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2024年1月29日 (月)

映画人交流会Vol17開催報告

10カ月ぶりとなります恒例の映画人交流会Vol17 今回も主催者の一人として開催いたしました。

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前回はポストコロナから間もない時に開催されましたが、今回はまだコロナもしぶとく影をおとし、加えてインフルエンザ猛威を奮っていrにも関わらずここしばらくでは最高の入場者となりました。

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恒例の映画デモ、当初は5本程度で今年は楽だ、などと思ったのもつかの間、たった一晩で倍以上の12のエントリーがありました。「今年は少ない」などと余計なことを言ったのが問題だったかもしれませんwww

映像デモの内容は以下の通り...

〇 電丼三二上映会のお知らせ 古川 達郎 監督
①“中田圭監督最新作特報”   中田 圭 監督
②「悪魔がはらわたで いけにえで私」  
宇賀那 健一 監督、詩歩、野村 啓介、プロデューサー高橋 淳
③「ノルマル17歳。」   北 宗羽介監督
④「ダマガール」   清水 佳代子 監督
⑤「復讐のワサビ」  
プロデューサー松本 悠香、ヘマント・シン 監督、小池 樹里杏、野村 啓介
⑥「サンパギータ」   小池 樹里杏 監督
⑦「エターナルラブ゙が蔓延した日」  
長谷川 千紗 監督、真砂 豪、つる
⑧「蠱惑の瞳 Allure」  
花堂 純次 監督、プロデューサー今井 乃梨子、四方堂 亘、片山 浩憲、音楽・塚山 エリコ、主題歌・森 圭一郎
⑨「スポットライトを当ててくれ!」   高 明監督、森本 のぶ
⑩「そして、優子Ⅱ」   佐藤 竜憲監督、プロデューサー沖正人、森本 のぶ
⑪「ひっぱらん -鬼子伝説-」   崔哲浩(監督、森本 のぶ、幸将司、五十嵐 誠、有希九美
⑫「HAKONIWA」   若松宏樹監督、森本 のぶ
以上です。

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映画デモはたいてい押しますね。12本はやはり多いです。次回からは10本未満に方針を転換しようかな、などとも考えています。

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次回開催は全くわかりませんが、年内には何とかあと一回やりたいな、と思ってます

今回は会場のキャパをの限界近くまで入場者が増えましたので、次回はもっと広い会場でできれば、などと考えています。

 

 

 

1月 29, 2024 映画テレビ18-イベント・コンサート17- | | コメント (0)

2023年12月30日 (土)

2023年は日本の映画界がほんの少し「世界」に目を向け始めた年ーしかし一方日本の音楽界はより深刻な状況に

2023年も業務上は実質的に終わり「回顧と来年の展望」のシーズンになったわけですが、世界から「ガラパゴス」と揶揄された日本の映画界がほんの僅かですが「世界に目を向けた」年だったかもしれません。

その理由はいうまでもなく「ゴジラーマイナスワン」の日本だけでなく世界的なヒットを飛ばしたわけだからですが、東宝はこの「ゴジラーマイナスワン」を配給するために「東宝グローバル」という会社を立ち上げ、世界に向けた日本の映画の配給の体制を作り上げた点にあります。
つまり本格的に日本の映画をアメリカ国内からヨーロッパまで配給できるようになる、という従来の日本の映画界では考えられなかった体制です。

同時にスタジオジブリの「君たちはどう生きるか」もアメリカでの配給会社経由で全米一位の興行収入を得る等、ゴジラ、ジブリという海外では誰でも知っている日本のコンテンツということもあるんですが、まずは両者とも全米一位を獲得したことから、いい出だしだったといっていいと思います。
何よりも世界に目を向けることを頑なに拒んできた日本の映画界にとっては大きな転換点にもなる可能性が出てきました。

テレビドラマでも1つドラマ"VIVANT"が従来の日本のドラマの常識を根底から揺るがす作品が発表されました。

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日本のテレビが作ったとは思えないほど壮大なドラマであり、キャストを含めかかっている予算は半端ではありません。あらゆる意味で従来の日本のテレビドラマとは一線を画すドラマといっていいでしょう。ドラマを今回の場合はU-NEXTですが、ストリーミングプラットホームで流すというのも従来のドラマではなかった点です。(一説によると大手ストリーミングプラットホームに流す話があったようですが、重役陣の猛反対で立消えになったという説もあります)いずれにせよ、モンゴルを始めグローバルなドラマの作り方も従来とは一線を画します。

だが、ジブリはさておき、東宝にしてもTBSにしてもこの成功を全員が喜んでいるわけではなさそうです。

特にTBSでは社内でのバッシングすらあったそうです。実際"VIVANT"にはデイする記事がよく出ていました。

■日本に珍しい大予算のVIVANT をめぐるTBSと批判者の反応にみるテレビ関係者の新時代への対応をめぐる分断
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2023/08/post-2e66d4.html

 

しかし殆どのVIVANT"のデイすり記事をよく見ると共通するのはドラマの具体的な展開や内容には殆ど触れず、リアルタイムの視聴率というテレビのもはや旧態依然といってもいい判断材料を絶対視しその数字のみで批判している点。どの記事もドラマの内容、登場人物に関する点には殆ど言及していない。デイすり記事にしてもあまりにも内容がなさすぎる、と言わざるを得ません

これを見て思うのは映画製作会社でもテレビ局でも旧態依然のビジネスモデルにこだわる勢力と、新たなビジネスモデルを構築しようという勢力の間にせめぎ合いが起きているのではないか、と推測できる点です。

実際日本のいわゆる「芸能界」ー音事協を中心とした世界ーは極端なほどに変化を忌み嫌い、自分たちが築いた「芸能界ムラ」を守ることを何よりも優先する社会だったからです。

しかしその「芸能界ムラ」も今年のジャニーズ事件(これだって国連人権委員会やNHKが取り上げなければ誰も本気にしなかったでしょう)そして先日のダウンタウンの松本の件にせよ、かなり従来では当たり前にように行われた行為が思うようにできなくなりました。

とはいえ、従来の古い「芸能界」のありかたに固執する向きも根強く存在します。守旧派とグローバル派との対立は2024年はより一層激しくなるとみていいでしょう。

問題は今回僅かに「世界に向けた目」を今後より大きく広げることができるのか、それとも「音事協」勢力によって時計の針を戻すようなことが行われるのか。事実日本国内では後者の力の方が根強いのは否定できないので、大きな懸念点になります。

ある意味それが今後の日本のエンタテインメントビジネスにおける重要なポイントになるかもしれません。

もう1つ、一応私は本来音楽肌ですので日本の音楽界に目を向けると、状況はより深刻である、と言わざるを得ません。
「世界に目を向ける」どころか寧ろ実質的にK-POPに支配されている始末で、新しい時代に向けて対応しようというそぶりも見せていません。
あらゆる面でもう世界から置いて行かれてますね。

アニメやマンガが辛うじて日本のコンテンツに世界が目を向けさせてますが、日本のポップスはほぼ無視されています。救いがたいのはここまで酷い状況になっても「グローバル化」への改革の動きが殆ど皆無な点です。

まあ一応映画音楽をやっている立場なので、テーマソングといった場合で日本の音楽の底上げに寄与できるといいな、とも思ってますが..

 

 

12月 30, 2023 文化・芸術日記22ー映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年12月 6日 (水)

SAG-AFTRA組合員の投票終了。最終的に「暫定合意」を承認ーこれで正式にSAG-AFTRAストライキ終了

ハリウッドを完全にストップさせた7月からのSAG-AFTRAのストライキ(全米俳優協会)は11月8日に急転直下合意をみた。この時は118日ー4か月近いストライキがようやく終わるのかとも思ったが、その暫定合意の内容をよく見るとかなり「爆弾」を含む内容だった。

懸案の1つだったストリーミング出演に関するインセンテイブは辛うじてクリアしたと思われるが、問題はAIに関する合意で、SAGメンバーの中でかなり異論があるという情報が入ってきた。SAG組合員の中のAI反対派はAI使用を全面的に禁止にすべきだ、という人も少なくないようだ。そこを組合が条件付きながら使用可能にしたことに不満の人が多いようで、今回の投票結果の状況によっては再度ストライキという話も出ていた。

正直過去の例からみて今回の合意を組合として拒否する、ということはたぶんないと思っていたが、果たして支持する投票が何パーセントになるか次第でまたストの話が出てくる可能性も0ではなかった。

そして現地時間12月5日午後5時、日本時間12月6日午前10時に投票は締め切られ、結果は賛成78.33% 反対21.67%と反対票が過去最高というのが今後どう影響するか、という懸念もある。
何はともあれ、AMPTPとの暫定合意は正式に承認された。

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こう話していても海の向こうの話だし、日本にとって対岸の火事でしかないでしょ。という人が後を絶たないので、これが全世界の映画製作に影響する、ということを書きましょう。

特に今回のストライキで問題になっているのは最近台頭著しいAIの件である。今回のSAG-AFTRAのストライキもちょっと前に行われた全米脚本協会(WGA)のストライキもこのAIが焦点になっていた。彼らの多くはAIが自分たちの仕事を奪う、という危機感があったのである。

ちなみに日本の役者さんやモデルさんでAIに対して危機感を感じている人はあまりいないような印象である。しかし他人ことのように考えるべきではなく、これ切実な問題と考えるべきである。特にグラビアアイドルなどはかなりの部分はAIに取って代わられる可能性がある。そう仕事が減っていくのだ。

なぜならハリウッドは今回の交渉で不十分かもしれないが、一定の歯止めがあるが、日本は全く歯止めがないのである。逆にいえばAIによるコンテンツメーカーのやりたい放題になる、と考えるべきなのだ。既にSNSではAIで生成された実在しない女性の写真が相当拡散されている。写真集まで出てる現状を考えるんべきなのだが、どうもタレントや俳優の皆さんを見ていても危機感を感じないのが気になる。

何かAIでは絶対に出せない特徴をタレントとして出さないと今後は厳しいかもしれない 

いずれにせよ懸念された再ストライキは辛うじて回避された。向こう3年間は「正常化」しますが、AIの件は今後も揉めそうではある。

 

 

12月 6, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年12月 3日 (日)

「ガラパゴス体質」で世界のエンタテインメントから取り残されている日本。グローバルスタンダードなエンタテインメントビジネス建設宣言

日本のエンタテインメントが世界から隔絶した「ガラパゴス体質」であることは事実である。以前はこの「ガラパゴス」という言葉をいっただけで業界から村八分を食らい、いわゆる芸能界のトップ、音事協のトップは「日本の芸能界ムラ」を守ることを全てのことに優先してきたことも周知のとおり。事実業界関係者の大多数が日本国内の「芸能界ムラ」しか見ていないしそれ以外を見ようともしていない。

ジャニーズや宝塚の件も日本社会がガラパゴスであるがゆえに、あのような先進国とはいいがたいことが当たり前に起きてきたわけである。しかし何度も言うように情報、コンテンツが国境関係なしに行き来する現代では、いつまでも「ガラパゴス」体制にこだわることは不可能である。日本のエンタテインメントをビジネスとして「グローバルスタンダード化させる」、これを宣言することは日本の芸能界のトップ、音事協のトップにケンカを売るのと同じだといわれるが、上等である。そのケンカをしないと日本のエンタテインメントは滅びの道を進む。

私は既に古い芸能界のトップ、音事協のトップから「好ましからざる人物」と思われているようで、その妨害活動の一環として私に対しておかしな情報や噂を流す輩がいるという情報をつかんだが、日本の文化を守るために戦い続ける所存である。(それらが真実ではないことは私の行動をご覧になればわかるはずである。「詐欺」というのなら被害者は一体どこにいるというのだ?、これは完全に誹謗中傷、名誉棄損案件であり、犯人を捕まえ動かぬ証拠をつかみ次第、法的手段をとるつもりである。)

そして日本が「世界から置いて行かれている」といっているのが私一人ではないことは次の記事でわかるであろう

「アジアで取り残される」日本映画が直面する現実」
https://toyokeizai.net/articles/-/716369?

日本の業界関係者の多くは日本国内の「芸能界ムラ」しか見ないクセがしみついている。また日本国内のくだらない芸能雑誌とか国内記事ばっかり読んでいると、今日本の外で何が起きているか、全く見えなくなってしまう。特に「グローバリズム」を陰謀論とか新自由主義とかに結び付けている人が日本では多いが、そんなことを大真面目に論じているのは日本人くらいである。一時Qアノン、DS(Deep State)に基づく陰謀論がネットを折檻したが、今ではそういう陰謀論を信じている方が恥ずかしい、というのが外国の状況である。

参考記事
■陰謀論の「Qアノン」、主要ソーシャルメディアから姿消す=調査
https://jp.reuters.com/article/socialmedia-qanon-idJPKCN2D72TW

そういった陰謀論がいかにくだらないものか、については海外の記事や外国人とのやりとりをしていると気づいてくる。そしてコンテンツビジネスは国内マーケットだけを見ていればいい、という時代は終わり、すべてがグローバルになっていく。

そんな中、海外の映画製作会社で「日本で撮影したい」という会社が驚くほど多いことをつかんでいる。以前はそういう案件は某大手広告代理店がほぼ独占に近い形で窓口になっていたが、例のオリンピックスキャンダルでハリウッドを始め海外の映画界から信用を失ってしまった結果、海外のフィルムメーカーをサポートする態勢が急務になった。

実はそれに向けて私も動いている。詳細な内容はここでは書けないが、海外のフィルムメーカーをサポートするチームを発足させた。
そしてそれをやっているのが私たちだけではない、ことも最近判明した。

自分だけがユニークで最先端だと考えるのは思い上がりで、同じことを考えている奴は必ずいる。そして私がやろうとしている内容と同様なことをしようとしている会社が私以外に少なくとも4社あることを確認した。
差しさわりがあるので会社名は控えるが、彼らはライバルであると同時に同志でもある。同じ志を持った者同士が盛り上げていけば日本のガラパゴス状態も変わっていくと信じている。

チャンスが目の前にぶら下がっているのだ。やらない手はない。

 

 

12月 3, 2023 音楽16-23映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年11月12日 (日)

JAZZ GODFATHER 劇場公開+初日舞台挨拶 大盛況のうちに終了

かねてからややくどいほどにお知らせしていました拙音楽担当のドキュメンタリー作品ーJAZZ GODFATHER 

本日より初日で、私も音楽を担当した作品が久しぶりに劇場公開されましたのでK's シネマにかけつけました。

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音楽担当作品が劇場公開するのは個人的には6年ぶりとなります。その間コロナとかいろいろありましたが、本当にずいぶんと久しぶりです。ちなみに3年前に別の劇場公開作品が完成し公開をまっているのがありますが、こちらは年内は難しいので来年になるでしょう。来年の早いうちに公開を期待したいものです。

会場は初日ということもあり、多くの方で混雑しておりました。

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初日なので関係者の舞台挨拶がありました。私は参加しませんでしたが...

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司会は先日FMかわさきでこの映画をご紹介いただいた岡村洋一さんです。プロデューサーの中田圭、監督の高橋俊二、そして映画のオマさんこと鈴木勲氏と最後の日々を過ごしたギタリストの小山氏

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記念写真

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おかげ様でK's cinemaほぼ満席で舞台挨拶も無時取り行われ、挨拶後に上映。
上映終了後には観客から拍手が沸き起こりました。

今回のJAZZ GODFATHER, 既に各方面から高い評価をいただいております。今回のK's Cinemaを皮切りに順次他の劇場でも上映予定ですのでよろしくお願いします


11月11日 新宿K's Cinema 10:10-
https://www.ks-cinema.com/movie/jazzgodfather/

シネマ神戸 25日(土)より上映

https://cinemakobe.jimdofree.com/

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■監督・構成 : 高橋俊次
■プロデューサー : 中田圭
■共同プロデューサー : 土田真樹
■エグゼクティブプロデューサー : 中島一郎
■音楽・音響 : 大野恭史
■編集 : 南智之
■撮影 : 佐々木大介
■製作:2023年(71分)
■チェチョン国際音楽映画祭2023オフィシャルセレクション
■ゆうばり国際ファンタステック映画祭2023オフィシャルセレクション

よろしくお願いします

 

 

 

11月 12, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年10月28日 (土)

映画のプロモーションで久々にラジオーFMかわさき訪問

先日発表しました拙音楽担当作品"JAZZ GODFATHER"のプロモーションでFMかわさきにいってきました。

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大昔はFM番組の制作も行っていた時期が昔あったんですが、コミュニテイFMとはいえ久々のFM局ですね。今回出演したのは「岡村洋一のシネマストリート」という番組です。

今回プロデューサーを担当した盟友の中田圭監督とともに出演しました。パーソナリテイ―の岡村洋一さんは中田監督とは長い付き合いのようです。

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スタジオ内では動画も取っていましたのでこんな感じで進みました(^^)

最後におまけ

そんなこんなで楽しい収録ができました。岡村洋一さん。ありがとうございました。

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本当に久しぶりのラジオでした。前行ったのはいつだったか覚えていないくらいですね。

JAZZ GODFATHER

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出演:鈴木勲、山下洋輔、日野皓正、鈴木良雄、秋山一将
監督・構成:高橋俊次
プロデューサー:中田圭 共同プロデューサー:土田真樹 エグゼクティブプロデューサー:中島一郎
音楽・音響:大野恭史 編集:南智之 撮影:佐々木大介
製作:ロックス 配給・企画・制作:ZANY 配給・宣伝:フリーマン・オフィス
2023年/日本語/71分

11月11日 新宿K's Cinema 12:15-
https://www.ks-cinema.com/movie/jazzgodfather/

11月11日 大阪第七芸術劇場 12:15-
http://www.nanagei.com/

他全国劇場にて順次公開予定です

よろしくお願いします

 

 

10月 28, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年10月 8日 (日)

各映画祭にて好評いただきました。音楽ドキュメンタリーJAZZ GODFATHER  11月11日に劇場公開決定のお知らせ

拙音楽担当作品の劇場公開が決定しましたのでお知らせします。

よく考えれば音楽担当作品が劇場公開するのは久しぶりなんですね。なんと7年前の「涙の数だけ笑おうよ」「中野JK-退屈な休日」の二作品以来、そんなに時間経ったかなという感じなんですが、まあコロナとかいろんなことが影響したんですかね

何はともあれ無事公開の運びになりました。フライヤーです。

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"JAZZ GODFATHER"

プロデューサー:中田圭
共同プロデューサー:土田真樹
監督:高橋俊次
撮影:佐々木大介
編集:南智之
音楽:大野恭史
出演:鈴木勲、山下洋輔、日野皓正、鈴木良雄 他

11月11日 新宿K's Cinema 10:10-
https://www.ks-cinema.com/movie/jazzgodfather/

シネマ神戸 25日(土)より上映

https://cinemakobe.jimdofree.com/

他全国劇場にて順次公開予定です

 

 

実はちょうど一年前にこのドキュメンタリーの音楽の制作を開始していましたが、あれから一年もしないうちに劇場公開。実は映画祭での反響がすこぶるよくてそれが功を奏したのか早い時期の公開になりました。音楽のドキュメンタリーですがドラマ的要素もあり、オマさんこと鈴木勲氏の人間性が描かれた作品です。

実はこの作品の前にちょうどコロナの「自粛期間」に制作した作品「銀幕彩日」という映画が完成していたのですが、残念ながらまだ公開の日程が決まっていない状態です。こちらも公開日程が決定次第お知らせします

実はドキュメンタリーの音楽をやったのは今回で二度目で前回は先ほど述べました「涙の数だけ笑おうよ」で偶然ですがどちらの作品もジャズベースの曲になりました。前回は「金毘羅ふねふね」のジャズバージョンにしました。なぜ金毘羅かというと前回のドキュメンタリーの落語家さんの登場音楽が「金毘羅ふねふね」だったからで、今回はジャズベーシストをテーマとしたため必然的にジャズベースの曲になりました。ちなみに今回はネタバレになるので書きませんが。トラデイショナルな曲2曲をジャズ風にしました。選曲は特に意味がなく「著作権のない誰でも知っているけどジャズに相応しい曲」ということで独断と偏見で私が決めました。

尚、当たり前ですが、前回も今回もジャズベースなのでピアノは打ち込みではなく全て手弾きです。そうでないとフィーリングが出ないので

ちなみに前回の「涙の数だけ笑おうよ」のテーマ曲、「金毘羅ふねふね」のジャズバージョン。Spotify,Apple Music その他大手サブスクプラットホームにてストリーミング中です。よろしければお聴きください


 

 

 

10月 8, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年10月 1日 (日)

ジャニーズ問題など氷山の一角 古い「芸能界」と地上波テレビの体質が世界のエンタテインメントから日本が取り残される元凶を作る

私は日本のエンタテインメントのビジネス的に「グローバルスタンダード化」すると書いたが、それがどうやら日本の芸能界やはっきりいうと音〇協にケンカを売るのと同じことになるとある人から指摘されていたが、昨今のジャニーズ問題を見るにつけ信じられないことが当たり前のように行われていた実態が明るみになっていたのは既にさまざま報道で周知のとおりである。

だが日本の「芸能界」の問題はジャニーズ問題だけではない。はっきりいって氷山の一角に過ぎず、実態はかなりひどいものであることは「のん」さんの事務所移籍時のトラブルでも明らかになった

 ■ジャニーズ問題招いた「本当の元凶」 のんエージェントが指摘する芸能界の悪しき慣習「監督官庁はテレビ局を見て指導すべき」
https://www.j-cast.com/2023/10/01469821.html

■「2年先までほぼ休みなし」のんが切り開く独自路線 ジャニーズ問題で「能年玲奈」使えない問題脚光...エージェント語る7年半
https://www.j-cast.com/2023/09/30469819.html

「スピーディ」社長の福田さんは日本で数少ないタレントエージェントであり、私はこういう人がもっと増えていただくことによって日本の「エンタテインメント」の世界が福田さんがおっしゃるように「フェアトレード」(公正な取引)が当たり前の社会になってほしいと思っている。日本の弁護士の多くが「エンタテインメントロイヤー」を馬鹿にしている、という話を聞いたことがあるが海外の「エンタテインメントロイヤー」はエージェントになることによって巨万の富を得ている現実がもっと広まれば事態が少し変わってくるのではないかと思う。

実は芸能界、とりわけ音事協と地上波テレビの癒着はかなり酷いものである。その証拠にいまやジャニーズとの関係遮断をしていないのは事務所の顔色を伺うクセが抜けないテレビ局くらいだろう。なぜなら彼らは国内しか見ておらず、日本人同士の「ムラ社会」の発想から抜けられないからである。残念ながらそういう会社はこれから発展することはないし、つまらない番組ばかり垂れ流す日本のテレビーとりわけ民放はこのまま何もしなければ数年以内に壊滅状態になるだろう

拙記事 ■数年以内に地上波のテレビでNHK以外の民放が壊滅状態になると断言できるこれだけの理由
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2023/02/post-d09eac.html

ちなみに福田さんのインタビューにも言及されていたが、音事協の契約内容は実質的に「奴隷契約」と言っていい内容で、既に公正取引委員会から「違法な契約」と指摘されている。音事協が一番恐れているのはこの契約内容が訴訟の対象になることで、公取が違法と認定した契約が裁判になれば音事協側が敗訴する可能性が高く、判例として(音事協の契約=違法)と認定されれば音事協の体制そのものが崩壊する可能性もある。

またエージェント制について日本ではまだ多くは知られていない。海外では当たり前のことが日本では当たり前ではないことの一例である。上記の記事で「のんちゃんは地上波テレビに出られないで可哀そう」なんていう人がいるようだが、音事協に忖度してのんさんを起用していない局がまだ多いものの、のんさんからすればそんなものはいらないかもしれない。また日本の芸能マスコミは知ってか知らずが報道していないが、のんさんは私の知る限りでは日本のタレントでは断トツに稼いでいる。音〇協からすればエージェント制になれば事務所より遥かに稼げるという情報が拡散されることが一番避けたいところだろう。それゆえ懸命に隠しているがすでに多くの俳優、タレントの間で知られており今年に入り大物俳優の事務所離れが進んでいる。事情をきちんと知っている人間からすればこの動きはすごく当然の動きである。

だがこういう状況にも関わらず音事協も地上波のテレビも今回のジャニーズ問題による反省をする気はないらしい

私がある撮影現場にいたときのできごと。私も制作の仕事をしているが、撮影現場はまず予定した通りには動かないのが当たり前、そのため出演者の予定変更をお願いすることも珍しくない。

実際私がいた現場でそれが起きてしまった。アシスタントデイレクターが事務所にその旨を伝え、陳謝した時にその事務所(あえて事務所名とタレント名は伏せますが)のマネージャーを思しき人物が激高し、まるでヤクザの恫喝のような感じでクレームを入れてきたのを目撃した。こちらの事情を説明しても納得せずただ怒鳴りこんでくるばかり、プロデューサーが「まあまあ」という感じでその場は収まった感じだが、実際こういうことははっきりいって珍しくない。

こういうことをしてくると「普通のビジネス」交渉ができないし、まして「フェアトレード」(公正な取引)など夢の夢である。

そして地上波テレビもその体質は酷いものであることは先日X(旧twitter)を大炎上させた事件でも明らかである。

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いまどきこんな行為を平気でやる人間がいること自体が驚きだが、天上天下唯我独尊という姿勢で「宣伝してやるんだ、文句あるか」という時代錯誤のノリのバカが少なくないことを示している。地上波テレビは落ち目でそのうちサブスクに駆逐されるくらいのことはみんな知っている。5年後果たして局自体存続してるかな?
ちなみにこのテレビ局関係者がこのお店に謝罪等の行動を行ったという情報は今の所入っていない。自分たちが何をしたのか、という認識もないらしい。呆れたものである。こういうことをすればたちまちSNSで拡散されるということすらもわからないらしい。

ちなみに今海外のテレビ局でこれやったら即刻クビで業界永久追放くらいの処分を受ける。日本の外では多様性,持続性,公正はものすごく重視されるんですよ。日本国内のムラ社会だけ見てるとそういう事実がわからなくなる。テレビ局関係者の大多数が日本国内しかみていないとすればコンテンツ産業がますますグローバル化している現状ではもはや末期症状といわざるを得ない、業界関係者の大多数がまさしく頭の中が昭和で止まっているといわれてもしかたあるまい

今回のジャニーズ問題でCMの契約解除が相次いでいるがそれを「手のひら返し」といって批判的なことをいう人もいるが、私は違うと思う。例えばアサヒビールホールデイングスの社長のこの判断はこの記事を読むと正しい、プレジデントでもまともな記事はあるということだ。

■「タレントに罪はない」で逃げるテレビ局とは大違い…アサヒビールが「ジャニーズ6人の起用中止」を決断したワケ
https://president.jp/articles/-/74125

グローバリズムをいろいろ言う人がいるがビジネスは世界中でつながり、企業である以上世界中にその行為がみられている点は事実である。特に多様性、包括、公正であることを示さない企業は国際的に相手にされない。日本では絶対的な力をもっていた某広告代理店も特に「公正」という面で問題があったのはオリンピックのあの状況で明らかである。日本の「ムラ社会」では通っても国際社会の論理では通らない。

「フェアトレード」(公正な取引)やきちんとしたビジネスの交渉、「ムラ社会」の論理ではなく全世界が共有するビジネスルールに基づいてビジネスを進行する。これが「グローバルスタンダード」というものである。一部のデマサイトが流す「アメリカ云々、DS-デイープステート云々」は全く関係ない。そういうもっともらしくデマを流すサイトの情報など無視すべきである

日本人は国民性レベルで「変化を好まない」といわれる。だがビジネスは好むと好まざるに関わらず全世界でつながっており、あらゆるビジネスルールは「グローバルスタンダード」に基づいて行われる。この流れは誰にも止めることができない。そしてそれに対応できないビジネスはいずれ滅びの道を歩むことになる。この流れも避けられない動きである。

 

 

10月 1, 2023 芸能・アイドル映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年8月27日 (日)

日本に珍しい大予算のVIVANT をめぐるTBSと批判者の反応にみるテレビ関係者の新時代への対応をめぐる分断

私には珍しくテレビドラマの記事である。映像音楽作家としてはドラマの音楽など「鉄子の育て方」という小規模なドラマ以来やっていない (^^:)

だがTBS系列のドラマ"VIVANT"は日本のテレビが作ったとは思えないほど壮大なドラマであり、キャストを含めかかっている予算は半端ではない。あらゆる意味で従来の日本のテレビドラマとは一線を画すドラマであり、普段地上波のテレビを殆ど見ない私でも毎週楽しみに見ている。

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VIVANT"は大河ドラマを凌駕する豪華キャスト、モンゴル等の大規模な海外ロケ、そして何よりも日本の今までのドラマと違いよく練られた脚本で毎回ドキドキする展開を見せる。しかもわざと「謎」を散らばめていて、SNSで様々な「考察」が盛り上がった。これは現代の宣伝戦略らしい戦略であり見事だといえる。

今日も番組公式が「一番衝撃的な回」と予告したとおり本当に衝撃的だった。ネタバレになるのでここでは語らない。

いずれにせよ視聴率を始めかなり好調のようである。

■今夏ドラマで独走の『VIVANT』、TBSはなぜ破格の制作費をつぎ込めた
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76625

最近はリアルタイム試聴ではなく配信での視聴者数も重要な要素だが、TverやU-nextでの同時配信もドラマの予算確保に一役買っただろう。もうリアタイでの視聴率だけですべてを判断する時代などとっくに終わっている(はず)である。

このように好調なViVANTだが、しかしながら本来なら喜んでいるはずのTBSで社内での判断は必ずしも良くないらしい

■TBS「VIVANT」の憂鬱 制作費「1話1億円」も視聴率チョボチョボ…局内からはバッシングも
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/327209

また一部にVIVANTをしつこくデイする記事もあちこちに出ている。

堺雅人『VIVANT』ショボい追加キャストにガッカリ! 前クールの福山雅治『ラストマン』視聴率を未だ越えられず苦戦中
https://myjitsu.jp/archives/440940

堺雅人主演の日曜劇場『VIVANT』 配信マネーで映画並みの予算投入もこだわりすぎがアダに? SNSでは「よく分からん」と離脱者も
https://www.fami-geki.com/vod/drama-vivant/

勿論ドラマを見てどう思うかは個人によってだいぶ違うし、その観点からいえばどんな感想をいってもかまわないのだが、失礼ながら「まいじつ」の記事などは毎回これでもか、というほどVIVANTをデイすっている。どの記事にも共通するのはドラマの具体的な展開や内容には殆ど触れず、リアルタイムの視聴率というもはや番組の反響の判断材料の1つに過ぎない点を絶対視し数字のみで批判している点。たぶんこの記事を書いたライターは実際にドラマのVIVANTを見ているようにはとても思えない記事である

もっというと「誰かに書かされた記事」であるという点。実は変な話、業界ではこういうことは珍しくない

そして上記の日刊ゲンダイの記事「■TBS「VIVANT」の憂鬱 制作費「1話1億円」も視聴率チョボチョボ…局内からはバッシングも」を見てあることが想像できる。

それはテレビ局の中で旧態依然のビジネスモデルにこだわる勢力と、新たなビジネスモデルを構築しようという勢力の間にせめぎ合いが起きている、という点である。

テレビ局というところは実は本質的に保守的なところである。地上波と大手広告代理店のもたらす広告収入、そしてそれに群がる勢力による莫大な利権が生じている。そしてその利権、既得権益を守るために場合によっては手段を選ばない勢力も存在する。そこには忖度や癒着が当たり前のように生まれる。

だがそうでなくストリーミング配信のように世界中の市場を相手にするとデータによる操作不可能な配信は忖度の余地などない。既得権益を守りたい人にとってはこれが気に入らない。

今回のプロデューサーであり監督であり原作者でもある福澤克雄氏などはその新たなビジネスモデルを構築しようとしていると推察するがどこでもそうだが新たなことをするのは既存の勢力から抵抗を受けるものである。おそらくTBS局内でも両勢力による対立が起きていると考えられる。

また私も当ブログの記事でかいたが、地上波のテレビはこのまま何もしなければ「滅びの道」を歩く可能性が高い

■数年以内に地上波のテレビでNHK以外の民放が壊滅状態になると断言できるこれだけの理由
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2023/02/post-d09eac.html

実際映画の世界も、そしてもともと保守的な体質の強い音楽の世界でも「旧勢力」と「新たなビジネスモデル」を構築する人間の間で分断が起きている。この中でも特に保守的な体質をもつテレビ局などは尚更だろう。

"VIVANT"は果たして後の時代から地上波テレビが復活に向けて動くターニングポイントになるのか、そういう目でもこのドラマを見ることができると思う。

 

 

8月 27, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年7月29日 (土)

クレーマー、ネトウヨ、壺ウヨの言うことなど気にするな!クリストファーノーラン監督の映画「オッペンハイマー」を劇場公開せよ!

原爆、第二次大戦ーこれらをテーマとした映画に関して日本という国は過剰なまでに反応する。過去も本来なら普通に公開されてしかるべき映画が正常な形で公開できなかった例があった。

映画を見もしないで誰かが流した「反日映画」というデマを信じ込んで反対運動のために公開できなかった「アンブロークン」

■映画「アンブロークン」鑑賞ー不屈の精神を描いた良質の作品ー映画を見もしないで反対運動していた奴らは恥を知れ!!
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2016/02/post-2d22.html

第二次大戦の日本の「南京大虐殺」をテーマとした映画「ジョン・ラーベ」
■映画「ジョンラーベ」上映会にて鑑賞ー史実に忠実ですが反日映画ではありません!!
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2015/12/post-242e.html

上記の「アンブロークン」はネトウヨや在特会の反対で配給会社が降りたのに対し、この「ジョン・ラーベ」はまだネトウヨが今ほど激しく活動していなかった時期だけに配給側の「自主規制」によるものである。非常に残念というか恥ずかしいことなのだが、海外では「日本人は戦争の歴史を正視するを拒否する国民」という評判が定着していて、ナチスのような負の歴史があるドイツ人ですら冷静に取り組んでいるのに、日本人はどうもそれと違うようだ」という評価をされてしまっている。

 私はそれは日本人として恥ずべき事態だと考えている。

そして今度は「原爆の父」といわれているクリストファーノーラン監督の話題作「オッペンハイマー」

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これに関しても「原爆」というテーマについて批判や圧力を恐れてかいまだに日本国内での劇場公開のメドがたっていない

これに関してニュースウイーク日本版は「被爆国である日本の人々には、当事者として、この作品を評価する権利がある」ので公開すべきと書いている

■クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2023/07/post-1319.php

この映画は明らかに被爆国日本の人々によって評価されるべき作品です。今すぐ公開して、しっかりと必要な論争を行うことが必要です。ノーラン監督も、おそらくはそれを望んでいると思いますし、日本で賛否両論を浴びることで初めて、本当の意味で完結する作品と言っても良いかもしれません。とにかく、現時点で公開が決まっていないというのは異例です。即時公開を強く望みます。

全く同感である

事なかれ主義と忖度のクセが日本という国をダメにした

これら一連の動きに共通するのは「差しさわりのあるもの」「臭いものに蓋をする」のが当たり前になってしまった日本社会の体質である。ネットにいる暇人たちが「クレーマー」と化し、また日本が過去の戦争に関わる件についてはネトウヨの荒らし行為が恐くて通常のプロセスで動かすことによって叩かれることを極端なまでに恐れる、という構図がある。

先日でも市川猿之助の「自殺ほう助」事件で同俳優の出演作の配信を全て中止する等(結局はそれは撤回されているが)出演者の一人が不祥事を起こすとその出演した作品そのものを否定する。本来出演者の不祥事と作品は無関係であるにも関わらず、だ。

コンプライアンスなどというが日本のコンプライアンスというのは要するに事なかれ主義である。それは倫理や社会問題に関係なく、会社の関係者や部署の長、会社の幹部の「保身」を目的としたものである。

それが「議論」というものを避け、自分の頭で考える機会をなくし、ただただ「波風を立てない」ことを全てのことに優先したがゆえにこのようなことが起きる。

そこに建設的な姿勢は皆無である。

ただただ、ひたすら「事なかれ主義」である。

そのような風潮が日本人から「考える機会」を奪い、特に戦争について「日本人は戦争の歴史を正視するを拒否する国民」という評価が定着してしまう。
そのような国民が世界から尊敬を受けるだろうか?

