続 ジャニーズ発言の松尾さんに関する山下達郎さんのコメントについて
先日の記事でジャニーズ発言で契約解除された松尾さんの件について書いたが、それに関する山下達郎氏のコメントがまた反響をよんでいる。
■山下達郎、ジャニーズ性加害問題「許されない」松尾潔の契約解除は関与を否定
https://kai-you.net/article/87191
私は一度だけ、それもとんでもない昔にスマイルカンパニーさんとお取引させていただいたことがあるが、スマイルさんとはそれほど深いお付き合いはなかったため今回の件は比較的冷静に見れるつもりである。また山下達郎氏とジャニーズのこれまでの関係、スマイルカンパニーとジャニーズとの関係を踏まえたとしても、正直にいうとこの記事に大きな違和感を感じてしまう。
まず性加害問題について「擁護しているわけではない」「ご恩やご縁”と性加害は別問題」と主張するも「忖度」と解釈する人を「きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう」と突き放す発言もしている。この部分は一部の人から悪い印象を持たれているように思う。
ただ公平を期すためにスマイルカンパニーと近い関係にあった仲間の作曲家の話だと「自分の「今」を産み出したシステムを、否定できないために、否定できない自分の発言を、もし嫌うなら、いっそのこと自分の全てを切り捨てて欲しいという意味で述べたのではないか」という。
また松尾氏の契約解除への関与を否定している点は松尾氏の主張と一致していないが、その真偽はともかくこの記事を読むと何か不正がバレた時の政治家の発言を思い出してしまう。正直「逃げ」と「保身」の姿勢がみえてしまうのだ。傍から見るとこの件が今後どう展開しようが自分がダメージを受けないようにうまく立ち回ろうとしているという印象がぬぐえない。
私が音楽界のトップに君臨する人から聞きたいのはそんな話ではない。性被害や忖度なる言葉が当たり前であるかのような現在の日本の音楽界で本当にいいのか、という点だ。そのためこの危機的な状況で音楽界のトップとして襟を正しこのような事件の再発防止に行動しよう、とかそういう言葉がこの記事に見られなかったのが残念だ。勿論法的、刑事の面で性被害の容疑は確定してないがそもそもそんな話が出ること自体日本の音楽界の恥である。
それをジャニーズに関わりの深かった達郎さんが事態収拾するために行動する、とかすれば説得力があるが、それが見られなかったこと、そしてどこか他人事のように聞こえることに大きな違和感を感じる。
先ほどの作曲家仲間の話だと「山下達郎氏は自分のことを「音楽界のトップ」とは思っていないのではないか、と思う。あくまで、「音楽職人」で、音楽大好きな、偉大なるアマチュア的なモノと思っていそう。音楽政治家の皆さんに、そういう問題の解決は完全に任せているといった心持ちなんじゃないかなと想像する」との話だったが、今年は坂本龍一や幸宏さんという重鎮が逝去し、音楽界の立ち位置では達郎さんはトップにならざるを得ないということを自覚してほしい、とも思うが無理だろうか?正直私には無責任な発言に聞こえてしまう。
はっきりいって今未曾有の芸能界崩壊の危機と言っていい状態だが、その意味で誰かがトップの自覚として襟を正す行動をしないとこのまま全部崩壊してしまうと思う。今の音事協のトップにもそういう深刻な事態に対する危機感が全く見られず、ただ自らの「保身」や既得権益を守ることだけに執心しているように見える
まあ私がかねてからこのブログに書いていた日本の音楽業界に関する意識の低さ、認識の甘さがこういうところにも出ているのかもしれない。音事協トップの反発を覚悟の上で書くとこれだけ忖度や一部の大手事務所が特権的に支配している業界状況が当たり前のように続いてきた現状で、それに対する反省、や新時代に対応するための改革の見込みがないのならいっそのこと全部崩壊して更地になってくれた方がいいとも思う。
誰もこの状況を治癒するための方策をやる気がないのなら、いっそのことその方がいいかもしれない。
7月 10, 2023 芸能・アイドル音楽16-23 | Permalink




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