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2016年11月 3日 (木)

なぜ音楽のグループなのに映画、アニメを始めとする映像制作者との関係を重視するのか?(長文注意!1)

先日の「映画交流会Vol.8」でFacebookグループ「音楽家&音楽及び関連業界キャステイング」の管理人が幹事をしていたことを不思議に思っている人も少なくないようだ。またこのFacebookグループになぜ映画、アニメのような映像関係者を音楽グループに積極的に入れているのか、理解できない人間も少なくないようである。勿論管理人が映画音楽や映像音楽という分野で仕事をしている、という点もあるが、何度もいうが実は映画、アニメを始めとする映像制作者関係者と密接な関係を構築しようとしている理由はそれだけではない。

ひとことでいえば私は21世紀は映像が主役の世紀だと捉えているからである。

なぜ私がそうとらえているか。それをこれからご説明させていただく。尚、かなりの長文になる、また音楽のプロモーションを含め少々専門的な話にもなるのでこの手の話が苦手な方はスルーされた方がいいだろう

1.ネット時代に入って著しく落ちてきた文章読解力ー実質文盲人間の急増

インターネットの黎明期にはネット時代に入り情報が増え、誰もが賢くなり知識も豊かになるなどとインターネットを推進している人たちの多くは考えていた。

Future of Internet IV

http://pewinternet.org/Reports/2010/Future-of-the-Internet-IV/Overview.aspx?r=1

だが実際はどうなったか? ネット推進者ITギーグは認めたくないかもしれないが、実は最近、注意書きを始めテキストで書いてあっても読まない人間が激増している。私が通うスポーツクラブでもシャワー室に「熱いお湯が出る場合がありますからお気をつけ下さい」と大きな文字で目の前に書いてあるにもかかわらず、「熱いお湯で火傷をした」と大騒ぎしたおばさんがいた

それだけではない。ニュースでも記事でも「見出し」(ヘッドライン)しか見ないで全て読んだ気になっている人、twittterの140文字すら満足に読まない(読めない)人が急増している。

私はこういう人たちを「実質文盲の人」と呼んでいる。そしてそういう人は今日本社会に激増しているのだ。うちのホームページでも注意書きやページに書いてある記述を読んでいるとはとても思えない人が多く見られる。テキスト、文字を読むことを極端に苦手としている人が多いようである。

だから家電の取り扱い説明書など読まずにこういうyou tubeの映像が出てくることになる

これらの動画の「取扱説明書」の方が購入者にはわかりやすく、間違った使い方も減るという。そのため従来の厚い取扱い説明書よりは取説の動画のurlを提示しているケースが増えている。メーカーからしてもコスト削減になるメリットもある(印刷は金がかかるww)

つまりインターネット時代に入り、情報過多の時代に入ったことで

文章読解力低下  映像、動画情報伝達の主力

という現象をみることができる

つまり動画、映像が情報伝達の主力になり、インターネット黎明期で主役だったテキスト情報に取って代わっていることがこのことで明らかではないだろうか?

さて、前置きが長くなったがそれを踏まえて今度は音楽のプロモーションがそういう時代にどう機能するかについて考えてみたい

2.映像という媒体なしには音楽が広がらない、という現実

残念ながらどんなに素晴らしい音楽を作曲、制作してもそれだけで音楽の情報が広がるということは現代のような情報過多の時代ではもはやありえない、と断言していい。

ライブハウス、やホールでのコンサートは興行としては重要だが、そのことによって音楽自体が広がることはない。音楽は空間芸術だがその空間はコンサート、ライブに行った人が享受するものであって、ライブ自体から拡散する唯一の方法はライブを撮影して動画として拡散するしか方法がない。つまり音楽を拡散するには動画、映像が不可欠なのである。

しかもシロウトが撮ったような映像ではダメだ。クオリティの低い映像,いかにもホームビデオや携帯とかで撮った映像はすぐにリスナーに飽きられてしまう。きちんとしたプロの作った映像でないと意味がないのである。

こんなことをいうとメジャーのレコード会社関係者はこういうだろう。そんなことはわかりきっている。我々は30年近く前から地上波テレビと放送局等との「タイアップ」によって音楽をプロモーションしてきたではないか? などとメジャー系の人から反論が来そうである。

しかし残念ながら現在音楽業界は以下の厳しい現実を突きつけられているのは事実ではないだろうか?

