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2017年8月24日 (木)

映画にしてほしい作曲家、映画にはとてもならない作曲家

夏休みになると「夏休み記事」のようなものを毎年かいているけど、今年はまだ夏休みを取っていないし、業務多忙になるとやはりブログ更新自体が正直負担になっている。ブロガーというのはヒマ人でないとできないというがその通りで、こういう記事も今年で最後にしようかな、などと考えたりもする。

一応作曲ということをやっている人間の端くれからみれば歴史に名を残している作曲家がどのような人生を送ったかについては興味がある。そしてその作曲家の人生をさまざな観点から描いた映画も多い。今年は映画の中で描かれた作曲家について考えてみたい

ただ、作曲家の人生を描いた映画の場合、当たり前だがたいていの場合はその作曲家の作品が背景音楽として使われるため我々のような映画音楽、劇伴に関わっている人間の出番はないのだが、いずれにせよ歴史に残るような偉大な作曲家の音楽を聴きながらであるから作品しては興味を大いにそそる

作曲家をテーマとした映画をググってみたらこんなにもあったのでびっくりした

クラシック音楽家(作曲家)がテーマの「映画」作品集
https://matome.naver.jp/odai/2142937575071429501

予想以上に多く、全部入れると大変なので主だったものをリストにいれておく。正直、結構私が見ていない映画、知らない映画も多い。また正直いってすべてが傑作であるとは限らないことも付記しておく

ヨハンセバステイアンバッハ アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記 (公開題「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」) [1968年映画 DVD] 音楽家J・S・バッハの半生を彼の作った名曲をバックに、第二の妻アンナ・マグダレーナの日記をナレーションに綴った伝記映画。
ジョージフレデリックヘンデル ヘンデルの生涯(1985年 イギリス映画)
(現在は販売停止)
廃盤 J・S・バッハと一緒に行ったリューベックの作曲家ブクステフーデ訪問、ローマでのドメニコ・スカルラッティとのチェンバロ競演,ヘンデルにまつわる有名なエピソードがふんだんに紹介されている。
ウオルフギャング・アマデウス・モーツアルト 『モーツァルトの恋』(1942年 オーストリア映画) [DVD] 宮廷付き指揮者になることを夢見ていた若きモーツァルトは、ウェーバー家の娘コンスタンツェと結婚する。しかし、モーツァルトが本当に愛しているのはコンスタンツェの姉で歌手のルイーゼだった。
ウオルフギャング・アマデウス・モーツアルト アマデウス(1984年 アメリカ映画) [DVD] アントニオ・サリエリ。オーストリア皇帝に仕えた秀才作曲家比類なき才能をいかんなく発揮するモーツァルトの下劣な性格に嫌悪感を抱きながらも才能に嫉妬し、モーツァルトを貶めようと策を巡らせる。
ルッドヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 楽聖ベートーヴェン (1936年 フランス映画)[DVD] 19世紀はじめ、若きベートーヴェンはウィーンの娘ジュリエッタに思いを寄せていたが、彼女は伯爵と結婚してしまう。失意の彼を慰めるテレーゼとの愛も報われぬまま、彼は次第に聴覚を失っていく。
ルッドヴィヒ・ヴァン・ベートーベン 不滅の恋 ベートーヴェン デラックス版(1994年 イギリス・アメリカ) [DVD] 本作は単なるラブ・ロマンスではない。 物語は一通の手紙を通し、生涯女性の愛に恵まれず、民衆からも偏屈な人物と思われていたこれまでの彼のイメージを一掃し、その屈折した生い立ちゆえに人々から誤解されてきた彼の本当の姿、そして聴覚障害の為自らの偉大な音楽も聴衆の賞賛も聴くことも出来なかった彼の心に秘めた激情と苦悩を、その壮絶な軌跡と共に描いてゆく。
フランツシューベルト 未完成交響楽(1933年 オーストリア) [DVD] 貧しい作曲家・シューベルトは上流階級のサロンでピアノ演奏を行ったのをきっかけに貴族の娘の家庭教師になる。やがて2人は恋に落ちるが、親の妨害により、娘は軍人と結婚することになる。
ニコロ・パガニーニ パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(通常盤-2013年ドイツーDVD) 1830年、イタリア。敏腕マネージャー、ウルバーニの働きで富と名声を手にしたパガニーニは、私生活では女や酒、ギャンブルにまみれた堕落した毎日を送っていた。ある日、指揮者ワトソンの尽力でロンドン公演を行うことになったパガニーニは、そこでワトソンの娘シャーロットと出会う。美しい声を持つシャーロットと音楽を通して心をかよわせ、初めて本当の恋を知るパガニーニだったが……。
へクターベルリオーズ 『幻想交響楽』 1944年 フランス(販売中止) 廃盤 1830年、ロマンチスムの花が咲きにおうころ。エクトル・ベルリオーズは医学生としてパリに上京した。しかし彼には父が望む医道に進むことは堪えられぬ事だった。いつか音楽に心身を打込んで医学には遠ざかったので父親は送金しなくなってしまった。
フレデリック・ショパン ショパン 愛と哀しみの旋律 (2002年 ポーランド)[DVD] 祖国ポーランドを逃れ、たどり着いたパリでは作曲家として認められず失意の底にいたショパンは、女流作家ジョルジュ・サンドと出会う。彼女の情熱にのまれるように愛が始まり、ショパンは次々と名曲を生み出していく。
ロベルト・シューマン 愛の調べ(1947年 アメリカ) [DVD] 天才的ピアニストの折紙つきのクララ・ヴィークは、父ヴィーク教授の弟子ロベルト・シューマンと恋仲だったが、教授はシューマンの才を認めず結婚を許さない。
フランツ・リスト フランツ・リスト 愛の夢(1971 旧ソ連・ハンガリー合作)(販売停止)

