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2013年11月13日 (水)

ドワンゴ川上氏インタビューに見る昨今のコンテンツ、情報、文化の諸問題

いつものことですが本日も長文になります。

IT関係の企業家というと「無条件でネット礼賛」「ITが既存のインフラを凌駕する」とか「ITはすべての人を幸せにする」などといった妄想に近い言動をしがちである。(そしてネットの「信者」がそれに拍手喝采を浴びせる、という図式) しかし先日ビジネスジャーナルに記載されたドワンゴの川上会長のインタビューを読むとはやはり川上氏はきちんと世の中を見ていて寧ろネットの論調や現状に警鐘も鳴らしている。そのインタビューは現代のネット事情ならびにそれにからむコンテンツの点もはじめ現代のさまざまな問題を網羅しているのでこの記事で私の見解を述べさせていただく

尚、このインタビューは川上氏の新著 ルールを変える思考法 (角川EPUB選書)にからんで行われていたものである

■ドワンゴ川上会長に聞く、ニコ動成功の理由と、社会を不幸にするネット世論のおかしな構造
http://biz-journal.jp/2013/11/post_3303.html

重要な箇所を引用して私の見解を述べさせていただく

川上 従来、口コミというのは、発言した人の声が聞こえる範囲に存在する特定の人にしか届きませんでした。ところが、ITの進化に よって、電子メール、LINE、もしくはFacebookのような、いわゆるソーシャルメディアを介して、声が聞こえる範囲に存在しない人にも、口コミが 伝搬するようになりました。一方で、マスメディアというのは1対N、つまり発言者の声を不特定多数の人に届けるものです。ソーシャルメディアは声の大きな 口コミですが、マスメディアとは本質的に違うものです。

 しかし、ソーシャルメディアについて語る時に、「これからはソーシャルメディアの時代だ」というように、「ソーシャルメディアが従来のマスメディアを代替するもの」という文脈で話をする人が多いのですが、それは間違いだと思います。

聞き手--「ネット上の口コミは、マスメディアとは違い、人々が伝えたいから伝わるのでウソがない」という考え方には危険があるともおっしゃっていますね。

川上 まず、口コミのほうがウソは確実に多いと思いますが、それはおいといて、僕が言っているのはプロモーションの手段として口コミを利用することは、そんなに簡単じゃないということです。今のネット上の口コミは、「口コミをしてくれたらお金を払います」というかたちで行われているケースもあり、それはステマ(ステルスマーケティング)として批判されているやり方ですよね。つまり、お金を払って情報を伝搬させるというやり方です。

そうした口コミで広がるものは、美容品や健康器具のように単価が高くて利幅の大きいものです。その利幅を流通する人に分配することで売る、というのがネットワークビジネスで、普通の商品はそういうことをやりません。例えば、任天堂の商品をネットワークビジネスで売りますか? という話ですよ。つまり、ネットを介して口コミを行うようになったからといって、ソーシャルメディアにそういう売り方が成立することはないと思います。少なくとも、プロモーションの方法として、マスメディアがソーシャルメディアに取って代わられるという考え方には誤解があると思っています。

これは全くそのとおり、ネットの中のIT系記事はもとよりビジネス書でも「ソーシャルマーケテイングが社会に革命をもたらす」とか「ネットがそのうちマスメデイアを凌駕する」などといった文言が本当にうざったいほど見られるがいずれもはっきりいって間違いである。特にネットとマスメデイアはそもそもメデイアの本質が全く異なるため本来なら同じテーブルで論じることすらおかしい、だいたいそういうことを主張すること自体ネットというメデイアの本質を理解していない証拠だ、

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2013年10月26日 (土)

テレビとネットの情報ー要はバランス、どちらに偏ってもいけない

最近新サイトを立ち上げたりしていると同時に実は現在、またその関連でテレビ番組の企画も考えているがそんな折、こんな記事を見つけた。

■なぜ、若者の間でノー“テレビ”ライフが広がるのか?テレビを捨てた人たちの本音http://biz-journal.jp/2013/05/post_2044.html

本当はなくても済む。むしろ、ないほうがよい。人によっては「テレビ」とはそんな存在だ。ノーテレビライフを始めた20〜30代の人たちが異口同音に語るのは、生活の質の向上だった。

 テレビをまったく視ないという人は微増している。NHK放送文化研究所が実施した「国民生活時間調査」では、平日のテレビ視聴時間が2010年までの5年ごとの調査で、

 ・1995年:8%
 ・2000年:9%
 ・05年:10%
 ・10年:11%

と推移している。

 

「ニコニコ動画」を運営するニワンゴが10年に実施した調査では、平日にテレビを視る時間を問う質問で最も多かった回答が「まったく視ていない」で 20.9%だった。年代別では20代の24.3%、30代の22.7%の順に多く、若い世代にノーテレビライフが増えている傾向も垣間みられる。

 

 今回、取材に応じたノーテレビライフ実践者3名は、ともにもともとテレビを積極的に視るほうではなかったという。そして、転居、一人暮らし開始、地デジ化といった「テレビを改めて自分の部屋に置くか?」の選択を迫られる場面でノーテレビを選んだ。

 

 自分で選んだノーテレビライフだから当然といえば当然だが、彼らはテレビとの決別の後悔を感じさせない。「無駄に過ごす時間がなくなった」(Nさ ん、30代、男性)や「生活の質は向上した。読書、執筆、語学、家事などに費やす時間が増えた」(Cさん、20代、女性)。唯一、大地震など災害時にテレ ビの必要性を感じるようだが、「ツイッターで状況はいち早くわかる」(Mさん、30代、女性)と話す人もいる。

これが今の社会全体の傾向だとは思わないが、あえてこの傾向に対して苦言を呈させていただく

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2013年3月 6日 (水)

「聴き放題」だけでは音楽ストリーミングサービスは成功しない

私自身もPandora RadioSpotifyを使い始めて早いもので一か月以上経った。

使ってみて確かに感じるのは、従来のパッケージとは違う「サブスクリブション」サービスというビジネスモデルは確かに音楽産業復活の起爆剤になる可能性があると思う。ユーザーにとっても端的に、すごく便利だし、ここに未来の音楽のありかたへのヒントがあると思っている。

そんなこともあってか日本でも続々とサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスが開始される

NTTぷららの「ひかりTVミュージック」やJ-POPを中心とした100万曲をスマホ上で聴き放題というレコチョクによるサービス「レコチョク Best」2012年夏にサービスを開始していたKDDIの「LISMO unlimited」やソニーの「Music Unlimited」も開始し、すでに激しい競争が始まっている。

それにSpotifyも予定通りいけば今年の秋頃、サービスを開始するようだし、Pandora Radioもまだメドはたっていないもののサービスを日本で開始するのは時間の問題だろう。

ただ私自身Pandora RadioSpotifyを使っていて日本のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスのサービスの打ち出し方を見て正直どうも違和感を感じるのだ。というか各サービスの打ち出し方を見て何か違う、という印象は否めない。

そうしているうちに面白い記事をみつけた。

■聴き放題」だけでは音楽ストリーミングサービスが成功しない理由
~「着うた」市場壊滅の本当の理由から、次世代音楽配信サービスの「成功モデル」を探る~
http://www.drillspin.com/articles/view/571

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2013年3月 5日 (火)

違法ダウンロード刑罰化でも音楽配信もCDも売り上げが回復しない理由

3月に入ってそれほど大きな案件もなく久々にのんびりしています。年度末ということもありあまりよくないことなんですが(笑)

まあヒマになればブログ記事も増える(笑)、ということで前々から気になっていた案件に関して私の所感を書きます。

■[データ]「違法ダウンロード刑罰化の効果」 ファイル共有ユーザーが大幅減、しかし音楽配信売り上げ回復せず
http://bizmash.jp/articles/41101.html

結論からいってこの状況は予想通りですね。

勿論違法ダウンロードが音楽業界の低迷の原因では全くないとはいいませんが、もう十数年以上もCDだけでなく配信の売り上げも前年を下回るのはもっと根本的な要因がある、ということは私自身何度もこのブログで書いてきました。誰も聞く耳はもってませんでしたが...

最大の問題はとりわけ若者を中心とする深刻なほどの「音楽離れ」というのが原因です。

そしてその「音楽離れ」を引き起こしたのが誰あろう音楽業界そのものである、という点です。その原因はこのブログでも何回も書いているので改めていうまでもないでしょう。

タイアップを始めラジオ局で当たり前になっている「編成買い」、音楽ライターを金で雇い「しらじらしいコメント」を書かせたり、ランキングまで金で買ったり etc  etc  そういったことを繰り返すことにより、ユーザーの不信感を買ったため消費者からそっぽを向かれたというのが真相でしょう。ユーザーはメーカーが考えるほどバカではありません。その辺りの茶番劇はもうみんな気が付いています。そのことがわかっていないのは音楽産業のトップだけ。

別に昔がよかった論をぶちあげるつもりはありませんが、昔のレコードショップや「編成買い」が日常化されていないころのFMラジオは、そこで新たな音楽を発見できる喜びというものがありました。DJやパーソナリテイ―が自分の「おすすめ」の曲をOAしそれでリスナーも自分の新たな音楽を発見し、自分の好みの音楽に傾倒していく。それが当たり前の時代がありました。

しかしFM局の「編成買い」が当たり前になった現在、「知らないアーチストで自分の好みに合いそうな曲」を発見するのは残念ながらほぼ不可能となったといっていいでしょう。自分で新たな音楽体験を発見する喜び、というものは現代の若者は殆ど経験していない、いや経験する機会を奪われた、といっても過言ではありません。

だからそもそもみんな音楽を聴かなくなりました。音楽パッケージにしろDLにしろ【音楽を聴かなくなったこと】が最大の原因と断定していいと思います。

私がミュージックソムリエ協会が「音楽のソムリエ」を育てることにおおいに共感し、Pandora RadioSpotifyに大きな期待をよせるのは、「新たな音楽を発見し体験する喜び」をユーザーに取り戻すことができる可能性を感じたからです。

CDじゃなければ音楽配信だ、そんな話は実に表面的な話です。本質はみんな【音楽を聴かなくなった】のが音楽業界が低迷している最大の原因だと思います。

しかし業界のトップの連中はいまだこれに対して聞く耳を持っていません。彼らこそ「音楽離れ」の状況を作ったA級戦犯たちです。

だから「不法ダウンロード刑罰化」を行っても音楽業界が上向かない。極めて当然の結果だと思います。

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2013年2月10日 (日)

"Pandora Radio" を日本で聴く方法(アドオン使って)

先ほどの記事音楽ストリームングサービスSpotify 体験記 について述べましたが、Spotifyと同じくらい音楽産業の復活の大きな手助けになりうるインターネットラジオのPandora RadioSpotifyと違いまだ日本国内でのサービス開始のメドが残念ながらたっていません。

しかし一日も早くこのPandora Radio の日本でのサービスを推進させるためにはまずできるだけ多くの音楽愛好家、リスナーの皆さんにPandora Radio とはどういうものかを理解していただく必要があると考えます。

特に若い世代の「音楽離れ」を食い止めるためにもこのPandora Radio の日本国内サービス開始は絶対に必要なものと考えます。そのためにも是非皆さん以下の方法で是非Pandora Radio を聴いていただき、皆さんの声で腰の重い日本レコード協会のメーカーの尻をたたいていただきたいと思います。とにかくこのサービスの良さを理解していながらまだ二の足を踏んでいるというか、どうしても新しいことをすることに極めて消極的な日本の音楽業界を皆さんの声で変えていただければと思います・

引用先は以下のサイト
■音楽聴き放題の『Pandora』が日本でもアドオンで利用可能に
http://d.hatena.ne.jp/RyoAnna/20121108/1352301661

Sony Musicの楽曲がiTunes Storeで購入できるようになり、ネットの音楽サービスが変化の兆しを見せる中、日本でもブラウザのアドオンを使ってPandoraが利用できるようになった。Pandoraは2005年に登場した米国のインターネットラジオで、日本では2007年にアクセスが制限され利用できなくなった。Pandora最大の特徴は、自分好みの曲を自動で選んでくれるところ。「Music Genome Project」というアルゴリズムにより、聴きたい曲を次々と再生してくれる。 <中略>

対応しているブラウザはGoogle ChromeとFireFox。利用方法は簡単で、最初にMedia Hintというサイトにアクセスして「START USING」をクリックする。するとプロキシ用の拡張機能がインストールされ、Pandoraにアクセスできるようになる。

Media Hint

https://mediahint.com/

Pandoraを体験していない方、是非これでPandoraを聴いて下さい。決して損にはならないと思います。

Spotifyを聴きたい方はこちらのソフトをダウンロードしてみてください。但し無料ですと使用制限があります。

http://kenz0.s201.xrea.com/weblog/2011/07/tunnelbear_usukvpn.html

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音楽ストリームングサービスSpotify 体験記

先日の記事新しいインターネットラジオ"Pandora Radio" 体験記 ではアメリカを中心に人気のPandora Radio について書きましたが今日はヨーロッパが発祥のもう1つの注目すべき音楽サービスSpotifyについて書こうと思います。

Spotify1

残念ながら本日現在では日本ではPandora RadioSpotifyもサービスを通常の方法では利用することはできません。今回は先日同様特殊な方法を用いてアカウントを取り、実際にどういうものか体験してみました。

尚、この方法については現在調べる限りでは特に違法性は認められませんが、いずれ使えなくなるサービスである可能性もあるのでここでは触れないでおきます。

Pandora RadioSpotifyの違いは前者が新しい形のインターネットラジオであるのに対し、Spotifyの方はストリーミングサービス、つまりサイトで音楽を聴くことができるサービスです。

アカウントを取ったあと上図のような画面が表示されます。Spotifyで聴くことができます。

実は弊社の曲もCDbaby経由ですがSpotifyで聴くことができます。

Spotify2

Spotify3

SpotifyにはPandora Radio とは違ったさまざまな特徴があります  

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2013年1月28日 (月)

新しいインターネットラジオ"Pandora Radio" 体験記

さて、先日の当ブログ拙記事 

ミュージックソムリエ協会主催「音楽ファンの未来、音楽放送の未来~音楽の新しい楽しみ方~にて紹介したアメリカを中心に人気のPandora Radio    http://www.pandora.com/

残念ながらまだ日本国内でまだ聴くことができませんが、先日あるツールを使えば聴くことができることを教えてもらい、そのツールを使って聴くことができました。この方法をここで公開していいのか、当方では何ともわかりませんがとにかく論より証拠、実際に聴いて体験してみないとこれに関して論じることができませんので実際にそれで入ってみました。悲願のアカウントもようやく取ることができ、私の音楽をとりあえず通るかどうかはともかくSubmissionをしておきました。

日本でを聴く方法については検索エンジンでPandora Radio 聴く方法」と検索してみてください

とにもかくにもPandora Radioにようやく入ることができました。

Pandora2

当ブログ拙記事でも書きましたがPandora はひとことでいえばインターネットラジオです。しかしただのインターネットラジオではありません。
では普通のインターネットラジオとどう違うのか、それをこれから説明いたしましょう。

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2012年12月29日 (土)

ネットのビジネスモデルやプロモーションの「神話」の崩壊

恐ろしく超多忙な毎日もようやく今日解決がついた。忙しいとブログどころかつぶやく暇すらない。でもようやく仕事納めをすることができた。

そんな中、当ブログでもよく共有タグをはっていたが、ワーナーミュージックがyou tubeとの提携を解消、同サイト内のすべてのコンテンツを削除する旨を発表。

■ワーナーミュージックがYouTubeと提携解消、数十万件の動画を削除へ
http://bit.ly/W6QZQn

エリック・クラプトンやヴァン・ヘイレン、マドンナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ロッド・スチュワートなどが所属し、日本ではコブクロや竹内まりやなどが所属しているワーナーミュージックがYouTubeとの提携を解消したことが明らかになりました。
 
これによりYouTubeにアップロードされていた数十万件の動画の削除が行われるとのこと。また、ほかのレコード会社も同様の動きを見せる可能性があるようです。

の記事によると、ワーナーミュージックグループはYouTubeに対して、自社のアーティストの動画数十万件を削除するように要請したそうです。

これはワーナーミュージックとYouTubeの間で、アーティストの動画が再生されるごとにYouTubeから広告収入の分配を受けるという契約が交わさ れていたにもかかわらず、ワーナーミュージックがYouTubeから受け取る収益が考えられないほど低かったため、YouTubeから手を引くことになっ たとのこと。

なお、YouTubeの幹部は「今年一年、広告収入を増やすことに非常に努力した」と述べていますが、今後ワーナーミュージックだけでなく、 YouTubeが提携しているユニバーサルミュージックやソニーミュージックエンタテイメント、EMIミュージックといったレコード会社も、同様に YouTubeに対して高額の収益を要求してくるであろうとしています。

また、以下の記事によるとYouTubeはテコ入れを行った結果、広告収入を前年比80%アップさせることに成功したそうです。それでも交渉が決裂するということは、もともとの広告収入がよほど低かったということなのでしょうか…。

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2012年11月 8日 (木)

Sony Music楽曲がiTunes Storeで配信開始!! iTunesのシェアにどう影響する?

日付変わって昨日になるがこのニュースのリンクになぜか当ブログの以下の記事がリンクされていた関係で莫大なアクセスがあったが、私自身は2本の教育映画のポストプロ(MA作業)のため、今ようやく記事を書くことができる状態である。

音楽配信に関するイメージの事実誤認ーi-tunesのシェアはわずか一割

大元の記事はこれ

Sony Music楽曲がiTunes Storeで配信開始
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121107-00000001-natalien-musi

まず当ブログの以下の記事でi^tunesのシェアが一割に満たない原因の1つとして数多くの有力アーチストがいるソニーミュージックのI tunesへの配信拒否という背景もある。理由は過去のいきさつでソニーと故Sジョブス氏が主にメデイアや記録媒体に対する方針に関して激しく対立をしてきた、という背景もあるがやはりもっとも大きな背景としてSonyのWalkmanに絡みの戦略にそれにからむSonyの音楽配信サイトmoraを運営している、という背景もあるだろう。

ソニーミュージックは日本以外での国ではi Tune配信をしているものの、国内に関して頑なに拒否してきたのもこのmoraが関係している面は否定できない。

わからないのはなぜあれほど頑なに拒否していたソニーミュージックが今になってi Tune配信を解禁したのか、だが先日のソニーの光記録デイスクの製造禁止に関する一連の動きも関係しているのかもしれない。

配信の中心価格帯は1曲250円、アルバムは2000円となっているという。これが日本国内のi Tuneの全体のシェアにどのような影響を及ぼすか、今後の動きは見ておくべきだろう。

しかし忘れてはならないのは当ブログの記事にも書いてあるように日本での音楽配信は着うたが8割を占める、という事実である。ソニーミュージック参加がそのまま日本の音楽配信のシェア拡大図に影響を及ぼすか、どうか判断するのはまだ早計だと思う。

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2012年10月30日 (火)

iphoneで音楽のゲーム「音ゲー」

このブログでも音楽文化をこの情報化社会で新たにコンテンツビジネスとして構築するには全く新しい音楽コンテンツのありかたを追求する必要がある、と書いてきました。

しかし私の友人が立ち上げている「音塾」がその動きを先取りするコンテンツを発表し近日リリースすることになりましたのでお知らせしておきましょう。

■世界初!! 「音ゲー」リリース間近!!

http://otojuku.co.jp/oto_game/index.html

リズム感を鍛えたい方!
ストレスを解消した方!
音楽を愛する全ての方!

そんなあなたにピッタリのゲームです!!

ひとことでいってこれは「音で遊ぶ」 ゲームというアプリで音で遊び、音楽にふれる、楽器の演奏能力や音楽の専門知識が全くなくても、自分がミュージシャンになったように自分で音楽をインタラクテイブに楽しむことができます。

リリース日はまだ発表されていませんがiphoneのアプリ、どのような効果があるか楽しみです。

これがこれからの音楽コンテンツにとってどれだけ意味のあるものか、理解できない人もいるかもしれませんが、 私はこれは音楽文化にとって革命に近いと思います。

実は私も似たようなことを考えていましたんですが、正直先を越された感があります。

このゲームは音楽のありかたを根本的に変える可能性を持っています。 時代が私の予想よりも早く動き始めているかもしれません。私もうかうかとはしていられなくなりました。やはり基本的に未来のコンテンツを考えている人は同じような方向を見ていますね。業務多忙を理由にしていられません。

私も現在頭の中に温めている「新しい音楽コンテンツ」のありかたを示す新たな音楽を形に表すための作業を本格化したいと思います。

取りあえず「音塾」の渡辺さん。一刻も早くリリースが行われ成功されることを心からお祈り申し上げます

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2012年10月18日 (木)

スマホで自由に音楽を試聴できるCoverARt Playerの可能性

現在業務多忙の真っ最中ですが、気になる記事がありますので...

今では大手レコード店によくある試聴スペース、 実はこれを導入するときにレコード会社の多くは猛反対していました。 なぜか昔からそうなんですが日本のレコード会社はユーザーが購入前にレコード、CD試聴が自由にできることを極端に嫌がる傾向があります。最近でこそ以前ほどではなくなりましたが、それでもその傾向が完全になくなったとは言い難いですね。特にネット環境を通しては今でも抵抗感が根強いですね。。(音楽業界、音楽事務所の中には「ネット恐怖症」といっていいくらい「ネットに音楽を露出させることに神経過敏なほど慎重なところがいまだに少なくありません

ですがタイアップ獲得に多額の宣伝費を使う以前にもっと音楽を自由にユーザーに選ばせ、「いい音楽」をユーザー自ら選んだり、「よい音楽を進めてくれる音楽のソムリエ」のような人たちにアドバイスを受けるということの方が音楽文化の発展にとってよほどいいことではないか、と考えます。

そんな中音楽の従来のインフラに大きく影響を与える(かもしれない)スマートフォンのアプリケーションが開発されました。

■ARを利用したショップ向けCD試聴アプリがリリース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121018-00000004-lisn-musi

CDショップでスマートフォンやAndroid端末などを使用して試聴できるアプリ【CoverARt Player】がミライアプリ株式会社より発表された。

このアプリ(無料)は、AR(拡張現実)を利用しアルバム・ジャケットをかざすとその場で試聴できるというもので、これまで試聴スペースの限られたエリアで選ばれた作品のみしかできなかったCD試聴を、店内のあらゆる場所で体験できるというもの。

ショップも【CoverARt Player】の導入により、CD試聴機のハード配給面メンテナンスに於いてコスト負担がなくなるというメリットがある他、店舗ごとの付加価値を付けた来 店ポイントシステムなどのオプションやSNS機能などを通じて、利用客と店舗のコミュニティー強化を行うことが出来る機能なども兼ね揃えているという。

現在のところAndroid携帯に対応しているが今後iPhoneアプリへの対応も予定しているという。なお10月24日には【CoverARt Playerr】の説明会が東京都港区の神明いきいきプラザで実施される。

【CoverARt Player説明会】

日時:2012年10月24日(水曜日)15時-17時
場所:神明いきいきプラザ 4F 集会室A
*ご来場いただける場合には下記問い合わせ先(webcontact@musicsommelier.jp)まで団体名or会社名、人数、お名前、ご連絡先をお知らせ下さい。(ご予約なしでも入場出来ます)

<Cover Art Player概要>
現行:スマートフォンアンドロイド携帯に対応⇒今後:iPhoneアプリへの対応(申請中)
アプリ:無料ダウンロード形式、

オプション機能:来店ポイント、SNS機能、DVDや雑誌、様々な商品PRにも最適な宣伝ツール提案。
<協力>ジャパンミュージックデータ株式会社・エルビラホールディングス株式会社

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2012年8月14日 (火)

Google ハングアウト 高音質ストリーミングの必要性の提唱

■ミュージシャンに朗報―Google+ハングアウトに追加されたStudio Modeで高音質のライブ・ストリーミングが可能に
http://jp.techcrunch.com/archives/20120813google-hangouts-studio-mode/

正直Googleのハングアウトのサービス自体使っていないのですが,、普段私たちがいかに日常的に「ひどい音」で音楽を聴いているかが下の映像ではっきりわかると思います。PCのスピーカーよりヘッドフォンだとよりはっきりわかります。

これだけデジタル時代といわれておきながら日常的にひどい音で聴かされている現状を考えますと、この音再生環境で音楽を心から好きになれ、といってもやはり無理があるかな、という気がします。実際音楽を聴く環境は20年前と比べて明らかに著しく悪劣化しています。音楽に対する考え方を改めるにはまずはこの動きを何とか止めることでしょう。
よい音楽をよい環境で聴くことがいかに素晴らしいことか、ということを我々音楽人がもっともっと啓蒙家していかないといけないと思います。このGoogleの真サービスがその第一歩になってくれればと期待しています。

これだけデジタル技術が発展しているのにジャンクフードレベルの音質のmp3しか氾濫していないというのは時代のパラドックス以外の何物でもないでしょう。とにかく音楽の良さをもっと理解してもらうためにはmp3環境が主になっている現状を打破しないといけないと考えています。スタジオで作られた新鮮な音楽の音質を日常的に経験できる環境になれば世の中の人の音楽に対する考え方は確実に変わっていくと確信しています。

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2012年8月 1日 (水)

現在使用中のインターネットの音楽ツールをリストアップ

かつて音楽のインターネットプロモーションを批判的に論じた、と受け取られる記事を書きましたので、それらを過剰評価するつもりはありません。そして何度も書きますが最終的には「リアルな」プロモーション、テレビやラジオを通したプロモーションが現在に至ってももっとも効果的であるという考えに変わりはありません。

しかし音楽をプロモーションするツールがネットを通じて多くあり、それらが手軽にできることも確かであり、大半は安価、もしくは無料でできるものもありますのでやはりそれらは利用しない手はありません。

実はあまりにたくさんあって私自身もわけがわからなくなり始めています。
いくつかに絞るもことも考えましたがそれぞれ目的や性質が違いますので結局

使えるツールは可能な限り使う

という方針の方が賢明です。

私自身頭の整理をする意味もありますので、現在使っている音楽のツールサイトをリストアップしておきます。尚、有料サイトには 無料サイトは無印にしておきます。

<国内>

・Vibirth   http://www.vibirth.com/
国内のインデペンデントアーチストの総合プロモーションサイト。CDやi-tunes amazonの音楽配信のデイストリビューションを初め、イベント企画、その他プロモーションのさまざまな企画も付録としてついてきます。運営は日本コロンビアの経営母体の㈱フェイスでメジャーデビューしている人もいます。インデペンデントといっても元メジャーのアーチストも多数おりアーチストのクオリテイは高いです。

・monstar FM  http://monstar.fm/
Vibirthと同様の機能をもっていますが、Vibirthよりはちょっと弱いかも。弊社奥津の音源を一部入れてはいますが最近は殆ど使っていません。適当な段階で撤退しようと考えています。

・OK music   http://okmusic.jp/
ソーシャルネット付の音楽プロモーションサイト。販売や配信サイトへのリンクもつけられ,たまに「オーデイション」やコンペの掲載もあり。参加は無料なので登録して損はないと思います。

・クレオフーガ http://creofuga.net/
作曲家のコンペ、コンテストのサイト。登録者は私が見たところ大半がアマチュアかアマチュアに毛の生えたレベルの人たちだと思います。私は基本はコンペに出さない主義なんですが稀に主旨にあう(かもしれない)ものにはダメ元で出しています。
でもこのサイトに登録した本当の目的は自分の持っている音源ライブラリーを関連のクレオフーガバンクの著作権フリーライブラリー登録し、業務用チャンネルに流せるのであれば流そう、というのが主目的です。

・クレオフーガバンク   http://creofugab.net/top
正直このサイトがどれだけの販売力を有しているのかは未知数ですが、単純にメジャーで大々的には出さなくとも映像などのVPその他業務用の分野で使用可能な音源を配信するサイト。個人的に問題だと思うのはもっぱらmp3専用でwav等の配信がないこと。これは業務用の使用としては少し問題があるような気がするのですが、いずれにせよ今後の動向はよく見ておく必要はあると思います。

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2012年6月26日 (火)

「選ぶことに慣れていない」「あと1クリックができない」日本人

最近この分野は低調ではあるのだが、私の会社も「営業」の一手段としてGoogleAdwordsを使っている。キーワードで検索させて次のページに誘導している。


1. CDプレスページ

http://homepage1.nifty.com/hyb-music/cd_press.htm


2. 音声ナレーション録音
 
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/narration.htm

 売上的にはこの2つが大きいがさらには

3. サウンドコンテンツ
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/contents.htm
4. 販促のためのノベルテイCD
 
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/cd_ordermade.htm

5. 立体音響システム
http://www.hybridmusic.jp/3Dsounds.htm

6.サウンドデザイン
http://www.hybridmusic.jp/sounddesign.htm 

7.ペットミュージック
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/pet.htm 

 以上の7つのページに対して誘導している。会社のトップページに誘導していないのは最近は上記のような「サテライトページ」の方をアクセスするパターンの方が圧倒的に多いからである。

とはいえ、予算の限界もあるから各ウエブページに対してそれほど多額な宣伝費は正直かけていない。ただ費用対効果は最大限になるようにキーワードは設定してある。

昨年も同じことがあったが、商工会と別経路1つ経由でまたAdwordsのタダ利用券を¥15000分もらった。一応Bto Bとはいえネット広告で会社の集客をはかっている弊社としてはやはり利用しない手はない。メールアカウントを新たに作らなくてはならないが、それでAdwords¥15000タダで使えると思えばどうってことはない。 ということで今週からそれを実施している

その際費用対効果は最大限にするために当然ながらアクセス解析を行なう。そしてあることに気がついた、というか思い出した。

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2012年6月19日 (火)

日本と海外のインターネットラジオを見てー「言語」が大きな障害

同じくMusicsubmit経由で先ほどの音源を流しながら思ったのは、日本はインターネットラジオテレビも殆ど機能していませんが、欧米ではやはり機能しています。少なくともプロモーションチャンネルとして存在感を示しています。

例えばJango radio というのがあります。全世界で700万人も登録リスナーがいる世界最大のインターネットラジオです。

http://www.jango.com/

プロモーションチャンネルとしても広告媒体としてもそんなにぼろもうけというレベルではありませんががそれなりに運営しているようです。 現在先ほどの弊社の二作品もここでオンエアしています。

metanature   http://www.jango.com/music/Kyoji?l=0

奥津恵「未来」 http://www.jango.com/music/Megumi+Okutsu

私も「癒しの音楽チャンネル」というネットラジオを運営して8万人のリスナーがいましたが、ビジネスを行なうには充分な数ではなく、他のオプションの可能性もなく、到底運営を続けられるような状態ではありませんでした。日本のインターネットラジオは私の知る限りきちんと運営できているところが殆どないと思います。

しかしJango radio はどの程度の利益を上げているかはわかりませんが一応健全に動いているように見えます。

その差は何でしょうか?  

