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2023年12月30日 (土)

2023年は日本の映画界がほんの少し「世界」に目を向け始めた年ーしかし一方日本の音楽界はより深刻な状況に

2023年も業務上は実質的に終わり「回顧と来年の展望」のシーズンになったわけですが、世界から「ガラパゴス」と揶揄された日本の映画界がほんの僅かですが「世界に目を向けた」年だったかもしれません。

その理由はいうまでもなく「ゴジラーマイナスワン」の日本だけでなく世界的なヒットを飛ばしたわけだからですが、東宝はこの「ゴジラーマイナスワン」を配給するために「東宝グローバル」という会社を立ち上げ、世界に向けた日本の映画の配給の体制を作り上げた点にあります。
つまり本格的に日本の映画をアメリカ国内からヨーロッパまで配給できるようになる、という従来の日本の映画界では考えられなかった体制です。

同時にスタジオジブリの「君たちはどう生きるか」もアメリカでの配給会社経由で全米一位の興行収入を得る等、ゴジラ、ジブリという海外では誰でも知っている日本のコンテンツということもあるんですが、まずは両者とも全米一位を獲得したことから、いい出だしだったといっていいと思います。
何よりも世界に目を向けることを頑なに拒んできた日本の映画界にとっては大きな転換点にもなる可能性が出てきました。

テレビドラマでも1つドラマ"VIVANT"が従来の日本のドラマの常識を根底から揺るがす作品が発表されました。

Mindra_main_vivant_nologo

日本のテレビが作ったとは思えないほど壮大なドラマであり、キャストを含めかかっている予算は半端ではありません。あらゆる意味で従来の日本のテレビドラマとは一線を画すドラマといっていいでしょう。ドラマを今回の場合はU-NEXTですが、ストリーミングプラットホームで流すというのも従来のドラマではなかった点です。(一説によると大手ストリーミングプラットホームに流す話があったようですが、重役陣の猛反対で立消えになったという説もあります)いずれにせよ、モンゴルを始めグローバルなドラマの作り方も従来とは一線を画します。

だが、ジブリはさておき、東宝にしてもTBSにしてもこの成功を全員が喜んでいるわけではなさそうです。

特にTBSでは社内でのバッシングすらあったそうです。実際"VIVANT"にはデイする記事がよく出ていました。

■日本に珍しい大予算のVIVANT をめぐるTBSと批判者の反応にみるテレビ関係者の新時代への対応をめぐる分断
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2023/08/post-2e66d4.html

 

しかし殆どのVIVANT"のデイすり記事をよく見ると共通するのはドラマの具体的な展開や内容には殆ど触れず、リアルタイムの視聴率というテレビのもはや旧態依然といってもいい判断材料を絶対視しその数字のみで批判している点。どの記事もドラマの内容、登場人物に関する点には殆ど言及していない。デイすり記事にしてもあまりにも内容がなさすぎる、と言わざるを得ません

これを見て思うのは映画製作会社でもテレビ局でも旧態依然のビジネスモデルにこだわる勢力と、新たなビジネスモデルを構築しようという勢力の間にせめぎ合いが起きているのではないか、と推測できる点です。

実際日本のいわゆる「芸能界」ー音事協を中心とした世界ーは極端なほどに変化を忌み嫌い、自分たちが築いた「芸能界ムラ」を守ることを何よりも優先する社会だったからです。

しかしその「芸能界ムラ」も今年のジャニーズ事件(これだって国連人権委員会やNHKが取り上げなければ誰も本気にしなかったでしょう)そして先日のダウンタウンの松本の件にせよ、かなり従来では当たり前にように行われた行為が思うようにできなくなりました。

とはいえ、従来の古い「芸能界」のありかたに固執する向きも根強く存在します。守旧派とグローバル派との対立は2024年はより一層激しくなるとみていいでしょう。

問題は今回僅かに「世界に向けた目」を今後より大きく広げることができるのか、それとも「音事協」勢力によって時計の針を戻すようなことが行われるのか。事実日本国内では後者の力の方が根強いのは否定できないので、大きな懸念点になります。

ある意味それが今後の日本のエンタテインメントビジネスにおける重要なポイントになるかもしれません。

もう1つ、一応私は本来音楽肌ですので日本の音楽界に目を向けると、状況はより深刻である、と言わざるを得ません。
「世界に目を向ける」どころか寧ろ実質的にK-POPに支配されている始末で、新しい時代に向けて対応しようというそぶりも見せていません。
あらゆる面でもう世界から置いて行かれてますね。

アニメやマンガが辛うじて日本のコンテンツに世界が目を向けさせてますが、日本のポップスはほぼ無視されています。救いがたいのはここまで酷い状況になっても「グローバル化」への改革の動きが殆ど皆無な点です。

まあ一応映画音楽をやっている立場なので、テーマソングといった場合で日本の音楽の底上げに寄与できるといいな、とも思ってますが..

 

 

12月 30, 2023 文化・芸術日記22ー映画テレビ18- |

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