受けるはずがない。

そもそも日本の戦前のありかたについて賛成する立場の人も反対する立場の人も映画そのものを見なければ、それに関する自分の正式な見解など築けないであろう。見なければ考える事すらできないからである。

だから私も声を大にしていいたい

映画「オッペンハイマー」を即時劇場公開せよ

アメリカではバービーに並ぶほど大ヒットしている映画、公開すれば今からでもそこそこの収益が期待できる作品である。

 

 

 

7月 29, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年7月17日 (月)

価値観が変遷の時代―業界にも起きている大きな分断

このブログで何回も私は論じているが、好むと好まざるに関わらず現代は数百年に一度の大変革が起きている時代である。価値観が大きく変化しており、10年前の常識がもはや崩れてしまっているのが現代である。日本人同士や日本のマスコミの記事ばかり読んでいるとこの「価値観の変遷」というものが理解できないかもしれないがこれは事実である。とりわけ日本のマスコミはオーソリティに対する忖度しか考えないので世界的に見てももっとも信用できないメデイアといっていい。またネットにはその価値観の変遷を「陰謀論」でとらえる向きが多々あり、間違った捕らえ方や理解の仕方をしている人も少なくない、

インターネット時代に入って最近大きな問題を感じるのは「どれが正しい情報なのか分かり辛い」という点である。

どれも我こそが正論であるかのように書いているウエブサイトが多いが、はっきり言おう、そういう類のもので正しい情報を発信しているところは殆どない。特に陰謀論は99.99%フェイクニュースであり、詐欺的なものと考えて間違いない。

昨今の価値観の違い、いずれもネットでは見事なほどに「陰謀論」に汚染され、しかもそれを本気で信じ込んでしまっている輩が少なくないという点。やっかいなことは陰謀論者は「自分はみんなの知らないことを知っている」という変な思い込みをしている傾向があり、実際には何も知らないのに「自分は人より知識がある」と思い込んでいる点である。

以下の価値観の変遷はネットでは陰謀論に絡めて論じられることが多い、

1.グローバリズム(この言葉嫌いならボーダーレス社会)

2,多様性- ジェンダー、LGBTQ、障害者、人種による差別をしない社会

3.SDG(温暖化も含む)

無知とは恐ろしい。無知は偏見を呼び暴力につながる。

これら3つをその辺の「もっともらしく言うウエブサイト」のことを全面的に信用し、きちんとした学者や学会の説を「デマ」と決めつける人間が多い。

特にグローバリズムをアメリカの陰謀であるかのように主張するのは無知の証明である。トランプ前大統領は反グローバリズムだったし、現在共和党を中心に多様性、LGBTQに反対する運動が大きなうねりとなって起きており、アメリカ社会でも深刻な分断が起きている。こんな状況では陰謀どころの話ではないはずであるが、日本でもその陰謀論を信じ込んでいる人間が少なくない。

そしてもっと嫌なことはこの陰謀論を適用して日本のガラパゴスの状況を守ろうとする動きがあることである、

アメリカ社会と同じように映画でも音楽でも分断が起きている

例えば日本の映画関係者でテレビや大手制作会社との付き合いが主な所は従来の日本のガラパゴス的な体制を遵守し、日本国内の市場のみを見た制作活動を行っている。一方で先日参加した映画プロデューサーの会合で現場で動いている人たちの殆どが海外との合作プロジェクトを行っており、その意味では映画のグローバリズム、ボーダーレス社会の状況についてほぼ私と同じ認識をもっていることを感じた。

現場の第一線で動いている人たちこそが実際に今世の中が何が起きているのかを実感しており、その辺のネットの中途半端な情報で全てを分ったつもり(実際には何もわかっていない)の人たちとは一線を画す。そういうものである。

この分断、世の中の流れがどちらに向くか、おそらくもうすぐ見えてくるだろう。

私は旧態依然の国内のみを見たマーケット観、ガラパゴスな価値観の方向にはいかないと思うし、そちらの方向に日本の映画産業、音楽産業が向かうようでは「滅びの道」を行くことは避けられないと考える。

 

 

 

7月 17, 2023 文化・芸術音楽16-23映画テレビ18- | | コメント (0)

AI時代ーアーチストもクリエイターの「元ネタ」に関する規定に関する提言

前の記事でアメリカ俳優協会(SAG-AFTRA)が経営側が交渉妥結直前に出してきたAIに関する項目で一転決裂ーストライキ決行という事態になったことを当ブログに書いたが、その内容をもう一度おさらいすると

1.SAG-AFTRAの役者全員を一日100ドルのギャラで全身と声をスキャンさせる

2. そのスキャンしたデータ(元ネタ)を永久にスタジオの所有物とし、以後役者には一切のロイヤルテイに関する支払いを発生させない。

3. そのスキャンしたデータ(元ネタ)を本人の許諾なくスタジオは自由に加工し自由に使うことができるようにする

これは役者の肖像権、知財の存在を真っ向から否定する考え方であり、SAG-AFTRAのドレッシャー委員長が怒るのも無理がない内容である。このような提案を当たり前のようにしてくるスタジオ側の発想は時代錯誤的ですらある。

だがこれというのも最近になって急激に発展してきたAIに関するデータの扱い方について世界的な合意が得られていない点が問題である。

まず基本的な点としてAIは

 

 

  1. 常識的な判断をすること

  2. 絶えず学び、その場で適応すること 

  3. 原因と結果を理解すること

  4. 倫理的な推論をすること

具体的には同じ作業の繰り返しをする、単純作業で成り立つ内容の仕事にむいているといわれている。処理能力は膨大、かつ迅速でありデータ処理に関しては人間はほぼAIにはかなわない。だが注目してほしいのは2の「絶えず学びその場で適応する事」

つまりデータ、コンテンツの場合は元ネタによってAIが写真、著作物、音楽等を生成するという点、もっとはっきりいえば

元ネタがないとAIは何もできない。 という点を抑えておかねばならない

そしてその元ネタは著作権肖像権フリー素材を使わない限り知財の権利は残る、という点が重要である、

つまり肖像権、著作権、版権その他の知財に関するロイヤルテイの支払い義務が生じる、支払わないと知財を無断で使用することになり違法になってしまう。先ほどのSAG-AFTRAのスタジオ側の要求はAIによる元ネタの違法使用を認めよ、と言っているのに等しくこれはあまりに酷い内容と言わざるを得ない。

そこでAIを使用する際の規定を厳密に定める必要がある。具体的には

1.元ネタがなにかを必ず登録する
AIに覚えさせる時に「何を覚えさせたか」を必ず記録し、明示すること。そして覚えさせた知財の権利所有者を必ず確認する

2.コンテンツ生成の際、元ネタに関するロイヤルテイ支払い
方法はいろいろあるだろうが、1つの例として欧米が行っている肖像権の「チェーンオブタイトル」のようなロイヤルテイ支払い方法が考えられる。いずれにせよ元ネタの作者、所有者が何らかの形で支払いを受けることが重要である。

3.不正防止のため生成物を第三者が確認する
日本では決して数が多くないがエンタテインメントロイヤーにより知財がきちんとロイヤルテイ処理がされているかを確認する必要がある。

この規定を前世界的に早急に決定させる必要がある。これを早急に提言したい。

噂レベルだが、某映画スタジオはクリエイターも役者も一切使わずにAIだけで映画を作ること画策しているという、それも肖像権、著作権等の知財のロイヤルテイを一切払わずに

そのような暴挙がもし本当にあったとしたら何としても阻止しなくてはならない。

 

 

 

7月 17, 2023 パソコン・インターネット文化・芸術思索,考察映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年7月14日 (金)

12日でまとまるはずが急転直下SAG-AFTRA(全米俳優協会)ストライキ突入。その原因と詳細

最初に書いておきますが、全米俳優協会(SAG-AFTRA)は北米で起きていることで、自分たちには関係ないと思わないで下さい。海外の交渉結果は間違いなく日本国内の今後の役者さんの待遇にも影響していきます。日本人同士だとなかなかそれは実感できないでしょうが、全米俳優協会(SAG-AFTRA)は別世界で起きていることではありません。

昨夜未明全米俳優協会(SAG-AFTRA)はストライキに入ることを表明いたしました。

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7月1日に前回の件の契約延長が行われ、単なる事務上の物理的な手続きのみでストライキは回避できるものと思われていました。しかし僅か12日前は全米俳優協会のストは回避される見通しだったのがなぜこれだけこじれてしまったのか?

正直この件は驚きましたが、その理由がこの会見で明らかになりました。ギャランテイその他の昇給ではほぼ合意されていたにも関わらず昨日の段階で急に降ってわいたように出てきた「提案」が原因です。

交渉の場を根底から覆すような提案が会社側(ground breaking proposal)からあったためです。原因はやはりAIに関する提案で以下のような内容だったようです

エキストラをAIでスキャンするにあたり、

「一日だけの報酬のみでAIで全身をスキャン、それ以降は一切本人に対する支払いや補償もなく永久に映画会社は使えるようにする」

 

この提案にSAG-AFTRA関係者は激高、なるほど俳優をモノとしか見ておらず「生の役者に対する敬意が微塵も感じられず侮辱的な内容だった」とフランドレッシャー労組会長は怒りをぶちまけました。

おそらくストリーミング系の会社からの提案だと思いますが、僅か12日前には交渉がまとまりそうな感じだったのになぜ土壇場でこのような提案をしようとしたのか、いささかドサクサにまぎれて決めてしまおうという魂胆があったのではないか、という風にも思われます。

これはスタジオ、ストリーミング系がこの項目を撤回しない限り交渉はまとまらないでしょうね。
正直、日本の映画会社も同じことをやりかねないので(既に一部のゲーム会社でこれを行っているという情報もあります)、ここはSAG-AFTRA に頑張っていただくしかないかもしれません。そういうのが日本国内にも確実に影響しますので.

今の予定では10月末までストということですが他の項目はほぼ合意できているので、この項目をスタジオ側が一旦撤回することでストが早めに収拾されることを願う次第です。

 

 

 

7月 14, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年7月 9日 (日)

3年ぶり開催ー「アニメ・マンガ・ゲーム中心エンタメ業界親睦会」に出席

コロナ禍により3年以上も開催できなかった恒例の「アニメ・マンガ・ゲーム中心エンタメ業界親睦会」が昨日の7月8日に開催され、私も久しぶりに参加させていただいた。全く元気のない日本の産業でも数少ない活気にあふれたゲームとアニメ業界。映画人交流会も凌ぐほどの規模で開催されてきた。

しかし今回はコロナ禍明けということもあり、人数は抑えめで開催された。コロナ前だったら出席者はゆうに300名を超し、いつも会場から人があふれるくらいの規模だが、今回はその面でやや抑えめの入場者数だった。会場入場はあらかじめチケット購入が必要であり本日開催時には既に完売していた。

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会場では飲み物と料理がビュッフェ式に置かれてる。これも以前と同じパターン

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毎回ゲスト出演があるのだが、今回は仮面ライダーディケイド の俳優でアニメ制作会社の社長という異色な経歴をもつ井上正大氏

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そして声優さん2人

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映画や音楽は今の日本悲惨な状態だが、アニメだけは世界中から注目されている。それはマンガーMangaが完全に英語になってしまったことからもうかがえる。それが辛うじて日本がコンテンツ業界で世界から置いて行かれずに済んでいる点でもある。
しかしだからといって「従来のガラパゴス路線」に固執していい、ということにはならない。音楽でも映像でもその方向性に固執する向きがあるのは承知しているが、それは愚かな行為である。アニメも映画もコンテンツは国境や国籍関係なくボーダーレスに動いているのは現場を見ればすぐにわかることであり、そのためには世界のビジネスルールでキャステイングを含めた制作を行わなければならない

今回アニメ関係はこうした知財を海外向けを含めて契約交渉を行っていることがわかった。会場で日本人のエンタテインメントロイヤーと繋がることができた。これは制作する際のキャストやクルーとの契約、という海外では当たり前のことが推進されていることを意味する。だから日本のアニメは海外で広まっているのだ。

それ以外に小学館で連載をしている漫画家さんや、小さいながらもアニメ制作を行っている会社と繋がることができたので、個人的には久々の開催で一定の成果をあげることができた。
過去の例からみて数か月後にまた開催される可能性があるのでその時もまた楽しみしておくとしよう

 

7月 9, 2023 映画テレビ18-イベント・コンサート17- | | コメント (0)

2023年6月11日 (日)

日本のエンタテインメントの「鎖国状態」から開国してグローバルスタンダードなエンタテインメント界に脱皮するために

さてカンヌ国際映画祭も終わり、コロナも明けてようやく映画や音楽もエンタテインメント業界が復活に向けて動くか、と思いきや音楽業界も映画業界も正直いって今ひとつ元気がない。これは芸能人のスキャンダルというのもあるが、私がみたところ日本の映画業界も音楽業界もポストコロナに対する姿勢、戦略というのが全く見えていない点にある。

ちょっと前までこの言葉を使うと業界のメジャー筋から反発されていたが(もっと昔なら下手すりゃ追放されていた)もう今の段階では大っぴらに書いちゃっていいだろう。(当ブログではだいぶ前から書いてはいるが..(^^:) 日本のエンタテインメント業界ー映画も音楽も世界的にみてガラパゴスな体制を作っているのは既に多くの人が指摘しているところである。

ガラパゴスというのは単に他の国と体制というかシステムが違うだけでなくいわば「文化的な鎖国」を行っている点である。日本国内で作られる音楽も映画も大多数は世界に向けて発信することが極めて少ないのが現状で、大多数の人が日本国内しかいまだに見ていない、というのが現状。その関係でカンヌを始めアメリカ映画アカデミーの情報などは殆ど入ってこないし、いわゆる日本の芸能マスコミなどは殆ど報道していない、というのが現実だ。

日本人が知らない「カンヌ国際映画祭」の内情と特異性 ハリウッドとの違いは?
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/323936?

その結果毎年のようにカンヌに出品している是枝監督等は日本では正直「異端」扱いされたりしている。

しかし私が毎回主張している芸術の制作現場のグローバルスタンダード化は遅まきながらスタートしている。

いわゆる昔ながらの芸能界のしきたりにこだわる人から見れば、日本の芸能界を「グローバルスタンダード化する」というと芸能界のトップにケンカを売ることと同じことになるらしい。

だがいつまでも旧態依然の考えにこだわっていると、いつまでたっても日本は世界から置いて行かれてしまう存在になってしまう・

そんなこともあって昨年文化庁が「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた ガイドライン」を発表し、海外では当たり前の制作に入るときにきちんと契約をまず締結すること。今までのような馴れ合いで製作開始するのではなく、契約締結後初めて制作に取り掛かるように呼び掛けている

■文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/bunka_geijyutu_bunya/pdf/93742601_01.pdf

また映画製作現場がパワハラやセクハラだけでなく、ブラックな現場であることが当たり前だったことを修正すべく、こちらは経済産業省による答申が発表された。

■映画制作現場の適正化に関する調査 報告書
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/report/eigaseisakugenbareport2022.pdf

これら一連の動きを業界では「芸適」と略しているが、日本の業界筋は映画、音楽、いや芸能界全般が「変化」を忌み嫌う傾向が強い。実際文化庁の契約のガイドラインについて、役者やアーチスト側で二の足を踏んでいるケースが多いようだし、何よりも経産省の出した「映画制作現場の適正化=13時間労働をMAXとする」という方針に映画会社のクルーのベテラン、トップの人たちが激しく反発している。

実はこれに関しては東京バイスのような海外と日本のクルーが共同で作業する現場で日本側とアメリカ側のクルーで激しい対立がおきているという現実もあり、アメリカの12時間の労働MAXの方針にクルーのベテランのお爺さん連中が激しく抵抗しているからで、人間は長い間の慣習を変えるということが死ぬほど辛いと感じる人たちがいるようである。

一方でテレビ関係に近い人、いわゆる大手映画会社関係は相変わらず旧態依然とした国内中心の考え方だが、海外との合作映画、海外映画関係者とのコラボレーションを中心に動いている日本の映画関係者も増えているのを感じる。やはり映画制作はもはやボーダーレスの時代であり、そうした世界の流れをきちんと把握していれば従来の「日本国内しか見ない」映画マーケット観には決してならないはずである。

だがこれはようやく日本の政策現場が「グローバルスタンダード」(これでも海外よりは働く時間が長い)がようやく始まったというのが現状で、ある人の話だと日本の現場が完全に「グローバルスタンダード」になるまで10年はかかる、という人もいる。

実際幕末から明治までペリー来航から明治維新が実行されるまでに20年近くかかったことを考えると、日本人の意識改革を含めそのくらいかかるのかもしれないが、20年は世界は待ってくれないので、やはりまず10年で可能な限り世界水準で「普通のエンタテインメント産業」になるように努力すべきだろう。

 

 

 

6月 11, 2023 文化・芸術映画テレビ18- | | コメント (1)

2023年5月19日 (金)

ダマー国際映画祭2023終了報告

過日5月14日に東京の日比谷会館にて行われたダマー国際映画祭が無事取り行われました。

3年間の長い間のコロナ禍に苛まされ、なかなか思うような開催が行われませんでしたが、今年は感染症の心配もなく開催できました。マスクしている人も少なくなりました。

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総合MCのラッセル・グドールとジェシカ・ウエルシェル

 

今回は三年ぶりに海外からの出品作品の監督も来日。映画祭が正常化されたことが印象付けられました。

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今回の受賞者は以下の通りです。
U-30(30分以内部門) ー"Singulars" ーSantiago Espero(イギリス)
U-15(15分以内部門)ー"ラの#に恋をして"ー廣田耕平監督(日本)
最優秀アニメー”A Dream of Hawaii"ーThomas Smoor Isaksen(ノルウエー)

観客賞ー"Singulars" ーSantiago Espero(イギリス)

ここ数年海外作品が日本作品をクオリテイの面でも規模の面でも圧倒していたんですが(理由は日本の殆どの作品が「自主制作」であることに対し、海外では短編でもファンデイングのシステムがきちんとしている点にあります。それを考えると今回は日本作品が頑張った印象があります。今回30分以内部門でグランプリを取った Santiago Espero 監督はスペイン生まれで現在はイギリス国籍を持っている監督ですが、イギリスらしいウイットに富んだ脚本でグランプリだけでなく観客賞も取りました。現在はなぜか日本に在住だそうで、今後の活躍が期待されます。

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5回目を迎えた今回でダマー国際映画祭が映画製作者の中でも定着してきた印象があります。今回も多くの作品の提出と参加者がおりました。

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さて、5年目を迎えコロナ禍も完全に終わってませんが、ひとまず収束ということで6年目のダマーの内容をどうするか、について考えてもいい時ではないかと思います。ここ3年はコロナの関係でやむを得ない部分もありましたが、来年以降現在の内容のままでいいのか?ということも検討課題に入るのではないかと思います。

今回非常に残念なのは主催者で映画プロデューサーのマークジョーセフの来日が直前になってキャンセルになった点ですが、本来ならマークジョーセフが現在取り組んでいる「レーガン」のワールドプレミア上映くらいダマーでやってもいいのではないか?と思います。(主演は「ライトスタッフ」のデニスクエイド)ダマーの売りとして世界の一流プロデューサーが審査員をやっているという面もありますので、そのプロデューサーの作品のプレミアとかをやるくらいのことを今後考えてもいいのではないかと思います。特に日本人って目に見える特徴がないとあまり人が動きませんので来年の課題として検討してもいいのではないかと思います。

宣伝の面で「自主的」にボランテイアした人間としてひとこといわせていただきました。

 

 

 

5月 19, 2023 映画テレビ18-イベント・コンサート17- | | コメント (0)

2023年3月13日 (月)

また歴史が動いたOscar 2023ー"Everything everywhere all at once";7冠 インド映画 RRR も歌曲賞

恒例の映画アカデミー賞 Oscar 授賞式が開催されました。

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受賞者リストはこちら
https://eiga.com/official/oscar/sokuhou.html

Award winners (English)
https://www.rollingstone.com/tv-movies/tv-movie-news/oscar-winners-2023-list-1234695132/

 今回も大きく歴史が動いた日といっていいと思います。結論からいいましてゴールデングローブ賞同様、”Everything everywhere all at once”が7部門受賞と折檻したオスカー授賞式となりました。

”Everything everywhere all at once”が受賞したのは以下の部門

・助演男優賞
・主演女優賞
・助演女優賞
・編集賞
・脚本賞
・最優秀監督賞
・作品賞

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特に助演男優賞を受賞したキーホイクァンーインデイージョーンズ魔宮の伝説の少年役が俳優として復活したのですが、彼はベトナム戦争のサイゴン陥落時の難民で、難民キャンプにいた少年が今、オスカーのステージに立っていることについて感極まっての涙の受賞は感動的でした。長い間頑張っていればいいこともあるわけですね。

そし何よりも歴史が動いた、と感じたのはミシェルヨーさんの主演女優賞受賞!!

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アジア人初の快挙です。素晴らしい!おめでとうございます!!

アジアここで席巻したのは7部門を制した”Everything everywhere all at once”だけではありません。

今回、いわばハリウッドにトリウッドがRRRで侵攻したといってもいいくらい、映画"RRR"のテーマ曲の”Naatu Naatu"で盛り上がりました。そして歌曲賞を受賞しました。インド映画初のことらしいです。

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インドも映画も長い歴史があり、裾野も広いですので今後ハリウッドとトリウッドがより近づいて1つの大きなムーブメントを作る可能性も感じます。

(注:RRRはボリウッドではなくトリウッドでした。お詫びして訂正させていただきます。ムンバイがボリウッド、テルグ語とベンガル語で作られた作品がトリウッド。同じインド映画でも全然違います)

今回の授賞式で受賞者にあまり政治的なコメントはなかったですが、長編ドキュメンタリー賞で"Nauvalny"が受賞したのはハリウッドが暗にウクライナ情勢に対する声明を発したと考えられると思います。
Nauvalny氏はプーチン政権下で逮捕された弁護士で、このこと自体プーチン批判とウクライナ状況下でハリウッドの声明ー「ロシアにも自由を!」を発したと考えていいと思います。Nauvalny氏は今も牢獄の中にいるそうです。一日も早い解放とウクライナの戦禍が終わることを祈ってやみません。

また恒例の追悼コーナー

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グラミーの時も同じこと言いましたが、昨年度亡くなったキャストとクルーを追悼するコーナーです。映画を文化として大事にする点が日本の業界にない姿勢です。残念なことですが...

それにしてもこれほどアジアが席巻したオスカーはちょっと記憶にありません。今後もこの傾向は続くだろうと思われます。このことは日本人にとってもチャンスだと思ってほしいです。

いつまでも国内だけを見てるんじゃなく日本の外を積極的に見るクセをつけよう、と声を大にしていいたいですね。今回のオスカー授賞式を見てそのように思った次第

 

 

 

3月 13, 2023 映画テレビ18- | | コメント (2)

2023年3月12日 (日)

映画人交流会Vol16開催報告!!

前回9月に開催して以来、半年ぶりの「映画人交流会Vol16」が開催されました。

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昨今の映画制作のボーダーレス化の波で国内にいる外国人(主に欧米系)の一部の方から男女の料金差について疑問の声がありましたが、次回の検討事項になると思います。それだけ国内でイベントを行うにしてもさまざまな面で「グローバルスタンダード」に沿った内容にすることが肝要になっています。

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すっかり定着した高田馬場の子の会場。建物の横の階段を降りて入っていただきます。 

恒例の映画デモ。今回は希望者が殺到し申し訳なかったですが多くの申し込みの方をお断りしなければなりませんでした。通常は10作品のデモということになったのですが、それでも絞り切れず14作品のデモが行われました。

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デモされた作品は以下の通りです。

〇中田 圭 監督「Diamond Shake」「銀幕彩日」「夜へ...」「JAZZ GODFATHER」
〇谷口 雄一郎 監督「あのこを忘れて」
〇坂東 聖 監督「密殺Ⅱ 激闘篇」
〇溝口 友作 監督「SAE」
〇天野 友二朗 監督「わたしの魔境」
〇檀上 かおり 監督「波待ち」
〇鬼塚 嘉政 監督「百奇夜噺」
〇鈴木 秀幸 監督「退屈なかもめたち パート1&2」
〇中村 真夕 監督「劇場版 ナオト、いまもひとりっきり」
〇伊刀 嘉紘 監督「AMDUSIAS」
〇西川 文恵 監督代表「人形たち~Dear Dolls」
〇恵水 流生 監督「狐の嫁入り」
〇藤田 功一 P「うつろいの時をまとう」
〇東海林 毅 監督「老ナルキソス」

私はグループ管理人としてMCもやりましたが、今回の「映像デモ」は長丁場でした。(^^;)

 集計しましたところ171名の方のご参加がありました。お忙しい中ありがとうございました。また年内に行いたいと思いますのでよろしくお願いします。

尚、今回問題となりました男女の料金差ですが次回は原則男女同じ料金3000円にします。但し女性そして社会的マイノリテイ―である障害者、LGBTQの該当者の方で本人が希望すればデイスカウントの2500円での入場を可にします。(あくまで希望者オンリーです)
次回はこれでやってみようと思います。年内に一度行うことを目標にしますので、その際はまたよろしくお願い申し上げます。

重ねてご来場の皆さま、ありがとうございました。

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3月 12, 2023 映画テレビ18-イベント・コンサート17- | | コメント (0)

2023年2月26日 (日)

数年以内に地上波のテレビでNHK以外の民放が壊滅状態になると断言できるこれだけの理由

日本は欧米に比べても地上波テレビの社会的影響力が突出していた時代が長く続いていた。しかしその日本でさえも地上波の急速な衰退が語られている。特に若い層をみると顕著だが地上波のテレビを殆ど見ない層が多い。かくいう私も地上波でレギュラーで見る番組は2つしかない。今年は大河ドラマが面白くないので見ないから余計に地上波テレビ離れが加速する。

そしてそれはデータを見れば更に明らかである。下記はテレビの総世帯視聴率(Households Using TelevisionーHUT)の昨年までのデータである。調査対象となる世帯のうち、どれほどの比率の世帯がテレビ放送をリアルタイムで視聴しているかを示す値をグラフにしたもの

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このグラフをみればわざわざ説明するまでもないだろう。

そして原因はいうまでもない。地上波のテレビ番組があまりにつまらないからである。

こうなることはだいぶ前から予想がついたはずだ。BS,CSだけでなく海外の有料ストリーミング放送が今後増えることによってテレビチャンネルの競争が激しくなる、そのため各局は魅力ある番組制作にエネルギーを注ぐべきだ、とはもう10年、いやそれ以上前からいわれてきた。だが地上波テレビは多チャンネル時代でもダントツの影響力を保ちその中で安閑としていた。

そのため地上波テレビの経営陣はなまじっか社内改革とか行うと波風がたつので、親会社から送られてくるサラリーマン社長からすれば、自らの保身を優先するために何もしない、というパターンが多い。当然会社には官僚顔負けの「前例主義」がはびこる。こうして日本人お得意の「改革先送り」によって結局今まで対策らしい対策など何もしてこなかったに等しい状況になった。ある意味こうなったのは自業自得である、

そしてサブスクによるストリーミングサービスが魅力的なコンテンツを流し、退屈極まりない地上波のテレビに代わり今や完全にテレビの主役になりつつある、いや、既になっている。

なぜなら地上波では決して見ることのできないコンテンツを見ることができるからである。

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地上波も少し前なら対抗措置をとることができただろう。だが経営者の「保身」を優先したー多くの最近の日本の企業と同様「前例主義」を持ち出し新しい試みをやらなくなったーため何もしないに等しい状態となった。そして「コンプライアンス」にがんじがらめになりもはやどうにもならない状態になってしまったのである。

そして残念ながらもはや手遅れである。民放はこのままいけば滅亡の道しかない。いや会社自体は残る、「残す」かもしれないがもはや形だけのものになり、放送も誰も見ないものになってしまうだろう。考えられる結末は3つしかない

1.ネットに吸収される。既にテレ朝はアベマテレビが好調だし、民放が集めてストリーミングしているTVerもそこそこ成果をあげている。電波ではなくもはやネットがメインになり、アマゾンプライムやNetflix, Disney Plusとストリーミングで対抗する道を選ぶ。

2.合併もしくは吸収が行われる。各放送局系で合同で放送。なんてこともありうる。

3.電波の放送局閉鎖ー局によってはランニングコストがかかる電波そのものを放棄するかもしれない、

 唯一NHKだけは安泰である。国民の聴取料で成り立っており、今後聴取料に関しては紆余曲折が予想されるが、それでも民放と比べれば安泰である。今ですら民放とNHKの現場は歴然とした違いがある。NHKは制作予算が潤沢でありスタッフにも余裕があるが、民放系の番組はカツカツの状態で仕事をしている。正直このままいけばNHK以外の民放は壊滅状態になることは避けられない。

それを断言できる理由は以下の通り

1.スポンサーがつかない

今の地上波は面白い番組を作れない→視聴者離れ→視聴率低下による予算の低下という負のスパイラルに完全に陥っている。そしてその流れが変わる可能性はこのままいくとない。

2.コンプライアンスによる番組の企画制作の空洞化

コンプライアンスなどという名の実質的な事なかれ主義が、番組の表現をがんじがらめにしてちょっとでも思い切った表現もNGとなった。そのため現在の地上波は昭和で過去人気のあった過去の番組、アニメの殆どを現在再放送できない。コンプライアンスにひっかかってしまうからだ。そしてそれは「つまらない番組」しか実質作れない番組の空洞化に陥ってしまう

3.サブスクーストリーミングサービスの普及

映画にしろ、ドラマにせよ「見たい番組」はみんなサブスクにある、としたらみんなサブスクストリーミングで見たい番組を見るだろう。番組の質を考えても地上波の番組など見る気がしなくなるに違いない。一方でサブスクサービス同士の競争は今後激しさを増すだろう。魅力あるドラマ、映画の制作に各プラットホームとも、しのぎを削るだろう。逆にこれはクリエイターにとってもチャンスになる可能性がある。

4.面白い番組を作ろうという意欲の低下

これが一番深刻かもしれない。負のスパイラルに陥り、コンプライアンスとかで縛りまくられ殆どやりたいことができない。何よりも会社のトップ自体が政治権力や大手会社への忖度だけに気を配り、コンテンツの質の低下など神経を注がない。これじゃ現場もやる気をなくすし。いい番組など作れようがない。

5.地上波は結局NHKの一人勝ち

スポンサーがさっぱりつかない民放と国民の殆どが支払っている聴取料による収入。もはや勝負にならない。

おそらく放送局の関係者はこのままでは民放は滅びる、と思っていても現場や会社の雰囲気に流されていてそんなことを考える余裕などない。と思っているかもしれない。放送業界に限ったことではないが、サラリーマンとして周囲にひたすら同調することを優先し、「余計なことを考えず」に毎日の業務に追われている日々かもしれない。特に大企業にいればいるほど実際の世の中のうごきがみえていないケースが多い

ただし毎日の業務に追われる日々がいつまで続くか、である。

既にあらゆる兆候は出ている。私は数年以内にはNHK以外は壊滅的状況になる、とみている。その状況に陥る前に脱出するか、それとも沈みいく船と運命を共にするか。

分かれ道はもうそこまで来ている、といってもいいかもしれない。

 

 

2月 26, 2023 映画テレビ18- | | コメント (0)

2023年2月 1日 (水)

映画の字幕の作業ー簡単な翻訳では決してありません。

先日ある事務所から翻訳を依頼され、「700語程度の翻訳」ときいて軽い気持ちで受けたが原稿が来てびっくり! なんと字幕翻訳の仕事だった。

おい、ちょっと話違うだろ?これ普通の翻訳の仕事と全然違うぞ、といって依頼主に文句いったら、クライアントに金がないということらしい。金がないというのは日本の映画会社だけじゃないらしい。 

字幕作業が普通の翻訳と違うのは、字幕用に翻訳された文字を台詞のタイミングに合わせて表示させる、つまり映画やドラマのタイムコードに合わせる、という作業がある点。つまり1つ1つの台詞を該当のタイミングに合わせるために可能な限りに正しいタイムコードに」合わせないといけない

そしてそのタイムコードを入れる作業は映画の世界でいう「ポストプロダクション」の作業の工程で行われる。つまり単に翻訳の能力だけでなく映画のポストプロダクションの工程も理解していないとできない作業なのだ。

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しかも今回来た案件、映画の映像を送ってもらって作業開始したら、なんとタイムコードがメチャクチャ! 原稿と映像のタイムコードが全然違う。たぶんこの原稿のタイムコード、編集される前のものらしい。

 翻訳の元原稿は英語だけど、これもかなりいい加減だということがわかった。映画はスイス映画(!?) らしいが舞台はたぶんベルギー、台詞はフラマン語(殆どオランダ語と同じ)とフランス語でたまに英語となぜか日本語まである。一応フランス語はある程度わかるのでガイド的になり訳のミスとかわかったけど、そんなわけで通常の字幕作業より手間がかかってしまった。

それでも何とか無事納品できたが、とにかく「字幕制作」と翻訳は全然別の作業という点はご理解いただきたい。

ちなみに最近は自主制作を含め海外の映画祭に作品を提出することが多くなり、また映画制作のボーダーレス化に伴い海外の映画の日本語字幕作業(特にAmazon Prime,Netflix, Disney Plus等のストリーミングチャンネル)が今後も増えてくることが予想される。その関係でうちの会社としても字幕制作作業について取り組もうとも考えている

ちなみに以下のような料金で考えております。興味ある方はお問合せ下さい

字幕制作 英→日 日→英

  • ショートフィルム 15分以内  3万円
  • ショートフィルム 30分以内  5万円
  • 準長編フィルム  60分以内  7万円
  • 長編フィルム   2時間以内  10万円
  • 長編大作     2時間半以上 15万円

お問い合わせはこちら

 

 

2月 1, 2023 文化・芸術映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年9月21日 (水)

音楽担当した卓球のバタフライ社のCMが本日情報解禁ーテレビCMとしてもオンエアへ

もう3か月近く前になりますが当ブログでも書きましたレコ―デイングの案件

CM音楽レコ―デイングーコロナのトンネル抜けて事業正常化を軌道に https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2022/06/post-8087a7.html

この案件でCMの音楽のレコ―デイングを行ったんですが、本日ようやく情報解禁になりましたのでお知らせいたします。

卓球のButterfly 社CM

作曲:大野恭史
テナーサックス:中村有里
                      Brian Yasuhiro Seymour

CMデイレクター Andrew Goldie

15秒のテレビCMバージョン

個人的には音楽の面でちょっと変な編集にも思えますが、元々WEB CMとして作っていたので仕方ないかもしれません

 

最近の日本企業は何事を決定するにも時間がかかる傾向が強いですが、今回もレコ―デイングしてから情報解禁まで3カ月近い時間を要しました。

しかしグッドニュースもあり、上記の映像を編集してテレビCMにもなります。
10月からテレビ東京の深夜ですが、「世界卓球2022」(深夜1時36分)でそのCMが半年間、(計26回のみですが)上映されることも決定いたしました。

https://www.tv-tokyo.co.jp/tabletennis/

CMの放映回数としては多くはありませんが、1つの実績にはなりました。

いい形で仕事を終えることができてよかったと思っています。(^^)

 

 

9月 21, 2022 音楽16-23映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年8月17日 (水)

音楽担当した新潟県Sabo coffee のWEB-CMが情報解禁

実は拙音楽担当のCMで公開を控えているのが二件ありますが、そのうちの一つ、新潟県佐渡のsabo coffeeが一部情報解禁になりました。


当初は3-4曲という話だったんですが結局9曲くらい作りました。順次公開だそうです。


https://sado.sabocoffee.com/


一応スタンダードパターンの曲(のはずだったんですが...)


