改悪「表現の自由」条項の改悪とは別の意味でこれは表現の自由の危機である。と同時にこのようなことが続けば日本のコンテンツの質の低下に拍車をかけることになる。

ちなみにハリウッドでこういう例がある。アフリカ系アメリカ人俳優ウェズリー・スナイプスが映画「パッセンジャー57」の撮影時に黒人だというだけで「犯罪者ではないか」と警戒する白人警官が出てくるシーンの撮影で「差別を助長するのではないか?」と危惧するプロデユーサーに対し、スナイプスは逆に「いや、それを描くべきだ、なぜならそれが現実なのだから..」と主張し脚本通りに撮影されたというエピソードがある。日本ならまさにこの「明日、ママがいない」と同じくらいの騒ぎになる可能性があるケースだが、アメリカと日本の「事実を描く」ということに対するスタンスの違いが明確になっているような気がする。この面で考えるとまだハリウッドの方が健全に機能している。

このままでは安部の憲法21条改悪などするまでもなく、日本の表現の自由は既に深刻なほど危機的な状態である、といわざるを得ない。


1月 29, 2014 映画・テレビ | | コメント (1)

2013年8月 3日 (土)

大野音楽担当の映画「暴走」DVD 発売のお知らせ

私が音楽を担当して先々月渋谷アップリンクにてイベント上映会がありました映画「暴走」(東條政利監督)のDVD発売日が決定しましたのでお知らせいたします。

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この映画につきまして詳しくはまだ述べていませんでした。この映画は他と違い以下のような特徴があります。

(1) いじめをテーマとしており、いじめのシーンが「ミュージカル」になっています。 (歌:アイドルグループのスマイル学園
(2) 一応主演らしき人はいますが実は被害者以外に「いい人」はいません(笑)
(3) ミュージカル以外、劇伴部分の音楽がちょっと変わった使い方になっています。

今まで映画祭やイベント公開はありましたが、今のところ好評だと伺っております。

10月25日発売

規格番号:JBMD-0195
JAN:4515778508611
発売元:Tract
販売元:グラッソ

キャスト
鳴海 剛、大山貴世、 伊㟢充則、橋元優菜、椿鮒子
、スマイル学園、桑垣紀彦、黒川達志

スタッフ
脚本、監督 :東條政利 
撮影・清村俊幸 
照明・石川欣男 
録音・中村雅光 
音楽・大野恭史

あと先着100名の方に以下のリンクから購入するとポストカードがもらえるそうです。

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http://www.going-inc.jp/bousou/order.html

8月 3, 2013 映画・テレビ | | コメント (3)

2013年7月25日 (木)

チームカラハリ 『アイドル7×7監督』DVD 8月27日に発売!!

今年の初め渋谷アップリンクにて公開しました「7監督×7アイドル」のDVDが8月27日に発売されます。私は竹藤監督の「だから私は眠れない」の音楽を担当しています。他の作品も結構面白いのばかりですので興味ある方は是非ご覧ください

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¥3000

1.『それにしてもミクのやつ』主演・石原 美優 × 監督・太田 博
2.『EVIL/NOBLE』主演・工藤 耶 × 監督・天野 邪子
3.『ふたりあそび』主演・黒澤ゆりか × 監督・渡邊 世紀
4.『だから私は眠れない』主演・橋元 優菜 × 監督・竹藤恵一郎
                                           (大野音楽担当作品)
5. 『じんたいせいぞう』主演・疋田 紗也 × 監督・マッケンジー・荒
6.『空蝉(うつせみ)』主演・森江 朋美 × 監督・世 志 男
7.『全く捨てられない女』主演・太田 千晶 × 監督・賀川 貴之

(「キネマ旬報社」データベースより)

映像集団チーム・カラハリを中心にした7人の監督が旬のアイドル&タレント7人を主役に競作した短編映画第1弾。石原美優主演の『それにしてもミ クのやつ』ほか、工藤亜耶、黒澤ゆりか、橋本優菜、疋田紗也、森江朋美、太田千晶が主演した全7作品を収録。

内容(「Oricon」データベースより)

その可能性は49にも100にもなり、はたまた0にもマイナスにもなる?!映像集団チーム・カラハリを中心に7人の監督が旬のアイドル・タレント7人を主役に起用して描く短編映画の第1巻

8月27日 に発売です。現在予約可能!!

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7月 25, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年7月11日 (木)

映画音楽制作とスタジオ

現在映画祭出品を念頭に置いたある短編映画の音楽をやっています。

基本構想はだいたいできあがっていますが最後にあるクラシック曲のピアノを入れるんですが、その生ピアノのレコーデイングをしようかという話があります。しかし低予算なので然るべきスタジオできちんと録る予算などなくどうしようかという話になっています。
実は以前なら安い価格で生ピアノをレコーデイングできるスタジオがいくつかあったのですが、時代の流れなのかことごとく閉鎖されており、一定の予算を用意しないと生ピアノの音のレコーデイングは難しいかもしれません。まあどうにか知恵を絞って対策を考えますが..監督がどうしても、というのならやはりその予算を考えてもらうしかありません。

たまたま昨日地上波でジブリの「風立ちぬ」の音楽の録音模様が放送されたのをひょんなきっかけで見ましたが大ホール借り切って読饗のオケとピアノのレコーデイング。これだけ音楽にお金かけてくれるのは今やジブリとNHKくらいでしょうね。ハリウッド映画ならともかく日本の市場規模では普通の日本映画ではここまでの音楽制作の予算は残念ながらとうてい出ません。たまにはあのくらいのオケ(僕の知っている範囲では読饗はたぶん日本で一番うまいオーケストラだと思います)で自分の曲をレコーデイングしたいものですが、まあそれには世界市場に出るべく画策するしかありません。今いろいろ動いているのはそのためでもあります

まあ普通は「生オーケストラっぽく作ってね」といわれてもモノホンのオケなんか使える予算など出ないので (実は数人のミュージシャンを雇うほどの予算もないことが多い)結局ソフトシンセで殆どの作業をやらざるを得なくなります。まあViennaKontakt playerというソフトシンセがあるからある程度生音風にはできますが、そうはいってもソフトシンセは所詮フェイクの域を出ない音源です。.

むかし久石さんのスタジオが六本木、今の六本木ヒルズの場所にあったころよく私はそのスタジオで自分の曲のレコーデイングしていました。私の知っている範囲ではジブリの草創期では久石さんは生オケを使わずに、愛用のフェアライトCMI (といっても殆どの人がもう知らないでしょう? 昔のサンプリングマシンの最高級機で今のPro toolsのようなことができるサンプリングシンセコンピューター)で作っていたと思います、私がレコーデイングしている隣の部屋で一人黙々と作業をしていたのを思い出します。たぶん「トトロ」くらいまではそうしてやっていたんじゃないかと思いますが、実際はどうだったんでしょうか?

ちなみに「風立ちぬ」は大ホールで録っていましたがよく考えれば早稲田にあるAvacoスタジオビクター302 401(通称サザンスタジオ)を一日ロックアウトで抑えるよりは大ホールの方が安上がりだと思います。その代りPro toolsやレコーデイング卓を持ち込まないといけないですが、たぶんそのコストを入れても安いでしょうね。..スタジオがつぶれる要素はここにもあります。

映画音楽の制作 楽なものは1つもありません。数えきれないほどの映画音楽を手掛けた久石さんも同じことをいっていましたし、何度も疲れ果ててボロボロな状態になっている久石さんをスタジオで見ました。まあ私なんか楽してる方かもしれませんが、 いやボロボロになるのはこれからかもしれません。(@_@;)

まあとにかくよい映画を作るためには音楽の予算ももう少し考えていただけると助かりますが... まずは今目の前にある仕事を片付けます。

7月 11, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年5月18日 (土)

「あまちゃん」のkyon2の歌に見るパロテイとパクリの違い

朝の連ドラというのは大河ドラマと違ってあまり見ないんですが、「あまちゃん」は好評ということもありますし、母親役のkyon2が歌うという話を聞いていまして本日見てみました。

そして聴きました。 腹抱えて笑いました。

昭和のアイドルのうたを「パクリ」とわかる感じでパクっていて、しかも振りつけも付いていて余計おかしかったですね。はっきりわかる形でパクッていますので昭和の歌謡を知っている人なら腹抱えて笑えます。

ちょっと気づいただけで5-6人のアーチストの曲の歌詞をパクッていますが、twitter等で全曲を発見、羅列している人がいるそうなので詳しくはそちらをご覧ください

思うにこれは日本の音楽シーンに対する風刺で痛快です。明らかに音楽業界の体質をちゃかしていますね。いやークドカンこと宮藤官九郎、なかなかやります。

朝っぱらから大笑いさせてもらいました。(笑)

実はパロデイーというものと、音楽業界が良くやる「パクリ」は全く違います、どちらも確信犯的な引用ではありますが両者には根本的な違いがあります。

どう違うかですが、一言でいえばパロデイーはクリエイテイブな行為ですが「パクリ」は他人の創造性の「おいしいところ」を盗む限りなく盗作に近い行為なのです。
前者のパロデイーは多くの場合風刺が入っていますし「知的な笑い」を意図したものです。

例えばマルセルデユシャンレデイメードのアートを始めマッドアマノ氏といいそこには明確にクリエイテイブな意図があります。
しかし後者の「パクリ」にはそれがありません。単に「売れセン」の曲を作るために業界の勝手な屁理屈で盗作を正当化した手法に過ぎません。

今日クドカンこと宮藤官九郎「あまちゃん」kyon2に歌わせたのは完全なるパロデイーです。

日本という国はどちらかというとあまりパロデイーというものを評価する風土がないようですが、アメリカでは正統派の笑いの一手法として確立しています。SNLなどを見ればわかりますがパロデイーオンパレードです。

クドカンはその辺りをきちんと理解した上での今回の大パロデイ歌詞を作っていると思いますね。 いやーなかなか見事でした」。

それにしても日本はパロデイーを評価しないくせに、クリエーターとしてのプライドのかけらもない厚顔無恥な「パクリ」は平気な顔して作ります。何か「創造性」ークリエイテイビテイというものを根本的に勘違いしているように感じるのは私だけでしょうか?

5月 18, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年5月 5日 (日)

大野の昔のコラボレーション作品公開

you tube見てたら何と大昔の自分の作品を見つけてしまいました。1991年にLDとVHSでビクターより発売された「マインドコントロールビデオシリーズ」です。

手塚君とのコラボレーション作品。もう廃盤になったのでフル公開くても差し支えないでしよう.

マインドコントロールビデオシリーズ 快感 SALOME

演出:手塚眞。音楽:大野恭史

ちなみにこの映像の音楽は当時としては最先端のRolandのRSS立体音響システムを導入しています。

マインドコントロールビデオシリーズ 幻想 OPHELIA

まあ、正直いいまして今久々に聞くと本当に穴が会ったら入りたいほど稚拙で恥ずかしい、と自分で反省しています。廃盤になるべくしてなった気もしますね。
それでもよろしければご覧になって下さい。私もこのまま引出しにしまってしまうのも何となくもったいないので...

5月 5, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年4月 5日 (金)

映画「暴走」試写会

昨年の10月から先々月でやっと完成した映画「暴走」(東條政利監督)の試写会が行われました。
会場は映画のロケ地にもなった代々木の学校で、屋上のプラネタリウムで試写会が行われました。今回は「いじめ」がテーマの映画ということもありロケの場所を貸して下さった学校関係者にも見てほしい、というのがあったようです。

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前の壁面にプロジェクターで試写しました。

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スタッフやキャストも大半の方が参加しました。
ブラネタリウムで試写会って初めてかもしれません 。空間が丸いので音が回らないか心配なので音とかどうかなと音楽担当者としては思いましたがまあそこそこ見れました。

MAに立ち会った録音の担当者が音楽の位置が大幅に変わったと聞いて戦々恐々としてたが思ったほど変わっていませんでした。MA当日はスタジオでスタンバっていたのでMA室の状況はわからなかったのですが、個人的には「ミュージカル」の部分は音楽のバランスがやや低く、逆に劇の本篇部分の音楽は寧ろ大きい印象があったのですが、どうなんでしょうね?

まああとはより多くの方に見ていただいて皆さんがどう評価するかだと思います。もう私の手を離れましたので、次の仕事に照準を合わせようと思っております。

映画「暴走」(東條政利監督)

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キャスト

鳴海 剛、大山貴世、 伊㟢充則、橋元優菜、椿鮒子、スマイル学園
桑垣紀彦、黒川達志

スタッフ

脚本、監督 :東條政利 
撮影・清村俊幸 
照明・石川欣男 
録音・中村雅光 
音楽・大野恭史

日時 : 5月27日(月)、28日(火)の二日間の上映会です  18:30ー 20:30ー

劇場は  渋谷アップリンク

http://www.uplink.co.jp/info/map/

料金は ¥1500(1ドリンク付き)

チケット予約その他詳しくは

http://www.going-inc.jp/bousou/

「記念上映会」と申しましたのは在映画祭に出品している関係上、劇場公開という形はとれませんので(映画祭出品の条件は「未公開作品」ですので)あくまで、イベント的な「記念上映会」です、上映会場もアップリンクの二階の映画劇場ではなく一階のアップリンクファクトリーです。

DVDは9月発売だそうです。

よろしくお願いします

DVD発売決定いたしました。10月25日発売決定

4月 5, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年3月26日 (火)

放送禁止のCMに見る日本の「表現の自由」の危機と日本社会を閉塞させている病原菌たち

まず以下のページを見ていただきたい

あのCMが放送禁止(中止)になった理由【日本編】
http://matome.naver.jp/odai/2131122988517786801

これは日本のCMで放送禁止になったものである。中には確かに安易なものや、マークをつけられても仕方のないものもあるが明らかに「ナンセンスクレーム」のものも多い。

たとえばこのCM からだ巡茶 「浄化計画、実行」 広末涼子

禁止理由『浄化』というキャッチコピーが薬事法に抵触すると指摘される
ナンセンスクレームの典型である。そもそも「からだ巡茶」(現在は販売されていないようである)なる商品は「清涼飲料水」であり、薬事法の末端に関係する「医薬部外品」ですらない。つまりハナから薬事法の対象外商品である。「浄化」を薬事法における「効能」というのなら「体にいい野菜ジュース」なども薬事法の「効能」になり抵触することになる。が「野菜が体にいい」というのが薬事法に引っかかるなどと普通は誰も思わないはずである。だから「薬事法に抵触」などというクレームなど全くとってつけたクレームであり、いかにもクレーマーが「なんくせ」をつけた例の典型である。

CM AC公共広告機構 チャイルドマザー

禁止理由育児をしている親から、見ることがつらいとの声
確かに「見ることはつらい」という気持ちもわからないではないが、こういう事件は頻繁に起きており、“チャイルドマザー”が原因で子供を放置して死なせたり、虐待がふえてるのも紛れもない現実である。「見ることがつらい」から放映禁止を要求するのは「現実から目を背ける」行為であり、現代が抱える深刻な問題に正面から取り組もうという姿勢を拒否しているのと同じ行為ーまさしく「臭いものに蓋をする」という行為ーである。このような姿勢は問題解決を遅らせるだけでなく、病巣をさらに深刻にしてしまう。

あるいは「見ることはつらい」ので放送禁止を要求する人たちはこのような“チャイルドマザー”の行動に身に覚えがある人たちなのだろうか? そう考えたくもなる。まともな「大人の親」ならこういうネグレクトや虐待をなくすための対策を考えようと思う方がまともな人間の行為のように思える。いずれにせよ問題から目を背ける、「臭いものに蓋をする」という昨今の日本社会の風潮そのものでありそれはこのAC(公共広告機構)のCMの放送禁止の理由としての正当性は認められない。

まだまだある

沢尻エリカ CM たかの友梨ビューティクリニック 「悪女」篇

禁止理由「エロ過ぎる」とクレームが入る
はっきりいうが私はタレントとしても人間としても沢尻エリカは大嫌いである。だがそれはおいといても、この手のクレームは典型的なナンセンスクレームといわざるを得ない。そもそも「エロ過ぎる」というのは単なる主観の問題であり、いわゆる芸術表現において「わいせつ」かどうか、という不毛な議論にしかならない。そもそもそんな薄っぺらな主観、個人の価値観でしか「表現のエロチズム」を語れない人間を相手にする方がおかしいし、またそういうクレームにおじけずくのはかえってクレーマーの恰好のターゲットになりうる。

まだまだたくさんあるがキリがないのでこの辺にしておくがこれらの状況を見てもひとことでいって現代の「表現の自由」は非常に危機的な状況である。 勿論「憲法」では(少なくともいまのところはーただし憲法改正に意欲を見せている安部がそれを変えてしまう危険性は高いー少なくとも自民党の憲法改正草案を見る限りその危険性はかなり高いし、ドサクサに紛れてそこの部分を変える可能性は十分にある..)「表現の自由」一応表面上は保障されている。だが実社会ではすでに実質的に「表現の自由」は殆ど機能していない。

CMというのは元々「インパクト」を与えるものでないと「商品」を理解してもらえないし覚えてもらえない。これは広告制作の世界では全くの常識である。だからある程度「強烈な印象」を持つ表現になるのは仕方がないことである。「強烈な印象」の表現は一方では「なんくせ」をつけようと思えばいくらでもつけられる表現でもある。
「差しさわりのない」表現のCMなんて宣伝効果など出るはずもないし、宣伝機能自体が不全に陥る。そしてこのようなクレームによるCM放送禁止は公共の電波における宣伝機能を事実上機能不全に陥らせるし、「表現の自由」を事実上排除するものである。

その「表現の自由」を危機的な状況に追いやっているのは大きく分けて世の中に二種類の人間が存在しているためである。あえていわせてもらうがこの二種類の人種は日本社会を閉塞させている病原菌である。

1.ヒマ人クレーマー

私も経験があるが今世の中には本当にヒマ人が多い。勿論ネットにもそういう連中が多く「荒らし」や迷惑行為を繰り返すが、CMやテレビ番組その他においても「なんくせ」をつけられるものを探し、テレビ局その他に「クレーム」の電話を入れあたかも自分が「社会を代表する正義の味方」などという大勘違いをする輩がいる。それでCMやその他が放映禁止になれば「自分が社会に影響を与えた(あるいは「社会にいいことをした。などという大大勘違い」)で自己満足に陥る輩。経験上ネット等は若者からいわゆる「ロスジェネ世代」テレビやメーカー等にクレームをつけるのは団塊世代周辺の年配者(60-70代)が多いという。

いわゆる本当に「ヒマ」な連中だ。こういう連中が世の中に極めて悪い影響を与えている。

2. 「ことなかれ主義」大企業経営者と広告宣伝担当者及び宣伝マン

少なくとも公共の電波でOAすると決断した以上はその表現に対して一定の「リスク」と責任を負うべきである。そして世の中にヒマ人クレーマーが多いというのは電波にかかわっている人間からすれば通常は織り込み済みのはずである。

ところが「クレーム」(たとえば250件のクレームは一見多いように見えるがマスを相手に送信する情報ー特に関東や関西など潜在視聴者が多い地域ではパーセンテージから考えればたいした数ではない)が出るといとも簡単に腰砕けになってしまう。

これは現代の大企業の経営者が社員に対して「いかなる失敗も容認しない」企業風土を作ってしまったからによる。「成果は出せ」だけど「失敗は絶対にするな」
という時には両立不可能な命令を至上命令として出しているために、わずかなクレームで中止にしてしまうのだ。これは結局は経営者の「保身」の意識からくる

この両者が日本という国を著しく閉塞させている。このCMの放送禁止の例などはその大きな一例である。

こういう面を見ると今の日本という国が本当にダメな国になってしまっていると考えざるを得ないのだ。

 

 

3月 26, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年2月28日 (木)

日本人中心に世界に向けて映画や音楽を創る

昨日とある映画の集まりに参加した。いわゆる会費制の交流会ではなく、食べ物や飲み物を持ち寄って集まる緩いパーテイーだったのだが、その集まりは日本の映画を世界に打ち出して行こうという趣旨の団体(会社)なので興味があって行った。いわゆる交流会、というものによく出席している私だが、非常に有意義な時間だった。

本気で海外を目指しているのが伝わってきたし、何よりもメンバーの大半がバイリンガルな点がいい。やはり世界に出るつもりなら最低限英語くらいは話せないとね。きゃりーぱみゅぱみゅのように通訳に頼っているようじゃダメだ。

いわゆるその辺りのネットのITギーグのようにやたらに情報化社会を礼賛するような論調を取るつもりはない。(というか、私はこの手の連中がはっきりいって嫌いだ。特にエヴァンジェリストなどという連中は私にいわせれば詐欺まがいの連中に思える)、しかし今は音楽も映像も国境など関係なく広まるというのは事実だ、

日本の音楽産業も映画産業も今まで日本の市場だけ見ていた。今でも基本的にはそうである。なまじっかそれでそこそこやっていけた、という面が日本の音楽、映像その他のコンテンツ制作のマーケットをドメステイックオンリーの体質にしてきた。しかしネットで世界中につながっている現代ではいい加減日本の音楽も映画もそういった考え方を卒業しないといけないと思う。

先日のアカデミー賞の記事でもわかるように」今年のオスカーでは台湾のアン・リーが監督賞を取った。その意味では日本人は台湾に先を越されてしまった。遅れを取らない意味でも挑戦しようという人間が昨日の集まりの中から出てきてほしいと願うばかりである。

昨日お会いした方の大半とは今後もFacebookでつながていくと思うので、とにかく何か具体的なプロジェクトを立ち上げてみんなで世界を目指しましたいと思う。

今の日本は「夢を語る」とか「夢に向かって行動する」ことを「非現実的」とか「幼い、大人げない」とか決めつけられる風潮があるようにに思う。でもそんな連中には言わせておけばいい。だいたいそういう輩は自分では何もやりとげようとしない連中だ。とにかく誰かがこういうことを積極的にしないと日本の音楽も映画も、しいては日本社会そのものも良くならないと思う。

余談だが昨日の交流会でなんと昔某バンドのボーカリストをやっていて今は映像デイレクターに転身している人間に〇十年ぶりに会った。向こうはすぐに私だとわかったが私はいわれるまで誰だがわからなかった。奇遇なことがあるものだ。

2月 28, 2013 映画・テレビ | | コメント (1)

2013年2月25日 (月)

第八十五回アカデミー賞(オスカー)感想

今年も恒例の第八十五回アカデミー賞がロサンジェレスのドルビーシアター(旧コダックシアター)にて行われました

主要部門受賞者は以下の通り

最優秀作品       ARGO

最優秀主演俳優   ダニエル・デイ・ルイス (リンカーン)

最優秀主演女優  ジェニファーローレンス (邦題:世界にひとつのプレイブック)

最優秀監督     アン リー(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日) 

最優秀外国作品  Amour (邦題:「愛する人」)

最優秀脚本    クエインテイン・タランテイーノ (ジャンゴ)

最優秀助演俳優 クリストフ・ヴォルツ (ジャンゴ) 

最優秀助演女優  アン・ハザウエイ (レ・ミゼラブル)

他部門の受賞者その他詳しくは

 http://oscar.go.com/nominees

全体的にはアルゴライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日の2つで賞を分け合った感じで最多部門ノミネートのスピルバーグのリンカーン主演男優賞美術賞の受賞のみにとどまった感じです。

今回の司会は「テッド」の脚本・監督・製作・声の出演までやった、セス・マクファーレン、アニメ―ーもやる多才な人物ですが、オープニングでは(未来からやってきた「あの人」-スタートレックのあの船長です(笑))が飛び入り参加してパフォーマンスをする等、まあいろいろと趣向もこらしました。コメデイアンもやる多才な人物ですね。「テッド2も制作開始らしいですから、この多才な人物の今後の活躍に期待しましょう

