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2017年11月23日 (木)

情報に対する接し方ーとりわけ音楽関係者の情報の接し方と活用について

ようやく一段落し今日は休日なので久々のブログ記事だけど、ちょっと私自身は深刻だと考えるテーマについてです。
現代の日本人の情報に対する接し方についてなので、本来は私のもう1つのブログ記事に書くべきことかもしれないので、少し迷ったけど結局は音楽関係者の情報に対する接し方、活用の仕方に多大な問題がある、という話なのでこちらのブログ記事に書かせて頂く

ご存じの通り私はFacebookで「音楽&映像関係者キャステイング」という音楽関係のグループの管理人をしている。「キャステイング」という名前がついていることからもわかるように音楽関係、映像映画関係の募集案件に関する投稿が主なグループである。そこで先日完成したばかりの拙音楽担当の最新作「再恋(さいれん)」のエンデイングテーマ曲に関する募集を行った。いわゆるタイアップ案件である

一応業界で一定の期間仕事をしているので、各音楽事務所がタイアップを取るのにどれだけ血眼になっているか、ある程度知っているし、中にはタイアップがらみで事務所同士がケンカするというケースも承知している。そのため応募者は相当数あるだろう、と考えたところ掲載して以降、なかなか応募が来ない、辛うじて締切間近に二件来たものの、探している内容にはマッチせず、結局映画プロデユーサー経由のところに決定した。

実はこのグループでは音楽関係の募集投稿について以前から音楽関係者の反応が鈍い、という問題があった。管理人たる私が信用されていないのか、うちのグループの参加者はみんな仕事が沢山あって、そんな募集なんか興味がないのかわからないが、とにかく音楽関係の募集投稿は本当に反応が鈍かった。

今までの例を挙げると
(1)  某大手リゾート会社地上波CM    女性声楽家(ソプラノ)募集
応募者3名 (結局他社が成約)

(2) 劇場公開ドキュメンタリー映画テーマ曲でのジャズトランペット奏者募集
拙作音楽担当「涙の数だけ笑おうよ」のテーマ曲制作
応募者  0(結局他ルートでキャステイングで奏者決定)

(3)11月8-9日 オペレッタ公演オケメンバー募集
応募者 3名

それにしても何でこんなに毎回応募が少ないのか、わからなかったが、今回いろいろと調べていてあることがわかった。

実は私の知り合いの音楽制作関係者でグループに参加している人5名、また別の人が同じグループ参加者で音楽業界関係者のこの件について聞いてみたら驚くべき答えが返ってきたのだ。

「え? そんな募集あったの? 全然見てなかった」

どうやらグループ「「音楽&映像関係者キャステイング」」はグループ名に「音楽」がついているものの、は実質的に映画、映像のグループと同じ状況になっていた。つまり音楽関係者の殆どから「「音楽&映像関係者キャステイング」」の募集案件は「映画、映像関係の募集しかない」と決めつけられていたようなのだ

Facebookグループにはインサイトというアクセス解析のような機能がある。

Img_1276

それによると音楽関係者の7-8割はグループの募集投稿を全く見ていないというのが実態であることがこのインサイトのデータでわかった

Img_1277

最近の投稿に関しては実は音楽関係の募集件数が多い場合もあるのだが、音楽関係者の参加者の大多数はそこの部分に全く気が付かれておらず、「音楽&映像関係者キャステイング」は音楽関係者には関係ないグループであるーそういうイメージがいつの間にか定着してしまったようである。

どうりで毎回募集しても応募者数が少ないわけだと思ったが、実際上のインサイト(アクセス解析)で音楽関係と映像関係の募集の閲覧数を見ると実は歴然とした差が出ているのがわかるだろう。それらを見ても音楽の募集案件は殆ど読まれていない、という実態が見えてくる。グループの参加者は今日現在で2900人、うち音楽関係者は半分以上の1500人はいるが、音楽関係の募集の閲覧数はだいたい100-200代に留まっている

