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2018年3月27日 (火)

制作現場や実態を何も知らない奴が映画や音楽の制作費の少なさを嘆く関係者を叩くな!!

私は音楽家だが映画音楽の仕事もしているので映画の世界にも深く関わっている。その中でこれは今に始まったことではないのだが、そんな中園子温監督が日本の映画の低予算ぶりについて語ったところ、やはりネットのバカ連中に叩かれているらしい

■園子温監督が邦画の低予算ぶりを明かす 米中との歴然とした差に嘆き
http://news.livedoor.com/article/detail/11681452/

以前の当ブログの記事でも音楽の分野でスガシカオが日本の音楽制作費が低いというのを「クリエイターの傲慢にしか過ぎない」と主張していた人物がいたが、どうもネットでは有名人が何を云っても難くせをつけて叩く輩が多いのは困ったものだが、同じように園監督に対しても騒いでいる連中がいるらしい。

(当ブログの記事
  http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/05/dlcd-2e5c.html)

だがそういう叩いている連中が実際に音楽や映画の制作現場に一度でも行ったことがあるか、ときかれるとおそらく殆どが間違いなく制作現場などは見たことも行ったこともないだろう。一万歩譲ってたとえ行ったことがあったとしても、その制作現場でどういう作業が行われたなどということは間違いなく理解していないだろう。制作現場というものを少しでも知っていればそんな発言、発想は絶対に出てこないからだ。

おおかたネットで誰かがいった断片的、一面的な情報で「全てを理解した」などという勘違いをして現場を知ったかぶりした無責任な発言をしているパターンだろうが、問題はそういう発言の方がネット住民の受けがいいという困ったパターンがある。

かくして日本のネットはリテラシーの低いネット住民によって、正しくない情報があたかも正しい情報であるかのように伝わってしまう(いわゆるフェイクニュースが伝わるのがこのパターンだ)という最悪のパターンになるわけだが、そういう有名ミュージシャンや映画監督を叩いている人たちは日本というのは世界第三の経済大国(まだ今のところ、だが)であるという事実を果たして覚えているのだろうか?

主要各国の映画売上

Market_motionpic


アメリカ、日本、中国だけの比較だがこれだけでも歴然とした差がある。制作費(平均)の差だ。あまりの差の大きさに愕然とする。

アメリカ 中国 日本
自主映画(学生)  ;1 億  1 億 数十万、多くても100-200万
一般長編映画   10億ー60億  10-50億   3000-5000万
商業映画平均制作費   50億ー100億  50億-100億   3億5000万
大作映画(平均)   100億ー300億  50億-100億  10億

上記の表からみても(実際に園監督もいっていたが)アメリカや中国の自主制作映画の平均予算は1億円以上。それに対して日本は、商業映画ですらその半額以下というのはあまりにもさびしい実態だ、日本映画で制作費10億円は「巨大大作」だが、アメリカ・中国では10億円は「かなりの低予算映画」になるという。ヨーロッパの映画のデータは手に入らなかったが、日本を大きく上回り中国なみのところが殆どなので、それを考えると世界経済第三位の国の映画制作費は世界最低レベルのお金しか使っていない、といっても差し支えないと思われる。この事実をどう考えるだろうか?

無論映画はお金をかければいいというものではない。それこそこんなことをいうとネット住民あたりから「少ない予算でも良い映画は作れるはずだ」などという人も出てくるだろう。勿論そのとおりなのだが、日本の今の映画のバジェットを見ると「良い映画」「クオリティを保つ」ための充分な予算を取れているとは言い難いのだ、

例えば映画音楽をやっている立場からいわせてもらうと「音楽は映画にとって大事だ」という監督は大勢いる。では実際に映画音楽制作にどれだけのバジェットを確保しているか、というと残念ながらハリウッド映画のように生のオーケストラを使って、などというレベルの予算は日本の場合殆どでない。

こういう話でいつもいうのは昨年のアメリカの映画アカデミー賞を受賞した「ムーンライト」はアメリカで最低レベルのバジェットしかない(6億) しかし映画音楽の作曲は新進気鋭のニコラス・ブリテルに「流動的で、重い低音のスコア」を作らせた、実際この映画にはサラウンドやサブソニック(いわゆるサラウンドー5.1)で作っています。例え低予算の映画でも音楽、サウンドには手は抜かないという姿勢がはっきり出ていました。

残念ながら日本の映画になかなかそういう姿勢を感じさせることが少ない。

自主映画になるともっと酷い。バジェットの殆どは撮影時に使い切ってしまい、映画のクオリティをよくするポストプロダクション(撮影後の映画の作業、編集、特殊効果、整音。音楽も勿論その中に入る)への予算を殆ど考えていないケースが多い

実はその関係で殆どの日本人は知らないが、日本映画の最近のクオリティの低さというのが世界では定評になりつつある。特にサウンドについては「日本映画の音は酷い」といわれていることからも映画の音に関わる人間としては忸怩たる思いである。

それを少しでも解決してくれるかもしれない方法がある。まだ立ち上げたばかりだが..「一般社団法人 日本映画インフラストラクチャ協会というひとことでいえば映画制作の互助会といえるものだ

Cinepu

詳しくは「日本映画インフラストラクチャ-協会」のウエブサイト、
http://assoc.cinepu.com/
をご覧あれ

とにかく映画制作の現場、映画制作の実態を知りもしないで映画関係者の「お金のなさ」を嘆くことをひたすら叩くのはやめてもらいたい。日本のネットは無責任なことをいい人を叩くことを至上の喜びとするような輩が多すぎる

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