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ハンガリー生れのフランツ・リスト(I・シンコビッチ)は、幼い頃から天才ピアニストとしてずば抜けた才能をみせ、今は芸術の都パリでサロンの人気を集めていた。リストは、芸術に理解が深いマリー・ダグー伯爵夫人(K・ルーチコ)の励ましで、世界一のピアニストといわれるタールベルグとの弾きくらべに勝ち、センセーションを呼んだ。。
リヒャルト・ヴァーグナー 『ワーグナー/偉大なる生涯』(1983)( 1983年 イギリス・ハンガリー・オーストリア合作)(販売停止) 廃盤 1849年、ドレスデンの三月革命の渦中に飛び込んだワーグナーは、首謀者として目をつけられ、各面の失敗と共に祖国を追われ逃亡生活を送ることに。妻ミンナを愛しながらも、出資者である豪商ヴェーゼンドンクの妻マティルデと恋に落ち、その不倫の情熱を『トリスタンとイゾルデ』の完成に注ぐ…
ヨハン・シュトラウス(息子) グレートワルツ(1938年 アメリカ) [DVD] 若きヨハン・シュトラウス勤めていた銀行をクビになり恋人であるパン屋の娘ボルディの心配をよそに、近所の音楽愛好者たちを集めて管弦楽団を組織し、自分の作曲したワルツをカフェーで演奏した。それは始め客に喜ばれなかったけれどもそこへ帝室オペラ劇場の歌姫カーラと歌手シラーが現われて称賛したことから、町行く人々まで楽の音に聞きとれるのだった。カーラはこの若い作曲家に興味を感じて、彼女のパトロンであるホーヘンフリード伯の夜会に招待した。そしてその席で、彼女はシュトラウスの作曲になるワルツを歌った。
ピョートル・イリッチ・チャイコフスキー) チャイコフスキー (1970年旧ソ連)[DVD] ピアノ協奏曲を完成させたチャイコフスキーは、それを“難しすぎる”の一言で切って捨てた恩師とトラブルを起こす。打ちひしがれた彼に、援助の手を差し伸べたのは、富豪の未亡人フォン・メック夫人だった…。
セルゲイ・ラフマニノフ ラフマニノフ ある愛の調べ (2007年 ロシア)[DVD] セルゲイ・ラフマニノフは10歳くらいの頃、両親が離婚、厳格な名教授ズヴェレフに引き取られる。ラフマニノフの才能をひと目で見抜いたズヴェレフは、毎日のように精魂込めて彼を指導していた。しかし数年後、ピアニストとしての精進を求めるズヴェレフと、作曲の喜びに目覚めたラフマニノフは決裂してしまう。ラフマニノフはその頃、アンナという年上の女に恋をしていた。

