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2019年1月24日 (木)

低予算で作るなんてまったく自慢にならないーそろそろコンテンツ制作現場の「ブラック化」をやめるべき

昨日はシンガーソングライター、女優、映画監督と多彩な月元映里さんの映画二本のスクリーニングがあり、見に行つた。

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今だからいうけど、実はこの映画の企画段階で制作の事務所(モデル事務所)に伺ったことがあり、そこでの印象は正直制作というものを全く理解していないどころか、寧ろ明らかに制作スタッフ馬鹿にしているところすらあった。確かに一部の芸能プロは自分たちは「キャスト」であって「スタッフクルー」はその下の存在だ、などと思い込んでいるところが少なくない。この事務所も例外ではない印象を持った

誰が云ったのか知らんが「今映画は『タダ同然でできる』」なんてことを真に受けて、必要な経費を殆ど出さない状態で、しかも無謀なことに一気に三本も作るなんていうことを平気でやる事務所。「映画なんて簡単にできる」なんていう思っているとしか思えない行動で、制作工程をとことん愚弄しているのがわかる。普通映画制作なら当然かかる必要経費すら出さないで結果的に月元さんはかなりの額を自腹切って費用を捻出している。

一応スタッフクルーの端くれである自分はこういう扱いに腹立たしさを覚えたが、月元さんは驚くべき忍耐強さと情熱で海外で受賞できる映画に仕上げた。これがすごい、俺にはとてもできない。しかもハナから映像制作の工程など理解していない事務所だけに月元さんの苦労は生半可なものではなかったことが容易に想像できる。

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シンガーソングライター、女優、ボーカリスト、映画監督と実に多才な月元さん

今日本で「低予算で映画作る」なんてことを自慢する雰囲気がある。
「カメラを止めるな」もそういう低予算でクオリティの高い映画を作るのはデイレクター、映画監督の功、手腕を評価すべきであってプロデユーサーは寧ろ恥だと思わないといけないはずなんだが、日本ではそう考えるプロデユーサーが極めて少ない、
「300万で映画できるんだ、それで何十億の収益あがるよね?」といった柳の下のドジョウばかりを狙うという情けない発想しかしない始末。「いいものをつくる」のではなく「いかに安く作るか」なんてことしか考えない業界人があまりに多すぎる

本来なら月元さんのような低予算でこれだけの実績を上げるというのがいかに素晴らしいことか、そしてその苦労に報いるために少なくとも「普通の予算で」次回は映画を作る環境を作ってあげる、とかを考えるべきなのだが、実際の業界はその真逆な考え方しかしない人間が多く、その実態にただただ呆れるばかりだ。

ちなみに「タダ同然で作った」月元さんの映画がどれだけの実績を積んだが以下に示そう

映画 「虹の橋をかけぬけて」

受賞

・マドリッド国際映画祭
外国語映画 最優秀助演女優賞
(月元映里) 受賞

・モナコ国際映画祭
independent spirits award受賞 

ノミネート

・アムステルダム国際映画祭
・ミラノ国際映画祭、(複数ノミネート)
外国語映画
最優秀主演女優賞(藤木かおる)、
最優秀助演女優賞(月元映里)、
最優秀オリジナル脚本賞

・インド calcutta国際映画祭 finalist
・Los Angeles Film Awards Official selection

・Mediterranean film festival Cannes ノミネート上映
・ロンドン国際映画祭 現在ノミネート決定
(複数ノミネート)
最優秀 撮影賞
最優秀 編集賞

映画 「奇跡のクリスマス」

受賞

・インド calcutta international cult film festival
outstanding archievement award  受賞

・ニース国際映画祭 外国語映画
最優秀主演俳優賞(SADA) 受賞受賞
・New York Film Awards
ベスト新人監督賞  受賞
・Los Angeles Film Awards
2位 Honorable mention 賞   受賞

ノミネート

・マドリッド国際映画祭、
・アムステルダム国際映画祭、
・ミラノ国際映画祭(多数ノミネート)
外国語映画
最優秀監督賞、
最優秀作品賞、
最優秀オリジナル脚本賞、最優秀主演俳優賞(SADA)、
最優秀編集賞、
ベストビジュアルエフェクツ オア デザイン

よくこれだけ受賞やノミネートされたものである。まぐれではこんなことにはならない。あの状況で投げ出さずよくここまでのクオリティに仕上げた、と唯々脱帽、感心するしかない。月元映里という非凡な才能でないとできなかったことだ。

そして実際見た作品は想像以上にすばらしいできだった。

本来ならこれだけでとてつもない実績という認識になるはずだが救いがたいのは「タダ同然で作った」このモデル事務所はどうもこれらの受賞の価値を全く理解していないようなのだ。

豚に真珠とはこのこと。本来なら映画など作る資格などないところだといわざるを得ない

こういう状況を見て私はこういわずにいられない

こういうブラックな流れ、いい加減止めるべきではないか?

もっとはっきりいうと

低予算で映画作る、なんて何の自慢にもならない

ということだ。

かくしてキャストやスタッフクルーのギャラが日本は世界一安い国なのだ。とても先進国のギャランテイとはいえないレベルなのだ

何度も書いているように映像制作はどんどんグローバル化している。コンテンツ制作はもはや国内市場のみを前提として作る時代はとっくに終わっているのだ。

だからこそこんなことが普通に、当たり前のように行われている実態は恥である。低予算しか調達できないことを恥だとも思わないプロデユーサーはあえていうが、プロデユーサー失格である。

そして何よりもクリエイターやスタッフクルーを愚弄、はっきりいえば人間だと思っていないようなところにコンテンツ制作に関わって欲しくない、と思うのである


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