北京五輪開幕―開会式と選手や取材の報道関係者の「身の安全」に懸念
新疆ウイグル地域のジェノサイドを始め香港市民への人権弾圧等、多くの問題を抱えた中北京冬季五輪が開幕した。私自身はある意味東京五輪以上に今回の北京五輪に対して大きな懸念を表明する。
最大の問題はこれら欧米各国の人権問題に対する世界からの懸念に説明らしい説明を行わずひたすら「内政干渉」などといって反発だけする中国政府。そもそもこんな政府を信頼しろ、という方が無理だ。
そんな中北京冬季五輪が始まってしまったのである。
東京五輪はコロナの第五波のたけなわの時に強行されたが、競技自体に支障もなくコロナ感染は発生したものの大会の運営に支障をきたすところまではいかなかった。
今回の北京五輪はまさにコロナのオミクロン株による「第六波」のさなか、中国政府は「コロナ0」などと打ち出しているがそれが実現できるなどと本気で考えている人は少なくとも中国政府関係者以外にはいないだろう。このオミクロンの感染力は半端なものではないからである。しかしそれ以上に中国政府の現在もっている人権感覚の方に大きな懸念を持たざるを得ないのだ。
そして昨日の開会式
北京五輪の開会式が東京五輪より素敵?
当たり前である。北京五輪はいまや世界で活躍する映画監督チャン・イーモウの演出、片や東京五輪は演出家のホロコースト揶揄に始まり、いじめを自慢しているような輩が音楽担当、と演出のメインメンバーがいなくなったという「演出家不在」の五輪。演出が素敵、などと論じるレベルではなかったのだ。比較すること自体がチャン・イーモウに対して失礼である。
それでも私見ではイーモウが本当にやりたかった演出は中国政府その他の関係もあってできなかったと考える。音楽が「クラシック」のみというのもあるし、どうせなら中国の京劇とか三国志とか中国4千年の素材を入れたりするかと思ったら一切そういう要素はなかった。イーモウからすれば一応ビジュアルは「派手」には見せても内容的には「無難な、差しさわりのない」演出(どこかの国と同様、中国政府内にも事なかれ主義がはびこっていると思われる)になっていて多分「不本意な演出」だったのではないかと思われるのだ
かくして日本は文化芸術の後進国である、ということが世界的にも広がってしまった。日本の名だたる文化人があの演出をみて目を覆ってしまったが、そもそも演出家不在になってしまったのだからやむを得ない。日本は文化の面で世界への恥さらしとなった。(パラリンピックの方は「まともな演出」だったのでそちらは救いだったが..)
なんのことはない。イーモウにとっては「無難にそつなくこなした」演出であり、おそらく本人はその関係で「物足りない」とたぶん感じた内容だったと思われるがそれでも「演出家不在」の東京五輪の酷さを引き立てる結果になってしまったのだ。
だがそれ以前に私は今回の北京冬季五輪開催においてコロナオミクロン、以外に大きな懸念を持たないわけにいかないのだ
今中国国内では「行方不明」になっている人が多数いる。テニスのダブルス元世界1位の彭帥 女優、范冰冰を始め、アリババグループやアントグループの創業者の馬雲、国際刑事警察機構(インターポール)の総裁を務めていた孟宏偉等枚挙にいとまがない。
そして世界人権デーにこれみよがしに“軟禁”と“失踪”が起きた。中国政府が人権を屁とも思っていない何よりの証拠である
行方不明、軟禁、資格取消…中国の人権取材
https://news.ntv.co.jp/category/international/43b9cf6e84dc4fab82ad58b318b26ac5
中国で人が消えていく、日本人も台湾の人たちも
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021122400609&g=int
私は今回の北京冬季五輪においてオリンピックのアスリートやマスコミにも同じことが起きるのではないかと大きく懸念する。
むろん、杞憂であってほしいと思うが、世界人権デーに合わせたように中国政府にとって「都合の悪い」人間を“軟禁”と“失踪”を起こすような国はたとえオリンピックであっても何をするかわからない。特に台湾選手や報道関係者の身の安全を世界中が監視すべき。もし台湾の関係者の中に“軟禁”と“失踪”が起きたら世界中がこれを糾弾すべきだ。また参加各国の選手や報道関係者は少しでも身の安全に不安を感じたら発表すべき。行方不明になってからでは遅いのだ。
それ故本来オリンピック開催の資格などない国。人権を目の敵にするくらいの国だ。今回の五輪で「行方不明者」が出ないことを祈るばかりである。
選手報道関係者全員の身の安全を祈る。とりわけ台湾や香港の選手たちが本当に無事に帰国できるのか心配だ。
2月 5, 2022 スポーツイベント・コンサート17- | Permalink




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