昨今のSNSの状況について(前)ーSNSの情報のありかたの問題と社会に対する悪影響についてーきわめて危険な状況(長文注意!)
SNSが普及し始めて20年余り、最近これに関するさまざまな問題が出てきたが、書くことがあまりに多すぎるので二回に分けて記事にすることにする。
SNSと私の関係に関しては既に当ブログを何回か読んでいただいた方は私がFacebookの複数のグループの管理人をするなどSNSのヘビーユーザーであることはご存知だと思う。SNSは確かに情報を早く伝えるツールであり、我々のようなフリーランスには仕事獲得のツールとしても有効である。
しかしそのSNSが今おかしい。
とりわけ最近は個人情報が安易に流され、デマやフェイクの情報が頻繁にあたかも真実であるかのように拡散され、そしてそのデマやフェイクの情報をいとも簡単に信じてしまう人達。
しかもこれは日本だけの話ではないことが事態をより深刻なものにしている。ここしばらくでSNSからみで首をかしげる事件
・都知事選挙で石丸氏の二位当選
・兵庫県知事選挙での斎藤元彦氏再選、ならびに百条委員会に絡む件と立花孝志氏の不可解な「2馬力」応援
・独裁者志向、右翼志向の強いトランプ大統領の再度再選(アメリカ)とそれに伴う陰謀論
・アメリカ国内でのイーロンマスク氏の専横
この4つの出来事に共通するのは
(1) 陰謀論の台頭
(2) マスメデイアは全て嘘でネットの情報が全て正しいという思いこみ
(3) 都知事選を除いてアジテーターの存在(日本:立花孝志、アメリカ:イーロンマスク)がいること
上記の件で共通するのは「ネットの操作」が抜群にうまい人間がプロモーションを仕切っているという点である。 兵庫県知事選挙では立花が立候補しながら「2馬力」での斎藤知事応援で「ネット=真実,マスメデイアは嘘」病を蔓延させた。普段あまりネットを使っていなさそうな高齢者が(だからこそ、何だが..)立花が「斎藤知事はパワハラをしていない」といったデマの情報(立花本人が認めている)を無条件に信じ、百条委員会を立ち上げられた斎藤知事の再選に貢献したのである。その際立花はデマだけでなく陰謀論を拡散することも忘れなかった。その陰謀論に反応したネット民が多かったのである。
陰謀論が支配した選挙と政権
アメリカ大統領選挙もそうだ。イーロンマスクという私に言わせれば「自称天才」はデマやネットの情報操作に長けている人物だ。その男が「ネット=真実,マスメデイアは嘘」病が蔓延した。特にUSAIDがあたかも陰謀論者のいうDS(デイープステート)に密接に関係があるかのような論調がまことしやかに広がった。だがアメリカ大統領ともあろう人物が腹心のイーロンマスクとともに平気でフェイク情報を流してるため、陰謀論を信じ込む輩が余計に増えてしまった。
先日トランプとマスクがUSAIDが資金を提供した先を公開したが、提供先の名前が書いてあるだけで資金提供の証拠、もしくはそれを裏付ける資料は一切呈示されていない。
しかし恐るべきことは大多数のアメリカ人がそれを鵜呑みにして丸ごと信じている点である。
正直アメリカはネット先進国で情報リテラシーはもっときちんとしているのかと思ったが、これでは先日立花孝志のいうことをなんでも鵜呑みにした一部の兵庫県民やネット民のレベルとたいして変わらない。アメリカに長く住んでいる身としては失望を禁じ得ない。
USAIDは海外支援組織であって陰謀の手先ではない。おそらくトランプ支持者がそうした陰謀論やデマをあたかも真実であるかのようにもっともらしく拡散している。これは非常に危険な兆候だ。
マスクは元々リベラル嫌いとして知られているが、今回のUSAIDの陰謀論拡散でネットの イーロンマスク信者 がネトウヨ化し、リベラル大嫌いな層が USAID のネット情報をみてまるで鬼の首をとったように勢いづいている。日本国内でも同様でおそらく旧安倍支持層、斎藤知事や石丸支持層も相当かぶっているように思う。あと旧 Jアノン支持者も入っているだろう。マスクが大統領就任式でナチス風敬礼をしたようにナチス政権もゲッペルスあたりの洗脳で真実がデマになり、デマが真実扱いになる、ということが起きていたが、今全く同じことが起きている。
結局その時の失敗から何も学んでいない人たちだ
マスコミが偏向報道というのは間違ってないし、バイアスがかかってない報道など存在しない。しかしだからといってその辺のネットの訳のわからない情報の方が信用できるということにはならない。
今回日本でUSAIDの件で騒いでいる日本の人たちは兵庫県知事選挙当時の立花孝志氏にそうやって騙されてきたことにまだ気づかないのだろうか?
