さて、海の向こうの大統領候補、共和党はマケイン氏に決まったが民主党はヒラリークリントンかオバマかどちらも全く譲らない状況だ。もともとこのオバマ氏二年前までほぼ無名に近い存在だったが、ここまで知名度が出てきたのは実はインターネットやブログによる「草の根」による運動が広がったことは良く知られている。
オバマ氏の武器はネット草の根から運動資金募る、スローガンに「祝祭はここから始まる」
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200804180501135
個人的にはオバマに関してはまだ最終的な評価は下していないが、はっきりいえるのは
1.演説がうまくて、内容がわかりやすい
2.カリスマ性はある
3.ボランテイアによる強力な支持組織がある。
ということができるが、正直やや薄気味悪さを感じないといえば嘘になる。ちなみに歴史上の人物で同じ条件で短期間に権力のトップの座に上り詰めた男がいる。その男の名は
アドルフヒトラー、
熱狂的な支持の受ける指導者にはいつもそうなってしまう可能性を感じなくてはならない。
とはいえ、ここで政治の話をするつもりはない、とはいえ政治家もアーチストも「人気」がバロメーターになるのは事実で、実は同じ「草の根」の方法で現在海外ツアーを行うまでに絶大な人気を得ているバンドがカナダに存在する。
mixiのマイミク(MyspaceのFriendに相当)の方に教えてもらったのだがカナダはモントリオールを拠点として活動しているバンド "your favorite enemies"という。このバンドのプロモーション方法として注目されるのは彼らは専属のスタッフ(ボランテイア)が20名以上いて、 "your favorite enemies"のメンバー含め、全員がmysapaceでバンドをpromoteしており、そこでプロモートスタッフとバンドのファンが友達になってファン 全員に違うコメントと付け、個人的関係性をあくまで保ち続けている という方法。このpromote作戦で、fan baseを築くという、オバマを大統領の有力候補にした全く同じメソードを使用していることである。
英語だが、彼らのプロモーションに関してのインタビューがyou tubeに掲載されている。
http://www.youtube.com/watch?v=-QXScNIAEDk
また、ビルボード誌のこちらの記事も紹介しよう
http://www.billboard.biz/bbbiz/content_display/industry/e3i0055cabe5256398adeed682cfbd70432
最近、欧米では新人に関してこうしたプロモーション方法が増えているようだが、Myspaceというブログを通じて、人間性を打ち出しそれに共感する人を集めるということで、この"your favorite enemies のヴォーカル、Alex Fosterはアムネスティーインターナショナルのオフィシャルスポークスマンをしたり等、自分の主張を前面に打ち出してその人間性に共感を得た人が集まっているという図式のようである。
欧米のアーチストはこういうネットを中心とした「ロングテールから尻尾の付け根まで」のプロモーション方法が増えており、今後も増加するだろうといわれている。実は私自身も奥津恵のプロモーション方法はまさにこういうことを目標に考えていたのである。
だが、しかし
IT業者の連中がよくいう「アメリカでうまくいってるんだから」という類のものは多くの場合日本ではうまくいかないことを私はいくつもの例で経験してきた。確かに欧米でこういう例が増えているのは確かだが、このメソードをそのまま日本国内で応用してうまくいくか、というと疑問符がつく。
まず、こういうアーチストの場合、多くは「人権」「政治」「環境」といった問題からとっかかりをつけて人の支持が集まっているというパターンが多いが、日本では「重い話」「硬い話」というのは非常に敬遠されがちで「社会派」というのが日本ではなかなか受け入れられない土壌がある。
また日本人は情報に対して「受身的」な習慣がしみついていて、それは検索エンジンの使い方に欧米人と顕著な違いがあることからもわかる。欧米人は「自分が捜している情報」が見つかるまで捜すが、日本人は「すぐに」みつからないとすぐにあきらめてしまう。(アメリカでは情報をたくさん選べるサイトがよいサイトとされるが、日本では情報を「すぐに与えてくれる」サイトがよいとされている。)
カナダやアメリカなどは地上波のテレビの影響力はネットに凌駕されつつあるが、日本はいまだ地上波テレビの「一人勝ち」状態が続いている。メデイアリテラシーもおそらく先進国で最低のレベルといってよい。
またアメリカ人は議論好きだが、日本人は議論を避ける傾向がある。これは日米の会議の仕方を見れば一目瞭然で、アメリカの会社の会議では出席者が積極的に発言するが、日本の会議では上司以外は殆ど誰も発言しないことが多い。発言すると責任を負わされるからだれも前へ出ず、単なる連絡会にしかなっていない、非常に非生産的な会議になっていることが多い。 議論をケンカであるかのように勘違いする人間すらいる始末。
今私は日本人としてとても危惧しているが、国全体が年齢を問わず 「思考停止」の方向に向かっていることを感じる。ちょっとでも面倒くさいことは やらない、ちょっとでも「考える」ことは避ける、という体質が非常に それも年々強くなっているように思う。
勿論、そうでなくそういったことに対して声を揚げる貴重な人たちもいるが全体的に 残念ながら少数派であるといえよう。
そのため日本でこれと同じメソードをやろうとするともう少し別の切り口からやらざるを得ないということだろう。それは具体的にどういうものか、それはやってみないとわからない。しかし誰かがこのメソードをうまく応用することによって、アーチストのインキュベーションを行わないと本当の意味での「情報革命時代」に日本という国は取り残されてしまうだろう。これはハードやブロードバンドの普及率云々といった議論とは全く別の次元の話である。
情報に対するリテラシー、情報の伝達メソードに関するノウハウである。それが編み出されないと情報化」といってもかけ声だけでもし「情報革命」というものが本当に起こるとしたら日本人だけ世界から取り残されてしまうだろう。
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