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2023年10月 8日 (日)

AIによる作曲について

昨年から喧しいAIの出現による作曲について

ネットではAIの出現でもはや「作曲家など不要(笑)」といった言質が垣間見るが、確かにまだプロが使う程度のレベルではないが作曲ツールのソフトが沢山発売されている。

■文章が「音楽」に。AI作曲は音楽家にとって脅威か、よきツールか。来るべき音楽制作の未来を考える
https://www.cinra.net/article/202306-ai_ymmtscl 

■音楽生成AIの実力とは?作曲ツール「Boomy」を使ってみた
https://yourclip.life/post/about-ai-composition/ 

基本的に私のAIのスタンスをいうと「新たなツールが出てきた」という認識以上のものはもっていない。また一部の人のようにこれでパニックに近い状況に陥るわけではない。あくまでAIの生成レベルが現段階のままである限りは、という条件付きだが..

というのもAIそしてその生成される音楽、そしてその記事について次の点が見逃されている傾向があると思う。

(1)  AIは必ず「元ネタ」をベースに生成されるものであり、「元ネタ」は著作権フリーのものでない限り著作権が存在する、という点
(2)  映像と違い音楽は日本のJASRACは元より世界的にも音楽の著作権は保護されている点

特に(2)が大きな問題で生成AIの元ネタが著作権のある音源だとすれば、折角カッコいい音源をAIで生成、「作曲」できたとしてもそれがあなたの作品として認められる可能性は低いのだ。少なくとも現在の生成AIのレベルでは

但し生成された曲が元ネタの組み合わせが複雑で元ネタの判別が難しいくらいの高度な生成AIだと事情が変わってくるかもしれない。但しその場合は作曲や音楽に関する高度な知識も必要になるので、どのみち趣味レベルで作る人には難しいだろう。

まあ私の周囲にもAIのみで作曲⇒録音して大ヒット曲を作って見せる、などと息巻いている人物がいるが、いわゆる「売れセン」(この言葉も死語になりつつあると思うが)メロデイをAIで生成して曲を作ることは可能だ。

だがそれがヒットするかは、また別の話。音楽のビジネスはそう単純なものではないし、頭で描いたようにはいかないものだ。

まして私が関わっている映画音楽にしても映像や脚本、その他多くの要素を考えつつ作ることになるのでAIだけにまかせればできるというわけでもない。但しあまり音楽について考えていない監督ならそれでもOKかもしれないが...

しかし音楽は著作権法できちんと守られているが役者さんの肖像権、脚本家の著作権とかの規定は音楽ほどしっかりしていない。先日のWGAの交渉結果でもAIに関して「脚本家の仕事機会を奪わない」という規定はもうけたものの、具体的かつ詳細な部分での詰めがあったようには思えない。現在SAG-AFTRAの交渉もAIがらみで難航しているようだが、こちらもどこまで規定されるのか不透明だ。

いずれにせよ音楽より映画、ドラマの方がAIに関して今後も紆余曲折がありそうである。

 

 

10月 8, 2023 パソコン・インターネット文化・芸術音楽16-23 |

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