3.安易なタイアップではよいプロモーションにならない

最近のリスナーは大手レコード会社が考えている以上に賢い。テレビ番組、ドラマでも「明らかに番組のイメージに合わない、いかにもタイアップ」という音楽に関してかなり冷めた目で見ているのだ。

■貴方の知っているアニメの中で主題歌とアニメ中身と合っていない作品ありますか。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11103744361

タイアップ協賛金の数百万ー1千万はレコード関係者にとっては大金だが、ドラマ制作等の予算からすればはっきりいって「はした金」だ。そんな金額のために明らかに番組に合わない音楽を無料で提供されるくらいなら別にいらない、と現場関係者が考えてもおかしくはない。だいぶ前の「半澤直樹」の例だがこんな話がある

http://gendai.net/articles/view/geino/143990

演出の福澤克雄氏は、半沢直樹と同じ日曜劇場「華麗なる一族」(07年)でも、服部氏の音楽を使っていた。確かに、チャラチャラした主題歌、挿入歌がないほうが、重厚感もテンポも出る。芸能評論家の肥留間正明氏が言う。

これまでのドラマは、レコード会社とタイアップするなど、主演俳優の曲を主題歌にしたものが多かった。しかし、半沢直樹はそうした制作サイドの都合ではな く、視聴者のためのドラマ作りにこだわっている。それが功を奏したのだと思います。主題歌がないことで、一見地味ながら実力派俳優たちの演技をしっかりと 見られるし、引き込まれていく。裏のない『正統派ドラマ』だからこそ受けているのです」

タイアップだから無条件に売れるなんていう時代などとっくに終わっている。

にもかかわらず、メジャーレコード会社の関係者は「他に方法がない」という理由でまだこの方法に固執する。

今のメジャーレコード会社がやっているのは例えが悪いが、女の子のナンパを下心丸出しで行い、ファッションもどこかのメンズ雑誌に書いてあるコーデイネートを「流行っている」という理由でパクったスタイルでアタックしてバカにされているようなことをやり続けている。悲劇的なのは自分たちがバカにされているという事実にすら気が付いていないという現実だ。

見え透いたタイアップはもはや音楽のプロモーションにならないどころかかえって逆効果になってしまう

4.制作現場と密着した映画ドラマ音楽制作とテーマソング制作

そのため安易に金を出してドラマや映画に合わない音楽を提供されるよりは、映画ドラマのポストプロダクションの段階でより音楽が効果的に使われ、制作されることの方が多くの映像制作の監督演出家は重要だと考えている。そのためには映画、ドラマ、アニメを始めとするいわゆる「劇伴音楽」制作の段階から映像制作関係者と密接に制作進行を行わなければこの作業はできない。そのためには映画監督、演出家等との信頼関係も構築が絶対に必要である。
 しかもその作業を行うにはノウハウが必要である。誰にでもできる作業ではない。映像制作のプロセスについてもある程度の知識が必要である。私自身が映画、劇伴音楽を制作していることもあるが、こういった分野の作曲家の仕事が今後はより重要になっていく

一方、映画音楽関係者でなくても。アーチストのPVやライブの動画でクオリティの高いものを撮ろうとと思ったら、シロウトのホームビデオのようなものではなく、きちんとしたプロの人間によって制作された動画、映像の方がよりファンに強いアピールになるはずだ。その意味でも今音楽関係者が映像制作関係者と密接な関係を持つことは大いに重要なはずである。つまり映像と音楽は21世紀に入って切っても切れない関係になっていっているといっても過言ではない。

しかし私が音楽が映像制作に密接な関係を持つ必要があると考える理由はそれだけではない。

5.グローバル化する映像コンテンツー変革期に入った日本のエンタテインメント産業

映画にある程度詳しい人間なら今日本の映画の世界に大変革期が訪れようとしていることに気づいているだろう。
つまりこういうことである。

■真田広之から松下奈緒まで海外ドラマで活躍する日本人俳優・女優たち
http://matome.naver.jp/odai/2142756501303533301

