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2017年4月 5日 (水)

midi TR-808 909の生みの親でローランド創業者の梯郁太郎氏を悼む

私が初めてシンセサイザーなるものを手にしたのはRolandのSH-2という単音しか出ないシンセサイザーだった。今殆どの人が知らないが昔のシンセサイザーは単音ーモノフォニックーしか出なかったのである。それでもその楽器の出す厚い音、暖かい音はすばらしく、初めてシンセサイザーを手にした喜びは大きかった

そのローランドの創業者で日本のみならず世界の音楽シーンに計り知れない影響を与えた梯郁太郎(かけはしいくたろう)氏が逝去された。実際にお会いしたことはなかったけれどこの人の実績に対してはいくら敬意を表しても表しきれないほどのものである。

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数えきれなほどの実績があるが、やはり現代の音楽シーンに決定的に影響を与えたのは電子楽器の規格midiの実質的な生みの親となったことだろう。その実績が認められ2013年に米グラミー賞のテクニカル・グラミー賞を個人としては日本人で初めて受賞した。

これ以外にも通称「やおや」と呼ばれたTR-808  そしてクラブミュージックのシンボリックなドラムマシンとなったTR-909
そしてシンセのジュピターシリーズ、JUNOシリーズ等枚挙に暇がない

ちなみに筆者はいまだにmidiすら装備されていないJUNO-60を持っている。数あるソフトシンセでもこの楽器の音の暖かさ、厚みはやはりこの楽器でしか出ない。(余談だが私の初期の作品の「スリーピングミュージックNo.1」はJUNO-60のみを使って作曲されたものである)

この梯氏とDTMの世界では有名な藤本健氏との興味深い対談があるので紹介する。この記事を読むと梯氏はステイーブジョブスを高く評価しながらも、警戒もしていた点が興味深い

■亡くなったローランド創業者・梯郁太郎さん、スティーブ・ジョブズを語る
http://www.dtmstation.com/archives/51993989.html

アップルを評価しながらも警戒していた、そして梯氏自身が実は大変なアップルフリークであったこともわかるが、やはりビジネスの部分はそこをきちんと切り離しているのは、氏がアップル心酔者の多い日本のテクノシーンでやはりビジネスマンとしての冷静の判断も持ち合わせていたことがわかる。

あと梯氏の楽器に対する定義を読んで素晴らしいと思った。そこの部分を引用させていただく

まったく新しい電子楽器というのは面白い。でもメーカーは出した限りは、それを続けていく義務があるんです。そう考えたときにルーツがない楽器をやるのは非常に大変。だからルーツがある楽器をやるというのは、ある意味、僕のポリシーです

シンセサイザというのはあくまでも技術です。だからこのシンセサイザの技術を利用して、ルーツがある、つまり昔から存在する楽器を見直したらどうなるか、ということです。たとえばピアノやオルガンなどの鍵盤楽器をシンセサイザで再現するのもいいし、ギターも非常に面白い。アコーディオンなんかも形状はすべてそのままで音源をシンセサイザに置き換えるのは大きな意義があります。一方で、バイオリンは弦の音をピックアップしてフィルタをかけることしかできそうにない。となると、今のところこれをシンセサイザで作り直してやる意味はあまりないかな…なんて考えるわけです。この判断において、非常に重要なのは、楽器はコモディティ化しちゃいけない、ということなんです。

どんな楽器でも、本来はアマチュア用という楽器は存在しない。これは高いとか安いとかいう次元の話じゃない。プロの使用に耐えられないものは、楽器と言っちゃいかん。その対極にあるのがアップルのiPadにあるGarageBandのようなもの。シーケンサという意味ではいいけれど、誰でもすぐに演奏できてしまうものは、楽器としての面白さがないだろう、と。やっぱり、練習に練習を重ねることで演奏が上達していく。そんなものこそが本来の楽器なんだというのが僕のポリシーなんですよ(笑)。

いわゆるテクノ系やIT系、アップルの心酔者の中には反論があるかもしれないが(注:上記の発言は6年前のものである)、この発言を見て梯氏は優秀な技術者、経営者だけでなく、音楽、楽器というものをきちんと理解していた文化人であったことがうかがえる

それを考えると日本という国は素晴らしい人を失ってしまった、87歳という高齢ではあるがまだまだやってほしかったひとである

心からご冥福をお祈りすると同時に梯郁太郎氏の生前の業績に対し最大限の敬意を表するものです

Rest in Peace to the great man


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コメント

 誠実に、コメントを致します。私がローランドで、最初に手にした打ち込み楽器は、リズムマシンであるディーアールで、今の白色ではなく、青色だった頃のでございます。バンドにドラマーがいなくて、生ドラムの音が出せるディーアールでライブをしたら、観客に大受けして、デモテープはないか、とか、著名ライブハウスに出てくれとか、対バンをしてくれとか、盛り沢山でございました。チューニングがズレる生ドラムに比べて、チューニングがしっかりしていて、タイム感もズレないし、又、音響が出るので、優秀な楽器を買ったと、好印象でございました。後は、ローランドのシーケンサーと言うと、ソナーに付いていたティーティーエスが優秀だと、好印象にしております。オルガン5とか、チャーチ3とか、ナチュラルリードを使う様に、教わっております。私でもロックを始めて20年は経つのに、もっと古くから音楽をして、楽器に詳しい方々を、誠実に称賛致します。

投稿: 田端 久士 | 2017年4月 6日 (木) 12時00分

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