とよく考えたら 当たり前ですがインターネットラジオでのサイトの言語をみるとわかります。

そう言語ーたいていの場合、英語  それ以外にスペイン語、フランス語  つまり複数の国で公用語となっている言葉で番組もウエブサイトも作られています。

いうまでもなく英語はビジネス用語として世界共通です。

またラテンアメリカはスペイン語(アメリカ国民の多数もスペイン語はなじみ深い言葉です)

フランス語はアフリカの概して西部やヨーロッパの複数の国(ベルギー、フランス、スイス)では公用語になっています。

しかし日本語は日本以外使いようがありません。

またいまだにそうですが外国語(英語)と聞いただけで日本人の大半が引いてしまう現実があります。日本人の大半が日本語しかしゃべることができませんが、それがグローバリズムという面で日本人は大きなハンデイを負うことになります。

。英語ですら満足に話したり読めたりできないのですから、スペイン語、フランス語など論外。 その意味では日本人はやはり「グローバル」という点ではどうしても不利になってしまいます。 グローバリズム推進というのならまずそこから直さないといけません。

ちなみにマスコミその他で「グローバリズム」などとえらそうに論じる経済学者できちんと日常会話レベルの英語でもきちんと話せる人ってどれだけいるんでしょうね? 正直、外国語すら満足に話せない人にグローバリズムなんか論じて欲しくありませんが,,,

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2012年6月16日 (土)

新しいサウンドコンテンツのビジネスのために新ウエブサイト立ち上げ計画中

さきほどの日記の奥津の「未来(みち)」著作権侵害申し立ての件、まあイタズラにしてもちょっと悪質だな、と思いますがまあネットをやっているといろんなことがあるもんです。

まあ先日の記事でもいわゆるネットの昨今の論壇についていろいろと批判をしましたが、そうはいってもウエブが今後の産業のインフラの中でも大きな役割を果たすことを別に否定しているわけではありません。
私はIT系の人たちを結構批判していますが、私が批判の対象としているのはIT系でも一部の人たちだけで、実は私の周辺にITの人は大勢いますしいっしょに仕事をしている人も多いです。そして皆さんいたってまともです。
現場で自分のプロダクトや自分のノウハウで動いている人たちはネットで変に目立っているようなITギーグ系のような変な人たちは殆どいないですね。前にも書きましたがそういうわけのわからないコメントを書く彼らの多くは起業家ではなく単なるネットの中の「タレント」に過ぎないのかもしれません

you tubeにせよU-streamにせよサービスが出現した頃はいわゆるITジャーナリストITギーグといった類の連中から「これで世の中が劇的に変わる」などといった言質が飛び交いましたが、そういう類の言質に対しては「もういい加減にしろよ!」といいたくなります。
前にも書きましたがyou tubeにせよU-streamにせよ単なるツールに過ぎず、手段に過ぎません。ある手段があるからそれで世の中が革命的に変わる、などといった「手段があたかも全てであるかのような」発想はあまりに単純に過ぎ、発想が稚拙であるといわざるを得ません。

問題は手段ではなく、どのようなコンセプトのコンテンツか、ということが一番大事なのです。日本人はコンテンツの中身(ソフトウエア)でなくシステムプラットホーム(ハードウエア的)の部分しか見ない、そういう議論が多すぎます。

さて、先日のAKBのCD廃棄事件の件を始め違法ダウンロード等について私もいろいろ書きました。1つ1つの問題は非常に重大な問題ではありますが、実は仮にこれらの問題が一定の解決をみたとしても私は本質的な問題の解決には全くならない、と考えています。、これらの状況を見て私が考えたのは

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2012年6月 7日 (木)

ネットの論調、論壇に対する私の不信感の背景

既にご存じの方も多いでだろうが、私の以下の記事がyahooの「違法ダウンロード処罰化」に対する是非を問うページの中でリンクを貼られた関係で一昨日から現在にかけてものすごいアクセスが増大した。

違法ダウンロード刑事罰導入と「ネットの自由」の問題点ー“手段の目的化を何よりも優先する

■政治クローズアップ ネットの議論「違法ダウンロード刑罰化は必要か」
http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/1100/

まあ慶応大の岸さんの記事に結果として私が支持する内容の文章を書いたのだが、予想の範囲内とはいえ私や岸さんの考えはネット内では圧倒的な少数派に属している。

だが多くのネット関係者には申し訳ないが私はこの違法ダウンロード等の著作権関係の記述に限らず、ネットの論調、あるいはネットやIT関係の話に関する論壇(そもそも論壇などという高いレベルのものかどうかも疑わしい)議論の進め方に関しては大きな問題があると考えている。はっきりいえば私自身は大きな不信感を持っている。

そもそもネット内では「多数派」の意見であっても世間全般の意見として「多数派」であるとは限らない。実は寧ろ逆のパターンの方が多い。だから私自身は仮に上記の問題でネット内の論調では圧倒的少数派であってもそれほど気にしてはいない。また世間一般のネットの論調、記事に対する信頼感は少なくともIT関係者、ネット関係者が考えるほどそんなに高くはないのでは、と最近思っている。

私がネットに関する記事全般、論調、論壇に関して問題が多いと考えるのは以下の5つの傾向からである。

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2012年5月14日 (月)

違法ダウンロード刑事罰導入と「ネットの自由」の問題点ー“手段の目的化を何よりも優先する”

初めにお断りしておくが私は音楽業界の低迷の理由は違法ダウンロードのみが原因だとは一度も言っていない。また私のブログを毎回読んでくださっている方は音楽業界の低迷の原因は業界の旧態依然とした体質、マーケテイング、音楽を100均の消耗品のごとくに売っていて、そのマーケテイング方針を一向に変えようとしない音楽業界の体質の方をおおいに問題視してきたことはおわかりいただけると思う。主原因はあくまで音楽業界側にある。

しかし一方では同時に違法ダウンロードの問題も音楽業界低迷の原因の1つである、ということも述べてきた。繰り返すがこれのみが原因ではないが、これも原因の1つでもあるといっている。(最近のネットでは中学生程度の文章読解力すらない輩が増えているのも問題だ) 事実少し前にネットでこういうことを書こうものなら袋だたき、ブログ炎上に近い状態になったが、ネットではこうした問題点を少し指摘しただけであたかも自分が誹謗中傷されたかのように過剰反応を示す輩がいまだにいるようである。(中川淳一郎さんのいう「ネット教信者」だ) しかし現在消費税法案の影に隠れているが、著作権に関する法案が国会で審議されている現状ではやはり普通に問題点を指摘するのが当たり前であり、健全な議論をするのには必要である。もっとも過剰反応する輩は元々が「荒らし」が目的であって最初からまともに議論する気も能力もないと思われるが..

何はともあれ違法ダウンロードの対策、議論について語るとき私は以前から違和感を感じていた点に岸博幸慶応大学教授がその問題点を明確化していただいたのでここで一部を抜粋させていただく

■違法ダウンロードへの刑事罰導入はどうなる? “ネットの自由”を強調する反対派に抱く違和感 (Diamond On line)
http://diamond.jp/articles/-/18341

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2012年3月14日 (水)

「グローバル」に世界でつながる現代と音楽コンテンツのありかた

記事のタイトルで勘違いされないように始めにお断りしておく。もっとも私の記事を定期的に読んでくださっている方はわかって下さっていると思うが、私は今この国の中のメデイアその他で語られているいわゆる「グローバリズム」に対しては極めて批判的な見解を持っている。まして新自由主義市場原理主義に対しては私は嫌悪感すら持っている。だからこの記事のタイトルで私がそういう類の人たちと同類だなどと万が一思われてしまったら私は拒絶反応アレルギー反応すら起しかねない。

しかしここ一週間くらいで先日の記事でご紹介した海外の音楽のプロモーションツールの更新や、再度利用する作業を行なっているうちに、今さらながらインターネット時代には情報もコンテンツも国境に関係なく動き、露出されていることを実感する。
 今や日本にいながらにして、海外のラジオに自分の音楽を流すことも可能だし、その音楽を世界の人がどういう感想を持っているかもダイレクトに知ることができる。勿論CDや音楽配信の販売もできるし、運がよければ自分の音楽のライセンシング(テレビ、映画インターネットメデイアであなたの音楽を使ってもらえる)も可能だ。
 英語のサイトを読むという手間を厭わなければ、自分の音楽で世界デビュー簡単に行なうことができる。英語に苦手意識を持っている人は、ブラウザの翻訳機能を使えば大雑把な訳ではあるがだいたいの意味は理解できるだろう。全て皆さんのやる気次第だ。

 インターネット経由で不法コピーやダウンロードという問題が存在する一方、こうした新たなチャンスも生まれていることは認識すべきだろう。情報もコンテンツもネット内で露出する以上グローバルに世界と繋がっていることを避けることはできない。より世界中の多くの人に自分の音楽を聴いてほしければ、プロモーションツールを効果的に使うテクニックを身につければいい。インターネットが普及している現代では文化的鎖国をしようとしてもできないのである。

加えて今日本はドラマは韓流ブームだし、音楽もK-POPアーチストが活躍している。だがこうした情報やコンテンツが世界と繋がってい現代でも日本の音楽業界は相も変わらず日本国内しか見ていない。見ようとすらしていない。それは大きな問題だと思う。

こういう時代なら日本国内しか見ようとしない日本の音楽業界など無視して、自分の音楽で世界デビュー目指せばいい。しかし情報もコンテンツは今やグローバルに行き来するのだが、このグローバルの意味をきちんと理解しないと、日本国内では胡散臭い言葉になってしまう。

そもそも日本で「グローバリズム」 あるいは「グローバリスト」などといわれている人たちは本当の意味でグローバルな観点を持っているとは私は思わない。グローバルな観点をもつというのは、アメリカだろうがヨーロッパだろうがアジアだろうが対等、公正な条件で情報やビジネスのトランズアクションが行なわれることが大前提である。「アメリカではこうなっているのに日本がこうなっていないのはおかしい」とか言うのは単なる価値観の押し付けでありそこには帝国主義的な観点が見え隠れする。今日本で「グローバリズム」といわれている議論にはそういう帝国主義的なニュアンスを感じることが多い。私が日本のいわゆる「グローバリズム」に対しては極めて批判的な見解を持っている理由はまさにその点である。(困ったことにメデイアでもネットでもこの手の「グローバリズム」 が多数派ではあるのだが)

インターネットで世界と繋がってい現代だからこそ対等、公正な条件で世界中が繋がって情報やコンテンツが行き来しなければならない。決して特定の国の論理と価値観で構築してはならないのである。それが音楽文化の活性化になればインターネットがもたらして大きな恩恵に結びつくであろう。但しインターネットは確かに世界と繋がってい現し情報の検索その他では便利なツールであることは確かではあるが、あくまでツールであってそれ以上のものではない。いくら便利でもツールを過信するのは危険であると付け加えさせていただく。

しかし残念ながら日本の「グローバリズム」 といわれている視点の多くはまだそうなってはいない。果たして日本国内に従来マスコミで取り上げられているそれではない本当の意味のグローバリズムが定着させることはできるのだろうか?

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2012年2月23日 (木)

ウエブマーケテイングの落とし穴とマス広告

私はかつてネットプロモーション、ウエブマーケテイングとやらに一度かなり傾倒した時期がありましたが、昨年あたりから従来のマス広告中心に戻っています。そんな中でImpress Business MediaでテレビCMとネットマーケテイングの意識の落差について端的に表した記事があったのでリンクを貼らせていただく。

■“あのTVCMの成果だってよ、うはははは”と代理店の人は言った

http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/02/21/12179

あのTVCMの成果だってよ、うははははは。
 成果ですか、まいったな、編集長さまは!

そう言って乾いた笑いを発したのは、ある広告代理店の人。

4~5年ほど前だったでしょうか。マス広告に強く、デジタル広告も手がける広告代理店さんの忘年会に伺ったときのことです。

あのスゴいTVCMを手がけた男ですよ、こいつはとクリエイターさんを紹介されたときに、私がなるほど、して、その効果はどうだったんですか?と聞いたことに対する反応でした。

まだ若かった私は「やっぱりマス広告の人たちは成果とか気にしてないんだな」と思って話題を変えましたが、後になって、そのやりとりを思い出しては恥ずかしくなったものです。

というのも、その反応を私は「成果とか、そんなに意識してなかったから、そこを指摘されると厳しい」という意味だと思ったのですが、おそらく彼らは「直接の売上みたいな成果を目的にやる案件じゃないよ、そんな近視眼的な話をされても困る」という反応だったのだろうな、と。

当時はWeb担当者Forumを立ち上げたころで、リスティング広告やSEOに夢中になっていた私の意識はやはり「費用対効果」というところにあり ました。しかし、企業のマーケティング活動は最後の刈り取り部分だけ見ていてもまわりません。制作にも枠にも大々的に予算をかけて継続的にマス広告を出し ていくような業種では、なおさらです。

<中略>

世の中の多くの人の態度変容を「成果」として細かくとるのは、不可能だとは言いませんが、アクセス解析ほどの回転速度でPDCAをまわして行うべきものだとは言えません。

そうした態度変容を期待されるぐらいの案件を任されている人にドヤ顔で「で、成果は?」なんて聞けば、そりゃバカにされても仕方ないでしょう。

同様のことは、ウェブでも起きています。

ネットでのマーケティング活動というと、すぐに刈り取り系の費用対効果の話題になることが多いものです。もちろん昔からあるジャンルの商材ならば刈 り取り命の部分も否定できませんが、新しいジャンルの商材ならば市場創製や認知を目的に行う施策は必要です。また、大量のデータをもとに子細に調べなけれ ば見えてこないビュースルーによる認知効果もあります。さまざまな技術的制約から本当のユーザー行動が見えなくなってしまう部分もあります。

費用対効果が見えやすいネット広告の世界にどっぷり浸かっている人にのなかには、「データでとれない効果は効果じゃない」という意見もあります。でも、本当にそうでしょうか。

もっと大きな目で、自社と顧客の関係、顧客がどういったモチベーションやニーズでどんなパターンで行動するのか、そうしたことを改めて見直すことで、見えやすい数値データ以外の本当に大切なものが見えてくることもあるのではないでしょうか。

ここにウエブの世界にどっぷりつかっている人、ウエブマーケテイングをやっている人の大きな落とし穴が提示されているように思うので私の見解を以下に述べさせていただく

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2011年12月 9日 (金)

ステイーブジョブスと音楽業界

今年逝去した著名人物の中でも現代社会に最も大きな影響を与えた人物には違いないアップルの前CEOのSteve Jobs (1955-2011)

日経に「世界を変えた作品 スティーブ・ジョブズ」という記事が掲載されている。

i-Mac

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20111205/1039398/?P=1

i-pod

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20111205/1039398/?P=2

i-pad

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20111205/1039398/?P=3

 自分が身を置く音楽業界に関しても莫大なインパクトを与え、i-tunes等いわずもがなのプラットホームを作り音楽配信を普及させた功績は大きいことはいかに保守的な音楽業界人でも認めざるを得ないとい思います。何度も云いますが彼ほどコンピューターの世界にとどまらずあらゆる分野に強い影響を与えた人物はいないでしょう。その点ではMicrosoftといえども足もとに及びません。

とはいえ、ここであえてネットに氾濫するジョブス礼賛論とは一線を画する記事を書こうと思います。勿論スティーブ・ジョブズの功績にケチをつけるつもりは毛頭ありません。しかしスティーブ・ジョブズとて聖人ではありません。

確かにスティーブ・ジョブズi-tunesのプラットホーム建設という大きな実績を残しました。しかし一つだけ忘れてはならないことがあります。

それはスティーブ・ジョブズは音楽業界の人間ではない、ということです。

実はあることがおき始めています。、i-tunes経由でユーザーにはうれしいかもしれませんが我々コンテンツホルダー側から見ればたまったものではないことが起きはじめています。

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2011年10月15日 (土)

アップルと音楽業界「攻防」再び 舞台は「iCloud」 価格決定巡り深い溝

ジョブス逝去からまだ日がそんなに経っていないときにこのニュース

アップルと音楽業界「攻防」再び 舞台は「iCloud」価格決定巡り深い溝
http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A9C889DE1E7E

これについてネットの中の論調の大半は予想通り以下のような感じ

これでまた日本の音楽ビジネスの進歩が世界から数年遅れる結果になるんだろうなぁ… 気軽に買えなきゃどんどん売れないのにね

まあ2-3年前だったら私も同じ意見を持ったと思います。

しかし今は違います。クラウド化は違法コピーに対する対策にはなりますが実は問題はそのクラウド化ではありません。収益性の問題です。

前にも書いたようにこれはアップル云々という問題ではなく実はインターネットの特質の問題で音楽配信というのはそもそもコンテンツホルダーの収益という点でははっきりいってそんなに期待が持てないチャンネルです。将来性は皆さんが思っているほどそんなにない、というのが実態です。

なぜならインターネットで付加価値をつけるのは不可能、そして情報やコンテンツはインターネットの中では価格を下げることはあっても上げることには絶対にならないからです。つまり音楽配信は今の価格よりも将来的には下がる方向に行く可能性が極めて高い、というのがインターネットの特質を考えた時の現状です。。

あと音楽配信の中でおそらくこのブログの読者の皆さんは音楽配信でもダウンロードが多くなればコンテンツホルダーは大もうけするとお思いだと思います。いうまでもなくクリエーターも.大もうけする...

実はそうでもないことをここで皆さんにお示ししましょう。仮にある音楽配信の楽曲が\150100万ダウンロードを達成したとしましょう。まず作曲、作詞家の著作権料はCDと同じ5.9%ですから1ダウンロードあたり\8.85です。それが100万ダウンロードされますと

\8.85 x 100万  =  885万 にすぎません。

それをJASRAC手数料、音楽出版社(多くの場合出版社が介在します)の手数料を引いたあと残りを作曲家と作詞家で分けます。音楽出版社とクリエーターは殆どの場合50-50でわけますから作詞家と作曲家の分は400万余り、つまりクリエーターには100万ダウンロードされてもせいぜい200万程度の著作権印税しか入りません。

つまり音楽配信でクリエーターがもうかることはありません。

そうするとパーセンテージからしますと原盤を持つレコード会社が一番取っていることになりますが、100万ダウンロードの1/3がアップルや配信介在業者の手数料で消えますが、100万ダウンロードで1億弱の売上、CDが100万枚の場合\1000で販売店のコミッションを取っても8億ですから、売上の落ち込みを埋めるには程遠いものがあります。しかも1億で宣伝費、レコーデイング費用、スタッフの給料を賄わなければなりません。「充分な売上」などと思うかもしれませんが地上波のタイアップがないと売れない現実とタイアップ1つ取ると数千万は軽く飛びますから、実は全てを差し引くと殆ど利益が出ていないのです。

しかも先ほど書いたように音楽配信の価格はいずれ間違いなく下がる方向にベクトルが行きます。そうなったら赤字になるのは目に見えています。

勿論100万ダウンロードを達成する曲などそうそうあるもんじゃありません。

まあインターネットというメデイアの中だけで見ると、どうしてもものの見方がネット中心になってしまいます。どうしてもものの見方が頭でっかちになってしまい、断片的な情報のみで全てを判断してしまう傾向がありますが、現実はこうだということはおわかりいただけますでしょうか? 私が最近「ネットマーケテイング」とかアメリカの経済理論とかをうそぶく人間を信用しなくなっているのは、ものの見方があまりにも頭でっかちで断片的な情報で全てを判断する傾向が強いからです。そういう本や情報ばかり見ていると人間がどんどん馬鹿になる、という人もいますが私もそれに同意します。自分が専門とする分野を持っていると余計そういうものが見えてきます。

だから皆さんとは意見が違うでしょうが、音楽配信の動向に慎重な日本のレコード会社の姿勢は必ずしも間違ってはいない、ということです。コンテンツホルダーは自分のコンテンツにいかに付加価値をつけるかということを考えますし、自分の商品の価値が下がるのを承知で売る業者などどの業界にもいないはずです。

インターネットはあくまでも告知宣伝のみにとどめ、音楽配信の場合はあくまでアーチストの目玉曲でアーチストをより多く知ってもらうための「宣伝手段」と考えた方が賢明です。インターネットの特質を考えればそれが正しい選択だと思います。


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2011年10月 6日 (木)

また巨星逝くーアップル前CEO、スティーブ・ジョブズ氏死去

■アップル前CEO、スティーブ・ジョブズ氏死去
http://t.asahi.com/462t

■Steve Jobs, Apple founder, dies

今年は訃報の記事を書くことが多いけど、今日のは極めつけだ。先々月だったか「ステイーブンジョブス、Apple CEOを辞任」という記事を書いたがもうその時点で死期を悟っていたのかもしれない。ジョブス自身が次のような言葉を書いている。

「自分もいつかは死ぬ。それを思い出すことは、失うものなど何もないということを気づかせてくれる最善の方法です」

実は大昔サラリーマンをやっていた時代に若かりし頃のジョブスを見たことがある。まだアップルを立ち上げたばかりのジョブスで、ビジネスマンはスーツとネクタイが当たり前の時代に長髪(!-髪の毛はフサフサだった)、GパンTシャツでコンピューターの展示会場を歩き回っていた男。しかしどこか異様なオーラーを放っていた。さしずめ既存のビジネスの体制に反抗するロックンローラーのようなイメージをもった。しかしその男が世の中をこれほど変える人物になっていくとは当時は予想もしなかった。

かつてこれほど多くの分野に影響を与えた起業家がいただろうか、と思う。単にコンピューターというハードウエアだけでなく、グラフィック、デザイン、映像、音楽、いわゆるコンテンツの分野に多大な影響を与えた。I-phoneが発売されたときに「文化よりは文明を選ぶ」などと発言したおバカなIT起業家がいたが、実際にはジョブスは文明だけでなく文化にも大きな影響とイノベーションをもたらした。ジョブスの偉大なところはハードウエアの論理だけを押し通すのではなく、絶えずソフトウエアコンテンツがより有効にパソコンの中で活用できるような環境を作ることを考えていた。つまりソフト、ハードの両方を絶えず目を向けていた点。これが他のIT起業家と一線を画すところではないだろうか?

I-phoneI-pad、この革命的な商品の発売だけで歴史に残るだろうし、音楽配信もいろいろ議論や問題はあるものの、事実上最大の配信サイトを作り上げ、音楽ビジネスのありかたにも貢献した。私はあまり物欲はないのだがI-padは欲しいと思っている。かつてApple社はマイクロソフトに押され一時は倒産の危機すら見舞われたが、いまや完全にマイクロスフトとは立場を完全に逆転しモバイルやタブレット型のパソコンでは他を圧倒しているのは周知の通り。

だが、ここまでの道のりは平坦なものではなかった。Apple社を立ち上げApple IILisaからMacintoshを発売したが、自ら引き抜いたジョンスカリーにApple社の役員を解任されるなど、不遇な時代もあった。NeXTコンピューター(これが現在のOSXの母体となる)を立ち上げ、ピクサーやデイズニーの個人筆頭株主を経て、自分が創立したApple社を再買収できたのはクビになってから十二年、2000年にようやくApple社のCEOに復帰し、それからの活躍は皆さんのご存じのとおり

Macintoshはもう四半世紀以上も前から私の音楽制作ツールだった。今使っているMac Proは都合6代目のマックである。これがないと正直仕事にならない。そして初期のマック(1代目はMac Plus)から現在まで機種を変えるごとに機能がパワーアップし、初期はmidiの打ち込み(シーケンサーと同じ)だったがいまや完全に録音機器であり、編集機能まで持ち合わせており完全なワークステーションとなった。そのおかげで自宅で音楽制作のほぼ全てのことがMac一台でできるようになった。Appleのおかげでスタジオ代とか大幅に節約が可能になった。

ステイーブンジョブスは確かに天才である。しかし才能だけでは決して成功しない。強い情熱と意志を才能と合わせ持った者だけが成功する。ジョブスはその全てを持っていた類稀な人物だった。

人間とはかくありたいものだ。

改めて心からご冥福をお祈り申しあげます

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2011年10月 2日 (日)

テレビやラジオのネット連動-まだまだ脆弱なインターネットのインフラ

冒頭の記事にも書いてありますように、本日FM戸塚 "BIGTIME Music Cocktail”のサイマル放送に不具合が生じたために通常のリンクではサイマル放送を聴くことができす、i-phoneスマートフォンでは聴くことができない事態が発生しました。

BIGTIME Music Cocktail”は出演者の演奏をオンエアする番組でなおかつ、ゲストの出演もありますので、関係者の対応に追われました。結局PCのサイマル放送については対応できたものの、i-phoneスマートフォンの復旧はできないため、本日の放送はFM戸塚 と協議の上、今月の23日に再放送させていただきます。

尚、これに伴い23日放送予定の番組は30日に放送日程を変更させていただきます。

今回のこの事態の原因はわかりませんが「サーバーが見つかりません」と表示されることからDNSの関係でエラーが生じたか、あるいはドメインの更新の手続きに失敗したか(だとしたら極めて初歩的なミス)のどちらかと思われます。

テレビの地上デジタル放送と違い、ラジオはインターネットを通したサイマル放送で自分が住む地域に関係なく放送を聴くことができるわけですが、今回のような事態が起きるとこれは放送というものをインターネットに全部委ねてよいのか、という思いも出てきます。

というのも放送法に明記されていますが、テレビ局もラジオ局も事前の報告なしに「放送を途切らせてはならない」という事情があるからです。もし総務省から放送免許を受けている放送業者がネットとはいえ、事前の報告無しに放送を途切らせることとなれば重大な事態となります。サーバーの不具合は理由にならないのです。このことを知っているIT業者って以外に少ないんじゃないでしょうか?