あと主演女優賞は史上最年少(Quvenzhané Wallis 9歳 邦題:ハッシュドパピー)と史上最高齢(Emmanuelle Riva 86歳Amour)の受賞者が誕生する可能性があったんですがいずれも実現しませんでしたね。

あとアンハザウエイは丸坊主にした甲斐がありましたね。映画の役作りとはいえ実際に女性が髪を切るのは相当な決断だったはずです。彼女はニューヨーク出身なので個人的には受賞はうれしいです。

その他個人的に関心があった賞で

最優秀衣装デザイン   ジャックリーヌ・デユラン (アンナカレーニナ)

日本の誇るクリエーター 故石岡瑛子さんがノミネートされていましたが、残念。この衣装デザインは石岡さんの遺作になります。

最優秀音楽  マイケル・ダナ(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日) 

最優秀主題歌  デル (ドキンス) *注 (スカイフィール)

*注の受賞ではアーチスト名 アデルではなくアデル・アドキンスと本名で出ていました

一応音楽の世界の人間なのと一応映画音楽の分野に手を染めているので、この2つは押さえておかないといけません。マイケル・ダナについては私もよくわかりません。あとは映画で見てみます。

これ以外に

最優秀録音賞  アンデイ・ネルソン他(レミゼラブル)

最優秀音響編集  ポール・オットーソン   (ゼロ ダーク サーテイー)

      パー・ハルバーグ   (スカイフィール)

音響編集は二作品が同時受賞です。

録音賞ですが個人的に興味がありますのはレ ミゼラブルが録音賞 あのミュージカルは撮影現場でライブでオーケストラ録音したという話を聞きましたがどうやって録ったのか知りたいですね。

先日も5月公開予定の映画「暴走」でミュージカル部分を創って入れたのですが、まあこの作業がことのほか大変だったのを個人的に経験している点と、録音スタジオではなく撮影現場でライブ(生録音)でしかも生のオーケストラ付きで録った、なんて考えただけで想像を絶する作業だからです。まあセットやCGとかいろいろ組み合わさっているんでしょうけど、もしメーキングのDVDが出れば是非見てみたいですね。

ちなみに話は変わりますが、当ブログに書いてありました「みんなでレッドカーペットを歩きましょう」プロジェクト(笑) ですが、昨年は残念な結果に終わりましたが一応次回の動きは始まっております。今回はたぶんに戦略も変えているようですが、短編と長編の両方の計画があるようです。まずは短編の作業を開始しますが、音楽の作業は5-6月くらいになるでしょう。今回の短編はかなりのブラックコメデイです。

というわけでこちらの方も懲りもせず続いております。(笑)

2月 25, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年2月22日 (金)

テレビがつまらなくなった理由2-そこには現在の日本社会が抱える3つの良くない風潮の問題があった

以前当ブログで書いた以下の記事、おかげさまで多くの人に読んでいただいていますが

■テレビをつまらないという以前にくだらないバラエティ番組を見るのをやめようー番組だけでなく映画や音楽のコンテンツの質の向上のために

https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2012/12/post-7701.html

今日は実際にテレビの制作現場に長らくおられた方が現在のテレビの番組の問題で興味深い記事をかかれていましたので引用させていただきます。

なぜならここには単にテレビ番組制作上の問題だけでなく音楽制作の問題、そして現在の日本社会が抱える問題ーひとことでいえばなぜ今の日本社会が閉塞しているのかーという部分にまで関係する非常に根の深い問題であることがわかったからです。

株式会社TBSメディア総合研究所代表の氏家夏彦氏の記事です。さすが現場たたきあげの人のこの記事を見てわかりやすく問題の本質をよく指摘していると思われますので.

なお、議論をわかりやすくするために文章のかなりの部分を引用させていただいております。なぜならここには単にテレビ業界の問題だけでなく日本社会全体の問題が隠されているように思うからです。

2・20【テレビがつまらなくなった理由】氏家夏彦
http://ayablog.jp/archives/21656

テレビはつまらなくなった…を認める?

「テレビがつまらなくなった」といろんな人に言われる。中には「私は民放は見ないことにしているんだが、なぜ最近のテレビはつまらなくなったんだ? 特に民放がひどい。」などと言うご仁もいる(見てないのになぜつまらないってわかるんだ!)。こういう発言は、なぜか大新聞のOBの方からよく言われる。 見てもないのにつまらないと決めつけるのはともかく、私は「つまらない」という意見が「けしからん!」と思っているのではない。なぜなら私自身も「テレビ はつまらなくなった」と感じているのだから。

<中略>

、私はテレビの様々 な現場や、裏方、放送外事業の仕事もして30年以上、TBSにメシを食わせてもらってきた。ずっとテレビの味方のつもりだったし、テレビがもっともっと元 気でいてほしいと今も強く願っている。だからこそ「今のテレビはつまらない」を認める事から始めようじゃないか、と思うのだ。

<中略>

もちろん高いお金を出してスポンサーになっていただいているお客様の手前、このような建前を崩すのはとても怖いし容易ではないことはよくわかっている。

しかし、テレビを見てくださっている視聴者も、ユーザーも、それに大切なスポンサーも、既にかなり前から気づいているのではないだろうか。自分たち はテレビを見なくなってきていること、テレビはスマホに比べれば別に自分にとって大切じゃないこと、テレビはあんまり面白くなくなっていることを。
今の閉塞状態からなんとか抜け出さなければならない、と思わないテレビマンはいないはずだ。「今、テレビはつまらなくなっている」、それを認めたところから議論は始まる。

 

テレビはつまらなくなったというよりも・・・

テレビ業界でも「最近のテレビはつまらくなった」と感じているのは、私だけではない。かつて番組制作の現場で同じ釜の飯を食っていた古い友人に会うとよくこの話題になり、意見が一致してしまう。
私の3年後輩で、ドラマ史に残る数々の名作を生み出した貴島誠一郎さんとフェイスブック上でこのテーマを語りあった際、貴島さんは「テレビはつまらなく なったというよりも、面白いものの数が少なくなった。つまり多様性を失った。理由はご推察通りで・・・」とメッセージを寄越してくれた。
その通りです!「つまらなくなった」をもっと正確に言うと、「どの局を見ても同じような番組しかやっていないので、全体としてつまらなく感じてしまう」ということなのだ。

ではその原因は何なのか。これが今回のテーマ、ようやく本題に入ります。

 

視聴率のせいだ

またまたテレビ関係者から反発を食らうようなサブタイトルにしたが、言うまでもなくテレビにとって視聴率は極めて重要です。それはよくわかっていま す。テレビは広告を買っていただく事で視聴者にはタダで番組を見ていただける。その広告価値を測る唯一の尺度が視聴率だ。視聴率は巨額のテレビ広告売上げ に直結するので、利益を出して株主に還元しなければならない経営者は、「視聴率を少しでも上げろ!」、「番組をハズすな!」という指令を現場に出す。さら に利益を捻出するために「金をかけるな!」という指令が加わり、過度な演出や番組制作上の瑕疵を追及する社会の声も大きいので「ミスを犯すな!」という指 令も加わる。どれももっともなことだ。経営者として正しい判断に思える。
しかしそれによって高い視聴率を獲れる番組が多く生まれるのか、というとむしろ逆の効果をもたらしている。

番組が当たる確率は2割から2割5

かつて私が制作現場にいた頃は、新番組を4つ5つスタートさせて1つが当たれば大成功だと言われていた。その成功した番組は、「少しでも高い視聴率 を獲る」ことや「番組をハズさない」ことを『目的』に作られたものではない。誰も作ったことのない全く新しい番組を作ってやろう!オレ(制作者)が面白い と思うもの良いと思うものをとことん追求して作ろう!としてできたものだ高い視聴率は、面白い番組の結果だ。番組がハズレないで当たったのは、あくまで 結果だ。幾つもの冒険の中から、わずかな成功が生まれる。テレビとはそういものだだからテレビ制作の現場は常に冒険を追い求めていた。

冒険をすれば、当然そこにはミスが生まれる下地が存在する。しかし今はミスは許されないし過剰な演出をするとすぐに批判が殺到する。BPOという怖い存在もある(BPOの方々は、自分たちはそんな存在ではないとおっしゃるだろうが、現場からすれば、結局はそうなのだ)。
上からは「番組をハズすな」「とにかく問題を起こすな」と言われ、その一方で「視聴率は獲れ」と言われる。

これは元々無理な要求なのだ。

当たるテレビ番組を生み出すには冒険をしなければならない。冒険をすれば、失敗(ハズレ)は必ず生ずるし、ミスが起きる確率も高まる。
テレビという事業モデルは低い番組成功率が前提となっているのだ。

負のスパイラル

「視聴率をとれ」、「番組をハズすな」、「問題は起こすな」、「金をかけるな」いう無理難題とも言える要求に応えるため、現場の制作者は少ない予算で確実に視聴率が見込め、問題が生じないような番組を作ろうとする。そうなると今まで誰もやった事のない冒険などできはしない。だからどの局もどの番組 も視聴率が計算できる同じようなタレントを使い、同じようなひな壇に並べ(美術セット代が安いし、見やすいし、コントロールしやすい)、スタジオトークを 展開。

<中略>

結局、元の番組企画が違っていても、見た目の印象はあまり変わらない番組ばかりになる。
<中略>

時代が変わり、視聴者=ユーザーの生活習慣が変わり、何よりメディア自体やコミュニケーションのあり方自体が大きく変化して しまっているのだから、むしろ「空気読めよ!」となってしまう。

「視聴率を獲れ!」「番組をハズすな!」「カネをかけるな!」と指示することで、視聴率が獲れなくなり、番組が当たらなくなり、収入が減り、制作費がさらに少なくなり、視聴率がさらに下がり・・という負のスパイラルに落込む。

 

先日、株式会社mmbiの常務取締役である小牧次郎さんとお話をする機会を得た。mmbiは、携帯電話向けにNOTTVという放送をしている会社だ。

<中略>

打開策は・・・

小牧さんはこの閉塞状況を打開する策として、世帯視聴率(一般に言われている視聴率)を捨ててはどうかというアイデアを持っている。どの番組も似た ような傾向になってしまうのは、世帯視聴率という同一の物差しだけを頼りに成果を求めようするからだ。そこで番組によってターゲットとする視聴率の種類を 変えるのだ。たとえばこの番組はF1(女性の20〜34歳)の視聴率だけを狙う。また別の番組はM2(男性の35〜49歳)だけを…、など番組ごとに狙う 視聴者像を明確にする。そうすれば金太郎飴のような番組ばかりでなく個性的な番組が誕生するだろう…、というものだ。ただし、ある条件をクリアしなければ ならない、と小牧さんは言う。それは、経営トップはもちろん、組織の責任者クラスがこのことを十分理解することだ。ターゲットとなった視聴者層の視聴率さ え獲れれば、世帯視聴率が悪くても責めたりしてはいけない。これができて、初めてテレビは元気になる。

  <中略>

テレビ局は様々なミスや失敗などを乗り越えリスク管理の能力を高めてきた。何か問題が発生するたびに、社内研修を何度も行い、膨大なリスク管理表を 作成し周知徹底し、少しでもトラブルやミスを減らそうと本当に懸命な努力を重ねて来た。しかしそれは番組制作上の冒険の芽を摘んでしまうことにもなってし まった。
当たる番組は冒険の中からしか生まれない。従って、どうやって冒険ができる環境を作るかが、組織としての課題になる。ミスを起こしても大目にみてやれ、というのではもちろんない。番組制作者が面白いと思う事や良いと思う事をとことん突き詰められるような環境を作るのだ。

<中略>

前述したように「視聴率をとれ」、「番組をハズすな」、「問題は起こすな」、「金をかけるな」は、経営として正しい判断だ。しかしそれを実現するために、現場にどのような指示を出すのが正しいのか。そのまま伝える事で逆の効果が発生し、負のスパイラルに落込むのであれば、その指示は間違っていることになる。そこで頭をひねることが大切なんじゃないか、と思う昨今です。

少々長い引用になってしまいましたが、さすが現場たたきあげの人ーテレビ制作現場にこういう良心的な人物がいたことに大きな救いを覚えました。

さて上の文章を読んで「どこかで聞いたことがある話」と思った人は多かったんではないでしょうか? そうです。この問題の本質は単にテレビ業界だけの話ではありません。音楽産業の方でも勿論全く同じ問題があります。強いては日本社会全体が今同じ病巣に犯されている、そう考えてもいいような気がするのです。

重要なポイントは次の点だと思います。

問題は起こすなことなかれ主義(経営トップの保身)」「視聴率をとれ、番組をハズすな結果主義」「金をかけるな=一律コストダウン優先主義)

どれも業界、業種別に微妙な違いはあるにせよ今日本の企業社会を支配している風潮そのものではないでしょうか?

失敗(ハズレ)は必ず生ずるし、ミスが起きる確率も高まる。
テレビという事業モデルは低い番組成功率が前提となっているのだ。

これはテレビ番組に限りません、音楽、映像、詩、小説、コンテンツといわれるものは全てそういうものではないでしょうか?人が魅力的と感じるコンテンツは試行錯誤の中から生まれるものであり、傑作やヒットコンテンツなどそんなに簡単に湯水のように出るような簡単なものではありません。

作曲家でも名曲、ばかり書いているわけではなりません。あのモーツアルトですら傑作といわれ頻繁に演奏されるのはモーツアルトの作品の中でも1/4くらいでしょう(それでも他の作曲家と比べると突出して多い方です)

もともとコンテンツというのはそういうものです。それが、ことなかれ主義、結果主義、まずコストダウンありき、という3つのことにこだわれば負のスパイラルに落ちるのは当たり前のことです。

いやコンテンツに限りません、一部のIT屋が「ものつくり」というものを軽蔑する風潮をまき散らしていますが、日本は元々ものつくりによってここまでの経済大国になったはずです。

そしてそれがことなかれ主義、結果主義、まずコストダウンありき、という3つの風潮(これがまた一部のエコノミストとかいう人種に礼賛されてしまうから始末に悪い)で閉塞状況に陥っている、もっといえばこの3つの風潮が今の日本社会全体を長い閉塞状況においている一番の原因、だとしたらどうでしょうか?

確かにこの3つを両立させろ、といったら「冒険」をしなくなるでしょうしし差しさわりのない仕事だけをやるようになるでしょう。これじゃどんな業務も行き詰まってしまうだろうと思います。

私はそういう風潮が今の日本の諸問題の原因、今の日本社会を閉塞させている諸悪の根源がこの3つの風潮であるという 気がしてなりません。

打開策は上記の文章の氏家さんのお知り合いが打ち出したように「結果の評価方法」を変える、というのも1つの方法でしょう。

音楽に限って言えばCDが何枚売れた、とかそういうことではなく別の評価方法が必要だと思います。世の中が多様化したのですから成果、結果の評価方法も多様であったよいのではないかと思います。

変な景気対策よりまず我々日本人全員がことなかれ主義(保身)、結果主義、まずコストダウンありき、の3つの風潮をまず捨て去る、それから新たな評価方法を再構築する。

そこから始めるべきではないか、と感じた次第です。

2月 22, 2013 映画・テレビ | | コメント (2)

2013年2月 4日 (月)

映画「暴走」の映画音楽の作業終了

本日ギリギリまで自宅スタジオにて作業していた映画「暴走」(今年春公開予定)の作業が本日終了いたしました。本来ならMAマルチオーデイオ作業ーちなみにこのMAは和製英語ですので海外では使いません)に立ち会う予定だったのですが、土壇場で監督から音楽の修正が来て、他にも出る可能性がありましたので、結局MA室にはいかず自宅スタジオにて作業ー音楽の修正と内容の可否をスタンバる状況になり、夜になってようやく作業終了の一報を受けました。さすがにホッとしました。

それにしても過去これほどまでに手間暇かけた映画音楽はありませんでした。昨年の10月から初めて足掛け四か月、以前手掛けた長編が実質2か月くらいで終わったことを考えますと倍の時間がかかったことになります。

今回の映画の特徴ですが、通常の劇部分だけでなく「ミュージカル」の部分があるという点です。この映画に出演しているアイドルグループ「スマイル学園」が歌っているのですが、今回はこのく「ミュージカル」の部分を撮影の前にあらかじめ作っておかなければなりませんでした。それも通常の映画音楽とは違う工程を踏むことになります。それも時間がかかった原因ではありますが..

映画の詳細はいずれ然るべき段階にて当ブログでも公開させていただきますが、まずは今回は映画「暴走」の音楽について書きたいと思います、

今回の映画音楽で使われた音楽は実に多彩です。我ながらよくこれだけのジャンル、スタイルの音楽を作ったと思いますね。傍からみれば今回の映画音楽は何人かの作曲家に書かせたと思われるかもしれません。

タイアップのオープニング曲(なんとヘビメタ系の曲!!) を除けば全て自分が作りました。今回の映画「暴走」の映画音楽は以下のジャンル、というかスタイルの音楽があります。 これらを全て私一人で作りました。

1. ダンスミュージック(ボーカルーミュージカル用)
2. ハードロック (ボーカルーミュージカル用)
3. ポップス系うたもの(ボーカルーミュージカル用)
4. ロック ややプログレ調(ボーカルーミュージカル用)
5. 無調現代音楽
6. ラグタイム
7. クラシック(モーツアルト風)
8 その他クラシック風

これでは整合性が取れないのでは? とお考えかもしれませんが、ちゃんときちんと整合性が取れるように作っております。

実はピアノベースの曲が多いです。特に無調現代音楽のピアノソロは実はほとんど私のアドリブです。(ですから楽譜はありませんwww)

話によるとMAではかなり細かく切り刻まれたり、編集されたりしたようです」が、まあもう私の手を離れましたので とにかくいい作品になればそれでいいと思います。

ちなみに作った音楽が当初の予定とは別の場所で使われたり、削られたり切り刻まれたり、などは割とよくあることです。それは音楽の使い方は最終的には映画監督の判断ですから仕方がありません。実際の作品を見て作った当人がびっくりしたりすることも珍しくありません


実はそういう話を以前久石穣氏から聞いておりました、特に北野武の映画などではあとかたもないほど切り刻まれた話を聞いていましたし、私が手掛けた前回の長編映画でも私自身かなりそれをやられました。まあ映画音楽やる時はそんなもんだと思わなくてはいけませんね。

とにかく長い仕事が終わったので祝杯を上げます。現在解放感を感じています。

2月 4, 2013 映画・テレビ | | コメント (0)

2013年1月18日 (金)

短編映画 『アイドル7×7監督』アップリンクロードショー 橋元優菜x竹藤監督舞台挨拶

再三再四お知らせさせていただいておりますが(笑)

短編映画7本立てのレイトショー公開、という異例の形ではありますが先週より劇場公開された短編映画 『アイドル7×7監督』  毎日盛況でこの日も大勢の方にご来場いただきました。

Uplink4

昨日は私が音楽を担当した「だから私は眠れない」竹藤恵一郎監督と主演の橋元優菜さんの舞台挨拶がありました。

Upkink1

竹藤監督とは東映の教育映画等でよくお仕事をさせていただいておりますが、今回変則的な形とはいえ劇場公開の映画の監督となりました。

Yuna_takefuji

橋元優菜さんは通称「パンストアイドル」と言われていますが男性誌だけでなく、女性誌にも「パンスト」に関するコラムも書いておられるほど橋元優菜=パンストというイメージが定着しつつあるようです。
実際にお会いするととてもお茶目な楽しい人です。(写真上)
そのキャラクターの関係でコアなファンも多く。この日も大勢のファンの方が会場に詰めかけました。
橋元さんとは偶然ですが現在鋭意製作中の映画「暴走」でもごいっしょさせていただいております。現在映画「暴走」の劇伴音楽製作の追い込み段階となっており、私も現在戦々恐々です。(笑) 今年春の公開と聞いておりますがまだ日程等はわかりません。その映画の橋元優菜さんも楽しみにして下さい

今回の短編映画 『アイドル7×7監督』  は7本ある関係で毎日どれかの主演の女優さんが舞台挨拶をする、というのも話題を呼んでいるのかもしれません。例の東京の大雪の時だけは交通機関がマヒしたこともあり、人の入りはきつかったようですがその日以外はほぼ満席でした。

最後にチームカラハリ関係の監督さんと役者さんが勢ぞろいです。

Uplink2

本日が最終日です。

今回の劇場公開を足場に新たな企画に発展するといいですね。

音楽でもCDが「全国流通」というだけで見られ方が違いますように映画も「劇場公開」となると扱いが全く違うようです。1つの実績にはなりますのでこれを足場に次の大きな企画に発展することを期待したいです。


DVD 8月27日発売決定いたしました。




1月 18, 2013 映画・テレビ | | コメント (2)

2012年12月18日 (火)

教育映画二本の試写会

もう一昨日になりますが(選挙当日)

先月完成しました東映の教育映画二本の試写会が東映本社の試写室で行われました

Toei_honsha

今回の教育映画は二バージョン作り、「いじめ」がテーマです
小学校バージョンと中学校バージョンの二本作り、その両方の音楽を担当させていただきました・。

Toei_shisha

今回は「生徒」役の子供が多かったので試写室は満員。立ち見状態でした。

来月くらいに全国の小学校、中学校で「道徳」の時間に上映するらしいです。

ちなみに現在来年春公開予定の映画「暴走」(来年春公開予定)「いじめ」がからんだテーマです。いっきょに「いじめ」がからんだ映画を3つもやることになり、いささか気が滅入りますが、「暴走」は若干制作進行が遅れています。年内完成の予定だったんですが年を越してしまいました。仕方ないですが、年越しの制作案件ですと何か仕事をやり残した感があります。

東映に関してはまだ決定ではないですがいくつか企画があるようです。また次回作でお手伝いできることを願っています。

12月 18, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年12月 5日 (水)

テレビをつまらないという以前にくだらないバラエティ番組を見るのをやめようー番組だけでなく映画や音楽のコンテンツの質の向上のために

このブログでも書いていた人がいましたが、「テレビを全く見ない」「テレビなんか見ない」とネットで書いている人は多い。

しかし映画、音楽でプロモーションしていて感じるのはいまだに地上波のテレビの影響力が他とくらべても突出して大きいという事実。はっきりいってPCのネットは勿論のこと、スマホだって今現在も地上波のテレビの影響力にはとうていかなわない。

それは自分で告知やプロモーション活動をしているとはっきりわかる。またブログ記事でもテレビで話題になっている内容の記事を書けばアクセスが桁違いに上がる。

なんだかんだ言ってもそれが残念ながら現実である。

今テレビは本当につまらない。私も毎週見ている番組の数は片手の指の半分も使わない数しか見ていない。そしてテレビ局の人間だって実は面白い番組を出していると思っているわけではない

面白い記事があったのでご紹介しよう。

■なぜつまらないテレビ番組が増え続けるのか
http://blog.livedoor.jp/ftakahiro/archives/1718793.html

つまらないテレビ番組が増えた、と言う人が多い。
同じような芸人ばかりが出てきて、同じようなオチのバラエティばっかりだ、とか、
昔はもっと硬派な番組が多かった、今は見てられないものばっかりだ、という意見もある。

僕も普段はほとんどテレビ番組は見ないしたまに付けても面白くないのですぐに消してしまう。

先日、テレビ局関係者と飲んでいたので「なぜつまらないテレビ番組が増え続けるのか」を聞いてみた。

「なんで最近のテレビ番組はつまらないものが多いんですか?」
「確かに、つまらない番組が多いよね」
「変な話、作ってる側は面白いと思って作ってるんでしょうか?」
「いや、思ってないんじゃないかな」
「えっ?」

