ミュージックソムリエイベントー「「現代音楽をあそぶ 」で自らを再発見
本日は久しぶりにNPO法人ミュージックソムリエ協会のイベントで「現代音楽をあそぶ 〜Erik Satie、John Cage、Steve ReichからThe Who、Frank Zappa、THE BEATLESまで」に参加してきました。
ピーターバラカン氏のホストで日本在住の作曲家、モーガンフィッシャー氏を中心に「現代音楽」をテーマとしたトークショーです、「現代音楽」といえばかつて私が一時的に関わって一度は「やめた」と宣言していたんですが、 (参考記事:なぜ私は現代音楽をやめたか https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2006/04/post_8725.html ) バラカン氏と多くのアーチストのサポートをやってきたモーガンフィッシャー氏が「現代音楽」を語るということで少し興味がありました。
トークショーでは貴重な画像や動画が展示されていました。エリックサテイの動画があるとは知りませんでした。BGMのジムノペディでこの動画を見て感激(1920年ころ撮影されたそうです)少し見えにくいですが左側にたっているのがエリックサテイその人です
Erik Satie (左)
エリックサテイはコンセプトの面でもある意味現代音楽の先駆け的な存在ですが、ここで次はサイモンジェフェスのペンギンカフェオーケストラの方に話がいく等、私のフィーリングにぴったり合った話が出てきてうれしくなりました。
通常クラシック系の人が「現代音楽」を話すとたいて「無調音楽」とか下手すりゃ12音技法やいわゆる「クラシック的な現代音楽」の方向に話がいってしまうのですが、ここではサテイからペンギンカフェ、ジョンケージ、ブライアンイーノと、いずれも私が音楽的に影響を受けた人たちの名前が出てきましたので入り込んで行きました。
John Cage
BGMはジョンケージの名曲"In a Landscape"でした。
尚、ジョンケージの話の時には、ケージの盟友で美術家のマルセルデユシャン、とマンレイのツーショットの映像も一瞬ですがありました。貴重な映像を見ることができました。あとプリペアードピアノ(Prepared Piano)を仕込むケージの映像も撮されましたが、その中でフィッシャーさんが一言おっしゃったのが印象に残りました。
「作曲家はクリエイテイブになる」ために雑音を捜して組み合わせる...」
昨今の音楽状況はレコーデイングの課程で「ノイズ」を徹底して排除する風潮があり、ギターのフレットで指を動かす音やピアノのダンパーペダルの音を聴いて「ノイズだ、耐えられない」などという人間が少なくありません。フィッシャーさんの上記の一言は音楽が今ノイズを徹底的に排除することで音楽のクリエイテイブ部分がどんどんなくなっていく昨今の風潮を思わせました。
あとバルトークの話もいいですね。バルトークは民族音楽の語法を芸術音楽の中に取り入れましたが、いわゆるクラシックの中の現代音楽(実際には近代ですが..)では一番好きですね。私自身も大きな影響を受けました、特にピアノの演奏は多大な影響を受けました。
そして「現代音楽」の電子音楽の籏手カールハインツシュトックハウゼン がビートルスの音楽に強い影響を与えた話や
見辛いですが左側の写真がシュトックハウゼンです
この中ステイーブライヒ、テリーライリー等のミニマリズムの話からそれがいかにロック音楽に影響を与えたかという話で
The Who の話とか
(ピートタウンゼントのギターのリフ)
Frank Zappaの話が出ました、このあたりの話を聞くと結構血が騒ぎますね。
さらにローリーアンダースン(先日亡くなったルーリードの奥さん)の懐かしい O Superman! のミュージックビデオまで見ることができました、
結局サテイ、ジョンケージ、イーノ、バルトーク、ミニマリズムからロック、(このトークショーになぜかプログレの話は出ませんでしたが...) などの話の進行を見ると
現代音楽をやめた、 といったけど この観点からするとなんだ自分はずーっと現代音楽をやっていたんだ、ということを再認識させられてしまうわけです。もちろんその「現代音楽」とは十二音や無調等のクラシック系の作曲家の書く恐ろしく退屈な「現代音楽」とは一線を画すものです。(というか私はこれを「現代音楽」とは呼びたくありません)
結局私はポップスだ、なんだ、とやってきましたが 自分のルーツは変わってなかったんだということに気づきました。
だったら遠回りせずにこれにずーっと徹していればよかった、とも思ってしまうわけで
いかに日本の音楽業界の中で自分はただただ流されていたんだ、ということにも気づき愕然としたわけです、
その意味で個人的にも非常に今日のトークショーは有意義でした。非常に得るものがありました。
最後に「現代音楽」といえば........ 会場で4分33秒を上演(!?)
この意味、わかる人にはわかりますが...(笑)
実は時間の関係で実際には1分しか「演奏」しませんでした、(笑)
もう1つこのイベントでさらにあることが浮き彫りになりました。
それは音楽の進化、表現の可能性は実質的に80年代で止まってしまっている。
ということです。
このことは音楽クリエーターの端くれとして私自身 忸怩たる思いがします。
少しでも新しいことを考えるべく、私は新たなことに挑戦していこうと思っています。
12月 4, 2013 イベント・コンサート | Permalink













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