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2017年11月11日 (土)

作曲されてから90年経って日本初演された”Missシカゴ公爵" 終演報告

9月から大半の時間をこれに作業として費やした"Missシカゴ公爵"昨日無事終演しました。
この「オペレッタ」が長い間ドイツ国内で上演禁止になったいきさつ、ナチスの迫害によって長い間忘れ去られた作品であったこと等の説明についてはこちらの記事をご覧ありたい

■ヒトラーに迫害された「現代ミュージカルの草分け的作品」である「Missシカゴ公爵」を大野 が編曲

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2017/08/miss-07e9.html

■オペレッタ"Miss シカゴ公爵"の日本初演の社会的意義、音楽史的意義について
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2017/10/miss-f448.html

本格的に作業を着手して二か月強、いろいろと紆余曲折があってようやく当日を迎えたわけですが、何せ原曲をそのままやると3時間半は超える長大な作品。

その関係で大幅なカットをせざるを得なかったのですが、困ったのはそのカット部分、変更部分が次々から出てきて、しかも一度カットしたのが復活したり等で私への情報がかなり錯綜し作業は混乱を極めました、もう少し情報に関してきちんと交通整理している人がいて、各スタッフに適格に情報を伝えていればこちらの現場は混乱しないで済んだものを、という苦言は呈させて頂きます。

今回はドラムス、エレクトーン(実質シンセとして扱っています) コントラバス(時々ウッドベースのような扱い方も行いました) トランペット等が入るため通常のクラシックとは違い音響、PAをかなり入念に行いました、

Misschikago0

Misschicago1_2

渋谷伝承ホールというのは初めて来たんですが普段は能楽をやるところらしいです。

天井はそこそこありますが、音的にはかなりデッドですね。(^_^;) 

そのためかなりPAでコンプレッサーとかEQとか思い切りかけてます。これは通常のクラシックの公演ではまずありえないことです。(特に弦楽器系の人はコンプレッサーかけると音色が変わるので極端に嫌う人が多いです)

しかしこの"Missシカゴ公爵"には必要です、なぜならこの作品は「オペレッタ」といっても明らかに現代ミュージカルの先駆けといっていい作品だからです。

この画像をご覧になればおわかりになるでしょう

Misschikago2

ここだけの話 オペレッター喜歌劇と言いながらいきなりドラムソロで始まります。これは私の差し金です。 クラシックの公演にドラムソロがあること自体インパクトがありますよね(^_-) 

公演はいわゆるダブルキャストで虹組、夢組といるためにミュージシャン側は一日で二回通しをしなければならず、かなりハードだと思います。しかし練習回数が増えることで、演奏も良くなってきました。気になるオケのバランスもだんだん良くなってきました。

正直ゲネの前々日に初めてバンドメンバー全員が揃うという状況で、ゲネの全日までどうなるかというくらい懸念されたんですが、何回もやっているうちにいい感じのアンサンブルになりました。音響のバランスも良くなりました。

二回目の公演からはお客さんから自然に手拍子が出ましたように多いに盛り上がりました。

この"Missシカゴ公爵"の作曲者カールマンの曲は1927年に書かれたにも関わらず現代の我々には新鮮で私のようなポピュラー肌の人間でも本当に聴いていて気持ちいい。そして観客にもわかりやすいオペレッタだと思います。

まさしくミュージカルです。何よりも見ていてとても楽しい

Misschikago7

Misschikago8

Misschikago6

Miss_chikago8

気が遠くなるほどの作業量をこなしましたが、今回の"Missシカゴ公爵"の監修 プログラムにも寄稿されたウイーン音楽研究家の柴山三明先生からはお褒めの言葉をいただきました。それを伺ってこの二カ月の疲労が吹っ飛びましたが、その功績は私ではなく演奏したミュージシャンと指揮者の大浦さんのものです。私はいわば設計図を書いたにすぎませんから。

日本初演ですから、日本では誰もやらなかったことをやった。その意味では関われてよかったですね。普段は映像の音楽をやっていますが、舞台の音楽を最初から最後まで手掛けたのは初めてですので、いろいろと課題がありましたがいい経験にはなりました。

そして先ほど当ブログの過去の記事でもふれましたが、この「オペレッタ」のテーマは

異文化を受入れ尊重し合うことの大切さ

実はこれこそがナチスドイツがこのオペレッタを迫害した理由であり悪名高い「ナチスの焚書」で楽譜が焼かれてしまう結果になってしまいました。そのことが"Missシカゴ公爵"が「幻の作品」にならざるを得なかった原因なのですが、私は昨今の風潮から現代でも第二第三の"Missシカゴ公爵"のような事例が起きてしまうのではと懸念しております。

ネトウヨが幅をきかせ、マスコミの論調にまで影響を与える昨今、今日本ではどんどん多様性を認めない風潮が出ています。それにたいして違うものをお互い認めながら、理解しあうということの大切さを理解してもらう意味でもこのオペレッタの日本初演は意味があるものと考えます。

この音楽に対する理解が広まることを願ってやみません

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