 

さらに私が行っているラグタイムライブシリーズの影響かもしれませんが、エリックサテイがラグタイム風に書いた曲"ピカデリー"をもじりました。ユーモラス、カワイイ、そしておしゃれというイメージを両立させる、という無理難題を解決しようとするときにこのパターンを考えました。



そしてこれが一番苦労したパターンなんですが、「昭和レトロ風のCM」で昭和風の音楽という、これまた小生にとって無理難題のテーマで昭和風のアレンジの曲を作るという結構精神的に抵抗があった点、あと結局サテイの「ジュトウヴ―」を昔風の曲で作ったのと2パターン作りました。 2パターン提案してスポンサー社内でも2つに好みが割れ結局2つ制作。



昭和レトロ風ー昭和風BGMバージョン

昭和レトロ風ーサテイ Je te veux バージョン

まあいくら仕事とはいえ、昭和風のBGMアレンジはやっていて少々恥ずかしい感じがしました。正直あまり人に聴かせたくはないですが...


これ以外に以前SAX2本のレコ―デイングを行ったブログ記事がありましたが、その関係CMの公開を待機中です。


CM音楽レコ―デイングーコロナのトンネル抜けて事業正常化を軌道に
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2022/06/post-8087a7.htm


詳細発表できる段階になればお知らせします


 





 


8月 17, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年7月26日 (火)

ミニシアター応援映画「銀幕彩日」完成!!

さて撮影は2年前のちょうど今頃だったんですが、それから紆余曲折ありまして再度の撮影をはさんだりしたんですがようやく二年越しの作業で完成いたしました。

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この映画はコロナ禍で存続の危機に瀕したミニシアターを応援する意図で作られました。映画好きの方を刺激するような映画になっておりますし、映画音楽的には過去の名曲のパロデイーがふんだんに入っておりますのでわかる人はニヤリくらいはすると思います。ミニシアターは映画文化の苗床となるものですので是非このコロナ禍でも何とか支援して存続できるようにしなければなりません。しかしコロナによる緊急事態宣言を始め様々な事情により二年以上の時間がかかってしまいました。

今回の「銀幕彩日」では
1.映画音楽
2.エキストラ
3.英語字幕制作    の3つを行いました。

エキストラもヒッチコックよろしく一瞬出るのではなく、結構映ってます(苦笑)

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今回の映画では手塚眞監督と数十年ぶりに会いました。以前「快感サロメ」「幻想オフェーリア」というオリジナルビデオ作品でお世話になりましたがそれ以来になります。遙か昔の作品ですが..

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先日追撮を行いました。今回は音響スタッフを私も手配したので撮影にたちあっています。

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私の本職である音楽の方、MA作業です。MAとは(Multi-Audio)の略ですがこれは和製英語で日本の外では使いません。海外では普通に"Audio Recording"といいます。

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無事全ての作業が終了いたしました

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二年越しの制作。
本日終了。月末に夕張ファンタスティック映画祭にて上映。劇場公開はいつになりますか。

映画「銀幕彩日」

監督/脚本 中田圭
プロデューサー 鮑智行、金子尚樹、土田真樹
出演 小沢仁志、白本彩奈、田中要次、川村エミコ(たんぽぽ)、佐藤永典、小澤雄太(劇団EXILE)、しゅはまはるみ、松田賢二、大島葉子、ダイアモンド☆ユカイ、手塚眞
スタッフ 今泉尚亮(撮影)/大野恭史(音楽)/金子尚樹(編集)

特報です。

 

 

7月 26, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年6月 3日 (金)

シンウルトラマン鑑賞(ネタばれ注意!!) レビュー

正直SNSをみるとこの「シンウルトラマン」に関するネタバレが入ってこないか心配なので、目と耳を塞ぎながらSNSをツールに特化して使っていたんだけど、ようやく見ることができた。

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そしてまだ見たくても都合で見れない人もまだ大勢いらっしゃるとは思うので最小限度にしようとは思うが、やはり多少ネタバレが出てしまうのはご容赦いただきたい。

とはいえ結論からいうとこの映画たとえ「ネタバレ」が頭に入っても見に行って絶対に損はない映画である。というのもウルトラマンについて全く知らなくとも楽しめる内容になっている。とはいえ総合監修の庵野秀明はファンサービスに抜かりないというか、ウルトラマンをリアルで見た人のノスタルジーをくすぐることを随所で行っている。何を隠そうたぶんウルトラマンの最大のファンは庵野氏自身ではないかと思う。

- - - - - ↓- - - - 以- - 下---- ネタばれ あり- - -↓ - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 

一応映画音楽をやっている立場からするとウルトラマンのテレビシリーズの音楽をやっている立場からするとどうしても音楽の方に話がいくがとにかくオリジナルの宮内圀郎先生の音楽がたくさん使われていた。特に「科学特捜隊マーチ」は私が大好きな曲だった。それが「禍特対」出動の時に流れた時は思わずノリノリになった。庵野さんのファンサービスといっていい。

映画はのっけから「ウルトラQ]の話から始まる。原作と違うがウルトラマンを知らない世代では「科学特捜隊」ならぬ「禍特対」がこれら「ウルトラQ」に出てきた怪獣(改め禍威獣) をやっつけた(駆除した)ことになっている。オリジナルと設定は違うが、ゴメス、マンモスフラワー、ぺギラといった懐かしの「ウルトラQ怪獣」(しかもきちんと4K仕様にマスタリングされて入っている点は抜かりない)が出てくるとそんなことはどうでもよくなってしまう。

もともとウルトラマンは「ウルトラQ」の中のシリーズで制作されたものなのだ。映画では初めの部分しか出されていないが「ウルトラQ」のオープニングは私は最高傑作の1つといっていいと思う。

このオープニングのサウンドトラックは自然音、日常音を電気的に変換したサウンドで今では死語だが「ミュージックコンクレート(具体音楽)」という手法で作られている。このサウンドトラックはミュージックコンクレートの中でも最高傑作の1つといっていい。

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Shinultraman_poster04さて、庵野さんは最近の特撮シリーズ(なぜかエヴァンゲリオンまでww)に「シン」の文字をつけるがあえてカタカナになっているのは、「新」というのと「真」(本来の)と両方の意味があるからで、例えば今回のウルトラマンには事前に伝わっていたように「カラータイマー」がない。

実はウルトラマンは企画当初にはカラータイマーはなかったという。ではなぜついたか、というと毎週30分の放送で3分と時間制限を加えないと放送枠内に収まらないという理由があったためらしい。

しかし映画の中でもカラータイマーこそないがウルトラマンは地球で長期間生き続けるのは難しい、という設定になっている。

シンゴジラの時と同様、国会や政治家のやりとり等は描かれてはいるものの、シンゴジラほど深くはなくシンゴジラと違い自衛隊の活躍も少ない、まあ怪獣(あえて禍威獣にはしませんwww)をやっつけるのはウルトラマンだからしょうがいないかな、とも思ったけど..

ウルトラマンの敵といえば「バルタン星人」とか「レッドキング」といったものを思い浮かべるが、今回は山本耕史の怪演が光るメフィラス星人。しかし脚本を練り上げていく段階で、おそらく「外星人(宇宙人)」のテクノロジーを欲しがる政治家とそれをエサに地球の「植民地化」を狙うメフィラス星人、まさレヴィストロースの野生の思考の発想そのものである。

そこまで脚本の深みを展開させるのはやはり庵野氏は単なる特撮好き、オタク好きなクリエイターではないことを示している。

メフィラス星人は原作でも知的である意味地球人にとって最強の強敵だった。そしてそれを山本耕史は奇をてらうことなく、しかし存在感たっぷりに外星人(宇宙人)のイメージを一新するすばらしい演技だった。「私の好きな言葉です」はしばらくクセになりそうである。(笑)

クライマックスも原作とかなり違うがよく練られたものだと思う。果たして続編はあるのか?わからないが、今回のシンウルトラマンを海外での劇場公開を熱望している向きはアメリカでも多い。ギレルモ・デル・トロ監督もその一人である。まあアメリカ国内の配給の契約がなりたつかどうか、それ次第とは思うが...

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「パシフィックリム」でもわかるようにこの人は筋金入りのカイジュウ好きである。

シンゴジラの時でも海外での配給は少しずれたが、庵野氏は当然海外での配給も想定して作っているはずなので、アメリカでもそう遠からず公開されるのではないかと思っている。

映画制作はグローバルになっている、そのことを一番よく知っている監督の一人だろうと思うから。

今「シン仮面ライダー」の制作にエネルギーを投下していると思うが、来年公開楽しみである。

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左端が庵野氏

 

 

6月 3, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年4月26日 (火)

ダマー国際映画祭2022終了報告

昨年はコロナウイルスによる緊急事態宣言で一度開催を延期せざるを得なかったのですが、今年は無事予定通り開催することができました。


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ダマー国際映画祭、内容とクオリテイの割にまだまだ知名度はいまひとつなんですが、この映画祭のウリは豪華すぎる審査員の面子にあります。既に当ブログでは何回も紹介していますが、面子はあまりにすごすぎるために信じてもらえないケースもあるんですが、改めて審査員は以下の面子で行われています。


審査員
・バリー・クック(CG アニメーアニメ版「ムーラン」「アラジン」)
・佐倉寛二郎(映画プロデューサー「インセプション」「鉄人28号」)
・マーク・ジョセフ(映画プロデューサー「レーガン」)
・ジャネット・スコット・バチェラー(脚本家-『バットマン フォーエヴァー』)
・ハワード・カザンジアン(映画プロデューサー 「スターウオーズ」「レイダース」)
・グレイ・フレデリクソン(映画プロデューサー「ゴッドファーザー」)
・ラルフ・ウィンター(映画プロデューサー「X-MEN 2」)
・ジェラルド・R・モーレン(映画プロデューサー「ジュラシック・パーク」「シンドラーのリスト」)


バリークック氏のあいさつ
https://www.facebook.com/100001113790125/videos/515140266980960/


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二日にわたって開催されましたが、世界トッププロデューサーが選んだだけにいい短編映画が沢山ありました。またサプライズ上映や発掘上映なるものがあり、クォリティは最高でした。 


またダマーはアジア、ショートショート映画祭(SSFAFF) や広島国際アニメ映画祭に並ぶアメリカアカデミーの公認映画祭に匹敵する映画祭といっていいです。(もともと広島国際と同じ場所で同時開催されていました) 残念ながらコロナの影響で昨年は外国からの人が少なかったですが今年はそこそこいます。海外のスポンサーさんも来日されているようです。


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上映後は作品について「どの作品が一番印象に残ったか。一番好きだったか」についての投票を行うことができます。QRコードで投票ページから投票できます。ちなみにQRコード、すっかり世界的にも定着しましたね。今では日本よりも海外の方が使われているくらいです。日本発のITツールで数少なく定着しているツールといっていいでしょう。

この映画祭は世界中から作品サブミッションがあります。日本映画も頑張ってましたが、毎回同じこといいますが、日本と海外ではかけているバジェットが違いすぎます。脚本の中身で頑張ってはいるものの、やはりこのままでは日本映画は太刀打ちできないと感じます。日本は映画予算、世界一低いです。これは自慢することではなく恥ずべきことです。


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今回のダマー映画祭の審査結果です。


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ちなみに観客賞を取った望月監督は旧知の中で、キャスト、クルーも顔みしりが多いだけにうれしく思いました。
ちなみには30分以内部門、は15分以内部門で、どちらも海外勢です。クオリテイのバジェットの差がありすぎますね。これを考えても日本の映画のファンデイングについて真剣に考え直す必要があります。監督や個人レベルの資金では到底太刀打ちできません。


繰り返しますが、日本は映画の予算も世界一低いですし、キャストやクルーのギャランテイも世界一低いです。発展途上国以下です。この現状を放置していたら日本の映画産業は死にます。はっきりいいまして..


さて閑話休題、昨年は個人的なスケジュールの関係とコロナもありまして参加できませんでしたが、今回はアフターパーテイーに参加することができました。


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こういう打ち上げしたのはいつ以来でしょうかね?
リアルなパーティーに飢えている私でしたので、心行くまで飲ませていただきました。ww


来年こそは「コロナ」など意識せずにいきたいですね


 





 


4月 26, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年4月 3日 (日)

第94回アカデミー賞の余波と日本映画が本当に世界のレベルに追い付くための提言ー「芸能界」から「ショービジネス」への転換を

日本時間の今週月曜日に行われた第94回アカデミー賞の「ウイルスミス平手打ち事件」の余波が続いている。これに関しては私の周囲もそうだし私自身も前回の記事で現在病に苦しんでいるウイルスミスの妻のジェイダ・ピンケット・スミスを揶揄されたことに対する行動で、勿論暴力は正当化はできないが、行動には理解を示した旨を書いた。ネットやSNSを見てもだいたいそういう趣旨の意見が日本国内では多かった。

しかしアメリカ では「ウイルスミスが悪い」の反応がもっぱらで、日本とは真逆な反応となっている。

■アカデミー賞“ビンタ”事件、欧米では日本と真逆の反応「最も恥ずべき」「見るにたえない絵面」
https://joshi-spa.jp/1151377?cx_clicks_art_mdl=21

私自身もアメリカ生活が長いのだが、このアメリカ国内の論調でいささか戸惑ったのはクリスロックのお世辞にもセンスのいいとはいえないギャグで病のジェイダ・ピンケット・スミスを腐した行為に対してはアメリカはほぼ不問で、ウイルスミスの平手打ちこれ一本に絞って非難をしている点である。それどころかジェンダー平等主義の論客から「女性は自分で自分の身を守れる。女性を守ると称してあのような行動をとったのは女性に対する侮辱でもある」という見解がかなり広い範囲で出てきている点。

私はジェンダー平等と「愛するものを守る」というのは全く別問題だと思うのだが、アメリカではかなりの層がそう考えているらしい。おそらくフェミニズム運動の影響もあるかと思うが、そこの部分を論じると話が別の方向に議論がいってしまうので、ここでは割愛する。

今回の件ではウイルスミスは公式に謝罪しているが、それでもアメリカの世論は収まっておらずウイルスミスは映画アカデミーの委員を辞職した。
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今回のオスカーは前回の記事でも書いたが障害者の映画の「コーダーあいのうた」の作品賞、脚色賞、助演男優賞(史上初! 聴覚障害者がオスカー受賞)という画期的なことが起きたことでもあり、「歴史が動いた」オスカーでもあっただけに残念だ

さて本題に入ろう。

今回「ドライブ・マイ・カー」は「外国語映画作品賞」は受賞したものの、残念ながら「脚色賞」「最優秀監督賞」「作品賞」は受賞できなかった。私見ではそのことだけで「日本映画」の勝利にはならないと思う。
そして私と同じ見解を持っていた方がいた。朝日新聞の小峰健二記者である。

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私がいうより小峰記者のツイートを並べた方が問題が浮かび上がるだろう。

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ひとことでいえば映画に限った話ではないが、日本の芸能関係の「ガラパゴス体質」が改善しない限り日本の映画が世界レベルで勝利者にはならないのである。
だから日経新聞のこの記事も私にいわせれば、まだ時期尚早だと思う

■日本映画、第3の黄金期へ 師と競う映画学校世代
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2565H0V20C22A3000000/

またダイバーシテイやSRGsが世界的な潮流となっている時代に、いまだに「枕営業」なるものが当たり前のように存在するようではダメだ。

「性被害」映画監督による性加害を女優が告発 脚本家からも疑問の声
https://bunshun.jp/articles/-/52554

俳優木下ほうか氏による性被害事件

木下ほうかさんドラマ降板 報道受け事務所申し入れ―NHK
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032801100&g=soc&

私事だが拙音楽担当でいまだ公開されていない「銀幕彩日」という作品があり、木下さんも主演の一人となっており、この映画の劇場公開の見通しが立たなくなっているのではという懸念を持っている。

個人的には映画作品そのものと今回の不祥事は無関係なので何とかならないか、とも思ってるが、うーん厳しいかな?とんだとばっちりを受けたという感じだ。

しかしそういう日本映画の体質を改善しようという動きは存在する。

■ 文化庁が進める「文化芸術分野の適正な契約関係構築」 「映画監督有志の会」がハラスメント防止に向けての要望書を提出
https://eiga.com/news/20220328/26/?f 

とにかく日本映画が真の意味で世界レベルになるためにはまずビジネス的なことをきちんとやらなければならない。日本の良くないところとしてそれがなぁなぁになってしまうこと。そして上下関係がビジネスの契約に優るなどという考える輩が多いこと。

欧米は良くも悪くも徹底な契約社会。ビジネスとして割り切るため日本人の感覚だと「冷たい」印象があるかもしれない。

しかしだからこそ信頼できるのだ。映画にしても音楽にしてもそこを曖昧にしてしまうところがあり、それが歪んでしまうと「枕営業」なりセクハラ、パワハラが横行することになる。

ハッキリ言うがそれは後進国のやることである。日本の映画、音楽は最初から後進国だったのだ。だから先進国のビジネスに戻すー 「芸能界」では無く「ショービジネス」への転換を図らなければならない。

繰り返す日本映画が真の意味で世界レベルになるには

  • (1) ガラパゴス体質を捨てる。世界的な視野に基づいて映画制作を行う(昭和の発想を捨てる)
  • (2) 「芸能界」では無く「ショービジネス」への転換を図る

そういう意識改革が日本の映画界に果たしてできるか?

 

 

4月 3, 2022 芸能・アイドル映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年3月28日 (月)

第94回アカデミー賞 ストリーミングの影響拡大、障害者のダイバーシテイ、そして日本人監督の主要部門へのノミネートー今回も歴史が大きく動いたオスカー授賞式

世界の映画界の最高峰である「第94回アカデミー賞授賞式」が日本時間の午前から正午にかけて行われた。


Thehollywoodinsideroscars2022predictions


受賞者は英語だが以下のページに掲載されている。
https://www.oscars.org/oscars/ceremonies/2022


今回は授賞式のオンエアでテレビ局の視聴率の都合でメインな受賞以外は事前録画でメインから割愛されていたが、やはりこれは放送局の都合とはいえいただけない。ヘアメイク、衣装、編集、音響といった部門も映画にとって重要な分野であり、そういった分野が映画において「二の次」のような扱いになっていくのではないかと危惧する。


特に今回作曲賞の扱いが小さかった。受賞者がハンスジマ―でなんか当たり前すぎてつまらん、というのと本人が授賞式に出席しなかったこともあり、正直「こんなに短いのか」という印象。音響賞は事前録音とはいえきちんとやったのに作曲賞はこの程度?映画音楽作家の端くれとしては不満である。せめてハンスジマー以外でノミネートされた他の候補の作品も聴きたかったというのが正直な印象だ。


日本映画が音楽や音響を重要視していない、というか何か後回しか二の次のような扱いを受けていることに対する異論を私はかねてからこのブログで主張してきたが、今回の作曲賞の扱いはハリウッドでもそういう動きにつながるのではという危惧を感じる。


今年のアカデミー授賞式はレジーナ・ホール、エイミー・シューマー、ワンダ・サイクスの三人の女性が務め、ジェンダー多様性を明確に打ち出したものになった。


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我々日本人からみれば濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が4部門にノミネートされ、その受賞結果が気になったがその中でアカデミーの多様性の推進が図らずもみえてきたこと。結論からして「ドライブ・マイ・カー」は最優秀外国映画賞を受賞したものの、ほかの「脚色賞」「監督賞」「作品賞」は残念ながら受賞できなかった。


これは「コーダ あいのうた」がまず実際に聴覚障害者で映画に出演したトロイ・コッツアさんが「助演男優賞」を受賞。これに始まり「l脚色賞」「作品賞」とノミネートされた全部門を受賞したためだが、デイバーシテイ、聴覚障害の人にも希望を与える意味でもそれでよしとしよう、と思う。デイバーシテイ、SRGsは世界の流れであり、その意味でも障害者やそれをテーマとした映画が受賞したという事実は感動的だ。


映画監督賞も、こちらは下馬評がジェーンカンピオン「パワーオブザドッグ」が受賞。濱口監督残念!! でもまだまだチャレンジを期待したい。


日本人監督がオスカーノミネートが当たり前になるようになってほしい。それには日本の映画界の意識改革が必要だ。
繰り返すが今回で終わりではない。
今回から始まるのである


今回は主演男優賞を受賞したウイルスミスが台に上り、コメディアンのクリス・ロックさんの顔をたたく一幕があった。2人はその後もやり合ったが、米国ではテレビ中継が一時期止まる騒ぎとなったが、ウイルスミスの奥さんを揶揄した表現でこの一幕は残念だが、気持ちは理解できる。「主演男優賞受賞」の受賞時のコメントで謝罪しているが、映画"King Richard" は家族を守ることもテーマとしているので起きたことは残念だが妻や家族を守り一人の男性としてはよく理解できる行為である。


最後に追悼のコーナーに和田エミさんとソニー千葉さんがちゃんと揚げられていた。
こういうところがハリウッドだ
映画を文化として尊重する、映画に関係する人を文化に関わる人としてリスペクトする。今の日本人にこういう姿勢が欠けてないか、と思う。文化の後進国たる日本。日本人全員で考えてほしい


今回配信作品は作品賞とれないというジンクスが崩れた。いろんな意味で歴史が変わったアカデミー授賞式だった。
ストリーミングが主流、障害者のデイバーシテイ、そして日本人監督の主要部門へのノミネート。
時代は確実に変わっていると思う。パラダイムも変わっているし..
日本人は変化を好まない人が多いが、多様性は受け入れないといけない。でないと日本という国は世界から取り残されてしまう。


そしてくどいようだがもう一度繰り返す。


今回日本人監督、濱口竜介監督作品の4部門のノミネート、1部門のみの受賞にとどまった。


だがこれで終わりではない。寧ろこれが新たな時代の始まりなのだ。他の日本の映画人もこれに続け、といいたい


 





 


3月 28, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年3月14日 (月)

週刊文春の映画界のセクシャルハラスメント報道ー映画界として再発防止を真剣に議論すべき

ご存じの方も多いと思うが映画「蜜月」の監督が出演女優に性行為を強要したセクシャルハラスメント事件が発生し、その関係で映画の25日に公開予定だった映画「蜜月」の上映中止が決定した。

おおもとの情報源はこれらしい

「性被害」映画監督による性加害を女優が告発 脚本家からも疑問の声
https://bunshun.jp/articles/-/52554

まず私も映画の世界に関わっているが、まず私自身はこの問題となっている監督とは面識はない。しかし今回の事件に関してコメントを発表した撮影監督の早坂伸氏とは面識があるし、その他この問題の監督と面識がある多くの映画関係者からの情報も入ってきている。

撮影監督の早坂氏のコメント
https://shin1973.hatenablog.com/entry/2022/03/10/025155

だが最近ネットによる多情報化社会にあって「人から聞いた話」を安易にシェア拡散することは経験上、事態を良い方向に導かないと考える。そのためそれについてはあえて語らない。全ての情報が間違ってはいないかもしれないが、100%正しい情報とも限らないからである。だからこの件にもし警察その他の捜査の手が入ればその結果をまつのが適当だと考える。

その一方で私の耳にはこの問題の監督に関してかなりの量の悪評も入ってきており、火のない所に煙はない。いざ仕事をするということを考えるとやはりこの人物は忌避すべき人物であると考える。少なくとも私はこの人物の名前がメインに入ったプロジェクトで仕事することは未来永劫ないだろう。

さて今回の例の「文春砲」によって困ったことはせっかく濱口監督の「ドライブ・マイ・カー」のオスカーノミネートというグッドニュースが入ってきたのにこの事件でまた映画の世界に悪いイメージが世間一般に広がってしまったことである。やはりこれに対しては映画産業全体として襟を正さないとダメだろう。そのためには今回の事件の背景について考えなければならない。

実は映画でもドラマでも「売れっ子」の俳優は別として、大多数の役者は「選ばれる立場」にある。つまり監督や制作会社、プロダクションからみても「弱い立場」にある。そして中にはその役者(特に女優)が弱い立場にあることを悪用する輩がいることも事実なのだ。そのため「枕営業」なるよからぬ用語まで蔓延っている。

それらは勿論日本に限った話ではない。お隣の韓国では映画監督のキムキドクの性暴力事件、そしてハリウッドで"Me too"運動のきっかけとなったハービーワインシュタインの例もある。「弱い立場」であることを悪用する不埒な輩は洋の東西いる、というのが悲しいかな。事実である。

セクシャルハラスメントの再発防止をどうするか

映画界として今回の件の再発防止対策を明確に打ち出す必要がある。今回は映画監督やプロデューサーが自分の立場を悪用して起きた。それを背景にセクシャルハラスメントだけでなくパワーハラスメントも昔から起きているのも事実である。これらの行為に対する社会的制裁が必要になる。
前述の性暴力事件のキムキドクは業界から永久追放、ハーヴェイ・ワインスタインは強姦罪などで有罪の判決が下り、3月11日に禁固23年の刑が言い渡され事実上の永久追放となった。今回のこの監督も4人の女優への性行為の強要の被害が事実だと証明されれば永久追放されてしかるべきだろう。

では再発防止をどうするか?これは簡単な問題ではない。あえて言えば「日本の芸能界のタブー」にまで入り込まないといけない。

1. 日本にもアメリカのSAGのような役者の労働組合を作る

これをみて「お前こんなこといって大丈夫か?」という人も多いはず。はい、過去多くの役者がこれをやろうとして音〇協を始め芸能プロの圧力でつぶされた経緯があります。(立ち上げようとした役者は業界から追放) 「日本の芸能界のタブー」にまで入り込むというのはそういう意味だが、「選ばれる立場の役者」だけで結成しても過去の例のようにつぶされるのは火を見るよりも明らかである。
  但し実現性はともかく以下のやりかたならば可能性はある

 (1) SAG(アメリカの役者組合)の日本支部のようなものを作り、SAGの力を借りる。

   いくら音〇協でもアメリカの組織が出てくればつぶすことは不可能である。

 (2) (1) は無理の場合エンタテインメントロイヤーやエージェント(いずれも弁護士)と相談の上法的な手順を踏む

   アメリカでもユニオンにはエンタテインメントロイヤーが顧問として活動を支援しており、MLBのMLBPAではアメリカの有力なエージェント(i.e. スコットボラス, CAA等)のバックアップがあるため機能している。日本にエンタテインメントロイヤーやエージェントをやっている人は決して多くはないが、不可能ではない。いずれにせよ役者だけでは難しいから法曹関係者のバックアップが必要である。

話がずれたが、SAGはワインシュタインの問題が起きた時に"Me too"を積極的にサポートしており、それが映画会社やプロデューサーに対するある意味「無言の圧力」として機能していた。その意味でも役者の日本でのユニオン結成は今回の問題の再発防止対策として有効と考える。

2. 映画監督、プロデューサーで権力を振りかざすのではなく自制心をもつ意識改革を行う

日本は正直いっていまだ男尊女卑社会である。ジェンダー平等,LGBT,多様性というものを容認しない風土が根強くあり、それが既存の日本の「芸能界」の価値観を支配しているのは残念ながらまぎれもない事実である。やはりプロデューサー、監督及びスタッフクルーに至るまで全員が意識改革をしていかないとダメである。

しかし残念ながらこれが一番難しいことも事実である。日本社会の体質のため日本はデイバーシテイの面で世界から大きく後れをとり、意識もおそらく世界でも最低レベルであろう。しかしまずはそこから変えていかないといけない。簡単なことではないが..

監督やプロデューサーのように「選ぶ立場」の人はそれを自認した上でそれを悪用しないように自制心を持って取り組むべきだろう。

最後に「映画鍋」の主要メンバーでセクハラをテーマとした「ある職場」の監督の船橋淳氏の声明をはりつけさせていただく。自戒の意味もあってこういう決意は必要であろう。

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3月 14, 2022 芸能・アイドル映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年2月 9日 (水)

濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」オスカーで4部門ノミネートー映画製作で世界から置いてけぼりの日本は他国に追い付けるか?

当ブログでも何回も書いた。どんどんグローバル、ボーダーレス化している映画の世界の中で日本だけが「ガラパゴス」の体質で世界の動きから隔絶したままでいる。そしてそのことに無関心な日本人、ガラパゴスであることをなんとも思わない業界関係者が多すぎる点。現状を改革しよう、という関係者がいない、とはいわないが極めて少ないのである。

昨年のオスカーでは北京市で生まれ育ち現在はアメリカ国籍を取得しているクロエ・ジャオ監督 が映画「ノマドランド」でアカデミーの監督賞と作品賞を受賞、合わせて韓国系アメリカ人監督のリー・​アイザック・チョン監督の"Minari"でユン・ヨジョンが助演女優賞でオスカーを獲得。中国勢と韓国勢の躍進が目立った。

■クロエ・ジャオ監督やユンヨジョンのオスカー受賞とアジア勢進出に歴史が動いたが、日本だけが置いて行かれている構図がより鮮明になった第93回アカデミー賞
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2021/04/post-6d1f9e.html

そしてもう2年前になるが韓国人監督ポン ジュンノの「パラサイト」「作品賞」始め4部門制覇!! この時は「革命が起きた」と私も思った

■「パラサイト」旋風吹き荒れ「作品賞」始め4部門制覇!! 「革命」が起こった今年のアカデミー賞授賞式 歴史が変わりグローバルな映画新時代が本格到来!!
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2020/02/post-730a55.html

韓国、中国も世界の映画界で躍進。日本だけが蚊帳の外、グローバル、ボーダーレスの世界的なうねりで置いてきぼりを食っている現状だった。

しかし今回のオスカーでは歴史的事実が起きた。正直思いもしなかった朗報である。

濱口竜介監督の映画「ドライブ・マイ・カー」が作品賞含む4部門ノミネート。昨年までオスカーは韓国勢中国勢の躍進で日本勢だけ置いてけぼり状態だったが、ようやく日本追いつこうとしている。

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日本の映画監督がスピルバーグやケナスブラナー他の偉大な映画人と共にノミネート!こんなことがこんなに早く実現するとは思わなかった。

まあ原作の村上春樹はアメリカでも人気作家なので、それも幸いしたのだろう。

作品賞、監督賞、脚色賞、そして国際長編映画賞(これ廃止されるんじゃなかったっけ?) の4部門のノミネートされたということはLAで2週間以上劇場で一日上映されないといけないから、日本の映画ではあまりやられないチェーンオブタイトル(画面中の肖像権、著作権等を随時クリアして権利者との契約を結ぶこと)を当然やっているということだろう。これは日本以外では完全に当たり前になっていることであり、これを行わないと海外では劇場公開できない。日本の映画関係者にこれをいうと「何それ?」という人が多いがここ10年くらいでコンテンツ制作で「世界共通ルール」の1つとして確立されたものである。

日本人の大多数はいまだ気が付かないが、本当にここ10年で世界はドラステイックに価値観が変化したのだ。日本人は日本国内しか見ていないし、日本人同士だけで話をしているとそれを実感しない。しかし海外の状況をみると日本がいかに遅れているかを嫌が上にもわかる。

先ほども書いたが作品賞、監督賞受賞すれば2019年のポンジュノ、昨年のクロエジャオに並び日本の映画監督がやっと追いつく形になる。本当に昨年のオスカーみて日本だけ置いてけぼり感が強かっただけにぜひ濱口監督の受賞を祈りたいものだ

■「ドライブ・マイ・カー」が候補=日本映画初の作品賞など4部門―米アカデミー賞
https://sp.m.jiji.com/article/show/2702088?

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今回のノミネートをきっかけに日本人、そして日本の映画関係者全体の意識改革が進んでくれることを期待する。実際映画関係者を含めて日本国内しか見ていない人が多いので、なぜガラパゴスで悪いのか、なぜグローバルにならなくてはいけないのか理解できない人も多い。

元々日本人は国民性レベルで変化を好まない。またとりわけ芸能界、音楽界、を始め映画関係者全体にもそういう雰囲気が根強くある。旧態依然の体制を維持したい、「変わりたくない」と考える人間の方が圧倒的に多いのである。(特に芸能界はそうだ)

しかしそういう姿勢のままでは日本の映画界はいずれ滅びる。なまじっか日本国内の市場レベルが中途半端な大きさで利益トントンでさえあれば国内で(少なくとも今までは)やっていけたからである。

そして映画予算もおそらく世界最低レベルで「ジャパンバジェット」などと揶揄されている。現場のアニメーター、クルーはブラックな低賃金で働くことを余儀なくされ、低賃金で働かざるを得なくなる。日本の映画会社はその体質として日本国内のみでリクープする予算の算出を行っており、海外での公開はあくまでも「オプション」の範囲を超えてない。
挙句の果ては「低予算」を自慢するような雰囲気がいつの間にか映画界で定着してしまった。

何度も言うが「低予算など自慢することがおかしい、寧ろ恥ずべきことなのである。」

だから日本発で世界で公開の映画がこういう形でオスカーで取り上げられるのが当たり前にならないといけない、もう映画制作も映画の市場にももはや国境などないのだから

 

 

 

2月 9, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2022年1月 9日 (日)

紅白の視聴率最低は史上最低は地上波の時代の終わりの象徴。

紅白などもう10年以上見ていない。昔は一応業界関係者の端くれとして「義務感」として見ていたがもはやJ-POPに何の興味も覚えなくなった今、もはや完全に紅白を見ようとも思わなくなった。

そもそも流行が画一的で以前なら老若男女誰でも歌うような国民的ヒットなど生まれる時代などとっくに去っている中、アイドルから演歌まで男女に分かれて競う、ということがデイバーシテイー(何度でもいう、あえて「ダイバーシテイ」とは言わない。英語としてはデイバーシテイが正しい)多様性の時代にもはやそぐわなくなっていることはまともな時代感覚を持っていれば誰しもわかることだろう。

加えて最近は民放だけでなくNHKまでもが、地上波の「オールバラエテイー化」していて、これだけでもうんざりするのに十分である。テレビ局ーそれも民放がやたらにバラエテイばかりになるのは単に「企画が通りやすい」「有名人や時の人を入れれば視聴率がとれる」という理由だけで国民全員が番組のバラエテイ化を望んだ結果ではない。そこをNHKが何を勘違いしたのか民放の真似をする必要などないのである。

紅白はNHKのもっともNHKらしい番組である。NHKは建前上「皆様のNHK」で子どもから高齢者まで楽しめる番組を作る、ということを信条としている。昭和のようなテレビの黎明期ならそれでよかったのだが、価値観や趣味が多様化した現代ではそのNHKの信条の実現はほぼ不可能に近い。

したがって図のように紅白の視聴率が1993年を最後に実質的に右肩下がりになっているのは単に「多様性」だけの問題ではない。

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既にご存じの通りテレビの平均視聴率自体が右肩下がりなのである。

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もう20年以上も右肩下がり、どこぞの業界に似ている。というか全く同じ道を歩んでいる。

しかし音楽業界はサブスクによって日本以外の国はV字回復しているが、テレビ業界の将来はある意味映画や音楽業界以上に暗い。それは以前紹介した記事によって明らかである。

■10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」
https://digital.asahi.com/articles/ASP5N6FM8P5NUCVL032.html

全国10歳以上の7200人を無作為に抽出し、郵送によって、4247人から有効な回答を得て、テレビを15分以上視聴した場合のみ「見た」として集計。記事にも書いてあるが年代別の結果が以下の通りである.

