Kyoji "metanature"
i-tunesでも好評配信中!!
i-tuneページを表示するにはお客様のPCにi-tunesとquicktimeがインストールされている必要があります。 i-tunes及びquicktimeのダウンロードはこちら





« 「リーダーミーテイングーなぜ音楽家は映像とのコラボを模索しなければならないのか?」の講演をしてきました | トップページ | ふざけるな! 音楽著作権演奏権の摘要に関して政府が「答弁書」を「閣議決定」-著作権訴訟に政府が加入する暴挙 »

2017年5月17日 (水)

JASRAC音楽教室への「演奏権」摘要問題-YAMAHAを始めとする「音楽教育を守る会」が提訴ーJASRAC大橋常務理事の主張の問題点

「お知らせ」ページでもおわかりのように私は二か月前からJASRACの今回の音楽教室への著作権徴収への反対を唱えてきた、その問題点はこちらに書いてある通りである、最大の争点となりうるのは殆どのケースが教師と生徒の一対一のケースで著作権の「演奏権摘要」というのは適切かどうか、である。

JASRAC音楽教室から「著作権演奏権徴収」ーなぜ私は反対するのか?どこに問題があるのか(長文注意!!)
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2017/02/jasrac-03a3.html

そんな折、誰もが知っている日本の楽器メーカーのトップのYAMAHAさんも今回の音楽教室への演奏権の著作権徴収に対する反対の署名活動を始めた

JASRACの「音楽教室のレッスンでも著作権料徴収」方針に対抗、ヤマハなどが署名活動
http://www.huffingtonpost.jp/2017/03/27/jasrac_n_15631238.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

署名サイト ↓

■音楽教育の現場からの演奏著作権料徴収に反対
https://www.change.org/p/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%BA%81%E9%95%B7%E5%AE%98%E3%81%ABjasrac%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%A1%8C%E6%94%BF%E6%8C%87%E5%B0%8E%E3%82%92%E8%AB%8B%E9%A1%98-%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%BC%94%E5%A5%8F%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E6%96%99%E5%BE%B4%E5%8F%8E%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE

私は二か月前に署名活動を開始したが、今日現在2万9366人集めている。既にヤマハを始めとする音楽教室を運営している会社で結成している「音楽教育を守る会」の事務局長とも既に連絡を取り合っており、私としても可能な限りの協力をする旨を伝えた。

そして昨日報道もされたが、

音楽教室側、JASRAC集団訴訟へ 200社超参加か
http://www.asahi.com/articles/ASK5Z5PYKK5ZUCLV00M.html

正直いよいよ始まった、というのが実感だ。

さてここでHuffingpostの記事の中で大橋健三常務理事が東洋経済のインタビューで書いてある件について少し検証させてもらうことにする。とにかく大橋氏の主張をみていて違和感を感じまくり、というのが正直なところだ

JASRAC「金額の問題ならば交渉に応じる」
どうなる?楽器教室「著作権使用料問題」
http://toyokeizai.net/articles/-/159017

大橋常務理事のインタビューについて、知らない人は鵜呑みにするといけないので問題点を洗いざらい揚げようと思う

まず最初に云っておく。金額とかが問題なのではない。(むろん別記事で書くが包括契約のありかたそのものの問題もあるが)

1. そもそもJASRACのトップは音楽教室の現場を本当に理解しているのか疑問、現場を理解しない人間が音楽教室のありかたを語る違和感

まずは大橋氏が東洋経済のインタビューで主張している今回の徴収の範囲だが

著作権法22条の「公の演奏」に該当することが認められています。最高裁が上告を棄却したことで、確定されているのです。公衆がいる場所であれば、鑑賞しているかどうかは関係ない。また、誰から見て「公衆」かと言えば、運営事業者から見た場合です。生徒さんが1人だけレッスンを受けている場合であっても、それは「公衆」になります。

音楽の現場を知らない人はこの説明で納得する人もいるかもしれないが、我々からみれば詭弁以外の何物でもない。、そもそも大橋常務理事本当に音楽教室の授業の模様をきちんと理解しているか甚だ疑問だ。音楽教師と生徒が一対一になった場合(この場合「音楽教師」は「運営事業者」にもなる)、生徒は教師の「お手本」を聴くことはあるが、殆どのケースでは生徒が曲を「演奏」して音楽教師がその「演奏の間違った部分」を指摘し、繰り返し練習させてその演奏の誤りを修正する。つまりJASRACの言い分だとこの場合「運営事業者」である音楽教師が「公衆」となって、生徒の演奏の修正や練習する場所の「指導」を行う。

では教師の指導というものはそもそも何なのか

これは「演奏を正しく行う」もしくは「生徒の演奏が人前に出せるレベルのクオリティに仕上げる」ための練習を生徒の為に上達を補助する、という行為のことを行う。そのため生徒が行っているのはそもそも「演奏」というレベルでは到底ない行為である。少なくとも万国著作権条約パリ改正条約の基本精神では音楽教師=聴衆という規定をしているとは思えない。教師は確かに「聴いて」はいるが、それは適切な指導をするための目的であって、それを一般の人の音楽を聴く行為と同列に考える事はどう考えてもおかしい

また演奏の能力に関して一定のレベルを持っている生徒ならともかく、初心者やピアノを始めた幼児などがそもそも、左手、右手の「手の動かし方」(ピアノの場合)から始めるので、それはとても演奏というレベルのものではない。ピアノを触ってみるというレベルであり、教師も「音楽を聴く」のではなく、「指が適切ぬ動いている」かについてみている。それもJASRACの主張では「教師=聴衆」ということだが、この認識を正しいと考える人はどれだけいるだろうか?