これを考えると日本のテレビ局の地上デジタル放送がインターネットのネットワークに意識的に繋げていなかったのは寧ろ正解ではなかったか、とすら思いますね、IT系の人はアメリカとこの面で違うから日本のテレビ局の意識が遅れている等、この対応を批判したり、「既得権益保持だ」などと非難したりしますが、もしこういう事態を想定していてこのシステムにしたとしたらかえって正解だったかもしれません。サーバー不具合でネットで視聴ができなくなったとしたら民放の場合もスポンサーに対して重大な事態が発生しますし、NHKも聴取料のからみで重大な事態になります。

サーバーの不具合も基本的にあってはならないですが、実際問題として時々起きます。しかし放送というものはどういう理由があろうと絶対に途切らせてはいけないのです。

今日の事態で少なくとも94のFM放送局がサイマル放送で通常の方法で聞くことができなかったり、i-phoneスマートフォンでは聴くことができない事態が発生しました。詳細な原因はわかりませんが、あとで責任問題等の重大な事態が発生するでしょう。

IT系やネット小僧連中は軽く考えているかもしれませんが、公共に放送する、というのはそのくらいの重みがあるのです。

私は既存のメデイアとネットとの連動は重要だと思っていますが、こうした簡単なシステムトラブルでサービスがいとも簡単に停止するような脆弱なインフラでは、まだまだネットのシステムに関して全幅の信頼を置くことはできません。まして、ネットが既存のメデイアより優れている、とかネットが既存のメデイアを凌駕する、などという妄想話を語るなどはっきりいってお笑い草としかいいようがありません。

注:サイマル放送ですが、先ほどPCもスマートフォン(i-phone)復旧したことを確認いたしました。

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2011年8月25日 (木)

ステイーブンジョブス、Apple CEOを辞任

癌の手術等も行いかなり健康に関しては懸念される情報が出ていましたが

■Steve Jobs resigns as Apple CEO, Tim Cook takes over
http://bit.ly/nhL7mB

ついに健康上の理由でCEOを辞任 「もはやCEOの業務を行なえる状況ではない」とのこと。
取締役経営陣には名前を残すようですが、現在の音楽配信の体制を事実上構築したといっていいですし、i-phone i-pad等の革新的な商品も開発した功績はやはり賞賛に値します。

私は先日G5がダウンした関係でMAC PROを導入せざるを得なかったため、残念ながらi-padはお預けとなってしまいました。でもプレゼンとかいろんな意味で便利ですね。私はあまり物欲がない人間なんですがi-padだけは欲しいと思っています。

ちなみに私はまだ会社員の頃、英語が多少できるため海外出張によく行っていましたが、ComdexというComputerの展示会でGパンTシャツ姿の若かりし頃のジョブスを見ています。(髪の毛もフサフサでした(笑))  これほどまでに世の中を動かす人間になろうとは

癌が再発したのが今回の辞任の背景にあるようですが、ジョブス氏の一日も早い回復を祈っています。

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2011年6月 7日 (火)

Mac Pro到着

AppleのBuy Now 経由でついにIntel Mac を買いました。

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G5 Dual がダウンしてから約1週間。これから復旧作業に入ります。

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今日は例の番組企画関係の本会議が木曜日のためにそのサンプル制作作業でMac関係はあまりできませんでした。どのみちfirewireのケーブルを変えなくてはならないことがわかりそのために電気屋に行かなければなりません。(1394→800の変換ケーブル2本)

これから各アプリケーションのアップデート作業を行なわなければなりません。これがなかなか大変です。今までMacで次のアプリケーションと作業を行なってきました。

・Pro tools  (HDレコーデイング)
・ソフトシンセ(4種類)
・Digital Performer (midi打ち込み)
・bias Peak (波形編集)
・Finale (楽譜)
・Illustrator (デザインデータ)

そして勿論Safariやftp関連ソフトも使う。

今回をきっかけに仕事環境を強化したいと思う。都合6代目のMac 経営が苦しいときに思い切って導入。その分稼いでもらわないと困る。

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2011年6月 3日 (金)

私のMac歴

さて、昨日一昨日のMac G5 Dualのダウン。正直さすがに凹みましたがもうこうなると現実を受け入れざるを得ません。とくにもうすこしOveranxiousになるのをやめて、心を冷静に平穏になって仕事に取り組もうなどといっていた矢先だけに、ちょっとショックは大きかったですが、ものは考えよう、これで音楽制作環境を強化するチャンスと捉えて向こう一週間、スタジオの復旧作業に取り組もうと思っています。今はちょうど私自身の人生の勝負をかける時期、突然の出費は会社の経営状態がよくないだけに痛いですが、ここでやめるわけにはいかないので全身全能を振り絞ってこれからのことに取り組もうと思います。

Mac G5 Dualを導入してからだいたい6年ですが考えてみればほぼ6年ごとに私の仕事道具であるMacの機種が変わっています。振り返ってみますと

1.Mac Plus (中古) 1989-1991

System 4 : この当時のMacは今思うとオモチャみたいなもので、しかも中古(それでも当時は高かった)だったのでそれほど長くは使っていません。もっぱらmidi関係の仕事に使いましたが結局当時はYamahaQX1での作業が主でした。

2.Mac SE30 1991-1997頃

System 6 : 数あるMacの中でも名機といわれるMac SE30。個人的には仕事としても一番好調な時期だったこともあって一番よい思い出があります。カラーモニターですらなかったんですが速くフリーズすることも殆どありませんでした。このSE30はいまだにうちの物置に大事にしまってあります。

3.Mac Power PC LC(中古) 1997-1999頃

OS7: 個人的には中古で安く買ったとはいえ、失敗したと思った機種でした。フリーズや「予期せず終了」が凄まじいほどあって使い辛かった機種です。個人的にも音楽業界の状況が急変して苦しい時期だったこともあり、この機種にはよい思い出は殆どありません。尚、これに懲りて中古はいくら安いとはいえ、以後買うのをやめました。やはりいずれも2年もっていませんので

4.Mac Power PC G3 1999-2005

OS8 : LCの状況に困っていたのとたまたま比較的安価でMac Power G3が手に入ったので迷わずこれにスイッチしました。始めは重宝しましたがこの時期はAppleの機種が目まぐるしく変わった時期で(あれよあれよといううちにOSXに)結局機種自体が最後の2-3年は完全に時代遅れのものになっていたことがわかりました。尚、このG3は現行のシルバーではなくあのカラフルなリンゴのマークの最後の機種だったと思います。

5.Mac Power PC G5 Dual 2005-2011

OSX(Panther からTiger) : 私の人生の中ではSE30の次に活躍した機種かもしれません。この機種でリリーズの復活CD映画「俺たちの世界」そして奥津恵の作品等重要な仕事をすることができました。それだけに昨日の起動不能はかなり精神的に参りましたがまあそういう時期が来たのだと今は諦めるしかありません。

6.Mac Pro Quadra 2011-

OSX(Snow Leopard) : まあもうすぐLionになるそうですがとにかく今度の機種もG5 Dualと同じくらい、いやそれ以上の活躍を期待したいし、そうなってもらわないと困ります。

新しいMacは今週末くらいに来るそうです。楽しみというより緊張感が走ります。

「Macを買うなら…」でおなじみの、秋葉館オンラインショップ
もちろん話題のiPodも本体を含め関連商品充実!

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2011年6月 2日 (木)

格闘もむなしくMac G5dual 復旧断念

菅内閣の不信任決議案騒動のさなか、昨日突然スタジオのG5 Dualが起動できない状態になった。PRAMのリセットや電源のリセットを始め、Appleのサポートにも何回か連絡しあらゆることを試した。

一時は復旧しそうな雰囲気だったのだが、結局OS起動デイスクでしか起動せず、自力でなかなか起動しない状況ー例のシルバーのリンゴの画面でギアが途中で止まってしまう状況。結局元々のOSを消去した形でTigerを再度システムインストールしなおした。一時は問題なく起動したが、結局再起動はできず、三度Appleのサポートに連絡し、ありとあらゆる復旧策を試したが結局G5本体での復旧は無理という苦渋の結論を出さざるを得なかった。

システムは起動デイスクでは立ち上がったので何とかなりそうな気がしたが、(マザーボードはたぶん生きている)HDかロジックボードのどれかに異常があるのかもしれない。

このMAC G5 Dualはもう6年以上使っていて昨年もメモリーを大幅増設したばかりなだけに何とかあと1-2年は持って欲しいとも思ったが、無念のリタイアになってしまった。結構このMACもいろんな仕事をしただけに思いいれはある。

今スタジオはコンピューターがないと何もできないただの部屋。そのため急遽MAC PROを手配。メモリーも現行の8G装備する。場合によってはまた増設も

というわけで昨日「心を平穏に」といった矢先だけど今かなり凹んでいます。それにしても立て続けにいろんなことがおきる
俺って呪われてる?


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2011年5月28日 (土)

会社の決算と転機に来た会社のwebプロモーション

私ごとだが、会社の決算がだいたい終わった。あとは清書するだけ。

二年連続ひどい決算書になってしまった。普通の会社なら倒産だろう。そのくらいひどい。

これというのも5年前から仕込んでいたあるコンテンツ事業が完全な失敗に終わったこと。こういう事態を見透かしてさまざまな手をうったつもりだったがことごとく失敗した。まあそれを今云っても仕方がない。

幸いにして今これからやろうとしていることがある程度見えてきているが、それがある程度回ったにしてもこの現状から脱するにはまだ足りないかもしれない。

私の会社は音楽関係の会社にしてはかなりネット対策を率先してやってきた会社だと思う。そして一時はそれがかなり成功した時期があった。だがそれもここ数年は低調である。特にAdwordsに関しては年々効果が薄れている感じがする。少なくとも広告費の割には効果が上がってない。

その対策のためにGoogleの「オンラインセミナー」なるものを受けたことがあるが、正直あまりこれだ、という話はなかったし実際それによって成果は上がらなかった。はっきりいって特にここ数年はかなりの無駄なお金をGoogleに支払っていたことになる。今年度は大幅にこれを見直す

意外に知られていないがホームページは露出やアクセス数が多ければいいというものではない。一番大事な点は「どういう人」「どれだけ」見るかが重要なのだ。特にB to Bの場合はそうだ。つまり「見てもらいたい人」、「すぐ仕事に結びつきそうな人」をできるだけ多く誘導するにはどうすればよいかを考えるのが重要だ。どんなにアクセスが多くても仕事に無関係な人、どシロウトの人、勘違いする人、などが大勢見たって何の効果もあがらない。実際一番困ったのはAdwordsで露出が増え、確かに問い合わせも増えたがその中で「勘違い」の問い合わせーナンセンスインクワイアリーがものすごく増えたこと。これは業務にも大きく支障をきたした。

また問い合わせに関する成約率も年々落ちている。いずれにせよ根本的な戦略変更が必要だ。そこの部分を強化して「既存の業務」の方も可能な限り方策を取るしかない。

勿論、パッケージビジネスにもはや将来はない。そして音声等のコンテンツビジネスはコストダウン圧力が予想以上に強く年々苦労している。インペグなど震災以来、自粛ムードもあり再開のめどがいまだに立っていない。

とにかく今年度の決算は昨年や一昨年のようなことは避けたい。一応今ある方向性は堅持しつつ、さらに方策を足さなければならない。

それにしてもコンテンツビジネスで多大な利益を得ようとするとかなりのリスクを負うことを覚悟しなければならない。またリスクの少ない請負になると今度はコストを叩かれてしまい、非常に薄利なビジネスをやらざるを得なくなる。

コンテンツビジネスをこんな風にしてしまったのは誰なんだろうか。

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2011年3月 2日 (水)

岐路にたつ「ネットラジオ」

ご存じのとおり私は「ネットラジオ」を運営している。もうすぐ4周年になる。podcast登録者本日現在で7万4026人(但したぶん「のべ人数」だと思うので実際の視聴者数はもっと少ないと考えています)のネットラジオです。

実はtwitter等で「いつやめようかモードに入っている」などと書いたことがあります。実はこう考えるに至ったもっとも根本的な理由が以下の記事です。

大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100210/212732/?rt=nocnt

NHK以外の民放ラジオがインターネットと電波のサイマル放送を今月から来月当たりから始めると発表しました。(スタート時期は各局で多少ばらつきがあります) 全国のコミュニテイFMも待ってましたとばかりに、ほぼ全ての局がサイマル放送を4月頃からスタートさせます。 半年の試験放送を経て今年の秋口からの本格放送を目標にしているそうです。

但しNHK受信料との兼ね合いからネットとのサイマル放送を始めるのは難しいと思われます。その点では民放より不利な面はあります。

これらは勿論JASRACレコ協(ネットとのサイマル放送は特にレコ協がしぶった)との合意が得られたために可能になったわけですが、これによっていえることは既存のラジオと「ネットラジオ」を区別する時代が事実上終わったということです。

殆どの「ネットラジオ」は個人レベルもしくは少人数で運営されており、いわゆるコンテンツの豊富さバラエテイの豊富さはいわゆるキー局は勿論のこと、コミュニテイFMにですら太刀打ちするのは不可能です。いわゆる「既存のラジオ」のサイマル放送にまともに対抗してもほぼ勝ち目はありません。個別の番組単位ではpodcast化を行なうことも可能です。(既にキー局の番組によってはpodcast配信を行なっているものもあります。)

となると、我々のような既存の「ネットラジオ」がやっていくにはどうすればいいでしょうか?

それはキー局コミュニテイですら作れないコンテンツを作っていくしかない、ということになります。彼らと同じようなものを作っていては未来がない、ということになるでしょう。その中で「小さくともキラリと光る情報メデイア」としてやっていくしかないかもしれません。

もっとも「ネットラジオ」のみで収益を出すというのは難しいというのは私は肌で感じているので、もし続けるとしたら告知を目的として収益度外視して続けるか、他のメデイアに吸収されるか、いずれにせよ「ネットラジオ」の今後のありかたは岐路に立っているのは間違いないと思います。


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書籍の「自炊サービス」の問題点と音楽業界

さて、以前書籍をスキャンしてpdf化を有料で行なう業者に関して以下のような記事を書いた。当時はこういう業者を「自炊サービス」という名前で呼ぶとは知らなかったが..

■iPad向け、本の「格安」電子化業者ーこれはまずいだろう。収益を得ている時点でもはや「私的複製」ではない
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2010/06/post-65d0.html

この件に関しては私はこの行為は「私的複製」の範囲を明らかに超え、しかも著作者の許諾も何も得ず「複製」したもので「営業」をしている時点で明らかに違法であると書いた。これに対して[「料金」は電子化の対価であって著作権侵害ではない」、と強硬に主張する某ネットユーザーから事実上「荒らし」にあった。

但しここで誤解を避けるために述べておくが私は「書籍のpdf化」自体の行為を否定しているわけではない、ということである。もしこの工程上で権利者に何らかの形で権利ロイヤリテイが分配される部分があれば全く問題ないのである。現状では全くそれがないから問題視しているだけである。そこの部分を誤解しないでいただきたい。

いまだに「権利者に対するロイヤリテイ」「権利者側に関する観点」について論じることがあたかも犯罪行為であるかのように考えている輩がネットユーザーに少なくないので改めてこの点について論じさせていただく。ちょうどビジネスブログ誠で音楽プロデユーサーの山口哲一氏がこの問題について論じているのでここで引用させていただく。私個人は全ての点ではないにしろ、ここに書いてある内容についておおむね同意している。 

音楽プロデューサーは「自炊サービス」をどう考えるか?(ビジネス誠)

http://blogs.bizmakoto.jp/happydragon/entry/2015.html

 

続きを読む "書籍の「自炊サービス」の問題点と音楽業界"

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2011年1月18日 (火)

アップルのS ジョブズCEOが病気で休養

米アップルのスティーブン・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は17日、従業員に電子メールを送り、病気のため休養することを明らかにしました。

Appleのスティーブン・ジョブズCEOが療養休暇入り
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/17/news109.html

まあいろいろと議論はあるだろうけどi-tunesを始めとした現在の音楽配信のインフラを作った最大の功労者の1人といえるでしょう。またi-phoneを始めとするスマートフォンの流れについてはここで説明するまでもないと思います。

確か昨年はすい臓ガンの手術を行なったことを発表したし、その前にも心臓疾患がある等健康にさまざまな問題を抱えながら激務をこなしてきたようです。一日も早い回復をお祈り申しあげます。

ちなみにスティーブン・ジョブズから従業員宛のメールの日本語訳だそうです。

http://www.gizmodo.jp/2011/01/post_8338.html
 


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2010年10月 4日 (月)

音楽を始めとするコンテンツのコピーと無料配布について

さて業界関係の話はもう基本的にはしないつもりでしたが、やはり以下の点については誤解のないようにきちんと説明したいと思いますので、あえてもう一度ここで記させていただきます。

というのはある意味ここの部分はとてもわかり辛いし、説明のしかたが悪いと私の意図しない方向に私の考えを取られる可能性を感じたので...

つまりコンテンツのコピー無料配布についてです。

私は以前、コンテンツをコピーし放題で自由にコンテンツをばらまけばそのコンテンツのプロモーションになる、というのは大嘘と書きました

但しここでいうコンテンツについて明確に定義しておかないと私が単に他の音楽業界人のように単にネットを目を敵にしている「守旧派」に見えてしまいます。これだけでは言葉が足りないため私の主旨がきちんと伝わらないことになります。

なぜなら、アーチストの音楽、映像を皆さんに買っていただくには皆さんにその音楽や映像を知ってもらわないと皆さんが音楽配信だろうが、CDだろうが買っていただくことはほぼ不可能なことくらいは私にもわかるからです。

つまり宣伝、プロモーションが必要ということです。そのためには音楽なら聴いてもらわなければなりません。

但し、

音楽の聴かせ方、映像なら映像の見せ方が重要だということです。

大前提としてアーチストである以上ブランデイングをしなければなりません。アーチストの音楽を無条件にネットその他でばらまくことでブランデイングができる、そう考えているとすればそれは違います。

そのためには宣伝、プロモーション用のコンテンツ実際に販売するコンテンツを明確に区別する必要があります。ただ、無条件にコンテンツ=自由にコピー=垂れ流しがコンテンツのプロモーションになる、わけではありません。それはその宣伝用の目的のコンテンツとして配布しなければなりません。これは「商品」として売るものとは明確に区別しなければなりません。

私は前社を「非商材コンテンツ(あるいは宣伝用コンテンツでもいいですが)そして後者を「販売用コンテンツ(商品)」と勝手に呼んでます。ひとくちにコンテンツといっても2種類あるんですね。

つまり上記冒頭の

コンテンツをコピーし放題で自由にコンテンツをばらまけばそのコンテンツのプロモーションになる、というのは大嘘というのはあくまで「販売用コンテンツ(商品)」についての議論なのです。

ここを取り違えると私の主旨が全く伝わらないことになります。

「非商材コンテンツ(宣伝用コンテンツ)は逆にどんどん無料配布させるべきです。映画のトレーラー(予告編)、試聴用音楽 これはMIAUの津田氏が主張するように好きなだけコピーされてもいいコンテンツです。

しかし「販売用コンテンツ(商品)」に全く同じことをされては困ります。それはMIAUや津田氏、池田信夫氏あたりの論客がどんなに「コピーし放題にすべきだ」と強硬に主張しようがそれは拒否すべきであり拒否するのが当然です。商品なんですから...

なぜならそれをやればアーチストのブランデイングができなくなるからです。

コンテンツ、音楽、映像について論じているコラムはたくさんありますが、ひとくちにコンテンツに「非商材コンテンツ(宣伝用コンテンツ)「販売用コンテンツ(商品)」2種類あり、両者を明確に区別した議論は私が見るかぎり残念ながら

殆どありません。皆無といっていいです。

コンテンツ、と一義的に論じ、片方のコンテンツが無料だから有料のコンテンツがあるのがおかしいじゃないか、といった類の議論の方が圧倒的に多いのが現状です。

ですから私は「非商材コンテンツ(宣伝用コンテンツ)に限って云えばコピー、無料配布を否定するどころか、どんどんやるべきだと考えます。

ですからこの2種類のコンテンツは全く別の議論をすべきですが、殆どのケースで両者を同じコンテンツとして一色丹に論じています。これでは問題の本質が見えてきません

わざわざこう念を押したのは、

残念ながら人間は自分の都合のいいようにしか解釈しない傾向があるんですね。

音楽やコンテンツの無料配布、コピーし放題が可能
 

「じゃあ、あのアーチストの新譜が永久にタダで手に入るんだ。それが当たり前なんだ。それこそがネットの未来だ」

こう早合点する人が出ないとも限らない、というかおそらくかなり多くの人がそう考えているでしょう。 実際ネット内でのコンテンツに関してこうあるべきだと考えている人がかなりいると思います。

しかしそれは違います。

池田信夫氏のようにネットは無秩序で全てが野放しがいいんだ、などと主張する人がネットではあたかも正論であるかのように考えている人がいまだに多いですが。

無秩序はカオスしか生みません。そしてそれは全てのことを「自己責任」という魔法の言葉で正当化され、結果として窃盗、下手すりゃ殺人のような犯罪すら正当化されかねない恐ろしい社会になります。

被害を受けるのも自己責任、ある2ちゃんねらーが本当にこんなことを云っていましたね。

ですからコンテンツプロバイダーとして一定のポリシー、制限はやはり必要で冒頭の主張はそういうことを背景に申しあげています。

ちなみにこれはネットに限りません、地上波テレビのタイアップにしろラジオにしろ、

「非商材コンテンツ(宣伝用コンテンツ)の見せ方がかなりコンテンツを売る場合にポイントになるのは事実です。

個人的な反省として、その「見せ方」に私なりにかなり詰めが甘かったな、と最近思います。

いずれにせよコンテンツには2種類ある、そして「販売用コンテンツ(商品)」ー商品を不法コピー無料配布し放題がプロモーション、というのは嘘だ、しかし「非商材コンテンツのコピーし放題はOKだ。というのが僕の主張です。

おわかりいただけたでしょうか?

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2010年9月23日 (木)

会社のホームページへの広告見直しーアクセスは量じゃなく質だ

私の会社ハイブリッドミュージックは自社製品のCDの販売といった分野を除き、音楽制作、サウンドコンテンツ、そしてパッケージ製作の事業を主流にしている。いってみれば業務用の分野である。

2002年にホームページを開設して以来、AdwordsSEO対策を行うことによって、ホームページを通じて多くの新規案件を成約したし、多くの新規取引先も獲得した。ただ、ここ数年その成果がかつてのような成果を収められなくなってきた。リーマンショックのあとはアクセス数自体が減ったが、今は持ち直してはいるもののやはり以前のような成果が上がっていない。また昨日の記事「「業務用」と民生用の違い」ように勘違いの問い合わせーナンセンスインクワイアリーが増えているという現実を考えるとやはり、会社の事業のインターネット広告を見直す必要があるかもしれない。

とかくアクセス数が多いのがよいホームページだ、などと考えられがちだがそれがYahooなどのポータルサイトだったらその理屈は正しいが、全てのページがポータルサイトになるわけではない。やはりクライアントに結びつくようにしなければならないし、その意味ではアクセス数という量ではなく「誰が見るようにするか」というの方がはるかに重要である。

Adwordsは確かにアクセス数を上げることができるが実はここ数年を見るとクリック率の割りに問い合わせ数も減ってきており、3年前くらいから問い合わせ数の割りの成約数も減っている。特にリーマンショック直後の昨年は最悪だった。またナンセンスインクワイアリ(勘違いの問い合わせ)も全体の半数近くになっており、広告費を投入した割にはその効果が現れていないことがわかった。Googleが提供したAdwordsを有効に使うセミナーもそれほど効果向上に役立っていない。

インターネットは絶えず費用対効果を綿密にモニターしていかなければならない、その意味Adwords中心のネット広告を見直すことにする。我々のページを見て欲しいのは会社の代表、同じ業界関係、制作会社などである。そういう人たちがよく見る方策を考えようと思う。具体的な方策? それは秘密です。


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2010年8月 2日 (月)

弊社のハイブリッドミュージックの英語ページ完成

私の公式サイトの「英語ページ」の更新が完成しました。

http://www.kyojiohno.com/English/index.html

予定より大幅に遅れました(汗)
英語関係のページは正直、今までかなり手を抜いていましたが今度は日本語の公式サイトにかなり近いです。

また本日私の制作会社のハイブリッドミュージックの英語ページの大幅更新が完成しましたのでお知らせします。

http://www.hybridmusic.jp/English/index.html

やはりインターネットである以上世界中と繋がっているわけで日本人だけが見ているとは限りません。当たり前の話ですがとかく忘れられがちだと思います。

まあ私は別にいわゆるグローバリズムに凝り固まった人間ではありませんが (というかむやみやたらにグローバリズムとやらを持ち出す人間は嫌いですが..)、インターネットは文化やコンテンツの情報を国境に関係なく流布しますのでやはり最低限英語ページを作る必要はあると思います。

まあ実は今回の更新の前にも既にサウンドコンテンツの業務で弊社はシンガポールの会社と取引を定期的に行なっていますし、過去はイスラエルやアメリカの会社とも取引をしたことがあります。インターネットはビジネスの国境を確かに取っ払います。

一方日本のJ-popを始めとするいわゆる「邦楽」は今でもそうですが基本的に日本のマーケットしか見ておらず、最初から海外に音楽を売るとか、海外のアーチストと競争するなどということはハナから考えていません。そんな発想すらないです。
そしていわゆる「洋楽」というものと明確に区別していますし、最近特に若者は「洋楽」というものに全く興味を示さない傾向が強いので、日本の音楽業界はややそれにあぐらを書いている傾向があります。

まあ実はそうであるがゆえに、アメリカやヨーロッパが受けている「不正コピー」の悪影響やダメージが最小限度で済んでいる、という面もあるんですが、(意外に知られていませんが、実は海外の惨状を見るとはっきりいって日本はまだマシなほうですーそれでも最近かなり日本もダメージが大きいですけどね) しかし世界的に市場が縮小していることを考えると、いつまでも日本のマーケットしか見ないという体質は本当にいいのか、というのは考えるべきかもしれません。

まあそういうわけで弊社の英語ページ、よろしければご覧下さい。英語ですけど。(^^)

http://www.hybridmusic.jp/English/index.html

これで海外と新たなビジネスに結びつくといいな、と思いますが...

 

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2010年6月17日 (木)

作家の権利を考慮した書籍電子化の議論を

さて、先日の記事である「iPad向け、本の「格安」電子化業者ーこれはまずいだろう。収益を得ている時点でもはや「私的複製」で はない」
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2010/06/post-65d0.html

に関連した動きについて述べます。

この件に関しては「この業者は{作業料}を徴収しているだけで販売ではない」と強硬に主張する人間がおりましたが、もっともこの男の場合は自分の主張云々よりも最初から「荒らし」が目的だったような気がしますが そもそも電子化しようとする「著作物」があるからこそ「電子化」しようとする意図が出てくるわけで、その意味では作者に許諾をえず(権利者に対する対価を支払わず)第三者が複写している事実に何ら変わりありません。これは裁断だろうが全部だろうが全く関係ありません。そこを理解できない人が多すぎますね。

そもそもこういう流れは今に始まったことではありません。まずGoogleの「電子書籍化」の問題があります。
Googleの書籍電子化、写真家らが「著作権侵害」と訴訟

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/08/news018.html

これは全米写真家協会(ASMP)など写真家・イラストレーターを代表する複数の団体が4月7日、書籍をスキャンしてオンラインで公開するGoogleの計画は 著作権を侵害しているとして集団訴訟を起こしたニュースですが、今後こういうことは増えていくでしょうね。

これというのも「著作権のグレーゾーン」-「個人で著作物を楽しむ権利」という部分が非常に一般の人にわかりづらく、曖昧の部分もあることに起因しています。自分で自分が楽しむためにコピーするのはOKだけど、それを友達にプレゼンとするのはNGー簡単にういえばそういうことなんですが、ここのところの理解が広まっていないというのがこうした電子化の問題、他人の著作物を勝手に公開していいんだという風潮を生んでいるように思います。

実はこの件では既に総務省、文部科学省、経済産業省の3省が電子書籍の規格統一に乗り出しています。3月17日に共同で「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」を開催。出版業界の代表者らを集め、 電子書籍をめぐる問題について協議をしていますが、前述のi-padの件はどんどん進んでいますので早急な取りまとめが求められますね。

電子書籍の規格統一へ政府が意欲、出版業界の代表らを集めて懇談会を開催

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20410725,00.htm

一方では作家の間にこういう動きが出ています。

出版社を通さずiPadに電子書籍 作家の瀬名さんら

http://www.asahi.com/digital/pc/TKY201006160478.html

これは作家自身が自らやっているので何の問題はないんですが、総務省、文部科学省、経済産業省のお役所仕事を待っていられない、という感じで自ら電子書籍を出そうという動きらしいです。

まあpdfなどの電子書籍というのは今後の新しいメデイアになる可能性は高いですが、そのために作家、権利者の権利を蔑ろにしていい事態はあってはならないと思います。インターネットは得てして無法地帯になってしまいがちで、ネットはそれでいいんだなどという人間がいますがビジネスである以上きちんとしたルールやコンプライアンスがないとビジネスとして定着しないと思いますIT関係者にもそこの部分を理解して欲しいですね。何度も書きますが「全ての情報やコンテンツは無料であるべきだ」という考えは情報化社会を必ず崩壊させます。

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2010年6月16日 (水)

コミュニケーションツール発展とは裏はらに希薄になっていく人間同士のコミュニケーション

実は一昨日の記事である「iPad向け、本の「格安」電子化業者ーこれはまずいだろう。収益を得ている時点でもはや「私的複製」ではない」
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2010/06/post-65d0.html

mixiの日記でも一般公開しました。

これは広く多くの人に著作権に関する意識や知識をもってもらおうという主旨だったのですが、始めは健全な「激論」だったのですが途中で大荒れになりました。ひとことでいえば発言者の1人が「荒らし」行為を始めたからなんですが、その人物は私や他の発言者の問いや、この発言者の主張の根拠等の質問には殆ど応えず発言者の揚げ足取りに終始し最後はこちらの発言にぶち切れるという、まあ典型的な「荒らし」のパターンですね。笑っちゃうほど典型的です。

こういうある意味理詰めの問いかけでぶち切れるのはこの手の人間にとってこういう「攻められ方」が最も都合が悪かったからですが、まあこのおバカさん、私のことを「シロウトが何をいうか?」とか「お前プロじゃないだろ?」とかまあいろいろ云ってくれました。(笑)

まあこういうバカになんて思われようがはっきりいって屁とも思いませんが、看過できなかったのは私以外の人間に対しても誹謗中傷を行い、さらに「もうこれでおしまいにする」などといっておきながらその舌の根も乾かない間に誹謗中傷の発言を繰り返したためにこの人物をアクセスブロックし、mixiの本部にも通報しました。もっとも最近のmixiの「警察」は全くあてにならない状況なので、まあやっても無駄だとは思ってますが...