上記を見ておわかりのように、既に廃盤で手に入らないものもあるが、時代に残るほどぼ名作ではなかった、ということかもしれない。個人的には「未完成交響楽」などは映画としてはかなりいただけない出来だったように記憶している。

そしてバッハとかモーツアルト、ベートーベンを除けばやはりロマン派の作曲家が多い。恋愛遍歴も多い作曲家が多く、不倫、駆け落ち、略奪愛、なんでもあり、というところも映画にしやすいのも事実だ、

尚、番外編として作曲家が主役ではないが、次の3作品もあげておこう

番外編

カストラート ジョージフレデリック・ヘンデル かつて存在したボーイソプラノの声を保つため去勢した歌手(カストラート)の話。オランダの俳優ジェローン・クラッブがヘンデルを演じた。クラッブはオランダ人だがこの映画ではフランス語、英語、イタリア語をしゃべっている。
クララ・シューマン 愛の協奏曲 [DVD] ロベルト・シューマン、ヨハネスブラームス コンサートホールで観客の喝采を浴びる作曲家ロベルト・シューマンと妻でピアニストのクララは、ヨハネス・ブラームスと名乗る男に呼び止められる。クララはヨハネスとの出会いに運命的なものを感じ、波止場の薄暗い居酒屋へ足を運ぶ。そこでヨハネスの演奏を聴き、彼の才能を一瞬で見抜く。ロベルトは持病の頭痛に苦しんでいた。クララは夫を救うため、自ら指揮者として楽団員の前に立つ。そして女性の指揮者への偏見をはねのけ、見事な演奏を引き出す。ある日、ヨハネスがシューマン家を訪れる。ヨハネスは夫妻の子供たちに気に入られ、シューマン家で共同生活を送ることになる。
ベニスに死す [DVD] グスタフ・マーラー、アーノルドシェーンベルク 映画の役柄では別名になっているが、主役の「エッシエンバッハ教授」は明らかにグスタフマーラーのモデルであり、映画劇中で芸術論をエッシャンバッハに挑んでいるアルフレッドなる若者は、若き日のアーノルドシェーンベルクである。映画史上、普及の名作という評価が高く、ビスコンテイの代表作にも揚げられる。で映画の中の美少年は日本の少女マンガでも大いに素材として使われている。

表ばかり並べてしまったが、ここから本題に入る。勿論上記以外にもまだたくさんあるのだが、作曲家をテーマとした一定の知名度がある映画作品というとだいたいこんなものではないかと思う。作曲家の生き様と愛情を描いた作品だが、まだ映画になっていない大作曲家がいるので、こんな作曲家の映画というのはどうだろう。

私が映画にしてほしい作曲家

・ヨセフ・ハイドン 

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理由としては今であれば立志伝中の人物になるからだ。生まれの身分も低く、バッハやモーツアルトのように音楽家の家に生まれたわけではない。身分の低さを蔑まれ多くの苦難、障害をのりこえて宮廷楽長の地位を手に入れた人物だ。

結婚してもカミさんとは折り合いが悪く別居、夫婦ケンカを毎日のようにしていたという。歌手の愛人がいたという情報もあるが確かな情報はない(いてもおかしくはないが..) 。まあその辺りが映画にしにくい理由なのかもしれないが、逆境をはねかえし自分の努力と才能だけではいあがった人物の姿を描く、という映画は最近あまり見かけないので、そういう映画があってもいいのではないだろうか?