10~15歳56%(前回2015年は78%、22ポイント減)
・16~19歳47%(同71%、24ポイント減)
・20代51%(同69%、18ポイント減)
・30代63%(同75%、12ポイント減)
・40代68%(同81%、13ポイント減) 
・50代83%(同90%、7ポイント減)
・60代94% (前回と同じ)
・70歳以上95%(同96%1ポイント減)

関連記事

あと数十年で誰も地上波テレビを見なくなることが判明ーにもかかわらずテレビ業界で現状改革の動きは皆無

https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2021/05/post-edc095.html

そしてどこぞの業界も絶望的な状況にも関わらず現状を改革することを頑なに拒んできたが、地上波の各局も全く同じ状況らしい

 こういう状況を打開するには、地上波テレビが会社をひっくり返すような大改革しない限り地上波テレビの周落は止まらないのだが、私がみるところまだこの時点でそういった動きは見えてこない

過去にそれをやるチャンスはいくらでもあった。でも会社トップの保身その他で何もしなかった。そのツケがこの状況といっていい。もはや手遅れと言っていいかもしれない。

音楽の方もサブスクリプションサービスが完全に日本以外では中心になりつつあるように、私の家もそうだが映画でもサブスクリプションサービスが完全に既存の映像メデイアを凌駕しつつある。昨年サービスを開始したデイズニープラス(デイズニー、ピクサー、マーベル、スターウオーズ等を配信)が急激な伸びを示しており、もはやサブスクリプションサービスとして三大サービスになり、おそらくもう少しすればこれらのサービスが地上波の層を上回る時代がそう遠くない時代に来ると思われる。(とりわけアマゾンは年間の4900円で映画、映像だけでなくアマゾンでの買い物も送料無料になるので便利であり、普及しやすいと考える)

紅白に対する応援記事もある。それでも方向性を大きく変えるような提言が出ている。

■紅白視聴率「歴代最低」を嘆く人に欠けている視点
https://toyokeizai.net/articles/-/500204?

よく書かれている記事だが、そもそも一般のテレビ(BSを含む)とネットのサブスクを分けて考えること自体に私などは抵抗感がある。電波とネットの違いはあるものの、どちらも「テレビ」であることには変わりはない。また今や既存メデイアに並ぶ、もしくは凌駕しているのがネットブリックス、アマプラ、ディズニー+であり、もはやテレビの主役はこちらになるのはもはや変えようがないといっていい。

ネットのサブスクリプションによるサービスと地上波テレビの戦略の差は過去の拙ブログでも書いた。

■映像サブスクリプション台頭でこのままでは地上波の滅亡はもはやカウントダウン段階?時代の変化に対応できない日本企業の体質
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2020/12/post-c728f1.html

カスタマーファーストという意識で「既存の形」をどんどん壊していく三大サブスクリプションサービスと、「コンプライアンス」という名の「事なかれ主義」で自らを縛り「カタチ」に対して思考停止の地上波。既存の「カタチ」に固執する間は日本のテレビ界、エンタテインメント界にはっきりいって勝ち目はない

それらを考えると今回新聞や雑誌等で紅白の低視聴率化についての記事はほかでもない、地上波の時代の終わりの象徴といってもいいだろう。また地上波の中を見てもNHK 三文字の事実上一人勝ちである。実際誰も気づいていないが昨年の東京オリンピックの放送を見てもNHKと民放の差は明らかである。NHKは殆ど単独で競技をオンエアできたが、民放は複数の局で共同でのオンエアをするしかなかった。単独の局ではオリンピックの放映権を賄いきれないからだと思われる。

そしてこのようなNHKと民放の格差は広がることがあっても縮小することはないだろう。正直日本の民放あと何年もつか、などという話になりかねない。

 

1月 9, 2022 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年11月13日 (土)

京王線事件にからみ映画「ジョーカー」オンエア禁止に対して物申す

もう2週間前だが京王線で乗客刺傷事件が発生し17人けが、1人意識不明の重体(のち意識回復) の大事件を起こしたのは記憶に新しいが、問題はその事件を起こした犯人が逮捕後の取り調べでジョーカーへの憧れについて言及していた点である。

「人を殺して死刑になりたかった」という犯人だが、8月にも小田急線で刺傷事件が起きたが今回の事件はその模倣犯ということだろう。

私事だがその時に東宝シネマ新宿に行っていたために通常は京王線で帰るところを京王線が使えず、やむを得ず小田急線で遠回りで帰宅した。余計な時間と費用がかかってしまったが、それにしても8月の小田急線の事件、そしてその後も新幹線で模倣犯が現れる等、頭のおかしい人間が本当に増えている。

尚、選挙日当日なのでネットには例によって陰謀論がまきおこってるようだが事件が起きたのは8時過ぎで投票が終わった時間なのでそれはないだろう。選挙妨害目的ならやるなら朝かお昼付近にやるはず、最近のネットSNSは何かが起きるとすぐ陰謀論がまことしやかに広がるのは困ったものである。 

しかし映画に関わる人間として看過できない情報が入ってきた。アカデミー賞をもとった映画「ジョーカー」が日本の地上波でオンエア禁止になるとのこと

■映画『ジョーカー』の日本での地上波放送が禁止に
https://hypebeast.com/jp/2021/11/joker-movie-will-be-banned-from-being-broadcast-in-japan

一人のバカのためにこんなことになってしまった。 

18人が重軽傷を負った同事件の容疑者が、逮捕後の取り調べでジョーカーへの憧れについて言及していたことが判明。映画ではジョーカーが電車内で人を殺害するシーンがあり、また同容疑者は犯行時にジョーカーを模した派手なスーツを着用していたことから、同作に強い影響を受けていることが窺える。さらに、その後も同容疑者に倣うかのような電車内での凶行が多発しており、映画『ジョーカー』を地上波で放送することによって、同様の犯罪を助長しかねないとの意見が各方面から上がっているとのこと

はっきりいってこの事件とこの映画を結びつけること自体、全くのナンセンスである。だいたい映画をきちんと見ていれば、人間の心の病み、いい人間がだんだん悪人になる様を描いており、決してジョーカーを擁護してるわけでもはないし、況んや賛美してるわけでもない。ハリウッドやアメリカ映画アカデミーもそれを理解しているから主演のホアキンフェニックスにオスカーの主演俳優賞を授与したのだ。

これは日本社会にすっかり定着してしまった「事なかれ主義」が背景にあり、日本社会全体が考える力が低下してるのとヒステリーの要素増加しているためにこのようなことになる。「事なかれ主義」は社会の悪影響を考慮するのではなく一言でいえば関係者の「保身」が背景にある。責任転嫁を恐れる向きと無気力、無関心、無感動がこのような動きを誘発してしまうのだろう。そしてその「事なかれ主義」と「関係者の自己保身」が自然に社会に「タブー」を作ってしまう。タブーがあり過ぎるのは原始的な社会であり、事なかれ主義を人々に押し付けたら逆に犯罪者、暴徒が増える気がする。

ひとえにこれも日本人の劣化現象の一つといわざるを得ない 

この国の将来は本当に危うい

 

 

11月 13, 2021 文化・芸術思索,考察映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年10月13日 (水)

ヌーのコインロッカー使用禁止ー舞台版鑑賞 レビュー

コロナということもあり、本当に久しぶりにライブで演劇を見に行った。マドリード国際映画祭でグランプリを取った作品の舞台化(というより演劇の方が先行して作られたようだ)
劇団テンアンツの座長の上西雄大が演出、脚本、主演を行った。

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いや、本当のこの劇の主役は発達障害でコインロッカーに捨てられたヌーこと那須叶(なすかなえ)という主人公で自分と母をつなぐコインロッカーを守るように毎日その前で絵を描き続けていた。そんな中出所したばかりのチンピラ カーブこと黒迫和眞との出会いからストーリーが展開する。

発達障害のヌーだが絵の才能があり(なんでも実在のモデルがいるらしく劇で出てきた絵はその実在のモデルの山﨑宥氏によるものだという。絵のイメージは私見でいえばパウルクレーを思わせる絵だった。)

この絵をインスタに思いつきでカーブこと黒迫和眞が投稿したことからストーリーが展開する。

ネタばれになるのでこれ以上は書かないが脚本は今世界的な潮流であるダイバーシテイ(実はこれは「和製英語化」していて英語では「ディバーシテイ」が正しい)がテーマで障害者の自立やLGBTの要素もある、(ちなみに宝塚のベルサイユのバラのパロデイ―が出て笑いを誘うが、いささか悪ノリしすぎではと思わないでもないww)  脚本も「笑い」や涙腺を緩ませる場面等、よく練られており、3時間半の舞台だが長さを感じない劇となっている。

そして特筆すべきはヌー役の女優でマドリード国際映画祭で主演女優賞受賞した古川藍と徳竹未夏(公演日ごとに野良犬役と交代でこの2人が演じる)の演技力だろう。障害を持ちながらたくましく生きる主人公を存在感たっぷりに演じる。私が見たのは徳竹未夏バージョンだがそれでも十分に演技を堪能できた。マドリードで受賞した古川バージョンも見たくなる

日本のインデペンデントでも世界でも評価される映画が時たまでるがこの映画もその1つだろう。映画は来年ユーロスペースその他で劇場公開予定。下北沢小劇場では17日まで行われる。ちなみに14日、15日の公演のチケットはまだ余裕があるという。

http://www.honda-geki.com/gekisho/#anchor1

演劇も映画も一見の価値ありの作品である。来年の映画公開も要注目作品である。

https://nu-coinlocker.com/

 

 

 

10月 13, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年10月 4日 (月)

ダマー国際映画祭に行ってきました

本来なら今年の5月に行われるはずだったダマー国際映画祭、コロナウイルスの第四波による緊急事態宣言の関係で延期になっていたが、10月2日と3日ようやく行われることになった。

 日本の他の映画祭とは違う国際的な雰囲気を持つ映画祭だが、残念ながらコロナ禍の影響で海外からの来場者はほぼ皆無。それでも関係者に外国人が多いこともあってそれが辛うじて日本国内の映画祭と少し違う趣をもたせた。

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入選作は全世界からの応募から20作品、全般的に前回よりクォリティが高くなっており、前回は取り分けサウンドやポスプロ関係で日本と外国作品に明確な差があったが、今回は一部の作品を除きそれほど気にならなかった。とはいえ海外作品の方が日本よりバジェットをかけているのがよくわかり、日本映画の不利は変わらない。とはいえ前回よりは確実に底上げになっている。

特に私がかねてから主張しているのは主に日本の「自主映画」に顕著な「ポスプロ軽視」「サウンド軽視」の部分で、カメラのマイクを映画の音声にするのは邪道、と何度もいっているのだがそれがなかなかできない人が多い。例えば自主映画バジェットが100万とすると100万全てを撮影に使ってしまい、あとのポスプロ費用について全く考えていない人が多い。かくして日本の映画のとりわけサウンドやポスプロ部分はクオリテイが低い、というのが定評となっている。いまだにこれをいうと驚かれるが、海外の大手の映画祭では映画のサウンドに「ステレオ」という項目はない。最低でも5.1かドルビーが標準なのである。たとえ短編であっても..

一部の映画で音が割れている、歪んでいるのがあったが、前回よりは改善され全般的な底上げになっている印象がある

招待作品も素晴らしかった。
特に篠原哲雄監督の「お茶をつぐ」はインデペンデント作品ながら心を打つ作品となっている、

「お茶をつぐ」は絶滅寸前の職業茶筅を聴覚障害者が後継する際に父親の愛情、家族の愛情を絡めた心温まる作品。主人公と突如現れた主人公のライバル(?)に感情移入させる演出はさすがだった。お茶に詳しくなくても映画作品として堪能できる良作。この映画は一見の価値あり

作品上映だけでなくトークセッションも多くあり観客には飽きさせない内容だった

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今回の映画祭の受賞者は以下の通り

観客賞:小澤雅人監督「Little Wishes」

U-15部門グランプリ:ニコラス・ノイホルト監督 「Faleminderit」

U-30部門グランプリ:浜崎正育子監督「Lunch in the Bathroom」

匠賞(今回より新設): 篠原哲雄監督

 ダマーは運営関係者がみな旧知ということもあるが前回は自分が関係した作品があったが今回はなし。しかし入選作の関係者に知り合いが多く1日目終了後も関係者と話し込んでしまった。ということでコロナ禍の関係で海外からの参加者は参加できなかったが、映画祭としては充分に楽しめた。

来年は2022年の4月22日と23日に同じ日比谷図書館地下のコンペンションセンターで開催予定。来年はコロナ禍が収まり、海外の方も普通に来日して参加できることを祈りたい

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30 分未満の受賞作 賞金120,000円 (税込)
15分未満の受賞作 賞金60,000円 (税込)
2022年ダマーの特別賞新設のお知らせ
アニメーション賞 賞金50,000円 (税込)
ヤング・クリエイター賞 賞金30,000円 (税込)
※ヤング・クリエイター賞は、高校生以下を対象とします。
(これら特別賞は、ダマー国際映画祭委員にて選出されますが、同時にコンペ部門の対象ともなります。)


最終締切;2022年1月5日

 

 

10月 4, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年9月28日 (火)

映画「MINAMATA 」レビューー本来なら日本人が作らなければならない作品が見事な映画となっていた

映画「MINAMATA 」については以前も当ブログにて紹介させてもらった。

■ジョニーデップ主演「MINAMATA」(9月23日全国公開) 水俣市が後援を拒否 ー行政の変わらぬ体質と日本の民度
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2021/09/post-fca8e7.html

そして今日公開初日からやや遅れて鑑賞

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以前も書いたが、一応映画関係に関わっている者、さらに大学のゼミの教授が哲学者として水俣問題に深くかかわっていたこともありこの問題について語らないわけに、見ないわけにはいかないと思っていた。 

ジョニーデップ自身が企画からかかわっていたこの映画、本来なら日本人自身が作らなければならないこの映画を見事な映画作品に仕上げている。昔はハリウッドが日本を描くとどうしても日本人がみて違和感を感じる描き方が多かったがこの映画はそんなところは全くない。ジョニーデップの演技もすばらしく、映画の内容も多少脚色はあるもののほぼ史実通りに水俣の問題を描いている。この作品が見事に水俣問題を描いているだけに、今の日本人の「臭いものに蓋」をする体質には情けなく恥ずかしい気持ちになった。「考えること」を放棄した日本人、「都合の悪い所」は見ない=臭いものに蓋をする、これを続けている限り日本という国が世界から尊敬されることはないだろう。この映画をみてそれを実感した次第

日本人キャストで真田広之さんや浅野忠信さんは二人とも英語が堪能なのにこの映画では英語のセリフは1つもなかったのが驚いた。アイリーン役の美波さんはところどころたどたどしいところはあったものの頑張って英語のセリフで演じていた。國村さん、今回はかなりきちんとした英語のセリフを言っていた。キルビルのイメージがいまだにあるので..(^^;)

またユージンスミスが報道写真史上最高傑作の1つといわれる水俣患者を入浴させるシーン ”Tomoko and Mother in the Bath”その撮影の模様を描いたシーンは実に感動的だ。

本当にアメリカ人に日本の戦後最大の公害問題を見事に描かれてしまったが、この映画を見て少し救われている点があるとすれば水俣市民のチッソへの市民運動に光をあて彼らの裁判で勝利する様子を克明に描いているところだと思う。日本人は権力に従順な人間、長いものに巻かれるばかりの人でなくきちんと声を揚げて社会運動してきた人たちもいたという点。そのことに焦点をあててくれた点がこの映画をみて救われた気分になった。これはアメリカ人監督だからそういう描き方になったのだろうか?日本では市民運動、社会運動というものをどうしてもネガテイブに受け取る人が少なくないことも事実なので...

最後に2013年に当時の安倍総理が銀による健康・環境破壊を防ぐための「水銀に関する水俣条約」外交会議の開会式(9日)にて「日本は水銀による被害を克服した」との発言は水俣患者と家族の気持ちを踏みにじるものだ、という批判を映画の最後にテロップでいれているのも非常に評価できる点といえる

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公式サイト
https://longride.jp/minamata/

予告編

 

リベラル派だけでなく、政権よりの人、保守的な考えの人も日本人ならぜひ見るべき映画と推奨したい。

監督 アンドリュー・レヴィタス
脚本 デヴィッド・ケスラー
製作 ジョニー・デップ
アンドリュー・レヴィタス
ビル・ジョンソン
ガブリエル・タナ

キャスト

ジョニー・デップ: W・ユージン・スミス役
真田広之 - :ヤマザキ・ミツオ役
美波 -: アイリーン役
國村隼 :ノジマ・ジュンイチ役
加瀬亮: キヨシ役
浅野忠信 :マツムラ・タツオ役
岩瀬晶子:マツムラ・マサコ役
ビル・ナイ : ロバート・"ボブ"・ヘイズ役

劇場 (全国200を超える劇場で公開)
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=minamata

 

 

 

9月 28, 2021 経済・政治・国際映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年9月17日 (金)

映画「信虎」試写会にて鑑賞ーあまり焦点があたることがない武田信玄の父の晩年を描いた興味深い時代劇

特に関係者でもないんですが、試写会にお招きいただき拝見させていただきました。最近コロナの影響で見たい映画をあまり見ていないのと、基本的に出不精のためこういう機会がないと出向かないかもしれません。

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歴史ドラマであまり焦点があたることがない、武田信玄の父の「武田信虎」のそれも信玄没後の最晩年を描いた作品。
武田信玄が登場する歴史ドラマではたいてい悪役として描かれるけど、この映画では主役、とりわけ晩年武田氏滅亡の可能性を感じて苦悩しあらゆる手をうつ様子が描かれています。

武田信虎を演じたのはあまり映画では主役をはることがない寺田農(てらだみのり)さん。ご存じない方も多いでしょうが「天空の城ラピュタ」でムスカ役をやった人といえばお分かりの方も多いでしょう。老齢ながら知力の衰えない、威厳のある武田信虎を演じられていました。

一応歴オタの端くれなので、この手のドラマは好きなんで、私自身は見入ってしまいましたが戦国時代に対する一定の知識がないとついていけないところもあるかもしれません。しかし大河ドラマのような「セット」ではなく衣装もよかったしと本物の寺を借り切って撮影した等が逆にリアリテイが感じられ、実際武将同士のやりとりも全く違和感なく見ることができました。史実もこの手の時代劇ではかなり忠実に描かれているのではないかと思います。

さて一応映画音楽作家の端くれなので、今回極めて評判のいい池辺晉一郎氏の音楽について。
金子秀介監督は池辺氏に自由に作らせた、との話ですがその言葉通り伸び伸びと作業をしていることを感じました。まあ池辺氏の実績というのもあるのでしょうが個人的にはうらやましいです。なかなか日本の映画の現場では音楽を自由にやらせてもらえないので。

テーマ曲が時代劇にマッチしている、ということで好評ですが、おそらく楽器編成は弦(6-4-2-2 それと1?コントラバス目立たなかったけどあったかな?)管楽器はオーボエとトランペット
和楽器で琵琶と鼓を始めパーカッション類(大太鼓もあったかな)日本ではなかなかジョンウイリアムス級のオーケストラの予算は出ないけど、このレベルの演奏家の数なら何とかなるんでしょう。
まあベテランでそろそろご高齢でもあるので、そういう音楽の創り方になっていると思いました。

私は時代劇って結構好きでいつか時代劇の映画の音楽もやりたい、と思ってますが、そもそも時代劇ってなんでこんなに減ったんでしょうか?。もちろん衣装とか小道具とかでお金がかかる、というのもあります。でもそれだけではないような気がしますね。

1つ思うのは歴史に詳しい人とそうでない人の差が激しいこと、昔の俳句、和歌という文語体(「信虎」ではちゃんと字幕で表示しています)に対して抵抗感(?) があること、というのも大きいかもしれません。若い人で戦国時代の登場人物と江戸時代の登場人物を混同する人が少なくないですしね

その意味ではオーデイアンス(観衆)の平均レベルも落ちたのかなあ?という気もしますがいかがでしょうか?

映画「信虎」
10月22日~ 山梨・TOHOシネマズ甲府【先行公開】
11月12日~ より全国TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ錦糸町その他で劇場公開

https://nobutora.ayapro.ne.jp/

劇場情報

https://nobutora.ayapro.ne.jp/info/theater

○監 督:金子修介 ※『デスノート』2部作、『(平成)ガメラ』3部作
○共同監督・脚本・製作総指揮・プロデューサー:宮下玄覇
○音 楽:池辺晋一郎 ※『影武者』
○演 奏:東京コンサーツ
○撮 影:上野彰吾
○照 明:赤津淳一
○美術・装飾:宮下玄覇 籠尾和人
○衣 裳:宮本まさ江
○特殊メイク・かつら:江川悦子
○VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
○編 集:宮下玄覇 山本浩史
○整 音:臼井 勝
○音響効果:丹 雄二
○武田家考証:平山 優
○題 字:森田彦七 ※『乱』揮毫・今井凌雪門下
○助監督:村上秀晃・西山太郎
○美術装飾担当 助監督:生駒 誠
○製作担当:丹羽邦夫・安達 守
○プロダクション統括:芳川 透
○プロデューサー:西田宣善
○協力プロデューサー:榎 望

キャスト

・寺田 農 :武田信虎・無人斎道有 役(主役)
・榎木孝明 :上杉謙信 役 ※「天と地と」上杉謙信 役
・渡辺裕之 :織田信長 役
・永島敏行 :武田信玄/武田逍遥軒 役(二役)
・矢野聖人 :黒川新助 役
・谷村美月 :お直(末娘)役
・荒井敦史 :武田勝頼 役
・柏原収史 :柳澤保明(吉保)役 ※山梨県出身
・隆 大介 :土屋伝助(家老)役 ※「影武者」織田信長 役
・伊藤洋三郎 :清水式部丞 (家老)役 ※静岡県出身
・左伴彩佳(AKB48):お弌(信虎の娘)役 ※山梨県出身
・杉浦太陽 :一条信龍 役
・石垣佑磨 :武田信直(青年期の信虎)役
・堀内正美 :長坂釣閑斎 役 ※父が山梨県出身
・安藤一夫 :跡部勝資 役
・川野太郎 :春日弾正忠(虎綱)役
・葛山信吾 :山県昌景 役
・永倉大輔 :馬場信春 役
・井田國彦 :内藤昌秀 役
・嘉門タツオ :安左衛門尉 役
・螢 雪次朗 :日伝上人(久遠寺住持) 役
・橋本一郎 :穴山信君(梅雪斎)役
・森本のぶ :矢作勘太夫役
・剛たつひと :孕石源右衛門尉 役 ※山梨県出身
・外波山文明 :今井信元(かつてのライバル)役 ※長野県出身

 

 

 

9月 17, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年9月13日 (月)

ジョニーデップ主演「MINAMATA」(9月23日全国公開) 水俣市が後援を拒否 ー行政の変わらぬ体質と日本の民度

一応映画関係に関わっている者、さらに大学のゼミの教授が哲学者として水俣問題に深くかかわっていたこともありこの問題について語らないわけにはいかないと思っていた。

ご存じ水俣病を世界に伝えたフォトジャーナリスト、ユージン・スミス(1918-1978) を描いた映画『MINAMATA』が9月23日に全国の劇場で公開される。その公開に先立って水俣市での上映会で水俣市が後援を拒否したことが報道された

■ジョニー・デップ主演映画の上映会、後援を拒否した水俣市に監督「何が優先されているのか」と苦言
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/minamata-3?

私は大学の講義でこの水俣問題についていろいろと聞いたが、ひとことでいって高度成長時代の日本の「経済優先」の論理で水俣による公害病に目をつぶり明らかに当時の日本窒素肥料(現チッソ)も最後まで水銀化合物が公害の原因であることを認めなかったこと、そして行政も水俣市がチッソの企業城下町であったことから、被害を実質的に見て見ぬふりをしてきた経緯もある。そうした話を授業で聞かされていた。私の大学のゼミの教授の水俣問題についてのさまざまな業績は以下を参照されたい。

第2章 水俣病史における「不知火海総合学術調査団」の位置 人文・社会科学研究の「共同行為」について
https://www.ritsumei-arsvi.org/publication/center_report/publication-center14/publication-115/

市井三郎(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E4%BA%95%E4%B8%89%E9%83%8E

市井三郎 自主ゼミページ
http://www.ichiisaburo.com/

水俣市がこのことをテーマとした映画の後援を拒否したことはその水俣市の体質が全く変わっていないことを示している。

そもそもこういう映画を日本人ではなく海外の監督に監督されてしまうこと自体が恥ずかしい事実だが、なおかつ日本側がその史実に向き合おうとせず協力を拒否する姿勢は国際的にも日本人として恥ずかしい。

先の大戦についてのこの国の対応でもいえることだがいつまでも不都合な事実を隠す、臭いものに蓋をする姿勢を日本人が続けるようでは日本という国の民度が世界に問われることになる。これらの行為自体が日本が三流以下の国に堕ちてしまう原因になる

日本人の端くれとして恥ずかしいと言わざるを得ない

映画 MINAMATA  9月23日より全国の劇場にて公開される。

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公式サイト
https://longride.jp/minamata/

予告編

監督 アンドリュー・レヴィタス
脚本 デヴィッド・ケスラー
製作 ジョニー・デップ
アンドリュー・レヴィタス
ビル・ジョンソン
ガブリエル・タナ

キャスト

ジョニー・デップ: W・ユージン・スミス役
真田広之 - :ヤマザキ・ミツオ役
美波 -: アイリーン役
國村隼 :ノジマ・ジュンイチ役
加瀬亮: キヨシ役
浅野忠信 :マツムラ・タツオ役
岩瀬晶子:マツムラ・マサコ役
ビル・ナイ : ロバート・"ボブ"・ヘイズ役

劇場 (全国200を超える劇場で公開)
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=minamata

 

 

9月 13, 2021 経済・政治・国際映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年7月 6日 (火)

拙音楽担当「銀幕彩日」A Theater with a View 第74回カンヌ国際映画祭マルシェ・ドゥ・フィルム(マーケット)部門で上映決定!!

昨年の第一回緊急事態宣言が終了した直後に撮影した映画、当ブログでも紹介しましたがミニシアター応援映画「銀幕彩日」

昨年の6月から7月にかけて撮影➡ポスプロという強行スケジュールで制作された作品で昔の名作映画のオマージュ満載の映画好きにはたまらない映画になっています。 

中田圭監督作品
大野恭史 音楽
小沢仁志/白本彩奈/田中要次/川村エミコ(たんぽぽ)
佐藤永典/小澤雄太(劇団EXILE)/しゅはまはるみ/大島葉子/松田賢二/工藤俊作/川本淳市/中山来未/真野未華/木下綾菜/宮内桃子/穐田和恵/塩田時敏
ダイアモンド☆ユカイ 手塚眞

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ちなみにこの映画で小生は音楽だけでなくエキストラ出演、英語字幕の作成も担当しています。

小生は「カンヌ映画祭応募作品」は数えきれないほど関わっていますが今回はコンペ作品ではないにせよ、実際にカンヌ映画祭で上映されるのは初体験となります。何度目の正直でしょうか?

劇場公開は秋頃と聞いていますが正式に決定次第お知らせします

 

 

 

 

7月 6, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年5月21日 (金)

あと数十年で誰も地上波テレビを見なくなることが判明ーにもかかわらずテレビ業界で現状改革の動きは皆無

NHK放送文化研究所が20日に発表した国民生活時間調査
記事は「衝撃的」と銘打っているが私は極めて当然の結果だとみている。

■10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」
https://digital.asahi.com/articles/ASP5N6FM8P5NUCVL032.html

全国10歳以上の7200人を無作為に抽出し、郵送によって、4247人から有効な回答を得て、テレビを15分以上視聴した場合のみ「見た」として集計。記事にも書いてあるが年代別の結果が以下の通りである.

10~15歳56%(前回2015年は78%、22ポイント減)
・16~19歳47%(同71%、24ポイント減)
・20代51%(同69%、18ポイント減)
・30代63%(同75%、12ポイント減)
・40代68%(同81%、13ポイント減) 
・50代83%(同90%、7ポイント減)
・60代94% (前回と同じ)
・70歳以上95%(同96%1ポイント減)

衝撃の結果? 極めて当然のデータだと考える。なぜならいわずもがな、地上波のテレビ番組は本当につまらないからである。私も地上波はほぼ見ない。週末で数える程度の番組しか見ていない。
あとはBS.ケーブル(CSのチャンネル)、そしてNetflix, Amazon Prime, Disney Plus等のストリーミングサービスである。

テレビがつまらない、と言われ始めてからどのくらい経つだろう?それだけいわれても地上波のテレビ局は現状を改革するどころか、「無難な道」「差し障りのない路線」ばかり追求し余計につまらないものになっていった。現状改革を事実上拒否してきたのである。

身も心もサラリーマン化した放送局のトップは「ただ自分の任期中、つつがなく勤める」ことのみを考え、テレビの未来やメデイアのあり方について考えているようには全く見えない。だからこういう結果は極めて当然である。

60代、70代はテレビを見ることが形骸化しているが、この人たちはあと10-20年以内には寿命でいなくなってしまうだろう。その時に地上波テレビは果たしてどうなるか? 

今の放送局のトップを見てもそんなことなど考えたこともないのではないか?少なくともそう我々には見える。

また地上波テレビの主要視聴者だった高齢者ですら地上波テレビ離れが始まっている。高齢者にNetflix, Amazon Primeとかを見せるとそちらに切り替えるケースが多い。
しかし地上波テレビの関係者はいまだ先進国には珍しく(?) メデイアの影響力のトップを守り続けていることに「あぐらをかいている」人間が多いように見える。正直これらのことを書いても馬の耳に念仏かもしれない。

■地上波テレビは末期症状ーそう遠くないうちに統合や消滅もありうる
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2019/06/post-4ac71b.html

変な話、高齢者施設等でAmazonとNetflix、YouTubeのレクチャーと切り替え運動を大々的に始める、というのはどうだろう?60代以上の地上波テレビ離れを画策するというのも手だ。 

現状改革を拒否し「滅びの道」を行くことを選ぶのなら視聴者側でもっと地上波テレビ離れを徹底することも必要かもしれない

 

5月 21, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年5月 3日 (月)

映画Junk head を見る。久々に日本が世界に誇れる映像クリエイターの登場!! この映画は見ないと後悔する。

緊急事態宣言が東京で発令され、東京の映画館は軒並み休館、と思いきや途中で渋谷アップリンクは一時休館したものの公開していることを知った。これは先月の段階で今月の5月20日に閉館することが既に発表されている関係で今休館は逆にできないという判断に変えたものと思われる

■アップリンク渋谷閉館のお知らせ
https://shibuya.uplink.co.jp/news/2021/58802

個人的には私が関わった映画の多くがこの劇場で公開されたこともあり、非常に思い入れのある劇場である。それだけに残念であるが、同時に緊急事態宣言で外に遊びに行けないが、どうしても早く観たいと思っている映画があったので、結局我慢できずに本日渋谷アップリンクに向かった。

いわゆるネットの「自粛廚」「正義感で人を叩きたい廚」「正義のミカタ」廚といった連中のターゲットになるかもしれないが、とにかく絶対に見ておかなければならない映画の1つ "Junk head"を見に行った。

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監督の堀貴秀氏が全編をほぼ一人で、約7年間かけて作り上げた作品で映画製作もほぼ独学、映画関係者とのつながりも殆ど皆無だったという堀氏、しかし作り上げた世界は独創的でまさに驚異的な世界を作り上げた。実際みにいって結論からいって「想像以上に凄かった」。久々に日本が世界に誇れる映像クリエイターの登場といっていい。ギレルモ・デルトロが大絶賛するのもわかる。

もともとこの作品は今日見に行った渋谷アップリンクでのイベント上映でまずは短編として上映した。「面白くなかったらお金はいらない」という投げ銭形式だったという。その後続き製作のためにクラウドファンデイングを試すも失敗、しかし国内企業からの出資により数人のスタッフを雇えたようだが、二年間ほぼ休みなしで制作したという。その凄まじいほどの情熱と努力は見事に映像に反映されているといっていい。今までみたことのない世界が広がっている。日本人のクリエイターでこのような世界を作る人がいたことに驚きと喜びを感じた。映像はグロテスクなところもあるが、そこがまたよかったりする。とにかく論より証拠この映画を見に行くことを強く勧めたい。

それにしても甘かった。緊急事態宣言下だから空いてるだろうと思ったらとんでもない。席は満席で密な状態だった

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それにしてもこの堀監督が「初めて」作った映画であるにも関わらずこれだけの映画祭で受賞している。

ファンタジア国際映画祭で長編アニメ部門審査員特別賞を受賞

-オルデンブルク国際映画祭(独)入選
-レインダンス映画祭(英)
-ファンタスティック映画祭(米)新人監督賞受賞

まだ多くの映画祭にノミネートされている、との話なのでこれからもっと受賞の情報が入る可能性が高い、と思う。

本日上映を見に行ったアップリンク渋谷は30分のショートを始めて「投げ銭上映」したという縁もあるのだろう。映画で実際に使われた人形、や絵コンテ等が劇場のロビーに展示されてあった。

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パンフレットもクォリティがめっちゃ高かった。なんでも配給元のギャガが作ったものに監督が満足せず監督自身が納得いく内容のパンフレットにしたそうで内容は濃い。1500円の価値があるといっていい。既に何回も増刷しているとのこと。

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論より証拠。まずは劇場にいってご覧になることをお勧めする。この映画は見に行って損にはならない、と考える

予告編

 

 

 

5月 3, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年4月26日 (月)

クロエ・ジャオ監督やユンヨジョンのオスカー受賞とアジア勢進出に歴史が動いたが、日本だけが置いて行かれている構図がより鮮明になった第93回アカデミー賞

本日日本時間の午前9時頃から第93回アメリカ映画アカデミー賞が開催された。

詳細な受賞者はオスカーの公式サイトをご覧いただくとして(英語ですが)

https://www.oscars.org/oscars/ceremonies/2021

どんどんグローバル、ボーダーレス化している映画の世界、今年も歴史が動いた。アジア系の女性のクロエ・ジャオ監督 が映画「ノマドランド」でアカデミーの監督賞と作品賞を受賞した。北京市で生まれ育ったジャオ監督は現在はアメリカ国籍を取得しているとはいえ、れっきとした中国人である。

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女性監督としては『ハート・ロッカー』(2008)のキャスリン・ビグロー監督以来史上2人目、アジア系女性監督としては史上初の快挙だ。
これは素晴らしい快挙であり、手放しで礼賛したい

また同じアジア系で韓国系アメリカ人のリー・​アイザック・チョン監督の"Minari"でユン・ヨジョンが助演女優賞でオスカーを獲得。これもまた快挙だ。彼女は韓国人女優ながらアメリカ生活も長いためとても流暢な英語でユーモアたっぷりに受賞スピーチをしていたが、あまりに素晴らしかったのでここで動画を掲載させていただく

今アメリカ国内では凄まじいほどのアジア系へのバッシング、攻撃があり殆どのアジア系が何らかの身の危険を感じたことがあるという。そんな中でも実績を正当に評価するのはアメリカのアメリカたるところだ。