映画映像関係者の7-8割が親グループ「音楽&映像キャステイング」の投稿を熱心に見るのに、音楽関係者の7-8割はグループの投稿すら読まない、気が付かない、全てスルーという現実をみて、本来は音楽関係者のプロモーションやビジネスチャンスを増やすためにやっていたのに、目的がいささか本末転倒になっているという実態が明らかになった。正直音楽の募集投稿を転載する意欲がかなり萎えたのは事実である。

だがここで1つ揚げたいのは今回聞いた音楽関係者の1人が「なんで教えてくれなかったんだ?」と怒って食って掛かってきた者がいた、勿論募集投稿をきちんと見ない方が悪いのでこちらのせいにするのはお門違いも甚だしいが、どうも私はここに大きな問題があるような気がしている。ここで問題にしているのは「情報に対する接し方、活用の仕方」で現在大きく活性化し始めている俳優、女優を始めとする映画関係者と音楽関係者で情報に対する姿勢が著しく異なる点だ。

とりわけグループに多いフリーの女優さん、俳優さんはオーデイションが当たり前なので自分の役を得るために必死に情報を集めているが、どうも音楽関係者はそういう部分がなくて「声がかかるのが当たり前」という考えがあるようだ。だから先程のタイアップ案件に「なんで教えてくれなかったんだ?」と怒って食って掛かってくるのは「声がかかるのが当たり前」と考えているからだ。どうもそれが日本の音楽業界、音楽関係者の体質のようである。

だが実際3000人近いグループ参加者の中からいちいち選別して声をかけるなんて物理的に不可能だし、そこまで手間暇をいちいちかけるほど私はヒマ人ではない。プロのエージェントだってそんなことはしないだろう。

実は「音楽&映像関係者キャステイング」のようなグループは欧米では決して珍しくない。欧米では情報を得てそれを自分としてどう活用するか、というのもプロとしてやっていく過程に必要だからだ。だからうちのグループと同じようなキャステイング情報を掲載しているサイトは頻繁にリアクションがあり、募集人員も比較的早くみつかる。そういう人材募集の方法が欧米ではすっかり定着している。

ところがどうも日本はそうなっていないようなのだ。情報に対して受け身でそれをどう活用していくか、という姿勢が極めて低いように見える。

情報が多すぎるからだ、という話もある。確かにとりわけ日本人に顕著だが最近見られるよくない傾向として「自分の好きな情報、都合のいい情報しか見なくなる」という傾向で、自分が不快と思う情報は例え重要な情報であっても見ない、酷い場合は「自分と意見が違う=不快」という反応で炎上や人を叩いたりする動きが毎日のように起きていたりする。そのため昨今のSNSでは意見の多様性そのものを許容しない風潮が強い。とりわけネトウヨにはこの傾向が特に強い

だが情報に対してそのような姿勢でしか接することができない人は情弱(情報弱者)といわれても仕方ないのだ。情報過多時代だからこそ、情報に流されず、その情報が必要な情報か、自分が活用できる情報か、好き嫌いに関係なく冷静に判断できるようにしなくてはならない。だがどうも日本人の大多数ー勿論音楽関係者の大多数ーは情報に対するそういう姿勢を持てないようである。

とりわけ情弱の恐ろしさは自分が弱者であるという認識を持てない点にある。自分が弱者という認識を持てないから情報に対する今の自分の姿勢が本当にいいのか、判断することができないのである。

その意味で今日本は一億総情弱になりつつあるのかもしれない

これはハードウエアやシステムの改善では解決できない問題だ、日本人の意識の問題だからである。それだけに事態は深刻だ。映画の世界、女優さん、俳優さん、映画監督等は日本ではまだ例外的な存在なのかもしれない

とりわけ音楽業界は業界総情弱といっていいだろう。音楽業界が業績回復しない原因はいくつもあるが、これも1つの原因かもしれない


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