人格者としても知られ77歳という当時としては高齢で没したが、葬儀にはハイドンを慕う人の列が絶えなかったという。

・ヨハネス・ブラームス 

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別表のクララ・シューマン 愛の協奏曲 では登場人物として出てくるものの主役となった映画は私の知る限りない。もっともクララ・シューマン 愛の協奏曲 では若いころのブラームスではあるが、

そのクララシューマンとの「不倫?」(たぶんそういっていいと思うのだが)をテーマに映画にしてもいいかもしれないが、ベートーベンに匹敵する交響曲を書くために悪戦苦闘する日々を描くとか、いろいろとやりようがあるのではないか。確かにクララシューマンをのぞいては女性遍歴というのが少ないのも映画にしづらい理由かもしれない、

個人的には「三大B」の一人といわれる作曲家の人生を描いた映画がないというのはいささかさびしい

・クロード・ドビュッシー

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この人も是非映画にしてほしい作曲家の一人である。

名曲もたくさんあるし、何よりも音楽史上でも革命的な表現手法を作り上げた人物である。その影響は現代音楽だけでなくジャズ、そして現代のアンビエントやポピュラーミュージックにまで及ぶ。加えて当時の著名な作曲家、(ラベル、サテイ、バルトーク、ヒンデミート、ストラビンスキー)を始め、マネ、ルノワール、ドガといった印象派の画家との交流も出てくるので20世紀初頭のフランスの文化、芸術分野ではオールスターを出すことも可能だ。(但しドビュッシー自身は自分が「印象派」と呼ばれるのを嫌がっていたという記録が残っている)

女性遍歴もすごい。不倫、浮気のオンパレードである。映画にはもってこいの題材だと思うがいかがだろう?

・スコット・ジョっプリン

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別に私が「ラグタイムシリーズ」のコンサート活動をしているからジョっプリンを揚げているのではない。だが私は日本の音大を中心にいまだ主流となっている西洋クラシック音楽の史観には異を唱えている人物である。とりわけ20世紀に入ってからジャズを始めポピュラー音楽発展の歴史をほぼ完全に無視している風潮には激しく疑問に思い憤りすら感じている。

ラグタイムというのはジャズの前身の音楽であり、人気ミュージカル「シカゴ」の"All that Jazz"のピアノのフレーズを見ればジャズがラグタイムから発祥した音楽であることがすぐにわかる。このラグタイムからジャズ、ブルース、ブギウギと発展してきているのでいうなれば現代のポピュラーミュージックの「ご先祖様」といっていい音楽である。

そのラグタイムの王といわれるジョっプリンの今年は没後100年、来年は生誕150年を迎えるのだが、その業績に対して私はジョっプリンの扱いが不当に低い、ということは声を大にしていいたい。

先日アメリカのシャーロッツビルでの白人至上主義者の暴動、トランプ大統領がその差別主義を事実上擁護と受け取られてもやむをえない行動をとったことで差別主義に対する批判が高まっている、ジョっプリンはアフリカ系であることから生涯、人種差別と闘うことを余儀なくされた作曲家だ。それを乗り越えていかに「キングオブラグタイム」の地位を獲得したか、そこを描いてもいいし、とにかく生涯はドラマチックである。ヘイトスピーチがいまだに鳴り止まない日本でもこういう映画が必要なのではないかと思うのである。

・ジョージ・ガーシュイン

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正直にいう。私はガーシュインのような作曲家でありたいと思っている。20世紀を代表とする作曲家であり、ポピュラーミュージック、そして芸術音楽双方に不滅の実績を残した作曲家である。今でいう「全米一位」(当時は今のようなヒットチャートが出来上がっていなかったが、「スワニー」や「アイ・ゴット・リズム」は間違いなく今でいう全米一位になったヒット曲である)のヒット作家といわずとしれた「ラプソデイーインブルー」や「パリのアメリカ人」そして日本では演奏される機会が少ないが個人的には「ピアノコンチェルトへ長」はラベルの「ト調」とバルトークのピアノ協奏曲第2番 と並べ私は「20世紀の三大ピアノコンチェルト」と勝手に読んでいるほどの傑作である。後にも先にもガーシュインのような作曲家はガーシュイン以外にはいない。