一つだけいえるのはアジア系ヘイトをむき出す奴らにとって、中国人、韓国人、そして日本人の見分けなどつかない点だ。アジア系というだけで敵意をむき出しにして攻撃してくる。友人が大勢アメリカやカナダに在住しているので彼らの安全について心配している

しかしそのレイシスト連中からは同じアジア系として「見分けのつかない」日本人だけはこの映画のグローバル、ボーダーレス化の中で置いて行かれている印象はぬぐえない

例えばアニメは今回日本作品のノミネートはなく、日本で大ヒットして海外でも公開されている「鬼滅の刃」などはノミネートされなかった。「鬼滅の刃」はアニメそのものから背景までかなり丁寧に描かれているが、台詞をしゃべる上でのリップシンクの部分とか、今や海外では当たり前になっているスキルが取り入れられていない。モーションキャプチャーその他を取り入れれば可能だが、おそらくバジェットとかいろんな事情があるのだろうと思う。いずれにせよジャパンバジェットという低予算の範疇では世界に太刀打ちできなくなっている、というのが事実ではないかと思う。
そもそも「鬼滅の刃」に限らず日本のアニメはもはや世界中から興味を持たれているのでたいていの場合全世界で劇場公開が可能である。しかし日本の映画会社はその体質として日本国内のみでリクープする予算の算出を行っている。確実に海外で公開できるにも関わらずである。
結果として「ジャパンバジェット」による制作になり、現場のアニメーター、クルーはブラックな低賃金で働くことを余儀なくされる。アメリカでは云うに及ばず、中国でも最低3倍の給料で働けるにも関わらず、日本は「ジャパンバジェット」にこだわるためアニメーターたちの待遇改善ができない。

 結果として日本の映画界は音楽界同様、お隣の韓国は勿論のこと、今や世界中からおいていかれていることを実感する。さらに事態を深刻にしているのは、そのことをなんとも思わない業界関係者が多すぎるのが最大の問題である。現状を改革しよう、という関係者がいない、とはいわないが極めて少ないのである。

音楽も世界がCDからサブスクに変わったことで劇的な変化に日本の業界は対応できず、世界から置いて行かれているが、この日本のエンタテインメントの状態、かなり深刻でどこから手をつけたらいいのか、わからないくらいである。

暗い話ばかりだと書いているこちらも気がめいるので少しは明るい話にしよう。

そのアニメーション、ピクサー制作の「ソウルフルワールド」の音楽を担当したトレントレズナー、ジョン・バティステが映画音楽の作曲賞を受賞した。この作品はアニメ作品だが映画としても素晴らしい作品だ。
それにしてももうトレントがエレクトロニカのミュージシャンだということは忘れられたかも。
ちなみにトレントは「マンク」でもノミネートされてる
映画音楽の方に行ってよかったね(^^)

また主演男優賞はチャドウイックボーズマンの遺作となった「マ・レイニーのブラックボトム」でボーズマンが死後に受賞する史上3人目になるのではないか、という専らの下馬評だったが、最優秀主演男優賞はアントニーホプキンスと少し意外な結果で終わった。

案の定、ネットでは失望やこの受賞に対する異論等で炎上状態となった。

https://www.hollywoodreporter.com/news/oscars-criticized-chadwick-boseman-snub

こういうことは過去何回かあったのだが、これに対しての論評はさける

最後に地味な分野だが短編映画部門でTwo distance strangers"受賞した。これはよくあるのだがアカデミーが昨今の風潮を反映したもので、警官が一般の黒人男性を射殺したり暴行を加えることが日常茶飯事になっている今のアメリカ社会の現状を描いている。

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日本ではこういう社会批判や政治に関する話題をエンタテインメントに入れることを極端に嫌う風潮がある。だから自民党政府がやりたい放題やっても日本人はおとなしくそれを受け入れるのだが、こういう社会のマイナス面を描くことも重要なことなのだ。今の日本人の体質としてそういうことを極端に嫌う傾向があるが、やはりそういう考えは改めるべきだあると考える。

どうもオスカーやグラミーのことを書くと今の日本の現状の愚痴にどうしてもなってしまうが、やはりエンタテインメントに関わる私としてそういう風潮を打破するための行動をひるまず続けていくしかないのかもしれない

 

 

 

4月 26, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2021年4月18日 (日)

「上級国民」と一般庶民の女性を主人公とした映画「あのこは貴族」レビュー

複数の映画関係者から「この映画は見ておいた方がいい」と勧められたこともあって、東京も急速な第四波と思われる感染拡大の中昨日、見に行った。ワクチン接種も遅々として進まない現状では、このままいけばGWにまた「緊急事態宣言」は避けられないと思われる。いずれにせよ事態は深刻な状況であることに変わりはない。

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門脇麦と水原希子という演技力のある両女優の主演で片や東京の高級住宅地で育った筋金入りのお嬢様ともう一方は地方出身で実家が豊かでないが必死に這い上がろうとしている一見水と油の女性の両者の主人公が心ふれあいをしていき、自らの生き方を見直すきっかけになる映画。今時の女性の生き方を原作者も監督も女性であることから、女性ならではの観点から描いている。

「あのこは貴族」というが、実際日本社会のここ10年の様々なできごとを見ても「日本社会はイギリスと違い階級などない社会である」ということが大嘘であることがみんなわかってきている。

かくして皮肉たっぷりの意味をこめて「上級国民」なる言葉がネットでも当たり前のように使われるようになったが、実際その「上級国民」の存在はデマでも噂でもフィクションでもなく確実に日本社会に存在する。彼らは昔からある一族の権益、資産を守ることを至上命題としていて、実際本人の意思に関係なく人生のレールがあらかじめ決まっており、そこから外れることが許されない。(それこそ封建時代から存在する「家」制度と本質的に同じ-「一般庶民」の感覚からすれば時代錯誤といってもいい世界だ)そのようなことがこの現代においても公然と行われていることが驚きである。勿論この層はここ10年くらいに日本の外で劇的に変化したジェンダー問題、LTBG ダイバーシテイーといった問題など理解できるはずもない。それはオリンピック関係での某森発言をみてもそれは明らかである。

問題はそういう「上級国民」層が政治家は勿論のこと財界、官僚の世界を事実上支配し、現在の政権与党を始め日本社会を仕切っているという現実があるためだ。映画で主人公の夫となる人物は日本人なら誰でも知っている某有名大学の出身だが、私事だが私の大学はその大学の滑り止めのような大学で構造は本質的に同じである。(まずいことに前首相の出身大学でもあるため、余計にイメージが悪くなった)そしてその大学にも「上級国民」といわれる人間は少なからず存在した。

実はその中の一人に誘われてその「上級国民」の集まりに参加したこともある。同じゼミにいた人間に某ゼネコンの御曹司と某大手自動車メーカーの創業者の孫とかいたためだが、(もっともこの2人はそんなに「上級国民」風を吹かせていないので現在でもつきあいはあるのだが..)彼らに誘われた会だったがせっかくながら、30分ー1時間もしないうちに耐えられず会場から抜け出した。明らかに自分とは場違いなところにいたと感じ、実に息苦しい思いをしたことを記憶している。

その日本の実質的な支配階級になっている「上級国民」の存在が今の日本社会を大きく蝕んでいることも事実。それは今の政権与党をみれば明らかだろう。ここ10年で日本人の多くが貧乏になり、平均所得はもはや先進国と呼べるレベルではない。いまだに認めたがらない輩が多いがここ10年で日本は完全な後進国に転落したのだ。そしてそれは「上級国民」が自らの権益や権力維持のために一般庶民の生活が犠牲になっているのである。これを変えるには政権交代しかないのだが、今の日本人の大多数は無関心と思考停止の癖をつけられすっかり「飼いならされ」てしまっている。早く自分が単なる「上級国民」の飼い犬に過ぎないことに気づいて、政権与党の自民党や公明党を下野させないと、このままでは日本は滅びてしまう。

映画では経済的に困窮した地方出身のもう一人の主人公と対比して「ハイソな上級国民」の世界もリアルに描いている。正直後者は息がつまりそうな世界、そう例の私が「上級国民」の集まりに参加した時のあの息苦しさそのものである。日本社会の両極化した社会を対比しているところに映画のあるべき姿である「現実を描く」ことを見事にやってのけている。

 

(以下ネタバレあり)

 

さて映画関係者が「この映画は見ておいた方がいい:という意味が見ていてわかった。この映画のストーリーの描き方には驚かされた。実はストーリー上当然描くだろうという部分をあえてカットー飛ばしているのだ。例えばエリート弁護士と結婚した「お嬢様」は結局離婚するのだが、その離婚のプロセスは一切描かれていない。唐突に離婚の場面に移って「あれ?」と思った。また水原希子演じる地方出身のもう一人の主人公も大学中退からいつのまにか友人と起業に参加すると、プロセスがわざと飛んでいる。

原作と読んでいないのでおそらくそこの編集は意図的だと思われるが、そうするとエンデイングもおそらく原作ではあの続きがあったにも関わらず、あえてその前で終わらせたという想像もしてしまう。

まさしくタランテイーノを彷彿させる編集の妙かもしれないが、しかしそんな編集でも映画を観終わっても不思議に違和感を感じない。そこがとっても不思議だ。女性の生き方を描いた映画ではあるが、男性も(特に映画好き)は一見の価値がある映画といえる.

あのこは貴族 公式サイト
https://anokohakizoku-movie.com/

 

 

 

4月 18, 2021 映画テレビ18- | | コメント (0)

2020年12月20日 (日)

映像サブスクリプション台頭でこのままでは地上波の滅亡はもはやカウントダウン段階?時代の変化に対応できない日本企業の体質

音楽の方もサブスクリプションサービスが完全に日本以外では中心になりつつあるように、映画でもサブスクリプションサービスが完全に既存の映像メデイアを凌駕しつつある。昨年サービスを開始したデイズニープラス(デイズニー、ピクサー、マーベル、スターウオーズ等を配信)が急激な伸びを示しており、もはやサブスクリプションサービスとして三大サービスになりつつある

■開始1年でDisney+のサブスク会員が7300万人超え
https://jp.techcrunch.com/2020/11/13/2020-11-12-disney-73-million-subscribers/

音楽でもそうであるように映画、映像でももはやこの流れはとまりそうにない。今や映画は

1)ネットフリックス

2) アマゾンプライム

3) デイズニ―プラス

の3大サブスクリプション中心になるだろう。

とりわけデイズニープラスの急激な伸びはあるものの、ネットフリックスが既存のサブスクリプションで群を抜いている理由は以下の通りかもしれない

■Netflixとテレビ「利用者から見た」決定的な差
https://toyokeizai.net/articles/-/397127?


日本のテレビ局の場合「いかにウィズコロナのガイドラインに沿って放送を続けられるか」「コンプラを重視した番組を制作できるか」に力点が置かれていますが、ネットフリックスの力点は「いかに利用者をネットフリックス中毒にさせるか」の1点にあるように思えます。ここが日本の放送事業者に決定的に欠けている視点です。
<中略>
その成功が逆に視聴者のテレビ離れを起こしていることに気づかないか、気づいていても変えられない地上波という競争相手が目の前にある。だったらそれを壊したら自分たちの勝ちじゃないかと考えるのがネットフリックスという組織です。

カスタマーファーストという意識で「既存の形」をどんどん壊していくネットフリックスと、「コンプライアンス」という名の「事なかれ主義」で自らを縛り「カタチ」に対して思考停止の地上波。地上波の滅亡はもはやカウントダウン段階にすら来ているといってもいいだろう。既存の「カタチ」に固執する間は日本のテレビ界、エンタテインメント界にはっきりいって勝ち目はない

 そしてこの傾向は決してエンタテインメント業界や映像動画配信の分野に限ったことではないと思う。

日本企業の大半が「過去の栄光」にこだわり、既存の「カタチ」を絶対視し、日本の外で起きている劇的な変化に対応しない、できないでいるように感じる。ここ10年以内に起きた劇的変化に対して無関心になり、「社会の変化なんか起きていない」などと言い続けている企業関係者も少なくない。無論日本の外で起きているドラステイックな変化に気が付きそれに対応しようとしている会社も日本国内にはなくはないが、既存の「カタチ」にこだわる会社と「新時代、新パラダイム」に対応しようとする会社の間にはものすごい意識のギャップが存在する。

気になるのは日本の経済界にいまだに「バブル時代」に対する思い入れを持っている向きが少なくないことだ。今までのやり方で「バブル時代」のような絶好調な時があったのだ、いつの日か必ずそういう日が来る、などという「はかない夢」を見ている経済関係者がいまだに少なくないことだ。

 だが残念ながらそれは本当に「はかない夢」だ。

あんな時代は二度とやってこない。

バブル時代の時代の「カタチ」に対して思考停止になり、日本の外で起きているドラステイックな変化に無関心であくまでも今までのやりかたに固執し、思考も硬直化する。そのような企業には残念ながら未来などないといってよい。

それよりも本当に生き残るつもりがあるのなら、ここ10年の間に起きた大きな変化に対して対応し、各企業ならではのプロダクト、戦略を練り直して生きようとすることだ。

地上波のテレビは確かにー一応今でも、だがー日本の他のメデイアと比べても社会的影響力は大きい。一応まだマスメデイアの体はなしている。だがいつまでもその既得権益が守られると考えているとしたら大間違いだろう。

実際「動画サブスクリプションサービス」しか見ない人も相当数出てきており、私は地上波で見る番組も3-4本しかない。バラエテイーの類になると地上波ではなくサブスク、せいぜいBSかケーブルしか見ない

残念ながら他のメデイアを影響力では圧倒してきた地上波テレビも、このままの状況が続けばもはや滅亡しかないかもしれない

 


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12月 20, 2020 映画テレビ18- | | コメント (0)

2020年11月20日 (金)

自殺がダントツに多い日本、周囲に心のSOSを出せない人たちを描いた映画「クローゼット」レビュー

日本は他の国と比べても突出して自殺が多いといわれる。芸能人でも三浦春馬、竹内結子、芦名星といった人たちが自殺して世間に衝撃を与えたが、それは芸能人に留まらない。電車の人身事故も増えている。多くは飛び込みによる自殺が原因だ。統計的には2003年の約3万4000人をピークに、特にこの10年ほどで急激に減少し、2019年には約2万人となったが、また増加傾向を示している。2020年の10月の自殺者数が2153人と、とうとう2000人を超え、男性は前年同月比で21.3%増えて1302人。女性は前年同月比でなんと82.6%も増えて851人だそうだ。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fb4cf09c5b664958c7c0f6

コロナによる死亡者を遙かに超えた自殺者数

この原因はどこにあるのだろうか?

それと関連して企画した事務所の度重なる打診で、実在した自殺した女子大生が登場人物の一人となっていた映画「クローゼット」を見に行った。

Closet_flyer

クローゼットは=引き出しで、人間が他人になかなか話せない事柄を「心の引き出し」にしまっておく。というのが映画のテーマとなっている。映画は「添い寝屋」なる商売をやっている人たちが登場する。派遣で、マッサージ、寄り添い、話を聞いて眠りに誘導する(しかしセックスはしないし、してはならないことになっている)商売だ。客が男性の場合もあるが多くは女性。しかしホストとか風俗とは違う、といっていいだろう。ちなみに主人公はバイク事故で性的不能になったという設定になっている。

実際に本当にそういう商売が存在するのかはわからないが、現代の日本はそういう職業があってもそんなに違和感を感じない。存在しても不思議ではないように思ってしまう。それほど現代の日本は病んでいる。皆精神的な孤独にさいなまれ、自分の「秘密」「悩み」を打ち明けることができず悶々とする人が多いのだろう。そういったことで精神の極限状態に陥り自殺する人もいるのかもしれない。

映画の展開は最近の自主映画によくあるパターンで主人公がさまざまなシチュエーションにある「お客」の登場人物が入れ代わり立ち代わり出てくる。最近こういうパターンが多いがこれは映画に関わる役者さんを増やすということもあるのかもしれない。しかし出演の役者さんたちはいずれも自然な演技をしているので違和感を感じない。

さまざまなことを語り合いながら主人公はいろんな人たちと「添い寝」をしていく。どの登場人物もゲイのデザイナー役で出演している渡辺いっけいさんはともかく、あとはどこにでもいるような感じの人たちである。

この映画を見ながら思った。この人たちを苦しめているのは何なのだろうか? うまくいえないが1つだけはっきりしているのは日本社会というのは非常に居心地が悪く精神衛生上悪い、風通しが極めて悪い社会になっているという点だと思う。

一体何が、もしくは誰がそうさせているのか?

SNSも大いに発展したが、逆に人間同士の心のつながりは希薄になっていく。少しでも気に入らない投稿があれば「偽りの正義感」を持ち出して他人を叩く機会を探しているような輩ばかりだ。SNSで逆に日本人の想像力や文章読解力がどんどん低下しているのを感じる。

そこになぜ今の日本がこんなにも閉塞状況にあるのか、こんなに息苦しい社会になっているのか、を解くカギがあるのかもしれない。

この映画をみてもその答えは出てこない。しかし考えるきっかけにはなるかもしれない

私が見たのはテアトル新宿だが、今日で上映は終わり。27日からアップリンク渋谷で見れるそうだ。興味ある方は是非

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https://shibuya.uplink.co.jp/

映画クローゼット公式サイト
https://www.closet-movie.com

 

 

11月 20, 2020 映画テレビ18- | | コメント (0)

2020年6月21日 (日)

ソーシャルデイスタンスを保った映画撮影に参加しました。

次回の拙担当作品


ミニシアター応援映画ということで観客役のエキストラが大量に必要ということで阿佐ヶ谷のミニシアター「ラピュタ」に行きました。自分の音楽担当作品でエキストラにも参加する、というのは過去何回かありましたが久しぶりです。ミニシアター応援にも一役買って、ソーシャルディスタンスを守って撮影します。中田圭監督の新作「銀幕彩日」という作品です。


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今回のコロナ災禍でどこの映画館も大きな損害を被りましたが、取り分け弱い立場にいるミニシアターはどこも存亡の危機にたたされました。ミニシアターのシーンを結構撮りました。写真は手塚眞監督
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コロナのせいでどこの現場も3か月近いブランクを強いられました。撮影は最大限の注意をもって行われております。


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台本を読んで現在音楽の構想を考えていますが、とにかく映画愛、ミニシアター愛にあふれた作品です。そうした心境を表現しようと考えております。


 




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6月 21, 2020 映画テレビ18- | | コメント (0)

2020年2月20日 (木)

国内マーケットではなくインターナショナルなマーケットに向けた仕事を画策

もう10日あまりの日にちが経つが、ポン ジュンノ(英語だとボンジュンホ- Bon Jung Ho)監督の「パラサイト」がアメリカアカデミー賞で作品賞を始めとする4部門を受賞するという歴史的できごとが起きた。台詞が英語でない映画が外国語映画賞ではなく作品賞、監督賞にノミネートされること自体が数年前では考えられなかったからである。(昨年のキュアロン監督の"Roma"からその兆しはあったのだが)


 私はこれは単に韓国作品が受賞ということよりも映画、音楽を始めとするコンテンツに関する世界での価値観の大きな変化に伴って起きたことであり、時代が大きく変わったことを象徴するできごとだと考える。つまり良質なコンテンツ、面白いものであれば国境、国籍に関係なく世界が評価する時代になったのである。もはや1つの国のマーケットのみで作品を作る時代は終焉し最初から全世界のマーケットにコンテンツを売り込むことを念頭において仕事をするべき時代に入ったのである。


パラサイト」の作品賞、監督賞でのオスカー受賞は単にコンテンツ新時代を象徴するだけなく日本の映画界にとってもある意味深刻な現実をつきつけている。韓国はおそらく映画「シュリ」がきっかけだと思うが国策として映画関係者をハリウッドに留学させ、ハリウッドのトップのスキルを学んで帰国しているため、映画制作のノウハウは世界のトップレベルにまで上り詰めた。だから今回の「パラサイト」の受賞は起こるべくして起きたのだ。対して日本の映画界はいまだ旧態依然の価値観にしがみつき、最先端のスキルも学ばないままでいる。つまり日本の映画のキャストもクルーも世界から大きく取り残されつつあるのだ。この現状は日本の映画関係者は危機感をもたないといけないはずである。


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 だが日本のメジャーの映画会社、その関係者をみる限りそのような危機感を感じているようにはみえない。これは当ブログで20年以上続いた音楽不況の中でメジャーのレコード会社のプロデユーサー、デイレクター連中に関しても同様なことがいえる。日本の映画も音楽も国内市場のみでなまじっかやってこれたという「成功体験」が日本の新時代への対応策を遅らせる結果にもなっている。特に「バブル」の時代に美味しい思いをした世代が今映画でも音楽の大手会社のトップになっていることが、新しい時代への動きへの関心を鈍らせ、過去の「成功体験」に固執させている元凶かもしれない


だが過去、このブログでもそういった業界のトップ、メジャー関係者に対する批判をしてきたが、最近はもうそういうことにエネルギーを費やすよりは彼らなどもう放っておいて、「わが道を行く」という風にした方がいいと考えるようになった。


また最近私が管理するSNSのコミュニテイグループーFacebook「エンタテインメント業界キャステイング」と提携しているシネマプランナーズや他の外国人関係の映画関係の交流会に行ってみてわかったのは、業界トップの考えとは裏腹に「わが道を行く」方向で動いている人が少なからずいることもわかった。
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時代の流れをよんで考えている人は考えている。寧ろ大企業のような組織にいて染まってしまうと世の中の流れがみえにくくなっている。
今そんな現状ではないだろうか?いや、仮に世の中の流れをみてわかっていても今の「サラリーマン体質化」した大手製作会社の人間はその「グローバル路線」に踏み出せないのかもしれない。(例によって「こんなことは前例がない」という官僚化した前例主義がどこの大企業にも現在支配しているのが現状)


だがわかる人は注視していると思う。問題は「誰が最初にそれをやるか」である。日本という国は1つ大きな成功例を出すと業界全体がダーッとそちらの方に動く。もしかしたらみんながそれを待っているのかもしれない。


私も含めてそれを推し進めようとはおもっている。成功しないかもしれない、だが大事なことは目的をもって突き進むことである。


 




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2月 20, 2020 映画テレビ18- | | コメント (0)

2020年2月10日 (月)

「パラサイト」旋風吹き荒れ「作品賞」始め4部門制覇!! 「革命」が起こった今年のアカデミー賞授賞式 歴史が変わりグローバルな映画新時代が本格到来!!

本日第92回アカデミー賞授賞式がアメリカ、LAのドルビーシアターにて開催された。開催前からデイズニー「アナと雪の女王2」"Frozen2"の主題歌の"into the unknown"で松たか子を始め9か国語でパフォーマンスしたり、メイクアップ賞で「カズ ヒロ」さんの二度目の受賞の話とかあったが、何よりも韓国映画の「パラサイト」が6部門ノミネートといった多くの話題があった。

そして結果は私が予想した以上の内容だった。はっきりいって歴史が変わったのである。

もっといえば

革命が起きたのである。

そもそも英語圏を中心とした映画アカデミーの体質として台詞が英語以外の映画は見ない、という体質があった。そのためわざわざ台詞が英語でない「外国語映画賞」というものを別にもうけていた。

だが昨年もアルフォンソ・キュアロン監督の「ローマ」が外国語映画賞・監督賞・撮影賞の3部門を受賞したが、「ローマ」は台詞がスペイン語である。(キュアロン監督もメキシコ人)そのため昨年からその傾向は崩れ始めてはいたのだが..

それにしてもポン ジュンノ(英語だとボンジュンホ- Bon Jung Ho)監督の作品賞、監督賞、脚本賞、外国語映画賞の4部門受賞は期待はしたがそこまで取るというのはさすがに予想できなかった。これはどこの言語のどこの国の映画作品だろうが質が高く面白い作品であれば世界の映画界の頂点にたつことができる、ということを「パラサイト」の受賞は証明したのである。

アジアの作品が作品賞を取るのは初の快挙、監督賞は2005年の台湾のアン・リー監督 以来二人目(ブロークバック・マウンテン ) 脚本賞もたぶんアジア人で初めてである。

当ブログでも映画制作はボーダーレス、グローバルになっている点を再三再四指摘してきた。だが今回の「パラサイト」4部門受賞はそのボーダーレス、グローバル化はうわべなものではないことを証明してみせた。たとえば2005年監督賞受賞の台湾のアン・リー監督のブロークバック・マウンテン は映画自体はアメリカ映画である。しかし今回の 「パラサイト」は紛れもなく韓国映画であり韓国社会の「格差」による社会のゆがみを描いた作品といっていい。その作品がアカデミー賞で作品賞を取る、というのは意味が全然違うのである。そしてこの「パラサイト」の受賞がフロックでないことはこの作品がカンヌのパルムドール受賞作品であることからもわかる。

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つまり面白い、質の高い作品でさえあれば英語圏でない作品でもオスカーの最高峰である「作品賞」や「監督賞」を取ることができる時代になったのである。私はここが「革命」たるゆえんだと考える。

だがこの快挙は韓国映画界の絶え間ない努力の結果であることは言うまでもない。
大分前から韓国は国策として映画関係者をハリウッドに留学してスキルを学ばせることをしていた。その結果撮影クルー、キャストがハリウッドなみのスキルを身に着けクオリティの高い映画を作ることができる下地をつくってきたのだ。今回の「パラサイト」4部門受賞はその成果といえるだろう。これだけの絶え間ない努力が続いた上でのパルムドール受賞とオスカー受賞。これだけの成果を収めた韓国映画のキャスト&クルーには大いなる敬意を表したい。

一方わが日本はどうか?はっきりいってお寒い限りだ。映画も音楽も「いいもの」を作るのではなく「安く」つくることしか考えず業界同士でお金をかけず低コストを自慢し合う始末。そのため日本の映画界は韓国に到底かなわないほどの低スキルに留まり日本は残念ながら完全な後進国に転落した。映画の制作現場がグローバル化しハリウッドも完全にボーダーレスに作品を評価している時代にいつまでも内向きの発想から脱出できない日本はこのままでは絶望的な状況になる。
しかし今の日本政府に韓国のような映画グローバル化に金を出すことなど望むべくもないし、仮に実現しても政府に昨年のように表現をコントロールされてしまう。だとすれば別の方法で日韓のスキル差を埋める事を考えないとダメだろう。日本の後進国脱却は予想以上に難しい

何にせよ今アジアだろうがどこだろうが映画界の頂点にたてるチャンスがみなぎっている時代に来ているのだ。いつまでも過去のやりかたに固執し、グローバルレベルの制作スキルを身に着けないでいれば日本の映画界も音楽界も滅亡を余儀なくされるだろう。

日本の現状について話すとどうしてもネガテイブな話になってしまうので少しポジテイブな話をすれば

・ブラッドピット 悲願のオスカー獲得

ワンスアポンアタイムにハリウッドで念願の助演男優賞受賞。ようやく無冠を返上できておめでろう!!

・カズ ヒロさん 特殊メイク賞で二度目の受賞

Wowowは(旧名辻一弘)と書いてありましたがアメリカの帰化されたので日本人としての受賞ではありません。だがそんなことはどうでもいいこと。大事なことはカズ ヒロさんに続く日本出身者(あえて「日本人」といいません)がオスカーノミネイションが当たり前の時代になるように願いたいものである。

・映画音楽作曲賞に"Joker"の女流作曲家ヒドゥル・グドナドッティルが受賞

映画音楽作曲賞、女性としては史上4人目だそうだ。ちなみに前回の受賞はアン・ダドリーでThe Whoのロジャーダルトリーの奥さんだそうだ。ヒドゥル・グドナドッティルはチェリストでありながらエレクトロニカの音楽もやっている等ユニークな音楽活動をしている。

ここで映画音楽に関わっている人間として少し血が騒いでしまうのは今回の"Joker"は普通の映画とは逆に音楽を先に作ってそれに合わせているという。正直映画をみている時はあまり気が付かなかったのだが、日本では考えられない作り方だ。しかし日本では音楽もポスプロの一環として何でも作業的に後回しになってしまうが、昨今の世界的な映画の風潮としては海外映画は映像と音楽は同等に扱われている。そのため単に映画のBGMとして作る、というよりは音楽をベースに映画を作る、という試みがもっと行われてもいいのではないだろうか?日本の映画監督さん、どうですか?www

とにかくもう時代は価値観から根本的に変わったのだ、変わったということを認めて新たな時代にチャレンジしようではないか。人種、国籍、言語に関係なく誰もが同等なチャンスを与えられる時代になったのだ。素晴らしい時代が到来したと皆さん思わないだろうか?

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2020年アカデミー賞受賞者リスト(英語)
https://oscar.go.com/winners

 

 

2月 10, 2020 映画テレビ18- | | コメント (0)

2020年1月25日 (土)

今インデペンデント映画が面白い! アンシユル・チョウハン監督の「東京不穏詩ーBad Poetry」に映画新時代の可能性を見る

もう先週の話になるが友人の俳優が出演していた映画「東京不穏詩ーBad poetry Tokyo」を見に行った。

この映画は海外の映画祭で多くの受賞をした作品であることは知っていた。監督のアンシユル・チョウハンの評判も以前から聞いていた。だから劇場公開された時は見に行こうと思っていた。

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公式サイトに記されているようにこれだけの映画祭で受賞している。

最優秀賞 – ブリュッセル・インディペンデント映画祭
最優秀女優賞 - 大阪アジアン映画祭
最優秀女優賞 - スレマニ国際映画祭
オフィシャルセレクション - レインダンス映画祭
最優秀女優賞 - 熱海国際映画祭
最優秀撮影賞 - 熱海国際映画祭
最優秀作品賞 - ヴェネチア・フィルムウィーク
最優秀作品ノミネート - マドリード国際映画祭
最優秀女優ノミネート - マドリード国際映画祭
最優秀作品ノミネート - ストックホルム・インディペンデント映画祭
最優秀作品ノミネート - ウィンチェスター・インディペンデント映画祭

インド出身のアンシュール チョウハン監督は外国人とは思えないほどの今の日本の底辺の現実をリアルに描いた作品に仕上げている。それは外国人監督が日本を描く時にありがちな「オリエンタリズム」ではなくまさしく今の日本の現実を現代の日本人に全く違和感なく描いていたからである。しかし映画の切り口、描き方は日本人だとなかなか気づかない点は確かにあったかもしれない。現代日本を実に鋭い眼光で描いている印象だった。社会のダークな部分と人間の精神のダークな部分を描いているが作品にあまり重さを感じない。これは役者さんの自由度を監督がだいぶ許しているからではないかと思う。実際出演する役者さんはのびのびと役柄を演じている印象があり、重くて悲劇的な内容の映画なのに見ていてそういう印象を受けない。

そして上記のこの映画の受賞歴をみてもわかるようになんといってもこの映画は主役の「ジュン」を演じた飯島珠奈さんの日本人離れした演技が光る。この映画を見た誰もが驚いたと思う。主役の「ジュン」が絶望的な状況に陥りつつも必死に戦う様を全身全霊を込めて演じきり圧倒された。これほど凄まじい演技をする日本人女優は初めて見たと言っていい。日本国内だけでなく全世界の人に是非見てもらいたいと思う作品。世界レベルの女優の登場である。

映画はインド出身のチョウハン監督、撮影監督はエストニア出身、役者はアメリカ人、日本人、私の知り合いのロシア人の女優も出演しており、キャストもクルーもインターナショナルな顔触れ。これだけインターナショナルな顔触れの制作陣でありながらこの映画はまぎれもない日本映画である。そこに私は新時代の到来を感じる。ちょうど私が一昨年中国ドラマでミュージシャン役で出演した時を思い出した。その時も日本語、英語、広東語、北京語が飛び交う現場、これが新しい時代の制作現場のありかたなのだ。

■東京不穏詩 Bad Poetry Tokyo 【1月18日から2月7日まで上映予定)
http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/3126/

そしてそれは「メジャー」映画よりもインデペンデント映画で顕著になっているところが面白い 

昨年の「カメラを止めるな」の成功はまだ記憶に新しいと思う、ここでも私は新時代の到来の可能性について論じていた。

■インデイー映画「カメラを止めるな」大ブレークにみる映画界の新時代到来の可能性
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2018/07/post-fa09.html

日本のアカデミー賞で作品賞、監督賞にノミネートされている「新聞記者」はインデペンデント映画である。(正確には「メジャー」に拒否されてインデペンデントにならざるを得なかったのだが)韓国人女優のシム・ウンギョンさんが主演女優賞にノミネートされている

■映画新聞記者公式サイト
https://shimbunkisha.jp/

「ごっこ」はグローバルな制作環境ではなかったが、インデペンデント映画として高い評価を得た作品。このブログでも何回か紹介した。(なぜかなりゆきで宣伝に協力する羽目になったが..)

Gokko

そしてこれもだいぶ前にご紹介したことがあるが、犬堂一利監督の「つむぐもの」 感動のヒューマンドラマである。日本映画で久々に泣いた作品だ。石倉三郎さんとキム・コッピの演技が光る映画

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つむぐもの

これらの作品に共通する点はなんだろうか、と思うと

1.現代社会の問題に焦点をあてたり、問題を起したタレントが出演する等、その点がとかく「事なかれ主義」に傾倒するメジャーに嫌がられている

2.制作者、監督によって「自由な発想」で作られている (だから面白い)

一昨年の「カメ止め」「ごっこ」だけでなく昨年は「新聞記者」「あみこ」そしてこの「東京不穏詩」とインデペンデント映画が今面白い。面白いだけでなく日本のエンタテイメントの世界そのものを変える可能性がでてきている。資金力を始め問題は多々あるが日本のエンタテイメントの将来に期待できるムーヴメントが確実に動きつつあることを感じる。

別に不思議なことではない。音楽も映画も「メジャー」が落ち目になるとインデペンデントから次の「メジャー」に取って変わる。エンタテイメントはその歴史の繰り返しである。今では想像できないがスターウォーズだって最初のエピソード4「新たなる希望」はマイナーなB級映画に過ぎなかったのだから

だが「カメラを止めるな」の興行的大成功にも日本映画界の新たな問題点が浮かび上がった。「カメラを止めるな」はたった300万の予算だったがそれをもって一部のメジャー映画製作会社が「300万でシネコンの映画ができる」という企画にとびついたのである。この点はいずれ改めて書きたいが、今の日本の映画やドラマ、番組制作は「いいものを作る」のではなく「安く作る」ことを最優先としていて、実際「こんな低予算で作った」なんてことを自慢するというとんでもない勘違いが横行している。これは日本の映画、や映像コンテンツのレベルを自ら下げるようなものである、このことは今後大きく問題点として取り上げようと思う

とはいえ、マスメデイアで流れている情報しかおいかけない皆さん、「最近見たい映画がない」などといっている皆さん。SNS等でいいインデペンデント映画の情報は拡散されていますので是非ご覧になって下さい。ある記事によると映画を映画館で見るのは健康にもいいそうです。皆さん。是非!

■映画館で映画をみるのは「軽い運動」と同じくらい健康にいいことが判明
https://front-row.jp/_ct/17334644?

