i-tunesでも好評配信中!!
i-tuneページを表示するにはお客様のPCにi-tunesとquicktimeがインストールされている必要があります。 i-tunes及びquicktimeのダウンロードはこちら

« あまりにもタイミングが良すぎて胡散臭いTOKIOの山口強制わいせつ事件 | トップページ | 日本の偉大なギタリスト 井上堯之さん死去ーR.I.P »

2018年4月28日 (土)

ローラがリベラ(LIBERA)と和解し海外のエージェントIMGと契約ー日本のショウビズのパラダイムシフトの始まりとなるか?

当ブログの記事でも何回かふれた音事協を中心とする日本の芸能界の契約内容、とりわけ移籍制限や契約更新に関して公正取引委員会から「違法の恐れあり」と指摘されていた点について述べてきた。

実は私も見逃していたのだが2月15日に公正取引委員会から芸能界の契約が正式に「違法の恐れあり」と指摘を行った
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h30/feb/20180215.html

勿論、ここで付記しておきたいのは公取委は『移籍制限は独占禁止法に違反する』という断定的判断をすることはできない。公取委は行政処分をする権限はあるものの、最終的に適法・違法の判断をするのは裁判所だからだ。

とはいえ、この最終報告書の存在か芸能界の契約トラブルが発生した場合に音事協側がこの報告書によって裁判に著しく不利な立場に立たされることは避けられず、通称「奴隷契約」などと揶揄された芸能人、とりわけアイドルタレントに対する契約を大幅に改定せざるを得なくなるのは避けられない。これは芸能界からスポーツの世界にも著しい影響を及ぼし始めており、各事務所は大幅な契約見直しを余儀なくされるだろう、

■公取委見解
芸能プロやスポーツ界に波紋 契約書見直しも
https://mainichi.jp/articles/20180331/k00/00e/040/218000c

そして今日2月15日の公取の正式報告書発表後、1つ大きな動きが出てきた。

ローラは契約上でさまざまなトラブルがあったLIBERA(リベラ)と和解し海外のエージェントIMGと契約したと発表した。

Thumb12173021916entame_l

https://www.oricon.co.jp/news/2110479/full/?utm_source=Twitter&utm_medium=social&ref_cd=tw

この発表は実に大きな意味を持つ。日本のタレントのエージェント契約が本格化する流れになる可能性を示したと同時に、芸能人契約の「違法の可能性」指摘に伴い芸能界の流れが大きく変わったことを示している。いわば日本の芸能界の事務所の体制に大きな風穴があいたことを示している。

当ブログでも何回も論じているように、音楽、映像の制作体制は急速にグローバル化し日本国内で有名無名に関係なく海外の映画、ドラマに出演することがもはや当たり前のようになりつつある。そんな中で「ガラパゴス的」な日本の芸能界の体制は日本の映画、音楽文化の今後において大きな足かせになるのではないかという懸念が生じていた。

以前の記事で今の芸能界、映画制作、そしてやがては音楽の世界そのものもまるで日本の幕末を思わせるような革命的な動きが起きつつあると述べた。日本社会全体が従来の価値観をドラステイックに変えないといけない時代なのだが、とりわけ音楽の世界は新たな波に対する動きをこころよく思っていない向きは根強く存在する。また従来の日本の「ガラパゴス体制」にどっぷりつかってしまった日本のアーチストやタレントも少なくなく、その意味でいろんな課題、問題が今後生じる可能性がある。

日本以外のアーチスト、俳優、芸能人は基本的にエージェント制を導入しており、今回ローラが契約したIMGは世界でも有数のエージェント会社であり日本にも支社がある。主に国際的なスポーツ選手が対象だったが、今後ハリウッドその他で活躍する日本の女優、俳優の契約数も増えると思われる。

エージェントは世界の映画会社、コンテンツ制作会社、その他タレント、アーチスト、俳優、からスポーツ選手のあらゆるエンタテインメントの代理人として活躍する。主にアーチスト等のギャランテイ額の交渉を始め、ありとあらゆるケースを想定した契約書作成に携わる。そのためワールドワイドで活躍するエージェントはほぼ例外なく弁護士の資格を持っている。アーチストを雇う各会社とは電話張なみの厚さを持つ契約書を作成する。法律用語も多数入っており、私のように英語がある程度わかる人間でも難解な文章になっている

エージェント制と日本の「芸能事務所」制は根本的に違う。わかりやすく説明すると次のようになる

エージェント(代理人) 芸能事務所制
基本的役割 ギャラ額を始め諸条件の交渉
基本マネジメントまでは行わないがオプションでマネジメントまで行うエージェント会社もある
ギャラ額交渉からマネジメントまで全て行うが、所属アーチストに対する縛りが強い
アーチストとの関係 1対1で対等。その意味でアーチストにも自立心が求められる ニュアンスとしては「社員」に近い。事務所社長の権限も強く、事務所が権力を握り徹底的にタレントを牛耳る(殆ど事務所の言いなりといっても過言ではない)
ージン エージェントがカバーする範囲にもよるがだいたい10%-20%が相場。(マネージメント契約の場合は25%くらいまでになる)。一方ではアーチスト、タレント側であっさりエージェントを変える場合もある 事務所にもよるがたいていの場合最低でも50% 酷い場合は8割ー9割持って行かれるケースも少なくない
事務所との関係 日本人にはなかなか理解できない場合があるが、良くも悪くも完全に対等でビジネスの関係も徹底的にドライである。(仕事が取れなくなった場合あっさり契約解除という場合もある) 浪花節的な情で事務所とつながっている場合がある。よくも悪くも日本的な「社長ー社員」の関係になりがち
一方では一部タレントに対する「人権抑圧」に近い扱いを受けることもある
アーチスト、タレントの意識 アーチストとして自立した意識を持つことが必要、 社員的な意識もあるので何でも事務所に依存、まかせっきりになる傾向が強い

ちなみに日本でも芸能事務所に所属するのは決して簡単ではないが、海外のエージェントも簡単にはつかない。女優、俳優さんの場合はハリウッドメジャーでオーデイションで採用される、という条件がある。メジャーリーガーがメジャーリーグ球団との契約を行えばエージェントがつくが、そうでない場合は決してエージェントはつかない

ただ映像制作のグローバル化がどんどん進むにつれこのエージェント制が普及していくのは間違いない、その際にアーチストも俳優、女優、タレントもエージェントと1対1の自立した意識で取り組めるかという点が大きな課題となる

メジャーで長い間仕事をしてきた人ほどこの傾向が強いが、日本の芸能人、アーチスト関係は事務所、マネージャー事務所社長に対する依存心が強い場合が多い。特に音楽関係はこの傾向が強く、「自立した意識」で仕事をしている人間は決して多いとは言えない。

今後グローバル化が進むにつれてこの部分を克服できるか、というのも重要なポイントである。日本というのは「会社社会」であり、私などは会社主義社会と呼んでいる。芸能事務所などはまさに会社主義によってアーチストの自立心を摘み取ってきたといってもいい。だからいわゆる「奴隷契約」のようなほぼ芸能、アーチストの人権を蔑ろにするような契約が大手を振ってまかり通ってきたのだ。

2月15日の公正取引委員会の報告書はまさに日本の芸能界で革命的な動きを作る報告書であった。5-6年前こういう事態を想定した人間は芸能界でどれだけいただろうか?

実に面白い時代がやってきた、ともいえる。音楽、映像ともに日本の幕末のような大きな変革期がやってきた、と考えるとワクワクする。 まさに江戸幕府が倒れ、薩摩長州が明治政府を作るような時代がやってきたかもしれない

|

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。