「多分、これが面白い、これがベストだ!とは思ってないんじゃないかなと思う」
「え、そんなもんでいいんでしょうかね」
「今のテレビ番組ってね、ほとんどが局のスタッフが作らずに下請けの、プロダクションという会社が作ってるのは知ってる?」
「知ってますよ。テレビ局のスタジオで撮ってる場合でも局の関係者じゃなくてプロダクションの人たちが作ってたりしますよね。」

「そ
うそう。今は8割とか、日によっては9割を外部の会社が作ってる。」
<中略>
「プロダクションって端的に言えば単発の下請けだから、売上が全く安定しない環境なんだよ。企画がばんばん通ったり、何らかの理由でおこぼれが来れば仕事がたくさんあるけど、急にヒマになったりもする。懇意にしている局の人間が異動になったりしても状況が変わるし。しわ寄せを受けるのが下請けの辛いとこなんだ。そういう状況下って、理念を貫くのってかなり難しい」
<中略>
「そしてもっと大きなポイントは、今の番組がつまらないと言われながらも、バラエティとか芸人が出る番組とかって、数字が実際に取れてるんだよね。昔みたいに20%とかいかないけどさ、悪くない数字になる時もある。
例えば真面目路線の話でいえば、震災の情報を!とか、1年前はすごくニーズがあったけど、もう今は検証番組とか、防災意識を高めるような番組作っても誰も見ないし数字取れないよ。結局、多くの人がつまらないと言いながらも、真面目な番組よりもお笑いを見てるんだよねNHKの硬派な番組にどの時間帯も圧倒的に負けてるなら制作の世界も変わると思うけど、実際はバラエティが勝っちゃってるからね。芸人さんがぶらぶら街歩きしながらカメラ回す、というような番組
でも、やっぱり彼らはプロだしリアクションが面白いから、見られる内容になるんだよね」

「なるほど……」
「テレビはスポンサーありき。スポンサーは数字ありき。これだけはもう絶対。変えられない。だからそこからしか世界が動かない。みんな、歴史に残るような番組を作りたい、そういうプロジェクトにかかわりたいって野望は持ってるよ。その理想がなかなか現実のものにできないもどかしさも感じてる。どうしたらいいか答えのないままに、現実との折り合いを付けてるんだよな……吉本とかAKB、そしてジャニーズ。やっぱりすごいよ。数字が作れるから。いくら実力があって歌や踊りが上手くても、無名のアイドルをAKBの代わりに主役にしたりはできないんだよ、テレビは」

ここにテレビだけでなく今のメデイアのコンテンツ全般の問題があると思う。

結局なんだかんだいってもくだらないバラエティの方が視聴率の数字が取れてしまう、テレビなんか見ないと口ではいっても無意識のうちにテレビをつけてみてしまう人間が非常に多い、という現実

この現実が変わらない限り状況は決して良くならない、悪い方向に行くことはあってもいい方向に行くことは断じてない。

今の日本を見ると結局はこの構造が問題でこれがテレビ番組だけでなく映画、音楽のコンテンツをもつまらなくしている。結局「テレビなんか見ない」などとネットでいくら書き込んでいる人間が多くてもくだらないバラエティの方が視聴率の数字が取れているという現実の前では全く説得力のない話になってしまう。映画だってテレビドラマを映画化し、テレビドラマの俳優がそのまま出てきた方が圧倒的に映画館の入場者の量が違う。これ悲しいかな、動かしがたい現実である。

はっきりいえばくだらないバラエティを見る人間がまだ多いからテレビはつまらないままになってしまうのだ。

だから今のテレビがつまらない、というならまずくだらないバラエティは視聴率を取れないという現実を作らない限りは変わらない。だが日本でそういうことが起きる可能性は私はまだ低いと感じている、

これを変えるのは視聴ボイコットするしかないかな。とすら思う。少なくともくだらないバラエティ試聴をボイコットしよう。くらいの動きが視聴者の中に起きない限りはこの状況は変わらないだろう。

結局何から何まで地上波のテレビの影響力が突出してでかい、それゆえタイアップの「協賛金」は年々上がるし、お金を払ってテーマソングを作るなどという本末転倒なことが大手を振ってまかり通っている。この現実が変わらない限り映画も音楽の状況もよくならない。

 

 

 

12月 5, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年11月25日 (日)

新曲"So Happy Dream"のPV(プロモーションビデオ)撮影

先日できあがったばかりの私の新曲"So Happy Dream"PV(プロモーションビデオ)の撮影が本日行われました。

 

この曲はペット用品の代理店の販促ソングとして、そして愛犬と飼い主とのオシャレなペットライフの提案というテーマで作られました。しかるべき段階で公開しますがオシャレなボサノバ風の曲に仕上がっています。歌は女優の吉田裕美さんです。(写真)

 

今回は先日の記事にも書きましたようにスポンサー会社から直の発注をうけての制作である点とクライアントさんに音楽だけでなく映像制作の経験もないことから、販促ソングの制作だけでなく映像制作もバックアップしました。勿論一般の音楽制作でPV(プロモーションビデオ)を撮る場合は私たち音楽関係者はアーチストでもない限り撮影に立ち会うということは普通ありません。その意味で通常の音楽ビジネスのありかたとは大きく違います。

 

Pv0

 

今日は素晴らしい秋晴れの天気に恵まれ、絶好の条件で撮影できました。今日は3か所の撮影を行いました。最初は麻布十番のカフェでの撮影です。

 

Pv1

 

撮影協力:ル プティ トノー
http://www.petitonneau.com/jp/azabu_juban/locations/shop_data/

 

Pv2Pv3

 

第二のロケ地は芝公園です

Pv4

今回は発注元のクライアントの関係の浜松町商店街の意向もあって、あえて東京タワーをバックの映像を撮る必要がありました、要するにスポンサーの意向もあってスカイツリーではなくあえて東京タワーとなったわけです。

 

 

 

Pv5

 

吉田さんの愛犬のポロンプリン、プロモーションビデオでは大活躍をします。

 

 

 

そして第三の会場は先日の記事でロケ班をした場所です。吉田さんは白のワンピースに着替えましたがやはり女優さんは絵になりますね。存在感を出せるのが女優さんです。

 

 

 

Pv6

 

撮影は順調に進み、なんと予定より早く終わりました。こういうことはめったにない、というか私は初めての経験ですね。ちょっと記憶にありません

 

 

 

 

 

Pv7

 

撮影協力:ラ ポルタ デイ アフロデイーテ
http://www.aphrodite-coral.com/index.html

 

最後のシーンを撮り終えて無事撮影終了。これから編集ですが編集を通してどんなPVになるか楽しみです。これからプロモーション計画を始めどのような形で公開するかを詰めなければなりませんが然るべき段階で当ブログでも公表いたします。

 

 

 

 

 

 

 

11月 25, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年11月15日 (木)

音楽業界と映像業界

今日はINTER BEEに出かけたと思ったら止まったままの案件が急に動きだし、あげくのはてには衆議院の解散、総選挙の日程まで急転直下決まる等、いろんな動きがあった日でした。

今日のINTER BEEプロオーデイオに関する記事でも書きましたが、録音関係も純粋のオーデイオレコーデイングから完全にポストプロ、MA関係の仕様にシフトしており、プロオーデイオだけで業界が成り立たなくなりつつある現状を図らずも露呈していたように思います。

私自身も純粋な音楽の世界から劇伴、映画、映像音楽の方に活動の中心をシフトしていっていますがやはり時代の流れがそうなのかもしれません。

しかし映像、とりわけ映画産業といえど健全な状態とは程遠いです。といいますかいわゆる「メジャー」系では映画の世界も音楽の世界も本質的には同じ、といっていいと思います。

どこが同じかといいます、結局「地上波のテレビ」がからむ、という点では音楽も映画も 同じ構造になっています。結局はテレビドラマを映画化したもの、が圧倒的に多くの入場者を誘導する、という現実、そしてそれだけでなくテレビでのオンエアを前提に作られる、しかもゴールデンタイムにオンエアを前提に作られるから、尺もテレビ合わせ過激な暴力も血もセックスも全てNG。しかもスポンサーの規制も入る、という実態

これって音楽の番組、CM, ドラマ等のタイアップの構造と全く同じです。

その意味では日本の音楽、映像のコンテンツと本質的に同じ問題をかかえています。

つまり最大の問題は 結局なんだかんだいわれながらも「地上波のテレビの影響力」が今現在でも他のメデイアと比べても突出して大きい 

というこの現実です。

実際「私はテレビなんて見ない」なんていう奴のブログ記事やつぶやきを見ると、たいていの場合「テレビで話題になっている」ことについてしか書いていないし、マスゴミなんていっている人間に限ってよく見るとマスコミの報道を鵜呑みにしている輩が多い、という現実があります。

これが変わらない限り日本の文化ははっきりいってよくなりません。根っこの問題は同じです。

しかし私はそれでも音楽業界にいるよりは、映像、映画劇伴の世界に主軸を置こうと思っています。
それは私自身がそういう音楽を創るのに比較的向いている、と自分で感じている点もありますが

何よりも映画産業も苦しい、とか言われていても

少なくとも映像の世界はまだ産業として回っています、

音楽業界はどうか、といいますと

はっきりいってはAKBとジャニーズをのぞけば もはや 全く回っていないに等しい

からです、

だからシベリアに生息する冬鳥が「日本はまだまし」とばかりに南下するのと同じように

私も映画、映像業界の方に主軸を動かしています。

あともう1つ、

もはやメデイア、パッケージの時代は終わったかのように当然のようにいわれていますが

私は少なくとも DVDやブルーレイ関係はなくならないのでは、と思っています。

理由は音楽と違い、映画を配信ダウンロードするというのは 実は高速通信が当たり前になっている現代でも決して楽なことではないからです。

音楽なんてmp3なんかせいぜい5Mから10M  wavファイルだってせいぜい数十メガ 現行の高速通信のインターネットで配信、ダウンロードしても大した時間はかかりません。

ところが映画は二時間の長編映画をダウンロードする、となるとよほどひどい画像で圧縮されたファイルでない限り

ファイルはギガ単位の容量となります。

皆さんは長編映画一本、二時間以上を丸々ダウンロードしたことがありますか? 一度でもそれをやった人ならわかるはずですが

mpeg4クラスのファイルでも一時間近くかかります。
HDの高品質画質なら一時間じゃ全然足りません

はっきりいってこれなら近くのツタヤでレンタルした方が早いです。

もはやパッケージ時代は終了したという人たちは

一本の映画をいちいちレンタルするのにダウンロード時間にそれだけかけるつもりなんでしょうか? たぶんやったことある人ならわかりますが、よほど僻地に住んでいる人でない限り、何時間かけてダウンロードしないじゃないでしょうか?

私は仕事柄 大容量のファイルを日常的にやりとりしていますが

仕事ならともかく趣味でダウンロードに一時間単位はかけていられないですね、少なくとも私はそんなことするよりは別の手段を選びます。

確かに音楽と同様にyou tubeを始め違法に映画をアップロードしているところは後を絶ちませんが、映画産業は音楽のように限りなくタダ同然の消耗品レベルにまで堕ちることはないんじゃないでしょうか? 

と考えるのは楽観的にすぎますでしょうか?

あと自分で音楽をやって感じること、それは

結局「映像」というメデイアにしないとなかなかその音楽に目を向けてくれない。

という現実があります。日本はこの傾向が特に強いです、

だからどっちにしても自分の音楽をより多くの人に聴いてもらうためには、映像というメデイアを通すしかない、のです。特に日本では

私が映画、劇版音楽制作に対して一定の適性をもつことができた、というのは幸運なことだったと思っています。
勿論劇伴、映画音楽の制作は大変ですよ、楽だと思ったことなど一度もないです。

でも結局音楽の世界がもはや完全に機能していない、現実を見ると現在のアプローチしかない、といってもいいでしょう。

映画産業も音楽産業と同じ病巣は抱えていますが、まだ瀕死、という状態までは行っていないため取りあえず「亡命」しているわけですね。

勿論楽観できる状態ではないですが、
でも少なくともどうせなら、ハリウッドを狙いたいですね。某S氏じゃないけど、オスカーを狙う、くらいの気概は持って仕事しようと思っています。




11月 15, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年11月 8日 (木)

映画その他でのクラシック音楽演奏

昨日都内のMAスタジオにて教育映画二本のMAに立ち会いました。一日でいっぺんに二本というのは珍しいですが、何とか無事に終わりました。

実は映画では時々あるんですがクラシック音楽の曲を入れることがあります。もうだいぶ前の作品ですが国内外で受賞した映画「俺たちの世界」ではベートーベンの「月光」ソナタ一楽章を始め、その他何曲かのクラシック音楽が使われ実際にクラシックの演奏家を使ってレコーデイングを行いました。

今回も片方の映画でショパンが使われ、予算の関係で私自ら弾くことになりました。今回の教育映画は見るのが学校関係者が多いので「うまく」弾くよりは「正確に」弾いたが結局最初のテークだと何となく不安なのでもう1テーク用意しましたが結局もともとのテーク1になりました。。実は以前、ショパンの別の曲でホンキートンクピアノのバージョンであえて実験したものがあったのですが、結局今回は普通のピアノの音源で弾きました、

ショパンを仕事で弾くなんて〇十年ぶりかも

しかもクラシックって結構うるさ方が多いんですね。

「あのショパンの演奏はおかしい」なんてクレームを言いに来る人間がいないとも限りませんし、そうなると今回の教育映画の販売元である東映というブランドにも関係してくるので、今回は慎重になりました。

世の中結構ヒマ人多いですからね。 こういうクレームをつける人はクラシックの音楽家よりクラシック専門のリスナーに多いんですね。たまに芸大系のアカデミックがちがちの人でそういう人いまあyが、私の周囲のクラシック系の人はあまりこういう人はいないですよ。私の周囲の人はみんなおおらかな人ばかりなんでしょうか?..

ちなみにテレビ局とかメーカーにクレームつける人間は比較的60代以上の年配の人間が多いそうです。一方でネットで「荒らし」「ブログ炎上」させたりスパムを行ったりするヒマ人はいわゆる「ロスジェネ」世代が多いそうです。この2つの世代にヒマ人が多いということかな

まあそれはさておき、何とか無事に終えることができました。これから次の制作に入ります。

11月 8, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年10月 6日 (土)

7 7 映画祭で私の音楽担当作品「だから私は眠れない」上映

先日もお知らせしましたように日本映画クリエイター協会短編映画祭(通称7 x 7映画祭というそうです)で私が音楽を担当したショートフィルム「だから私は眠れない」が上映されました。(主演:橋元 優菜) 

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以前もご案内しましたように七人の監督が旬のアイドル・タレント7人を主役に競作するショートフィルムフェスティバルですが、それぞれ監督が好き勝手に作る映画らしくかなり個性的、というかいろんな意味で面白い映画祭でした。

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7人の監督と7人のグラビアアイドル全員が出そろった写真

最近映画音楽関係の仕事がすっかり定着したせいか映画の見方(というか聴き方?)がすっかり変わった自分に気づきました。要するに他人の作曲家が他の映画でどうフィルムスコアリングをしているかをを見ちゃいますね。このシーンでどういう音楽を創っているか等々、を注意深く聴く癖がついてしまいました。結論からいいまして私以外の皆さんは割と正統派というか劇伴音楽でもかなりオーソドックスな作り方をしている印象を持ちました。一方今回の私の手がけた作品は「夢」の世界を描くというちょっと特異な世界ということもあり、かなり作り方が違いますね。結局ミニマル系と環境音楽でフィルムスコアリングしたのは私だけだったのでー要するに本質的に自分はオーソドックスではないということがわかってしまいました。

あとこの「だから私は眠れない」のエンデイングはバッハのコラールをジャズ風にアレンジしたものなんですが、監督がそれを気に入ってくれて結局フルトラック最後まで使っていたのには驚きました。実はどうせエンドロール部分だからどうせ途中でF.O.されるだろうと思って後半のピアノのアドリブ部分はかなり適当に弾いていたんですね。こんなことならもっときちんとソロの部分を弾いて丁寧にレコーデイングしていればよかった、と現在大いに後悔中(+_+:)

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まあこれは監督の短い中にもかなりやりたい放題やっている遊びの企画ですが、実はこれから重たいテーマの教育映画の音楽を二本手がけなければならない。脚本はまだ途中までしか読んでいないけど結構重い(+_+)

というわけでこれからまた忙しくなります。まあありがたいことですけど..

DVD 8月27日発売決定いたしました。


10月 6, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年9月23日 (日)

最近の私の映画劇伴関係の情報

もう金曜日の話ですが先々月先々月音楽を担当した教育映画のDVDが来ました。詳細はわからないんですが全国の運転免許関係で上映されるそうです。

Gooddriver

ちょっとぼやけてしまいましたので正式な画像がこちらです。(笑)

Img7021719190003


詳しい内容はこちらへ http://tes-service.co.jp/education/detail/643

一応音楽担当として私の名前が結構目立つところに書いてありました。こういう仕事も大事です。

ちなみに詳しい内容はわかりませんが年内にこういう教育映画関係のフィルムスコア(音楽担当)をさらに1本やる予定と聞いています。 これ以外に長編映画2本、さらには企画関係の短編映画の映画音楽の案件も来ています。作曲家として以前も書きましたように今後この分野を積極的に仕事をしていきます。本格的にこの分野に参入しようとし始めて2年、ようやく軌道に乗り始めています

そして私が最近できあがったばかりの短編映画の作品の上映会のお知らせです。

日本映画クリエイター協会短編映画祭

日本映画クリエイター協会所属の七人の監督が旬のアイドル・タレント7人を主役に競作するショートフィルムフェスティバル。

http://jpcreators-shortfilm.jimdo.com/

日時;10月5日(金)  場所 野方区民ホール \1000

    昼の部 1430分~

    夜の部 1900分~

    昼夜共に開場は30分前です。

    予約された方から順にご入場頂きます。

    予約はこちらから

    http://my.formman.com/form/pc/vltr3lGo6BKVlxNs/

    私が音楽を担当した映画はこちらです。

橋元 優菜 × 監督・竹藤恵一郎

だから私は眠れない

Yuna1

http://jpcreators-shortfilm.jimdo.com/%E6%A9%8B%E5%85%83-%E5%84%AA%E8%8F%9C-%E7%9B%A3%E7%9D%A3-%E7%AB%B9%E8%97%A4%E6%81%B5%E4%B8%80%E9%83%8E/

お誘いあわせの上ご来場いただければ幸いです。

9月 23, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年6月15日 (金)

とある短編ドラマ 試写会

本日は先月、私が音楽を担当した短編ドラマの関係者向けの試写が東映本社にて行なわれました。

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よく考えれば東映の試写室は初めてですね。他の会社は行ったことありますが..

今回の仕事は全国の教習所で放映される「安全運転」をテーマにした短編ドラマです。短編ドラマといっても運転免許試験所なので、いろいろと解説も入りますので、全く異質な映像が同居するため、正直この仕事を引き受けたときは頭をかかえました。ドラマなんだけど解説も生かさなければならない、かといって両方の質に変にあわせると作品としての統一性がなくなってしまう、という難題がありましたが何とか創意工夫で解決し、末端のクライアント(警察庁ではなく「安全運転協会」なる特殊法人(?) )にも好評だったようです。

まあ今回は劇伴といってもかなり地味ながら堅実な仕事でもありました。まあこういうのもやりつつ、続けていくしかないですね。継続は力なり、というのは確かにそのとおりです。

6月 15, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年2月27日 (月)

2012年アカデミー賞の所感

つい先ほどハリウッドを中心とした映画の祭典「アカデミー賞」が無事終了しました。

今回はKodak社の倒産からみで開催前からゴタゴタがありましたが、9回目の司会を務めるビリークリスタルが無事まとめてくれました。

主な受賞者は以下のとおり

作品賞     :  「アーチスト」

主演女優賞 
 :メリルストリープ 「鉄の女 サッチャーの涙」

主演男優賞  : ジャン・デュジャルダン 「アーチスト」

監督賞     : ミシェル・アザナヴィシウス 「アーチスト」

作曲賞    : ルドヴィック・ブールス 「アーチスト」

脚本賞     : ウディ・アレン(!!!) 「ミッドナイト・イン・パリト」

脚色賞    : アレクサンダー・ペイン 「ファミリー・ツリー」

助演男優賞  : クリストファー・プラマー  「人生はビギナーズ」

助演女優賞  : オクタヴィア・スペンサー 「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」

他の受賞者、その他詳しい情報はオスカー公式サイトに

http://oscar.go.com/

http://oscar.go.com/nominees

これに関する私の所感ですが

主要5部門を獲得した「アーチスト」 まだ見ていないのでなんともいえませんがデジタル全盛の時代にあえて、映画草創時代の「サイレント映画」、しかも白黒で作るというアイデアが受けたのだと思います。始めは同じく5部門を取った「ヒューゴ」優勢かと思いましたが、思うにアカデミーが元々持っているノスタルジー志向が「アーチスト」 の方向に流れた印象があります。やはりアカデミーはなんだかんだいっても白人のじいさん連中が支配しているんでしょうね。

ジャーナリストの町山智浩さんから面白い話を聞いたことがあります。実は昨年のアカデミーで作品賞をノミネートされた「ソーシャルネット」ですが、そのタイトルを聞いて、とあるアカデミー会員が「それはどんな網なんだ?」と云っていた人がいたそうです。信じられないという人もいるかもしれませんね、アメリカといえばインターネット先進国といわれていますから。そのアメリカでもそういう人がいるんですね。日本にもそういうオッサン連中がいそうですが、とにかく笑ってしまう話です。
まあアメリカ人だから全てインターネットに詳しいと決め込むのはやはりいかがなもの、ということでしょうね。ちょうど欧米人がいまだに日本人見るとみんな空手や柔道できると思い込むのと同じでしょう。

じいさん、といえば82歳のクリストファー・プラマーが史上最高齢で助演男優賞受賞。私の世代的にはエクソシストで印象がある俳優さんですが、オスカーの84回と2つしか違わない人が受賞するのもいいですね。

さて、私の関係する音楽は「アーチスト」フランス人作曲家、ルドヴィック・ブールスが取りましたが、あとはハーワードショアとかジョンウイリアムズ(二作品でノミネート)といった「いつもの顔」だったのも受賞しやすい背景があったのだと思います。
それにしても今回気になったのはいつもアカデミー授賞式には必ず本物のオーケストラがいるのですが、今回はバイオリンとキーボード入りの6人編成のバンドが演奏していました。恒例の作曲賞の初めの音楽はいかにも「打ち込み」で作った音楽になっていましたが、これって予算の関係でこうなったんでしょうかね? 個人的にはアカデミーくらいは本物のオーケストラを使い続けてほしいと思うんですが...