実はこういう行為を繰り返すのは要は発言の応酬で最後に「自分が勝った」という実感を得たい、というはっきりいって極めて幼稚な動機からなんですが、実はこれは強烈な劣等感の裏返しなんですね。まあこういう行動を取る人物はだいたいは、社会的立場というか地位など0に等しく、これといった仕事の実績もない(つまりニートかフリーター)であることが多いんですが、西村ひろゆき氏などは「背負うものがない無責任な連中」と揶揄していまずが、まあその典型的なパターンでしょうね。

まあその辺りのことはだいたいわかっているんですが、こういう連中の相手は本当に疲れます。使わなくてもいいエネルギーを使ってしまうのですが、これを見てもいかに最近のmixiの会員の質が落ちているかがわかりますね。もう5年やってますが、本当に「荒らし」の常習犯、スパム業者、それ以外にアヤシイ人物、アブナイ人物が相当入り込んでいます。招待制から登録制になってからこういう傾向が余計強くなったでしょう。本当に困ったもんです。

私はmixitwitter等もやっていますが、確かにネットを中心としたコミュニケーションツールは増えました。しかし同時に非常に気になる傾向を感じます。それはコミュニケーションツールが発展しているにも関わらず、人間同士のコミュニケーションは寧ろ希薄になっていることを感じるのです。

ネットというのは顔が見えないだけに思考する事なしにその場限りの内容のないコミュニケーションになりがちで、以下のような傾向をよく見ることができます。

ニュースのヘッ ドラインのみを読んでニュースの全てを理解したと勘違いする

記事や掲示板の 過去のやりとりとかを全部読んでいないくせに発言の一部の言葉尻だけを捉えて発言(揚げ足取りも含む)

真実かどうか確かめもせずに他人の情報を鵜呑みにしてそれを吹聴する

・明らかに社会人としての常識がない発言になってしまう

他人の発言にすぐに切れる

要は断片的な情報のみで判断したり「理解したつもり」になってしまう傾向、コミュニケーションといっても極めて表面的なものに終始したりする傾向になってしまいがちだという点です。

しかもコワいのは上記のようなバカに煽られたり、からまれたりしますと自分も知らず知らずのうちにそのバカと同じ行動を取ってしまう危険性があるということです。私は自戒の意味も込めて次のような記事を書いています。

ネットでバカ扱いされないためにーこういう行動はやめましょう

http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20100425

私の大学の哲学者、故市井三郎先生は「歴史の進歩とは何か?」という著書で「進歩のパラドックス」というものを論じておられました。これはつまりテクノロジー等の進歩によって恩恵を蒙った面もあると同時に、それによって別の問題、副作用が生じそのことによって被害を蒙る人たちが生じた場合は(これを「不条理の苦痛」といいます)、それは進歩とはいえない、という風に考えそれを「進歩のパラドックス」と定義します。

つまりコミュニケーションツールが発展しているにも関わらず、人間同士のコミュニケーションは寧ろ希薄に なっている、人間同士できちんとしたコミュニケーションを取るのが苦手な人間が増えている、という現象はまさに「進歩のパラドックス」ということができるのではないでしょうか?なんていってもコミュニケーションツールが増えることによって、逆にコミュニケーションが希薄、もしくは殆どコミュニケーション自体が取れていないという皮肉な結果になるんですから...

twitterは私もやっていまして確かに楽しいですが、非常に「ゆるい」コミュニケーションだけに表面的なコミュニケーションになりがちです。最近はメールやブログも「短い文章がよい」という風潮が広がりつつあり、確かにコミュニケーションのスピードはあがりますが、ますます人間同士のコミュニケーションが寧ろ希薄になる傾向が強くなることを懸念します。

まあ私のブログ記事は見てのとおり長いので有名ですが(笑)  やはりさまざな点を要点だてて、しかもわかりやすくそして議論も内容のあるものにしようと思うとどうしても長い文章になってしまいます。そんなの読めるか、という人もいるでしょうが、私はしかし決して長い文章は悪いことだとは思いません。

コミュニケーションが希薄で表面的だから思考する必要もなくなり、ますます「思考停止」「想像力の低下」に拍車がかかるのではないか、という懸念です。それを考えると最近の短いメールがいい、短いブログがいい、という風潮は私は必ずしもよい傾向だとは思いません。実際一時あれだけもてはやされたmixiのようなSNSですら今やあのようなありさまですから...

日本人は特に流されやすい国民性を持っていますから、twitterが流行るといったらみんなそちらに流れますが、コミュニケーションツールを使いながら人間同士のコミュニケーションがより密接になるように考えることも必要なのではないか、と考えます。

まあとにかく「思考停止」「想像力の低下」によって冒頭のようなタイプの人間が大量に発生してしまったというのは憂慮すべき状況ではないでしょうか? さすがに私も今回は疲れましたが、しかし一方で何人かの友人から「知らない人が多いからこそ音楽関連コミュニティ内での発言ではなく 日記の全体公開で発言するのは効果的だと思います。 大変でしょうが、個人的には諦めないで続けていただきたいです。」とか「非効率で疲れるのが 民主主義ですから。日記を公開したら7人の敵がいると思って冷静に持論を 持続的に展開して欲しい」という励ましのメッセージもいただきました。ありがたいですね。

まあ今は私の中でああいうバカに対する精神的な嫌悪感が強いので、再度同じことをやるには少し時間が必要かな、という感じもします。まあ著作権などの知財に関する啓蒙は必要ですからね。しかし私は業界では長く仕事をしていますが、そんなに有名人ではないのでどうせ啓蒙するのならもっとビッグネームの方に表に立っていただいた方がいいと思いますけどね。例えばYMOの四人目のメンバーといわれる松武秀樹さんとか、参院選に出られる庄野真代さんとか、 いずれも私の大先輩で個人的にもお世話になった方たちですが...

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2010年6月13日 (日)

著作権とネットの「技術革新」の間で

昨日の記事は結構反響があったらしく当ブログのアクセスもかなり上がりましたが、やはり著作権、知財の扱い方がネットの中で新たなメデイアがでて来た時に、結果として権利を侵害させる方向に云ってしまう点が問題だと思います。

勿論、既存の権利を保護する法体系がそうした新たなメデイアが現れるときに対応しきれていない、という面は確かにあると思います。

著作権が「技術革新を阻害」という議論をネットの中でよく耳にしますが、多くは知財に対する対価に対するシステムを全く考慮せずに、結果として権利を阻害する ことを正当化するような議論がよく見られます、驚くべき話ですが学識関係者にすらイノベーションのためなら著作権を犠牲にしてもかまわない、と受け取れる発言をしている人物がいます。

しかし技術の推進はソフトウエアや知財を使う以上、然るべき「手続き」を踏んだ上で行われるべきではないでしょうか? その然るべき「手続き」= 技術推進を阻害、という短絡的な議論がこういう新たな知財販売を論じる際に少々多すぎる気がします。

私は昨日の記事の例のように新たなメデイアの出現や電子化がけしからん、などというつもりは毛頭ありません。しかしそれらは著作者、権利者に対する対価の配慮ー上でいう然るべき「手続き」-が行なわれた上で推進されるべきです。

この記事でpdf販売している業者は全くそのような「手続き」を踏んでいません。だから問題なのです。

これからも新たな電子の商品形態が出てくることでしょう。それに対してソフトウエア、コンテンツビジネスの発展のためにどのようにすればいいか、これをコンテンツ関係者の中で連携して考えていく必要があると思います。

いずれにせよ著作物、知財等の権利が損なわれないようにしながら、新たなビジネスの発展にも結び付けられるようにしなければなりません。

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2010年6月12日 (土)

iPad向け、本の「格安」電子化業者ーこれはまずいだろう。収益を得ている時点でもはや「私的複製」ではない

■iPad向け、本の「格安」電子化業者が出現
(読売新聞 - 06月12日 06:45)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100612-OYT1T00069.htm

まず、ここに「著作権」というものに対するよくある重大な勘違いが潜んでいるので、指摘しておきたい。

>>業者は「個人が複製するのは合法。個人の依頼を受けて代行しているだけで、著作権法違反ではない」と主張する。都内の別の業者も5月末に営業を始め、2日間で200人以上の申し込みがあったという。

ここに2つの大きな問題がある。

1.「私的録音」の定義

そもそもこの業者は「私的複製」というものを全く誤解している。

「私的複製」というのは「自分が楽しむため」のもので、あくまで「自分が自分で楽しむための」複製なのである。自分以外の第三者が複製する時点でもはや「私的複製」ではないのである。

つまり友人に「君のCDのコピーをちょうだい」と頼むのは実は著作権法では違法なのである。同じように他人の曲を自由に第三者にダウンロードするのも違法、つまり違法ダウンロードになってしまう。

つまりこの業者がやっているのは「私的複製」でも何でもない、明らかに違法な複製にあたる。

2.「複製」したもので「営業」をしていること

そして何よりもその「複製」によって収益を得ている点が問題だ。当然著作者の許諾も何も得ず、pdf化したものを第三者に「販売」している。

これは「海賊版販売」と何ら変わらない。

この業者はもう一度「著作権法」を勉強しなおした方がいい。mixiのニュースのコメントを見ても「どこが違法なの?」などといって業者を「擁護」している人が少なくないようだが、第三者が著作者の許諾を得ないものを複製して他人に渡す時点でもう違法、そしてそれを販売するのは「違法複製」であり「海賊版販売」以外の何者でもない。

おわかりいただけるだろうか?

だからこの業者は「訴え」られなければならないのである。
読売新聞社ものんきに記事を書いている感じだが出版社の端くれなのだから、それがわからないはずはないのだが...

ちなみにこれが依頼主「のみ」であろうが、広く一般大衆向けの販売であろうが何ら関係ない。また裁断だろうが、全部であろうがそれも全く関係ない。

また「料金」は電子化の対価だからいいじゃないか、などという人がいるようですが、そもそも「著作物」があるから「複製」のニーズが出るのであって、その「著作物」の著作者に対して何の対価を支払うことなく収益を出ている時点でもはや「海賊版」と全く変わらないのである。

ちなみに対価を「複製の手数料のみだ」などというのは海賊版業者のいい訳の常套手段でもある。


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2010年5月23日 (日)

MAC G5メモリー増設 フルスロットで8Gまで増設成功

先日もお知らせしましたが、音楽制作の現場で特にソフトシンセの環境を強化するためにうちにあるMACG5 Dual 2.5GHZのメモリーの残りのスロット2対に各1Gのメモリーを装着し、8Gの環境に増設することに成功しました。

増設作業自体は久しぶりで調べたら一昨年の10月以来ですから一年半ぶりですね。都合3度目の作業です。

とにかくソフトシンセというのはメモリーを食います。特にオーケストラを限りなく生の音に再生可能なVienaというソフトはとてつもなくメモリーを食い、しかもハードデイスクのメモリーも大量に必要とのことで今回の増設作業を思い切ってしました。メモリーも先日書いたように最後の在庫でした。本当に増設できる最後のチャンスだったといえるでしょうね。

今まで4Gあったんですが、これでもソフトシンセPro toolsを同時に駆動すると「予期せずに終了」 (T_T)が出てきましたので........

しかしメモリースロット、以前もそうだったんですがこれが結構装着が厄介で、インサートできたと思ったら以外に入っていなかったり結構手間取ります。最終的にはメモリーがきちんと装着できたかどうか確認するために、何回か立ち上げ→終了の作業を繰り返さざるを得ませんでした。 メモリーを入れる時基盤を左から右までゆっくり差し込んで装着できているか確認する必要がありますね。これだけスロットがあると以外に見逃しがちです。とにかく最後に基盤を押してみてパチっという音がしたかどうか確認する必要があります。

いずれにせよもうこれ以上増設できないところまでメモリーを拡張しました。

これでまた環境が不充分になったら今度はMAC自体を替えるしかないですね。
1TBの外付けハードデイスクも接続、これでMACの環境は大幅に強化されました。これでたぶん複数のソフトシンセを駆動できると期待します。

これから劇伴や映画音楽関係を強化し対応していきたいと考えますので、まあオーケストラ作品を作りたいという方はご相談下さい。

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2010年5月18日 (火)

ソフトシンセ環境強化のためHD交換とメモリーをフルスロットに増設

えー私はどちらかというと今でもハードシンセ派ではあるんですが、しかしやはり業務の流れや納品の操作性、そして凄まじいほどのコストダウン要求に伴い現行のMACG5 Dualをさらにメモリーをフルスロット(トータルで8G)にして、ハードデイスクも遅まきながらFirewire 400 800を両方装備している1TBのLaCie 3.5インチ 外付ハードディスク 1TB LCH-2D1TQに交換します。

今までのハードデイスクはスタジオ持込用と予備のメモリーストレージに使います。

特にこれから再び劇伴系のサウンドも強化しようと思っていますからBFDViennaが両方同時駆動できるようになるといいですけどね。

Macのメモリー増設Firewire 付のハードデイスクも今やっておかないと、もうやりたくてもできない状況になると思いますので、 ちなみにMacのメモリースロット2対はいずれもメーカーの最後の在庫でした。ギリギリセーフ、という感じでしたね。

音楽業界不況といわれていますが、仕事環境は強化して今後の業務に励もうと思います。

Mac ソフトのことなら act2.com

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2010年5月 9日 (日)

NECの違法コピー映像識別技術でコンテンツの違法コピーが減ることを期待

さて、先日の私の「音楽業界衰退の原因は音楽の消耗品化」が主原因という記事を書きましたが、

音楽業界衰退の原因は「音楽の消耗品化」が主原因

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2010/04/post-8706.html

一方でネット上の違法コピーの実態がかなりひどいのも事実 であります。

そんな中我々コンテンツ業者にとって大きな味方になりうる技術が開発されました。

■NEC、瞬時に違法コピー動画を発見できる映像識別技術を開発 ~ 2秒程度の短いシーンでも正しく検出
http://www.rbbtoday.com/article/2010/05/07/67486.html

=========================以下===引用=================================

日本電気(NEC)は7日、インターネット上で違法にアップロードされたコピー動画を、瞬時に自動検出可能な映像識別技術を発表した。

 今回発表された技術は、オリジナルの動画から映像を識別するための指紋情報(ビデオシグネチャ)を生成し、他の動画と照合するもの。これによ り、単にコピーした動画だけでなく、テロップ挿入やカメラ撮影、アナログコピーなどデータ改変をともなっている動画でも、高速・高精度に検出可能とのこ と。

<中略>
なお本技術は、ISO/IECの合同技術委員会において、動画の識別方法に関する国際標準規格「MPEG-7」の補足として規格化される見込み だ。4月 19日~23日にドイツのドレスデン(Dresden, Germany)で開催された第92回ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11(通称MPEG)会議においてISO/IEC 15938-3/Amd.4最終規格案として承認されており、今後、ITTFによる加盟国投票を経て、9月頃正式な規格案として発行される予定だ。

=====================================================================

今テレビ番組が放送されたらほどなくYou tubeにアップされるし、DVD発売した映像も同様。 またYou tubeからのmp3違法ダウンロードは当たり前のように行なわれています。

ネットではいまでもコンテンツに関する嫌儲(「けんちょ」と一応読むらしいーネット用語なので) がもっともらしく論じられ、ネットにアップされるコンテンツは「タ ダで当たり前」などという考えがあたかも正論であるかのように大手を振って罷り通っている。

余談だが先日私に「荒らし」を仕掛けた人物もアクセス解析からかなり強硬な嫌儲論者である可能性が高いことがわかりました。どうも私は嫌儲論者池田信夫氏の熱烈な支持者, MIAUの支持者からもはや敵視されているらしいです。そこまで私は影響力のある人間ではないのですけどね。

もし本当に違法コピー対策に効果があるのであれば、これは画期的といっていいと思います。いずれにせよ我々コンテンツ業者にとっては朗報といって いいでしょう。

ちなみに動画だけでなくサウンド、音楽に関してもこの技術は応用可能なのだろうか。原理を考えるとちょっと違うきもしますが...

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2010年5月 7日 (金)

mixiでの募集と応募ー事実上死んだソーシャルネットワークの機能

昨日クライアントから急な案件が発生し急遽ショパンの曲による「クラシック」音源が必要になりました。これはある展示会でお客様に配るうちでよくやっている販促用のノベルテイCDですが、納期が何と5月24日(!!!)  もう今から製作を始めないと間に合わない。

うちはこういう場合とあるクラシック関係の音楽事務所と提携して音源を供給してもらっていますが、実はその事務所はあまりショパンの音源はありません。ということで急遽募集したり関係各所手当たり次第聞いてみることにしましたが、やはり日程的にも無理があると判断し、今回の案件は断念いたしました。
関係者の皆さんにはお手数とご迷惑をおかけいたしました。m(_ _)m

まあこういうことはよくあるんですが、やはり泰山鳴動でねずみも出ず、という感じで結構疲れてしまいますね。

しかしそれだけならまだいいんですが今回あるそのクラシック音源を募集のためにmixi内の音楽関係のあるコミュに募集記事を書いたら「荒らし」に合いました。その男いわく「商用関係の記事」 をアップするのはmixiの規約違反だ」といっていますが、確かにmixiは「商用利用」を禁止する条項が規約にはありますが、そのための人材募集や音源 等の素材を募集するのは禁止していないはずで、そこまで禁止したらそもそもソーシャルネットワーキングの機能そのものも否定することになってしまいます。

実はこれに関してですが、mixiの音楽関係で一万人を超える参加者がいる「音楽の仕事」コミュが今月の20日を持って閉鎖されます。
「音楽の仕事」コミュ(リンク有効2010年5月20日まで)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=404515

原因は音楽関係の掲示板の「荒らし」の常習犯といってもいい人物が繰り返し同じトピックをアップし続け、それだけならまだしも、問い合わせた人間に対して繰り返し暴言や嫌がらせ行為を行なうためトピックで炎上状態になり、一時は本当に見るに耐えない状態になってしまいました。このコミュの管理人も たまらずmixiの音楽関係でも人気のあるコミュを閉鎖という苦渋の選択をせざるを得なくなったようです。
ちなみにこの男、Musicjob.net なる音楽の掲示板
http://musicjob.net/
でも繰り返し炎上させた「実績」があります。まあMusicjob.net なる掲示板自体も正直あまり良くない掲示板なので、私自身はあまり関わらないようにしていますが

このmixi「音楽の仕事」コミュは極めて有用なコミュで私も多くのミュージシャンとのつながりを作ることができたんですが、それだけにとても残念な事態 になってしまいました。

もし音楽の仕事での募集案件を「商用の行為」というのならそもそも「「音楽の仕事」コミュの存在事態が規約違反なんてことになりますが、コ ミュ自体が5年続いていることからこういった募集自体が「規約違反」でないことは明白でしょう。

それにしても今回の募集の「荒らし」にしろ、「音楽の仕事」コミュの「荒らし」による閉鎖にしろmixiでは応募することも募集することも非常に リスクの高い行為になってしまいました。

あえていいますが、

もはやmixi内ではソーシャルネットワーキングの機能が事実上死んだ。

といってもいいかもしれません。

まあ今回の「荒らし」を行なった人物、mixi歴は長いようですが、参加するコミュの数は多いけれどマイミク(My space のFriendに当たります)の数は一桁、と参加年数が多い割には極めて不 自然な状態で、しかもプロフィールにはほぼ何も書いていないに等しい内容ー ということで「業者」の可能性もありますね。

私にちょっかい入れたのも「業者の縄張り争い」からですかね? だとすると私が彼ら業者により「同類」とみなされたことになり私にとっては心外極 まりないことですが、それだけmixiは事実上「業者」に支配されている、ということですかね?いずれにせよ非常に不愉快です。

というわけでこれからは今回のような音源やミュージシャンの募集等はマイミクさん(My space のFriendに当たりますーSNSでつながった人たち)のみを対象としたものにして、以後mixi内のコミュでの募集等は一切行なわないことにいたします。

まあ今日のようなバカは適当にあしらってればいいんですが、こういう奴らにかまうほど私は暇人ではないんで、募集の度にいちいちこういうことが起きたらうざったいんで...

またmixiの募集も確かにアヤシイのが増えました。困ったもんですね。

ちなみに私は以下のような書き込みは応募しない方がいいと考えます。

1.繰り返し同じ内容の募集がアップされる。特に同じコミュニテイ(掲示板)で繰り返しアップされる場合は不自然なので、応募しないほうがいいで しょう。

2.応募者が多数いるはずなのに、いつまでも募集を続けるトピック
  (無理な募集をしているか、別の目的で募集しているか)

3. 募集内容に何ら具体的な内容がない。何を目的に募集してどういうものをのぞんでいるのか明確でない。-特に「オイシイ」内容のことだけいっ て何ら具体性のない募集は詐欺である可能性が高い。

私もmixiとのつながりは完全にマイミクさんのみに限定するかもしれません。
とても残念です。

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2010年4月29日 (木)

Mpeg2レベルの映像のダウンロードーこの状況を見てブルーレイなどいらないなどと誰が言うのか?

さて、弊社は音楽制作だけでなく「サウンドコンテンツ」の仕事もやっていますがその中でe-learning用のサウンドコンテンツ(ボイスオーバー)とFlashやwebの映像用のサウンドコンテンツの制作も行なっております。

本日はその映像用のサウンドコンテンツの制作で、映像のボイスオーバー(吹き替え)を行なう際、普通に原稿読んだら映像に合わない場所が出てきたため原稿修正のもので再収録をもう連休に突入したにも関わらず行ないました。

作業自体はすぐに終わりまして、ボイスオーバーの音声ファイルをFTP納品です。

さて、この仕事の際実は発注元から映像を毎回ダウンロードします。それもMpeg2の画質のもので
5分程度のMPEG2をダウンロードするだけで一時間以上かかりました。 うちは光ファイバー1GでMacのG5dualのパワーのCPUでもこれだけかかります。先日実は30-40分の別件のMpeg2映像ファイルをダウンロードしたら6-7時間かかりましたね。この様子だと映画一本(2時間)まるまるMpeg2でダウンロードしようとしたらどれだけ時間がかかるのでしょうか?

以前ITメデイアか何かの記事だったと思いますが、ある
ITジャーナリストこれから配信の時代だというのにブルーレイのような記録メディアにこだわる日本のメーカーは愚かで嘆かわ しいと発言したのを聞いたことがあります。
しかしそのジャーナリストはMPEG2レベルの画質の映画をダウンロードした経験があるのでしょうか? ブルーレイならば当然Mpeg2レベル(それもハイビジョン)の画像ですが。実際本当にダウンロードした経験があるのならそんな発言は出ないと思いますけどね。

 まあITジャーナリストの大半は今でもそうですが配信を絶対視する傾向がありますけど、音楽だってオンキョーのような24bitのハイファイ配信は例外として現行の環境ですとやはりmp3レベルの音質の配信が現実的。しかも音楽配信自体が売上が下がり始めてきていますから「音楽配信の神話」も既に崩れてきています。

まさかWindows mediaやYou tubeで配信されている画質がMpeg2よりすぐれているなどど、まさか云わないとは思いますが、どうも
ITジャーナリストたちの主張を見ているとそう思っているのではないかと勘ぐってしまいます。いずれにせよ配信があるからそれを持ってブルーレイは無用の長物などと決め付けるのは、いかがなものでしょうかね?

そういう点を見ても彼らの配信に関する、あえていいますが思い込みはいかに非現実的なものであるかといっていいと思います。

しかし配信に関する信仰は
ITジャーナリストという人たちがさんざん煽ったせいか、まだなくなった感じがしませんね。ブルーレイに関する動きが一向に盛り上がらないのが気になります。


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2010年4月14日 (水)

インターネットプロモーション戦略の見直し

さて、当ブログをよく読んでくださっている方は私がアーチストに関してのロングテールなマーケテイングや「癒しの音楽チャンネル」というネットラジオ等でインターネットプロモーションに関してさまざまな試行錯誤をしてきたことはご存じだと思う。

もう4年前の記事になる「音楽業界の現状と将来、そしてある取るに足りない者からの業界への提言」はいまだにこのブログのアクセス数のダントツになっているが、正直いってこの記事を書いた当時はインターネットの持つ可能性に大きな期待をもっていたし、ネットの中に渦巻いていたインターネットが世の中を変えるという可能性も視野に当時は入れていた。

しかし「可能性」は結果としては大きな期待はずれに終わったのは確かである。先日もウェブはバカと暇人のもの (光文社新書) を書いた中川淳一郎 さんの新著「今ウェブは退化中ですが、何か? クリック無間地獄に落ちた人々 (講談社BIZ)」 を読んだが、ネットは確かに便利なツールではあるけど、「本を読まない、想像力のないバカで暇人」によって著しく情報の質が落ち、「暇人」たちの気に食わない言論を「攻撃する」ことによって言論封鎖を行なう、という意味でははっきりいって危険な空間ー恐怖社会に近いーになってしまっている。何よりも「今 ウェブは退化中ですが、何か? クリック無間地獄に落ちた人々 (講談社BIZ)」を読んだときにコンテンツ屋としてネットにコンテンツを流す、という面では絶望的な感じすら受けてきた。(ちょっと今度のは前回以上に口汚いのが気になるが..)

ひとことでいっていまだにネットの中に根強く存在する「ネット万能論」というのは全くのナンセンスであり大嘘である。実はよく見ると「ネット万能論」を唱えているのはITジャーナリスト(IT企業家含む)とどちらかというと「バカで暇人」の2種類だということがわかる。普通にネットユーザーとしてさまざなツールを使っていれば、彼ら「ネット万能論者」の主張がいかに非現実的であるかはまともな知的水準を持っている人ならわかるはずだ。

この中でITジャーナリスト「ネット万能論」を唱えるのは仕方がない。彼らはそれが仕事だからだ。実はITジャーナリストの大半は「スポンサー」がいてその「スポンサー」を代弁するのが仕事だからである。ジャーナリストが雑誌や新聞の原稿料だけで生活していくのは不可能に近い。原稿料など微々たるものだからだ。ジャーナリスト活動をする場合、たいていの場合は別の仕事があるか、「スポンサー」の代弁者となるか、あるいは先日犠牲者が出てしまったがフリーカメラマンもかねてアフガンやタイのような「大手会社が派遣できないような危険地域」に自ら潜入して取材するか、3つのうちのどれか1つを選ばないとジャーナリストとしては生きていけない。これがジャーナリストの現実である。

3つのうちの一番最後は生命の危険を百も承知の上でやるわけだから、私は心から敬意を表するが(それでも相も変わらず「自己責任」とか「国民に迷惑をかけている」などとバカをいっている救いようのない人間が多いのは呆れるが..) しかし3つの中の二番目の例ー実はこの例が一番多いのだがーこういう連中が世論とかに影響を与えているのが問題で、「ネット万能論」がこれだけ真実であるかのように広まったのも彼らの「功績」である。彼らは例え嘘だとわかっていても「スポンサー」の意向で「ネット万能論」を語らざるを得ないのだ。それで生活しているのだから.... だからITに限らないがジャーナリストの主張を鵜呑みにするというのは非常に危険なのだ

一方ネットで「ネット万能論」信奉する『ネット教信者』は中川さんが指摘しているように「バカで暇人」もしくは「B層」といわれている人たちではないだろうか? ちょうど「ホリエモン」は社会の改革者であることを無邪気に信じ込んだ人たち、あるいは竹中や小泉の「新自由主義」が自分たちを豊かにする、という何の根拠もないことを信じ込んだ人たち。たぶん「ネット万能論」信奉する人たちの大半はこの2つの説を信じ込んだ人たちではないだろうか? 

