12日でまとまるはずが急転直下SAG-AFTRA(全米俳優協会)ストライキ突入。その原因と詳細
最初に書いておきますが、全米俳優協会(SAG-AFTRA)は北米で起きていることで、自分たちには関係ないと思わないで下さい。海外の交渉結果は間違いなく日本国内の今後の役者さんの待遇にも影響していきます。日本人同士だとなかなかそれは実感できないでしょうが、全米俳優協会(SAG-AFTRA)は別世界で起きていることではありません。
昨夜未明全米俳優協会(SAG-AFTRA)はストライキに入ることを表明いたしました。

7月1日に前回の件の契約延長が行われ、単なる事務上の物理的な手続きのみでストライキは回避できるものと思われていました。しかし僅か12日前は全米俳優協会のストは回避される見通しだったのがなぜこれだけこじれてしまったのか?
正直この件は驚きましたが、その理由がこの会見で明らかになりました。ギャランテイその他の昇給ではほぼ合意されていたにも関わらず昨日の段階で急に降ってわいたように出てきた「提案」が原因です。
交渉の場を根底から覆すような提案が会社側(ground breaking proposal)からあったためです。原因はやはりAIに関する提案で以下のような内容だったようです
エキストラをAIでスキャンするにあたり、
「一日だけの報酬のみでAIで全身をスキャン、それ以降は一切本人に対する支払いや補償もなく永久に映画会社は使えるようにする」
この提案にSAG-AFTRA関係者は激高、なるほど俳優をモノとしか見ておらず「生の役者に対する敬意が微塵も感じられず侮辱的な内容だった」とフランドレッシャー労組会長は怒りをぶちまけました。
SAG-AFTRA President Fran Drescher sends a message to Hollywood execs: ‘We demand respect and to be honored for our contribution. You share the wealth because you cannot exist without us.’ pic.twitter.com/GD7qAYb5U6
— NowThis (@nowthisnews) July 13, 2023
おそらくストリーミング系の会社からの提案だと思いますが、僅か12日前には交渉がまとまりそうな感じだったのになぜ土壇場でこのような提案をしようとしたのか、いささかドサクサにまぎれて決めてしまおうという魂胆があったのではないか、という風にも思われます。
これはスタジオ、ストリーミング系がこの項目を撤回しない限り交渉はまとまらないでしょうね。
正直、日本の映画会社も同じことをやりかねないので(既に一部のゲーム会社でこれを行っているという情報もあります)、ここはSAG-AFTRA に頑張っていただくしかないかもしれません。そういうのが日本国内にも確実に影響しますので.
今の予定では10月末までストということですが他の項目はほぼ合意できているので、この項目をスタジオ側が一旦撤回することでストが早めに収拾されることを願う次第です。
7月 14, 2023 映画テレビ18- | Permalink




コメント