 

 

1月 25, 2020 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年12月30日 (月)

スターウオーズEpisode 9 "The Rise of the Skaywalker"(スカイウオーカーの夜明け)ネタバレしない範囲での感想

前回のEpisode 8はかなり大きく失望した。たぶん古参のStar Wars ファンの大多数は私と同じ気持ちだったろうと思う。

その証拠に大きな期待があったにも関わらず「ラストジェダイ」は世界的な興業失速に入っていた。

■「最後のジェダイ」興収失速、ディズニーに懸念
http://jp.wsj.com/articles/SB10498810886951743680904584013791848532038

北米興行収入はアナリスト予想を下回り、中国では不振で既に公開は終了してしまったのだが、問題はEpisode9でデイズニーがEpisode 8での「新傾向路線」に固執するのかどうかが心配された。

そんな懸念の中Episode9 "The Rise of the Skywalker"を見に行った。

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しかしどうやら杞憂に終わってよかった。 結論からいって古きSWファンにとってEpisode8のような違和感はないと思う。Episode8"Last Jedi"ははっきりいってメチャクチャだった。それまでのSWの内容を熟知している人からすれば矛盾点があまりにも多かったし、Episode8の監督のライアンジョンソンは「スノークは何ものかなんて興味ない」とか「フォースが誰でも使えるという設定に変えたかった」とかいっているが、それ自身完全に従来のsequelと完全に矛盾する。サーガとsequelそのものを実質的に破壊したとまでいっていい

その点JJエイブラハムは昔ながらのSWファンなのでそういった「反則」は犯していない。Rise of the Skywalker は少なくともそれがないだけ昔からのSWファンは安心してみていい。何よりもパルパテイーンという最強のヴィランが復活しただけで映画が締まった。SWの読者の書いたスピンオフ小説で皇帝がクローンで復活したというのがあるが、おそらくそれをストーリーに盛り込んだのだろう。やはり悪役が強いというのは映画では大事である。しかし逆にEpisode 7 と8に出てきた悪役が余計に小者にみえてしまう。

この映画でレイが実は本当は何ものなのかが明かされるが、それもEpisode8のレイについての記述より何倍も納得できる。いささか驚きはしたけど、いやああいう設定にするしかないか.. でないとなぜあんなに強いフォースを持っているかが説明できない。

 そしてシリーズ最後の舞台はやはりあそこであった。あの星のあの場所でシリーズが終わる、というのがファンを何倍も満足させるものにするだろう。

ということであとは劇場にいって堪能して下さい

Episode8の流れがそのまま来たらどうしようかと恐れていたが、この終わり方なら納得できる。

ちなみにRotten Tomatoesでは映画批評家の評価とオーデイアンス評価は全く違う。オーデイアンスは8割Likeを押しているが、批評家は賛否両論という感じです。批評家は「ラストジェダイ」路線の方を評価している人が多いようだ。(前回は批評家は8割評価、オーデイアンスは4割しか評価していない)そこはオーデイアンスの好みとかなりずれているということだが、まあよくあることではある。
個人的にはオーデイアンス評価の方が私は大事だと思う。実際その方が興行成績に結び付くし

https://www.rottentomatoes.com/m/star_wars_the_rise_of_skywalker

 

 

 

12月 30, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年8月22日 (木)

マスコミ完全無視の「新聞記者」の大ヒット、ロングランにみる「インデペンデント映画の時代」到来と地上波テレビ時代の終焉

当ブログでもレビューを書いた映画「新聞記者」ー私が限りなくノンフィクションに近いフィクションと評したこの映画は6月28日に全国8月8日時点で動員40万人、興行収入約5億円を記録した映画。

この映画の私なりのレビューはこちらをご覧いただきたい

■映画「新聞記者」レビュー 政治に無関心な人な人に是非見て欲しい映画。選挙前にこの映画を見ることを強く推奨します https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2019/07/post-6760b4.html

実はこの映画、「メジャー映画」ではないのである。メジャー映画会社はみんな「干される」といって引いたのだが、これだけヒットしても彼らの考えは変わらないだろうか?

昨年はご存じの通り昨年は自主映画から大ブレークした「カメラを止めるな!」のヒットが記憶に新しいが、これ以外にもメジャー映画会社が扱わないインデペンデントで高い評価を得た映画は数多い。ちょっと思いつくだけでこれだけある。

・ごっこ (主演:千原ジュニア、優香、平尾菜々花)熊澤尚人監督
  http://gokko-movie.jp/

・あみこ ( 主演: 春原愛良)山中瑶子監督
https://wakeupbluelemonade.tumblr.com/

・下衆の愛 ( 主演: 渋川清彦 でんでん 忍成修吾 岡野真也)内田英治監督

あるいは少し前の作品になるが

・つむぐもの ( 主演: 石倉三郎 キム・コッピ)犬童一利監督
http://www.tsumugumono.com/

他にもたくさんあるが、全部紹介しているとキリがないのでここら辺にしておくが、何がいいたいかというとここ数年に関して言えば今インデペンデント映画の方が確実に面白いということだ。

 音楽もそうだがメジャーの連中は「ヒットの方程式」とか「売れセン」とかくだらないことにいつまでもこだわっていて世の中の本当の動きが読めない、ようにみえる.。メジャー、マスコミみんな「サラリーマン化」したことで昔のような個性派プロデユーサーがいなくなったことも大きい。昔は制作現場でプロデユーサーとデイレクターとかがよくケンカしていたものだ。最近はそういう光景を見た記憶がない。

インデペンデント映画は資金関係では厳しいところはあるが、いろんな意味で自由にできることが面白い作品を作る温床になっている。事務所の論理とか放送局とかの論理でがんじがらめになっているメジャー作品もいっぱいある。(パブリシテイ1つとっても事務所の許可が必要、とかねww)

さて、インデペンデント映画の特徴だが、その作品について例えヒットしても一部の大手マスメデイアを除くほぼ全マスコミから事実上「完全無視」されていることである。「カメラを止めるな」も新聞各紙や地上波テレビが扱い始めたのは既に大ヒットしてしまった後の事である。

先程の「新聞記者」も各メデイアの安倍政権への忖度の影響か、これだけヒットしたにも関わらず地上波テレビは完全無視を決め込んでいる。わずかに毎日他ITメデイアや映画関係の雑誌が扱ったに過ぎない。

これは何を示すのか

これははっきりいって地上波テレビの時代の事実上の終焉を示すものだ。

これだけの大ヒットまで行くのに地上波テレビはほぼ何の役割も果たさなかったのである。「カメラを止めるな」も「新聞記者」も同様な感じで拡大していった。特に「新聞記者」は官邸の意向にビクビクする地上波や他のマスメデイアとは裏腹に大きな盛り上がりを示している。

7月の参議院選挙もそうだ、「放送禁止物体」と指定された「れいわ新選組」は本当に一部の番組以外は完全無視されていたにもかかわらず2議席を獲得してれいわ新選組の「政党要件」を満たすという最低限の目標を達成した。

■劇場支配人に聞く映画「新聞記者」現象
https://natalie.mu/eiga/pp/shimbunkisha02

■「新聞記者」イベントに伊藤詩織がサプライズ登壇、プロデューサーは韓国公開を発表
https://natalie.mu/eiga/news/343077

地上波テレビの時代の終焉と地上波テレビが無視するインデペンデント映画の躍進。これらを見て新しい時代の到来を感じるのは私だけだろうか?

関連記事
■地上波テレビは末期症状ーそう遠くないうちに統合や消滅もありうる
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2019/06/post-4ac71b.html

 

 

8月 22, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年7月13日 (土)

しつこくこだわる。映画の「音」についての世界的傾向

一応映画の「音」に関わっている人間として映画の音に関していくつか当ブログでも述べてきた

■映画のサウンドデザイン(音全般)のクオリティの向上をよびかけるー日本映画が世界レベルになるために
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2019/05/post-ddcc58.html

■映画ー特に自主制作の方にお願いーポスプロの予算はあらかじめ最低限度は確保して下さい
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2019/03/post-cad0.html

以前も書きましたが日本の映画では「音」関係は全部後回し。「音楽が大事」などといっている割には音楽には全くお金をかけない。

それは多くの場合撮影だけで制作予算の殆どを使い果たしてしまい、ポスプロにかけるお金が殆ど残っていないためにおきる。その結果、海外の映画界では「日本映画の音は酷い」というのが定評になってしまっている。

これは日本の映画が世界のレベルになるためには絶対にこれを改めないといけない。

今、世界の映画祭の傾向をみますと

1.応募作品の「オーデイオ部分」に「ステレオ」がない

  そう5.1なのか、ドルビーなのか、世界三大映画祭はサンダンスを始め海外の主要な映画祭は全てオーデイオは5.1もしくはドルビーが当たり前になっています。当然ながらフロントの2チャンネルしか音がないものは審査の上で極めて不利になります

2.映画祭は字幕でOKだが劇場公開の長編の音声は世界共通の「インターナショナルトラック」を用意する

私は個人的には字幕で映画を見る派ですが、海外では映画公開の時は殆ど字幕はなく英語やそれ以外の言語は全てローカライズされ現地の言語でボイスオーバー(吹き替え)が行われます。そのため台詞以外の現場の音、音響効果、音楽等をまとめた「世界共通トラック」を作る必要があります。この「世界共通トラック」を「インターナショナルトラック」と呼びます。日本の映画作品を海外に売り込む場合は現在必須になります

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MA のpro tools 画面

当然ながらMA(そもそもMAとは和製英語で海外ではAudio mixing とかAudio recordingといいます)だけで軽く数百万は飛びます。

日本では今「お金をかけないこと」がいいとされるおかしな雰囲気がありますが、その発想を捨てないと日本の映画が世界で通用する、日本映画が海外で売れるはずがない、といってインターナショナルトラックを作る予算を渋るのは自らビジネスチャンスを捨てているようなものです。

そんなことから音楽の分野からしてしつこく映画の音のクオリティにこれからこだわっていきたいと考えます。

 

 

7月 13, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年7月 8日 (月)

映画「新聞記者」レビュー 政治に無関心な人な人に是非見て欲しい映画。選挙前にこの映画を見ることを強く推奨します

当ブログで既に言及していたが、言及した以上見ないと話にならないので本日見てきました。

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どの劇場も満席との話でしたが、私は都心ではなく郊外のシネコンで見ました。満席、ではありませんでしたがそれでも平日昼間でこれだけ入っているのはたいしたものです。少しうれしいのは数は多くなかったですが、若い人もチラホラいました。

ひとことでいって限りなくノンフィクションに近いフィクション。この映画を今の時期に公開したスタッフの皆さんに敬意を表します。

「限りなくノンフィクションに近い」フィクション、というのは伊藤詩織さん事件、加計事件、ネトウヨの暴走、「首相がお友達のみ優遇」等まさに登場人物の名前こそ違うものの、今の政権の構造、本質そのものを描いているからです。マスコミのトップに来る政府からの圧力ーそれも脅迫に近い内容のものが来るさまが描かれています。

演出は「内閣情報室」はダークな空間ということで薄暗く描き、新聞社は明るく書いているが、まさしく現政権下でマスコミが実質的に飼いならされている、政権に広報に貶められている現状を良く描いています。ただこれが日本の映画の限界なのか、映画「バイス」等に比べるともう少しサスペンス感、緊迫感があってもいい気がします。まあ日本とハリウッドではお金のかけ方が違うので「バイス」あたりと比較するのは酷でしょうか?

映画音楽作家の観点からいいますと、岩代太郎の音楽はよくできてはいるものの、やはり綺麗すぎて映画の緊迫感、サスペンス感が表現しきれていない印象があります。ここら辺は映画監督の考え方にもよりますが、音楽が目立つのを嫌う監督もいるのでセーブした可能性はあります。しかしハリウッドでは逆をやらないとダメですね。私ならもっと緊迫感を出す音楽にします。

政治に無関心な方、今まで「思考停止」だった人に是非みていただきたい映画。是非皆さんの周囲であまり政治に興味がない方にもおすすめ下さい。

田中哲司扮する「内閣情報調査室」の長官(見事なほど巨悪ーモンスターを演じている)の最後の言葉

「この国の民主主義は形だけでいいんだ」

これ安倍政権及び日本会議、安倍一味は本当にこう思っているでしょう。

最後にこう問うています

「このままで本当にいいんですか?」

皆さんには是非21日の参議院選挙前に観て、そして考えていただければいただければ幸いです。

 

■映画新聞記者公式サイト
https://shimbunkisha.jp/

 

 

7月 8, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年6月 9日 (日)

地上波テレビは末期症状ーそう遠くないうちに統合や消滅もありうる

ご存じのとおり日本では地上波テレビの影響力がまだ突出して大きい、

「テレビを見ない」という若者を始め私の周囲の人間でも増えてはいるものの、いまだ地上波テレビが日本のメデイアの頂点にたっていることに変わりはない。先進国で地上波テレビの影響がダントツであり続けているのはおそらく日本だけではないだろうか?(欧米では「テレビ」というと地上波ではなくケーブルテレビのことを指す)

ただし「今までは」という条件が、もう既についているかもしれない

実は地上波テレビの視聴者層に異変が起きていることがわかった。

今までは地上波の視聴者層のかなり大きな部分に高齢者、年配者がいた。私の母親にも「今はBSー衛星放送というのがあるよ」と進めても「いらない」という言葉が返ってきた。年配者は新しいものには抵抗する

その母親が最近はBS放送しか見ていないのである。

BSならば野球中継もあるし、大好きな時代劇もある(殆どが再放送だが)

地上波だとどのチャンネルも似たようなタレントしか出ていない、内容もないバラエテイーばかり、私などは見たいなどとも思わない。観るのが苦痛ですらある。

しかし母親のこの話だが、親戚の高齢者や他の年配者を見ても「BS放送しかみていない」とか「ケーブルしか見ていない」という人の方が圧倒的に多かった。私の母親が特殊なわけではなかったのである。

つまり、地上波のテレビはかつて視聴者の有力層だった年配者、高齢者の視聴者層を失ったということになる。

若い層、10-20代がテレビを見ない、というのは既に知られている事実だが、高齢者も見ない、その間の世代の私も地上波の番組でみるのは1-2つくらいしかない。

となるとあのくだらないバラエテイは一体誰が見てるのか? という話になる

なぜ、地上波にバラエテイーが多いのか、理由は2つある。

1つは「安く作れる」そしてもう1つは「企画が通りやすい」 この2点である、広告代理店には今流行のお笑いタレント、その他誰もが知っているタレントの名前が入っていればそれでいいのである。正直いってその番組が面白いかどうか、というのはもはや二の次である。

地上波テレビは前々からこんな感じで制作していったが状況は年々悪くなっている。

今日のような状態になるのはだいぶ前から見えていた。なのに誰もこの傾向に異を唱えなかったのか?とまともな人間なら思うのだが、問題はこれはテレビ局に限らない話だが、メデイア、テレビ局、そして映画やレコード会社すべてに云えることだが「業界の徹底的なサラリーマン化」である。

そして以前と違い、日本の会社の多くは軍隊と同じ、上司の命令が絶対になっている、例えそれが間違っていてもだ。日本の会社、日本そのもの劣化が原因である。

関連記事:■日本という国があらゆる観点からみて著しく劣化したことを実感する今日この頃
http://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/2019/06/08/152903

今テレビに関して言えば既にNHKと民放の間に著しい「格差」が生じている。というのも今民放は広告収入の激減で本当にお金がない

NHKは「国民からの聴取料」が入るため収入はそれほど落ち込んでいない。(寧ろ伸びている)

その関係でNHK関係者の方が「羽振りよく」見え、民放関係者はかわいそうなほどブラックな状況になっている。私も民放の番組に関わったことがあるが、NHKと違い「いいもの」を作るのではなく「安く作る」ということしか考えていない場合が多い

そして残念ではあるが私はこの格差はますます広がっていくだろう、と考える。

既にフジテレビの長い間の低迷の話はあるが、他の民放は実は安泰、どころかかなり危機的な状況にある。たぶんそう遠くないうちに業界の淘汰が始まるだろう。

民放の方々には申し訳ないが、私は今の状況が続けば民放のいくつかの統合は避けられないと考える。つまり放送局の数が減る方向に動くということだ。下手すれば5年以内にNHK以外に民放2-3社くらいになる可能性が高い、と考える。このままいけば、の話だ。

それを避けるにはよっぽど会社をひっくり返すくらいの大改革をする必要があるが、そこまで腹が据わった経営陣が今民放をみる限りいるとは思えない。「サラリーマン的感覚」「上司の命令が絶対」などと考えるような輩にそんなことができるわけがないのだ。

今、テレビ局のスタッフ見ても「サラリーマン」ばかりである。勿論テレビ局だけでなく新聞社、映画、レコード会社、全てにいえることだが

かつてメデイアの頂点を君臨した地上波テレビ、今も数字上は影響力はダントツかもしれないが明らかに末期症状にある。

おごれるものも久しからず、だ。

 

 

6月 9, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年5月20日 (月)

映画のサウンドデザイン(音全般)のクオリティの向上をよびかけるー日本映画が世界レベルになるために

もう10日近く前の話だけど下北沢でダマー国際映画祭が開催された。ハリウッド一流プロデユーサーが審査員となっている映画祭で日本ではShort Short(SSFA)や広島国際アニメ映画祭とならび国際的な映画祭の開催である。

詳しいレポートは別のブログに書いてありますのでそちらを参照されたい

当グループ推奨のダマー国際映画祭の終了報告です。:
https://kyojiohno.cocolog-nifty.com/musiciansandindustry/2019/05/post-c4ba7d.html

作品は世界中から提出され会場も国際色豊かな映画祭だったが、ここで図らずも日本の映画と海外の映画で顕著な違いを実感してしまった。

ひとことでいえばサウンドデザイン(音響ー音声、音楽を含む)に関して歴然としたレベルの違いがあった、という点

実は映画の音の部分に関わる人間の端くれとして最近「日本映画の音は酷い」という評判をよく耳にする。実際日本の某映画祭での上映でも音声がロコツにブツっていうノイズが入っていたりなんていうケースがあったが、これ海外の映画祭でこれをやったら一発アウトである。

そしてあえていうが「自主映画なんだからそれくらい大目に見て欲しい」などという人がいるがそれは甘えである。少なくともプロの映画人は云ってはならない言葉だ

これも以前書いたが、日本の特に自主映画、インデペンデント映画では撮影だけで殆どお金を使い果たしてしまい。ポストプロダクション(通称ポスプロ)の予算を確保していないケースが非常に多いのだ。だから整音やカラコレすらロクにしていない作品が平気で出てきたりする。また最近芸能プロが映画を作る、というパターンが増えているが殆どケースで映画制作のプロセス(工程)をきちんと理解していないケースが多く、ポスプロでクオリティを保つための最低限度の費用をかけない、というケースが少なくない

音声って必要なの? カメラのマイクだけじゃダメなの?

MAって何? 必要なのそれ?

某芸能プロが企画した映画で実際某芸能プロの社長が発した台詞だ。どうも誰が云いだしたのか知らないがデジタルカメラ時代に入り「タダ同然で映画が作れる」などという情報が一人歩きした。そのためポスプロでクオリティを保つための最低限度の費用をかけないことが平然と行われることになったのである。

実際いつころからこういう風潮が蔓延したのかわからないが、今テレビの世界でも映画の世界でも「いいものを作る」ではなく「いかに安く作るか」ということが当たり前のように優先される時代になった。例の「カメラを止めるな!」の大ヒットでも予算の300万という数字だけが一人歩きし、「映画って300万でできるんだ」みたいなおかしな先入観が映画業界から一般の報道にまで広まってしまい、映画製作のブラックな状況を余計に悪化させている現状がある。(腹が立つのは300万で映画を作る、という話に飛びついたのはメジャーな某映画会社というのが目も当てられない)これは映画に限らないのだろうが、「コストがかかる=企業努力が足りない」などと短絡的に決めつけ何でも「安く作る」ことが是となっているのが昨今の日本の現状だ

実際まともなクオリティにしようと思ったらポストプロダクション費用だけで200-300万は最低かかる。それなりのポスプロスタジオを使えばそのくらいすぐかかるのだが、撮影で殆どの予算を使い果たしてしまうという結果ポストプロダクションにかける費用が殆どなく、編集だけでなくVFXその他の視覚効果、カラコレ、整音のMA等本来プロレベルの映画にするのに当然な費用をかけないで海外の映画祭に出してしまうというケースが後を絶たないのが昨今の状況だ。

海外の人とのやりとりで実はみえてきたことがある。それは今大多数の日本人の考え方とおそらくは真逆の考え方だろうと思う

それは 予算を低くするというのは自らの価値を下げている、 ということだ。

何でもコストを下げる、「安く作る」というのは大量生産の工業製品ならその考え方でいい。だが映画、音楽、テレビ番組のコンテンツは大量生産商品ではなく「文化」である。そこを取り違えている人間が多すぎる。

実際日本では「低予算」というのを自慢するような風潮があるが、海外では寧ろバカにされるのである

海外では殆どお金がかけられない映画の音響録音にしても使うマイクやミキサー(日本の映画の撮影で音声のミキサーまで現場に導入しているケースは多くないのが驚きである)によって音質が入念にチェックされる。日本は音関係は全部後回しにされるが海外では映像と同じように重用視されているのだ

だから残念だが、先程のダマー国際映画祭がにおいては日本の作品と海外の作品で音質の違いが歴然としているくらい違っているのを感じた。サウンドデザイン(音響)に対する姿勢が全く違うのである、録音さんに優秀なエンジニアを採用しているのがわかる。

低予算だからサウンドデザイン、音楽にお金をかけなくていい。なんていうのは全く理由にならない。アメリカアカデミー賞で一昨年作品賞をとった映画「ムーンライト」はハリウッドでも最低レベルの予算しかかかっていない(それでも6億だ)これといったスター俳優(逆にアカデミー助演男優賞を取ったマハーシャラ・アリがブレークするきっかけになった)が出ていない映画だが、そのアメリカでも最低レベルの映画の予算でもサウンドデザイン(音響)と音楽には手を抜かないぞ、という姿勢が明確に作品に出ていた。実際劇場で見に行ったのだが音響は5.1サラウンドで映画音楽もかなり丁寧にきちんと作られていた。

映画ムーンライト  http://moonlight-movie.jp/

Moonlight

こういう姿勢が日本の映画になかなか見られないのは非常に残念である。この姿勢を改めないと日本の映画が世界レベルになることはない

 

5月 20, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年3月26日 (火)

映画ー特に自主制作の方にお願いーポスプロの予算はあらかじめ最低限度は確保して下さい

ちょっとここでまた苦言を呈させて頂きます。

私は映画音楽をやっている立場ですが、映画の制作工程の中では「ポストプロダクション」(撮影、クランクアップ後の制作工程)の工程の中の一員になります。その点で前々から気になっていたことがあります。とりわけ自主制作や低予算の映画製作にこの傾向が顕著なんですが、誰かがこれを云わないと状況が一向に改善されないので、あえて批判覚悟でいいます。

それは映画のバジェットでポストプロダクションの費用を殆ど残していないケースが日本では本当に多い、という点です。

撮影とか役者さん、クルーにお金がかかるのは当然です。いい映画にしようと思えばそれなりのプロにお金を払うことが必要です。しかし日本の映画、とりわけ自主映画をみますとその撮影だけで殆どお金を使い果たしてしまうケースが見ていてあまりに多いように思います。

昨年大ヒットした「カメラを止めるな!!」は当初専門学校の自主映画として作られていますが、予算は300万といわれます。(実際シネコンや海外でロードショーされている時点でその映画はもはや「自主映画」というレベルではないのですが)

これ自体は素晴らしいことなんですが問題はこの300万という数字だけが一人歩きし、「映画って300万でできるんだ」みたいなおかしな先入観が映画業界から一般の報道にまで広まってしまい、映画製作のブラックな状況を余計に悪くしてしまう、という状況があります。

実際まともなクオリティにしようと思ったらポストプロダクション費用だけで200-300万は最低かかります。それなりのポスプロスタジオを使えばそのくらいすぐかかります。

その結果ポストプロダクションにかける費用が殆どなく、編集だけでなくVFXその他の視覚効果、カラコレ、整音のMA等本来プロレベルの映画にするのに当然な費用をかけないで海外の映画祭に出してしまうというケースが後を絶たないのが昨今の状況です。

酷い状況ですと撮影でまともに録音さん、音声さんを使わずビデオと同じようにカメラのマイクだけで録ってしまう(それこそギアすら使わない)ケースも多く、結果ノイズが酷くとても映画の音声としては使い物にならないケースも実は多いです。私も時々お手伝いで整音とかやりますが、音質があまりにひどくもはや整音どころか手の施しようがないケースも少なくありません。そうなると再度録音に出るか、アフレコをするか等の作業がないとやりようがありません。

音声って必要なの? カメラのマイクだけじゃダメなの?

MAって何? 必要なのそれ?

某芸能プロが企画した映画で実際芸能プロの社長が発した台詞です。ちなみに芸能プロが企画した映画は最近多いですが、かけるべきところにお金をかけていないケースが正直かなり多いため酷いできあがりになっているケースが多いです

ちなみにこんなことを云っているのはポスプロの工程の一員である私のブラックな状況への文句云々だけではありません。もっと根本的な問題で今海外の映画界では「日本映画の音は酷い」というのが定評になってしまっているからです。

実際某映画祭の上映である映画の音声がロコツにブツっていうノイズが入っていたりなんていうケースがありました。これ世界のトップクラスの映画祭でこれやったら一発アウトです。

別にハリウッドなみの予算をかけろといっているわけではないですが、少なくてもクオリティを保つのに最低限度のポスプロのバジェットはあらかじめ確保していただきたい、とお願いする次第

音楽でもそうですね。音楽が大事と皆さんおっしゃる割には日本の映画では音楽に本当にお金をかけない

ネットにある著作権フリーの音源で映画が十分なクオリティになる、という考えは捨てていただきたいと映画音楽をやっている人間から云わせてもらいますが、これって無理なお願いですかね?

 

 

 

ちなみにご参考までに

どうしてもポスプロの費用が捻出できない、ということであれば、シネマプランナーズの「日本映画インフラ協会」(毎月会費500円)にご相談してみて下さい。会員になることで支援を受けることができます。映画制作の「互助会」です

 見積りを出された上で費用の支援をしてくれると思います。詳細は御問い合わせください。

一般社団法人 日本映画インフラストラクチャー協会(シネマプランナーズの一部門)

https://assoc.cinepu.com/

 

 

3月 26, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年2月25日 (月)

アカデミー賞ーオスカー授賞式 人種と女性差別、LGBT 外国語映画のオスカー授賞 新たな時代でいい意味に変化している映画界

本日アメリカ映画アカデミー賞ーオスカー授賞式が開催された。受賞者はリンク先をご参照されたい(英語)

https://www.oscar.go.com/winners

今年のアカデミー賞授賞式はいろんな意味でアメリカ映画アカデミーが多様性を受容したことを示す受賞者の顔ぶれだった。例えば

作品賞のグリーンブックはアフリカ系のジャズピアニストと人種差別が現在でも根強く残っているアメリカ南部(トランプの熱烈な支持層でもある)での実話のストーリーをベースにしたものだし、アルフォンソキュアロン監督の"Roma (注:イタリアのローマではなくメキシコシテイー郊外の町名)は全編スペイン語ながら、最優秀外国語映画賞だけでなく、監督賞、撮影賞も受賞し、映画の世界のボーダーレス化が進んでいる傾向を示したものとして注目される。

また映画界の「はみだしもの」であったスパイクリーの「ブラッククランスマン」はアフリカ系アメリカ人が人種差別秘密結社K.K.K.に潜入捜査する話で脚色賞を受賞した。アカデミー賞授賞式には出席しないという方針だったスパイクリーが今回出席したのは映画アカデミーの環境の変化というものを感じ取ったからではないか、と私は考えている。

あと目立たない賞だが短編ドキュメンタリーの"Period. End of Sentence."は女性の月経とそれに伴う偏見と女性に対する恥辱(とりわけインド、イスラム圏における)を扱ったドキュメンタリーであり、受賞者のイラン系アメリカ人監督を始め制作スタッフは全員女性ー「まさか月経を扱ったドキュメンタリーがオスカーを取るとは思わなかった」と喜びを爆発させた。

また短編映画部門の"Skin"も人種差別を扱った映画、トランプ支持層の多数を占めるWhite Supremacist(白豪主義者)がアフリカ系アメリカ人と仲良くする友人を襲うという映画で、人種差別やヘイトが巻き起こっている昨今のアメリカの風潮とそれを事実上容認しているトランプに対する強烈な皮肉となっている。

このように人種と女性差別、LGBT、そして全編スペイン語の外国映画が主要映画賞にノミネート(3部門受賞)と明らかに以前の流れとは大きく違う傾向を示し始めた今年のオスカー。大きく多様性を受容し始めたといっていいだろう。

これはひとことでいえばハリウッド、映画アカデミー全体がより反トランプ大統領色を鮮明にしたといえると思う。史上最悪の大統領の出現がいい意味で映画の世界を大きく変化させて多様性を受容しているといえよう。

これを見て羨ましく思ったのは私だけではないのでは、と思う。

史上最悪の大統領の影響で逆に人種と女性差別、LGBTを始め世界のボーダーレスを推進して様々な面で改善を進めているアメリカ映画アカデミー、それに対し同じく史上最悪の総理大臣の日本は映画業界ばかりでなくマスコミ、企業体まで首相の顔色ばかり伺って変化をしようとしもしない。何かアメリカと日本の民度の違いが帰って際立ってしまったように思うのだ。要は変化に対してポジテイブに反応するアメリカ国民と変化を忌み嫌い変化に対してなにごともネガテイブになる日本、その大きな差が出てしまったということができる

これ以外にも最近のハリウッドで大きな変化を感じたのはネットフリックスの存在だ

最優秀外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞したRomaはネットフリックスの配信作品だが、かなりキュアロン監督の私小説的な要素もあるため、ハリウッドがお金を出さなかった作品である。そこにキュアロン監督がネットフリックスに企画を持って行って実現した作品なのだが、それ以外にも映画の短編、その他でネットフリックスの配信作品が今回のノミネート作品には多数存在した。これも時代の流れである。ちなみにネットフリックスはアメリカ映画協会に加盟し、既にアメリカのメジャースタジオに肩を並べることができる存在になっている

Netflixがアメリカ映画協会に加盟。6大メジャースタジオと比肩する映画制作スタジオに
https://japanese.engadget.com/2019/01/23/netflix-6/

もはやオスカーに対して大きな影響力をもつようになってきたともいえるネットフリックス
映画のグローバル化、ボーダーレス化を推進しているエンジンの1つともいえるが、今後の動向が注目される

一方、私の「本職」である映画音楽関係についてだが、今年はブラックパンサーの音楽を担当した"Ludwig Goransson (ルドウィグ・ゴランソン)"が受賞した。恥ずかしながら私はこの人をよく知らなかったのだがチャイルディッシュ・ガンビーノのプロジェクトで曲書いていたようで、映画音楽だけでなくポップスの方でも結構実績がある人のようだ。授賞式に一瞬移ったが奥さんはアジア系のようだが、日本人か中国人かは不明。まあそんなことはどうでもいいでしょう。

尚、日本映画は2本とも受賞できなかったけど、まあ業界人の端くれとしてそんなことにめげすにどんどんノミネートされるような映画を作りましょう、といいたい
昨今のグローバル化、ボーダーレス化がどんどん推進される現在では日本の市場だけ見ていればいい、という時代はもうとっくに終わっている。問題はメジャー系の業界人でいまだにそれを理解できない人が多いこと

話は授賞式に戻るが最後の「ボヘミアンラプソデイー」でフレデイマーキュリーを演じたラミ・マレックの一言が印象的だった

Ramimarek

「私はエジプト系アメリカ人です。フレデイもゲイで移民でそして人生を自分らしく生きた人です。私自身のストーリーがいま描かれています。それを光栄に思います」

「ボヘミアンラプソデイー」は広い意味でLGBTの映画である。そして先ほども書いたように、人種と女性差別、LGBT、そして外国語映画のRoma 、そしてキュアロン監督は「メキシコにはまだ大勢の職につけない人たちがいます、その人たちを助けてあげて下さい」とトランプ大統領の神経を逆なでするような発言もした

ちなみに昨年の作品賞はメキシコ人のデルトロ監督、授賞式では同じメキシコ人なのに「この名前は発音できませんww」とおどけてみせた

国境に壁を作ろうとして一時は連邦政府の行政をマヒさせたトランプと次々に従来の壁を取り払うハリウッド
どちらがより建設的かはいうまでもない

 

 

 

2月 25, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年2月 6日 (水)

取材旅行をした制作番組「世界の船旅」オンエアを終えて

もう先日の土曜日(2日)の話になるんですが、昨年の11月末ー12月初旬にBSテレビ朝日の番組「世界の船旅」の取材旅行で撮影、取材した番組がオンエアされました。

詳細な内容はこちらをお読みください

「くつろぎの客船で巡る カナリア諸島クルーズ ポルトガル、スペイン」
https://www.bs-asahi.co.jp/funatabi/lineup/prg_331/

 

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 通常はこの番組、カメラマンがデイレクターを兼ねて一人で取材、撮影するというハードなものですが、今回は番組制作だけではなく、スポンサーのJTBの日本向けの集客用VPの素材も撮影するために、通常の取材よりは詳細なものが必要とのことで、私が通訳、ならびに制作のサポート等を行うために帯同しました。

マリーナ号という豪華客船で、個人的に撮った写真でしたが番組でバッテイングするといけないので今まで封印してきましたが、もうオンエアも終わったからいいだろうと思うのでここで船内の写真を改めて公開しちゃいましょう。(^^)

マリーナ号のスイートルーム

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Img_0165 広いベッドです。同型のベッドで寝ましたがとても寝心地がよく、船内の取材はスポンサーのリクエストが多かったため、分刻みのスケジュールでかなりハードでしたが、これでかなり疲労を回復させることができました。

 

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映画をオンデマンドで見ることができる部屋もあります

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バスルームも広いですね。

 

 

実に贅沢なバスルームです。

 

ちなみに下の写真のようにスイートルームには広いベランダがあり、そこでバスに入ることもできます。

 

 

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レストランの風景です

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スパもあります。

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乗客のためのラウンジ
ここで乗客のためのフリーwifiや各国の新聞も調達できます。ドリンクはソフトドリンクのみですが、フリードリンクです

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番組でも紹介された寄港地、実際取材旅行した我々の方がかなり現地について詳しいレポートを書いています。ご興味のある方は以下のリンクをクリックして下さい

■ヨーロッパ取材旅行ーポルトガル リスボンレポート
http://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/2018/12/08/225144

■ヨーロッパ取材旅行2ー西ヨーロッパ最古の街 カデイス
http://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/2018/12/09/000000

ちなみに番組でリスボンがヨーロッパ最古の都市であるかのように云っていましたがそれは編集したデイレクターの方の思い違いで、実際にはカデイスが西ヨーロッパ最古の都市です。紀元前から都市だった街ですから..

■ヨーロッパ取材旅行3ーカナリア諸島 アレシフェ島
http://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/2018/12/10/224925

■ヨーロッパ取材旅行4ーカナリア諸島 テネリフェ島

http://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/2018/12/11/134358

そして最後に全体の感想、所感です

■ヨーロッパ取材旅行ー決して「セレブ」のためではなかった客船の旅
http://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/2018/12/14/121351

10日間の取材が25分の番組に集約されましたが、番組のCMにもありましたが、JTBの客船説明会がありたぶんそこで流される映像VPも我々の取材の映像です。JTBとしては寧ろそちらの方をメインに考えているでしょうね
http://www.jtb.co.jp/cruise/event/

今回は本来の音楽の仕事ではなく撮影隊のスタッフとして参加したわけですが、まあこういう機会が今後も増えるんじゃないかと思います。実際音楽家といっても映画音楽、映像のための音楽を主体に制作しているわけですし、撮影現場に音楽家役としても何回か参加する等映像制作、撮影の工程もだんだん頭に入ってきました。もともと「制作」という作業は嫌いじゃなのでまた機会があれば参加したいと思います。

ちなみに番組のクレジットが私の本名になってました。まあ音楽家として参加していないから、ま、いっか(笑)、という感じですが..
どうも以前テレビドラマの音楽をやったら私の文字が間違ってかかれていたり(大野恭史の「恭」がおかしな字になっていたり(^^;)) 私のクレジットが「音楽」ではなく「音響」になっていたり等
なんか日本のテレビとの相性が良くないのか名前にからむ「事故」が多いですね、今回はもしかしたら、許容範囲かもしれないんですが..

