Spotify 収益ルール変更に関する世界の反応と今後の戦略に関する考察
この件に関しては昨年の11月にSpotifyが発表していたようだが、実際に内容を詰めて発表したのは4月1日になってからである。
サブスクプラットホームの最大手のSpotifyが収益化に関して以下の「ルール変更」を発表した。
1. 楽曲販売収益の分配対象を1年間で少なくとも1000回再生した楽曲のみに限る
Modernizing Our Royalty System to Drive an Additional $1 Billion toward Emerging and Professional Artists
https://artists.spotify.com/blog/modernizing-our-royalty-system
2 不正再生操作に対する課徴金をもうける。プレイリストへの登録、フォロワーやストリーム数を増やすためにプロモーション料を支払う行為を不正操作とみなす
人為的に操作されたストリーミングと、再生数の獲得を保証するサードパーティーの有料サービスは正当なサービスではありません
https://support.spotify.com/jp/artists/article/third-party-services-that-guarantee-streams/
3 楽曲が「ノイズコンテンツ」とみなされた場合は販売収益が発生しないか、一再生0.3円⇒0.2円に変更する
特に大きな問題は「年間1000再生しないと収益が受け取れない=収益受け取れない曲を持つアーチストがたぶんわんさか出る」ことになる点ではないだろうか。
日本のインディーアーチストでSpotifyで無駄に流してピタ一文お金が入らない、という事態連発ならどうなるであろう?Spotifyで流しても1000回の再生を達成できないトラックは結構あるものである。特にアルバムの中の全曲がそれを達成するケースは特に私のようなインストが多いアーチストだと難しくなる。
これアーチストの組合で問題になる可能性もあるのでは?実際ハリウッドでのSAGで映像ストリーミングのプラットホームがこれをやったらたちまちストライキになる可能性があると思い、Facebookの海外アーチストやストリーミングプラットホーム関係のコミュニテイにこの件に関してどう思うかきいてみた
そうしたら「これはインデペンデントアーチスト」に対しては不利な決定だろう、という受け止め方があったものの、おおむね冷静な受け止め方をされていることに驚いた。
いわく「年間1000再生でも30円くらいにしかならないのだから、別にそれがなくなってもたいした影響はない」
確かに数字上ではそうだ。ただ果たしてそういう問題だろうか?
これは思うにサブスクに対する意識が日本と欧米で違うからではないだろうか?サブスクというものとどうとらえるか、によってこの事態に対する姿勢が違うかもしれない
実は日本ではいまだにこれをいうと笑われたり、「嘘だ」といわれるのだが、実は海外ではCDが完全に絶滅してアナログレコードにとって替わられている。CDは本来アナログレコードに取って代わるはずのものが、サブスク時代に入って皮肉なことにCDにアナログレコードが取って代わったのである。
■10年で市場規模が10倍に 「アナログレコード」復活の理由をUX観点から考える
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2306/09/news007.html
日本では大手のアナログレコードショップといえばデイスクユニオンを思い起こすが...
ロンドンもナッシュビルも完全にアナログレコードが今や主流である。
日本はサブスクでなければ相変わらずCDを考えるが、海外ではサブスクとアナログレコードが完全にセットになっているのである。
しかし相変わらず時代が変わったことを認めたがらない日本の業界筋は海外と同じ路線に行くことを拒否する向きが多い。
つまりどういうことかというと、ニュアンス的にサブスクに対して認識が違うのである
日本: サブスクで最大限の収入を目指す
欧米: サブスクは収入より「宣伝」である。それでも全世界のストリーミングで数億から場合によっては10億回再生する場合もある
これを考えると今回のSpotifyの決定で1000回未満再生トラックのオミットなどどうってことはない、と考える向きもわからなくはない。「賞品」のメインはあくまでアナログレコードかツアーコンサートなのである。
とはいえ、日本もサブスクで最大限の収入を目指すにしろ、日本国内だけの市場ではおぼつかない。やはり全世界の人に聞いてもらうためにどうするか、ということも考えるべきであろう。



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