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2021年5月11日 (火)

ハリウッドのゴールデングローブ非難と日本のDHC会長ヘイト発言に対する反応の差にみる日本と欧米の人種問題コンプライアンスの意識の差

日本人であまり関心のある人はいないようだが、今映画のアカデミー賞の前哨戦ともいわれオスカーに匹敵するゴールデングローブ賞が今大きく揺れている。本賞はハリウッド外国人映画研究協会(HFPA-Hollywood Foreign Press Association)の会員の投票により選定されるが、HFPAのメンバーは87人いるがその87人の中にアフリカ系(黒人)のジャーナリストが一人もいなかったことをロサンゼルス・タイムズが報じた。

■Who really gives out the Golden Globes? A tiny group full of quirky characters — and no Black members
 https://www.latimes.com/entertainment-arts/business/story/2021-02-21/hfpa-golden-globes-2021-who-are-the-members

この話は伏線があり、以前HFPA会長のフィリップ・バークがアフリカ系のフロイド氏がデレク・ショーヴィン巡査(当時)に惨殺された事件に伴う、ブラック・ライヴズ・マター運動について、その運動を「憎悪団体」と形容した電子メールを転送していたことが判明し辞任に追い込まれた事件もあったため、HFPAに対しては人種偏見の体質があるのではないか、と兼ねてから指摘されていた。

この事実に対するハリウッドや映画業界の反応は早かった。ワーナーメディアやNetflixなどが本賞関連のイベントに参加しないことを表明したほか、本賞の授賞式を放送しているNBCテレビも2022年の中継を行わないことを2021年5月10日に発表した。

■NBC Will Not Air 2022 Golden Globes
https://www.hollywoodreporter.com/tv/tv-news/nbc-will-not-air-2022-golden-globes-1234950687/

また俳優のトムクルーズは今回の事態に対し過去のゴールデングローブのトロフィーを全て返還すると表明した。

■Tom Cruise Returns Golden Globes Statues Amid HFPA Controversy
 https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/tom-cruise-returns-golden-globes-1234950724/

これに対しHFPAは審査員のジャーナリストに一人のアフリカ系もいない事実を認めた上で「黒人会員に加え、他の過小評価されている背景を持つ会員も参加する必要があることは理解しており、これらの目標をできるだけ早く達成するため、直ちに取り組みます」と声明を発表した、 

■HFPA Responds to NBC Dropping 2022 Golden Globes
 https://www.hollywoodreporter.com/tv/tv-news/hfpa-responds-to-nbc-dropping-2022-golden-globes-1234950841/?

日本語の記事の方がよければ、
■【ゴールデングローブ賞2021】3つの問題点が浮上。人種差別と接待疑惑、授賞式はどうなる?
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_603ae691c5b617a7e40e245d

今アメリカでは警官が黒人を見ただけで銃を発射したり、アジア系というだけで身の危険を感じる人が多かったり(知り合いが結構アメリカやカナダに現在も住んでいるので彼らの身の安全をいつも心配している。)深刻な人種問題やレイシズムがトランプ政権をきっかけに盛り上がっている。

エンタテインメント業界はそうした風潮に対し警鐘をならし、アメリカの産業界もこうしたLGBT,ダイバーシテイ―(とりわけ性差別と人種問題)SDGといったものに対する取り組み方のコンプライアンスを重視してきた。

人種問題が多発するアメリカではあるが、いやだからこそ人種差別発言を行う人間に対しては厳しい社会的制裁を科せられるのがアメリカでは普通なのだ。こういう面でのコンプライアンスはアメリカ企業はしっかりしている。一度「レイシスト」のレッテルを貼られるとその人間は社会的に抹殺される。

古い話ではNBAのロサンジェレスクリッパーズのオーナーが人種差別発言をしたとのことでオーナーを追放され、業界を永久追放になっている。

■NBA人種差別発言のオーナーを永久追放!! 当然の処分
https://kyojiohno.hatenadiary.com/entry/20140430

アメリカ社会全体としてはそうした差別をなくそうと懸命に努力をしてきた。特にここ20年くらいはその姿勢を顕著にしてきた。
それは「公民権運動」のマーチンルーサー.キング牧師の誕生日を国民の祝日にしたことからもわかる。アメリカで個人の誕生日が国民の祝日になったのは他に初代大統領のワシントンと南北戦争で奴隷解放を成し遂げたリンカーンだけだ。

MLBは初のアフリカ系アメリカ人選手のジャッキーロビンソンに敬意を表すため背番号42を全球団が永久欠番とした。さらにロビンソンがメジャーリーグにデビューした日「ジャッキーロビンソンデー」として記念し、全選手がユニホームに背番号42をつける。

しかしトランプ政権に入り、こうしたレイシスト集団、ネオナチ、極右集団等が幅を利かすようになり、先日のデレク・ショーヴィン元警官が一般の黒人を問答無用で射殺する等の事件が後を絶たない(ショーヴィンは有罪で事実上の終身刑となった)だからこそこうした差別を助長する行為に対してアメリカ社会は敏感に反応するのだ。

さて前置きが長くなってしまったが一方日本はどうか?

ご存じの通りDHCの吉田嘉明会長が在日コリアンに対する悪意ある差別発言を行ったことが波紋を呼んでいる

 ■DHC会長が在日コリアンに対しヘイト発言か 公式サイトの文章がSNSで炎上
https://www.tokyo-np.co.jp/article/74705

波紋? 日本社会はそんな甘っちょろい反応しかないのか? というのが私の率直な意見だ。

問題の吉田会長はこのコメントに対する釈明も勿論謝罪も一切していない。そして一応不買運動らしき動きもあるようだが...

■DHCに抗議と不買運動 「差別する企業の商品は買わない」
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2021/02/18/antena-901/

これがアメリカならこの発言で取引のあった会社は全て取引停止、この会長も辞任を余儀なくされ、業界から永久追放だろう。
欧米社会なら間違いなくそうなる、

だが日本では全くそうなっていない。DHCの主な販売ルートのコンビニチェーンでDHCに対する取引停止を検討している、などという話は聞いたことがない。わずかに高知県南国市がDHC公式サイトの差別発言を「不適切」と判断しDHCと結んでいた包括連携協定を解消する方針を明らかにしたくらい。あとの自治体も企業体の反応は実に鈍いものだ。

日本企業は「コンプライアンス」などと一見うるさいようにみえるが、こういう人道的、他人に対する差別発言にたいしては呆れるほど寛容だ。日本企業の「コンプライアンス」とは単なる「カタチ」のみを重用視するもので、モラルや人道的なコンプライアンスに対しては全く無関心、無反応ということなのだろう、つまり日本企業の「コンプライアンス」というものは極めて偽善的で虚飾に満ちたものといわざるを得ない。

これも差別問題に対する無関心、差別自体を容認する今の日本社会の実態だろう。

ここ10年の間に世界はダイバーシテイー(性や人種等の多様性)LGBT(性志向性の多様化容認)SDG(持続可能な開発目標)等従来の価値観と大きく変わる社会に変貌した。また「カタチ」とか「ルール」にこだわる日本と違い「徹底したデータ」に基づく対応(そのためには「カタチ」や「マニュアル」など否定する)といった姿勢に大きく変貌している。(「グローバル」「ボーダーレス」社会は云うに及ばず)

こうした世界の変化に対して日本人の大多数はいまだ無関心であり、対応もしようとしていない。

まさに日本が後進国に堕ちた理由はそこにある

日本と欧米の人種問題とコンプライアンスの意識の差を埋めるのは容易なことではない。

 


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