あとこれも恒例の追悼パフォーマンス(ここ一年で逝去した映画関係者)にホィットニーヒューストンスティーブジョブスが予想通り入っていましたが、映画「ドラキュラ」コスチュームデザイン(衣装)オスカーを取った石岡瑛子さんが入ってなかったのは個人的に残念です。時間とかいろんな都合があったのかもしれませんが、実際にオスカーを取った人ですからね。ここはちょっと考えて欲しかったと思います。

もう一点、。短編ドキュメンタリー部門で東日本大震災の被災地を撮影した「津波そして桜」(ルーシー・ウォーカー監督)がノミネートされていましたが、オスカー受賞できず残念。被災者の方を勇気づけられると思いましたが残念でした。

2月 27, 2012 映画・テレビ | | コメント (0)

2012年2月 7日 (火)

平清盛の中のELP「タルカス」について

私のもう1つのブログKyojiのよろずひとりごと」(主に社会ネタ)において毎回のように今年の大河ドラマ「平清盛」について述べています。ドラマとしては昨年の「お江」と違ってものすごくクオリテイが高く、もう既にかなりはまっています。しかしその中で前々から気になっていたことがあります。それは「挿入歌(!?)」にあのELP「タルカス」が使われているというのでどんな場面で使われているんだろう、と気をつけてみていたんですがわかりませんでした。

そして今日そのわからない理由がわかりました。

「タルカス」といえばキースエマーソンのあのメチャ弾きが印象に残っているんですが、.今回の吉松隆氏のこのアレンジ、いかにもクラシック系の人らしく整然としたアレンジになっているんですが、うーんこれじゃ気づかないのも無理はないですね。しかもこのバージョンの「タルカス」は予告編や平清盛公式サイトで主に使われているらしく、今までの五回の放送では使われていたのかもしれませんがそんなに目だった使われ方もしていなかったこともありました。

まあ私もロックの名曲をオーケストラとバンドのアレンジをした経験があるんですが、正直いって...

うーんクラシック系の人がロックをアレンジするとこうなっちゃうのかなあ? 

というのが率直な印象ですね。何というかノリが全く感じられないんです。確かによく聞くと「タルカス」だけど、何ていうかロックの魂というかそういうものが感じられない。私がクイーンやツエッペリンの曲をアレンジした時は、クラシックオーケストラは使うけどロックの精神を極力損なわないことに細心の注意を払いました。というのも私は多少はクラシックの知識はありますが、やはり基本的にはロックのバンドマンでもありますので..

特に私の世界のミュージシャンはいわゆる「プログレッシブロック」の影響が強い世代なのでELP を始めイエス、とかクリムソン、ピンクフロイドという固有名詞を聞いただけで結構血が騒いでしまったりします。まあ私自身の青春の音楽といってもいいですね。

ですからそういう私のような人間だとこれじゃ物足りないというのが正直なところですね。私だったらクラシックオーケストラでもっとロック的なアレンジをします。

カクテルに例えて言えば私のアレンジはロックをベースにクラシックというお酒を交ぜるアレンジになると思いますが、吉松氏はクラシックをベースにロック風のエッセンスを少し交ぜたようなアレンジ。という言い方の方がわかりやすいでしょうか?

予告編とか平清盛公式サイトのみとはいえ今まで気がつかなかったのは不覚ではあります。あの子守唄的な「今様」のメロデイの方が寧ろ印象に残っているんで... まあこれは私個人の感想なのでたぶん私とは正反対の印象を持っている人もいるでしょうが..

2月 7, 2012 映画・テレビ | | コメント (1)

2011年10月11日 (火)

NHKのEテレビは民放より頭が柔らかい

さて、既にご存じの通り私が企画したNHKの教育テレビ コーナーがオンエアされました。目玉コーナーにするべく鋭意企画等の構想を練っています。

今日もスタッフの方々と打ち合わせがありましたが、実はこの企画の作業を行なう時に非常に面白いことを実感しました。

おそらく大半の皆さんはNHKの教育テレビー地デジになってからはEテレーというとものすごくお堅い融通の利かないところ、というイメージを持っていらっしゃると思います。

ところが、です。実態は全く違います。
これを聞いて皆さん大変意外にお思いでしょうが、

実は私が見るところEテレのプロデユーサーは民放のプロデユーサーよりはるかに頭が柔らかく柔軟です。

そんなバカな !! と思うかもしれません。が、しかし
はっきりいいます。今回提出した企画は民放なら100%通っていません。

なぜか? 理由は簡単です。
民放の経営はスポンサーで成り立っているからです。
つまりスポンサーが理解できる企画、誰にでもわかりやすい企画でないといけないからです。そしてその企画の大半は電通や博報堂といった広告代理店を通してその企画がスポンサーに提出されます。

そしてその企画が通る決め手は何か? それはコンテンツに素人であるスポンサーでも知っている名前が企画の中に入っているかどうか、

それが全てを決めます。民法のバラエテイを始めドラマ等々に出てくる面子が似たようなものにどうしてもなってしまうのは、スポンサーが知っている名前が出ているのが企画を通す事実上の絶対条件になっているからです。(特に昨今の不況の状況だと尚更です)だからどうしても民放はジャニーズ系AKBばっかりになってしまうんですね。つまりスポンサードされているコンテンツ制作の限界はそこにあります。

NHKは国民の聴取料で成り立っているためそんなものはありません。だからまだ面白いか面白くないかで番組の企画がスタッフによって熱心に議論されます。日本のテレビ制作でまだ健全な部分を残している数少ない分野といっていいでしょう。

だから小学校くらいのお子さんをお持ちの方はおわかりでしょう。最近のEテレはヘタな民放のバラエテイを見るよりはるかに面白いです。とくにお勧めなのは「ピラゴラスイッチ」0655 2355 (元電通で「団子三兄弟」も作った佐藤雅彦氏が企画)他に「日本語であそぼ」を始め知性を刺激する楽しい番組ばかりです。民放の愚民製造機的なバラエテイばかり見ると本当に頭がバカになっていきますがEテレの番組はどれも頭、知性、想像力を刺激し、しかも非常にクリエイテイブな番組が多いと思います。

嘘だと思うのなら是非一度ご覧になることをおススメいたします。

私が現在構想している新しい音楽作品を社会的な認知を高める意味でもこの企画を提出するのが最良の方法だと考え、そのために動いてきました。そしてようやくスタート、これからシリーズ定着のために全力を尽くそうと思います。

ということで続編のオンエアが決まりましたらまたお知らせさせていただきます。
よろしくお願いします

10月 11, 2011 映画・テレビ | | コメント (0)

2011年5月28日 (土)

言論を守るべきテレビ局が俳優の言論や思想を封鎖していいのか?

既に報道でもご存じのとおり、twitterでも炎上状態になっているが

■山本太郎、反原発発言でドラマ降板か

俳優山本太郎(36)が26日までに、福島第1原発事故後、反原発を訴え続けたことでドラマを降板させられたと自身のツイッターで明かした。山本は 25日午後9時40分過ぎにツイッターで「今日、マネジャーからmailがあった。『7月8月に予定されていたドラマですが、原発発言が問題になってお り、なくなりました。』だって。マネジャーには申し訳ない事をした。僕をブッキングするために追い続けた企画だったろうに。ごめんね。」とつぶやいてい た。

 さらに同日の午後11時半ごろにも、「抗議するからTV局、プロデューサー教えて、などなど励まし有難う! 外されたドラマでも、現場には迷惑掛けられ ないから言えない。一俳優の終わりの始まりなんて大した事じゃない。(中略)皆で日本の崩壊食い止めよう!」とつぶやいた。

 山本は4月9日にツイッターで「原発発言やリツイートはCHECKされ必ず仕事干される(中略)だからって黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ。親不孝許 せ」と宣言し、翌10日に東京・高円寺で約1万5000人が参加した反原発デモに参加。さらに23日に文科省前で行われたデモにも参加し、同省が定めた放 射線量年間20ミリシーベルトの撤回を訴えていた。

実はテレビ局が出演者やスタッフ関係者のブログやtwitterをチェックするのはよくあることである。但しそれは目的があってオンエアする番組の情報が事前に漏れないようにチェックするためである。それは少々神経質すぎると思うくらいチェックされ、それくらいテレビ局というのは守秘義務に関する要求が厳しい。

だがこのケースはその守秘義務とは全く本質的に違うものだ。おそらくスポンサーに原発関連か電力関係がいた、というのも影響しているのだろうがしかし仮にそうであってもそれは俳優やスタッフ関係者個人の思想、言論を統制してよいという理由にはならない。業務上の守秘義務とは全く別のものである。

上記の記述がもし事実だとすればテレビ局と仕事する以上、その人間には思想や言論の自由がない、といっているようなものである。山本氏は原発反対というのは1人の人間として行動したのであって、俳優の場合は1人のプロの俳優としての仕事を行なってきた。なぜその2つが混同されなければならないのか。テレビ局と仕事をする俳優もスタッフも日常生活にて自己の意見、考えを述べることは許されないことなのか?

何よりも今回の問題で深刻なのは伝えらる内容が事実だとすれば本来言論を守る府になるべきテレビ局側が山本さんの言論や思想の封鎖を行なったこと。ドラマ部は報道とは部署が違うから関係ない、などというのは言い訳にならない。こんなことが続くようでは今の民放テレビ局に言論の自由を主張する資格などない。

日本はマスメデイアですら成熟していないことをこの事実は示している。いずれどこの局かわかってしまうと思うので、そういう放送局はみんなで視聴ボイコットすべきであろう。それが彼らにとって一番恐い制裁のはずだから

<追記>

山本太郎さんは今回の騒ぎで事務所を離れられました。日本社会がいかに成熟していない社会であるかを証明する事態です。事務所側は「原発関係の降板」の事実を否定していますが、そうだとすれば今回の山本さんの行動と矛盾しており、上記の記述がほぼ事実に乗っ取ったものである可能性が高い、と判断せざるを得ません。。

山本太郎さんの今後のご活躍をお祈り申しあげます

山本太郎、反原発で事務所辞めた「これ以上迷惑かける訳いかない」
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20110527-OHT1T00277.htm

5月 28, 2011 映画・テレビ | | コメント (0)

2011年4月18日 (月)

Jin仁に見る日本のコンテンツの海外市場展開ー良質なコンテンツを創れば自然に道は開ける

昨夜からTBSの『JIN-仁-』始まりましたね。普段地上波のテレビは殆ど見ない私でも今回は非常に楽しみにしておりました。

この『JIN-仁-』村上もとか氏の原作も非常に面白いですが、ドラマとしての展開もよくできています。とかく安っぽい過去のトレンデイドラマの焼き直しのような地上波テレビのドラマにありがちなものと違い、歴史考証もよく考えていながらそこに「タイムスリップ」というSF的な要素を取り入れ、「SF時代劇」という新ジャンルを開拓したというのがいいですね。

しかしただアイデアにおぼれるのではなく、現代と江戸時代末期の医療事情 (現代では当たり前になっている外科手術を行なうことがいかに当時難しかったか等々) に目を注ぎながらそこをめぐる人間ドラマ、人間模様を感動的に描くという「ドラマの基本」はきちんと押さえています。しかも『JIN-仁-』のいいところは並の医療ドラマならとかく「重たく」なりがちなところを、非常に軽いタッチで描いているというのがいいと思います。

主演の大沢たかおもいいですね。劇団で慣らした人だけに自然に南方医師を演じています。周囲の役者もなかなかいいです。脚本がよく考えられているだけに役者が生きてますね。やはりドラマや役者を生かすも殺すも脚本次第だということがわかります。

この『JIN-仁-』は既にご存じのとおり海外80カ国放送が決定しており、海外TV番組マーケットのバイヤーが「もっとも購入したい作品」としてカンヌMIPCOM・バイヤーズ・アワードを受賞しています。これは日本のドラマとしては異例中の異例といっていいです。

■SF時代劇「Jin 仁」海外80カ国放送が決定
http://www.spotlight-news.net/news_eo9sXLBfGA.html

海外では確かに時代劇Samurai Dramaーというのは人気がありますが、それを差し引いてもやはり作品の魅力がなければこれだけ多くの国では買われないでしょう。
勿論海外では殆どの人が坂本龍馬とか西郷隆盛といってもわからないとは思いますが、主役の南方医師は「歴史オンチ」いう設定だったことが、海外で日本の歴史を知らない人でも違和感なく見ることができる、というのもプラスに働いたようです。もっとも歴史にちょっと詳しい人だともっと楽しく見れますけどね。

これを考えるとやはり日本の映像も音楽等のコンテンツも海外で評価される作品を作る、というのが重要だと思います。日本のコンテンツ市場の業界関係者は体質的に国内市場しか見ない体質がり、音楽などは作品を海外で売るなんていう発想など考えてもいないケースが殆どです。しかし海外市場で売れるという「前例」がどんどんできれば、これは制作現場にも間違いなくよい影響を与えるし今回のドラマはかなりお金をかけていることもよくわかります。海外でこれだけ買い手があれば予算をかけられますからね。それでもプロデユーサーの石丸彰彦氏はコメントの中で

『JIN-仁-』という作品を一人でも多くの方に見て頂ける機会が増えたことに喜びを感じながら、今回の「完結編」を、精一杯、地に足をつけて頑張っていきたいと思います。(前後略)

この心を忘れず引き続き良質な作品を作り続けてもらいたいものです、昨日の二時間スペシャルはその期待を裏切らないできだったと思います。

とかくネットの中でのコンテンツについての議論に顕著ですが、コンテンツのありかたを問う時にコンテンツを扱う「システム」にばっかり目が行っている傾向があるように思います。しかし最終的にはコンテンツのクオリテイコンテンツがいかに魅力的なものであるかーが最も重要な点であり、逆にコンテンツが魅力的なものでさえあればコンテンツプロバイダーの方が必ず主導権を握ることができるわけです。従って私はパッケージがもはや不要とかー配信云々とかいうのは結局表面的な議論に過ぎないのではないか、という気がしています。

ただ『JIN-仁-』のような魅力的なコンテンツはそうそう滅多に生まれるものではないことも事実です。どうもネットやハード系の一部の人たちに音楽や映像は「簡単にできるもの」などと思い込んでいる人たちがいるようですが、魅力的なコンテンツを創るというのがいかに大変な作業であり、そうそう滅多に創れるものではない、ということは声を大にしていいたいところです。

だからネットではコンテンツを安売りするのが「市場原理で健全」であるかのような議論がありますが、付加価値のあるコンテンツについては安売りなどする必要は全くないのです。それも一部の人が大好きな「市場原理」でもあることをお忘れなく


4月 18, 2011 映画・テレビ | | コメント (0)

2011年4月 1日 (金)

何が不謹慎? 何が不適切? テレ東に抗議のメール&電話が600件や昨今の過剰な「自粛モード」に鑑み

■「アニメ番組を流すのは不適切」、ーテレ東に抗議のメール&電話が600件

http://www.sanspo.com/geino/news/110401/gnj1104010506019-n1.htm

 

先月の震災発生後から次の日の夜の午後11時55分, 災害報道で最長となる33時間1分の特別報道番組を連続放送。その後レギュラーのアニメ番組「テガミバチ」(土曜後11・55)を放送した。この対応に「アニメ番組を流すのは不適切」などの抗議が殺到したという。

実は先月映画関係者の飲み会がmixi上で企画されていたが、「不謹慎」だといって荒らしをやらかしたバカがいた。何でも「不謹慎」「不適切」という言葉を使えば正当化できると勘違いをする輩がネットでもリアルな社会でも少なくないらしい。

まず、何をもって「不適切」「不謹慎」なのか?

まともな神経の持ち主なら33時間も災害のひどい状況を連続して見せられたら誰だって気がめいるだろう。実際子供の中には繰り返し放送されるテレビ映像をみてPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を呈した子供たちもいた。そのためその合間にアニメやそういった「災害でない」映像を見せることは寧ろ精神を安定させるためにも必要である。この抗議をしていた人たちは何を根拠にそれを「不適切」といって抗議したのだろうか?

それに少なくともこの抗議していた人たちが被災者であるとは考えにくい。まず震災発生後の次の日であり、殆どの被災者は避難するのが精一杯のはず。とてもテレビなど見る時間などあるはずがないし、だいたい被災地の殆どは停電だったはず。放送局に抗議する時間的余裕も精神的余裕もないはず。だとすればいわゆるバカなヒマ人が勝手に「不謹慎」「不適切」という言葉を「荒らし」の道具として使っている可能性の方が高い。

震災直後、イベントやライブの殆どが中止になった。勿論震災直後は交通や電気事情の関係でやむをえなかった面もある。計画停電も最近は行なわれていないようだが復旧していない火力発電所等も多いためまだ正式に終わったわけではない。

とはいえいまだ音楽会、コンサートを開くことを始め、飲み会を開く、その他イベントを行なう等を「不謹慎」「不適切」という雰囲気が根強くある。しかしコンサートをやるミュージシャン。街の飲み屋やレストラン、イベント屋だって生活がある。そのためにミュージシャンもライブをしなければならないし、イベントだってやらないとそれを生業をしている人たちは食っていけない。その生業をやることが「不謹慎」「不適切」なのか?

二十二年前の前の天皇が危篤→崩御の時も過剰なほどの「自粛モード」になった。阪神大震災の時もそうだが、今回の東日本大震災もかなりひどい。

ちなみに有名すぎるほど有名な記事だが、おちまさとさんが『不謹慎』とは何か。 という記事を書いているが私は全面的にこの記事に同意する。

http://ameblo.jp/ochimasato/entry-10830934123.html

あと先月はやむなく中止になった弊社アーチストの奥津恵の3日、日曜日のライブは予定とおり行ないます。寧ろこういう時だからこそ音楽のメッセージを伝えることが重要だとかんがえるからである。

 

 

 

 

 

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4月 1, 2011 映画・テレビ |

2011年3月 1日 (火)

おめでとう トレントレズナー

さて、オスカーから一日明けました。

ここで改めて昨日「ソーシャルネットワーク」のフィルムスコアを担当したトレントレズナーについてふれおきましょう。

トレントレズナーはご存じの方もいらっしゃると思いますがナイン・インチ・ネイルズ のリーダーでアンダーグラウンドのミュージックシーンで注目すべき活動をしてきました。いわゆるインダストリアル・ロックをオーバーグラウンドに持ち上げたバンドといってよく、彼のサウンドはどこか「プログレ」的なエッセンスを私自身は感じますのでかなりサウンド的にも好きなアーチストでした。

もう1つトレントで注目していたのは音楽のネットプロモーションはインターネットの草創期からかなり積極的に行なってきており「先駆け」的な存在でもありました。アルバム無料ダウンロードやツアービデオのBitTorrent配信などを先駆け的に行い。今では当たり前になっているPVのネット公開、やSNSをからめた作品のプロモーションを早くから手掛けていましたが、自分のPCに不正アクセスがあり、データがリークされてしまったたり、トレントが行っていたSNSでのユーザーとの交流を指し、そのSNSにおいて「(ファンである)自分のイメージと実際のトレントが違った」などの理不尽な理由で非難されたり、自身の結婚に対して嫌がらせのような行為を度々行われ、その対策に苦慮したこともあり2009年9月に有名なSNSは「バカが支配している」発言につながりました。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/12/news041.html

ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー氏は、ネットコミュニティーへの参加は「益よりも害の方が多い」という考えに至った。

そんな関係で彼を注目していただけに今回の受賞はとてもうれしいです。

もっとも昨日「劇伴をやるとは思わなかった」と書きましたが、よく考えればトレントデビッドリンチ「ロストハイウエイ」のサウンドトラックのプロデユースもやっており、トニースコット映画『マイ・ボディガード (Man On Fire)』のミュージックコンサルタントも行なっているので、彼が映画劇伴に関わるのは全く不思議なことではありません。「ソーシャルネットワーク」デビッドフィンチャーはミュージックビデオも多数手掛け、無類のロック好きとして有名だし、そのあたりもあって今回の作品はクラシック系の作曲家アッティカス・ロスと共同で担当しました(このあたりもやりかたがニクイ)がいずれ単独で劇伴を担当することもあるでしょう。

私も劇伴、映画音楽系にこれから主軸を移そうと考えているだけに何かトレントと共通の方向を向いているような気がしますね。ネットプロモーションやロングテール手法の限界を感じると結局「映像」の方に言ってしまう。今まさに私の心境も同じです。

それにしても昨日の授賞式のトレント、ちょっと太ったような気も、 まあ人のことは言えませんが...(汗)

 

 

 

 

3月 1, 2011 映画・テレビ音楽11-15 |

2011年2月28日 (月)

第八十三回オスカー受賞者と感想

さきほどロサンジェレスのコダックシアターにて第八十三回オスカー授賞式が閉幕しました。

主な受賞者は以下のとおり

作品賞        King's Speech

監督賞        トムフーパー (King's Speech)

主演男優賞
     コリン・ファース(King's Speech)

主演女優賞     ナタリー・ポートマン (Black Swan)

助演男優賞     クリスチャン・ベール (The Fighter)

主演女優賞     メリッサ・レオ  (The Fighter)

最優秀アニメ作品  Toy story 3

撮影賞         Wally  Pfister (Inception)

編集賞         Angus  Wall and Kirk Baxter (Social network)

最優秀歌曲(主題歌) Randy Newman (Toy story 3)

最優秀音楽       Trent  Reznor and Atticus Ross  (Social network)

その他全部書くスペースはありませんので、他部門の受賞者を知りたい方はこちら (英語です。)
http://www.oscars.org/awards/academyawards/83/nominees.html

これに関する感想は続きを読んでください

結果的には一番大きな賞をKing's Speechが取りましたね。現エリザベス女王のお父さんの話しですが、やはり「イギリス的」なものに何となく動く傾向が今回もありました。映画としては私的には「ソーシャルネットワーク」の方が映画としてよくできていた印象がありますが、あの早口がご年配方には辛かったんでしょうかね? 