まあ「バカで暇人」についてはその辺にしておこう。要はインターネットというのは安くて便利なツールである。それ以上でも以下でもない。だからネットプロモーションについては以下の考え方でじゅうぶんである。

1.安価で告知はできる。しかし一部の分野(オタク系、B級ネタ、Hネタ等)を除きたいていの場合はサブカルチャーレベルまでのプロモーションがせいぜいである。

2.ネットで自由にダウンロードできるようにすることは「プロモーション」にはならない自ら進んで権利を捨てるようなものである。

3.ネットでは一部の分野(オタク系、B級ネタ、Hネタ等)を除きマスに対するマーケテイングはできない。但し企業間取引、一対一の取引なら非常に有効なツールである。ネットはパーソナルなメデイアであってマスメデイアにはならない。よってネットがマスメデイアを凌駕するものにはなりえない。

4.ネットで告知してもイベントの動員にはつながらないことが多い。

5.ネットで情報を流す場合、少なくとも自社内の情報のコンプライアンスは厳しすぎるくらいでちょうどいい。MIAUがこれに対して何と言おうが個別の会社の方針に口を出す権利はないはずである。

これを見て私の音楽業界の現状と将来、そしてある取るに足りない者からの業界への提言」の時代からネットに関する考え方が大きく変わったことがおわかりだろう。残念ながら5年間あらゆることをやってきた結論がこれである。

ネットは確かに安価に告知はできる。たいしたレベルではないが情報は発信はできる。しかしそれ以上のものではない。過剰な期待はかけられない。 これが結論だ。

だから別の話題性等の「リアル」な仕掛けが必要である。結局「リアル」の部分を主にしないど駄目なのである。


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2010年3月18日 (木)

「パ・リーグがネット中継有料化へ」に見るネットコンテンツのありかた

パリーグが今季4月以降のリーグ公式戦とセ・パ交流戦(パ球団主催分)、パのクライマックスシリーズについて、これまで無料で配信していたインターネットの生中継を 有料化するという

【プロ野球】パ・リーグがネット中継有料化へ

http://sankei.jp.msn.com/sports/baseball/100313/bbl1003130130000-n1.htm

あえていおう、今まで無料にしていたこと自体がおかしい。おばかさんの多い2ちゃんでは「無料だからみていたのに」などとブーイングが出ているようだが
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1268811853/

情報もコンテンツも全てがタダであるべきであり、それがネット社会を発展させる唯一の方法である、などということがいまだにあたかも正論であるかのように語られている。だが、何度もいうが「タダ」というのは価値がない、ということである。
ネットの情報やコンテンツが全てタダになるということは、ネットには価値のない情報とコンテンツのみ存在する、というのと同じことであり、それはネット内に信頼性の薄い情報やクオリテイの低いコンテンツのみが存在する世界へと導く。そしてそれは結果的にネットの情報社会を崩壊に確実に導く。

ちょっと考えればわかりそうなことなのだが、こんな簡単なことを理解できない人間(驚くべきだが学識関係者にすらいる)がなぜこんなにも多いのか、と思ってしまう。

だが、この2ちゃんに出ている「無料だからみていたのに」というのはネットユーザーの多くの本音かもしれない。しかし「無料のコンテンツ」というのは結局のところ「無料なりの」扱いしか受けないのだ。当然のことだが対価を払わないものに関しては、そのコンテンツを大切にしようなどどは到底思わないから、用済みになったら簡単に捨てられてしまう。だから何度もいうが「無料のコンテンツ」の殆どは最終的にはゴミかゴミ同然の扱いしか受けないものなのだ。

その「無料のコンテンツ」大量に配布しているうちにそのコンテンツの価値を理解し結果的にそのコンテンツのファンが増えていく、などという理屈があたかも規定の事実であるかのように語られているが、3年間ネットラジオやネットプロモーションのありとあらゆることをやってきた私の実感からするとその理論は幻想に過ぎない、といっていいと思う。

まあ「無料のコンテンツ」(例えば音楽)を何回も聞いて、その音楽のアーチストのファンになる可能性はない、とはいわない。

但しそれが起きる可能性は極めて低い、と断じざるを得ない。

つまり0ではないが可能性は限りなく小さいのだ。

残念ながらこれがここ5-6年、特にネットラジオなどを始めとするネットプロモーションのありとあらゆることをやってきた私の実感である。私のやっている「癒しの音楽チャンネル」というネットラジオ、熱心なリスナーも勿論いるが私のみるところ「タダだから聴いている」というリスナーがだいたい8割近くいるだろうと踏んでいる。

いい加減コンテンツを無料にすればよいプロモーションになりファンが増えるとか無料にすればコンテンツプロバイダーにもメリットが出るなんという幻想を捨てたらどうだろうか?

パリーグ、そりゃ巨人戦などと比べれば確かに人気はないかもしれないが、立派なプロフェッショナルなプレーを見せるクオリテイの高いコンテンツである。これを今まで無料にしていたこと自体がおかしいのだ。

ちなみに地域の制約で日本で見ることはできないが、アメリカ国内ではメジャーリーグの試合を全試合、ネットで見ることが可能である。(勿論有料ー月$20(\1800くらい)年間$995(\9000くらい))
http://mlb.mlb.com/mlb/subscriptions/index.jsp?product=gameday


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2010年2月24日 (水)

むなしい Mac G5 のシステムアップ (T_T)

我々音楽人は今でも基本的にMACを主体に作業をしています。今MACの最新バージョンはOSX10.6Snow leopardですが、Macは基本的に我々の業務のワークステーションであり無条件に最新のシステムアップをすればいいというわけではありません。

今までうちの作業場のpro tools  MacのOSが10.4.8のTigerpro tools バージョン7.3.1で快適に動いていました。しかし詳細はまだいえませんがMA作業のようなことをやる必要性が業務の中で出てきてそれはM-peg2での作業が必要になってきました。具体的にはM-peg2を使ったMA作業(MA= Multi Audio作業)をやる作業でM-peg2の映像はいじりません。普通MAはQuicktimeムービーで作業してから各映像のファイル形式に変換していきます。この場合クライアントがM-peg2形式での納品を指定してきましたので、M-peg2形式に変換しなければなりません。

しかしQuicktimeは基本的にM-peg4しかサポートしておらず、その作業を行なうにはQuicktimeM-peg2の再生コンボが必要になりますが、それが動作する最低条件は10.4.10。 そのためシステムアップデートが必要になりました。しかし問題はpro tools はMacのTiger の10.4.11をサポートをしておらず、動作が不安定、立ち上がらない場合もあるという話だったので、このシステムアップにはかなり躊躇しました。しかし最近 digidesign社よりMACのTiger10.4.11にシステムアップしてしまったときに対応するパッチができましたので、かなり不安だったのですがそれをダウンロードしたら何とか無事動きました。

■M-peg2再生コンポーネント
http://www.apple.com/jp/quicktime/mpeg2/

■Mac OS X (Tiger)対応Pro Tools LE 7.3.1cs8アップデート
http://www.digidesign.com/index.cfm?langid=5&navid=54&itemid=36872

これによって無事pro toolsも動いてQuicktimeM-peg2の再生コンボをインストールして無事pro toolsでのMA作業ができると思いきや、今度は別の問題が発生してしまいました。

作業はクライアントからもらったM-peg2形式のファイルをMA作業で加工するものですが、実はM-peg2の再生で大問題。映像は再生できましたが、何と音声が出ない!!

調べたら同じ圧縮でもM-peg4M-peg2 はかなり違うようで同じquicktimeでもデコードの際かなり違うらしいのです。いろいろ調べたら同じM-peg2形式でも音声が再生される場合とされない場合があることがわかり、ビデオファイルがXviDAC3(オーディオ)で圧縮されているとすると、動画自体を再生するできる可能性はあっても音声が再生されない場合があるようです。

pro toolsでのMA作業での映像書き出し(パウンス)はmovファイルですのでM-peg2形式に変換するにはフリーウエアでは

Mpeg Streamclip 

http://www.squared5.com/ 

もしくはFinal Cut studioCompressor

http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/compressor/

を使いますが、今回の場合なぜかMpeg Streamclip M-peg2形式に書き出そうとしたらエラーが出てしまいました。

AppleのQuicktimeサポートに問い合わせてみたら結局この状態は解消されない、とのこと。特にどこで編集された映像かわからない場合オーデイオAC3形式かどうかなどは表面的にわかるはずがないし、そもそもMACもQuicktimeM-peg2 で作業することを想定していない、ということがわかりました。

結局Windowsでの編集ソフト(ホームビデオ編集ソフト)が一番問題なく作業できることがわかり、これだけ大騒ぎしながら結局MAC、pro toolsでのこのMA作業を断念せざるを得ませんでした。ただWindowsの編集ソフトで音声の作業はできますが、さすがにpro toolsのような細かい作業はできません、フェーダーの位置も憶えてくれずプロ用としてはきついので、これが本格的に仕事として回ってくる場合はきちんとしたアプリケーションをWindowsベースで導入せざるを得ないかもしれません。

それにしてもあのシステムアップ、M-peg2再生コンポーネントまで有料で導入したのに全てがただのから騒ぎでした。crying

しかしこの仕事がうまく流れるようになれば私の会社の新しいコンテンツ事業になるのでそのための環境を整備したいと思います。

しかし疲れたーsweat01

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2010年2月13日 (土)

ラジオ局 ネット配信本格化へ

ラジオ:ネットで番組配信 在京、在阪13局本格参入
http://mainichi.jp/select/today/news/20100213k0000e040056000c.html

在京、在阪の大手民放ラジオ13局が、インターネットによる本格的な番組配信を始めることが13日、わかった。

 参加するのはTBSラジオ、毎日放送などAM、FM、短波の民放ラジオ局。3月15日からCMを含む通常のラジオ放送と同じ内容をネットで同時刻 に聴けるよう試験的に実施。今秋、本格的な配信を目指す。

 若者のラジオ離れや高層住宅などAMの難聴取エリアが増えるなか、パソコンで番組を聴く機会を広げることで、リスナーを増やすのが狙い。

 インターネットでのラジオ同時放送はこれまでも検討されてきたが、放送免許で規定された首都圏の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)と関西の2 府2県(大阪、京都、兵庫、奈良)でしかパソコンで聴けないシステムが開発され、著作権団体とも調整できたことから実現した。

最近の若者は殆どラジオを聞かない。日本人でラジオを聞くのはせいぜい30代後半くらいまでで、それ以下はpodcastを始めipodで音楽を聴く。

だからネットラジオなら若い人を始めより広い層に音楽を届けられるのではないかと考えネットラジオ「癒しの音楽チャンネル」というものを始めた。(現在podcast 四万五千人) 勿論思ったほどのメデイアには残念ながらまだなっていない。

これというのもJASRACを始め著作権に関する規定の合意がない、というのもある。しかしここで問題なのは放送免許地上波という関係で地域限定いう規制が残っている点である。実はこの「地域限定」はネット時代では殆ど無意味である。実際U-senを通して東京でも大阪のFMを聴くことが既に可能だし(J-waveなどは既に実質U-senで全国で聴ける)i-tunesの「ラジオ」チャンネルでアメリカのラジオをそのまま聞くことももはや可能である。ラジオ局側も全国で聴かせたい、というのが本音ではあるまいか

ここにはやはり既得権益を守ろうという思惑が感じられる。局の方ではなく官僚側にだ。そこに許認可権がからむからである。こんなもの放送法第2条の2第2項第2号の規定を改正すればいいだけである。つまり放送法に定められている放送普及基本計画(昭和63年郵政省告示第660号)及び一般放送事業者の行う超短波放送のうちの外国語放送を行う放送局の放送対象地域(平成7年郵政省告示第52号)に於いて定められている部分を変えればいいだけである。インターネットの時代でこれを守ることがどれだけの意味があるのか、ちなみにコミュニテイ放送にはこの規定がない、だからどのコミュニテイ放送もネットラジオをやりたがるのだ。日本のテレビの地上デジタル放送にしても結局それだ。本当にそれでいいのか?

ちなみに日本はなんだかんだいってまだAM放送の方が圧倒的に強い。

2008年10月度のラジオ聴取率の結果からみても

1位;TBSラジオの1・4%
2位:ニッポン放送の1・1%
3位:NHK第1とJ―WAVEが0・9%
5位;文化放 送の0・8%

(ビデオリサーチより)

FMコミュニティ放送は殆どが0.1%く らい!!

FMはともかくAMラジオのコンテンツの内容を見ると,例えネットで聴けてpodcastingができたとしても若い人が聞くかは正直疑問ではあるが...

とにかくネットラジオを運営している者としては、地上波ラジオにないコンテンツでクオリテイの高いものを配信していくしかない。

でもネットラジオはまだまだ日本では低く見られている。実際ネットラジオと聴いただけでバカにする業界関係者も少なくない。そんなネットラジオを民放のラジオがやりたがっている、というのは何か皮肉な感じだが...

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2010年2月 8日 (月)

Little Lover 2nd-明日への扉がi-tunesと着うたで配信!!

さてリトルrバース2ndのテーマだった「明日への扉」ですが、この度ファンの方の熱い要望に応えまして、Little Lover 2ndのテーマ曲の「明日への扉」のオリジナルバージョンをi-tunesGigaの着うたで配信いたします。

Little Lover 2ndは伝説のパソコンゲームで恋愛シミュレーションゲームー現在の萌え系、ギャルゲーの魁となった作品でLittle Lover 2ndのテーマソングの「明日への扉」はファンの皆さ んの間で「幻の名曲」と評価をいただいた曲です。

明日への扉「オリジナルバージョン」サンプル

Apple i-tunesにて音楽配信中!!
i-tunes Apple storeに行く
着うた配信中!!!!
Qrcode_asu_ll
携帯専用サイトです。
QRコードを携帯に読ませるとダウンロードサイトに行きます。

是非皆さんダウンロードして下さい。

大野恭史
明日への扉(Little Lovers2nd オリジナル) 好評配信中!!
パソコンでi-tunesからダウンロードするにはお客様のPCにi-tunesとquicktimeがインストールされている必要があります。
i-tunes及びquicktimeのダウンロードはこちら ちなみにリトルラバースとはこんなゲームです。

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2010年2月 3日 (水)

これからのネットへの取り組み方

何度も書くが先日のウェ ブはバカと暇人のもの (光文社新書) で日頃ネット戦略で感じていたこと、思っていたことを確信に変えたし今までのネット戦略を変更させるダメ押しの決定打にもなった。結論からいってネット戦略を考えるにあたり以下のことを前提にすべきである。

1.インターネットはマスメデイアでなくパーソナルなメデイアである。従ってインターネットが地上波のテレビ等のマスメデイアに完全に取って代わるものではありえない。

2.インターネットでプロモーションできるレベルは基本的にはサブカルチャーレベルまでである。それ以上のレベルに行くとすれば「B級ネタ」のみで、インターネットで
ブランデイングすることはできない。

3.インターネットユーザーやマーケテイングを「性善説」で論じるのは非現実的であり、それを前提に政策や対策を取ると必ず失敗する。

4.BtoBのマーケテイングには向いているが基本的にはB to Cのマスに対する
マーケテイングにはネットは向いていない。

5.そして何よりもIT技術が出てきたから即、社会の革命(いわゆる情報革命)になるのではない。我々はインターネットという仕事に使える便利なツールを得た、それ以上でも以下でもない、という点である。


自分自身の反省でいえば
ネットに過剰な期待をし過ぎていたという一言に尽きる。ネットで告知するのが無駄だとはいわないが過剰な投資をしても回収できる可能性は低い。ネットの原則はいかに最小限の投資で最大限の結果を出すようにするか、を絶えず考えることである。

例えばホームページでフラッシュを入れて「カッコイイ」ウエブサイトにして何十万もかける、というのはいかがなものか、とも思う。これは自己満の世界でしかないのではないか。ユーザーは情報をウエブサイトに求めているのであって、フラッシュを長々と見せられるのは正直「うざい」とすら思う。ウエブ制作会社からすればお金を取れる部分なので提案はしてくるだろうが、あまり効率的な投資とは思えない。同様に有料のECサイトに多額の出展料を払うのも、分野にもよるだろうが多くの場合経験上回収できるレベルまで行かない。なぜならネットはマスに対するマーケテイングには基本的には向いていないからである。

さて以上のことから弊社としてどのようにネットを使った戦略を行なうか、だがネットは従来通り
B to Bに関しては有効だと思うので、それに関する対策を継続する。昨年はリーマンショック後ということもあり低調に終わったが今年は昨年よりは良くなることを期待したい。

アルビントフラーやP.F.ドラッカーのいう「情報革命」というのが本当に起こるかどうかはわからない。仮に起こったとしてもすぐには起きそうにないし、少なくとも今のITからは起きないだろう、というのは昨今の現状から見て明らかである。もうIT革命という言葉に充分すぎるほど翻弄されてしまった。とにかくIT業者やITジャーナリスト連中の口車にはあまり乗らないことだ。

ひとことでいって「こんなもん」「こんな程度」のものである。多額の投資をするほどのものではない。


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2010年1月28日 (木)

改正著作権法"ーダウンロード違法化について

さて、ご存じの方も多いでしょうが今年に入って権利者に無断でアップロードされている音楽と映像を、違法ファイルと知りながらダウンロードする行為が違法とする"改正著作権法"が施行されました。

業務等の都合で記事のアップが遅れたが、一応当ブログも音楽業界の今後に関するブログなのでこれに関する私の見解を述べさせていただく。しかしその前にインターネットに関する私の考え方がここ数年で大きく変わったことを告白しなければならない。

まず私もネット草創期にはインターネットの可能性に大きな期待をいだいていた人間で、インターネットによってお金をかけずにメジャーと同様なプロモーションが可能になるのではないか、という大きな期待を持っていた時代があった。つまりネットによるブランデイングが可能なのではないか、という期待を持ってさまざまな試行錯誤を続けていた。しかし先日の私の記事インターネットによるブランデイング敗北宣言」にも書いたが、それらは残念ながら幻想に過ぎないことを痛感した。これはマスメデイアで流れている「ネット万能論」「IT夢物語」への私自身の決別でもありネットの本当の実情を目の当たりにしたうえでの結論である。

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)  の中川氏も伝えているように、ネットの現状は非常にドロドロした「B級的」なものであり、マスメデイアで流れている「ネット万能論」「IT夢物語」は実情からあまりにもかけ離れたものであることは実際にサイトやブログ等を運営していて肌で感じていることである。それに関する私の見解や中川氏のこの本を支持する人たちの見解をまとめると以下のようになる。

1.ネットで受けるものは基本的に「B級ネタ」で俗っぽい

2.基本的にはバカで暇人がネットの影響力や発言力を担っている。

3.西村ひろゆき氏がいうように「ネットの基本技術」は出尽くしており、もはや新たな技術は生まれない。   

上記の3についてだが、個人的には「ひろゆき」こと西村ひろゆき氏は好きではないのだが、しかし自らの管理経験からネットの実情はよく理解している。「ネットの可能性」を云う人がいるが実はネットの基本技術はもはや出尽くしており、あとはどれだけ高速になるか、どれだけ機能が組み合わさるかの違いでしかないことは昨今のパソコンの現状を見て明らかである。つまり「ネット万能論」「IT夢物語」が流れている一方で実情、実態を見ると我々はインターネットの基本的な雛がたはほぼだいたい出尽くしているといっても過言ではない。

さて、これを踏まえていうが、私はこのダウンロード違法化での権利者側とMIAUを代表しての津田さん、そして主婦連合会の方との議論で過程で漏れ伝わっている内容は私も読んできて思うに、(ITメデイアの記事だが..)やはりMIAU側の人にまだ「ネット万能論」的な見解を強く持っているという感を払拭できないのだ。(特にMIAUの白田秀彰法政大学准教授にはそれを強く感じる) 

勿論インターネットの新たな可能性を摘んでしまうのでは、という議論はわからないではない、だがMIAUの人たち全体を見ていて思うのはやはりネットのドロドロした部分、醜い部分をあまり見ていないような印象を持っている。

詳しくは以下の記事をお読み下さい。

■「ダウンロード違法化」なぜ必要 文化庁の配付資料全文
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/20/news110.html

■反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/18/news125.html

つまりMIAUはネットユーザーを性善説で論じているようだが、先ほどのウェブはバカと暇人のもの  の中川氏の本にも指摘してあるように,またネットの現場の実態を客観的に判断しても「ネットとユーザーに対する性善説、幻想、過度な期待は捨てるべき」である。MIAUの人たちの主張を見ているとどうしても「ネット万能論者」の集まりに見えてしまう。この人たちは2ちゃんやmixiだけでなくネットのドロドロとしたイヤな部分の実態をどれだけ知っているのだろうか?

尚、主婦連合会の方の議論も「消費者が買った以上、消費者の自由意志にゆだねるべき」という考え方のようにみえるが、その議論は「物品」だったらそれで正しい。しかし「知財」「物品」ではないのだ。だから個人がi-podで楽しむのと、勝手に第三者が音楽等の「知財」をダウンロードできる点を同じものさしで論じたら必ずおかしな議論になる。第三者が自由に無償でダウンロード可能になった時点は知財の権利は損なわれるのだ。そこがどうして理解してもらえないのだろうか?購入したのだからあとは消費者が煮て食おうがやいて食おうが自由、などという考え方で「知財」を論じるのは的外れである。「物品」「知財」は同じ商品でも性質が全く違うのだ。そこを理解して欲しい。

いずれにせよ"改正著作権法",違法ダウンロードで罰則はないがどれだけ効果が出るものであろうか? とにかく権利者も消費者も満足できるようなネット社会になってほしいと切に望む。

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2010年1月20日 (水)

インターネットによるブランデイング敗北宣言

さて、このブログをよく読んでくださっている方は私が音楽において従来の地上波のタイアップといった手法以外の新たなプロモーション方法についてさまざまな試行錯誤をしてきたことはご存じだと思う。ロングテールマーケテイングからアフィリエイト、ウイジェット、それらによる口コミ効果等、私もさまざまなことを行なってきた。一部の人はご存じの通りネットラジオも運営している。しかしはっきりいおう、上手く思い通りに結果が得られたものは殆どない、といってよい。

こうした時先日前々から読みたかった本を読む機会があった。元博報堂で「テレビブロス」の編集者、アメブロのニュースサイトの運営者の中川さんの本である、

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ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)      

この本に関する詳しいレビューはこちらをご覧いただくとして、http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20100116

この本は同時にネットのプロモーションやマーケテイングに焦点をあてており、その部分は私自身もおおいに参考になった。特にブランデイングの件に関しては考えさせられた。ここではそのブランデイングについて述べることにする。

実はこの本でネットで受けるものは基本的に「B級ネタ」であり企業のいうところのブランデイングはできない、と書いてある。つまりブランデイングとはキレイ、カッコイイ、おしゃれ、というイメージを構築することだがインターネットユーザーの嗜好、ネットで受けるものとは著者の中川氏によると

1. 話題にしたい部分があるもの、突っ込みところがあるもの
2. 身近なもの、B級なもの
3. 非常に意見が鋭いものー本当にすごいもの
4. テレビで紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフートピックスが選ぶもの
5. モラルを問うもの 
6 .芸能人関係のもの (井戸端会議、ワイドショー的ネタ)
7. エロチック関係、美人関係
8. その他時事性、タイムリーなもの

となるそうである。要は品がよいもの、美しいものは受けない、つまり企業がいうところのキレイ、カッコイイ、おしゃれといったブランデイングはできない ということである。

実は私自身、そういわれてみればかなり納得できるのだ。私は癒し系ボイスを売りにしている奥津恵というアーチストを売り出そうとしているし、癒しの音楽チャンネルというネットラジオも運営している。特に後者のネットラジオは現在podcast登録者4万三千人を獲得しているが、最近はやや頭打ちで伸び悩んでいる。そしてネットラジオでもアキバ系、イロモノ系の視聴者獲得のペースには遠く及ばない。これはなぜなのか、ずーっと悩んでいたのである。やはり奥津恵癒しの音楽チャンネルもインターネットにはキレイすぎるのであろうか?

恥ずかしながら中川氏が指摘するようなネットで商品が語られまくり自社ファンが自然に増えるという大企業がよくやる勘違いを私自身もものの見事にやってきたように思う。中川氏がこのウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)  で書いてあることはネットを使っていれば思い当たることばかりであり、かなりネットプロモーションに関して正しいことを書いているように思う。

インターネットでプロモーションは無駄だとは云わない。予算、費用のない者にとっては低コストでプロモーションできる有効なツールであることは確かであり、それを否定する気は毛頭ない。しかし結論からいってインターネットでプロモーションする場合、サブカルチャーレベルまで名前を広めることはできるかもしれないが、それ以上のレベルにはB級もの、イロモノ、H系等でない限りは行かないだろうと思う。これは私自身も実際自分でやってみて痛感している点である。そしてサブカルチャーレベルで終わってしまってはブランデイングにはならないのだ。

かといって既存の地上波テレビのタイアップ手法はリスクが高すぎるものになっている。しかしいずれにせよリアルな部分と組み合わせて地道に進めていくしかないのかもしれない。癒しの音楽チャンネルも計画をたてているが、何らかのリアルな部分を組み合わせて視聴者を増やしていこうと思っている。しかし期待するほど人を集めるのが難しそうな感じだ。なんせ「癒されるし」「キレイな」ものだから... 確かにネットで人を集めようとすること自体は意味があることだけど...

この中川氏のウェブはバカと暇人のもの  の副題は「現場からのネット敗北宣言」とある。おそらく光文社のスタッフが考えたものだとは思うが、敗北したのは巷にいまだにこれでもかと流れている「インターネット理想論」「IT夢物語」だと私は理解している。私も以前、このブログの記事に書いたがITジャーナリストといわれている人たちに極めて批判的な見解を持っている人間だし、アメリカやシリコンバレーがこうだから日本もこうなるべきだ、といった議論やマスコミがこれでもかと流す「IT夢物語」にはうんざりしている

私も結局相当IT革命論に振り回されたようだ。A.トフラーが「情報革命が来る」と説いたのは今から25年前だが、思うにたぶん、情報革命≠IT革命 ではないだろうか。これも前の記事で書いたが情報革命が起きるとしたらITとは全く無縁のところで起きるのかもしれない。

インターネットはBtoB(企業間取引、一対一の取引)のマーケテイングには非常に有効である。BtoCもサブカルチャーレベルならある程度有効である。しかし爆発的に一般コンシューマーに売らせる-マスに対するマーケテイングには向いていない。

というわけで私のインターネットによるブランデイング敗北宣言をここでさせていただきます。

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2009年11月16日 (月)

被害を受けている音楽の権利者がなぜ非難されなければならないのか?

さて、私の以前の記事

1. 違法コピーが音楽業界衰退の原因ではないと誰がいったのか?
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/10/post-4c4f.html

あるいは

2. あえて改めて世の中の人に問いたい!!  音楽は世の中にとってもはや不要なものなのだろうか?! 
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/10/post-29ca.html

これに関して上記1.の記事で一般消費者と称する人たちから次のような反応が帰ってきたことに触れました、

一般消費者と称するSさん

「権利や知財についても一消費者でしかないので詳しくはわかっていませんが、既にP2P共有ソフトなどが蔓延している今現在でも、売れるものはしっかり売れていますよね。

ある程度制作側の権利を蔑ろにする要因の一つなのかもしれませんが、今現在を見ていると(違法コピー)それが致命的なものだとは考えられないんです。」

一般消費者 Hさん

「音楽業界は衰退の責任をネットばかりに押し付けていて不愉快だ。違法コピーはあるにせよ、それが業界衰退や崩壊につながっているとは到底思えない」

実はこのようなケースはこれだけでなく、以前私が別のSNSの掲示板に同じような内容のコメントを書きましたが、結果は袋たたきでした。要は「被害者意識を丸出しにするな!」とか「ネットのせいにするな!!」といった内容の反応ですが、なぜ実際に被害をこれほどまでに受けている我々がこんなにも非難されなければならないのか、正直納得がいきませんでした。そしてこのようなケースは私だけではありません。

そしてよく考えてみるとこの構図、どこかで見たことがあるな、と思いました。そうです、昨年の「自己責任論」に基づく派遣村バッシングのあの構図と同じだと思いました。行政もストップする年末年始の寒空のなか、仕事も住む所も失った派遣村の労働者というもっとも弱い立場の人たちに「自己責任論」をふりかざして攻撃する、あの構図です。要は「被害を受けるのも自己責任じゃないか」という発想が根底にあるような気がします。

私は別のブログ「自己責任論」があまりにも安易に使われすぎているということを以前述べましたが、その安易に使われている「自己責任論」で社会より自分に怒りが向くように政府、財界そしてマスメデイア(あえて名指しさせてもらうが、みのもんたのようなタレントを始めとする)より刷り込まれてしまっているといえます。「社会のせいにするのは弱い人だ」とか、「問題をすりかえる人だ」というような言説があたかも正論であるかのようにまかり通ってしまったという実態です。

そして、どんなに理不尽な要求であっても、企業が要求してくることを、とにかくこなしていかないとという強迫観念が植え付けられ法的レベルで労働者の権利や雇用する側の義務が定められていたはずの雇用が、事実上、奴隷的な労働にさえ至っているケースも少なくありませんでした。そういう社会への異議申し立てを妨げてきたのが「自己責任論」です。

この「自己責任論」は何かの行動をとった場合、さまざまな原因と責任がもたらしたものを、結果をもたらしたすべての原因に対して本人が責任を負うべきだという話にすりかえてしまっており、これはいかなる結果や社会の問題にしても「自己責任論」を持ち出すことで、自分は「許されている」、自分には責任はない、免責されているという面があるように思います。当事者の自己責任になるわけですから、自分は何もする必要がない、心を痛める必要もない。そうやって自分は何もしないことが正当化されるわけです。実は、そういう問題に自分が関与している、場合によっては貧しい人を追い込んでいるかもしれないのですが、その「自己責任論」によって自分は免責されているような感じになってしまう。音楽の不法コピーを始め、派遣村にいかざるを得ない人たち、社会的に弱い立場に立たされた人たちに対し、何もしない。関心を抱かない。そして何より心が脅かされないことを自己正当化したのです。

だからこそ被害の実態を知らせる内容の記事やコメントに対しては過剰なまでに反応してしまう、なぜならそうしたコメントは罪悪感を思い起こさせるためだからでしょう。社会的に弱い立場を追い込む側が、自分の罪障感を感じないようにするためにしがみつく「自己責任論」と表裏一体で対応しています。つまり、自分たちが歩んできたし、それに乗ってきた競争的な社会構造が、若者に生きづらさをもたらしていることをどこかで自覚しているのだけれど、そこを直視してしまうと、自分たち自身のそれまでの人生や生き方をも否定してしまうことになるから、それはできない。その結果、「若者」や「フリーター」を始め社会的に弱い立場の人たち、新たなシステムによって「被害を受けた人たち」を過剰なまでに攻撃し、本人の責任という形で責めつづけるわけです。

上記の一般消費者のHさんは私が携帯の不法コピーの実態のデータを示したら、「そんなの嘘に決まっている」という理由でそのデータを見ようとすらしませんでした。態度としては感心しませんが、要は「本当の現実」を直視することに耐えられなかったんじゃないでしょうか?(Hさん、反論があるのならどうぞ!1)

このメカニズムを鋭く分析した本がありますので紹介しましょう。

                湯浅誠著『反貧困~「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)

昨年の「派遣村」の件も含む、ワーキングプアその他の状況を的確に分析した本です。読んで損はない本です。

勿論上記のような行動を取る人たちは必ずしも社会の多数派ではありません。例えばインターネットの論調を見ると日本の右傾化が凄まじいかのように錯覚してしまいますが。大阪大学大学院人間科学研究科准教授の辻大介さんの最近の研究ですとネットの特性とは関係なく、ごくごく少数の人間がネット上で突出して暴れているだけだということを実証しています。
http://d-tsuji.com/paper/r04/index.htm (ページに報告書のPDFファイルがダウンロードできるようになっています)

したがってこのような安易な「自己責任論」を持ち出し、社会的弱者や新システムによって被害を受ける人たちへバッシングする人たちーいってみればB層の生き残り、といういいかたもできるわけですがーも社会的には多数派ではないと思います。実際小泉ー竹中の新自由主義路線を支持する人間が本当に社会の多数派であれば前回の選挙で民主党があれほど大勝しなかったでしょう。

問題は「ネット右翼」やこうした「B層の生き残り」、が暴論をばらまき、社会的な多数派ではないにもかかわらず、あえていわせてもらいますが身分不相応の発言力と影響力をもってしまった点が問題といえると思いますこういう人たちはネットの情報の質を著しく落としているのは確かなので、彼らの発言力は削ぐことは考えた方がいいかもしれません。(具体的な方法としてはスルーする、つまり無視することです) 

とにかく被害を受けている人間が不当に非難される、こんな不条理なことがあってよいはずがありませんから...