勿論こういう状況を作り出したのはオールドメデイアであるマスメデイアの責任も大きい。政治権力に忖度ばかりして、本来ならば伝えるべきことを意図的に伝えなかったり、中には政治権力の実質的広報機関のようになってしまっていることが一部の人に「マスコミ=偏向報道=全部嘘」というイメージを植え付ける結果にもなっている。それがこういう状況を作り出した大きな原因でもある。
トランプ-マスクによる政権は極めて有害な政権であると言わざるを得ない。過去ここまで酷い政権はなかったといっていい。
陰謀論を信じる人たちをみると、”本当であってほしい","本当だったら面白い"情報から陰謀論に傾倒している。イーロンマスクはその"本当だったら面白い"デマを巧みに流して多くの"信者"を増やすという構図だ。しかしマスクの陰謀論に傾倒した人たちは全部デマで嘘と判明したらどうするんだろう?
言葉が独り歩きするインターネット-炎上はなぜ起きるか
ネットの情報の問題はそれだけではない。毎日のように起きる「炎上」についてもおかしなことが起きている。
今もまだ騒ぎが収まっていない赤いきつね 緑のたぬきウェブCM の「性的表現」の件である。
これが「性的表現」をしている、として炎上し不買運動まで起きているのだが、見ていてお判りのように、女の子の映像が性的表現をしているとはまともな人は思わんだろう。強いて言えば主人公の声優がややウイスパー風でエヴァンゲリオンの綾波レイを思わせるくらいだが、それはエロチックではない。
ところがこれに関していえば「一部のノイジーマイノリテイ」が騒いでいるのかと思いきや、どうやらそうではなく男女の描き方の非対称的な部分が問題ということらしい。この文章を読んでなるほど、と納得できる。
https://x.com/MIYUKI__ONO/status/1892152046591344677
但しアニメ好きの女性からは「違和感を感じない」という意見もあり、要は詳しく調べれば調べるほどこんなに炎上して「不買運動」まで起きるレベルのことではない。
おそらくは「性的表現」という言葉が独り歩きして、それだけで反応してしまった人も多いようである。少なくともこのCMは「性的表現」が問題なのではなく、男女の描き方の非対称的な部分で賛否両論が起きているというだけのことである。
別の参考記事としてこれも付記しておくが、
https://diamond.jp/articles/-/359836
私が問題にしているのは今回炎上を起こしている人たちの中で上記のCMをきちんと見た人たちがどれだけいるのか、という点である。
無論このCMで違和感を感じる人の言い分もわかる。『気持ち悪さ』『居心地の悪さ』を感じる人が少なくなかったということだが、それは「性的表現」と炎上するほどの表現ではなく、この商品のマーケテイングの部分(どの層をターゲットにするか)という問題に関して明確に見えないという点で、「不買運動」がおきるほどの出来事ではないと思う。
どうもこの炎上については、映像や中味をよく見ずに「性的表現」という言葉が独り歩きに便乗していっしょに「炎上を起こしている」というのが実態のような気がする。無論このCMに違和感を感じる人もいるだろうが、それはそれ、嫌いなら嫌いでそれはそれでいいではないか、と私などは思う
ここで私は「コンテンツや中味をよく見ずに(または全く見ずに)ただ「炎上に便乗」や「炎上しているとシェアする」(これも便乗の一種)というネット民のコンテンツの見方に問題があるような気がする。少なくとも人にシェアする以上、見出しだけでなく中身をきちんと見るようにすべきだ
見出し、ヘッドラインだけ読んで全て読んだ気になっている人間が多すぎる
AI導入でおかしな運営になっているSNS
だいぶ前から腹立たしく思っているのだが、FacebookなどでSNS運営にAIを導入しているのだが、これが何とも酷い。どういうことが起きているのかというとFacebookの規定に違反していないのにAIが勝手に違反していると決めつけ、投稿を勝手に削除したり酷い場合はグループそのものをBANしたりすることが頻発した。
勿論Facebookに異議申し立てをしたが、こちらの言い分が通ることは実はめったにない。
正直いってFacebookは非常に使い辛いSNSになってきた。最近特に腹立たしいのはFacebook側に「ユーザー側にたった」視点で対応しているように感じないことだ。トランプの腹心になったイーロンマスクのXもかなり酷い状況になってきた。両者に関して共通するのはCEOの考え方が強くでていて、ユーザー視点にたっているようにみえないことだ。
かつてmixiが同じように経営者の考え方を優先してユーザー視点にたつことを怠ったためにユーザー離れが起きた。今は見る影もない。Facebook(メタ)もXもこのままいけば同じ運命をたどる可能性が高い
以上ここに書いている問題だけではないが、SNSの問題についてここで論じたが、これらをふまえてSNSを始めねっとの情報やプラットホームに関して我々はどう接していけば次の記事で論じたい
2月 24, 2025 パソコン・インターネット | Permalink





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