「ソーシャルネットワーク」のデビッドフィンチャーは「エイリアン3」の時はちょっといただけない、という印象を持ちましたが、ゲームやミュージックビデオを手掛けた監督ならではのテンポの良さを映画として昇華していった感じがします。

あとやはり私は映画音楽を一番注目していましたが、ナイン・インチ・ネイルズ のトレントレズナーが取ったというのは個人的にはうれしかったですね。まさか劇伴を手掛けるとは思いませんでしたがやはりアンダーグラウンド的なとんがった音が今の映画音楽には必要かもしれません。特に「ソーシャルネットワーク」のような映画には

とにかく私は傍観者ではなく実際の参加者になりたいと考えています。

 

2月 28, 2011 映画・テレビ |

2010年12月17日 (金)

月曜日NHKラジオにて「音楽業界」についてのコメンテーターとして出演します

先ほどNHKのラジオセンターのデイレクターの方よりご連絡いただいてNHKの平日午後五時からオンエアの「私も一言・夕方ニュース」に出演することになりました。

http://www.nhk.or.jp/hitokoto/

テーマは「音楽業界」でどうも私のブログを見て私に白羽の矢をあてたもようです。

NHKですので、せっかくですからこの際洗いざらい云ってしまおうかなとも思ってます。

5年前くらいから音楽業界に対して警鐘を鳴らしていたんですが、業界人の大半は私のいうことに耳を傾けるどころか、脅迫すら行ないました。
あれから状況はどんどん悪くなっているんですが、まだ今に至っても考えを改めようという動きは見られません。

ただ、そうはいっても業界の現状を危惧し応援していただいた業界関係者の方もおられましたのが救いではありますが、

私が出演するのはNHKのAM総合ラジオ午後5時半頃に出演する予定です。

よろしければ聞いてください。
http://www.nhk.or.jp/hitokoto/

 

 

 

12月 17, 2010 映画・テレビ | | コメント (0)

2010年12月12日 (日)

坂の上の雲ー正岡子規の凄まじい芸術家の生き様

坂の上の雲が先週から始まりました。本来は私のもう1つのブログで書いていることなんですが、今日は正岡子規の死を描いた関係で子規の凄まじいまでの芸術家魂について書きたいと思います。

それにしても香川照之の演技はすばらしいです。龍馬伝での岩崎弥太郎も何ともいえない存在感を出していましたが、坂の上の雲での正岡子規の演技は圧倒されました。そして芸術家としての正岡子規の生き様についていろいろ考えるところが出ました。

正岡子規は結核から脊髄に結核菌が入る脊椎カリエスを発症していたとされ、最後はドラマでも描かれていたように殆ど寝たきりの状態だったようですが、逆に病床に付してから創作活動が活発になっている点が特筆すべきです。そして自らの病について述べながらも作品には悲壮感も暗い影もなく、自らを客観視している観もあります。だからその作品には何か人を動かす要素があるのかもしれません。

絶えず自分の死と向かい合わなければならない環境でありながら、そのことを不幸だとも思っていないたくましさを感じます。現代に住む我々はなかなか日常的に死と向き合うことはないですが、死が日常になると逆に人間は強くなるのかもしれません。

子規の最晩年の作品を見て最近の音楽に照らし合わせますと私はある偉大なロックアーチストの事実上の遺作を思い出します。それはQueenの"Made in Heaven"(1995)です。このアルバムが発表されたのは既にフレデイーマーキュリーの死後4年後で、残っていた録音を残りのメンバーがミックス、マスターしたもので殆どはフレデイーHIVの病魔に冒されてからのものです。しかしこのアルバムはQueenが出したアルバムの中でも最も明るい曲が収録されており、既に死と直面していたにも関わらず夢と希望にこのアルバムがあふれていることです。

極限状況にアーチストが置かれると逆に健常者の我々には想像もつかない力が湧き出てくるのかもしれません。勿論実際のMade in Heavenの録音現場は坂の上の雲における正岡子規のような凄まじいものであったことは想像に難くありません。

私はMade in Heavenの"I was born to love you"をオーケストラとバンドのために編曲したことがありますが、逆にこの曲から何かエネルギーをもらっているような感じでこの曲を編曲しました。正岡子規の門人であった高浜虚子、河東碧梧桐、伊藤左千夫、長塚節は皆明治以降の文学運動で大きな力になっていきました。もしかしたら病床の正岡子規から何らかのエネルギーをもらったのかもしれません。

凄まじい生き様だった正岡子規 芸術家とはかくありたい

 

 

12月 12, 2010 文化・芸術映画・テレビ |

2010年11月29日 (月)

龍馬伝の音楽の佐藤直紀氏

さて、NHKの大河ドラマの「龍馬伝」、私個人は一年間楽しませてもらいました。

詳しい感想はこちらをご覧いただくとして

ここでは今年の「龍馬伝」の音楽を担当した佐藤直紀氏について述べたいと思います。

佐藤直紀氏についてはwikiをご参照いただくとして
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9B%B4%E7%B4%80

実は今回の「龍馬伝」の音楽はNHKにしてはかなり斬新な音楽の使い方をしていると思います。賛否両論あるようですが私はかなり劇伴音楽の作品として評価しています。
今回の佐藤直紀の音楽にはインド風の音楽、時にはスパニッシュギターの音楽、また時にはエンヤを思わせるようなサウンド(龍馬が暗殺された時にも使われていました)と実に変幻自在。、歴史ドラマ、時代劇では普通は使わない音楽にしておりそれが不思議に映像にマッチしていました。今までの大河ドラマのクラシック一辺倒のドラマ音楽とは明らかに一線を画しています。武満徹さんが時代劇の映画にガムラン風の音楽を使ったという例がありますが、今回はかなりそれに近いですね。正直聴いていてなかなかやるな、と思いました。

正直私は今までのNHKの大河ドラマの音楽はあまり好きになれませんでした。特にいかにも「芸大的なサウンド」のドラマ音楽には正直壁壁としていました。ちなみに昨年の天地人はド ラマとしては最悪でしたが、大島ミチルさんの音楽はよかった。大島さんはユニット「式部」のメンバーで私はその片割れの篠崎正嗣君と仕事をしたことがあります。やはりポップス的な感覚をきちんと持っている劇伴作家でないとこれからは駄目ですね。

劇伴や映画音楽をやる場合、クラシック音楽の素養は確かに大事です。だけどクラシック音楽の語法だけではもはや不充分といえましょう。私はよく久石譲さんのスタジオでレコーデイングしていましたが、(今のスタジオではなく、前の六本木のスタジオー現在の六本木ヒルズの場所です)久石さんもクラシックが基本だけど、ちゃんとロックやジャズ、テクノといった素養も持っています。だからこそあそこまで成功したのだと思いますね。

佐藤直紀氏もクラシック系は勿論、ポップスの感覚もありかなり幅広い音楽の素養を持っています。なかなか新鮮な感覚のドラマ音楽も楽しませてもらったと思います。

私も負けないようにしなくては


11月 29, 2010 映画・テレビ |

2010年11月12日 (金)

iTunes映画配信開始 1000本以上を販売・レンタル

アップル:日本の「iTunes Store」で映画配信を開始 1000本以上を販売・レンタル

http://mainichi.jp/select/biz/bizbuz/news/20101111dog00m020065000c.html

i Tunes映画配信開始。「1,000本は始まりに過ぎない」 -Appleに聞く。「ソニーが参加するのであれば歓迎」(AV watch)

http://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/20101111_406172.html

まあ正直ついに来たな。という感じ。

アメリカでは映画はもはや配信が中心になっていた関係でブルーレイに関してそんなに関心がわかなかったというが、日本で本格的にサービス開始になりこれが日本の市場にどう影響するだろうか。

一応これから音楽の面で映画に関わろうと思っているのでこの問題は私にとっても大いに関係が出てくる。ファイル形式はi-tunesである以上mpeg4だろうが、気になるのは平均二時間ー二時間半くらいの長さになると思われるコンテンツをダウンロードするのにどれだけ時間がかかるのだろうか。 自分は仕事でファイル形式が違うとはいえ二時間以上のmpeg2ダウンロードするのに半日以上かかった記憶がある。(私の環境は光ファイバーで1Gである)しかし映画一本ダウンロードするのにそんなに時間がかかったらとても普及しないだろうから、何らかの方法で高速ダウンロードできるようにしているのだろう。

こういうニュースでまたパッケージ不要論が台頭すると思われるから次の記事でその点について論じようと思う。

 iTunes Store(Japan)

11月 12, 2010 映画・テレビ |

2010年10月12日 (火)

拙フィルムスコアCGアニメ "Yama-Oni" が取手野外映画祭で「ビアンの会賞」受賞!!

私が音楽を担当したパイロットCGアニメの"Yama-Oni"ですが、取手野外映画祭にて「ビアンの会賞」なる賞をいただきました。

http://www.mrym.jp/torideeiga.html

小さな映画祭の小さな賞ですが、そもそもパイロット版(つまりデモ用)のために作ったもので映画祭に入選などということは全く考えていなかったのが正直なところです。それだけに価値はあると思っています。

私自身は会場にはいっていませんが、プロデユーサーのさかはらさんの話しだと「澄んだ画力が際立っていることはわかった」といっていましたので、まあCGの中村啓さんの画力が評価されたのでしょう。

とはいえ、あくまで制作資金を作るのが目的ですので、これを機会に改めて皆さんの支援のほどをお願い申し上げます。ちなみに目標資金は101万円で、当たり前ですが殆どが実費で我々の手元には殆ど残りません(笑) たぶん最終的にはこれよりもっとかかると思われますが、現在は今回の賞金を入れても三十万余(!) まだまだ先が長いです。(^^:)


改めて今回の"Yama-Oni"です。これをベースに本作品”伝説ー(Legend)" という作品にする予定です。
引き続きこの作品の支援の方をよろしくお願い申し上げます。

詳しくはこちらをご覧下さい。

http://teamoscar.cocolog-nifty.com/teamoscar/2010/09/yama-oni-69cb-1.html


10月 12, 2010 映画・テレビ | | コメント (0)

2010年9月19日 (日)

映画「アポロ13」に見る悪い流れを少しでも変える方法

実は昨日何を思ったか急にトムハンクス主演の「アポロ13」を見ました。

 

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ロンハワード監督の佳作品だが、トムハンクスの演技力からエドハリスの存在感あふれる演技を始め見応えは十分にある。やはり映画っていいもんですね。

ご存じない人のため、NASAが地球から月に向けての宇宙探査プロジェクトで始めて人類が月にたったアポロ12号のあとを受けたアポロ13号、不慮の事故のために月着陸を断念し辛うじて月に帰還した話です。詳細を知ると絶望的状況(ロケットの側面が爆発で吹っ飛んでいた)をいかに克服して3人の宇宙飛行士を帰還させたが、ということが描かれています。内容を見ればみるほど本当に無事に地球に帰還できたのが奇跡に近い状況だったことがわかります。

登場人物は全て実在の人物ですが、細かい部分で史実と違う部分はあります。しかしそれは置いといて、ここでエドハリス演じるジーンクランツ管制官の言葉が今の私たちにすごく参考になるのではないか、と思いましたので引用します。

(事故発生後、狼狽するスタッフに対してクランツ管制官が発した言葉)

1."Let's stay cool people, Let's work the problem. Let's not make situation worse by guessing" 
(みんな冷静になろう、問題に取り組もう、勝手に推定して状況を悪化させてはならない)

2."What's in the spacecraft that is good?" 
(現在のアポロロケット内で使えるものはなんだ?)

3."I don't care about what's this is build to do, I care about what's this can do" 
(何のために作られたなんてことはどうでもいい。この機器が何ができるか、を知りたいんだ)

上記の1.は不慮の事態が発生した時に狼狽したら事態は悪化するだけ、-昔マーフィーの法則(「成功哲学」のジョセフマーフィーとは別人)というのが流行りましたが、不測の事態は発生した時にもがけばもがくほど深みにはまり、事態は悪化します。

これは本当にそうですね。悪いことは重なりますし、冷静さを失ってもがけば事態はさらに悪化します。これは経験上不思議なくらいにそうなりますね。だからこそ冷静になることが必要です。

そして2.の(使えるものはなんだ?)は悪い事態の中でポジテイブなものを捜すことでこれは最悪の事態から切り抜けるために絶対に必要なことです。全てがいい、ということは殆どない替わりに全てが駄目、ということもないんですね。ポジテイブなものを捜すことによって悪い流れを少しでも変えることができます。実際アポロ13号の「奇跡の帰還」はここから始まります。

そして最後の3.は現実を冷静に見て活路を見出せる方法があるかどうか。ここで原則論、建前論は関係なく、「何かできるか」それを踏まえて「どうするのが最善か」を考えることです。結果的にはこれは「奇跡の帰還」につながります。

このクランツ管制官の一連の言動ー実はこれは脚本ではなく本当にこういう発言をしたらしいんですが、これは危機的状況に入った時にどうするのが最善か、を考えるのに参考になるような気がします。

個人的事情からすればここ数ヶ月は私の業務にとって決していい状況ではありませんでした。今少し持ち直し始めていますがまだまだ楽観できません。そんな状況でこの「アポロ13」はある意味勇気を与えてくれた気がします。

音楽業界もかなり絶望的状況ですが、この「アポロ13」が何かヒントを与えてくれるのでは、とも思いますがいかがでしょうか? おっともう業界に関する記事は当面書かないはずでした。

 

 

 

9月 19, 2010 映画・テレビ | | コメント (0)

2010年9月 6日 (月)

CGアニメ パイロット版 Yama-Oni  公開

先日からこの記事で書きましたCGアニメのパイロット版の映像です。

Yama-Oni

<スタッフ略歴>

さかはら あつし 企画、プロデュース

1966京都生まれ。

2001年「おはぎ」(アソシエートプロデューサー)がカンヌ映画祭でパルムドール賞受賞

2005年「Destined(短編)」を監督(未発表)

2010年、自伝「サリンとおはぎ」を発表。

ストーリーの開発を得意にする。

Kei (Kei Nakamura)CG制作、脚本
1977年山梨県生まれ。金沢美術工芸大学卒。CGアーティスト/デザイナー。
CGについては大学卒業後、一年間独学で習得。六年間ゲーム会社に勤務後、個人事業主(フリーランス)に。日頃、CGデザイナーとして多くの業務に従事する。 自主制作については、3Dをベースにリアル/アニメ調を使い分ける。

2008年作品「美吉野の炎」など。
ツールはLightwave3D、3dsMAX、Z-Brush、Photoshop、AfterEffects、Flash、Illustrator等。

大野 恭史楽曲制作
作曲,作詞,編曲,ピアニスト キーボード奏者。

ロックバンドのメンバーやヒーリング音楽の作家として多方面で仕事をする。

ゲームーリトルラバース(1996,98)、映画ー戦慄の閉鎖病棟(1999)、ドラマー君にしか 聞こえない-Calling you(2003) アーケード版ゲーム機動戦士ガンダム-G-BOS 国内外の映画祭で受賞した「俺たちの世界」等の映画音楽劇伴音楽を手掛ける。

またロック名曲をオーケストラにアレンジした「ロックサウンズウイズサロンオーケス トラ」の編曲、プロデュース 21年ぶりに復活するリリーズのアルバムやコンサートのアレンジもてがける。

9月 6, 2010 映画・テレビ | | トラックバック (0)

2010年8月28日 (土)

CGアニメのフィルムスコア

現在CGアニメの音楽のフィルムスコアを制作しています。

このCGアニメは最終的には20分ほどの短編ものになりますが、まずはその前段階である1分45秒くらいのパイロット版の制作を行ないます。CGの映像は非常に完成度の高いものでアニメ、といってもいわゆるアキバ系のようなものではなく、強いていえば雰囲気だけですがジブリに近いかもしれません。しかしCG画像はこのクリエーター独自の個性がよく出ているものになっていると思います。

実は先日の打ち合わせでは後半部分は本当に骨組の部分ースケルトンーしかできていなかったんですが今日はその残りの作業を行ないました。まだ楽器の音を削ったり、あるいは足したりする必要の部分があると思うので、もう少し検討した方がいいかもしれません。週明けにはCGクリエーターにTDまできちんとした音楽ファイルを送る予定です。

今回はあくまでパイロット版ーいわばデモ用の作品ーなのでこれは第一歩というよりまだ第0歩といったほうがいいかもしれません。出来上がり次第Webでも公開する予定です。あとはWeb公開から本チャンの制作にいつ開始できるかは映画プロデユーサーのSさんの力次第です。Sさん、でも本気になっているようなので期待はできますが..

尚、以前の話からすればちなみにこのコンテンツ非商材コンテンツになります。だからWebで無料公開するわけですが..

できあがり次第公開します。乞うご期待。


8月 28, 2010 映画・テレビ |

2010年7月25日 (日)

「CX26時間テレビ」ー今の地上波テレビは「愚民製造機」

昨日まで家族旅行行っていたのだが、帰るなり娘がCXの「26時間テレビ」を見るにつけ、やはり相も変わらずくだらんお笑いをやっているなあ、と思ってしまった。
まあ私は日テレの「24時間テレビ」に対しても批判をしたが一応あれはまだ、その実施方法、手段等には問題があるが一応建前上「チャリテイー」という大義名分があった。しかしCX「26時間テレビ」はいまだにどんな意味があるのかさっぱりわからない。ただ延々とお笑い連中がどうみても内容のないバラエテイーを流しているだけである。それも芸をしているんじゃなくて、アホな失敗や「いじめ」に近いしうちにして視聴者のお笑いを取る手法。 これは「笑わせている」のではなく「笑われているーつまり嘲笑されている」状態である。

芸人は本来なら自分の実力で笑わせるものだと思うが、今の芸人はカメラの先にある視聴者の顔色を窺ってるだけ。というか、そうじゃないとテレビメデイアに出れないようになっていると思われる。 こんなものを見ていると脳みそが溶けそうで耐えられん。

あるいは、権力者がマスメデイアを使って一般庶民の「脳みそ」を溶かし、庶民全員を「思考停止」させ、ただメデイアや権力者のいいなりになる国民に洗脳する

もしかしたらそれがメデイアとそれを操る権力者たちの本当の目的なのか?

注:マスメデイアが権力と対立する、などというレトリックを本気で信用している人間はいないだろう。記者クラブの例を見る間でもなく、権力者たちの情報操作に加担しているのは明らかである。

そう勘ぐりたくもなる。

今の視聴者が求めているのは「芸」ではなく「嘲笑」

同じように音楽も伝えたい音楽なんか全く求められていない。ただメデイアのBGMと化し使い捨てにされるものしか求められていない。

あえていう、

音楽にしろ、「お笑い」を始めとする「芸」にしろ、そして勿論アートにしろ、地上波のテレビが全て駄目にした、といっても過
言じゃないと思う

はっきりいおう 今の地上波テレビは「愚民製造機」である

もしこれがこの国の権力者たちの陰謀だったとしたら ?


音楽、アート、芸能。全てを使い捨ての消耗品にして、メデイアを通して権力者のいいなりに気がつかないうちにさせられているとしたら?

あなたはそれでも地上波のテレビを見続けますか?

だが、残念ながら、 この国はおそらく永久に地上波のテレビがダントツの影響力を持ち続けるだろう。
少なくとも日本ではそれは揺らぎようがない。残念ながら...

「オレはテレビなんか見ない」なんているネット小僧も、ブログや掲示板に書いている内容を見れば地上波のテレビで話題になっていることばかりだ。 ブログにしても2ちゃんにしたって、結局は地上波テレビねたの記事が圧倒的にアクセス数を稼いでいる。 これは否定しようがない紛れもない事実だ。

ここが変わらない限り、文化の使い捨て状況は続くだろう。
そしてテレビが作る大量の愚民が、文化、芸術の存在価値を理解する必要性というものに関して極端なほど鈍感になっていく。

それはもう絶望的なほどにだ。

誰かがこれを変えなければならない。 いっそのこと地上波テレビは全てつぶれてくれないか、とさえ思う。
でないと、21世紀後半には殆ど「文化」「芸術」というものがこの世から消え去ってしまうであろう。

そしてそうなっても愚民製造機である地上波テレビによって洗脳された人々の大半はそれに対してなんとも思わなくなるだろう


7月 25, 2010 映画・テレビ |

2009年11月20日 (金)

映画「俺たちの世界」公開にあたって

さて、しつこいようですが明日から渋谷ユーロスペースにて私が音楽を担当した映画「俺たちの世界」が公開されます。一日一回のみのロードショーですが国内外で受賞し数多くの映画祭で高い評価を得た作品。是非皆さんに見ていただきたくお願い申し上げます。

日時:11月21日より 16:30ー18:20 回、一日一回上映です。(終了日未定)
前売りチケット¥1300 当日..1800
渋谷ユーロスペース「俺たちの世界」ページ http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=239
Euro_map
尚、映画のワンシーンのサウンドトラックや音楽による「俺たちの世界公開記念ー再び勝手にサントラ2」が聴けます。映画のトレーラー(予告編)とはまた違った感じイメージが伝わると思います。

soundtrack_oretachi2.mp3をダウンロード

この映画音楽の作業を行なったのは今から3年前ですが、一度固まったものを何回も手直しして現在の形になりました。実際には今映画で使われている場所の倍以上のシーンで使われていたんですが、結局監督の判断で今のような使われ方に落ち着きました。

まあたいてい映画音楽や劇伴、アニメその他の音楽を書くと実際使われている音楽の倍以上の数の曲を作ります。場合によっては「このシーンでは使わないだろう」と思われる場所でも音楽を用意します。なぜならいつどこで「ここに音楽が欲しい」といわれるかわからない場合があるからです。実際私はMAスタジオである映画監督が急にこのシーンに音楽が欲しいと言い出して大慌ててシンセを弾いて対応した、なんていう苦い経験もあります。(笑) だから音楽は多めに用意する必要があるんですね。

さて、「俺たちの世界」中島良監督にこの映画のワンシーンを初めて見せてもらった時に思わず映像に釘付けになったのを覚えています。作品を見ているうちにこの映画は病んでいる現代を鋭くえぐった作品であることがわかり、たちまちこの映画の音楽を創りたいという衝動にかられたのを覚えています。映画自体は明らかにキューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」の影響を強く受けているのがわかったので、キューブリック映画も何回も見て自分で映画音楽に対する考えをまとめました。

勿論その時点で受賞作品になるとは思ってもいませんでしたが、この映画に関った時から必ず注目される作品になる、という確信がありました。その確信は間違っていなかったと思います。

中島良監督は商業映画の世界に入りかなり試練があったようですが、彼ならいつか乗り越えるだろうと思い心配していませんでした。それはプロとして仕事する以上、誰もが一度は通る道ですから..

とにかく今回の公開でできるだけ多くの方に見ていただき、監督の次のステップにつながってくれればいいと思います。そしてできるだけ早い時期にまたいっしょに仕事をしたいと思っています。

関西での上映情報は下のとおり 大阪は11月28日から、京都は12月12日からです。

・大阪第七芸術劇場
こちらはレイトショー公開です。

公開日時:11月28日 (土)~12月4日 21:00ー
会場地図
Oosaka_map
さらに12月12日より京都シネマにてロードショー決定!!
上映時間未定、詳しくは劇場にお問い合わせ下さい。

住所:京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON烏丸3F
電話番号:075-353-4723
HP: http://www.kyotocinema.jp/index2.html

Kyoto_map

またチケットは劇場窓口。その他「ファミリーマート」「サークルKサンクス」でオンラインチケットを購入することができます。

前売り券はこちらからもお申し込みできます
「俺たちの世界」公式サイト   http://peijafilm.com/

11月 20, 2009 映画・テレビ | | コメント (0)

2009年11月 6日 (金)

映画「俺たちの世界」が11月21日から渋谷ユーロスペース他にて公開!!

久々にこの話題です。

大野が音楽を担当し、国内外で多くの賞を受賞し数多くの国際映画祭で公開された映画「俺たちの世界」(中島良監督)が11月21日渋谷ユーロスペースにてロードショー決定!!
忘れている方のために「俺たちの世界」はこんな映画です。

第二十九回ぴあフィルムフェステイバル審査員特別賞 他2賞受賞作品

第七回ニューヨークアジア映画フェステイバル最優秀新人賞受!!!

作品は世界の映画祭で高い評価を受けました

第26回バンクーバー国際映画祭 ドラゴン&タイガー・アワード (カナダ)
第37回ロッテルダム国際映画祭(オランダ)
第7回ニューヨーク・アジア映画 フェスティバル 最優秀新人作品賞 (アメリカ)
第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭 (アメリカ)
第5回メキシコ市国際近代映画祭 (メキシコ)
第14回ブラッドフォード国際映画祭 (イギリス)
ニッポンコネクション 日本映画祭 (ドイツ)
日本映画祭LA (アメリカ)
第10回バルセロナ・アジア映画祭 (スペイン)
第16回レインダンス映画祭 (イギリス)
マサチューセッツ工科大学 上映会 (アメリカ)
第10回ノルチェピング国際映画祭 (スウェーデン)

「俺たちの世界」

出演:谷口吉彦,秦ありさ,奥津サトシ,村上連,赤穂真文,夏柊ナツ/ギー藤田 他

監督・脚本・撮影・編集:中島良
音楽:大野恭史 録音:宮田睦子 メイク:加藤貴世、知野香那子 

プロデュース:尾道幸治 助監督:松下洋平 美術:宮古優美子、佐久間球壱 制作:長瀬拓 バイオリン:斎木なつめ ピアノ:早川真美子 

CG :加藤恒重、粟路理栄 

スタント:柏木カズアキ 宣伝美術:市川愛奈 照明:大島孝雄

・渋谷ユーロスペース公開時間決定!!