いずれにせよ殆どのケースで生徒対教師が一対一になっているケースで「教師=聴衆」というJASRACの新定義をYAMAHAもカワイも納得するとは到底思えないので、この件が裁判で争点になるだろう。

2. 大橋氏の主張する「ダンス教室内のレッスンでの音楽利用が、著作権法22条の「公の演奏」に該当する」のは「法曹界の常識」である、という主張に疑問

上記記事の該当部分を引用する

2004年に、名古屋高裁で社交ダンス教室内のレッスンでの音楽利用が、著作権法22条の「公の演奏」に該当することが認められています。最高裁が上告を棄却したことで、確定されているのです。公衆がいる場所であれば、鑑賞しているかどうかは関係ない。また、誰から見て「公衆」かと言えば、運営事業者から見た場合です。生徒さんが1人だけレッスンを受けている場合であっても、それは「公衆」になります。

これは、すでに法曹界での常識と言っていい考え方です。これを覆すということであれば、相当なエネルギーが必要になると思います。

さてとこの大橋氏のいう「法曹界の常識」というのが果たして本当にそうなのか。複数の知財や著作権専門の弁護士や弁理士に聞いてみた。なぜか回答が得られなかった方もいるが、その方はもしかしたらJASRAC側の弁護士かもしれない

おおむね以下のような反応がかえってきた

「踊りの練習」のための「音楽」は、鑑賞の対象だと判断されたようですが、「演奏の練習」のための講師の演奏を生徒が聞くことは「鑑賞」であると直ちに判断することはできない

裁判例は、一見似ているようでも、個別の訴訟で事情が異なる場合が多く、すべてが援用できるとは限りません。「一時不再理」は、同一の事件についてのことなので、ヤマハの主張に対するJASRAC側のおっしゃり様は、おかしいです。

上記の意見をみる限りダンスのケースがあるから「今回の徴収は法曹界の常識」とまでいうのはいささか乱暴で言い過ぎである、といわざるを得ない。そもそもダンスレッスンでの音楽の使い方とレッスンでの「演奏の練習」は同じ音楽使用でも同じテーブルに置いて考えるには無理がある。何度もいうが大橋氏が音楽レッスンの実態をどこまで理解して今回の主張をしているのか甚だ疑問だと私がいう根拠はまさにここにある。なぜなら多くの場合音楽レッスンの「練習」はおよそ「演奏」というレベルとは程遠い内容だからである

ちなみに上記のHuffingpostの記事に関してある知財専門の弁護士からは「本来であれば、ヤマハ側の主張も、JASRAC側からの言葉ではなく、掲載すべきであり、この記事には公平さが欠ける」という指摘もあったことを付記しておく

最後に何度も書いているがJASRACの一番の問題で不信感が得られている問題

3. 「包括契約」に基づく徴収額が実際に作家にどのように具体的に分配されているのか、内容をJASRACは一切明らかにしていない。これは甚だ問題である

包括契約で実際にワンレッスン50円だった場合のシミュレーションは別記事に書こうと思うが、徴収された料金が、著作権者に正当に支払われるのであれば問題ないのだが、問題はこれらの「演奏権」に基づく包括契約徴収の分配がJASRACはどれだけ作家に分配しているのか、一向に明らかにされていない点である。この点はJASRACの正会員、準会員の総会でも議論されたがいずれも先送りされ、現在にいたるまで発表されていない。

実はこの点が社会がjASRACに対して不信感を抱く大きな原因となっている

裁判でもこの点は証拠として提出要求すべきだろう。仮に今回の包括契約の徴収が始まった場合の作家への分配内容を公開すべきである

この点はかなり前から議論されていたが、jASRACが頑なに包括契約の作家の分配の詳細の公開を拒否する理由は一体何なのだろうか? 知られては困るような内容でもあるのだろうか? 今回仮に音楽教室からの徴収が実現しても浅石理事長や大橋氏の退職金に殆ど消えるようでは誰も納得しないだろう

いずれにせよ音楽文化を守る闘いが始まった。

私は「音楽教育を守る会」を全面的に支持します

ちなみに余談だが来月に行われる正会員、準会員の総会が荒れなかったら私は驚く。クラシック系は勿論、歌謡曲系でも音楽教室に関わってない人、生徒を持っていない人は殆どいないはず…  その全員が遅かれ早かれ影響受けるからだ

|

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。