 

 

 

2月 6, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2019年1月27日 (日)

「劇伴音楽」と「映画音楽」は違うーミシェルルグランの訃報に思う

昨日フランス映画音楽の巨匠のミシェルルグラン氏の訃報を聞く。
先日のフランシス レイの訃報に驚き、とうとう大御大 ミシェルルグランの訃報を聞き、映画音楽の1つの時代の終焉を感じた

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ミシェル・ルグランさん死去-フランス映画音楽の巨匠
https://this.kiji.is/461815278378550369

名曲は数あれどやはりこの曲かな。
この「シェルブールの雨傘 」は映画音楽とはかくあるべき、と感じさせるルグランの最高傑作の1つ

 

この「シェルブールの雨傘 」はまさに全ての映画音楽の作曲家のお手本となるべき作品である。映画音楽はこの曲を聴けばあの映画だ、とわかるような音楽でないといけない


本当の映画音楽とはテーマ曲を聴いただけでその映画のイメージがわかる曲であり、また一方で映画から独立しても音楽として美しい名曲たりうる、それが理想である。この「シェルブールの雨傘 」はまさにそういう曲だ

ところが映画音楽制作の仕事をしていて全ての映画監督がそういった音楽を望んでいるわけではない、ということも感じている。

実は最近ようやく理解できるようになったのだが、実は映画音楽を作る場合、特に日本では(とりわけアニメでは)一般に「劇伴音楽」といわれるが、実は「劇伴音楽」と「映画音楽」は違うのだ。
両者は似て非なるものである。

例えば先日亡くなったミシェルルグランを始め、ジョンウイリアムズ、エンニオモリコーネ、故人になってしまったがジェリーゴールドスミスは「映画音楽」の作曲家である。最近ではアレクサンドル・デスプラ もこのカテゴリーに入る

では劇伴作家というと代表的なのがハンスジマーである。この人の手法はまさに「究極の劇伴」といっていい。同様なタイプとしてラミン・ジャヴァディ、ドン・デイヴィス等が揚げられる。厳密には映画音楽的な面もあるがジェームスニュートンハワードもこのカテゴリーに入るかもしれない

どう違うのか? やや乱暴かもしれないが以下のような違いがあるかもしれない

  映画音楽 劇伴音楽
音楽の作り方 マクロ的(音楽や映画の前後の「つながり」を重視 ミクロ的(映像の局所の演出に集中ー映像の部位と音楽のつながりを重視)
音楽の存在感 映画から独立しても音楽として存在しうる。音楽だけで映画の存在を覚えてもらうようなキャッチーなものが多い 映像と音楽が密着しているため、映像と音楽が独立しにくい。テーマ曲等を除いて音楽それ自体としては存在しにくい
音楽の作り方 音楽による映像演出、例外はあるもののあまり映像の動きと密着はしていない 音楽を「音響効果的」につくる場合が多い*

*筆者はハンスジマーの音楽は「究極の劇伴」という評価を持っている。特に「ダークナイト」や最近の「ダンケルク」などはそれにあてはまる

勿論全ての「映画音楽」や「劇伴」がこれにあてはまるわけではないが、わかりやすく分類するとこういうことになるのではないだろうか?

映画音楽と劇伴が違うと主張し始めたのは日本の映画音楽の作曲家、佐藤勝先生の、「俺は劇の伴奏なんか一度たりとも書いたことはない!」(2010年キネ旬ムック「オールタイム・ベスト映画遺産・映画音楽篇」キネマ旬報社)、「劇伴なんて言葉を使う監督とは組みたくない」(1991年の映画「大誘拐」パンフレットより)という発言からである。

これはクラシックのアカデミズムでは今でもそういう雰囲気が払拭されたとは言い難いのだが、映画やドラマのための音楽を蔑称的なニュアンスを込めて「劇伴」という言葉で表現された、という点もあり佐藤先生はそれを忌み嫌ったというのもある。一方では私は上記のリストのような両者の「音楽の作り方」を佐藤先生は念頭にあったのではないか、と思うようになった。

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佐藤勝 1928-1999

勿論、誤解を避けるためにいうが、私は「映画音楽の方が劇伴音楽よりすぐれている」とか「劇伴音楽」を批判的なニュアンスでここで云うつもりはない
今ハリウッドではハンスジマーのような「究極の劇伴」の方が主流になっており,ある意味ハンスジマーは「究極の劇伴作家」としての評価をすべきだと考える。

また映画監督と何人か仕事をしてみて「映画音楽」を求めている監督と「劇伴音楽」を求めている監督の2種類がいることを感じている。特に後者の「劇伴音楽」を求める監督は映像、役者の演技それ以外の全体のバランスを特に重視するタイプが多く、「映画音楽的」である音楽のメロデイーが分かりやすい音楽を持ってくると「絵が音楽に負ける」といって嫌がるタイプの人が多い。そして最近の映画監督を見ているとこういうタイプの人の方が多い印象がある。

これはどちらがいいとか悪いとかの問題ではない。監督の作風や作品に対する姿勢の問題なので人それぞれである。但し、私個人としてはこういう「劇伴音楽」を求めている監督と仕事するのは正直やり辛い。ハンスジマーはすごいとは思うが私はハンスジマーになろうとは思わない

そんなわけで私は「劇伴」のような作り方はやってできなくはないが、基本は「映画音楽作家」でありたいと思うし、なるべくそういう仕事をしていきたいと思う。

「映画音楽」と「劇伴音楽:-両者は似て非なるもの。という風にご理解いただければ幸いである。

 

 

 

1月 27, 2019 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年12月 8日 (土)

拙音楽担当ドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」、テーマ曲のストリーミング開始!!

久々のリリースです

 

2016年に全国11劇場で公開されましたドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ

 

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この映画のテーマ曲である「金毘羅ふね船JAZZ」が本日Spotifyを始めデジタルでストリーミング開始となりました。

 

 

 

ご存じ「金毘羅ふねふね」のジャズバージョンです。
2versionありまして最初のバージョンです

 

 

 

こちらは弱音器を使い若干マイルスを意識したものです。

 

 

 

Apple Music のリンクです

 

Vers1

 

 

Vers2

 

シェア大歓迎です。よろしくお願いします

 

 

 

 

 

12月 8, 2018 音楽16-23映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年11月15日 (木)

ボヘミアンラプソデイー 私が「ロック史上最高傑作」と題している理由と私の考えるロック最高傑作ベスト5

昨日ようやく見たくて仕方がなかった「ボヘミアンラプソデイー」を見に行った。

 

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映画は云わずと知れた伝説のバンドクイーンのボーカル、フレデイ―マーキュリーの生涯を描いた映画。クイーンの名曲の制作風景も描き、クイーンだけでなくロック音楽が好きな人にはたまらない作品
ボヘミアンラプソデイーのEMIとの確執の部分、一部史実と違うところがあるが、それ以外はほぼ史実通りに描いている。

名曲が多いので気が付いたらいっしょに歌いそうになったし、"We will rock you"では気が付いたら席でリズムをとっていた。(いけませんね、はいゴメンなさいm(_ _)m )

それにしても「フレデイ―マーキュリーの替わりはフレデイ―マーキュリーにしか勤まらない」といわれるこの強烈な個性のアーチストをよく演じきれる俳優さんを見つけたものだ、と改めて驚く。演じたのはアメリカの俳優のRami Malek という人だが最初は「自分には無理だ」とかなり固辞したというが、周囲の説得でようやく引き受けたという。おそらく想像を超えるプレッシャーだったと思うがよくやり遂げたと思う。心からお疲れ様でしたといいたい。

但し個人的にはクイーンの4人で一番にていたのはブライアンメイ役のGwilym Lee だと思う。本当にブライアンメイ本人ではないかと見紛えるほどだった。

それにしてもこの映画のタイトルがなぜ「フレデイ―マーキュリー」ではなく「ボヘミアンラプソデイー」なのか? おそらくこれはボヘミアンラプソデイーの歌詞にポイントがあるような気がする。無論これは私の勝手な解釈だ。異論がある人もいるだろうがそういう方は読み流していただきたい

以下の詩の部分である

Too late,my time has come, 
Sends shivers down my spine-
Bodys aching all the time,
Goodbye everybody-Ive got to go-
Gotta leave you all behind and face the truth-
Mama ooo- (any way the wind blows)
I dont want to die,
I sometimes wish Id never been born at all-

以下翻訳

もう遅い、私の最期の時が来た
背骨が震えてきたし、いつも体中が痛い
皆さんさようなら。もう行かねばならない(逝かねば?)
みんなの元を去り真実と迎えなければならない
お母さん ああ
死にたくないよ
時々生まれて来なければよかったとさえ思う

ロック好きにはたまらない映画だった。素晴らしい映画で感動した

さて、私はこの「ボヘミアンラプソデイー」はロック史上の最高傑作だと考えている。実は私が勝手に決めている3種類の評価軸があって、それを基準に考えると「ボヘミアンラプソデイー」はいずれも満点の評価なのだ

これは私の評価の仕方なので当然異論がある人もいるだろう。そういう方は読み流していただきたい

その3つの評価軸とはA (芸術性、クリエイテイビテイ) B (大衆性:エンタテインメント性) C(完成度ー作品として完璧なものか)の3つである

この基準で考えると「ボヘミアンラプソデイー」は

A (芸術性、クリエイテイビテイ): ロックにオペラの要素を入れたという当時としては実験的な試み。オペラのかけあいのような部分もある等、曲の形式も従来のポップソングを踏襲しておらず、全く独自の形式で一曲仕上げている。   芸術性、クリエイテイビテイ 5点満点の

B (大衆性:キャッチーエンタテインメント性) 普通のポップソングには必ず曲の覚えやすい部分(=サビ)があるのだがこの「ボヘミアンラプソデイー」には一般的にいう「サビ」は存在しない。にも関わらずこの曲のイントロのピアノのフレーズは覚えやすく、曲の進行に「オペラ」の要素を入れたことでエンタテインメント性を従来の曲よりかなり広げている。 エンタテインメント性  5点満点の

C(完成度ー作品として完璧なものか):映画「ボヘミアンラプソデイー」でも描かれていたがこのボヘミアンラプソデイーのコーラス部分のレコーデイングー今でこそpro toolsでいくらでもトラックを重ねられるが当時は24チャンネルが最多の時代。あのコーラスはロジャーが「何回歌わせるんだ?」と怒っていたように到底24チャンネルでは足りずおそらくピンポン録音(今では死語だが)で重ねたと思う。その結果「オペラ部分」「ロック部分」そしてイントロとエンデイング、それぞれが「これ以外ない」という作り方になっている 曲全体は「弾き語りパート」「オペラパート」「ロックパート」と変化に富む構成ながら、全く無駄がない。まさに完璧な曲作りでこれ以上の完成度を保てる作品がどのくらいあろうか? 文句なしで5点満点の

A (芸術性、クリエイテイビテイ)、B (大衆性:キャッチーエンタテインメント性)、C(完成度ー作品として完璧なものか):映画「ボヘミアンラプソデイー」の3要素が完璧に近いという曲はそうあるものではない。たいていの場合A (芸術性、クリエイテイビテイ)、もしくはB (大衆性:キャッチーエンタテインメント性)、のいずれかに偏る。これは歴史に残っているクラシック音楽やジャズスタンダードでも例外ではない。「芸術音楽」の代表格といわれるクラシック音楽でもこの3つの要素がそろった作品はそうあるものではない。だがその3要素がいずれも満点という作品は間違いなく歴史上の最高傑作といっていい

ちなみにロック音楽に限った話だが私のいうロック音楽の傑作ベスト5は以下のとおり

1.ボヘミアンラプソデイー(クイーン) 15点満点
2、Peg (ステイーリーダン)  15点満点
3.天国への階段(レッドゼッペリン) 15点満点
4. Money  (ピンクフロイド)  15点満点
5.  And you and I  (Yes) 14点

ちなみに個人的には大好きな曲なのだがYes の You and Iが15点満点じゃない唯一の理由は演奏時間に10分を要するからである

無論異論もあるだろうが、ここは一人の音楽関係者の戯言レベルで呼んでいただければ幸いである。

映画の話に戻るがボヘミアンラプソデイー  クイーンをご存じない方でも是非ご覧になることをおすすめする

http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/

 

 

 

11月 15, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年10月20日 (土)

またインデペンデント映画で新たなブーム? 千原ジュニア主演映画「ごっこ」明日より公開

私はスタッフでもなんでもないんだけど、なりゆきでちょっと宣伝のお手伝いをしている映画「ごっこ」が明日より公開されます。

http://gokko-movie.jp/

千原ジュニア主演で早世の鬼才・小路啓之が遺した家族愛の物語の映画化
ユーロスペース他10劇場で明日より公開されます。

予告編トレーラー

今年は「カメラを止めるな」を始めインデペンデントの映画が大きな社会現象になっていますが、この映画も同じくらいのインパクトを社会に与える可能性がある、この映画を見てそう思いました。

「スーパージャンプ」で連載された早世の小路 啓之原作の実写化。
事情により完成から公開まで時間がかかったけどようやく原作者の小路氏の命日にあたる10月20日に公開。一旦お蔵入りになりそうな作品だったんですが結論からいってこの作品をお蔵入りするなんてとんでもない、といっていいほど「素晴らしい映画」でした。あまりに切なくて泣ける映画です。

設定をみるとどなたかおっしゃってましたが確かに『万引き家族』を思わせる設定があります(実際には「万引家族」より先に撮影されています)が、私は寧ろシチュエーションは違うにせよジャンレノと子供時代のナタリーポートマンの「レオン」を思い出しました。ただ「レオン」の場合は恋愛なのか父性なのかわからないところがあるけど、この「ごっこ」は明確に父性による愛情。両方の映画で描かれているのは愛する者を守ろうとする男の姿だと思います。そのために起きてしまう不幸

尚、今のうちにいっておきます。最後のクライマックスシーンは必ずハンカチをご用意ください。たぶん映画を見た大多数の方は泣きます。号泣します。本当にこれでもか、と涙腺を刺激する台詞がたたみかけてきます。

そしてその後とてもいい映画を見ることができた幸福感を感じると思います

「カメラを止めるな!」を始めインデペンデント映画に傑作がふえていますね。この「ごっこ」もその1つといっていいと思います。まさにメジャーにインデペンデントがとってかわるムーブメントが到来しつつあります。映画も音楽の歴史も実はその繰り返しなんですね。面白い時代が来ています

「ごっこ 」
早世の鬼才・小路啓之が遺した家族愛の物語、ついに映画化。

STORY
大阪の寂れた帽子店には、40歳目前にも関わらずニートの城宮と、5歳児・ヨヨ子の親子が仲睦まじく暮らしていた。
実はこの二人、他人に知られてはいけない秘密を抱えた親子だった。
十数年ぶりに城宮が実家に戻ったことを知る幼馴染で警察官のマチは、突如現れたヨヨ子に疑いの目を向ける。
ごっこ生活のような不安定な二人のその日暮らしはある日突然、衝撃の事実によって崩壊してしまう……。

「カメラを止めるな」は大笑いできる映画でしたが、この映画は本当に泣けます。映画で一度も泣いたことのない方、是非この映画をご覧ください

Gokko

この映画で唯一残念なこと?


それは私がこの映画の制作に関わることができなかったこと.. (^^;;)

こういう映画の仕事を是非したいものだ..と思います。どなたかいい映画の企画があったら声かけてください。死ぬ気で音楽作りますよ-

10月20日(土)〜
11月24日(土)〜12月7日(金)
12月29日(土)〜1月11日(金)
この映画、お蔵入りにならなくてよかった...   
本当に心の底からそう思います。是非ご覧あれ

10月 20, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年8月21日 (火)

カメラを止めるな!! 盗作疑惑とその背景について 原作者を叩くのはお門違い

インデペンデント映画であり、制作費わずか300万から現在200館を超える劇場のヒットとなる異例のヒットとなった「カメラを止めるな!!」 

私はこの成功を日本の映画界では革命的なできごと、であり非常に喜んでいたが残念ながらミソをつける事態が浮上した。

Flash9月4日号の次の記事

ー大ヒット映画をめぐる著作権侵害疑惑ー

「カメラを止めるな!」は私の作品を無断でパクった

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原作者として劇団"PEACE"主宰していた和田亮一氏が上記の記事で語っており、上田監督もそれをみとめているが、この件に関してはネットの断片的な情報を元に原作者を叩いたりするお門違いの炎上も起きているようなので可能な限り客観的にこの事態について述べようと思う。というのもこれは知的所有権にからむ問題であり、ハリウッドあたりにもこのような問題が生じることが時々あるが、今回は原作者と映画制作者側との間のプロセスに多大な問題があることを明確にするためにも可能な限り事実に近いと思われるものを並べる。

まず今回の盗作騒動が具体的にどういうものかを以下に掲載する

パクリと盗作について

まず「パクリ」とか「作品が似ている」などという議論はしょっちゅうあるし、特に作品がヒットするとその手の「盗作騒動」がよく持ち上がる。例えば音楽で「あの曲とあの曲がよく似ている」などという議論はしょっちゅうあるが、実際仮に似ていたにしてもそれが「盗作」と規定するのは現実問題として非常に難しい

あとJ-popに関して言えば半ば業界人全般に「非公式」に「パクリ」を奨励されている面もあるので仮に曲が「似ている」ものであってもそれにクレームをつけないのが不文律になりつつある。

だが「パクリ」とは一部分の似ているところを作品に取り入れる、というものでたいていの場合「あるところが別の作品に似ている」という程度におさまるものだ。

だが今回のケースはどうだろうか、以下の対比表を見れば一目瞭然である。

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これは「似ている」ではなくほぼ同じプラットホーム、原案をそのまま使っているというレベルだ。これはもはや「パクリ」というレベルではないことは明らかである。

原作者と制作側とのやりとり

以下はFlashの記事が事実に基づいたものである、という前提でありのまま書く

原作者の和田亮一氏主宰の劇団"PEACE"の公演"GHOST"を上田監督が2013年に観劇 同劇団は2014年に解散するも翌年の2015年に上田監督からの劇団"PEACE"のメンバーに"GHOST"の映画版をやりたいと伝え劇団"PEACE"の脚本家に映画の脚本を依頼したもののプロジェクトは一旦頓挫。翌年の16年に現在の市橋プロデユーサーから長編映画の製作の話が出て再度プロジェクトは動き出したものの、上田監督が劇団"PEACE"の脚本家の脚本を大幅に書き直し現在の形に仕上げる。その脚本を元に映画制作が進行したが、原作者側にプロデユーサー、監督側から一切何の連絡もなかったという

作品公開が決定したあと事後報告のような形で和田氏のクレジットを「原案」として入れたらしいが、映画公開後も和田氏への連絡は一切なかったという。何よりも劇団";PEACE"の"GHOST"の脚本が上田監督に渡っていることすら和田氏は知らなかった模様。

和田氏は「カメラを止めるな!!」を見て作品自体は絶賛したものの明らかに自分の作品の構成をそのまま使っていると感じたという、公開した翌月に和田氏は映画のプロデユーサー、監督側に「原作という形で劇団名、作品名を入れて欲しい」と要望を出したものの上田監督側は「出来上がったものは別物で原作といれるわけにいかない」と拒否。その後再度の話し合いの機会を持つものの話し合いは平行線のまま。

現在和田氏は弁護士に相談し、以後は弁護士同士の話し合いになると思われる、この結果については見守るしかない

今回の件に関する問題点を揚げると以下のようになる

問題点

1.制作の過程で原作者への連絡が一切なかったこと

まず上記の内容に基づくと原作者が「ヒットした今になって」出て来た、という認識は誤りである。今回の著作権侵害問題は「ヒットした今になって」出て来たのではなく、制作中には原作者側に一切何の連絡もなく公開後の事後報告でわかったこと。これは映画企画以前にあらかじめ原作者に対して接触があったにも関わらず、である。これだけでも原作者への礼を失している

そして和田氏が不本意としている「原案」というクレジットは公開拡大時には既に入っているので、「ヒットしたから勝手に出てきた」という認識は誤り。

だから以下の記事は全くのお門違いの記事である。

■大ヒット映画「カメラを止めるな!」の盗作疑惑 いまになってなぜ?
https://thepage.jp/detail/20180821-00000002-wordleaf?page=1

ちなみにパンフレットをみれば当初は和田氏の原作をベースに企画して頓挫したこと、 劇団"PEACE"の公演"GHOST"をから着想されていることが明言されている。

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たいして調べもしないくせに断片的な情報に基づいて無責任な言動する人間がネットには多すぎる、上記だけでも原作者を叩くのは全くのお門違いであることがわかる

2.ストーリーの基本構成、内容は殆ど同じなのに原作者としてのクレジットを拒否する点ー上田監督は「脚色」という言葉を知らない?

今回不思議に思っているのは上田監督は脚本ではなく「脚色」という言葉を知らなかったのではないか?と思う点だ。アメリカアカデミー賞では同じ映画のスクリプトでも「脚本賞」と「脚色賞」と別に設置してある。三谷幸喜などもいっているように脚本と脚色は全く違うのである。

脚本というのはオリジナルな台本、スクリプトであり原作者=脚本家である場合が多い。

一方脚色というのは原作者がいてそれをベースにオリジナルな台本を起すことである。つまりストーリーのプラットホーム、構成や人物像等は同じでも細かいシチュエーション、登場人物のキャラクターその他が原作と違う場合、一般的に脚色という。ハリウッド映画のなかにはかなり原作から原型をとどめない台本にする場合も少なくないが、それでも原作者へのクレジットはきちんと明示する。

今回のケースは明らかに「脚色」というケースに相当すると思う。だから今回は原作者:和田亮一脚色上田慎一郎とクレジットすれば何の問題もなかったのである

3 原作者へのリスペクト、知財保護の姿勢が全く感じられない

ここが今回のケースの最大の問題だと考える、その最たるものが上記のFlashの記事に書いてあるのだが市橋プロデユーサーから和田氏に提案された契約である、この時既に飛ぶ鳥を落とす勢いで劇場が拡大し始めた時に、和田氏に提示されたのは「すずめの涙」程度の金額で「権利を買い取る」内容、原案使用料や二次使用料を含めた買い取り案だったという
これは仮に私が同じ立場で同じ内容の契約を提示されてもはっきりいって拒否するだろう。「カメラを止めるな!!」の制作サイドが知的所有権をもっている人間に対してこの程度の認識しか持っていないことに大いなる失望を禁じ得ない。和田氏に対しては原作者としてのリスペクトの姿勢を示すべきだったのにプロセスを見る限りですと完全に蔑ろにされているという印象をぬぐえない

この点は日本の映画制作の今後を考えると知的所有権、知財に対するこのような姿勢はどんどんグローバル化している現在の映画制作の現状を考えると大きな問題に発展する可能性が高い。つまりこの流れによる成功を認めてしまうと、舞台から映画、映画から映画、小説から映画、盗作し放題の世の中になる可能性が出てくる。それは知財が盗み放題はもとより、盗まれ放題の社会になるということ。そのような社会が世界から相手にされるはずがないからである。

さらにここまで書いても原作者の和田氏をあくまで叩こうとする輩がいるかもしれないので和田氏本人が書いたFacebookでのコメントをそのままこちらに引用する。少なくともこれを読んで「ヒットしたからしゃしゃり出てきた」などと決めつけることがいかにお門違いかがわかるはず。(尚、一時和田氏が精神的に病んでいたことを理由に叩く人間の屑がいるようだが言語道断である。そのような輩が映画関係者でないことを祈る)

映画【カメラを止めるな!】について

もう知っている方も多いですが、
今、「カメラを止めるな!」という映画が、ものすごくたくさんの人見られて、日本映画の歴史を塗り替えようとしています。

元ネタは、僕が2011年〜2014年までやっていた劇団PEACEの舞台「GHOST IN THE BOX!」です。

監督がその舞台にインスパイアされ、「原作なしのオリジナルストーリー」として作り上げられたのが映画「カメラを止めるな!」と言わています。

この話はとても長くなりますし、本当はあんまり書きたくもありません。
ただ、今日発売の週間FLASHに記事として僕が話したことが掲載されています。
だいぶ過激な見出しですが、決して怒っているわけではありません。

それについて、僕の気持ちをここに書きたいと思います。

話はだいぶ前に遡りますが、僕は2011年、数人の仲間とともに劇団PEACEを立ち上げました。
今思うとめちゃくちゃ青臭かったし、若かった。
だけど、命がけだったことは間違いありません。
毎日稽古が終わったら朝までバイトして、ちょっと寝て稽古いって・・・
とにかく、売れる為に、自分の劇団見てもらう為に、劇団員に幸せになってもらうために、いろんなことに必死でした。
だらだら続けてもよくないと思ったので
「3年間の公演の中で、3000人を集客できるような劇団にならなければ解散」
という明確な目標を立てました。

あの3年間は、本当に1秒1秒生きてて、あんなに笑ったことも、泣いたことも、悔しい思いをしたことも、もしかしたら生涯この先訪れないんじゃないかと思っています。
それぐらい、生きてた。

劇団は、解散しました。
目標には届きませんでした。

「GHOST IN THE BOX!」は、そんな劇団で、再演、初のロングランまでしたとても思い入れのある公演です。
当時、劇団に脚本家志望の後輩荒木がいて、僕が一緒に企画案を練り、脚本を荒木に任せ、稽古しながら四苦八苦しながら脚色して出来上がったのが「GHOST IN THE BOX!」です。
なので、著作権は僕と荒木、そして劇団にあります。

劇団解散後、ある元劇団員と監督の間でこの作品の映画化企画が持ち上がりました。

その時、脚本書いた荒木も引き入れて、3人で映画化プロジェクトがスタートしたようです。
僕は劇団解散後、お恥ずかしい話けっこう精神を病んでしまい、立ち上がれませんでした。
劇団員みんなとの連絡も意図的に断ってた。
そんぐらいあの頃は悔しかったし、いろんなダメージがありました。

今は復活しました。
そんな中で映画の話があって、僕には一切連絡がありませんでした。
これに関しては完全に自分の責任だと思っています。
本当に情けない。

そしてそのプロジェクトは一旦頓挫し、その後監督が独自に書き上げたのが「カメラを止めるな!」という作品だそうです。

そしてその作品は上映されました。
僕はその事実(カメラを止めるな!がゴーストから作られたこと)を、公開されてだいぶ経ってから、さらに別の元劇団員の後輩から聞いて初めて知りました。
最初は、単純に嬉しかった。

3年間で3000人!っていう目標達成できなくて解散した俺たちの作った作品が、形を変えてその何倍もの人に見られている。
ツイッターでもここでも、「みんな見てね!」と思わずシェアしてました。
映画も面白かったし。

でも実際に見てみるとクレジットにはPEACEの名前、GHOSTの名前はなかった。
しかも監督はインタビューに「ある劇団のある芝居に影響を受けて」と答えていて、世間では「オリジナルストーリー」として評価されていた。
劇団名、作品名を出さないのはプロデューサーの意向ということだった。
解散してるからしょうがないとは思ったが、どうしてもそれが納得できず、監督に連絡を取りました。

ちゃんと原作として

劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」(作:荒木駿 演出:和田亮一)

といれてください。
とお願いしました。

そしたら、
「確かに最初は一緒に進めたし、参考にしたがそれは一旦頓挫し最終的には全く別物になったので「原作」と入れることはできない。確かに参考にしたが、それでいくと三谷幸喜さんの作品も原作としていれなきゃいけないことになる。」
と言われました。

その件で直接話をするために、先方のプロデューサー含め、会って話しました。
その際に、配給拡大のタイミングで、今日クレジットは決めなくてはならない。といわれ、最終的に向こうから妥協案として「原案」だったらどうですか、という話になり、“ひとまず”クレジットには原案として劇団名、作品名を入れてもらいました。
そして、その後原作かどうかは判断しましょう。
という話になりました。
だから今、映画のエンドロールには
原案:劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」(作:荒木駿 演出:和田亮一)

special thanks で和田亮一と入っています。

でも僕は、ただ、「原作」と入れて欲しかったんです。

「原案」は作品を作るに当たって参考にしたアイデア
「原作」はその作品を作るための元の作品

です。

クリエイターとして、そこは譲れませんでした。
銀魂の映画は、全くオリジナルストーリーだけどちゃんと「原作」って入ってます。

しかしその後、先方からきたのは、PEACE「GHOST IN THE BOX!」は今回の映画における「原案」として整理しました。という連絡と、よくわからない原案利用契約書。

その提案された契約書には、僕が今後の映画、舞台におけるリメイクそのほか二次利用に関する一切の権利をもてないという内容でした。

ぼくは、あの頃、劇団のみんなに迷惑をかけながらもPEACEに命をかけていたし、大好きだったし、あの3年間が自分を成長させてくれたと思っています。

みんなで何ヶ月もかけて稽古したり、バイトとの両立で眠かったり理不尽なことに怒ったり集客うまくいかなくてイライラしたり、本番は楽しかったりなあの日々が、あの作品が軽く扱われ、さらには今、「オリジナルストーリー」として世の中に出ているのが本当に許せません。

基本構造や、ちょっとした設定はそのまま使われています。
むしろ、「カメラは止めない!」ってセリフあります。
監督はインタビューで「舞台の基本的な構造はそのままに」と答えています。

昔GHOSTに出たり、PEACEを見た人の中には、僕や劇団員のみんなが協力してあの映画になったと思ってる人がたくさんいる。
僕は一切協力していません。

最初に協力した劇団員二人には「企画開発協力」というなんかよくわからないクレジットにして、ヒットした後もちゃんとした契約や謝礼の話は一度もないらしいです。
むしろ「頓挫して」以降は二人も関わってません。
だから、「別物」と言い切るのでしょう。

多分、僕があの時事実を聞いて、連絡しなければ一生僕には連絡がなかったでしょう。

この件に関して、僕は真実を訴えます。
じゃないと素直に応援できないし、PEACEを応援してくれたたくさんの人に対して失礼だと思うので。
映画は普通に面白いです。
キャストのみなさん、スタッフのみなさん、本当に映画が好きで、楽しそうに演技してるな、と思いました。
前述しましたが感謝もしています。
大好きだった、命かけてたあの作品を生まれ変えてたくさんの人に見せてくれているから。

だけど、だからといって泣き寝入りだけはしたくありません。

本日発売の週間FLASHの取材を受けました。
PEACEの芝居が原作であることを知らしめたい。

実名ででてますので、きっと炎上すると思います。
批判されるのは目に見えてます。

「解散した劇団の和田がなんか言ってる」
とか
「ヒットしたから金目的だろ」とか

それでも僕は実名でいきます。
正直怖いっちゃ怖いけど、別にもともと入って来るわけなかった金なんて欲しいわけない。
なんか質問とか取材とかあれば受けれる範囲で受けます。

みんなでつくりあげたあの3年間の、劇団の尊厳を守りたいという、それだけなんです。

もう劇団は解散し、みんなそれぞれのステップを踏んでいるけど、頑張ってくれていたみんなの為にも、真実だけは伝えたいと思っています。

FLASHには、類似点やもう少し細かい状況説明など掲載されています。
もしよければ読んでみてください。


8月 21, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年7月27日 (金)

インデイー映画「カメラを止めるな」大ブレークにみる映画界の新時代到来の可能性

日本映画、とりわけインデイース映画はご存じの通り長い間低迷時期にあった。かくいう私も劇場公開とはいえ多くのインデペンデント映画の音楽を担当してきた。しかしそんな中でも「俺たちの世界」(中島良監督)のように海外で高く評価された作品もあったのだが、しかし低迷の状態は明らかだった。ちなみに私の映画音楽作品でもっとも多くの劇場で公開されたドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ」(竹藤恵一郎監督)は11劇場で公開されたものの興行収入はたいしたものではなかった。

しかし私はFacebookグループ「エンタテインメント業界キャステイング」の管理人をやっていて一昨年あたりからある種の変化を感じ始めた。以前なら日本で海外映画に関わるのであればたいてい大手の芸能プロか広告代理店を通さねばならず、役者も思ったような役を得られなかったりというのが普通だった。日本人の俳優、アーチスト、ミュージシャンの海外へのかかわりは閉ざされたものであり、よほどのコネクションがないと無理だった。それが一昨年の初めからFacebookグループで普通に海外映画のオーデイション情報が入ってくるようになり、いわゆる日本での「有名俳優」や大手プロでなくても普通にハリウッド映画に出演する例が出てきたのである。今では「エンタテインメント業界キャステイング」はハリウッドのキャステイングデイレクターがハリウッドのキャステイング案件を普通に投稿する等、数年前だったら考えられなかったことが普通に起きている。インターネットとSNSが芸能界、映画界の既存のプラットホームを壊しつつあるのだ。

そして今年300万という低予算のインデペンデント映画が「日本の常識」をやぶる快挙を達成した。ご存じの方も多いだろうが当初はたった2館のみで上映された本作が、7月25日、TOHOシネマズ新宿などをはじめとする上映劇場が100館を突破したという映画「カメラを止めるな」である。どこの劇場でも満員でチケットがなかなか取れない状態が続いていた。かくいう私もなかなか観にいけず、今週の初めようやく見に行けることができた

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オンラインチケットで買ったのだけどオンラインチケットの発行ですらこの長蛇の列

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会場は立ち見客も大勢いた。この映画がなぜ連日満席、立ち見続出なのかは映画を見てよくわかった。

この映画は日本のメジャー映画の「常識」である以下の2つがない

1. 有名俳優や女優のキャステイング
2. ヒットしたマンガ、小説、等の「原作」がない

これだけで既に日本のメジャー映画の「常識」を根底からくつがえしている

映画の内容だがネタバレになるので映画の中身は触れない。しかしひとことで言えばこの映画はアイデアの勝利ーいやこういうと誤解を呼ぶかもしれないーでも言ってみればタランティーノの「パルプフィクション」を思わせる脚本のひねり、アイデアの勝利だと思う。(「この映画は二度始まる」がミソ。前半を見たから後半思い切り笑える)しかもここが大事だけど(映画愛に溢れた)アイデアだと思う。

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その意味では上田慎一郎という名前の日本のタランティーノが出現したと言っていいかもしれない。私はこの「社会現象化」したこの映画の様子をみて「日本の映画の新時代」を感じずにはいられなかった。

つまり1) 映画製作のグローバル化による国境を越えた制作体制と2) 日本映画での海外での公開例の増加、と3) メジャー連中のいう「映画ヒットの方程式」の崩壊、そして4) 新たな映像クリエイターの台頭による新時代到来

それらすべてが起きている。ということだ

特に映画制作のグローバル化は私のようなものでさえ、昨年の夏に香港映画や今年の春に中国ドラマに出演する例がある等、とくにネットフリックスやアマゾンプライムのように映像を全世界に同時配信が当たり前になっている時代では、もはや日本国内しか通用しない「常識」など全くの無意味である。

日本ではなかなか既存の常識をやぶるような作品や芸術ムーブメントが起きにくい。それは例えばこんなケースが少なくないからである

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私自身も何回こういうケースに出くわしたことかという感じでまさに日本の「典型的な」ケース。縮図といってもいい。そもそも「今までにない斬新なアイデア」が前例のあるものであるはずがない
こんな簡単なロジックすら今の日本人は理解できなくなっているともいえるが、要はおそらくこういうことである。