11月21日より16:30- 18:20 の回、一日一回上映です。(終了日未定)

またチケットは劇場窓口。その他「ファミリーマート」「サークルKサンクス」でオンラインチケットを購入することができます。
詳しくは11月7日発売のチケットぴあを参照してください。

前売りチケット¥1300 当日\1800 こちらからもお申し込みできます

http://peijafilm.com/ticket

「俺たちの世界」公式サイト   http://peijafilm.com/

渋谷ユーロスペース「俺たちの世界」ページ http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=239

<関西上映予定> 

・大阪第七芸術劇場

こちらはレイトショー公開です。

公開日時:11月28日 (土)~12月4日 21:00ー22:25

http://www.nanagei.com/movie/data/370.html

会場地図

http://www.nanagei.com/access/access.html

というわけで是非皆さん。ご覧下さい。

11月 6, 2009 映画・テレビ | | コメント (0)

2009年6月28日 (日)

「俺たちの世界」がImdb (Internet movie data base)に

はい、久しぶりにこの話題です。(^^)

やっと、といっていいと思いますが私が映画音楽を担当した中島良監督の「俺たちの世界」が世界最強の映画のデータベースであるImdbに登録されていることがわかりました。

中島監督知っていたのかな? 教えてくれればいいのに

Oretachi no sekai (2007)
http://www.imdb.com/title/tt1418206/

中島監督のImdbもありました。
Ryo Nakajima
http://www.imdb.com/name/nm3408058/

実は私のもあります。
Kyoji Ohno
http://www.imdb.com/name/nm0645152/

私は更新することができますが、誰か私のプロフィールに「俺たちの世界」のことを入れてくれたんですね。既に更新されています。これで別のところから映画音楽の依頼とか来るといいんですけどね。


世界的にも正式にきちんとした「映画作品」として認められた証拠です。これによって映画アカデミーのデータとして自動的に扱われます。

あとはこのプロフィールにどれだけたくさん上乗せできるかですね

6月 28, 2009 映画・テレビ | | コメント (0)

2009年6月11日 (木)

イル・ポスティーノ

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たまたまWOWOWをつけたらやってました........
久しぶりに見ますが私の大好きな映画です。チリの詩人でノーベル文学賞を受賞したパブロ・ネルーダと郵便配達人の心温まる映画ですが、悲しい話でもあります。
ネルーダ役に「ニューシネマパラダイス」で映画館の技師役をやった故フィリップノワレ、音楽は私の大好きなルイス・エンリケ・バカロフー 同じく私が敬愛するエンニオ・モリコーネ先生と並ぶマカロニウエスタン映画音楽の作曲家です。この人は実はイタリアロックバンドにも多くの曲を提供したことで知られています。

バカロフはイタリアに住んでいますが、アルゼンチン出身です。そしてこの映画ではそのアルゼンチンの楽器であるバンドネオンをフィーチャーしたテーマ音楽になっていますが、本当に美しいすばらしい曲です。この曲のおかげで最後のシーンは本当にジーンときます。やはり映画音楽はこうありたいですね。こういう映画音楽を作ってみたいです。シチリアの美しい海がさらに映像を美しくしています。

ちなみにこの映画で郵便配達人役のマッシモ・トロイージはこの映画撮影終了後に心臓病で帰らぬ人となりました。もうこの映画が公開されて15年たつんですが主役二人とも故人になってしまったんですね。

BSのテレビとはいえ、久々にいい映画に見入ってしまいました。

ちなみにwikiにパブロ・ネルーダの写真が掲載されていますが、この映画でネルーダを演じたフィリップノワレ 本当にそっくりです。この役はノワレのためにあるみたいですね。

6月 11, 2009 映画・テレビ | | コメント (0)

2009年2月23日 (月)

アカデミー賞ーOscar 2009

■アカデミー賞、「スラムドッグ$ミリオネア」が最多8冠

http://special.reuters.co.jp/contents/oscar2009.html

いろんな雑務等に追われ、ゆっくり見る暇がなかったが...

インドの貧しい少年が愛と金を求めてテレビのクイズ番組に挑戦するストーリーらしいが見てみたい映画だ。日本では4月公開予定

個人的には「ダークナイト」で鬼気迫るジョーカーを演じたヒースレジャーが受賞できたのがよかった。処方薬の過剰摂取が原因での死のようだが惜しまれる。死去後にアカデミー賞を受賞したのは、1976年のピーター・フィンチ以来2人目で、今回受賞したオスカー像は、レジャーの3歳の娘マチルダちゃんが18歳になったときに贈られることになっているという。本当に惜しい俳優を亡くした。心からご冥福をお祈りします

主演女優賞:「愛を読むひと」のK・ウィンスレット
助演女優賞;、「それでも恋するバルセロナ」のP・クルス
主演男優賞:Milk(原題)」のショーン・ペン


個人的には気になる映画音楽は今回8冠の「スラムドッグ$ミリオネア」インド人のA.R. Rahman。主題歌も「スラムドッグ$ミリオネア」の同じくRahman氏による"Jai Ho"となった。 ところでJai Ho"や"Say-yo"の時にインド舞踊とインドパーカッションの後ろで叩いていたのは和太鼓だったが、音楽に和太鼓が使われいたようだ。そこのつながりがどうなっているのか興味あるところである。

よい映画音楽の映画作品は是非見てみたいし、個人的には見なければならないと思っている。

それにしても「スラムドッグ$ミリオネア」は有名スターなどは出演していない、予算も殆どなく実質自主映画といってよい映画でもアカデミーでこれだけの賞を獲得できるというのは面白い。大スターがいるからオスカーを取れるとは限らないということだろう。

また今回は日本人の作品がオスカー受賞した。「外国語映画賞」に滝田洋二郎監督の『おくりびと(英語題:Departures)』そして短編アニメーション部門でも加藤久仁生監督作品『つみきのいえ』が受賞。

あと詳細を知りたい方は英語ですが http://www.oscar.com/

日本人の作品が海外で評価されるのはいいことだが、肝心のコンテンツや権利を尊重する体制が呆れるほど貧弱なのが心配。先の経済産業省の官僚の発言を見ると本当に情けなくなるし、日本の文化の行く末を案じずにはいられない。

2月 23, 2009 映画・テレビ | | コメント (0)

2009年1月 9日 (金)

収入減を嘆く前に少しは見るに堪える番組を

■収入減を嘆く前に少しは見るに堪える番組を(日刊ゲンダイ)
http://news.livedoor.com/article/detail/3967213/

まあだいぶ前からわかりきっていたことなのでブログに書こうかどうか迷っていたけど、ここでテレビ界の構造的な問題が事態をさらに悪化させていることが見て取れる。

まず、広告収入源をそのまま制作現場にしわよせさせている現状ー制作費は大幅にカットされ、下請けや孫受けの会社のスタッフは普通の人が聞いたら驚くほどの低賃金で働かざるを得ない状況にある。一方で放送局のアナウンサーを始め経営者たちは普通の会社の平均の数倍の給料を取っている。まず、ここにメスを入れないと駄目だろう。

番組制作スタッフの人たちの現状には寧ろ私は同情する。今の状況は13年くらい前に制作費が大幅にカットされた音楽制作の現場と全く同じである。

加えて費用対効果の大きいネットのアフィリエート広告が既にラジオを超えている現状では、マスメデイアの広告のビジネスモデルはかつてのような花形にはならないだろう。テレビ局の幹部で「景気がよくなればまた広告費は戻ってくるさ」などと発言した人がいたようだが現状認識が甘いといわざるを得ない。

知り合いのライターが最近のおバカブーム、おそろしく低レベルの番組を見る若者を批判したらその番組を支持する若者から非難轟々だったようだが、こういう番組を見て本当に楽しいと感じている若者が少なくないというのは残念ながら悲しいことだ。

ただ若い人に関して少し弁護させてもらうと、10-20代でも逆に我々がたじたじになるほどしっかりしている人間も少なくない。私の周囲に結構そういう人はいる。

要は「知の格差」が10-20代で極端なほどあるような気がする。これも小泉新自由主義や世代的に云って「ゆとり教育」の弊害の一つかもしれない。
その中でテレビとしては高いレベルの人に合わせるよりは低いレベルの人に合わせたほうが視聴率がまだ取れる、だからどんどん内容のない、くだらないものになっていく、 というのが構図だろう。

一番の問題はテレビやネットでもニュースのヘッドラインのみだけで「自分が全てをわかっている」と思い込むー私は「わかったつもり症候群と読んでいますが」-人間が非常に増えている点だろう。

だから「君はわかっているつもりかもしれないが、実は何もわかっていないんだよ」ということを上の世代がうまく教えなければならない。10-20代でも知の上のレベルの人たちは逆に「自分が全てを理解していない」ということをわかっている。低い人ほど「自分は何もわかっていない」ということを理解していない、認識していない傾向がある。

あと若い世代のほぼ共通する「実体験の乏しさ」も問題だろう。「わかったつもり」状態の今の若者が音楽や映画を語るのは、一流シェフの料理の味も知らないでグルメを語るようなものである。「本物」彼らのしらないもっとよいものが存在するにも関らずそれについて知ろうともしない、無関心な状態でいつづけるというのが大きな問題だ。それは上の世代の人間が何とかその良さを教えようとする努力をしないといけないだろう。

いずれにせよ景気が本格的な回復軌道に乗るのはどんなに早くても2年後というのがエコノミストの大半の意見だし、テレビ局も現行の番組は殆ど投げた状態で2011年7月をにらんだ番組制作の準備(前にもいったように有料番組も含む)に主軸を置いているかもしれない。特に「有料番組」が出てきた時に現在の低レベル番組しか興味のない若者たちが見たい番組などなくなってしまうかもしれないつまり「知」と「情報」の格差が今以上に広がる危険性がある。

<お知らせ>

最近またスパムコメントが増えましたため当分の間コメント書き込みを中止にします。特に若干一名(ログは大阪ですが)執拗にスパムを繰り返す輩がいますので、非常に迷惑ですからやめてください。

ブックサービス

1月 9, 2009 映画・テレビ |

2008年12月 7日 (日)

地上波テレビの衰退と「広告」ビジネスモデルの崩壊

■赤字の日本テレビが昼とゴールデンで大ナタ
http://netallica.yahoo.co.jp/news/57757

TBSに続き日本テレビも制作費大幅削減

最近の日テレからTBS,フジまでがよく見るとテレビ東京やUHFでしかオンエアしていなかったようなCMをスポットで流している。いわゆるキー局はスポンサーにも審査があり、この手のスポンサーはお断りしていたはずだが、もう背に腹は替えられなくなったということだろう。しかしそれらを入れたところで焼け石に水、広告費収入の減少に歯止めがかからない。

この経済状況では当然だろう。今年はまだいい方。来年はあらゆるデータを見ても今年より相当悪い。おそらく1930年代なみの世界大恐慌になる可能性が高いともいわれている。そんな状況で広告費によるビジネスモデルは果たして維持できるのか、という根本的な疑問が起きる。

実は2011年の7月に地上波デジタルに完全以降してから番組の内容はおそらく現在とはガラッと変わるといわれる。何が変わるかというと驚くなかれ地上波にも「有料番組」が登場する。つまり有料化の手続きをしないと見れない番組が出てくる。これは民放各局現在最終検討の段階に入っており、この状況では間違いなく決定されるだろう。つまり地上波だから「全ての国民向け」とは限らなくなるのだ。

となると音楽の世界での「地上波タイアップ」の構造もこの時に劇的に変わらざるを得なくなるだろう。つまり地上波タイアップによる波及効果のオプションは現在より大幅に限定されるものにならざるを得ない。

来るべき世界恐慌、そしていわゆる「地デジ」による番組コンセプトそのものの変化、早ければ来年からその実験が始まるかもしれない。となると「マス広告=マスメデイア」というビジネスモデルの時代が終了する。

12月 7, 2008 映画・テレビ | | コメント (0)

2008年7月18日 (金)

DVD発売日に吉報!! 映画「俺たちの世界」がアメリカNYAFFで最優秀新人作品賞を受賞!!

昨日<追記>で既にお知らせの通り本日は映画「俺たちの世界」のDVD発売日ですがその前に海外から吉報が舞い込んできました!!

第7回ニューヨーク・アジア映画フェスティバルで
最優秀新人作品賞(Best Debut Feature )を受賞しました!!

http://subwaycinemanews.com/

Best Debut Feature
Ryo Nakajima for THIS WORLD OF OURS


NYAFF 俺たちの世界のページ
http://www.subwaycinema.com/index.php?option=com_content&view=article&id=66&Itemid=80

海外の映画祭で受賞したのは初めてです。こちらの会場も上映日全て立ち見が出るほど盛況だったそうです。

これで国内だけでなく海外の受賞作品になりました。
今年の十月には独立系の映画祭では世界最大となるあのレインダンス映画祭に招待作品として上映されます。

DVD発売日に吉報が舞い込みました。 大きなはずみがつくと思います。

というわけでまだこの作品を見ていない方、是非ともDVDでお買い求めいただければ幸いです。今後とも応援のほどをお願い申し上げます

7月 18, 2008 映画・テレビ |

2008年7月17日 (木)

映画「俺たちの世界」DVD いよいよ明日7月18日全国発売!!

さて、兼ねてからお知らせの通り私大野が音楽を担当した中島良監督の映画作品「俺たちの世界」(中島良監督)DVDが明日全国のビデオショップ(ネット含む)で発売されます。

「俺たちの世界」は既に全世界7カ国の映画祭で上映されました。

・ぴあフィルムフェステイバル三部門受賞
・バンクーバー国際映画祭参加作品、
・ロッテルダム国際映画祭招待作品
・第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭 (アメリカ)
・第5回メキシコ市国際近代映画祭 (メキシコ)
・第14回ブラッドフォード国際映画祭 (イギリス)
・ニッポンコネクション 日本映画祭 (ドイツ)
・日本映画祭LA (アメリカ)
・第10回バルセロナ・アジア映画祭 (スペイン)
・第7回ニューヨーク・アジア映画フェスティバル(アメリカ)
・第16回レインダンス映画祭(イギリス 2008年10月1-15)

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世界中の映画クリテイックより高い評価を得ることができた映画「俺たちの世界」
(中島良監督)。是非ご覧下さい。

予告編はこちら

「俺たちの世界」 ADE-874 (JANコード:4562102158745)
発売元;エースデュ-ス   
定価 ¥3990

監督・脚本
撮影・編集 : 中島 良

音楽 : 大野恭史

録音 : 宮田睦子
メイク : 加藤貴世/知野香那子
プロデュース :尾道幸治
助監督 : 松下洋平
美術 : 宮古優美子/佐久間球壱
制作 : 長瀬 拓
バイオリン: 斎木なつめ
ピアノ : 早川真美子
CG : 加藤恒重/粟路理栄
スタント : 柏木カズアキ
宣伝美術 :市川愛奈
照明 : 大島孝雄

出演 : 谷口吉彦/秦 ありさ/奥津サトシ/村上 連/赤穂真文/夏柊ナツ/小川武倫/松下愛子/羽柴裕吾/ギー藤田/加藤亮佑/長谷川草太/荻原達也/華沢レモン/宮脇崇誌

既に多数の予約が来ています。Amazonなら\3990 → \3072に !!

<追記>

もう日付変わって発売日ですが、その直前に中島監督から吉報が舞い込んで着ました。

第7回ニューヨーク・アジア映画フェスティバルで
最優秀新人作品賞(Best Debut Feature )を受賞しました!!


http://subwaycinemanews.com/

Best Debut Feature
Ryo Nakajima for THIS WORLD OF OURS

NYAFF 俺たちの世界のページ
http://www.subwaycinema.com/index.php?option=com_content&view=article&id=66&Itemid=80

告!! 映画「俺たちの世界」が11月21日から渋谷ユーロスペース他にて公開!!

多くの海外の映画祭で上映され、高く評価され世界中に衝撃を与えたこの作品、いよいよ日本国内で凱旋上映となります。

 

・渋谷ユーロスペース公開時間決定!!

日時:11月21日より 16:30ー18:20 回、一日一回上映です。(終了日未定)
前売りチケット¥1300 当日..1800
渋谷ユーロスペース「俺たちの世界」ページ http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=239
Euro_map
・大阪第七芸術劇場
こちらはレイトショー公開です。

公開日時:11月28日 (土)~12月4日 21:00ー
会場地図
Oosaka_map
さらに12月12日より京都シネマにてロードショー決定!!
上映時間未定、詳しくは劇場にお問い合わせ下さい。

住所:京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON烏丸3F
電話番号:075-353-4723
HP: http://www.kyotocinema.jp/index2.html

Kyoto_map

またチケットは劇場窓口。その他「ファミリーマート」「サークルKサンクス」でオンラインチケットを購入することができます。

詳しくは11月7日発売のチケットぴあを参照してください。 こちらからもお申し込みできます
「俺たちの世界」公式サイト   http://peijafilm.com/
というわけで是非皆さん。ご覧下さい。

7月 17, 2008 映画・テレビ |

2008年3月12日 (水)

久々にこの話題ー 映画「俺たちの世界」 海外で大絶賛!!

昨年の忘年会以来、監督とはちょっとご無沙汰ですが、久々に海外の映画関係のウエブを見ていたら映画「俺たちの世界」に関するコメントをたくさん見つけることができました。これはここ数ヶ月で海外の映画祭で次々と上映されており、同じ年にPFFでグランプリを取った「剥き出し日本」よりも海外の上映回数が圧倒的に多いことからもいかにこの映画が注目されているかがわかります。

既に ・バンクーバー国際映画祭  (2007年 9月27日ー10日12日)

     ・ロッテルダム国際映画祭(開催期間(2008年1月23日ー2月3日)
http://professionals.filmfestivalrotterdam.com/eng/search/film.aspx?id=%207b3b60cc-6c1f-4c8c-9d16-9428ce2050b3

     ・第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭(2008年 2月7日ー2月19日)
http://sfindie08.withoutabox.com/festivals/event_item.php?id=13135

   ・第5回メキシコ市国際近代映画祭
http://www.ficco.com.mx/ 
上映日 未定

   ・第14回ブラッドフォード国際映画祭 (現在開催中)
http://www.nationalmediamuseum.org.uk/bff/2008/

での上映を終え、まだまだ以下の映画祭でも上映予定です

1.ニッポンコネクション 日本映画祭(ドイツ) 開催日時:2008年4月2日(水)~6日(日)http://www.nipponconnection.com/

2.日本映画祭LA (アメリカ) 2008年4月11日(金)~17日(木)
http://www.jffla.org/
http://www.jffla.org/movie_oretachi.html

3.第10回バルセロナ・アジア映画祭; 2008年4月25日(金)~5月4日(日)
http://www.baff-bcn.org/
がまだ予定されています。

わずか3ヶ月で世界7カ国、昨年9月のバンクーバーを入れると八カ国で上映されるわけですが、その関係で海外でいろんなレビューが出ます。

アメリカの映画関係者で脚本家Imran Jaffery 氏のレビュー。2007年の映画ベスト15に「俺たちの世界」を入れています。

http://www.indietalk.com/showthread.php?p=63388#post63388

特にびっくりしたのは天下のニューヨークタイムズに載ったこと。一階の自主映画がここで取り上げられるなんてことは普通めったにありません。ニューヨークタイムズ誌の映画担当の記者Jason Buchanan氏が監督に注目しているようです
http://movies.nytimes.com/movie/419936/This-World-of-Ours/overview

その他サンフランシスコ周辺のmovietimes.com
http://bayarea.mrmovietimes.com/movies/This-World-of-Ours-Oretachi-no-Sekai.html

正直いって「引きこもり」(hikikomori) という英語等に翻訳できない、日本独特の現象が海外から興味を持たれたという面はあると思います。海外の記者もその現象を興味津々で見ていたのも事実ですが、やはり映画のテーマー最近の若者の心の影の部分をするどく描いているところをかなり評価しているようです。

いずれも英語ですが共通するのはこの映画が「時計じかけのオレンジ」の明白な影響に気づきつつも中島監督を"a talent to watch"(注目すべき才能)、そして映画の印象を"stunning"(インパクトのある映画)と評していることです。ぴあの審査員との相性は正直かなり悪かった監督ですが、海外では正当な評価を得ているかもしれません。私も始めて「俺たちの世界」の映像を見せてもらった時「日本よりも海外の方が評価される映画なのではないか」といったことがありますが、少なくとも日本よりも海外(というより欧米)の方が映画をきちんと評価しているように思えます。


3月 12, 2008 映画・テレビ | | コメント (0)

2008年2月25日 (月)

2008年アカデミー賞結果!! ノーカウントリー観てみたい!!

さて、先ほど2008年の映画のアカデミー賞、オスカーが発表された。音楽の人間とはいえ映画音楽の分野で少し映画の世界に関っているのと、個人的にやはり映画が好きなので毎年どうしても見てしまう。ある意味では先日のグラミー以上に興味を持って見ているかもしれない。

今年は第八十回のアカデミー賞ということで、先日のグラミーが五十回目と結構節目の年なのかもしれない。歴史のないアメリカだけに逆に歴史を大事にする国だから過去の受賞のシーンがふんだんに上映された。

全部書くと大変なので主な部門の受賞者は以下の通り。尚、原題は日本公開時に変わることがあります

作品賞 : ノーカウントリー (原題:No Country for old men) コーエン兄弟、スコットルーデイン

監督賞 : ノーカウントリー (原題:No Country for old men) コーエン兄弟

主演男優賞:ダニエル デイ ルイス ;原題:There will be Blood

主演女優賞:マリオン コッテイラール ;エデイットピアフ(原題:La vie in Rose (バラ色の人生))

助演男優賞:ハビア バルデム  ;ノーカウントリー (原題:No Country for old men)

助演女優賞:テイルダ スイントン ;フィクサー 原題:Michael Clayton

作曲賞 ; ダリオ マリアネッリ ;つぐない 原題:Atonement

主題歌賞: Falling Slowly(グレン ハンザード、マルケッタ イルグローバ) ; 原題:Once

メイクアップ賞:Didier Lavergne and Jan Archibald ;エデイットピアフ(原題:La vie in Rose (バラ色の人生))

最優秀外国映画; ヒトラーの偽札:原題The Counterfeiters (オーストリア)

これ以外の情報を知りたい方は英語ですが
http://www.oscar.com/nominees/index?pn=index#20_BestActressNominationCategory

作曲賞と主題歌賞は一応音楽家の端くれなのでどうしても関心を持ってしまいますが,今年の映画音楽のノミネーションはフィクサー(原題:Michael Clayton)のジェームス、ニュートン、ハワード以外はみんな始めて聞く名前だ。これは映画音楽家がだいたい特定の映画監督のお気に入りになっている場合が多いことも関係あるようだ。実際今年の監督賞の候補はコーエン兄弟以外はみんな若手監督であることも影響していると思われます。「映画音楽の仕事をしたければ映画監督と仲良くすることだ」という格言通りです。

主題歌賞は大本命の"Enchanted"というミュージカル映画ではなく映画"Once"のフォーク調の音楽が入賞しましたが、これは"Enchanted"のノミネート曲が3曲入り票が割れたことが原因だろう。昨年だったか"Dream Girls"でも3曲入ったにもかかわらず受賞できなかったたぶんあのパターンでしょうね。いくら曲が良くても5曲中3曲も入ったら、かえって不利である。最後は選ぶ人の単なる好みになってしまうから.. しかし一方ではインデイース系のアーチスト、グレン ハンザード、マルケッタ イルグローバがオスカーを取るというのはやはりアメリカのいいところでしょうね。今の日本だとこういうことはまずありえない。

さて、メークアップ賞は日本人の辻一弘さんがノミネートされたが受賞ならず、外国語映画賞も浅野忠信主演の”モンゴル"がノミネートされるも受賞ならず。それは残念でした。日本人の映画監督が監督賞を取る日は来るのでしょうか?