■これからどんどん日本人俳優の海外進出が熱くなっていきそう!
http://matome.naver.jp/odai/2147805662288454301

■世界を股に大活躍!ハリウッドで活躍する日本人俳優たち
https://cinemagene.com/post-9889/

ちょっと前の日本の芸能界で日本の俳優、女優が「ハリウッド映画に出たい」などと云おうものなら罵声と嘲笑が帰ってきただろう。だが今そんなことを云う人間など誰もいない。

そして云うまでもなく日本政府の「クールジャパン」の政策の元、アニメやゲームは世界に日本のコンテンツを売り込むというかけ声の元、既にグローバル化が大きく進んでいる。

シンゴジラがアメリカ国内での劇場公開を始め世界100か国を超す国で劇場公開されるだけでなく、日本のインデペンデントな映画でも海外での公開される例が増えている。低予算のインディペンデント映画ながら昨年「第28回東京国際映画祭」日本映画スプラッシュ部門でも上映された内田英治監督の「下衆の愛」などは海外で高く評価され、海外の劇場での配給も決定している

このように映画制作に関しては国境のないボーダーレス社会、グローバル化がどんどん進行している。日本の芸能マスコミが大きく扱っていないだけでもうかなり日本の俳優が当たり前のように外国映画に出ている時代が始まっているといって差し支えない。はっきりいって社会の一面にこういう情報が扱われる段階になってから動き始めても手遅れだ。

もはや日本の市場だけ見ていればいい、などという時代は正直終わったといっていい

6.音楽だけが取り残されているという現実

その中で誠に残念な話だが

急速に進行するグローバル化、ボーダーレス化の流れの中で音楽だけが取り残されている、という現実がある

これは勿論「日本語」という言葉の壁もある。これは両方の意味があって日本語が日本という国でしか使えないという現実、そして日本人自身が外国語を覚えることを極端に苦手としている人が多い、という二重の障害がある。だがその障害自身は映画やアニメの世界でも同様にある。

何よりも問題なのは日本のミュージシャンや業界関係者の多数が日本国内しか見ておらず、この急速に進行する映像の世界のグローバル化、ボーダーレス化に対して無関心な音楽関係者が多い、という現実もある。

しかしこのままではアニメや映画の文化が復活しても音楽は停滞のどん底に永久にさまよい続けることになろう。もはや業界というのもおこがましいくらい産業として機能していない音楽の世界

その流れを変え、なおかつ音楽がグローバル化、ボーダーレス化の流れに取り残されない唯一の方法はこれしかない

それはグローバル化する映像コンテンツの世界に世界に通用する音楽コンテンツを制作段階から映像制作現場の中に取り込んでいくしかない、 という点だ。言うまでもないが従来の地上波TVの「タイアップ」の発想ではダメだ。

それには映像制作関係者と音楽関係者が制作現場で近い関係を構築するしかないのである。私の管理するFacebookグループが音楽だけでなく映画、アニメのグループのような投稿があるのもそのためである。そして両者の関係はこれから今まで以上に密接にしていく必要が絶対にあるという点だ。これは音楽制作が産業として、そして音楽文化自体が生き残るために必要と考えているがゆえに私が行っていることである。

ということがおわかりいただけるであろうか?

今年の年末にそれを一層推進しようという意図で大交流会を開きます。

音楽&映像ー年末大忘年会兼大交流会です。

Sajiki_s

日時12月12日(月)   18時半 Open 19時 Start

場所:晴れたら空に豆巻いて (代官山) 
http://mameromantic.com/

参加費:3500円(ドリンク付 フードオーダー1品推奨) (当日は4000円)

ライブショーケース 10分5ステージ
・ピエトロニカ
・中山智美(sop)+他
・塩崎 容正(gtr)
・清水友美(Pf)
・小山真実(シンガーソングライター)

映画(アニメ)プレゼンコーナー
尚、現在映像のプレゼンを募集しております
お一人10分 2分以上の映像(予告編等)を持参

その他お知らせタイム

ご希望の方はこちら

Facebookグループに参加されている方
https://www.facebook.com/events/189936748085416/

それ以外の方
http://www.hybridmusic.jp/Inquiry.htm

チケットのお求めはこちら
https://peatix.com/sales/event/199378/tickets

1、映画。 2.アニメ  3.音楽

の間の交流をより活発にできる機会を強化し、そのことが音楽の世界を活性化することに役立てれば幸いである。

長文にもかかわらず最後までお読みいただきありがとうございました。

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