人生は確かに典型的な仕事人間だったためドラマ性は少ないが、まだ人種差別意識が強かった当時に自らアフリカ系のコミュニテイに入り込み彼らの生き様を研究したり、当時まだ黎明期のデイクシーランドジャズを研究し、ジャズの語法を発展させる等、人生として見るべき点も多い。先ほどのジョっプリンの話ではないが、全世界的に右翼的、人種差別的な動きが出ていることから逆にガーシュインのような作曲家の生き方を描くのは意味があると思う、。

やや話がそれるが、ジャズ、ポピュラーミュージックの歴史を踏まえた記事が当ブログにあるのでご興味ある方は参照されたい

間違いだらけの現代音楽史(1)ー1920年代は十二音技法もジャズも「最先端の音楽」だった

間違いだらけの現代音楽史(2)ー1930-1950年代ーコード譜システムの確立と西洋音楽の伝統の事実上の終焉

・エリック・サテイ

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変人が多い作曲家の中でも特に群を抜いた「変人」といわれるエリックサテイだが、この人の人生をみると20世紀初頭の音楽、演劇、美術等のオールスターが出るだろうから是非映画にしてほしいものだ。

ロマンスの記録が少ないが人生で数少ないロマンスの相手が多くの画家と浮名を流し、後ユトリロの母になるシュザンヌ・ヴァラドンだ。この女性の人生自体が映画になったが、ヴァラドンとのロマンスがあの名曲「おまえが欲しいーJe te veux」を生んだことを考えるとこれだけで映画の素材として充分である。

さらにサテイの周辺にはクロード・ドビュッシーを始めサテイを師と仰ぐダリウスミヨー、プーランク等の6人組だけでなく、演劇ではジャンコクトー、美術のパブロピカソ、等、当時のパリ在住の文化人、芸術家のオールスターが出てくる、これだけでも楽しい

サテイは現代音楽だけでなく現代のポピュラーミュージック、環境音楽にも大きな影響を与えた作曲家で私的には「現代音楽(現代音楽ではない)の父」と呼んでいいと思う、その作曲家の人生を映画でみるのも悪くない

・ベーラ・バルトーク

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バルトークは私は20世紀最大の作曲家の一人と考えているが正直、お世辞にも「親しみやすい音楽」とはいえない。だから映画にしても一般受けしないのでは、という意見もわからんではない、

実際バルトークの代表作の「弦楽と打楽器とチェレスタの音楽」の第三楽章(あの歌舞伎をお拍子木のような感じで始まる部分)はキューブリックのホラーの名作 映画「シャイニング」の最も怖いシーンに使われたし、実際バルトークの「夜の音楽」というのは「お化けが出そうな」音楽が多い。だがそれはバルトークが生きた時代と密接に関係している。

実はバルトークの時代には本当に「お化け」がいたのだ、その「お化け」の名前はナチスドイツ、とりわけ1930年代に入ってからナチスドイツの存在は周辺諸国に恐怖を与えた、バルトークの「お化けが出そうな」夜の音楽はまさしくそれを表現したものである。これは戦前回帰を画策する「日本会議」やネトウヨのヘイトスピーチの風が吹き荒れる現代日本の風潮、そして白人至上主義が勃興したアメリカ等、昨今の世界情勢を連想させる動きである。

バルトークの人生の後半はそのような暗い世相、ナチスドイツとの闘い、亡命、そうしたものが反映されていて、時代に翻弄された作曲家だったのだ。これだけでも十分に映画になる要素はあろう。最晩年の「オーケストラのためのコンチェルト」や「無伴奏バイオリンソナタ」「ピアノ協奏曲第三番」は亡命先のアメリカで書いたこともあって「お化け」的な要素は減って行っている。バルトークが望んだようなハンガリーの民主化は冷戦終結後、バルトークの死後50年近く待たねばならなかった。