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2009年10月25日 (日)

違法コピーが音楽業界衰退の原因ではないと誰がいったのか?

さて、先週の加藤さんの衝撃的な自殺がまだ波紋を呼んでいますが、何人からか以下の反応が帰ってきました。いずれも匿名希望ですがポイントとなる点なのであえてここにコメントの概要を記させていただきます。いずれも言い回し方は違いますが同じ内容のことをいっています

一般消費者と称するSさん

「権利や知財についても一消費者でしかないので詳しくはわかっていませんが、既にP2P共有ソフトなどが蔓延している今現在でも、売れるものはしっかり売れていますよね。

ある程度制作側の権利を蔑ろにする要因の一つなのかもしれませんが、今現在を見ていると(違法コピー)それが致命的なものだとは考えられないんです。」

一般消費者 Hさん

「音楽業界は衰退の責任をネットばかりに押し付けていて不愉快だ。違法コピーはあるにせよ、それが業界衰退や崩壊につながっているとは到底思えない」

さて、SさんとHさんには次のデータを見ていただこうと思う。日本レコード協会が3年前から行なっている携帯の違法ダウンロード数を調査したデータです。誤解のないようにいっておきますが、これは日本レコード協会を始め音楽の権利者団体と携帯の3主要キャリア(NTT docomo, au, softbank) が共同で2006年末から調査を開始したものです。念のためにいっておきますが、この調査で日本レコード協会がこのデータに対して何らかの操作を行なう、なんてことはまずありえないことを付け加えておきましょう。

アンケート関連団体

社団法人日本レコード協会
社団法人日本音楽著作権協会
社団法人日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター
社団法人日本音楽事業者協会
社団法人音楽出版社協会
社団法人音楽制作者連盟
株式会社NTTドコモ
KDDI株式会社
ソフトバンクモバイル株式会社

http://www.riaj.or.jp/release/2006/pr061221.html

その1年後に発表された調査結果は我々にとっても驚くべき内容でした。
http://www.riaj.or.jp/release/2007/pr071225.html
http://www.riaj.or.jp/release/2007/pdf/0804032.pdf

もう2年近く前のデータですが何とこの時点で違法な携帯電話向け音楽配信は有料配信を上回っていたことが判明しました。

・違法音楽ファイルの推定ダウンロード数
年間で約3億9,900万ファイル以上と推定され、直近1年間(2006年10月~2007年9月)の有料「着うた」「着うたフル」ダウンロード数の3億2,700万回を上回る。
・違法サイトの認知・利用率
違法サイトは、全体の82.5%が認知し、37.1%が利用している。昨年に比べ10代後半.20代で利用率が増加している。
・違法音楽ファイルの利用頻度
昨年はダウンロード対象は主に「着うた」であったが、今回は「着うたフル」が上回った。また、10代で違法「着うたフル」のダウンロード曲数が大幅に増加している。
・違法サイトへの音楽ファイルアップロード経験率
違法サイト利用者のうちのアップロード経験率は14.0%である。

さらに1年後発表の同じ要領での調査では

http://www.riaj.or.jp/release/2008/pr081224.html

http://www.riaj.or.jp/release/2008/pdf/081224.pdf

ようやくしますと、

違法サイトの全体の利用率は昨年から横ばいであるが、10代後半の利用率が昨年に引き続き増加傾向にある。違法音楽ファイルの推定ダウンロード数は、年間で約4億714万ファイル以上(昨年は3億9,926万ファイル)と推定され、直近1年間(2007年10月~2008年9月)の有料「着うた」・「着うたフル」ダウンロード数の3億2,900万回を上回る。

この状況に危機感を持ったのか、昨日まで携帯サイトによる着うた(R)」・「着うたフル(R)」の違法配信に関する利用意識調査のアンケートを行なっている。

以上のことから「合法」である有料配信を違法ダウンロードが大幅に上回ることが判明した。これは例えていえばデパートやスーパーの商品の半分以上が万引きや窃盗にあっているのと同じ状況なのです。通常万引きは1%超えるだけで経営を圧迫するから、いかに凄まじい状況であるかおわかりでしょうか?

違法コピーが音楽業界衰退の原因ではないと誰がいったのか?少なくとも私はそんなことを云った覚えはありません

S君、H君にこの話をしても「信じられない」(H君などは「こんなデータ嘘に決まっている」とハナから資料を見ようともしなかった)が、残念ながら違法ダウンロード、コピーの状況は想像以上に深刻であることがおわかりいただけるでしょうか? 

これに友達からの「無償コピーをもらう」などという数など調査しようがないのでわからないが、これもCDや有料配信を大きく上回る可能性が高いと思われる。以前、私は違法コピー、ダウンロードも業界の衰退の一因にはなっていると書いたが、ここまでいくと「一因になっている」などというレベルを遥かに超えている。音楽業界の問題はいろんな面で多いが、まずこの件を早急に解決しないとそもそも他の問題の解決策すら考える余裕がなくなります。

私が加藤さんの記事をブログに上げたときに、から騒ぎー1人で騒いでいる、などと思った人がいたようだが、決してそうではないことがこれによってわかっていただけるでしょうか?

実は最近、電車や喫茶店、飲み屋に行くと「お金をかけないでダウンロードする方法」に関する雑談を私もよく小耳にはさむようになりました。それも一度や二度ではありません。「i-tunesだとお金かかるからやめた方がいい」などといい大人が発言したことさえ、聞いたことがあります。それが犯罪である、という意識は全くないようです。それだけに事態は深刻です。

ネットや携帯の犯罪の始末に終えないことは「被害者の顔が見えない」だけに犯罪を犯しても罪悪感が生じない点でしょう。一向に収まる気配のない2ちゃんでの「殺人予告」もそうだが、それをやったらどういうことになるか、ということに対する想像力の欠如が原因でしょう。そして仮に検挙されたにしても詐欺罪や性犯罪同様、再犯性が極めて高いのも実情です。

認めたくない人はいるでしょうが、「違法ダウンロード」は間違いなくエンタテインメント業界の滅亡の危機に追い込んでいます。

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2009年8月17日 (月)

盗撮映画、ネットに流して初逮捕

■撮映画、ネットに流した疑い…国内初逮捕 
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090817-OYT1T00411.htm?from=main3

まあ氷山の一角だとは思うけど、たぶんこれをやったサラリーマンは自分が悪いことをしているという罪の意識などこれっぽっちも持っていないだろうな。中国ではこういう行為は当たり前らしいけどこの犯人の権利に対する理解力は中国人なみということだろう。

実際映画を作るためにどれだけ多くの人が働き、撮影のためのどれだけ大変な手間と労力がかかっているか、などという想像力が少しでも働いたらこんな行為はしないはずなのだが... こういう現場がどんなに大変か、一度見学してみるといい。「映画や音楽なんか簡単にできるでしょう?」、それこそ「音楽なんか女の子ナンパしながら遊び人しながら作っているんでしょう?」 なんてことを本気で考えているバカがいかに多いか。

「コンテンツなんてタダでしょう」「全てのコンテンツや情報は無料であるべきである」という考えがあたかも正論であるかのように論じられる。その一端を垣間見た感じ。掲示板等にもこの犯人に対する同情的な書き込みがあった。

何度も書くが本当に世の中のコンテンツ全てがタダになってしまったら十年以内にそもそも手に入れたいコンテンツ自体がこの世から全て消えてしまうだろう。誰もコンテンツ自体を作らなくなる。だって、そうでしょう。タダということは価値がないし、何よりももうからないんだから。そんなもうからないことを誰がやるだろうか? 

仮に残っても世の中には「価値のない」ゴミ同然の情報とコンテンツしかこの世に存在しなくなってしまう。つまり最終的にはクオリテイの極めて低い、ゴミ同然の価値のない情報とコンテンツのみしかネットに存在しなくなってしまう。それゆえ「全てのコンテンツはタダであるべきだ」という議論はかえって情報社会を崩壊させる、繰り返し論じてきたのだが、残念ながらこんな簡単なことを理解できない人が多すぎる。

コンテンツビジネスの明日はやはり今のままでは暗い

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2009年8月14日 (金)

コンテンツビジネスでの相互啓蒙の必要性

今さら申しあげるまでもないですが、私はコンテンツ屋である。音楽や音声や音響効果等「音」の名のつくコンテンツはほぼ全てやっております。さて、昨年あたりから総務省や経済産業省で議論されている「コンテンツの流通促進」についてこのブログでもさまざまな記事を書いていたが、まずここで中心となっている議論で一つ私自身が半信半疑なのはそもそも「テレビ番組等のコンテンツを無償で垂れ流しすれば、コンテンツ業にとってもメリットがり、全てがばら色になる。」などということが本気で論議されているというのが正直にわかに信じがたいのである

 ネットに露出すれば全てがばら色、なんてネット草創期やホリエモンあたりの終わった人の口から出てくるのならまだしも、今ある程度ネットを日常的に業務で使っていてそんな一昔前のIT夢物語を本気で信じる人などまずいないはずである。もし総務省や経済産業省でそんな話が本当に大真面目で論じられているとしたら、それは役人があまりにも現実に対して無知で頭が悪すぎるとしかいいようがない。そしてIT側が本当にそういう発言をしたとするなら、それはIT側にまだ非現実的な夢想家がいるか、あるいはコンテンツ屋を「どうせITのことなんかわからんだろう」とバカにしてそういう話をしているか、その中のいずれかであろう。(たぶん後者のような気がする)

 ここで、IT関係者が聞いたら卒倒しそうな問題提起を行なおう。そもそもネットで情報を垂れ流しすれば無条件でコンテンツビジネスが発展する、というが本当にそうだろうか? IT関係者の大半やネットユーザーの大半がこのことを信じて疑っていないようである。

.さて、私は「癒しの音楽チャンネル」というネットラジオも運営して実際に音楽のネットプロモーションに関しては少なくとも音楽業界関係者の中ではかなりいろんなことをやってきてきたという自負があります。

 その経験からすると結論からいってある程度露出するのは一定の効果はあるが、かといって過大な期待をかけられるほどの効果的なプロモーションとはいえない。というのが実際にやってみて実感してきた点である。少なくともネットプロモーションを主体に音楽をプロモーションしたら必ず失敗する。つまりひとことでいって「やらないよりはやったほうがいい、だけど大きな期待はできない」というのが実際にやってみた実感である。いわんや「ネットで流せば全てばら色」なんていうのは笑止千万の議論としかいいようがない。

 だがこの見解はIT関係者はもとより多くのネットユーザーがまるでカルト宗教のように信じ込んでいる見解である。そして伝わっている情報が正しいとすればネットでコンテンツを無償で垂れ流すことこそがコンテンツの流通促進であり、それこそがネット社会の発展につながるなどという見解が大真面目に総務省や経済産業省で論議され、バカな役人たちは明らかにこの見解を支持している。

 私はこれに異を唱えてきたし、慶大の岸さんも同様だが岸さんはエーベックスの役員という点がどうもIT関係者に色眼鏡で見られる原因にもなっているようである。冷静に考えれば岸さんの見解は非常にまっとうな議論なのだが、ITジャーナリストや関係者にはすこぶる評判が悪い人である。ネットで著作権を主張するのがあたかも犯罪行為であるかのようにいう人間も多いが、これらの議論を聞いて感じるのは著作権を主張=既得権益の保持という風に短絡して考える向きが非常に目立つ点である。(誤解のないようにいっておくが私は仕事でエーベックスとのつきあいはないし、同社が現行の体制を維持している限りたぶんつきあることはないであろう。)

 そもそもコンテンツ、ソフトウエアというのはまず権利ビジネスであり著作物の権利で商売するのだが、どうもモノ以外は商品ではない、と考える向きが多いようである。そのため他人の権利がある著作物を無断使用していいはずがないし、使用する場合は対価が発生するのはソフトビジネスの観点からみて極めて当然のことである。そこを理解できない人がまだまだ多いようである。

 だからネットで露出するにしても一定の条件、ある程度の「秩序」というのはやはり必要である。勿論JASRACの現行のネットに関する規定が充分とはいえないのは確かであるし、あの馬鹿馬鹿しい45秒の法則や、ストリーミングすら配信と同一視する、といった非現実的な部分は改正すべきだと私も思う。しかしその議論と何でも無償で垂れ流しするのがよい、というのは全く別の話である。そこを混同している議論が多すぎる。

 ネット社会がより発展するには良質のコンテンツが必要である。このことは誰も異論がないだろう。しかし良質なコンテンツが普及しない原因を全て役人もIT関係者もコンテンツ業者のせいにしているが、これは全くの筋違いである。コンテンツプロバイダーは権利が侵害されないのであれば、コンテンツの提供を嫌がらないが、現行の環境はそれに対する充分な環境を提供していない。またコンテンツ流通促進委員会でも出たが、IT側がコンテンツプロバイダーにとって魅力的と思われる提案を全くしていない。現行のネットのシステムでは「やらないよりはやったほうがいい、だけど大きな期待はできない」という程度のレベルの環境である。そういう環境で無秩序の無償垂れ流しをするのは我々コンテンツプロバイダーにとってあまりにリスクが高すぎるのだだから良質なコンテンツが普及しない原因を全て我々に押し付けるのは筋違いもはなはだしい。

 例えば私はコンテンツ屋なのでいうが「コンテンツは重要である」とIT系の人もハードの人も口ではいうが。「どの程度」重要に思っているかと詳しく聞くと、多くの場合、実は「タダかタダ同然でいいコンテンツを扱いたい」という内容の要望であることがわかる。

しかしはっきりいうが。そういう要求をし続けたら今世紀中にコンテンツ業自体が消滅してしまうだろう。 今ネットの世界を中心に「全てのコンテンツはタダであるべきだ」などという暴論があたかも正論であるかのように広まっているが、本当にそうなってしまったら十年以内にそもそも手に入れたいコンテンツ自体がこの世から全て消えてしまうだろう。誰もコンテンツ自体を作らなくなる。だって、そうでしょう。タダということは価値がないし、何よりももうからないんだから。そんなもうからないことを誰がやるだろうか? あっても世の中には「価値のない」ゴミ同然の情報とコンテンツしかこの世に存在しなくなってしまう。つまり最終的にはクオリテイの極めて低い、ゴミ同然の価値のない情報とコンテンツのみしかネットに存在しなくなってしまう。それゆえ「全てのコンテンツはタダであるべきだ」という議論はかえって情報社会を崩壊させる、と私は繰り返し論じてきたのだが、残念ながら私には自明のように見えるこの議論を理解できない人がネットの中にかなりいるようである。

そんな事態は誰も望んでいないと思う。そしてこの問題の原因はハードやITの世界とコンテンツ制作の業務や扱う商材についての認識が著しく違う点にある。わかりやすくいえば、ハードの世界はソフトーコンテンツの世界の本質を理解していないし、ソフトはソフトで自分たちの世界を理解してもらおうという努力を怠ってきた点が大きいと思われる。
双方の世界を理解するための啓蒙の機会が必要なのではないかと思う。

 これに対してどうするか、録音機器というものが現れてからコンテンツ関係とハードの間のすれ違いが存在していたのでこういう話は今に始まった話ではない。だが、ここでハードとソフト両面からビジネスソリューションについて考え、コンテンツはコンテンツの世界のこと、ハード屋はハード屋の世界、双方の世界を理解しきちんとしたビジネスソリューションについて考える会社が必要であろう。 

 私は別会社で「防犯BGM機器」という商品を開発したが、この別会社にはハードの専門家、SEやCGの専門家がスタッフにいる。そしてコンテンツ屋の私が建前上の代表になっている。この環境でソフトとハードの橋渡しを行いビジネスソリューションを模索していこうと思う。

株式会社D-LOOP   http://www.d-loop.co.jp

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2009年8月 2日 (日)

ITの急激な発達でも社会は進歩していない

えーっ!!! と思う人も多いでしょう。(笑)

これを説明するには、ある哲学者の著書を紹介しなくてはなりません。私の出身大学の哲学の教授で故市井三郎歴史の進歩とはなにか (1971年) (岩波新書)という著書で従来の進歩史観とは全く異なる視点を示した著書がありました。

Ichiiphoto
市井三郎 1922-1989

可能な限り簡潔に説明しますと我々が進歩と考えていることー例えば工業化、経済成長etcーには必ずそれに伴う「副作用」、といいますかそれらの進歩と引き換えにネガテイブな部分を社会にもたらしている、という点を市井三郎は指摘していまして、例えば公害とか昨今問題になっている地球温暖化などはまさにその「副作用」に当たるといってもいいでしょう。市井先生はそれを歴史の進歩のパラドックス」と定義し、その歴史の進歩のパラドックスによって生じる苦痛、(公害で苦しむ人々、温暖化に伴い起こる自然災害等)を不条理の苦痛」と定義しています。つまり進歩主義者は人類が生み出したテクノロジーや近代化のプラスの部分のみを見て、そうした歴史の進歩のパラドックス」の存在自体を認めようとしない、という点からすると従来とは全く違う進歩観を示した日本国内でも特色のある学風の持ち主の哲学者だったといえるでしょう。

今年はこの市井三郎元名誉教授の没後20周年にあたり私はこの「市井三郎サイト」を大学のOBたちや市井先生のご遺族とともに立ち上げ、実はそのホームページの管理人という役をおおせつかったわけです。 http://www.ichiisaburo.com 

あわせてこの市井三郎の思想を後世に継承し、哲学を目指す人たちへのサポートも目的とした市井三郎基金というものを設立しました。現在は任意団体ですが将来はNPOか公益法人も視野に入れてあります。

と、まあそういう背景があるわけですが、私自身はこの「市井三郎サイト」を構築しながらもし先生がもし今も生きていたら昨今のIT化した社会、あるいはグローバリズム等をどう見るだろうか、ということを考えてしまいました。

そして過去のテクノロジーの発展の時と同じくIT化した社会にもそうした不条理の苦痛」はたくさん発生しました。スパムメールスパム行為などはまさにそれに当たるだろうし、掲示板やブログでの「荒らし」行為などは時には個人の身の危険にまで発展した例すらあるし、パソコンを使っている人ならいつでも脅威にさらされているコンピューターウイルスなどもまさにその不条理の苦痛」にあたるでしょう。

 グローバリズムというのはまさに西洋の近代化論ー「西洋化=近代化」という観点の変形であり、要はグローバリズムという名の世界のアメリカ化に過ぎないことは昨今の状況から明らかでしょう。このグローバリズムとIT化は表裏一体で発展してきており、今もIT企業家やITジャーナリストの多くがそれをあたかもカルト宗教のように正義だと信じ込んでいます。IT化、グローバリズムがもたらす歴史の進歩のパラドックス」を全く考えようともしない点では従来の古典的な西洋的近代化論と基本的には何の変わりもありません。

 しかしスパマーや「荒らし」行為、ハッキング等を行なう人間はそのうちプロバイダーとの企業努力によってだんだん追放される方向に行くだろうし、ネットが人類に役立てるためにもそうすべきだと思います。すでにブラックリストなどが存在しているようですので、一度スパム行為や「荒らし」を行なった人間は二度と他のプロバイダーと契約できないようにして、ネット社会から永久追放すべき方向で考えるべきです。それらは時間がかかりますが少しずつそういう方向に行くと思われるし、いかないと正直困ります。

 だが、私はインターネットがもたらす歴史の進歩のパラドックス」でもっとやっかいで恐ろしい問題が存在している考えています。それは掲示板、ブログ炎上の状況を見れば明らかですが、実は掲示板やブログが荒れる時はたいてい誰かが暴論や誹謗中傷を行なわれている時で、やっかいなことにネットではそういう時に「類は友を呼ぶ」というか同じような暴論的な見解を持つ人間が一箇所に集まる、という傾向がよくあります。

 そうすると普通に考えれば社会的に少数派の意見、暴論と思われるものがあたかも「多数派の意見」、正論であるかのように広まってしまう。特に日本人は一般的に情報に対するリテラシーが極めて低く、誰かがもっともらしく何かをいうとそれを鵜呑みにしてしまう人間が多い。

 かくして暴論があたかも正論であるかのような伝わり方をしてしまうのです。実は私はこれこそがネット社会でもっとも恐ろしいことであると考えております。典型的な一例を出しましょう。

例えば「全てのコンテンツは無料であるべきである」というのはまさに暴論があたかも正論であるかのように広まった典型的な例でありましょう。実際ネットユーザーのかなりの層がそう考えているのは過去のいろんなデータであきらかです。

4割のユーザーがいかなる場合でもコンテンツにお金を払わない(ジャパンインターネットコム)

http://japan.internet.com/research/20010517/print1.html

無料=タダというのは価値がない=ゴミ同然の価値ということです。これは既に我々が古典、文化として定着しているものを含め、全ての文化をゴミ同然にしろと主張しているのに等しい議論です。だが総務省、や経済産業省でのコンテンツ業推進委員会では実際にその手の議論が大真面目で議論されているようです。総務省でのコンテンツの流通促進委員会では、

(1) ネットに全てのコンテンツ(特に既存のテレビ番組)を流せば、全員がハッピーで全てがばら色になる

(2)全てのコンテンツが何でもタダ、というのが流通促進のあるべき姿である。

などということが真剣に議論されているようです。(1)のネットに流せば全てがばら色、なんてホリエモンじゃあるまいし、日常的にネットを使っている人間なら、そんなことを鵜呑みにする人間などいるはずがないなんてことくらいわかるはずですがね。(2)のコンテンツ側にIT業者側が「おたくの商材を全部タダにして」などともし本当に要求していたとすれば非常識極まりないし、非常にふざけた話でコンテンツ業者を人間とすら思っていない証拠といって過言ではありません。(実際私もIT業者とコンテンツ制作の仕事をする際にコンテンツ制作業者を人間と思っていないのではないかと感じたことが時々ありました。)そしてそれを後押しする総務省も頭が悪すぎます。役人には東大出が多いはずだが役人になると急に頭が悪くなるらしい。

特に。(1)のネットに流せば全てがばら色、なんていう発言を本当にしていたとしたらそれはいまだIT熱に犯されている非現実的な夢想家の発言か、どうせコンテンツ屋なんてアナログ的な人間しかいないからとバカにした上での発言か、そのいずれかでしょう。確かに芸能プロや音楽制作会社のトップにアナログ的な人間が多いのは事実ですが、もし後者のケースで確信犯的に発言したとしたらそれは詐欺行為に等しいといっていいでしょう。 そしてそれを後押ししている総務省や経産省の役人の愚か者ぶりには本当に呆れて言葉も出ません。

暴論があたかも正論であるかのように広まり、それがコンテンツ産業自体を今結果的につぶそうとしています。というのが現状であることがこれによっておわかりいただけますでしょうか?

市井三郎論的にいう「不条理の苦痛」によって今コンテンツ産業、文化そのものが21世紀に継承することすら危うくなり、ゴミ同然の価値にされようとしている。コンテンツのタダ同然のたれ流しこそが、コンテンツの流通促進であり、それでこそIT社会、ネット社会の発展につながる、と本気で考えている人間が少なくありません。しかしそうしたIT社会の発展による「歴史の進歩のパラドックス」による「不条理の苦痛」の犠牲者にコンテンツ業界はされようとしている。それはよいとはいえない、とまともな人なら思うはずなのですが..

.

だからあえていいます。

ITの急激な発達でも社会は進歩していない

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2009年6月15日 (月)

SNSは「バカが支配している」――NINのトレント・レズナー

■SNSは「バカが支配している」――NINのトレント・レズナー

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/12/news041.html

ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー氏は、ネットコミュニティーへの参加は「益よりも害の方が多い」という考えに至った。

ナイン・インチ・ネイルズ(NIN)といえば、アルバム無料ダウンロードやツアービデオのBitTorrent配信などWebを活用しているアーティストとで知られており、音楽のネットプロモーションとしては先駆者的存在、その彼の結論がこれだそうだ。

正直いってレズナー氏のいっている意味もよく理解できる。私もmixiのコミュでそういう「バカ」を相手にせざるを得ない状況が何回かあったし、正直それがうざったいと思うことも多々あった。 またそういう奴に限って、基本的にはスルーしようと思っても、スルーをさせてくれない、というか相手にしたくなくても相手にせざるを得ないシチュエーションを作るのがうまいから始末におけない。

ただ、私見ではネットの問題は「バカ」が多いというよりは「バカ」が目立ってしまうこと、バカが多いのは、ネットコミュニティに限ったことじゃなくて、一般生活の中でも同じ割合だけいるのだろうが、問題はそういった「バカ」がリアルの世界と比べ、ネットやSNSの中で発言力を異常に持ってしまうことではないかと思う。(特に2chとか)  そして何よりも恐いのは本来は少数派の意見のはずのものが、同類がSNSとか掲示板とかに集まるためにあたかもそれが多数派の意見であるかのような感じになってしまうこと。

そういう奴らは多くの場合、リアルな日常生活ではあまり人から相手にされないような人間である。しかしなまじっかネットでは「発言力」を持ってしまうために暴走してしまうケースが多いのだ。2ちゃんの人間の大半は2ちゃんでしか相手にされないような類の人間で、おそらく日常生活では職場でも学校でも相手にされないような人間であろう。(多くはニートかフリーターでもある) そういう連中が一度主導権を持ってしまった掲示板やSNSはもうはっきりいって目もあてられない。「バカ 」が異常に発言力を持ってしまう、持ちすぎてしまうというのは世界的にもネットの世界では大きな問題になっているといえよう

とはいえ、一応ネットを使った音楽プロモーションを今まで考えてきた自分としては、そんな「バカ」とのつきあいもある程度リスクとして受け入れざるを得ないのかもしれない。なぜならネットである程度成果を収めるには忍耐力が必要というのは紛れもない事実だからだ。

レズナー氏の言う「バカ」を相手にしながらも、自分自身のことをやりぬく強い意思と、それを面倒と思わずにコミュニケーションする体力がネット・コミュ ニティの中で生き抜くには必要なのかもしれない。時々その体力に自信がなくなる時があるのは否定できないが...