ちなみに主演、助演のダブル受賞の期待がかかったケイト ブランシェットは無冠。でもこの人最近女優の中での演技力は光ってますね。ちなみにインデイー4「(原題をそのまま訳すと)水晶どくろの王国」ではKGBの悪女を演じるそうです。「水晶どくろ」というだけで舞台がどこか想像がつきますね。しかし南米のマヤ遺跡になぜKGBがいるのかはよくわかりませんが、1958年のキューバ革命がらみなのでしょうか? いずれにせよこれも早く観たいですね。

大半の映画が日本ではまだ公開されていないけどやはり観たい!! という気にさせるのはなんといってもノーカウントリーでしょう。助演男優賞を取ったスペインの俳優ハビア バルデムの殺し屋役はちょっと見ただけでも強烈な印象を与えるし、助演といっても殆ど主役を食っている感じ。コーエン兄弟というニューヨークインデペンデント出身の2人はいつも独特の世界を作っている監督だけにこの映画の中で一番「観たい!!」という印象を持った。コーエン兄弟は「バートン フィンク」以来チェックしていた監督でもあります。

3月15日よりシャンテシネで公開らしいからみてみようと思ってます(別にシャンテからお金はもらってません(^^) あしからず..)


映画館で並ばずにチケットが買える!

2月 25, 2008 映画・テレビ | | コメント (0)

2008年1月29日 (火)

中島監督の「俺たちの世界」がロッテルダムでソールドアウト(売り切れ)!!

大野が音楽を担当した映画作品「俺たちの世界」(中島良監督)、現在主演の谷口君と共にオランダのロッテルダムに行っていますが、何とヨーロッパのプレミアが即ソールドアウトになったそうです。 3回上映して三回とも満席だったそうです。

実は日本独特の現象である「引きこもり」(これも実は英語になりかけています)についてヨーロッパでも関心が高く、かなり注目をされていたようです。

詳しくは
・通り魔事件の被害者が主演、元引きこもりが監督作品がソールドアウト!【ロッテルダム国際映画祭】 (Yahoo 映画)
http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20080129-00000019-flix-movi

[シネマトゥデイ映画ニュース] 
http://cinematoday.jp/page/N0012690
俺たちの世界の海外上映、まだまだ続きます。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンWEBチケットストア

1月 29, 2008 映画・テレビ | | コメント (0)

2008年1月20日 (日)

映画「俺たちの世界」 海外上映日程詳細

さて、私が音楽を担当した映画で昨年のぴあフィルムで3部門受賞した映画「俺たちの世界」の中島監督、現在次回作制作に向けて現在脚本を鋭意執筆中のようです。何でも台湾ロケも考えておられるようでどんな映画になるか楽しみです。いずれにせよスターダストピクチャーズで劇場公開映画を少なくとも一本は撮るでしょう。くれぐれも中島監督の個性が全面的に出る作品になって欲しいものです

さて、そんな中島監督の出世作の「俺たちの世界」は何と海外の4つの映画祭で上映が決定しています。まあ全てが高いレベルの映画祭とは限りませんが、アワード受賞作品がいきなりこれだけ海外で上映される例はあまりないといってよいのではないかと思います

1.第37回ロッテルダム国際映画祭
http://www.filmfestivalrotterdam.com/

上映日  1月25日21:30- 、 26日13;00- 会場: Pathe4
     1月29日17:15- 会場:Cinerama7

俺たちの世界紹介ページ(英語)
http://www.filmfestivalrotterdam.com/eng/programme/film_az/film.aspx?ID=7b3b60cc-6c1f-4c8c-9d16-9428ce2050b3

2.第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭
http://www.sfindie.com/

上映日  2月10日  ビクトリア劇場  21;30-
2月11日  ロキシーシネマ  21:30-

俺たちの世界紹介ページ(英語)
http://sfindie08.withoutabox.com/festivals/event_item.php?id=13135

3 第5回メキシコ市国際近代映画祭
http://www.ficco.com.mx/ (メキシコなのでスペイン語です)
上映日 未定

4.第14回ブラッドフォード国際映画祭
http://www.nationalmediamuseum.org.uk/bff/2008/ 上映日 未定


以上の4つの海外の映画祭です。こちらでもどんな評価が出るか楽しみです。ロッテルダムでも私のクレジットが載っていましたのでよかったです。





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1月 20, 2008 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年12月23日 (日)

映画「俺たちの世界」忘年会

今年のぴあフィルムフェステイバルで三部門受賞した中島良監督作品「俺たちの世界」の関係者による忘年会が開かれました。監督と出演者の小川君以外は7月の上映会以来の久々の再会でした。(結構初めてお会いする人もいましたが..)

 

 

この「俺たちの世界」昨年のバンクーバー国際映画祭に続き、年明けにはオランダ、ロッテルダム国際映画祭の招待作品、アメリカのサンフランシスコインデペンデント映画祭、そしてメキシコ国際映画祭と次々に海外の映画祭で上映されることが決まっています。

 

ちなみに監督が忙しくて監督のブログをなかなか更新できないようなので、替わりにバンクーバーで「俺たちの世界」の反響について述べましょう。バンクーバーの観客からは映画の質もさることながら、映画のテーマそのものに観客は興味津々といったところで、内容についての質問が相次いだそうです。
 日本の観客と違うのはカナダの人はわからないことがあると、それに対して積極的に質問をしてきて、内容を積極的に理解しようという姿勢が見られるらしいです。日本は割りと好みや印象で評価する傾向がありますが、海外で上映されて、一番そこがよい経験になったようです。 何かわかる気がしますね。近々ロッテルダムでも上映されます。ヨーロッパの観客にはどう移るかも楽しみです

 

一方ここでやや残念な話もしなくてはなりません。中島監督が提出した「ぴあフィルム」のスカラシップ映画の企画が結局ボツになったことがわかりました。中島監督の「クリエイテイブ」過ぎる内容がぴあのトップの人にやはり受け入れられなかったようです。もともと「おれたちの世界」の審査員の反応を以前聞いて、正直「だめだこりゃ」と私自身も思いましたので、一抹の不安はあったのですが、今回のことで「俺たちの世界」以外でのぴあとのつながりは事実上なくなります。残念ですが仕方ないですね

 

しかし「俺たちの世界」の評価のおかげで結局、スターダストピクチャーズで映画監督の仕事をすることになったのですから特に関係ないでしょう。監督はスターダスト内でかなり自分のクリエーターとしてのカラーを出すべく毎日奮闘している話も聞きました。会社の上司とも衝突しているという話もあり、やや心配ではありますがもともと中島監督が「サラリーマン的」に従順になるとは誰も思っていないと思いますので、がんばってほしいと思います。但し今度は興業的にも結果を出すことが求められます。結果さえ出せばどうにでもなるんですけどね

 

それにしても音楽業界も映画業界も本質は同じだなあと思いました。

 

どちらにせよスターダストで少なくとも一本は映画を作るでしょう。どういう映画になるか楽しみです

 

ちなみに監督の話だと最近アンビエント系の音楽に凝っているようです。アンビエントは私の得意分野だという話は監督にしておきました。

 

というわけで関係者の皆さん、よいお年を!!




 

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12月 23, 2007 日記・コラム・つぶやき映画・テレビ | | コメント (0)

2007年11月27日 (火)

映画「俺たちの世界」またまた海外の映画祭へ!!

私は音楽を担当した映画「俺たちの世界」(中島良監督ーぴあフィルムフェステイバル三部門受賞作品)が先日のバンクーバー映画祭に続いてまたまた海外のしかも2つの映画祭に参加することが決定いたしました。

先日のバンクーバーは新人部門のノミネートでしたが今回は招待作品として上演されます

1.ロッテルダム国際映画祭(開催期間:2008年1月23日ー2月3日)
http://professionals.filmfestivalrotterdam.com/default.aspx

決定したばっかりなのでまだページができあがっていませんが「俺たちの世界」(This world of ours)のページです
http://professionals.filmfestivalrotterdam.com/eng/search/film.aspx?id=%207b3b60cc-6c1f-4c8c-9d16-9428ce2050b3



2、第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭(開催期間:2008年 2月7日ー2月19日)
http://www.sfindie.com/

まだ決定したばかりなので上演日時等はわかりませんのでわかり次第発表いたします。

先日のバンクーバーは惜しくも受賞を逃しましたが一部の映画関係者から高い評価を得、今回の両映画祭で招待されることになったようです。
どこまで飛躍しますか、「俺たちの世界」(英語名:This World or Ours)




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11月 27, 2007 映画・テレビ |

2007年9月 4日 (火)

映画「俺たちの世界」のぴあの審査員の反応について

さて、昨日M田会にて奥津恵のデモライブとともに「俺たちの世界」の予告編を上映し、業界人相手に中島良監督を紹介した。そのM田会の他のアーチストのリハとかで結構時間があったので久々に先々月の「ぴあフィルムフェス」について話を聞くことができた。

当然なぜ「俺たちの世界」がグランプリを取れなかったか、という話になり監督が直接審査員に聞いた言葉をそのまま書くと

「この映画には被害者の視点がない。暴力を肯定した映画に見える」
「この映画の監督は性格が悪い。この映画に被害者をいたわる部分が感じられない」

要は映画の完成度や技術ではなく、映画監督の「人間性」を重要視したということらしいが、それにしてもあの映画が「暴力を肯定している」というのはいくらなんでも違うだろう。あれが「暴力を肯定している」のなら「時計仕掛けのオレンジ」も「ナチュラルボーンキラーズ」も暴力を「肯定している」ということになるのではないか?(映画を見ていない人はわからないでしょうが) あまりにも表面的な解釈しかされていないことに私も監督とともに愕然とした。所詮日本の映画界は「水戸黄門的な勧善懲悪」の世界以外は受け付けないのだろうか

ちなみに英語で申し訳ないがぴあフェステイバルで「俺たちの世界」を見にきてくれたイギリス人ジャーナリストのJason Grey氏は実に映画の本質を理解したコメントを残している。またこのJasonのブログに関して海外から多くの反応、コメントもアップされている(ページの下部分)
http://jasongray.blogspot.com/2007/07/pia-film-festival-wraps-this-world-of.html

英語が苦手という人のために要約すると
--------------------------以下  訳---------------------------------------------------
「この映画祭で注目すべき作品を取り上げるとしたら中島良の「俺たちの世界」だろう。作品は9/11の事件の映像から始まり、東京都庁の爆発のシーンで終わる。映画を通して、いじめ、自殺、レイプそして無気力のシーンが描かれるがそれら全てが実は力強い線でつながっている。中島監督は「引きこもり」体験者で19歳でこの映画の脚本を書き始めたという。

役者の演技もすばらしく特に主演の奥津サトシはいじめっ子から殺人者、そしてテロリストにまでになってしまう過程を見事に演じきった。この役者は将来はすごい役者になると思ったが、残念ながら役者業を引退したという

サウンドトラックは明らかに「時計仕掛けのオレンジ」や「セルピコ」や「ナチュラルボーンキラーズ」の影響が見られる。中島良は強烈な映画が好みのようで「心を揺さぶったり」ショックを与えたりする映画を作りたいようだ。是非スカラシップでも企画が通り引き続きこういう映画を作って欲しいものである」
------------------------------------------------------------------------------------

また世界じゅうのフィルムのレビューを掲載するサイト"Filmphilia"でも「俺たちの世界」が取り上げられている。英語ですが..
http://www.filmphilia.com/site/view/reviews-this-world-of-ours/

訳して欲しい? それでは長文ですが
--------------------------以下  訳---------------------------------------------------
「Jason Grey氏が「俺たちの世界」を絶賛したコメントを見て以来、この映画をなんとしても見たいと思っていたが幸運にも英語の字幕入りのDVDを手に入れることができた。これは中島監督が自ら進んで送ってくれたこともあり私は手元に到着してすぐにこの映画を見た。見終わってからしばらく最後の高層ビルが燃え上がるシーンがまだ頭から離れないまま、この映画を見て私は次の言葉しか出なかった「俺たちは何という世界に住んでいるのか」と..

中島監督のデビュー作は生生しく、そして見たら忘れられないドラマだ。わざと手振れや素早いカメラアングルの移動等ハンデイなカメラワークを駆使して登場キャラクターを身近にそして悲惨に描いている。それらのシーンはクラシックな音楽を背景とともに時々見るのも辛いほど、非道徳的にそして残酷に描かれている。そこには傷ついて病んだ心と重厚な音楽が見事な対比で描かれている。

病んだ登場人物はリストカットをやめられないアミ、社会となじめないリョウ、自主性のないヒロキ、この3人が自分のアイデンテイテイ、社会の居場所を見つけるのに悪戦苦闘するが、結局何をしても社会は変わらない、自分たちも変わらない、何もかも変わらないことがわかってしまう。

自分の生き方や目標を見出せない世間一般の若者と比べるとこの映画の登場人物はやや大志を抱きすぎているかもしれない。彼らは自分の行動に目的を求めており、結局社会の枠にはまることを拒否する道を選ぶ。彼らは顔のない会社の「給料の奴隷」たるサラリーマンになることを拒む。しかし彼らの生き方は実情に沿ったものにはならず、社会の中に入り込まない限り自分たちの影響力を行使したり社会を変革したりすることができないことがわかる。彼らはもがきながら自分のプライドに頑固にしがみつき、やがては堕落、落ちぶれて世間一般でいうホームレスの道を選ぶ

リョウにとってこの堕落への道が最大の恐怖だった。彼は一生負け犬になることをおびえ、いじめっ子になるがその「いじめっ子」の道が絶たれると無気力になり、社会から自らを隔絶してしまう。アミは他人のいじめや破壊活動を煽る心理ゲームで自分のサデイズムを満足させている。ヒロキは自分の居場所がなくなることに恐怖し。社会の勝ち組に入ろうとするが、いつも自分の欲しいものを得られずに終わる。そして最後は自分の存在感が薄まっていく「俺たちの世界」で生きるしかないことを悟る

日本の若手映画監督の作品でこれだけ強烈な印象を受けたのは岩井俊二の「リリイシューシューの全て」以来である。これだけ暗く社会の歪み、病を描いたイメージは見たものの精神にしみこんで行くだろう。岩井俊二以来これだけの才能を見つけるのに6年間かかった。次はそこまで待たないですむように願いたい」
------------------------------------------------------------------------------------
訳しながら思ったのはなぜ「日本人の作った映画」を日本の大人たちより欧米人の方が正しくこの映画を理解できているのか改めて愕然とした。日本の映画界の興業は復活しているとはいってもまだ「寅さん」や「水戸黄門」の世界から離れられないのだろうか。何か情けない気持ちになってしまった

本当に日本の映画界って、まだこのレベルなの? こんな程度なの?

10月にバンクーバーで「俺たちの世界」が上映される。その時は「ぴあ」の時の偏った印象を持つ人が少ないだろうと信じたい。





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9月 4, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年8月 1日 (水)

映画「俺たちの世界」バンクーバー映画祭で上映決定

さて、先日ぴあフィルムフェステイバルで三部門受賞しました「俺たちの世界」、何と海を渡り海外で上映されることが決定いたしました。

上映場所はバンクーバー国際映画祭 コンペティション部門 
http://www.viff.org/home.html

映画祭期間:2007年 9月27日ー10日12日

上映期間:2007年 10月1日ー5日

会場:カナダ バンクーバー市内会場 (10会場ありますが、どこかはまだわかりません)

PFFでグランプリを取った「剥き出し日本」とともにぴあフィルムフェステイバルから選ばれました
海外の映画関係者からもかなり高い評価を得ているようです

「俺たちの世界」の進撃はまだ終わったわけではありません
次はどういう展開になるでしょうか? 楽しみです

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8月 1, 2007 映画・テレビ |

2007年7月22日 (日)

ガラガラだった洋画の映画館-字幕が読めない文盲の若者が増えている

本日娘が夏休みで家内と西遊記を見たいということで、地元の某外資系映画館に連れて行く、私自身はここのところぴあフィルムで映画三昧ではあったが、何となく何も考えずに見れる映画が見たいとのことで自分だけ「ダイ・ハード4.0」を見に行った

私は基本的には洋画(しかも字幕オンリー)しか見ない人間で、音楽だって音楽を仕事にする前は洋楽しか聴かなかった男だ。特に「ダイハード」のようなシリーズものだったら突然いって席が取れるかくらいに思ったが、なんと行ってみれば日曜日の昼間にも関わらずガラガラだった。(!!) 席は半分埋まっていたかどうか、そんな感じで目を疑った。

特に目立ったのは若者が少ないこと。20代後半かそれ以上はそこそこいたが、改めて最近の若者が洋画を見ないという現実を目の当たりにした

だいぶ前の記事だがこんなのがある。
「外国映画の字幕スーパーがなくなる!読めない、書けない、分からない」若者」
http://www.bespara.jp/zubablog/2006/12/post_54.html

最初うそみたいだと思ったが実際本当に字幕を読めない人間が増えているようで、その証拠に吹き替えの会場だと今度は超満員となっている。(同じ映画館でハリーポッターの吹き替え版をやっていたがこちらは超満員」映画会社も漢字にルビを振ったり(最近のテレビのスーパーもルビを振っている)して苦労しているようである

実際最近のホームページを見る人でも「字が読めない」としか考えられない人が最近増えている。特にここ3-4年で激増している。目の前に大きな文字で書いてあっても読めないのだ。要は漢字が読めないようである。

実はいわゆる「ゆとり教育」の指針が決まりそのカリキュラムで育った若者が今年社会人一年生だという。文部省が大々的に推し進めた「ゆとり教育」という名の愚民化政策の結果がこういうところで成果を上げている。文部官僚たちの多くはしてやったりと思っているのではないだろうか。愚民が多いほど統治しやすく自分たち官僚の思い通りに世の中を動かせるからだ。本当にやつらは取り返しのつかないことをやってくれた。そしてそれを推進した連中の大半は文部省内でまだノホホンとしている。文盲人間を大量生産しておきながら天下りで退職金ガッポリかい(怒!)

とにかく日本語自体をきちんと理解できない、表現できないという事態は深刻である。君が代などを押し付けるよりこちらの問題の方がよっぽど早急に解決策が必要である。自分の言葉も満足に話せない、書けない「日本人らしき人」が増えている。

ちなみに映画のダイハード4.0 はまあ脚本云々よりもこれでもかこれでもかとアクションをおしまくる感じ、まあ頭も何も使わず見れる娯楽映画だ。まあダイハード2や3よりは見れたかな?字幕なんか読めなくたって十分楽しめる映画だと思いますよ。(こういう映画に高い芸術性を求めるのは酷)

7月 22, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年7月20日 (金)

PFF(ぴあフィルムフェステイバル)詳細情報ー「俺たちの世界」三部門で受賞ー応援ありがとうございました

先ほどPFFアワード授賞式が終わり帰宅いたしました

このブログで再三再四お知らせさせていただきました映画「俺たちの世界」は2007年度PFFの審査員特別賞、技術賞、エンタテインメント賞(これはちょっと意外でした!)の三部門をおかげさまで受賞することができました。これはひとえに皆様の応援のおかげでございます。この場を借りてスタッフの一人として御礼申し上げます

以下今回の受賞作品の一覧です

グランプリ作品    :  剥き出しにっぽん   石井裕也監督
準グランプリ作品   :  その子供        尾崎香仁監督

審査員特別賞    :  青海二丁目先     角田裕秋
                           野田賢一監督
 季夏          水谷江里監督
                俺たちの世界     中島良  監督
企画賞        :   背 山口学 監督
音楽賞        ;  剥き出しにっぽん   石井裕也監督
技術賞        :  俺たちの世界     中島良 監督
エンタテインメント賞 :  俺たちの世界     中島良 監督
Gyo賞        :: 背 山口学 監督
観客賞        :  蒼い猿         池田暁 監督

おかげさまで9部門中3部門受賞させていただきました。ありがとうございました

目標のグランプリには届きませんでしたが、これで中島監督がスカラシップを得る権利を獲得したのと、プロの監督として次につながる流れを作るという最低限の目的はこれで達成できました。
ありがとうございました

ただ、ここから先は私のブログなので自分の率直な思いを書かせていただきますが、私個人はこの受賞結果は正直納得しておりません。まあ私は全部の作品を見たわけではないですが、私は14作品の中の8作品を見ましたが私が見た範囲では作品の完成度、クオリテイは「俺たちの世界」が圧倒していたと思います。特に準グランプリの「その子供」ですがアイデア自体は確かに面白いと思いますが、カメラの撮り方は私が見ても素人っぽいし完成度からすれば「俺たち」の比ではないと感じました。アイデアが面白いのは認めますがこの作品が本当に準グランプリに相当するかは正直疑問に思いました。
グランプリ受賞した「剥き出しにっぽん」はたまたま見ていないのでコメントは控えますが、複数の見た人の話を総合すると「いかにも日本映画らしい」作品とのこと。なるほどこういう映画が結局審査員の好みなのかと思いました

いずれにせよ、この「俺たちの世界」、今度は10月以降になりますが東京以外の次の都市の会場で見ることが
できます。
【仙台】 せんだいメディアテーク スタジオシアター 10月11日(木)~14日(日)
【名古屋】 愛知芸術文化センター 10月19日(金)~21日(日)
【北九州】 ヒューマンメディア財団 マルチメディアホール 10月26日(金)~28日(日)
【大分】 iichiko総合文化センター iichikoスペース・ビー 映像小ホール 10月27日(土)・28日(日)
【福岡】 福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ 11月1日(木)~4日(日)
【神戸】 神戸アートビレッジセンター   11月3日(土・祝)・4日(日)
【大阪】 HEP HALL 11月9日(金)~11日(日)

とりあえずひとくぎりつきました。残念ながらグランプリは取れませんでしたが次の目標と次のステップに行く足がかりは取れました。まあ若手監督で現在世界的にも評価の高い塚本慎也監督などもグランプリを取れなかったことを考えれば、これが中島監督の次の作品のモーテイベーションになればと考えております。今後も中島監督と機会あればお仕事をしていきたいと考えております



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7月 20, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年7月16日 (月)

満員御礼!! 俺たちの世界ー舞台挨拶


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台風が早めに去ってくれたおかげで何とか影響が最小限ですんだ「ぴあフィルムフェステイバル」

今回は初日の舞台挨拶に初めて立ちました。映画の舞台挨拶というのはライブと違って緊張するものですね。やはり楽器が目の前にあるとないでこんなに違うもんなんでしょうか?
まあこんな機会はおそらく二度とないでしょう。
何度も書きますが普通は音楽関係者が映画の舞台挨拶に立つことはないですからね。たぶんそれをやったのは私が知る限り久石譲さんくらいでしょう。

会場では映画に出演した俳優さんや女優さんと初めてお会いする方が多かったのですがその中で、今回友情出演して下さった俳優の村上連さん(北野武 BROTHERに出演)とも始めてお会いしました。村上さんからは私の映画音楽に関して「映画をかなり音楽が助けましたね」という感想をいただきました。プロの第一線で仕事されている方からいわれると結構うれしいもんです。自分の仕事が認められたという気分です

また主人公の高校生の父親役さったギー藤田さん(TVの深夜番組等でビンボー監督のキャラクターで売っている人です)からも「音楽がよかった」といっていただきました。音楽は映画の中の重要な要素とはいえ、やはり脇役ですので目立ちすぎてはいけないんですが、現場で仕事をしている人たちから評価されるのはうれしいことです。

初日は悪天候にも関わらず満員でした。それもよかったです。さて20日はアワード発表の日になります。PFFコンペには賞が4つありますが、果たして皆さんに吉報をお伝えできるかどうか。

ご期待ください



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7月 16, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年7月13日 (金)

若者の夢を奪ったのは誰かー映画「俺たちの世界」公開に当たって

さて、すでに何回もご案内させていただいた映画「俺たちの世界」、いよいよ公開間近である。
この映画は最近の若者の心の闇、夢も希望も持てないでもがく若者の姿を描いている。しかしこの若者の行動、姿を理解できない大人も少なくないであろう。