映画にはならない作曲家

・フェリックス・メンデルスゾーン

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まず筋金入りのお坊ちゃんである。銀行家の家に生まれ、子供のころからモーツアルトのような「神童」などと持ち上げられ、何一つ不自由なく苦労らしい苦労もしないで育った。自宅にコンサートホールを持ち、自分のオーケストラすら持っていたという。少し先輩だが自分の作品の演奏機会をなかなか作ることができなかったシューベルトなどからすれば羨ましい限りである。

性格もかなり嫌な奴っだったらしい。まあ上記のような境遇をもつだけでも十分に嫌な奴である。

そして映画的な観点から見ると38歳という若さで死去する以外は特にドラマチックな人生を歩んでいるわけではない、死去するまではすべてが順風満帆である、

ただユダヤ系ということもあって、死後かなり不当な評価や迫害を受けていたことも事実だ。昨今も白人至上主義やヘイトスピーチ等がネットを中心にあふれているが昨今の人種差別が堂々と大手をふってまかり通っている最近の風潮を考えるとメンデルスゾーンのような作曲家を評価するのは必要と考える。ただやはり人生を描くにあたって映画にはならないかなあ(笑)

・アントン・ブルックナー

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ブルックナーファンや研究家には申し訳ないが、このブルックナーはどんなに好意的に描こうとしてもどうひっくりかえしてもこの人の人生だけは映画にならない。

理由? まず地味である。性格もくそまじめでこれといった浮いた話もない。
我々の知っている範囲では女性遍歴もまず0に近い。74歳まで生きたが一生童貞だったという話もある、

この人の人生を見ているとどうやってドラマにしたらいいのかわからないのだ。作品、交響曲もみな長いし雰囲気もどれも似たような感じー教会のコラールのような感じ。映画音楽として使ってもワンパターンになってしまう。

長く無難で地味な人生を送ってきたブルックナー、でも個人的には四番のロマンチックといわれる交響曲や7番、8番は好きですよ、特に8番の第四楽章などは映画やゲーム音楽にしてもいい感じだ。 

ただ人生は映画にはとてもならない 申し訳ないけど

・モーリス・ラヴェル

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個人的には大好きな作曲家なのだがいささかマザコンの気があり、生涯独身であったこと、そして最盛期の頃に病気がだったことを考えると確かに映画にしにくいかもしれない。

ただ個人的にはガーシュインとの出会い、

ボレロを聴いて感動したガーシュインが弟子入りを志願したところ、「あなたは既に一流のガーシュインではないか。なぜ二流のラベルになろうとするのか?}というとことはドラマにしてほしいけどね

でもそこだけ描いても長編映画にはしにくいしね

難しいところだ

以上、ずいぶん長くなってしまったがやはり映画とクラシック音楽と映画というのは実に密接な関係がある、ということがわかる、私も仕事の中でクラシック音楽を使う場面がずいぶんあるのだが、正直クラシック音楽を「演奏する」というのはいささか辛い。「クラシック音楽」というのは形式主義的な側面が強いので、クラシックの中でもうるさ方はそういうことにこだわるからだ。

まあ作曲家の人生となれば殆どその作曲家の音楽作品を背景音楽として使われることになるだろうけどね。

ちなみに上記でも少しふれたが、私はいまだに音大系中心に支配されている20世紀音楽史観には異を唱えている。詳しい話はここではふれないけれど最後に私が作った20世紀の音楽史観をチャートにしたものがあるのでご興味がある方はこちら。詳しくはこちらの記事をお読みください

間違いだらけの現代音楽史(4)ー生きた文化のありかたを捨てたアカデミズムが支配した「クラシック音楽」とその流れに贖った反アカデミズムの音楽
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2015/08/4-0b92.html

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