今までにもあったけど、みんなが忘れている、大胆かつ安全で予算内で収まり、最大の効果を上げる、斬新なアイディア」を求めているのです。

あえていうが、実に虫のいいことを期待しているわけだ

その「虫がいい」ことを期待する輩が多いから、「カメラを止めるな」の成功は素晴らしいことだが、これで逆におかしな誤解や勘違いが蔓延することも一方では危惧する。

つまり「映画は300万でできるんだ。では300万で「カメラを止めるな」と同じ興行成績出せるよね?」 などといいかねない人間が日本には大勢いる、ということ

300万でこれだけの興行成績をだしたのはクリエイター側が誇ることで、製作側は寧ろ恥じるべきことだが、そこを理解できない人間が多い。実際海外でも評価が高い園子温監督が「日本の映画予算は少なすぎる」という発言をしたら、映画制作現場なんか知りもしないくせに知ったかぶったネットのアホなヒマ人に叩かれる、という事態が発生したが、実際カメラを止めるな」の成功例が逆に「300万でできない監督は才能がないからだ」なんていう「正論」(に見えるもの)を誘発しかねないほどバカがネットには大勢いるのも事実

いずれにせよクリエイターの芽を摘むような事態は日本では本当に簡単に起きてしまうのが懸念材料だ。


7月 27, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年4月11日 (水)

グローバルな制作現場のすばらしさー中国ドラマにジャズマンとして出演しました

昨年の10月にもある香港映画にピアニスト役で出演したのですが、今回も同じ事務所から今度はジャズマンとして出演してほしいという要請があり、私の方でもミュージシャンを手配したり等を行いました。

 

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場所は「ナイトクラブ」の走りだった横浜のあの有名な場所です。
年代ものの家具等が多く、場所自体が大きなセットという感じです。1946年に建てられたものらしいです

 

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男子トイレ失礼、
あまりに年代物だったので

 

一応この建物はまだダンスホールとして使われているらしく最盛期には、一部の富裕層しか入店できない高級店であり、飲食が提供され、従業員の女性ダンサーが客のダンスの相手をしており、女性ダンサーの数は最盛期には200人ほどであったそうです。

しかし今回のドラマの舞台はそのメインのダンスホールではなくそこはもっぱらスタッフ関係の控室になっていました。

今回は香港系のスタッフも多かったのでてっきり私は昨年と同じ香港映画だと思っていましたがよくよく話をきくと中国のネットドラマだそうです。中国にはネットフリックスのような映画配信サイトの大手が4つあり、その中の1つで放映される予定だそうです。

ドラマのタイトルは「天目危機」

日本と中国を舞台としたアクションドラマで私は脚本をもらっていないので全体のあらすじはつかんでいませんが、復讐がテーマのストーリーでかなり凝った脚本のようです。

その関係でスタッフキャストを含め日本、中国、香港のスタッフクルーによる撮影となりました。

私はかねがね映像制作は凄まじい勢いでグローバル化が進んでいる、ということをこのブログでも数えきれないくらい書きました。

そして撮影もかなり大規模なものになっています。実際「ネットドラマ」といっても日本のメジャーの映画製作会社以上のバジェットがあることがこれによってわかります。資金力もきちんとしてますので組織はきちんとしてますね。

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日本語、広東語、北京語、英語等、多言語が現場に飛び交っています。これが現代の映画制作風景だといっていいと思います。
映像制作のグローバル化 です

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今回の私の役はジャズクラブでのジャズバンドの役で今回はかなりドラマにとって重要な音楽も演奏しています。昨年の香港映画はかなり適当な演奏でしたが、今回はかなりしっかり演奏しました。

会場は年代ものそろいでしたが、私の演奏したピアノも年代ものです。私は仕事で河合楽器さんとおつきあいがあるんですが。しかしこんなピアノは見たことがありません

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あとでカワイ楽器の関係者に聞いてみようと思います。

今回は競演のミュージシャンは一流を選びました。クライアントが希望したのはトランペットとウッドベースとピアノー 本当はドラムがあるといいんですが、たぶん役者さんの台詞が消されてしまうでしょうからね

今回のバンドメンバーです。(記念写真 (^0^))

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左はトランペットの松尾さん  右がベーシストの大御所でハービーハンコックとも競演された水橋孝さん。今回競演させていただき光栄です。(中央が私です)
特に水橋さんは大野雄二さん (注:よく間違えられるんですが、私は大野雄二さんとは姻戚関係はありません)  や今田勝さんのトリオに長くおられた方で、ハービーハンコックで「日本人で最もソウルフルな男」という評価を受けています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%A9%8B%E5%AD%9D

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こんな感じで撮影しました。これだけで御伽の世界です(^_^)

今回の放映は中国のネットフリックスのようなサイトで行われるので残念ながら日本国内では今のところ見ることはできないそうです。もっともネットフリックスもアマゾンも中国4大映画配信会社と提携する動きがありますから、少し時間がかかりますが日本で見られる可能性はあると思います。

その意味では今回厳密にはグローバルコンテンツ配信ではありませんが、1つのものを作るのに日本、中国、香港の人たちが仲良く共同作業している光景は素晴らしいと思いました

つまりグローバルな制作するのは平和、相互理解、そして新たな表現の可能性を広げるものということができると思います。その意味ですばらしい体験をさせてもらいました。

是非この素晴らしさをより多くの映画関係者のみならず、多くの日本人に共有、そして体験してもらいたいです。

映画、音楽文化を救うにはコンテンツのグローバル化しかありません。そのことを確信しています。

そして何よりもグローバリズムな世界では戦争は絶対に起きません

 

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4月 11, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年3月21日 (水)

大野恭史音楽担当、さんみゅー主演「中野JK 退屈な休日」仕切り直し5月20日DVDリリース

拙音楽担当、一昨年の9月に池袋シネリーブルで劇場公開された映画「中野JK 退屈な休日」

DVDが昨年の11月にリリースされる、はずですがいろいろと考えられない手違いがあり、改めて仕切り直しで5月20日にリリースされることになりました。

監督・脚本中田圭

総合プロデューサー:和田敦也
撮影:飯岡聖英(J.S.C.)/録音:山口勉/音楽:大野恭史
編集・ポストプロダクションプロデューサー:金子尚樹

さんみゅ~(木下綾菜/西園みすず/野田真実/長谷川怜華/小林弥生/新原聖生)
山内遥/川村エミコ(たんぽぽ)/ぶっちゃあ(ブッチャーブラザーズ)/志水季里子/久保新二
友情出演:佐藤永典/渡辺知夏子
四方堂亘/工藤俊作

・販売元: エルデイ

・発売日 2018/5/20

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前回の発売元HPに「中野JK退屈な休日」の記述がなかったので心配だったんですがその心配が的中してしまいました。今回はきちんと掲載しているので安心しました。
http://ld-net.com/items/454/

メーカーさんの方との連絡も一応うまくいっているようですし、ジャケットの校正

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わかりつらいと思いますが、一応私のクレジットもDVDに入っています。(^^)

予告編です

という訳で、本日お休みします♡
ある日、学校に行くのが面倒くさくなった女子高生たちは、ズル休みを決定。プチ旅行(と称した散歩)へと出かけるのだった。少女たちが様々な人たちに出会いながら、ほんのちょっと成長していく姿を瑞々しく描いた青春ストーリー。サンミュージックが手掛ける人気アイドルグループ、さんみゅ~第一回主演映画。共演には個性的な面々が集結。彼女たちのドラマに華を添えます。監督は「非金属の夜」「乱暴者の世界」などで注目を受ける俊英、中田圭。

よく考えれば大野が関わった作品。今度こそDVDで発売です

よろしくお願いします

3月 21, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年3月 5日 (月)

オスカーアカデミー賞2018の感想ー急速な映画制作グローバル化で日本人のさらなる挑戦を

本日既にご存じの通りアメリカ映画アカデミー(Oscar)の授賞式が行われた

Img_1563

http://oscar.go.com/

主な受賞作品は以下の通り、全受賞リストはオスカーの公式サイトか以下のサイトを参照のこと

https://www.cinematoday.jp/sp/oscars/nominees/

アカデミー作品賞             ★『シェイプ・オブ・ウォーター』

監督賞             ★ギレルモ・デル・トロ 『シェイプ・オブ・ウォーター』

主演男優賞               ★ゲイリー・オールドマン

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ー原題"The darkest hour")

主演女優賞             ★フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)

作曲賞            ★アレクサンドル・デスプラ『シェイプ・オブ・ウォーター』

歌曲賞            ★「リメンバー・ミー」(『リメンバー・ミー』)

音響編集賞    ★アレクサンドル・デスプラ『シェイプ・オブ・ウォーター』

録音賞            ★「リメンバー・ミー」(『リメンバー・ミー』)

撮影賞注2       ★ロジャー・ディーキンス『ブレードランナー2049』

メイクアップ賞注1    辻一弘、デヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビック

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ー原題"The darkest hour"

短篇アニメ賞          ★グレン・キーン『Dear Basketball(原題)』

13部門ノミネートされたギレルモ・デル・トロの 『シェイプ・オブ・ウォーター』は他に美術賞を含む4部門受賞、 筋金入りのオタクといわれ日本アニメや特撮ものが好きな監督  『シェイプ・オブ・ウォーター』もウルトラQに出てくる半漁人を思わせるものがある。

日本人では『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で主演のゲーリーオールドマンをまるで別人にメイクした日本人のメイクアーチスト辻一弘さんが受賞、ほかにも短編アニメ部門で桑畑かほるさんがノミネートされたがこちらは残念ながら受賞ならず

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辻一弘さん

辻一弘さんは17歳でメイクを勉強するために単身アメリカに渡ったという。
同じことをした日本人を何人か知ってる。そして皆成功を勝ち取っている.。音楽プロデユーサーとして活躍されているKenji Nakaiさんとハリウッド監督になっている光武蔵人監督だ。これからますますグローバル化する映画制作の時代にこういう人たちがさらに活躍の場を広げることを期待する

注2の撮影賞のロジャーデイーキンスは撮影監督として過去13回もノミネートされながら一度もオスカーを受賞していない「無冠の帝王」と呼ばれた撮影監督

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今回14回目の正直として『ブレードランナー2049』の撮影監督として受賞。

まあ誰もが認める一流のクルーでありながら一度もオスカーを受賞できなかった極めつけは一昨年88歳の米寿にして初受賞した映画音楽作家の大家エンニオ・モリコーネ先生の例もあるが、単にめぐり合わせ、運というのもオスカーには影響するということなんだろう 

さて一応映画音楽をやっているので映画音楽では「シェイプオブウォーター」のアレキサンドル デスプラ。「ブダペストホテル」以来二度目で私は現代の優秀な映画音楽作家の一人であると位置づけている。

私的にいえばアレキサンドル デスプラ映画音楽作家ハンスジマー劇伴音楽作家である。両者の違いは以前の記事に書いたのでご興味ある方はそちらを参照されたい、

歌曲賞はクリスティーン アンダースン-ロペスとロバートロペス夫妻
ご存じ「アナと雪の女王」のコンビで二度目

オスカー授賞式2018、今年もさまざまな話題を提供してくれた

桑畑かほるさんが惜しくも受賞を逃した短編アニメ部門では元NBAバスケットボール選手のコービーブライアントが台本を書きコービー自身をアニメ化したグレン・キーン『Dear Basketball(原題)』

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元NBA選手が過去にオスカー受賞したというのは記憶にない。たぶんないだろう

この他にもスターウオーズ ラストジェダイの面々  BB-8付きでの出演

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そして昨年の授賞式の最大のハプニング 作品賞を間違えるというミスを取り返すため作品賞の発表はウオーレンビーテイーとフェイダナウエイのお二人。ウオーレンビーテイーは「また会えてうれしいよ」と冗談ぽく語る。

今度は問題なく『シェイプ・オブ・ウォーター』で受賞発表の後ギレルモ・デル・トロ監督自ら確認した。

お疲れ様でした。

ちなみに今回のオスカーもトランプを名指しこそしなかったものの、トランプ政権の政策を批判する場面が多々あった。監督賞と作品賞をとったギレルモ・デル・トロはメキシコ人

受賞スピーチに「私は移民だ。ヨーロッパもアメリカにも私の一部がある」とトランプの政策を暗に批判 また外国語映画賞を受賞したナチュラルウーマンはトランスジェンダーのストーリーでこれもトランプ政権が反対している政策である。グラミーほどではないが、オスカーも名指しこそ避けたが暗にトランプの政策を批判する動きを明確に示している。日本人はこういうことをなぜか「ハシタナイ」などと思い云うべきことをいわないところは困ったものだと思う。民主主義社会だからこそこういう意思を表明していいのであり、また表明すべきである。

さて既に何回もここで述べているように今映像制作の急速なグローバル化が進んでおり、今回も辻一弘さんが受賞したが、もっとこういうケースを増やすべきである。私が管理するグルー「音楽家&音楽及び関連業界キャステイング」でもグローバル案件をどんどん紹介しており、映画制作にもはや国境はないといってもいい。問題はあとは一歩踏み出す勇気を持てるかどうかだ。

アメリカ映画アカデミーというと別世界の話しであるかのように考える日本人がたぶん今の時点でも大半だと思うがグローバル化は私の予想すら上回る形で進んでいる。つまりチャンスは確実にあるのだ。来年、再来年には日本人の名前が一人や二人ではなく多数ノミネートされ、しかもそれが当たり前のようになる時代がもうすぐ来ることを確信している。

勿論私は映画音楽作家としてこの時流に乗ろうと既に考えている。オスカーの作曲賞や歌曲賞等で自分の名前が入る日を目指している。(笑いたい奴は笑え) 

そのくらいの意欲でこの映画のグローバル化に取り組む所存


3月 5, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年2月 2日 (金)

スターウオーズ「ラストジェダイ」興収失速を見て「やはりそうか」と思った原因ーネタバレ注意!!

「ラストジェダイ」 昨年みたのだがこれに関して書くと必ずネタバレ、それもかなり詳細なネタバレになってしまうので書くのが躊躇われた。しかしそろそろ書いていい頃と思われる。
今回の記事はかなりネタばれがありますので、まだ「ラストジェダイ」を見ていない方は読まないようにお願いします
Warning: The following post includes intensive spoilers, so advice anyone who has NOT seen the "Star Wars - The Last Jedi"  to ignore this post.
=========================================================================

Lastjedi01

ラストジェダイ自体は昨年見ている。だが前回の「フォースの覚醒」は二回みたが今回はもう一度見よう、という気が正直起きなかった。
純粋に映画として考えた場合はよくできている。だがこの映画をみたあと今後のスターウオーズのシリーズがかなり心配になったのは事実だ。実際大絶賛する向きと「最悪の作品」という評価に分かれた。

そして「ラストジェダイ」はRotten Tomatoesで批評家の評価するは
91%
そして注目すべきは一番重要な「オーデイエンス」スコアのLike(よかった)は48%にとどまった。
勿論スターウオーズシリーズでこういうことは初めてではない。
エピソード1"Phantom Menace"の批評家やオーデイアンスの評価などもっと酷かった(批評家55%、オーデイエンス59%)

だが今回の「ラストジェダイ」の問題はかなり深刻な気がする。監督のライアンジョンソンは監督として有能なことは認めるが、スターウオーズファンの「予期しない展開」にこだわるあまり、「超えてはならない」線を越えた気がするのだ。
理由は以下の通り
(ここから先はかなりのネタバレになります)
=============================================================

1.スカイウオーカー家のサーガを事実上否定してしまったこと

スターウオーズの古いファン(たぶん私も含まれる)から多くの不評を買った点はここにあるのではあるまいか。

スターウオーズは少なくともエピソード1-6までは「アナキンスカイウオーカー」から「ルークスカイウオーカー」までスカイウオーカー家の家族のドラマでもあった。アナキンがダースベーダ―に変身する悲劇とルークとレイアの家族の葛藤を銀河帝国と反乱軍、ジェダイとシスの挟間で揺れ動く人間模様を描いてもいた。だからこそ古いスターウオーズファンはアナキンにもルーク、レイアに感情移入し、単にSFではなくファミリーヒストリーとして描いていた。

だが今回レイがスカイウオーカー家とは何のかかわりもない、血のつながりもない存在であることが判明し、ルークが最後絶命したことでスカイウオーカーのサーガは事実上終了する。レイアとハンソロの息子であるカイロレンについてはファミリーヒストリーで軽くふれられた程度。

このシリーズではベンソロ、ならぬカイロレンの出自自体もそれほど大した意味はないかのように扱われている

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2.ジェダイの描き方を変えたため、過去のエピソードとの整合性、矛盾が生じたこと

まず今回の「ラストジェダイ」では過去になかったジェダイの能力を提示している。具体的には

(1)  霊体となったジェダイが、雷を操るという物理現象を引き起こしたり、ライトセイバーの機能を利用した反則技、見たこともないジェダイの新能力が発揮されたこと

これを見るとこういうことができるのなら、なぜ過去の物語においてそういう選択肢が語られなかったのか、なぜその対策が講じられてこなかったのかという矛盾が生じる。実際これなら霊体となったオビワンもダースベーダ―と闘う、なんてことも可能になるわけだし、クローン戦争だってもっと楽に戦えたはずだ。

 

(2) 、フォースの訓練を積んでいないはずのキャラクターが優れた超常的能力を発揮するようになり、類まれなフォースの兼ね備えたレイが殆ど修業をつまず一人前のジェダイになっていること

まずフォースの取得が訓練をつまずに取得できる、という設定をするだけでスターウオーズ自体に大きな矛盾が生じる。そうなるとオーダー66によって大半のジェダイが抹殺されてからルークがジェダイとして復活するまで20年近く、人々がフォースの存在すら忘れていたのはなぜなのか、という疑問が生じるし ローグワンでフォースに傾倒しながらフォースの超常的能力を取得できなかったドニー イエン扮するチアルート・イムウェは何だったのかという疑問も生じる。

それ以外にも突っ込みどころはどんどん出てくる。つまり衝撃的な展開や、旧シリーズの流れにあえて反するような描写にこだわったことでシリーズ自体が矛盾だらけになってしまったのだ

 

3.スノークをあまりにあっけなく退場させ、しかもスノークの正体が何かも殆ど描かれずに終わっている

今回の「ラストジェダイ」で一番まずいと思ったのはこの点である。漏れ伝わってくる情報ではライアンジョンソンはスノークが何者なのか、なぜダースシデイアス(前銀河皇帝)以後に明らかにシスの能力を持った人間が登場しているのか、の説明には全く興味がないという。

それが事実だとすればスターウオーズに登場人物の背景やサーガそのものについては全く関心がないといっているに等しい、このような人物にスターウオーズの重要なエピソードを任せていいのか、とすら思ってくる

実際これで敵役は実質的にカイロレンと明らかに小者であるハックス将軍しかいなくなる。どちらもエピソート6の銀河帝国皇帝のパルパテイーン(ダースシデイアス)やダースベーダ―などと比べるとはっきりいって遙かに見劣りする。悪役は強烈に強い者でなければこういうストーリーは面白くなくなる。これはSFとか映画をよく見ている人間なら容易に想像ができることのはず

実際それらを反映して「ラストジェダイ」は世界的な興業失速に入っている、

■「最後のジェダイ」興収失速、ディズニーに懸念
http://jp.wsj.com/articles/SB10498810886951743680904584013791848532038

北米興行収入はアナリスト予想を下回り、中国では不振で既に公開は終了してしまったという。この状況をデイズニーは重く受け止めるべきではないのか? どうも今回デイズニーは折角スターウオーズという宝の山を手にしながら致命的なミスを犯して宝の山をなくしつつあるように見える

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それは

1.スターウオーズシリーズがただの「メジャー作品」ではなく元々巨大なコア層に支えられて今までがあるという点を見逃したこと

2.それに基づいて映画製作、コンセプトで致命的とも見えるマーケテイングミスを犯したこと

今回の大幅な「衝撃的な展開」のオンパレードは事実上スターウオーズのコンセプトチェンジに当たるが、これがライアンジョンソン監督一人の判断であるとは思えない。デイズニー全体が「この方針で行こう」とあいうことで進めたというのが常識的な判断である。

だとしたら今回のエピソード8、この路線に果たしてエピソード9以降も固執するのか。もし固執するのであれば残念ながらスターウオーズの将来は危うい

 

 

 

 

2月 2, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年1月27日 (土)

文春と小室報道についてーこのままの報道姿勢、番組制作方針を続ければ地上波テレビはいずれ滅亡する

例の小室騒動、まだ尾を引いている感じだが、どうも論点がずれているような気がする。文春がこういった不倫報道やゴシップを報道するのは今回が初めてではないし、結局は報道の対象が
1. 小室哲哉だったこと、
2. 会見の様子から文春の不倫報道とはかなりニュアンスが違ったこと

ということで今回の文春けしからん、という話になっているのであって、これが小室でなく別の小者アイドルだったらこんな騒動にはなっていないだろう。
そもそも文春けしからん、などといっている割には文春の不買運動なんていう話はどこからも聞かないことを考えると、こういうゴシップ誌が芸能人のプライバシーを晒しそれを叩くという行為自体を日本社会は否定しているわけではないということだ。

確かに騒動の最中の文春の記者の「言い訳」も酷い。TBS「サンデージャポン」に登場した週刊文春の記者は「本意ではない結果になった」と語ったそうだが、これは苛めた人間が自殺して「まさか自殺するとは思わなかった」といっているのと同じだ。これが余計に文春への心象を悪くしたのは事実だろう

何とも下品で下劣な社会に日本という国はなってしまったものだ。

だがそれに輪をかけて酷かったのは地上波テレビのワイドショーだ。文春が火をつけたらテレビが即、拡大 つまり地上波テレビが文春になびき、文春の手のひらの上でまんまと転がされ、自分たちで取材する意志を放り投げたかのように、他人のスクープ、取材から甘い汁を吸うようになった。これに関してはかなり的確な分析をしている記事があるのでこちらを読まれたい

■テレビ局が不倫報道をやめれば、この国は変わると思う
https://news.yahoo.co.jp/byline/sakaiosamu/20180126-00080839/

ベッキー騒動以来、週刊文春はピカレスク的メディアとして一目置かれる存在になった。類似のスキャンダルメディアの中でも、文春には理念とポリシー、もっと言うと独特の美学を感じさせるものがあったと思う。不倫を報じるにしてもストーリーがあったのだ。ただ著名人の不貞を暴くのではなく、「○○○なのに不倫していた!」という明らかなメッセージを込めていた。ベッキーも爽やかで健康的なイメージを売りにする、不倫からはほど遠いタレントなのに不倫していた。そのうえ、謝罪の裏で川谷絵音とまったく反省していないLINEのやりとりをしていた。これをも暴露した文春の「そこまでやるか!」と「よくぞここまで!」のギリギリの間を縫って駆け抜けていく様は見事と言うしかなかった。

私は昨年8月に「テレビの不倫報道の過剰」を訴える記事をYahoo!で書いた。その時見せたのがこのグラフだ。

2018012600080839roupeiro00123view

 

ここ数年でテレビ局が不倫報道に費やした時間を集計してもらったグラフだ。予想以上に、ベッキー騒動以降格段に不倫報道が増えていた。2014年、2015年の不倫報道は年間20~30時間だったのに、2016年には170時間に急増したのだ。2017年も8月までで120時間を超えていた。どう考えても過剰だ。

<中略>
小室氏の不倫も、時代を作った男が妻の病気をいいことにうまいことやってる!そんなストーリーを片手に切り込んだはずだったのだろう。だが、小室氏が見せたのはまったくちがうストーリーだった。しかも引退を発表するとは。文春が犯した計算違いは、大きなしっぺ返しをもたらした。小室氏に向けたはずの矛先が、自分に向かって切りかかってきたのだ。自ら研ぎ澄ましてきた切っ先だけに、自分に振り降ろされると大きな痛手になった。2年間のブランドがあえなく切り刻まれようとしている

<中略>
ここで云いたいのは「メディアにもブランドがある」ということだ。そしてこの機に問いたいのがテレビ局の不倫報道への姿勢だ。 テレビ局が文春のスクープにあそこまで乗らなければ、これほど異様な「不倫熱」の病が二年間も続かなかっただろう。つまり私たちはこの二年間、思い返せば奇妙なくらい不倫した人物を叩いてきた。感覚が麻痺していたと言っていい。その麻痺はまずテレビ局が侵され、そのメディアパワーによって日本中に伝染された。

不倫報道は、文春が火をつけたら即、テレビが拡大させてきたのだ。この2年間ずっとそうだった。
この画像を見て欲しい

2018012600080839roupeiro00223view_2

文春は自ら撮影した動画を、テレビ局に売っているのだがその際に、このようなバナー的な画像を貼り付ける条件になっているのだろう。

このバナーはクレジットの域を超えている。宣伝と言っていい。もちろん売る側からすると、映像の利用条件にバナーの表示を義務とするのも交渉としてありだろう。だがそれを受けるのか?これを見た時、私はがく然とした。あきれ返った。いくら貴重なスクープ映像だからと言って、事実上「有料サービスの宣伝」を目的としたバナー表示の条件を呑んだのかと。意地はないのか?「スクープがスマホで!」と高笑いするようなコピーまでついたこの画像を条件とされたなら断るべきではないか?それくらいの矜持をテレビ局はもはや持つ気はないと言うのか?報道メディアとして誇りはなくしたのか?ワイドショーだから報道ではない、などと言うのだろうか?だがいまは、ワイドショーで政治や社会問題も扱うではないか。

まあYahooの記事なのでそのうち削除されるかもしれないのでかなりの文章を引用してしまったがここに昨今の地上波メデイアの問題がある、ひとことでいえば「視聴率を上げる」ためには手段を選ばなくなりプライドもくそもすっかりなくなった日本のメデイアの姿だ。

上記の記事にも書いてあったが今や中学生でも「フェイクニュース」という言葉を知っている。メディアの信頼性を多くの人が気にしながら情報接触しているようになった。今回の小室騒動で1つ得るものがあったとすれば、世界で最低水準のメデイアリテラシーしかない日本人がメデイアの情報に対して少し冷静で疑うようになってきたといっていいだろう。これはとてもいいことなのだ。

安倍政権になって日本のマスメデイアがいかに官邸の圧力に対して脆いかについても視聴者はよくわかるようになった。単なる安部政権の広報に成り下がったマスメデイアは自分たちがどれだけの信用をなくしたのかきちんとわかっているのだろうか?

そしてこの朝から晩まで同じような情報をたれながすしかないワイドショー情報番組はあたかも視聴者が認知症にでも陥って何回も同じ情報を流さないと理解しない、とでも思っているようだ。

テレビのバラエテイー番組にいたってはもはや論じる価値もない、あまりにも内容がなさすぎる酷いものだ。

実はとあるテレビ関係者から聞いた話だが、某広告代理店のD通は次のような内容で番組制作をするように要求しているという。それは

「ゆとり世代の偏差値40の人間でもわかる内容の番組やCMを作れ」

というもの。引き合いに「ゆとり世代」を出すというのもこの世代をバカにした発言だが、要するに「バカの中のバカ」でもわかる番組を作れというのだろう

だが「普通の」知的水準を持った人間はそんなもの、見るに耐えられるわけがない。実際私もそうだが若い世代もますます地上波のテレビを見なくなっている。そしてそうさせているのが他でもないテレビ局自身だ、ということにテレビ局は全く気付いていないようだ。

ネットが普及しても社会に対して突出した影響力を持っているのは俺たちだ、そんな高慢な態度のテレビ局のプロデユーサーは少なくない。

だがそんなことに胡坐をかいているうちに実は大変なことが起きていて気が付いたら手遅れになる可能性がある。

ネットフリックスがようやく普及し始め、アマゾンプライムで映画や映像コンテンツをみることができるようになった

そしてAbema TVも例の香取信吾たちの「72時間テレビ」や昨年の大みそかの番組等で既に地上波にとって脅威の存在となっている。自由に番組を作ることができるAbema TVと広告代理店や企業の「コンプライアンス(日本では「事なかれ主義」と同様な意味になりつつある)」でがんじがらめになっている既存の地上波テレビ。どちらがより面白い番組を作ることができるかはわざわざいうまでもないだろう。

テレビは一応まだマスメデイアだが各テレビ局が今の報道姿勢をはじめワイドショーや番組制作の姿勢をこのまま改めずにいたら、地上波はそのうち上記の勢力に主導権を完全奪われるだろう。そして地上波テレビはいろんなしがらみでがんじがらめだから、方針をそう簡単にかえるのは難しい。

つまりこのままいけば地上波テレビは滅びの道を歩む

といっていい。

だが日本のレコード会社をみてもわかるが一度「過去の成功体験」があると会社のトップはその味が忘れられずなかなか方針転換ができないものだ。音楽業界は方針転換ができないまま二十年の月日が流れている

テレビ局が同じ轍を踏む可能性は、このままいけば大である。


1月 27, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)

2018年1月21日 (日)

映画製作にお金を掛けようとしない日本 デジタル時代で「安くできる」が一人歩きしている日本、このままでは日本は映画のグローバル化に太刀打ちすることはできない

事情によりどこのスタジオかは公表できませんが、昨日現在手掛けている短編映画のMA(マルチオーデイオ作業ー但しこれは「和製英語」のため海外では通じません)作業を行い、5.1のサラウンドの作業を行いました。

Surround00

フロントのL (左)C(中央)R(右)のスピーカー

Surround02

後ろ(リア)の左のスピーカー

Surround01

後ろ(リア)の右のスピーカー

このフロントのL C R リア(後)のLrear Rrear  で5チャンネルです。ちなみに「5.1ch」という表記は通常のスピーカは1chで1とカウントし、超低音域再生専用のスピーカー(サブウーファー)は、通常のスピーカのch区分とは異なるという意味で「.1ch」とカウントしますが、ピリオドで区別しているだけです<

そしてそのサブウーファー(低音の20HZ以下の周波数成分)は音を大迫力にして、特に映画館に行くとその違いがよくわかります。
やはり迫力が違います。
映画の音創りは毎回こう行きたいですね。

今手掛けているのは15分の短編で日本で開催されるアメリカ映画アカデミーの"Short Short Film Asia"と5月のカンヌ映画祭に出品予定の作品です。

実はこういうと日本の映画関係者から「贅沢だ」という声が上がる可能性がありますが、映画製作がどんどんグローバル化している現代、日本と海外の映画予算の歴然たる差というものが存在します。
実は15分の短編でもこのくらいのポストプロダクション作業を行うのは海外では完全に普通であり、カンヌに提出する作品であればこのくらいの音のポストプロダクション作業を行わないと間違いなく太刀打ちできない、といっていいと思います。

例えば、園子温監督の次の記事をよむと歴然とした差があることがわかります。

■園子温監督が邦画の低予算ぶりを明かす 米中との歴然とした差に嘆き
http://news.livedoor.com/article/detail/11681452/

園監督によると「中国もアメリカも学生の自主映画の平均制作費は1億以上」だとか。一方で、日本の商業映画の平均的な制作費は5000万円以下だという。

中国では「新人監督の第一作目の製作費が平気で10億以上」「俳優のギャラが平気で何億」だそう。これに対して園監督は自身を持ち出し、「映画はじめて25年以上やってる俺は、製作費3000万とか5000万の平均的日本映画を今もこなしております」と綴っている。日本映画で制作費10億円は「巨大大作」だが、アメリカ・中国では10億円は「かなりの低予算映画」になるという。米中では日本に比べ、デビュー当時から恵まれた環境で活動できるというのだ。

この話を聞くと本当にお寒い限りです。

園監督も「愛のむきだし」「紀子」「地獄でなぜ悪い」などの過去作は、そうした低予算の環境下で制作し、「金のせいにしてはいけない」と思ってきたというが、そうした活動についても「もうイイだろうと思う。。。最近。。。だめだ、活路を。。」と苦しい胸の内も明かします。

かくいう私も日本の低予算のせいにしてはいけないとは重々承知しながら、映画音楽、劇伴を「打ち込み」で対応していましたが、かなり高精度のソフトシンセで生音に近い弦とか使っても「シンセだね」といわれるし、生音にできないのか、といわれても生音を録る予算など取れるはずがありません。(それなら予算下さい、という話です) そもそも日本の低予算では音楽にきちんと予算を回すほどの余裕がありません。だからゴマカシゴマカシしながら音楽を作っていくしかないんですね。

そういう仕事の流れに私もかなりの限界を感じてきているのも事実です。

ネット時代に入り、「安く上げる」「コストを下げる」ということばかりが過剰なまでに美化され、いつのまにかクオリティを保つためのコストまでカットするような風潮になってはいないでしょうか。話はそれますが昨今の車の検査手抜き(といっていいだろう)でリコール騒ぎが続いているのもそうした風潮と無関係ではないのではないでしょうか。コスト、バジェットを上げる=現場の努力が足りない、などと現場も知らない輩が勝手に決めつけてはいないでしょうか。昨今の日本の風潮を見るとそういう雰囲気を感じるのです。

昨年世界アカデミー賞で作品賞を受賞した「ムーンライト」(バリージェンキンズ監督)はおそらくアメリカの映画では最低レベルの予算しかないでしょう。俳優もこれといった人気俳優は出演していません。
それでも音楽に新進気鋭のニコラスブリテルを起用し、「流動的で、重い低音のスコア」をサラウンドで作っていました、映画館で実際音を聞いたが見事なサウンドトラックのできでした。低予算の映画でも音楽には手を抜かないという姿勢を見ることができます。

ところが日本の映画ではそこまでの姿勢を見ることができないことが多いです。

実は今回録音担当の人と話したのは日本のそういう風潮で海外では「日本の映画は音質が悪い」というのが定評になっているという話になりました。とりわけ海外の映画祭では完全にそういう評価が定着し、映画の中の「音」に関わる私も今回の映画「別れ詠」の録音の担当の方も忸怩たる思いでいます。

とりわけポストプロダクションの作業は映像(カラコレを始め)も音も映画のクオリティを決めるのに重要なファクターであるにも関わらず日本ではなぜか軽視されがちです。撮影であるプリプロダクションの数倍の手間と時間がかかるにも関わらず、ですね。

とりわけ「自主映画」では日本と海外の差は歴然としており、私が見る所殆どの日本の自主映画はポストプロダクションの方まできちんと考えている例は少ないです。

これにはいくつかの原因があります。それは

1.日本社会は文化や「カタチのない」コンテンツにはお金を出さない風潮が強い

2.デジタル時代になって映像も音楽も「安くできる」(この場合限りなくタダに近いというニュアンス)という言葉が一人歩きしている

3.クリエイター、スタッフクルーに対する著しいリスペクトの欠如

現在映像制作は現在ものすごい勢いでグローバル化しています。、そして日本で撮影したり日本を舞台にした映画も増えています。いわば日本ブームに近いことが起きているので、これは日本の映画関係者にとってはものすごいチャンスといっていいです。

だが映画製作に対する姿勢が現在のままだと日本は完全に世界から取り残される可能性大です。折角の世界の映画界の日本ブームという利点を生かせないまま終わる危険性があります。

昨日は映画の音のサラウンド化の作業を行いましたが、「自主制作」に限りなく近い映画製作で

音声って必要なの? カメラのマイクだけじゃだめなの?
カメラって一台だけでできないの?

MAって何? 必要なの それ?

映画を作ろうとする人間がこんなことを平気でいう人がいます。、そんな姿勢でいられては映画のグローバル化の流れで日本の映画製作は沈没するしかありません。

取りあえず昨日完成した短編「別れ詠」

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世界から評価されるような作品であってほしいと音楽担当者としては切に願う次第。私の音楽の評価についてはもはや世界の映画関係者に委ねるしかないですが..

 


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1月 21, 2018 映画テレビ18- | | コメント (0)