最近の引きこもり、ニート、フリーター、それだけでなく猟奇的な殺人や暴力に走る若者、また自殺サイトでの若者の集団自殺、リストカットをする若者、そうした若者たちを「特殊な人たち」と考えてしまう向きがまだ多いように思う。しかしおそらくこの映画の主人公の同世代の若者がこの映画を見たら、「もしかしたら自分も同じ行動に走ったかもしれない」と考える若者が多いのではないだろうか。実は今の若者の状況は世間の大人たちが考える以上に深刻で、このまま放置すればこの日本という国の将来を根本から危うくする可能性を持っている。しかしながら「今そこにある危機」、「今そこにある問題」を正面に向かって取り組もうという動きは残念ながら殆どないといわざるを得ない。何よりも現代社会、大人たちーはいまだもって「今そこにある危機」、「今そこにある問題」の存在自体を認めようとしていないからである。

例えばもう12年前に起きたあの忌まわしいオウム真理教事件を思い出してみよう。オウム真理教自体は悪業の限りを尽くした非道なカルト宗教であることは確かだが、私が問題にしたいのはその事件に対する世間の反応である。このオウム事件に対し日本社会全体は露骨な拒絶反応を示し、なぜ若者がそういった行動に走るのか、そこにどういう社会背景があるのかについてきちんと検証しようとはしなかった。只々目を背け「臭いものにフタをする」という行動を取ったというのが実態であろう。

マスコミの反応もロコツだった。例によって「悪者探し」に躍起になりあげくの果てに無実のKさんを犯人であるかのように報道した「世紀の誤報」もやってのけた。オウムが犯人とわかるとその社会背景の検証ではなく今度は別の「悪者」探しをし、結局オウム事件の場合、オタク文化、ゲーム、そして精神世界、スピリチュアル文化などが「悪者」にされた。私のヒーリング音楽を始めヨガ等の精神文化は「オウムと同類」もしくは「似たようなもの」であるかのような報道をされた。そして「悪者」を設定したあとは徹底的なバッシング、マスコミのいつものやりくちで、そういうやりかたをすれば雑誌やテレビが売れるからだが、そこにはセンセーショナリズムのみがあり真の意味のジャーナリズムはない。

オウム事件以降も数え切れないくらい若者の暴力、いじめ、猟奇的な殺人が起きたが世間の反応、マスコミの反応はいつも同じだった。世間は拒絶反応してから「臭いものにフタ」 マスコミは「悪者探し」のセンセーショナリズムに走るのみで、問題の本質には全く踏み込もうとしない。この繰り返しだ。だから事態はますます深刻になっていく。

「臭いもの」にフタをすれば匂いは消えるかもしれない。しかしフタの中の「臭いもの」はより腐敗が進み毒性もおびていく。このまま放置すれば今まで以上の若者をめぐる深刻な事件が起きるであろう。ネタばれになるので詳しくはいわないが、この映画のクライマックスで実はある「事件」が最後に起きる。実際本当に起きたら大変な事件になるのだがこれを単に「映画の中のできごと」で片付けてはいけない。このまま問題を放置し何の対策を講じなければ、この「事件」は単なる「映画の中のできごと」ではなく現実になる可能性さえあるのだ。この映画はいわば「臭いものにフタ」をし続ける世間、社会に対する警告と受け取ることもできるかもしれない。

「今そこにある危機」、「今そこにある問題」とは何なのか、どういう原因でそれが起きているのかー具体的にいえば今若者たちの夢をいったい誰が奪っているのか。そして解決策はあるのか、それをこの映画を見て考えるきっかけになってくれればよいと私は思っているし、おそらくそれが中島監督の主旨であろうと私は理解している。

この映画は決していわゆる「売れセン」のエンタテインメントではないかもしれない。しかし社会の病巣や闇を鋭くえぐった芸術作品であり、そうした部分をえぐるのも文化の一つのありかたであり使命であると私は考える。「俺たちの世界」はそんな映画です。だから皆さん、ぜひこの映画をみて下さい。

最後にこの映画の制作に関わることができて本当に心からよかったと思っている。PFF(ぴあフィルムフェステイバル)での賞の結果とは関係なくこの作品の音楽を担当したことを誇りに思う。
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第29回ぴあフィルムフェスティバル

会期:2007年7月14日(土)~20日(金)
会場:渋谷東急(渋谷クロスタワー2F)

俺たちの世界」の上映日です (7/15の上映日はチケット完売ー満席です)

7月15日 (日)19時30分~ (満席です)

7月17日(火) 11時~    (若干残っています)

の二回です。 場所は渋谷東急(渋谷クロスタワー2F)です。

地図 http://www.tokyucinemas.net/shibuya/access.html




7月 13, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年7月 1日 (日)

映画「俺たちの世界」関係者試写会

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先ほどもお知らせしたとおり「俺たちの世界」の関係者向けの試写会が本日行われ、先ほど打ち上げより帰宅(飲み代本当に足りたのかな? ものすごく心配)

中島監督が4年を費やして完成した作品ですが、「最終の編集」としてMA直前にもらったDVDからまたさらに編集されていました。最後の最後まではさみを入れられたようです。その関係で音楽がまた1曲削除、

結果として私の音楽は1/3以下になりましたが、昨年末に忘年会で「試写」した時よりは完成度があがったのではないかと思います。昨年末のあのバージョンで入選しているので、今回の場合はかなり審査員の評価はいいほうに向かうと思います。ただ賞を取るかは審査員の好みとか運もあるのでなんともいえませんが、ここまで来たら取りたいですね

会場で久々に今回の映画ですばらしいバイオリンを弾いてくれたなつめさんに会いました。映画の完成形を見たのは初めてのようで喜んでいたようです

監督の挨拶は簡単なものでしたが、試写が終わった時は感極まって涙される場面もありました。この映画に自分の全てを投入したことがわかります

とにかくぴあフィルムフェステイバル(PFF)スタートまであと2週間、賞が取れるかどうかは約3週間後にわかります。皆さんの応援をよろしくお願いします

ぴあフィルムフェステイバル
http://www.pia.co.jp/pff/festival/29th/index.html


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7月 1, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年5月 8日 (火)

映画「俺たちの世界」が今度こそ完成!!

もう一昨日になりますが、ぴあフィルムフェステイバル入選作品「俺たちの世界」の最終MAが終了し今度こそ完成したとの報告をいただきました

MAスタジオは結局私は立ち会いませんでしたが、スタジオは業界の人が知る人ぞ知るマックレイのMAスタジオです。本来は私も立ち会いたかったのですがスタジオの意向で監督以外は遠慮して欲しいとの話だったので、スタジオには行きませんでした。MAの作業って結構好きなんですけどね。

知る人ぞ知る、と申し上げたのは日本で放送されているCMの多くはマックレイで作られているそうです。オペレーターの腕もよかったらしく最終のできあがりが楽しみです

以前も申し上げましたように音楽は以前の半分になりました(^^;) あまり目立たなくなりましたが作品のメリハリは逆についたのかもしれません。私の想像ですが審査員の反応はこの最終のできあがりで変わる可能性があると思います(勿論よい方向にですけど.)

とにかく何とか7月のフェステイバルで入賞してみんなでおいしいお酒を飲みたいですね。監督!!




5月 8, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年2月26日 (月)

オスカーとアルコア

今年もいろんなサプライズがあったオスカーだった。作品賞と監督賞は既に報道されている通りマーチン・スコセッシのDeparted(香港映画のリメーク),スコセッシ悲願の受賞だった。また日本人の菊地凛子が"Babel"で日本人女優として49年ぶりにノミネートされたり、全編日本語で作られた「硫黄島からの手紙」が作品賞、監督賞にノミネート(これ自体物凄い異例であるーアメリカ人は字幕があるというだけで見ない人が殆ど)される等日本人もだいぶからんでいた

ちなみに海外最優秀作品50周年に渡辺謙がカトリーヌ・ドヌーブとともにプレゼンターをやっていたが、ネイテイブな発音ではないけれど綺麗な発音で上手にプレゼンター役を務めた。世界一外国語を覚えるのが下手な国出身の俳優としては上出来である。

ちなみに今回功労賞を受賞した私の尊敬する映画音楽作家エンニオ・モリコーネ先生(名前は知らなくとも「ニューシネマパラダイス」や「アンタッチャブル」の音楽の作曲者)は受賞時に最初の"Thank you"以外はイタリア語でスピーチしていた。プレゼンターのクリント・イーストウッドが通訳をしていたのが面白かった(イーストウッドはかつてマカロニウエスタンのスターなのでイタリア語は少しわかるはず)

このオスカーでもうひとつの話題は元副大統領のアル・ゴアの出演した「不都合な真実」が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したが驚いたのは最優秀主題歌賞(と日本ではいうのかな?-要はBest Songs)なのだが、Dream Girlsが受賞するのかと誰もが思ったが受賞したのはそのアルゴア出演の「不都合の真実」の 主題歌ーメリッサ ・エッサーリッジの”I need to wake up"だった。

これはオスカーアカデミー特有の政治的メッセージかどうか頭をよぎったが、単純にBest SongsはDream Girsの曲が3曲もノミネートされて票の食い合いになったのが原因かもしれない。

ちなみにアルゴアは今でも冗談で「一瞬だけ大統領になった者です」といっているが2000年の大統領選挙は今でも怪しいと私も感じている。CIAか軍組織が裏で何かした可能性がどうしても捨てきれない。アルゴアが大統領になっていたとしたらかなり今とは間違いなく違った社会になっていただろう。少なくとも京都議定書にアメリカがサインしていたのは間違いない。もしかしたらイラク戦争もなかったかもしれない。そうした事態はアメリカの石油産業としても軍需産業としても絶対に避けたい事態のはずである。

アメリカ社会は実質的に軍需産業とエンタテインメント産業が表から裏まで力を持っている。前者は共和党、後者は民主党寄りだ。ブッシュ政権は例のクリアチャンネルの関係もありエンタテインメント業界を実質的に敵に回している。それが共和党が最近劣勢な背景だが、共和党も持ち直すだろうからまだまだ余談を許さない。

だが「不都合な真実」が受賞しかなりアメリカ社会に浸透していくことによって環境意識に関するアメリカ人の意識が代わってくれればと思っている。何せ世界のCO2の約半分をアメリカ一国だけで排出しているのだから...

2月 26, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年1月29日 (月)

はじめに結論ありき...

味噌ダイエットでも発言でたらめ引用…あるある大事典
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070129i405.htm

関西テレビ中間報告、孫請け捏造の動機「分からない」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070129ih22.htm

まず、でたらめ引用が次々と出ているようだが驚くに値しない。納豆のあまりにひどい捏造内容を見るにつけこれは明らかに相当前からやっていたことは想像に難くない。普通報道や事実を伝えようとしたら伝え方に関してかなり慎重になるのが普通だが、納豆であそこまででっちあげるというのは相当事実を伝える「まともな感覚」というのがマヒしていたとしか考えられない。まともな制作現場の人間の感覚ならこういう行為は恥ずかしいとすら思うはずである。

レタスにせよ、味噌の件にせよ、納豆にせよ、そしておそらくは「マイナスイオン」や「ゲルマニウム」にせよ作り方を見ると「まず結論があって」それからその「結論」をどうやって導き出そうかという作り方をしているように思う。その結論が本当ならインパクトはあるし、視聴率も上がる。そして「たぶん」その結論によって利益をえる「裏スポンサー」の存在もいた可能性が非常に高い。そのために制作現場の人間は何が何でもその「結論」が出るようにあらゆる手段をつくす「至上命令」があったと考える方が自然である。

でもバラエテイや情報番組なんて所詮こんなものである。こうしたテレビの情報を鵜呑みにする、そのまま信じてしまう人がいかに多いか、あらためて驚かされる。

おそらくこのあるあるの捏造、まだまだ出てくると思う。というかハッキリ云って大半が嘘だったと考えていたほうがいい。

何度もいいますが
1.テレビがどんなにもっともらしく説得力があるように情報を流しても絶対に鵜呑みにしないこと。
まず疑うクセをつけましょう。これが大事です。

2.テレビは真実よりも嘘の方が多い。このことを忘れないこと。
メデイアリテラシーを持ちましょう

1月 29, 2007 映画・テレビ | | コメント (0)

2007年1月21日 (日)

放送業界の「タブー」をあえて暴露する。

昨日の「あるある大辞典」の捏造問題の波紋がまだ残っているし、総務省も調査に乗り出すようなのでと場合によっては国会でも取り上げられる可能性が高い。ここまで大きくなると下手すりゃ社長の進退問題にまで発展する可能性があるだろう。まあ自業自得、視聴者をなめきっていた罰といえばそれまでだが..

実はあえてこの時期だからこそ放送業界の「タブー」を暴露しよう。とはいえ一部の関係者にはもう「当たり前のように」その存在自体がわかっていることなので、今更と思う人もいるだろう。

実は番組には「裏スポンサー」なるものが存在する。
つまり正規のスポンサー「この番組は何処何処の提供でお送りします」というスポンサー以外のスポンサーが存在し、いまや放送局の重要な収入源になっているという事実である。一例をあげれば番組のテーマソングの「タイアップ」などはその例である。実は番組のテーマ曲というのは番組制作者ですらそれに対する発言権がない。局のトップとレコード会社、あるいはプロダクションのトップで決められていることで、その際にバラエテイなら300-500万、ドラマだと1000万くらいの金が動く。これは私のように音楽業界で仕事をしている人間にとってはもはや常識である。「M○S○C ST○T○ON」などは一回の出演のたびにプロダクションやレコード会社の方が金を払っているのである。

これは一例、おそらく「あるある」は番組の内容によって個別の「裏スポンサー」が存在し、それが科学的裏づけ云々とは別に「裏スポンサー」に有利なように番組を作っていったとしても不思議はない。マイナスイオン然り、ゲルマニウム然り、そしてだんだんそれがエスカレートしていったのだろう。それが今回のロコツすぎるほどの捏造に発展していった。

はっきりいおう。民放のテレビ番組で裏スポンサーがない番組は殆どないといってよい。勿論テレビ局は公式にはこの「裏スポンサー」の存在など認めるはずもない。それを公式に認めればテレビそのものの情報の信頼性が損なわれるからだ。

今回の総務省の調査がそこまでメスを入れられるかが見ものだが期待は薄い。裏スポンサーの影響による情報操作という手段を見直すかどうか、そのあたりにテレビ局というものの自浄作用が働くかどうかがわかるのだが、いまや重要な収入源となっている裏スポンサーからの収入を断ち切るとは思えない。よってあまり期待できないだろうというのが私の感想だ。

とにかくテレビ番組といいうのはそういうものなのだ。だから決して情報を鵜呑みにしないこと。一見説得力fがあるように見える内容でもまずそれを疑うクセをつけることが重要だ。でないと今回のようなことにまだ踊らされ振り回されることになろう。マスコミのいうことを信用してはならないのだ。

音楽業界としてはもし「裏スポンサー」がなくなればタイアップで高い広告費を払わなくてすむようになるからありがたい話のはずなのだが...

<番組ねつ造>総務省が関西テレビ調査へ
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070121k0000m010093000c.html

1月 21, 2007 映画・テレビ |

2006年9月21日 (木)

劇伴や映像のための音楽

今日は一日仕事場で作業をして例の映画音楽もほぼ取りあえずは完成。後程監督に見せて修正が必要であれば引続き作業をするが一ヶ月以上に及んだ基本的に作業にめどが立つ

「癒し系」とか「ヒーリング」とかのイメージが強い私だが実は劇伴や映像音楽の方がキャリアが長い。学生時代に既に小さな劇団の音楽や大学のサークル関係で音楽を作っていたりしたからそういうのを入れるともう四半世紀になる。その間、CM、企業用VP(仕事の数ではこれが圧倒的に多い)、美術館やイベントの展示映像、ゲーム。ドラマやドラマCD, そして映画と仕事の数だけはこなしてきた

映画は少ない、今回で4作目、しかもうち1作は未だ完成せず、あとの2作はいずれも短編ー一番長くて「戦慄の閉鎖病棟」の1時間だから今回の「俺たちの世界」が今までで一番長い。(108分ー但しエンドロール抜きでの話) まあ日本では映画の仕事自体が少ないので仕方ないかもしれないが...

前にも書いたが作曲というのは基本的に誰でもやろうと思えばできる。一定の訓練をつめば必ずできる。しかし劇伴や映像音楽をやるにはやはり適性がある。誰にもできるわけではないーいわばスペシャリストの能力が要求される。従って日本の劇伴作家を見るとわかるがだいたい決まったメンツである。久石譲、小禄礼次郎、渡辺岳夫、etc etc

どういう能力が必要かというと

1.アレンジ能力が必要
  アレンジャーというこれも適性が必要な職業だが基本的にこの能力がないと劇伴や映像音楽は出来ない

2.場面やシチュエーションに柔軟に対応
  基本的に劇伴も映像音楽もある特定の場面。シチュエーションのために音楽を作る。従ってその場面、シチュエーションに適応したサウンドを作る能力が必要。つまり「自分のために」しか曲をかけない人にはこの仕事は向いていない。

3.仕事がある程度早くできる
  だいたい映画、CM,ドラマ等では音楽制作の作業は一番最後になる。そしてほぼ例外なく時間的余裕がない。非常に限られた時間の中で大量の作業をこなせる能力がないとできない、平たくいえば仕事が速くないとこの仕事はこなせないのだ。

尚、誤解して欲しくないがこれら3つができるできないは才能のあるなしとは無関係である。単なる個人的な適性に過ぎないのでこれができないからといって落ち込む必要はない。

また上記2にもあるように「映像」や「劇伴」のために音楽を書くのに職人的作業が必要なことから、それらは芸術ではなく商業音楽を書くのと同じだなどという一部の音楽評論家がいるがいうまでもなくそんな議論はナンセンスである。それなら全てのオペラだって考えようによっては商業音楽になってしまう。また「雨に歌えば」とか{My Favorite thing」のように元々は劇伴音楽だったことを忘れさせるほど名曲として定着していったものも少なくない。

大事なことは劇伴だろうがCMだろうがそこから音楽文化として定着しうる作品ができるかどうかである。今回の私の仕事がそうなるかどうかはこれから皆さんの判断にゆだねなければならない。しかし作る過程がどうであろうと大事なのは形ではない、できあがった音楽そのものである。うたものだろうが劇伴音楽だろうが関係ないはずである。




9月 21, 2006 映画・テレビ | | コメント (0)

2006年9月 7日 (木)

キューブリック映画と「俺たちの世界」の音楽記号論

さて、「俺たちの世界」の音楽も一応順調に進んでいるが今回実は音楽の構想、組み立てを行うのに相当苦労した。というのはところどころクラシック音楽をキューブリック的な使われ方をしているためで、そこの所と自分の音楽の組み立て方の整合性を作るのにずいぶん苦労した

キューブリックの映画の中での音楽の使い方は本当に独特で他のどの監督とも違う。普通このシーンではこの音楽は使わないだろと思う使い方をしてそれが不思議に映像とマッチしているのだ。「時計仕掛けのオレンジ」でのベートーベンの第九やレイプシーンで使う「雨に歌えば」、「2001年宇宙の旅」でのツアラトウストラはかく語りき等

実は「俺たちの世界」でも「時計仕掛けのオレンジ」でのベートーベンの第九を何とレイプシーンに使っている、それ以外に
以下の音楽が使われる
-------------------------------------------------------
ピアノソナタ「月光」一楽章
冒頭部分、殺人シーン、

ピアノソナタ「悲愴」二楽章
いじめられっ子が反撃するシーン、ふんぎりつかない人間が
泣き叫ぶシーン

エリーゼのために
公園で泣くシーンー但しこれは僕の作ったオリジナルに差し替えられる可能性が出てきた

ヴィターリ のシャコンヌ
主人公が車でさまようシーン、もう1人の主人公の高校生が親と姉を殺すシーン

ドヴォルザークの母の教え給えし歌
主人公が仲間にせきたてられて強制的にレイプさせられるシーン
------------------------------------------------------
これだけ述べるとなんでこのシーンにこの音楽と思うだろう。そこが一番悩んだところだ

植島啓司の対談集「デイスコミュニケーション」には新しい情報の認識のありかたとして「文化の記号化」のありかたを説いている。細川周平も「音楽の記号論」で同等のことを述べているが、上記の音楽を主人公の心理状況を「記号化」したものとして考えるとわかりやすくなる

つまり

ピアノソナタ「月光」一楽章ー主人公の絶望的心境、状況を表す(それゆえ普通の月光よりも重く暗くゆっくりと演奏されなければならない)

ピアノソナタ「悲愴」二楽章 ー精神の開放、自分で押さえ込んでいた感情、行動をあらわにしてしまう

ヴィターリ のシャコンヌ ー主人公の心の旅立ちー決心の象徴

ドヴォルザークの母の教え給えし歌ーあーとうとうやってしまった。後戻りできないことをしてしまうことに対する記号化

ベートーベンの第九ー管理社会の中で生きていくメタフォア、意味合い的には「時計仕掛けと同じ」

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キューブリックの映画も同じ使われ方がしている。それゆえキューブリックの映画では同じ曲が違う映画で使われることもある。例えば「時計仕掛け」のあのバロック風テーマは「シャイニング」でも使われている。

その記号化路線を睨みながら僕は主要な3種類の音楽を考えた

俺たちの世界「管理社会のテーマ」ー時計仕掛けのようなバロック調の音楽

俺たちの世界ー居場所のない人間のテーマー生きる方向性、希望を持てない人間の心境ー悲しい感じの音楽ーちょっと久石譲敵な音楽になってしまったが

俺たちの世界ーいじめ、虐待ー何とアバンギャルドタッチのモダンジャズ風にしました。いかも不協和音ばりばりーバッドパウエルやセロニアスモンクでもここまではやっていないと思う

できあがったら公開しようと思っています

映画のテーマはまさに宮台真司がいっていた「終わらない日常ー永遠の退屈」そこを実にうまくえぐっている。しかもヨーロッパ的な映画のタッチで...
というわけでお楽しみに






9月 7, 2006 映画・テレビ | | コメント (0)

2006年8月 2日 (水)

日本人として恥ずかしくなったイベント

亀田興毅の世界タイトルマッチ

正直いって僕はそんなに関心がある方じゃなかった。メジャーリーグは好きだけど別に格闘技は特別好きというわけではない。しかし家族が見ているので 一応テレビつけていたのだが、試合が始まる前の国歌斉唱で ちょっととんでもない「君が代」を聞かされた

亀田興毅のたっての希望でT-BOLANの森友嵐士が歌ったのだが、そいつがとんでもない君が代 を歌いやがった

’ィーー」「’ィーー」「が’アーー」「’ァーー」

’ォーー」「お’ォーー」

ぅわ’ーーーー」

 

何だこれはー(@。@) 

一子音、一子音、やかましくツバが出そうな発音、
そして気持ち悪い節回し

おーい  これ世界中に流れてんだぞー

日本人の音楽センスが疑われる歌い方だー.。

こんなのがカッコいいと思う奴のセンス疑うよ。 オレ

別におれは君が代に思い入れなんかない、どちらかというと寧ろ逆だ。だが音楽で飯を食っている人間としてこれはちょっとひどすぎ

そして最後のあの判定

公平に見てあの判定に納得する人っていますかね?

 

こんなことして大丈夫? この国? この番組全体が「やらせ」(というかここまで来ると「捏造」)だと感じない人はいないだろう。あの音楽センスのかけらもないわが国の国歌斉唱を聞かされ、単調な試合を延々と見せられ、誰がみても首をかしげる判定が出る。前菜もメインデイッシュもデザートもどれもひどい味。 

何か日本人であるのが恥ずかしくなった一瞬だった。

というわけで口直しに好きな映画を今見ています 。本当に見ていて気分が悪いイベントだった

8月 2, 2006 映画・テレビ |