以下文章の引用文である

ナイン・インチ・ネイルズ(NIN)といえば、アルバム無料ダウンロードやツアービデオのBitTorrent配信などWebを活用しているアーティストとして知られているが、フロントマンのトレント・レズナー氏がソーシャルネットワーキングサイト(SNS)をやめると宣言した。

 レズナー氏は公式サイトのフォーラムへの6月10日の書き込みで、「SNSをやめる。大局的に見れば益よりも害の方が多いし、これまでの(Web活用の)実験の結果は出たようだから。バカが支配している」と述べている。

 同氏はWeb活用の実験を始めた理由として、従来のレーベルのインフラと決別して、Webという新しい世界で何をすべきかを見出すに当たって、「コミュニティーと交流し、彼らの欲しいものを知るためには、自分自身がその世界に没入する必要がある」と考えたからだと語っている。Twitterで本当の自分を見せたときには、イメージと違っていてがっかりしたというファンもいたが、「すべて想定内」だったという。

 だが同氏はネット上でコミュニティーと交流する上での問題として、ゴミやノイズが多いという点を指摘している。例えばnin.comには1日に50~100通の妄想的な脅迫メッセージを送ってくる人がおり、こうしたノイズへの対策は「退屈で労力の無駄だと感じる」と話している。また、同氏の婚約者への「憎悪を吐き出す」Twitterアカウントが毎日のようにできていることも挙げている。

 「主流のソーシャルネットワークは高い値段で身売りするためにユーザーを増やすことばかりに腐心し、ユーザー体験の質など気にしていない。わたしたちはそういう世界にいる」(同氏)

 レズナー氏は先月、「インターネットのアカデミー賞」とも言われるWebby賞で「Webby Artist of the Year」を獲得したばかり。

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2009年5月23日 (土)

ITジャーナリスト批判ー音楽配信について

さて、前回の記事でグローバリズム(というかアメリカ偏重)の過信とポストモダンの誤解についての述べたがここで本題の音楽配信について述べたいと思う。

まずいまだにデジタルという理由だけでmp3とCDが同じ音質だと思っている人が多いようなのでまずそれははっきり違うといっておきたい。しかも驚くべきなのはシロウトの人ならともかくジャーナリストや学識関係者までそう考えている人が多いようである。よってここでもう一度はっきりmp3はCDよりはるかに劣る音質であるということを声を大にしていいたいと思います。

そもそもmp3は情報圧縮技術から生まれたもので、波形の情報をかなり粗く取っているもので大きな音が鳴った際にその直前直後や近い周波数の小さな音が聞こえにくくなる現象(時間/周波数マスキング)等の人間の聴覚心理を利用した圧縮を行うため音質の劣化を認識しにくいが、あくまで「認識しにくい」だけで実際にはかなりの音の情報が失われた状態でファイル化される。ビットレートはCDが1411bpsに対してmp3の最大は320kps 、これは例えていえば今の画質のいいテレビではなく昔の解像度の低い映像を見る感じに近い。いわば音の「解像度」がかなり低くなるわけで、音質はSN比のみで判断できると思い込んでいる人は考え方を改められたほうがいいと思う。

嘘だと思うのなら一度きちんとしたシステムコンポでmp3とCDを一度お聴き比べることをお勧めする。まともな耳と音楽に関する健全な感覚が残っていればCDの方が楽器やハイハットなどの細かい音がはっきり聞こえるはずである。

こんな記事

■CDは時代遅れ? 新しい配信システムに世界の大企業が続々参入
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/056/56842.html

CDに限りなく近いmp3の音質って近くないですよ。はるかに劣ります。

 あえていうがCDの音は料理でいえばちゃんとした「普通の」レストランの料理だとするとmp3はファストフード、ジャンクフードの音質のレベルでしかない。そして残念ながら現在の音楽配信の殆どはmp3レベルの音質しか配信するオプションはない。つまり音楽コンテンツ制作者の立場からいえば、最高のレベルの音質の音楽を配信で提供するのは現在のインフラでは不可能な状態である。

さて、それを踏まえて以下のページをご覧下さい。このページに揚げられている音楽配信に関する見解はいわゆるITジャーナリストといわれている人たちが毎日のようにどこかに書いてある見解であると同時にネットユーザーの多くが擁いている問いでもある。同じ業界の方のようなので私の見解と共通する点が多々あるが、音楽配信に関する問いをよくまとめていらっしゃるので勝手ながらリンクさせていただきました。

レコード産業にとって、デジタル音楽配信は未来か
http://d.hatena.ne.jp/heatwave_p2p/20081025/1224869105

見解1:海外ではネット音楽配信が音楽流通の主流となっている国もいくつも出て来ている中、日本はいつまで経ってもそれらの国に追いつくどころか引き離されて行く一方である。

これはITジャーナリストといわれている人たちが毎日のように云っている文言であるがそもそも「引き離されている」という観点はどこから出てくるのだろうか? 実は数字だけでいえば日本は音楽配信の売上は世界で第二位である(図)。勿論内容はアメリカのそれとはかなり異なるが(後程述べるが9割が着うた)、その内容を持って、「引き離されている」と考えるのは私は無理があるように思う。これは私が今朝書いた記事「ITジャーナリスト批判ーグローバルスタンダード過信とポストモダンへの誤解」にあるように何でもアメリカやヨーロッパと同じITの業界状況でなければならない、という思い込みから出てきている見解のように思える。 
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/05/it-5a23.html

その記事に書いてあるように何でもグローバルスタンダード(はっきりいえばアメリカのスタンダードだが)で展開しなければならない、というのは欧米と日本(アジア)の文化も習慣も社会背景も全く違うという点を全く無視した考え方である。ポストモダンというのは決して国民性や国のバックグランドに関係なく世界で均質になるという意味ではない。日本とアジアと欧米では文化も習慣も社会背景も全く違うのだ。ポストモダン時代だから欧米でのトレンドが日本やアジアでも起こるべきだと考えるのは全くのナンセンスである。

20081024153758_2

出典:Recorded Music Sales 2007 - Music market statistics :IFPI

見解2:着うたなど予想外に売れてしまった方向にしか目を向けない日本の音楽業界には本当にため息しか出ない。

確かに日本の音楽配信の9割は着うたである、しかしそれは悪いことなのだろうか?

これもグローバルスタンダードという観点に凝り固まった見解だろう。実は着うたというビジネスモデルは日本発のビジネスモデルである。欧米ではリングトーンというがそもそもこれが商品になるという発想すらなかったのである。今では欧米がそれに追随しておりその点では寧ろ日本の方が携帯のビジネスモデルの面で欧米よりはるかに進んでいるのだがいわゆるITジャーナリストという人たちはなぜか頑としてそれを認めようとしない。

勿論リングトーン(着うた)など所詮アクセサリーに過ぎないではないか、という考え方は理解できるが、それはそれ。それで新しいビジネスが発生しアーチストの収入の一部にもなっているのだから別に「ため息しか出ない」と嘆くような事態ではなかろう。

見解3:音楽を求めてる人がいて、そこに音楽を届けられる方法はすでに存在しているのに、それを妨げているのはいったい誰なのだろう?

これは私がずーっと擁いている疑問ではある。よい音楽がなぜよい音楽を求めている人たちに行かないのか、届けるのはどうすればよいのか? という疑問でこれは簡単には答えられない。

しかし引用されている文章を読むと、ここでは少し違う話である。つまり何となく今ネットではCDというビジネスモデルにこだわることが音楽産業の発展をあたかも阻害しているかのような見解が多く見られる。だがこの記事の冒頭にも書いているように現段階ではmp3というジャンクフードレベルの音質を「主力商品」にせざるを得ない環境である。つまり現段階ではそれほど高品質でない商品を「安売り」するというオプションしか存在しない。これはコンテンツプロバイダーである我々から見ればはっきりいってメリットがないといわざるを得ない。あれほど音楽配信に関して多くの記事がありながらこの点に着目した見解が殆どないというのは驚くべきことである。はっきりいおう。mp3の配信という音楽配信の形態は音楽配信の最終形ではありえない。一つのオプションではあり続けるとは思うが、

先日私のネット環境が従来の100Mから1Gにグレードアップした。つまり従来より10倍の速度でネットが使え当然ながらアップロード、ダウンロードもかなり快適になった。勿論1Gといっても実際1Gフルに使えることは殆どないが、それでも常時600-700Mは可能になる。これはCD1枚分に相当する。つまりこの速度なら現在のCDのwavファイルを配信するに充分な環境であるということができる。

もっともパソコン側の環境整備が必要だがこれによって今度こそ本当にCDと同じ音質であるwavによる音楽配信が現実味を帯びてきた。これは音楽コンテンツ産業にとって間違いなくいいことである。

さらにもう少し早い環境ができれば超高音質な音楽配信も可能になる。既に24ビットの音楽配信を開始したところが出てきた。

■オンキヨーが24bitのHD高品質音楽配信を開始!「e-onkyo music store」がスタートします
http://www2.jp.onkyo.com/what/news.nsf/view/20050805_24bithaisin

■オンキヨーがクラシックの24bit音楽配信を開始!
http://www2.jp.onkyo.com/what/news.nsf/view/20060215classic24

まだ音を実際に聴いていないので何ともいえないが、これによって音楽配信ビジネスの本来あるべき形が出てきたように思う。

超高音質で配信によって音楽を楽しみ、それによってコンテンツプロバイダーも付加価値をつけた製品の販売が可能になる。こういう環境になって初めて本当の意味で音楽のコンテンツホルダーによってメリットが出てくる環境になる。

これを見る限り日本が欧米より音楽配信の環境において大幅に遅れているとは思えない。寧ろ着うたのビジネスなどは新しいビジネスモデルとして欧米でも大きな期待が寄せられていて新たな動きの発信地にすらなっている。なぜかことITの分野に限っては「文化的」な観点からITを論じようとしない観点が多いのは不思議である。これは偏ったポストモダン論により「全世界がグローバルスタンダードによって同じ社会になるべきだ」という誤解と思い込みからだろうと思われる。だが欧米はPC中心にこれからもネット社会が続くだろうが、日本は好むと好まざるに関らず携帯のネット環境を中心に発展する。それを持って日本が「遅れている」とするのはあまりに短絡的であり、私には寧ろ時代遅れな見解のように思える。

新自由主義も世界不況という結果をもたらしたし、いい加減グローバルスタンダードとやらの幻想をお捨てになったらいかがだろう?<ITジャーナリストのみなさん

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ITジャーナリスト批判ーグローバルスタンダード過信とポストモダンへの誤解

申し訳ないが私はいわゆるITジャーナリストといわれる人たちに対して極めて批判的な見解を持っている。それは彼らの書く記事の内容もさることながら一番気に食わないのは彼らの記事の大前提は次の2点に基づいて書かれているからである。

1.アメリカ(やヨーロッパ)のITの動向が全てよくて日本は全て駄目である。

2.日本(やアジア)と欧米の文化的や社会的背景を一切考慮せず、欧米の動きがこうだから日本(やアジア)に同じようになるべきだと考える。

いい例が携帯に関する彼らの見解だ。私はITジャーナリストが何といおうが日本は世界で携帯の最先進国といっていいと思っている。だがITジャーナリストといわれる人たちの多くの見解は違う。最も多いのは携帯の料金が日本は欧米に比べて高いといっている点、だが彼らは重要な点を見逃している。

そもそもアメリカを始めとするヨーロッパの携帯の機能を良く見るといい。辛うじてメールができるくらいであとは殆ど電話だ。それも携帯のメールは日本人が多用するほど使用されない。これは日本と比べはるかに治安が悪い社会環境では外でのんびりメールなどやっていられる環境ではないからである。つまり驚くなかれ、日本では考えられないことだがアメリカではいまだに(そういまだにである)携帯は高所得者のものというイメージがある。ニートやフリーターまで普及している日本では想像できないだろうがそれが現実。だから外でのんびりぼーっとしながらメールしていると携帯をひったくらることも珍しくない。そういう社会環境を熟知した上で携帯について論じているITジャーナリストは私が知っている限り殆どいない。

それ以外に日本の携帯では当たり前になっている多くの機能が欧米の携帯では装備されていないことが多い。もう忘れている人も多いだろうが一昔前あったtu-kaの携帯とほぼ同じものといえばイメージできるだろう。日本の携帯キャリア会社はその機能のための投資とそれに伴う追加料金に伴い、料金の大半が電話料金のみでしめる欧米と比べ金額が高くなっているのだ。もし日本の携帯料金が純粋に通話のみだったら欧米とそれほど変わらないどころか寧ろ安いというデータもある。

あと昨年のi-phoneにまつわる多くの記事も今読むとお笑い草だ。i-phoneは日本の携帯市場の黒船であり、日本の携帯市場を支配し革命が起きるだろうといった類の記事がIT関係の雑誌で踊っていたが、あっけなく一時的なブームに終わった。他の2社は機能だけなら既にi-phoneと同等かそれ以上のものがあるので全くi-phone上陸に動じなかった。そして結果はその通りになりいまではsoftbankはi-phoneを売るのに四苦八苦しているのが現実である。

ひとつの傾向としてあげられるのがはいわゆるITジャーナリストはグローバルスタンダードというものを過信する傾向があるということ。i-phoneの機能は確かにすばらしいが絵文字もできないようでは日本では本格的に普及しない。何でもグローバルスタンダード(はっきりいえばアメリカのスタンダードだが)といえば世界じゅう何の問題もなく普及すると思い込んでいる傾向がある。それはi-phoneが発売になった時にあるバカなIT事業者が「私は文化より文明を選ぶ」などと発言したことも象徴的だ。だが文化のない文明などありえないし、両者は相互にからみあってこそ始めて発展するものである。この発言者の文化的素養のレベルの低さがこれによってわかってしまう。

http://japan.cnet.com/panel/story/0,3800077799,20376997-10001108,00.htm?ref=rss

どうも彼らはポストモダンというものを誤解しているように思う。ポストモダン=グローバルスタンダードが世界に普及、と考えている人間が多いようだがポストモダンというのは決して国民性や国のバックグランドに関係なく世界で均質になるという意味ではない。下手をすれば変化が起きたことすら気がつかない(宮台真司のいう「まったり」という感じ)状態で変化が起きるし、もしかしたらIT革命論者のいう「IT革命」というレベルですらないかもしれないのだ。

そもそも日本とアジアと欧米では文化も習慣も社会背景も全く違うのだ。ポストモダン時代だから欧米でのトレンドが日本やアジアでも起こるべきだと考えるのは全くのナンセンスである。

ネットの使い方でも既に欧米人と日本人で顕著な違いがある。捜している情報がみつかるまで一生懸命捜す欧米人と「すぐに」見つからないとあきらめてしまう日本人。そしてi-phoneを見ればわかるがそもそも「タイプライター文化」の欧米とそうでない日本人が世界共通の操作画面になると考えるほうがおかしいのだ。実際知り合いのアメリカ人が日本の携帯を見て「お前らよくこれでメール打てるな。俺はイライラしてこれではできない」といったのを覚えている。

さて、以上のことを踏まえて次回、ITジャーナリストの音楽配信に関する記事に関して私の見解を述べたいと思います。

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2009年5月19日 (火)

高速1G環境にネットを移行

現在のネット環境は100MのFTTHですが、現在1GのFTTHに工事が続行中です。しかも驚くなかれ、従来よりも安くなります。

これは従来プロバイダーの間にNTTとかが入っていたために料金が1クッション分高くなっていましたが、今回はプロバイダー(うちの場合Nifty)と電話会社(今度の場合KDD)と業務提携して共同での契約(末端の契約者からはプロバイダーのみとの契約)というパターンになっているために料金が1クッション減った形になるためです。

何よりも従来より1桁早いというのはありがたいですね。
この日記が100Mで書く最後の日記です。(笑)

光ファイバーが高速になっていく環境が普及するのは音楽や映像のコンテンツ産業にとってよいことです。

音楽は従来のmp3からwav aiffの配信に耐えうる速さになりますからね。

さらにもう1桁上になればシングルビットの超高音質の配信が可能になります。そういう環境が普及してこそ初めて本当の意味で「音楽配信」の時代になると思います。100Mから1Gの環境に移行するのに5年かかりませんでした。もう1段階上も早ければ5年以内には替わりシングルビット高音質のサウンドが配信に耐えられるかもしれません。
先日のレーザープリンタを導入いたしました。

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これに続きネット環境もよくなります。
楽しみです。

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2009年3月 6日 (金)

音楽著作権処理を一元化 JASRACや配信業者など新組織

■音楽著作権処理を一元化 JASRACや配信業者など新組織
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0903/06/news079.html

コンテンツホルダーとしてはこのことによって楽曲の権利の管理が簡単になることはありがたいことではあるが..

しかしこれで実質的に配信の世界はある一つの団体に牛耳られるということにもなる。結局このシステムからはじき出されるとコンテンツの配信が事実上不可能となる。

しかもJASRAC以外のイーライセンスとかダイキとかたいした管理曲のシェアなどないから、結局JASRACが一番得するだろうな。俺もこれならいっそうちの音楽出版を使って権利楽曲を管理した方が無難ということになるかもしれない。

しかしこれで音楽配信ビジネス自体が発展するかどうかは別問題。

音楽配信といっても9割が「着メロ、着うた」という現実を忘れてはならない。
ちなみに「着メロ、着うた」がこんなに大きな市場になっているのは世界的に見ても日本だけである。寧ろ欧米の人が「あれが商品になる」ということ自体に驚いたくらいである。

いくら伸びているといっても、私は現行の環境のままの配信ビジネスには楽観的になれない。

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2009年1月 7日 (水)

iTunes Store、全曲DRMフリーに

■iTunes Store、全曲DRMフリーに
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/07/news026.html

新年早々、これはビッグニュースだ。しかし結果的にこれはコピーし放題(全部ではないけど)になるわけでこれで配信数が伸びるかどうかは議論が分かれるところだろう。

ネット時代に入り、また既存のメデイアの影響力が落ちている中でネットプロモーションが大きいウエートを占め始めているのは確かだが、その場合必ず「普及させる=音楽をもっと聞かせる=コピーが可能になる」というのと「音楽の権利を保護する」のどちらを取るかのジレンマに陥る。

ただ一部のIT事業者のようにコンテンツを何でもタダ同然にし、コピーし放題にすれば全てが「ばら色」になる、などというのは単なる幻想である。権利保護を主張するのがあたかも犯罪行為であるかのような考え方をする人がいて、それがあたかも「正論」であるかのような議論がネット内でまかり通っているのは問題である。そういう考え方は必ずコンテンツビジネスを崩壊に導く。

今回の決定はレコード会社側がジョブスの主張に押し切られた感があるが、これがどういう方向に行くか、私は少なくともこれだけで配信ビジネスがばら色に発展するかのような幻想は抱いていない

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2008年12月10日 (水)

JASRACの「コンテンツの流通促進に本当に必要なものは何か」シンポジウム

先日このブログでも書きましたが、結局ニコニコ動で JASRAC主催、文化庁後援のこのシンポジウムを最初から最後まで見てしまいました。前半は特別講演でNHK放送主幹の関本好則氏がNHKのVOD(ビデオオンデマンド)についての話。 NHKとして映像コンテンツビジネスをこのようにやっている、という半ば宣伝みたいなものでしたが、VOD(が以前のコンテンツのみで行っているために(基本的にはアーカイブ)ビジネスとしての課題をどうするかという話で締めくくりました。

そして本日のメインイベントはパネルデイスカッション「コンテンツの流通促進に本当に必要なものは何か」

今年の3月に当ブログ記事 「IT業界はコンテンツを無料で騙し取っていないか--著作権問題の奥にあるものhttp://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2008/03/it_12d4.html の続編のような感じで進められ、パネラーも司会(イベントでは"コーデイネーター"といっている)前回と同じ。

司会:安念潤司 中央大学法科大学院 弁護士 

菅原瑞夫氏 (JASRAC常務理事)

砂川浩慶氏 (立教大学社会学部メディア社会学科准教授-元日本放送連)

岸博幸氏 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

堀義貴氏 (ホリプロ代表取締役社長CEO)

川上量生氏 (ドワンゴ株代表取締役社長)

尚、そもそも今回のパネルデイスカッションのニコニコ動での放映を提案したのは堀プロの堀義貴氏で、前回のITメデイアの報道であたかも堀氏が「ネットそのもの」に反対しているかのような報道をされ、堀氏の発言が正しくネットにも広まっていなかったことがきっかけのようです。(例えば堀氏は「ネット法によるクリエーターの権利制限でコンテンツビジネスが沈む」と発言したのを「ネットによってコンテンツビジネスが沈む」などと事実とは違う報道をされたこと) まあ最近のネットに顕著なんですが、断片的な情報のみで「全てをわかったつもり」になり、それに伴い2ちゃんの人間とかの悪質な誹謗中傷とかがあったんだろうな、というのは想像に硬くありません。詳細はのちほど述べますが、当シンポジウムで現在政府内で審議されている「ネット法」を批判していますが、ドワンゴの川上氏があたかも「ネット法推進者」であるかのようにネットで情報が流れているように、どうも最近のネットで流布されている情報の信頼性には?がつきます。

パネルデイスカッションでは「ネット権」を主張する人には「反ネット権決起集会」のように見えたかもしれませんが、内容を掘り下げて見ればいかに短絡した考えによるとんでもない法律案であることがわかります。各パネラーはそれぞれ立場は違うが前回のデイスカッションから以下の点では合意している人たちであることは頭に入れておきましょう。

1.ネットに全てのコンテンツ(特に既存のテレビ番組)を流せば、全員がハッピーで全てがばら色になる、というのは幻想である。

2.コンテンツといってもなぜテレビ番組のみの話になるのかおかしい。

3.全てのコンテンツが何でもタダ、ではそもそもビジネスにならない。

この3点では各パネラーは一致しているということを念頭におき、本題に入りますが2時間近いパネルデイスカッションなので概略のポイントだけここでまとめておきましょう。

1.そもそも流通促進などという言葉が使われているのはコンテンツのみであり、通常他の業界ではそんな議論すら出てこない。また「ネット法」を始めとする政府のコンテンツ案で、流通ばかりが議論され生産(コンテンツの場合制)の立場の話が全く出てこないのはおかしい

文化は作り手(クリエーター)が作るのであって、「流通」が作るのではない(菅原氏)

  そもそも「コンテンツの流通促進」は国益なのか。流通促進は手段なのか目的なのか、そこを取り違えると大きな過ちを犯す。この議論が世の中の実態を把握した上で行われているとはとても思えない。(岸氏)

2.最近の若者は無料のメデイアしか接しようとしない。コンテンツにお金を払おうとしない。そのため制作現場もお金が最近回らず、テレビも音楽も制作費が大幅カットされ、しかも人員、特にプロフェッショナルといわれる人をどんどん切っていることから制作現場は疲弊し特に民放テレビの制作現場の人材難は深刻である。これは流通は潤っていても制作に対する還元がない状態のため起きており、こういう状況は問題だ

  最近の若者はインスタントラーメンの味しか知らない。それよりよいものの味(価値)を知ろうともしないから、もっとよいものがあるということを上の世代が教えるべきだ。(砂川氏)

 CDやDVDといった「データ」のコンテンツは今無料で出回っているので、若者からすれば無料と有料の差がなくなっている(川上氏)

それでもEXILEのように数は少ないが二百万枚売れるものもある。やはり売れなくなったのは最近のコンテンツの質の低下もあるのではないか。制作サイドがいいものを作ればコンテンツにお金を払う人は出てくるはずだ (岸氏)

3.現在政府で審議されている「ネット法」*注1 は大きな問題だ。これを導入したらコンテンツの根は水源が枯れてしまうようにすぐに尽きてしまうだろう。また「ネット法」で規定されている「報酬請求権」は全くのまやかしである。(海外でも請求できた例は皆無である) また「フェアユース*注1 も本来「目的」別に規定されるべきなのに「ベンチャー企業のために」という規定の仕方はおかしい。

そもそも「ネット権者」というものを誰が決めるのかもともとサムネイルの使用権の話からなぜコンテンツ全体の権利制限まで飛躍したのか全くわからない(堀氏)

最低最悪の法律だ。そもそも個人の権利制限をするならそのための公益性を規定しなくればならないはずなのに「ベンチャー」という一企業のために個人の権利制限をするというのは目的としてもおかしい。権利制限しないとネットユーザーが萎縮するというが、これではコンテンツプロバイダーの方が萎縮する。(岸氏)

この法律には「ネット権者」からみて「自分の権利は強く、他人の権利は弱く」という考えがありありと伺える。非常に問題だ。但し学者の立場から「フェアユース」の学術的用途に関してはもう少し緩和して欲しいとは思っている。(砂川氏)

*注1「ネット法」;「デジタル・コンテンツ有識者フォーラム「コンテンツビジネスの推進」と銘打って提言して、政府内で現在審議されている法律。基本的な考え方はネットでの権利者の許諾が煩雑すぎるのがコンテンツビジネスが発展しない原因だとし、そういった権利者の権利を制限し「ネット権者」に集中させるのを目的としている。個人の著作者は個別に「ネット権者」に「報酬請求権」で交渉する権利はあるが、報酬内容は「自己責任」となる。

*注2「フェアユース」;、もともと海外で権利の主張によって、学術や非営利、教育のための使用に関しては文化の発展のために権利を主張しないことを認める用途のこと。国際的に認められている権利だが、原則非営利目的に限定する

4.コンテンツビジネスが少なくとも「採算」が取れるようにするにはどうすればよいか?

CDやDVDのように「データ」では簡単にコピーされてしまうし難しい。しかし権利意識の低いアジア諸国でも「サーバー型」のビジネスはきちんと課金できている。ゲーム産業がいい例でやはりサーバーで権利もコンテンツも全て管理できるようにするビジネスモデルがいいのではないか (川上氏)

日本は欧米と違い、ドメステイック(国内)のみのマーケットであるため、海外のようなダメージを今のところ受けないで済んでいる。着メロ、着うたが日本で大きくビジネスとして発展したように日本ならではのビジネスモデルを作り、逆にそれを海外に輸出することもこれからは考えてもよいのではないか (堀氏)

前回も話したように「ネットならでは」のコンテンツの制作しかないだろう。このニコニコ動で始まっている新たなコンテンツ作りからもその可能性を感じる。とにかくテレビ番組をそのまま流して、それがコンテンツビジネスの理想のありかた、という考え方は間違っている (砂川氏)

以上が概略です。私は前回のはITメデイア等の記事で内容を知った程度なので単純な比較はできませんが、3月の時よりは具体的で、現在のコンテンツビジネスの問題の根幹部分に迫ったような印象があります。

さて、私もここで問題になっている「ネット法」 そして現在総務省で議論されている内容についても、大きな問題があるといわざるを得ません。どうもこの法律は流通業者(それもいわゆるIT系や通信業者)の独占強化がねらいのような気がして仕方ありません。また「フェアユース」は本来非営利目的のみ許諾するのが原則なのに、なぜそこに「ベンチャー企業」が入っているのか、メチャクチャな規定で権利関係の法規を理解している人間が作った法律とはとても思えません。岸さんのおっしゃったように最低最悪の法律と私もいわざるを得ません。

また「コンテンツの根は水源が枯れてしまう」というのは実は砂川氏の発言ですが、私もこのブログで全く同じことを述べました。(情報やコンテンツはただであるべき」という考えは情報化社会をかえって崩壊させる。)「タダであるべき」という発想にはそのことによって買うコンテンツの制作体制が維持できなくなる、ということに対する想像力がなさ過ぎると思いますね。どうもこの「ネット法」コンテンツホルダーやユーザーのためというよりはIT業者や通信業者のための法律を総務省始め政府が強行しようとしている、という印象はぬぐえません

まあ総務省の役人にこういうことを任せること自体が間違いかもしれません。

余談ですが「ネットに流せば全てがばら色」というおとぎ話を信じ込むのと、小泉、竹中の「新自由主義で自分が豊かになる」という幻想を信じ込むのと、すごくリンクしていると思うのは私だけでしょうか? 「新自由主義ーネオコン」が何をもたらしたかーアメリカの金融市場の不良債権ー少なく見積もっても日本の時の数万倍(単位はだそうです)を見れば火を見るよりも明らかなんですが、まだこの時点でもそんな幻想にしがみついている人がいるんですかねえ。

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2008年10月25日 (土)

著作権第三十条改正ーダウンロードに関するルール

■「ダウンロード違法化」ほぼ決定 その背景と問題点 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/24/news085.html

長い文章でしかも法律の文章が出てくるのでわかり辛いとは思う。津田さんがかなり噛み砕いて説明はしているが、誤解する人がいるといけないのでもう少しわかりやすく書こうと思う。

<録音録画小委員会中間整理から引用>

(2)検討結果

a 違法録音録画物、違法サイトからの私的録音録画

i 第30条の適用範囲からの除外

 この利用形態については、具体的には、海賊版からの録音録画、複製物の提供を目的とした違法なダウンロード配信サービスを利用した録音録画、ファイル交換ソフトを利用したダウンロード等が想定されるが、前述の利用実態を踏まえれば、

ア ベルヌ条約のスリー・ステップ・テストに照らして考えてみても、通常の流通を妨げる利用形態であり、権利者側としては容認できる利用形態ではないこと

イ 利用秩序の変更を伴うが、違法サイトからの録音録画が違法であるという秩序は利用者にも受け入れられやすいこと

ウ 個々の利用者に対する権利行使は困難な場合が多いが、録音録画を違法とすることにより、違法サイトの利用が抑制されるなど、違法サイト等の対策により効果があると思われること

エ 効果的な違法対策が行われ違法サイトが減少すれば、録音録画実態も減少することから、違法状態が放置されることにはならないこと

まず、私自身のスタンスとしてインターネットが有効なプロモーション手段として育って欲しいと心から願うものである。しかし同時に一部のネットユーザーのように「ネットにいかなる制限やルールももうけるべきではない」という考えには賛同しかねる。それは制御不可能や無秩序な状態を誘発し、それが特に中国で顕著だがクリエーターの権利をないがしろにする雰囲気をネット内に広める結果になっている。従って今回の改正内容にいくつかは問題はあるものの、私的録音の定義まで踏み込んだ意味は大きいと思う。元々Winnyだ、デジタルコピーがたやすくできる現環境では既存の法律内容で行くには無理があるだろう。

まず非常にわかり辛いのは「私的録音」の範囲、要はコピーしたものを自分の家の外に持ち出す、家族以外の第三者の人間に渡したら違法になる。当然ホームページ等でオリジナルのコンテンツを自由にダウンロードできるようにするのも違法である。勿論winny等で意図的にコンテンツを流したら違法である。但しコピーが難しいyou tubeやニコ動はストリーミング形式であれば違法ではない。

