当ブログ20年ーほぼ改革0の音楽業界ー10年後に日本の音楽業界は存在しているのか?
今年に入りいきなり能登半島の大地震と津波、2日目に羽田での日航機と海上保安庁の衝突事故とのっけから大変なことが立て続けに起き、今年はどうなってしまうのだろう?という風に思ったが、とにかく能登半島の被災者の避難と保護、そして生活再建に向けた動きが加速できればと思う。お亡くなりになった方のご冥福と被災者の方に心からお見舞いを申し上げます。
そんなことですっかり忘れてしまったのだが、今年はこのブログを立ち上げて20年だということに気づいた。当時はまだブログというプラットホームが出始めたばかりであり、SNSも現在のような社会的影響力を持ち合わせていなかった。そんな中当時から既に衰退し始めた当時の音楽業界に関して危機感を表明していた。
■音楽業界の現状を憂う
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2004/04/post-4b03.html
しかし20年前から、そして勿論現在も、だが誰一人聞く耳をもたなかった
そして20年前から日本の音楽の世界がどうなったか、今更いうまでもないだろう。
J-pop?そんなのまだあるの?
かつて音楽業界を「支えた」といわれるアルファベットの3文字や坂道などはCDというメデイアの事実上の衰退により機能不全となり、もはや完全に有名無実である。
今そして日本の音楽界はもはや完全に業界の体をなしていない。事実上K-POPに支配されており、それ以外の日本の音楽は一部のアニソンを除けばもはや海外ではゴミ扱い、というのが実情である
そしてこうなることはだいぶ前から予想ついたはずだ。だが誰も現状を変えようとはしなかった。日本の音事協を始め芸能界、音楽界の変化を極端なまでに忌み嫌う体質もあって日本の外の激しい変化に対応することを考えていなかったのである。
そして私の持論である日本の音楽界をダメにした件が余計に日本の音楽の世界の惨状を象徴するものとなった。
いうまでもなくタイアップである
■タイアップ状況異変!! クオリティの低いメジャー会社の音源と番組に合わない曲不要論台頭
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/01/post-bcaf.html
特にCDからサブスクが主な時代に入り、従来のプロモーション方法を根本から変えざるを得なくなった。それはサブスク時代に入り構造的にタイアップを取る=ミリオンセラーになる、なんていう時代はもう終わっているのだ。
ではサブスクの時代にミリオンセラーは可能か? いやビックアーチストならミリオンセラー=100万回再生は可能だろう。だが100万回再生したところでサブスク時代ではいくらの収入になるのか? ちょっと考えればわかることだ。
Spotifyで一回再生したところで0.3円である。100万回再生したところでせいぜい30万(!!) これじゃ事務所代も出ない
しかし日本の音楽界は変化というものを極端なほどに忌み嫌う業界である。そのため「従来からのカタチ」に固執する傾向が強い。
「以前からこういうやり方でやってきたから引き続きこのやりかたでやる」
「以前このやりかたでミリオンセラーで成功したんだ。これからもこのやり方で成功するはずだ」
...... 申し訳ないがあまりにも思考停止の度がすぎる。
そこで以前も書いたが、海外では作曲家の収入においてストリーミングではなく別のチャンネルからの収入に主眼を置き始めている。
それがライセンシングである。
ライセンシングとは(使用許可を与える)ことで映画やテレビ、CM等での音源使用料をロイヤルテイとして徴収するしくみで、特にハリウッドの映画やテレビだと下手すりゃ億単位の金になる。私は映画音楽制作の面で海外の映画音楽事務所とつきあいがあるが、もう海外の作曲家もアーチストもサブスク関係の分配額があがらない限り、そのチャンネルの収入よりはライセンシングに主眼を置いた戦略に切り替えている。
ところが日本ではそれをやりたくてもできない事情がある。
なぜならタイアップがあるからである。
日本のタイアップは作曲家が日本国内でライセンシング収入を得ることをほぼ不可能にする。JASRACは建前上一つの曲にタイアップを一回のみに限定、としているがタイアップ契約を作るときに権利ががんじがらめになり(それも訳の分からない「代理店」以外の会社があたかもタカリのように集まってくる)そして事実上他のところでライセンシングを行うことを不可能にしてしまう。
特に東京オリンピックで元電通プロデューサーが逮捕されているがこれもオリンピックよろしく自分では何もしないくせにマージンだけわんさか持っていく利権構造がある。はっきりいうが、これはいかにも「昭和」の発想でありストリーミング時代になればこれは作曲家を事実上殺すシステムとなる。
これも以前に書いた記事である。詳しくはこちらで
■音楽業界総スカン覚悟でいうがサブスク時代に入りメデイアとの「タイアップ」はやめるべきだ。このシステムでのタイアップは作曲家を殺す https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2022/12/post-918fb9.html
それゆえ、私はタイアップというものを廃止すべきだ、という持論をもつに至ったが、いうまでもなく業界からは完全無視されている。
だが状況はますます危機的になっている。そして音楽のクオリテイもますます酷くなっている。
そして映画の世界ではようやくビジネスの「グローバルスタンダード化」に向けて動き始めているが、日本の音楽業界はビジネスのグローバルスタンダート化に向けた動きはほぼ皆無。おかげでジャニーズや松本のセクハラ騒ぎ(松本は欧米ならレイプになり逮捕されてもおかしくない)も全く無関心。現場ではいまだに旧態依然のセクハラ、パワハラが当たり前のように存在している。
もはやどの世界からも置いてけぼりの世界になっている日本の音楽界だが、それらを変えようという動きは皆無といっていい。そして(おそらくは)業界の大多数が波風がたつので世界の変化に対応しようなどとは思っていないんだろう、
はっきりいって私は相当前からこのことを訴えていたが、もう訴える気にもならない。どうせ誰も聞く耳もたんしいうだけ無駄だろう。とも私自身も思っている。どうせ最近の私は音楽業界人というよりは映画業界人に変わりつつある。その方がやりがいを感じるからである。
このブログも日本の音楽の惨状に対しては無力だったわけだ。
10年後、「日本の音楽業界」はもう存在しているだろうか?

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