ここで今までと大きな違いは友達に「あのアーチストの音楽のコピーをちょうだい」と頼まれてCDをコピーして渡すという行為自体が違法になる。またCDの曲をパソコンでコピーし、友人にダウンロードさせるというのも違法。今まではこれを「個人で楽しむ」範囲に入っていたがこれからはそうでなくなる。勿論最近はあまりないが、コピーガードが入っているコンテンツのガードをはずして人に渡す行為も違法となる。

ただ違法とはなっても実質的な罰則規定はない。民事で裁判を起せなくはないが、ダウンロードが「意図的」だったかを証明することなど不可能に近いからだ。法律文書に「情を知って」というわかり辛い表現があるが要は違法であることを知った上で意図的にダウンロードしたかどうかという話である。

津田さんも指摘されている通り「実効なき法改正」であり「あくまでネットの著作権侵害に対する萎縮効果を狙ったプロパガンダ的なもの」だと理解した方がいいだろうと私も思う。ダウンロード違法化の動きは特にヨーロッパで活発だが、それは「自国の文化や伝統を守る」という観点からの動きであり、「コンテンツの価値」を守るという部分ではある程度必要だと私は考える。何度も私はブログに書いているが全てのコンテンツをフリー(無料)にするというのはコンテンツを価値を0、つまりゴミ同然にしろということで、これはコンテンツビジネス、しいてはネットの情報の有効性自体を損ない、ネット社会を実質的に崩壊に導くものであるからだ。

自国の文化の価値がゴミ同然になる国は間違いなく滅びる。その意味では今回の動きは不充分とはいえ、大きな一歩である。

但し、ネットの情報伝達の有効性は保つべきだと思うので、コンテンツプロバイダーとしては、「ダウンロードしてよい」コンテンツと「フリーダウンロード不可」のダウンロードを明確に分ける必要があるだろう。映画の予告編(トレーラー)が実質的にフリーダウンロードになっているように

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2008年10月23日 (木)

マイMAC G5 メモリ再度増設成功

実は遅まきながら業界標準となりつつある2種類のソフトシンセ導入のため私の仕事場のMAC G5 Dual のメモリーをさらに2G増設しました。

前回は初めてだったのでかなり苦労しましたが今回は二回目ということで手順自体は確認作業も含め一時間ほどで済みました。

ひとつ問題はAppleはG5用のメモリーの販売を終了してしまったため、MAC用のメモリーをApple以外の会社から購入しなければならず、その品定めに少し手間取ってしまいました。安いところもあったんですが、何かこういうのって安いとかえって気持ち悪いので結局アドテック社のMAC用メモリー ADM3200D-1GWにしました。Appleで買うより\9000高いですが安定した動作のようなのでそちらで増設。今のところは問題なく動いています。

実は僕はどちらかというとまだハードシンセ派なんですが、そうはいっても業界標準のサウンドを作るためにはどうしても2種類のソフトシンセを導入する必要に迫られていました。一応最前線で仕事している人なら持っているソフトシンセで遅まきながら私も導入します。

FXPansion BFD2  (ドラムス用ソフトシンセ)
Vienase Standard Edition (オーケストラサウンド)

というわけで本日仕事場のワークステーションを強化しました。

Apple Store(Japan)

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2008年9月24日 (水)

DimaとRIAAがインターネット放送”に関して和解成立

一応インターネット放送をやっているものなので、ちょっと遅い記事ですが(英語です)

MAJOR MUSIC INDUSTRY GROUPS ANNOUNCE BREAKTHROUGH AGREEMENT

http://www.digmedia.org/content/release.cfm?id=7243&content=pr

これはインタラクティブ・ストリーミングとダウンロード(オンデマンド放送)に関して柔軟な著作権使用料金(売り上げの10.5%)を適用し、一方で音楽のみのインターネット放送(インターネットラジオやノン・インタラクティブ・ストリーミング放送)に関しては’著作権使用料を免除する’との発表。

しかしアメリカの著作権に詳しい法律事務所の記事でもこう書いてあります。 (これも英語です)

http://www.broadcastlawblog.com/archives/internet-radio-settlement-reached-on-certain-aspects-of-section-115-royalty-contrary-to-press-reports-this-has-nothing-to-do-with-internet-radio-royalty-dispute.html

要は現在全米で論じられている”デジタルミレニアム著作権法(DMCA)”の115条(mechanical royalty)に関しての和解で有り、インターネットラジオ放送などに影響する114条(performers royalty)での和解には至っていないとのことでこの合意にどれだけの意味があるのか、という問題もありますね。

まあまだアメリカ議会で可決されていないというのもありますが、日本でもJASRACとNRMSとの交渉に影響するかどうか、何とも興味深い動きではあります。

私が望むのはただ一つ、アーチストの権利をきちんと尊重された環境の上でインターネットで自由に音楽プロモーションができる仕組みを作って欲しい。

それには「有料」の場合と「宣伝(プロモーション)」の線引きをどうするかだけですが、なかなかここがはっきりしませんね

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2008年5月 1日 (木)

IT産業もハードメーカーもクリエータへの思いやりがない

慶応大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構准教授の岸さんのコラム

http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMIT12000026112007

この人は確かにエイベックスの取締役でもあるからIT関係者から「音楽業界のロビイスト」と罵られたりしたし、音楽業界の保守派からは{IT業界のまわしもの」と忌み嫌われている。しかしその考え方は非常にバランスの取れた視野の広いものだと思う。

>1つはデジタル放送におけるコンテンツの複製を巡る権利者とハードメーカーの対立であり、もう1つは、ネット上で違法にアップロードされたコンテンツのダウンロードも違法とすることに対するネット寄りの人々からの反論である。双方に共通するのは、クリエーターに対する思いやりの欠如だ。このままでは、プロのクリエーターのデジタルやネットに対する不信が増大するだけであり、ネットによる社会の変革もソフトパワーの強化も絵に描いた餅となりかねない。

こういう視点でものを見れる人がIT業界のみならず、実はコンテンツ制作業界にも少なくなっているのは最近肌で感じている。現在、「IT化」で本来一番恩恵を受けるはずのクリエーターは現場で一番恩恵を受けていないというのが一番の問題である。

また「はてな」の梅田氏が対談集「フューチャリスト宣言」で「全てのコンテンツはフリーであるべき」と受け取れる発言を行い、IT関係者から喝采を受けている模様だが、IT関係者でおそらくコンテンツのクリエートの現場を知っている人は殆どいないため、それがどれだけ大変な作業であるかを理解している人間は少ない。それが事態を悪化している。どうも全員ではないが、一部のIT業者の中に変なエリート意識があり、モノ作り、コンテンツ作りを「旧態依然の産業」と決め付け最初から見下すような態度の輩も少なくない。

特に以下の発言はおおいに賛同する

JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)もMIAU(インターネット先進ユーザーの会(MIAU))も、個々の論点に関する主張には理解できる部分もあるが、全体として、制度変更に対する批判ばかりで、その前提としてクリエーターに対する思いやりが足りないのではないだろうか。今回文化庁が提示した制度改正が最善の策とは思わない。しかし、現行著作権法の抜本改正がすぐにはできないなか、深刻化した違法コピーとダウンロードへの対応として、権利保護の強化は止むを得ない面を持つのではないだろうか。

 デジタルとネットの普及でクリエーターは所得機会の損失という深刻な被害を受けている。MIAUは「一億総クリエーター」という政府の標語を引いているが、プロとアマチュアのコンテンツは分けて考えるべきである。放送局やレコード会社などを含むプロのクリエーターは、作品から収入を得ているのであり、その収入が激減するのを放置したらどうなるだろうか。ネット上でのプロのコンテンツの流通が増えるどころか、プロの道を志す人が減り、日本の文化の水準が下がる危険性もあるのではないか。

全く同感である。特に「全てのコンテンツがフリーであるべき」と考えている情報機器ハードメーカーの人たちや、IT業者の人たちに言いたいのは、一度映画や音楽の製作現場を実際に見てみるといい、少なくとも彼らが考えている以上に「クリエートする」というのは大変な作業であり、音楽も映像も「簡単にできるもの」ではないということがそれによってわかるはずだ

結局この「クリエートする」ことが文化を支えていくものである。彼らの視点からは全くこの視点が欠けている。結局、文化や創造性というもの(当然それには権利が発生する)への理解の欠如が今日のITのコンテンツ事業の停滞を生んでいるのではないだろうか。これは結局は電気情報技術メーカー」もIT業者も自分の首を絞めていることになるのである。そのことを理解しない人間が多すぎる。

岸さんのような人間がもう少し増えれば日本のデジタル文化の未来に希望が持てるのだが....


フューチャリスト宣言 (ちくま新書 656)

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2008年3月26日 (水)

IT業界はコンテンツを無料で騙し取っていないか--著作権問題の奥にあるもの

IT業界はコンテンツを無料で騙し取っていないか--著作権問題の奥にあるものhttp://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20370105,00.htm

ネットの世界では特にそうだが「嫌われ者」のJASRACの中で興味深いシンポジウムが昨日行われたようである。

出席者は

菅原瑞夫氏 (JASRAC常務理事)

砂川浩慶氏 (立教大学社会学部メディア社会学科准教授-元日本放送連)

岸博幸氏 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

堀義貴氏 (ホリプロ代表取締役社長CEO)

川上量生氏 (ドワンゴ株代表取締役社長)

まだ他にもいたかもしれませんが、発言が引用されたのは以上の人たちです

確かにコンテンツホルダーの世界もIT業界の世界もともに魑魅魍魎の世界であることは事実だ。芸能や音楽は体質的にかなり「ヤクザ」な世界だし、IT業界は「IT革命家きどり」したマスメデイア関係者なみの傲慢な輩が少なくない。

このような真剣な議論のシンポジウムがJASRACというところで開催されただけでも意味がある。ネットそのものに否定的な「既存の業界」、一方で「コンテンツ」を望みながらもその価値を真剣に理解しようとしないIT業界、私は両方の言い分がわかるが今後のITを含めたメデイアの中でのコンテンツの扱い、特に権利についての扱いについて「落としどころ」を模索するきっかけになればと思う。

以下記事のポイントとなる部分を引用し、私見を述べさせていただく

1.悪者探しから未来は生まれない

 ネットを新しいコンテンツ流通プラットフォームとして育てていく上で、よく指摘されるのテレビ番組をはじめとした既存のコンテンツがなかなかネット配信されない問題だ。岸氏は「なぜコンテンツが増えないのか。著作権法を変えればコンテンツが流通するというわけではない。むしろ、契約を変えるとか、著作権者が受け取る報酬を増やすといったことで変えられる部分がある。にもかかわらず『著作権が悪い』といったように、すぐ議論が曲がってしまうことを懸念している」(岸氏)として、著作権法が槍玉にあげられる現状に意義を唱える。

確かに何でも現行の著作権法をやり玉にあげるのはどうかと思うが、例えば「44秒以上は音楽配信」とか、IPマルチキャストでのストリーミングは音楽配信とみなす、とか問題がある点は多々ある。よって著作権法に全く問題がないわけではない。一方で現行の著作権法も運用次第では、ネットでかなりのプロモーションが可能である。要は配信に対する「運用に対する考え方」をどうするかという問題になる。

2.ネットでコンテンツホルダーは儲からない

 コンテンツホルダーの立場からは、ホリプロ代表取締役社長COOの堀義貴氏が発言し、そもそもコンテンツがネットに流通すればすべてうまくいくという議論自体がおかしいとした。

 「コンテンツが死蔵していて、流通しないのは悪いという理論がある。しかし、流通業界を見ても大量に良いものを仕入れて売れば儲かるという時代ではなく、プライベートブランドを作って自分たちで安くて良いものを作ろうという小売中心の考えになっている。そういった時代に、『コンテンツが流通すればみんな儲かる』という幻想を抱かせているのは問題だ」(堀氏)

今の音楽配信の状況を見れば明らかですね。私も「ネットでやれば全てうまくいく」というIT業者のお決まりの言葉には今までの経験論を含めて極めて懐疑的であります。実際いまどきそんなセールストークを持ってこられても鵜呑みにする人は少ないと思いますが...

「過去、(BS放送やCS放送など)色々なコンテンツ流通プラットフォームが登場し、その度に『これでクリエイターは仕事がたくさん増えて引く手あまたになる』と言われたが、実際にそんなことは一回もなかった。むしろ設備投資が増えてコストがかさみ、コンテンツは横並びの似たものばかりになっている。広告主は数字を求めるので、難しいものがなくなる。完全なデフレスパイラルに陥り、制作してすぐ流すという中で制作会社は疲弊し、コンテンツを作る人間がどんどん減っている。こんな夢のない世界はない」(原氏)

まさにその通り。私の以下のブログにも同じことを書いています。
コラムーデジタル技術は「コンテンツ制作現場」を理想的にしたか?

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2008/01/post_a5f7.html

「コンテンツはフリーであるべき、という空気があり、それを理由にIT業界がコンテンツを無料で騙し取ろうとしている雰囲気がある」(川上氏)

これも先日のmixi関連の記事で書きましたが正直IT関係の人たちに権利に対する意識がきちんと浸透しているとは正直とても言いがたい、というのが事実ですね。実際川上氏の指摘するような雰囲気は残念ながら間違いなくあります。それがJASRACやレコ協や日本放送連盟のような「既存のコンテンツホルダー(某IT業者の言葉を借りれば)」から不信感を抱かせているのは事実でしょう。
参考までにmixiの著作権、人格権の規約改訂に伴う騒動にふれ、
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2008/03/mixi_31d2.html

しかしそれをただいがみ合っているだけでは何の問題の解決になりません。コンテンツホルダーとIT業者の間でのきちんとした協議が必要です

3.コンテンツホルダーは魅力ある提案を待っている

JASRAC常務理事の菅原瑞夫氏は、「ライセンスという面では、マスメディアでもネットでも変わらない。ただ、経済的規模は圧倒的に違う。着メロの市場を考えてみると、登場から3年で市場規模は20倍になったが、その後4分の1にまで縮小した。単価が小さいビジネスで、(著作権者と配信事業者が)どう合意を取るかが問題だ。そこのビジネス提案があれば実験ができるが、そこが今、あまりない」と不満の意を示す。

私的にはこういう受身的な態度が問題なような気がします。IT業者はそもそも「コンテンツ」を0から作った経験のない人たちばかりなので、「どういう提案をしてよいのか」そもそもわからない、というのが実態なのではないでしょうか? 逆に我々コンテンツメーカーが積極的に「こうして欲しい」という要望をたたき台として出し、それに対してIT業者がどうするか、という形で進めたほうが話しが早い気がします。

ネットならではのコンテンツを

 ネットにはネットならではの特性があり、古いテレビ向けのコンテンツをネットに流すよりも、ネットの特性に合ったものを作り出すべき、というのが登壇者の一致した見解だ。岸氏は「マスメディアは、広くコンテンツを流すもの。これに対して、デジタルメディアではコミュニティを作る部分が大事になる。オンラインビデオはテレビ局しか作れないのかといえば違う。たとえば米国では、地方新聞ほどカメラマンを教育して動画を撮影できるようにし、独自の動画を流している」と紹介。

つまるところそうでしょうね。「他のメデイアで見れるコンテンツ」のみをネットで配信しても意味がないということです。だからこそ今「ネット放送」に対して規制しようというおかしな動きがあるけれども、それは「ネットならではのコンテンツ」を作ろうとするコンテンツメーカーにとっては寧ろ自殺行為であると思います。何よりもネットといえでも多くあるメデイアの一つに過ぎない、ということ。ラジオはラジオならではのコンテンツがあるように、ネットはネットならではのコンテンツを作る必要があります。

 但し「ネットはネットならではのコンテンツ」とは一体何か、これが大きな問題ですね。私もネット放送をやっていますが、まだその答えを見つけられないでいます。これは私自身の課題だと思っております。

最後に次の言葉はコンテンツホルダー、IT業者ともに肝に銘じておくべき発言だと思います

「欧米を見ても、ネットだけで儲けているところはほとんどない。将来的には儲かるだろうから、いまのうちに実験をして儲かる方法を見つけるんだ、と考えている。研究開発投資に近い。これまでサービス産業は研究開発投資に縁がなかったが、技術の進化が早くて、しかもサービスの質に影響する以上、今のうちに実験をしておかなくてはいけないと考えている。今、何もしなかったら、ユーザーの変化に追いつけない」(岸氏)

「著作権がネックになっていると言われてる問題でも、実際そうであることはあまりない。確かに、著作権は分かりにくく、著作権者の世界は魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)する怖い世界だというイメージがある。しかし、人間と人間が話をすれば落としどころは必ずある。冷静に問題点を摘出した上で議論をすべきだ。悪者探しをしていても、議論は前に進まない」(砂川氏)

この部分は全く同感です。まさに今のコンテンツホルダーとIT関係業者の状況を表しています。

この議論でコンテンツホルダーとIT業者の間にはかなりまだ認識の面で距離があることが浮き彫りになったと思います。しかし次の時代に生き残る意味でも「落としどころ」を真剣に考える必要があるし、また一般のユーザーに対しても啓蒙が必要でしょう。しかし大事なことは今回のような議論を通じて具体的な解決策を模索することがコンテンツホルダーやIT業者双方にメリットがあるということです。


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2007年12月 6日 (木)

ネット放送を規制?

総務省:通信・放送法制統合へ ネット情報も規制 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20071206k0000e040043000c.html

ネット放送を運営している身としては「規制」と聞いて黙っているわけにいかない。確かに2011年のテレビの全面デジタル化(実際に予定通り行われるかは疑問だが)を視野にネットとテレビの境界線がなくなっていくのはわかるが、問題はどんな規制が具体的にかかるかだ。例によって総務省の発表内容はあまりに曖昧すぎる。

まず

(1)政治的な中立性が保たれているか
(2)公序良俗に反していないか と

というが、この2点を一体誰が判断するのか。

第二点として
「政治的中立」とは一体何か。ネットには右翼から左翼までのサイトが(勿論ネット放送まで)あるがそれらは当然普通の考えでは「政治的中立」ではない、ということは彼らは当然規制の対象になってしまう

第三点
何をもって公序良俗に反しているというのか、それが大きな問題だ 。
いわゆるアダルト系や出会い系みたいなところと裸婦等の美術やヘルムートニュートンのような写真のサイトをいっしょにされたらたまらない。お役人はそういうことをやりかねない。

特に第一点が問題だ
もし「第三者機関」で判断するといってその「第三者機関」のメンバーに「ネットが音楽産業衰退の諸悪の根源」と発言してはばからない現レコ協の会長やJASRACの会長などが入ったら目もあてられない。事実上全ての音楽事業者はネット放送そのものを禁じるなどどいう方向にも行きかねない。だいたい今までの役人の発想だとそういう方向に行く可能性がある

特にこの新放送法で怖いのは以下の点

>新法が制定されれば、影響力の大きいメディアによってネット配信されたコンテンツが政治的に偏っていたり、有害だと判断された場合は配信者(事業者や個人)に対し削除や訂正を求めることができるようになる

国家権力というのはどんなものでもなんくせをつけて「政治的に偏っていたり」とか「有害」と決め付けることができる。その判断基準がこのように曖昧のまま新放送法が制定されるとしたら、大いなる危機感を感じざるを得ない。

ネットコンテンツに詳しくない者ほど「ネットを規制すべき」という論法を出すことが多い。だがネットを規制だらけにしたらネットの潜在能力を殺すことになる(中国の現状を参照)

ネット放送には確かにいただけないコンテンツもあるのは事実だ。しかしそれと安易な規制は別問題である







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2007年4月 6日 (金)

Mac G5 結果はメモリ増設、実質的には交換

さて、かねてから問題があった弊社のMAC G5 DUAL
本日2Gのメモリー基盤が到着し増設作業を行った。

この増設作業ー思った以上に手間取った、というのが増設装填したあとしばらくなぜかシステムが立ち上がらなかった。
え?昨日までちゃんと起動していたのになぜ? と思いAppleのサポートに電話したり何なりで、結局取り外したり装填しなおしたりの連続作業、

MAC Power PC G5の中身をご存知の方はわかるだろうがPC本体を開けてファンユニットを取り出すとメモリーのスロットが上下4つずつあり、工場出荷時に上下それぞれ1つずつ装填してある。その2つめのスロットに本日到着のメモリーを装填する作業で思いのほか手間取ってしまった。

結局メモリーのスロットの最初に本日到着した1Gを2枚一番目のスロットに装填したらうまく起動した。そして試しに今までのメモリー基盤(252M x 2)を二番目のスロットに装填したら何と認識しない(!)ことがわかった。もともとのDD-RAM基盤に問題があったようである。つまりはこの基盤、ほとんど死んでいたのだ。

というわけでMAC OSX 10.4.8 Tigerにとってあまりに少ないメモリーだった512Mを結果的には2Gに増設したが、実質的にはRAM基盤の交換という形になった

不用意なPanther アップデートから一ヶ月近くたって、ようやく健全なMacの環境が帰ってきた。先日信じられないほど重かったpro toolsも今度こそ快適に動いているので安心した。システムアップからpro toolsのバージョンアップ、そしてメモリ増設、しめて10万近い出費となってしまった。しかし結果的にはメモリー基盤自体にもかなり問題があったことがわかったのでかえってよかったかもしれない。どのみちpro toolsを動かすのに512Mでは少なすぎたのだから..

やっとこれで本来の制作体制を取れる。自社ものの曲のアレンジや「俺たちの世界」の最終MAの編集作業と滞った作業は多い
業務上も停滞した雰囲気だったがこれで元に戻ればと思う。この一ヶ月のロスを取り戻さなくては

ちなみに今日わかったのだがpro tools7.3になって以前のプラグインで使えなくなったものがあったことがわかった。R-tasのコンプレッサーで結構愛用していたのだが、代用の新プラグインのコンプレッサーはどんなものだろう? どっちにしてもまたいろいろ設定を保存したりしなくてはならないため面倒な作業がまた増える。

というわけで我が音楽実験室ー今度こそ復活!!






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2007年3月23日 (金)

MAC Tigerへシステムアップーpro toolsもバージョンアップの作業ようやく終了!!

経営者の端くれなので決算法人会の説明会(実は中小企業経営者としてかなり腹立たしい情報がありました)のあと昨日より滞っていたMacのシステムアップ作業、関連アプリケーションのバージョンアップ作業を行った。先ほど動作確認作業も含め、全ての作業が終了した。これで先週のような動作不安定の状況は改善すると見ている。これで安心して作業を進めることができそう。

実はこの作業、一昨日から始めていてかなり苦戦していた。というのはTigerのInstallerがなかなか起動しなかった。原因がなかなかわからなかったのだが、要はMacのアカウントからログアウトした状態でキーボードのCを押しながら再起動したらInstallerが立ち上がった。それまでいろんなことをやっていて全然動かなかったが、要はMacのアカウントーユーザーのパスワードを有効なままにしているとシステムにロックがかかり、システムアップのInstallerが起動しないのだ。これだけで一日ロスしてしまった。

しかしそれもうまく行き正味40-50分でシステムアップ、2年近く愛用したPanther(10.3)からTiger(10.4)にアップグレードできた。その後使用するアプリケーションの関係で10.4.8にシステムアップ。然る後 波形編集ソフトのBiasのPeakのTiger用のパッチ、そして何よりもpro toolsの7.3をインストール

pro toolsはその後動作が比較的安定している7.3.1にアップデートした。その後各アプリケーションで動作確認。結局作業終了は日付変更線(午前0時)を超えてしまった。まあいつものこと

というわけでようやく制作環境が復活。バージョンアップしました。Tigerはかなり快適との評判なのでこれから今まで以上にガンガン制作に励もうと思っています

ちなみに先ほどの「中小企業にとって腹立たしい情報」について興味ある人は詳しくはこちらを読んでください
http://blogs.yahoo.co.jp/nanashi4444/archive/2007/03/22


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2007年3月14日 (水)

MacOSX 動作絶不調ー原因は

先週末からプレスの仕事のデザインチェックその他の作業と新曲の打ち込み等をやっていましたが、頻繁にSystem Failureやフリーズしっぱなし、何回立ち上げたか、わからない状況が続いていました。

最近わかったのですがWeb Casterのファイバーケーブル経由でおかしな信号が原因でSystemがおかしくなったりすることもあるようです。特にG5にしても立ち上がり数分は不安定なのでそれが原因でSystem Failureやフリーズをおこしてしまうことはあるようですが、それにしても一作日は凄ましかったです。OSXは動作が安定が売り物じゃなかったのか。

そして昨日あまりにSystem Failureやフリーズを繰り返すのでとうとうぶち切れてしまいました。したりするのでとうとうイラ イラが頂点、ついに爆発して机をひっくり返しそうになりました。

で、どうやら原因はシステムアップデートのようです 。うちはソフトシンセ関係をDigi002 rackを通しているのですが 決まって打ち込みをしてソフトシンセを立ち上げるときに不安定になっていました。原因をDigidesign社に聞いてみると何と pro tools 及びDigi002はMacの10.3.9をサポートしていない とのこと。 おい、聞いてねーよ、そんなこと (-_-)

しかも悪いことにそれが原因でOSそのものを傷つけたらしい。
Digi002を立ち上げなくても動作不安定になり昨日の私の 「切れる」状態に発展してしまいました。 とにかく凄まじい、5回くらい立ち上げてやっと安定するという始末。

対策としては10.3.8にシステムを下げるか思い切ってTigerにするかの二つに一つ、実はシステムをダウングレードするの って結構難しい。確かに一番お金はかからないけど

どのみちOS自体に傷がついている可能性が高いので、思い切ってこの機会にTigerにすることにしました。Pro toolsも6.9から7.3にバージョンアップ。Digi Performerは4.6のままで良さ そう。BiasのPeakはTiger用のパッチを無償でダウンロードできるとわかり決断。

特にpro toolsを7.1以降にアップしているスタジオが多いことも今回の決断に影響。7.3.1なら動作が安定しているという情 報もあるので思い切って決断しました。出費はしめて2万5千 円くらい、予定外の出費(^^;;)

とにかくMacで「システムアップデート」とあるけどあまり安易にしない方がいいということがわかりました。アプリケーシ ョンによって最近のものでも必ずしも全てのバージョンをサポ ートしているとは限らないということですね。いやーちょっぴ り高い授業料を払わされました(^^;)

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2006年10月10日 (火)

インターネットとロングテイル

もう10日前になるが「マーケテイング庵」で音楽業界についての勉強会を行った。その時に時々マーケテイング用語として「ロングテイル」なる言葉が出てきた。

当時は意味はわからなかったがその後調べたら

ロングテイルー大口客依存型の売り上げモデルではなく多くの小口客を集める収益モデルのこと

だそうだ。いわゆるネットマーケテイングではよく使われる用語だ。

そしてよく「ネットで売り上げ3倍」とか「自宅で○億円稼いだ」などといった類の話をよく聞く。多くは眉唾もので実際はMLMだったり、詐欺の類だったりするがその中で本当に稼いでいる人たちは確かに存在する。しかも今日のYou tubeのようなM&Aのような手法ではなくてだ。その人たちのノウハウにはやはり興味はわいてくる

私は以前のコラムでは「ネットによるプロモーションの限界」のようなことを書いた。ネットプロモーションで効果を期待しすぎて何回も痛い目にあったからだ。だがネットによるプロモーションやマーケテイングというものを私自身今どれだけ理解しているだろうか。理解している気になっているだけでまだ見落としている所はないだろうか。そう考えてもう一度マーケテイング方法について勉強してみようと思っている

先日の「マーケテイング庵」では某A社のプロモーションに関わっている方も出席していたが、この人の意見に賛同するかどうかは別としてこういう人が「マーケテイング庵」に参加していろんな話を聞けたこと自体は非常に有意義だった。今まで自分が持っていたある種の考えが単なる先入観であったこともわかったし、いろいろと考えさせられる面もあった。

知り合いに某A社の方がおられるし、その方は業界人でも良心的な人だと思うので、あまり多くは言わないつもりでいるが、私は某A社のアーチストの曲をいいと思ったことは一度もない。(ああいう曲を書けといえばやってできなくはないけどね)音楽としてもはっきりいって嫌いだ。いや、音楽ですらないと思っている。しかしこのA社のマーケテイング戦略は確かにすごいと認めざるを得ないのだ。云ってみれば音楽という「物」を工場として作り、徹底したマーケテイング戦略で売る、これが他の会社ろA社との違いだ。

あんな音楽はくだらない、というのは簡単だ。実際くだらないと思う。しかし自分が信じる音楽を世に出すためには彼らに匹敵する戦略をもう一度自分なりに組みなおさないととうてい勝てないことを知った。

勿論A社の真似をする気はさらさらない、寧ろ私が目指しているベクトルは全く彼らとは180度逆の方向だと思う。私は如何に文化として残る音楽を世に出すかという方法について考えたいと思っている。考えながら自分の音楽活動を行って行きたいと考えている。単なる消費財としての音楽ではなく..それにはもう少しこのロングテイルマーケテイングについて考えて行きたいと思う。いろいろとご教授下さい<アクトンベイビーさん









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