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2016年2月 1日 (月)

SMAP「公開処刑」を見てー日本のアーチスト、ショウビズのの世界に「エージェント制」導入を提唱する

日付の上では2月に入った。1月は著名なアーチストの訃報が相次いだりSMAPをめぐるジャニーズ事務所のゴタゴタ等が話題になったが、特にいまだ記憶に新しいSMAPの「公開処刑」を見てあえてここで提唱しようと思うことがある。というのもこれからの芸能人、アーチストとにっておそらくいずれ避けられない流れになる可能性を感じているためである。

お断りしておくが私は音事協(一般社団法人 日本音楽事業者協会)も音制連( 一般社団法人 日本音楽制作者連盟)にも加盟していない。そして将来にわたっても加盟するつもりはない。(音楽出版の事業部はあるが)
理由はいろいろあるがこの両者に加盟することによって余計なしがらみや、自由に動けなくなる、という事情があるためである。それゆえ私がこれから提唱する「エージェント制」などは音事協からみれば「とんでもないことをいう奴」という風に見られてしまうだろう。これも音事協に加盟していないからできることである。

エージェントをつける、ということと事務所に所属する、というのは一見似ているが実は全く違う。どちらもギャラの交渉とかするが、仕事の進め方は根本的に違う。

日本ではプロ野球が一部の選手がエージェントをようやく置くようになったが、これも既存のプロ野球球団の激しい「抵抗」によってなかなか実現しなかった。おそらく日本の芸能事務所も同じスタンスを取るだろう。

事務所に所属してマネージメントをしてもらうことと、エージェントがどう違うか。わかりやすく表にしてみよう

事務所に所属 エージェント
人材の種類 仕事の斡旋やギャラの交渉も行うが同時にアーチストの身辺の世話、雑用も行う 弁護士の資格を持った交渉人、知財や権利に関して高度な法律的知識を有する
原則アーチストの雑用はしない
(但し大手エージェンシーだと雑用の担当者がいる場合もあり)
ギャラや出演条件の交渉
アーチストのプロモーション宣伝 ×
コミッション 事務所によって違うが最低ギャラの半額は事務所が持って行く 法定で交渉したギャラの5%(これはスポーツの機構やユニオンとの協定で決まっている)

上の表を見るとエージェントはアーチストのプロモートは殆どしない。にも拘わらず欧米では「事務所に所属」という形よりは「エージェント」の方が主流になっている。スポーツの選手の契約だけでなく、欧米のSHOWBIZ(芸能)関係者の殆どは「エージェント制」によって動いている

エージェントといっても誰でもエージェントをつけられるわけではない。アメリカのスポーツで野球選手ならメジャーリーク球団と契約を持つことが条件になっているし、女優や俳優はハリウッドやテレビ、ブロードウエイ等の「メジャー」と契約を持つ。ということがエージェントがつく前提条件となる。例えばハリウッド映画のオーデイションを経て受かればその時点でエージェントがつく。逆にオーデイションをいくら受けても採用が決まらなければいつまでたってもエージェントはつかない

勿論欧米にもマネージメントやプロモーターはいる。しかし日本の芸能事務所とは根本的に違う点がある。日本の芸能事務所関係者が聴いたら驚く内容である。
つまり

アーチストとマネージャー、プロモーターは完全同等の立場である。

ということだ。

日本の芸能人のように何となく「芸能事務所に雇われている」というニュアンスは欧米にはない。実はここが日本と欧米の違いである。欧米ではメジャーだろうがインデペンデント系であろうがアーチストもクリエーターも自立した意識を持っているのである

私が「エージェント制」を提唱する理由は次のことからである。

1.今後日本は「クールジャパン」を始めとするプロジェクト、日本から海外に向けたコンテンツ発信という流れに際し、日本の権利(版権、著作権、肖像権、その他の知的所有権)を法律の観点からも正当に守る体制を作る必要性が求められる

日本の市場、芸能ニュースばかり見ているとそんな必要性を感じないかもしれない。しかしこの動きはこれから確実に大きなうねりとなって出てきている、実は既に水面下でかなりこの動きがあり、私も実はその中のいくつかに関わっている。要は、映像、音楽等のコンテンツは権利ビジネスだが、海外との取引をする際に気を付けないと権利(とりわけ著作権)まで持って行かれる可能性がある。私が特に危機感を感じるのは経産省の「クールジャパン」推進者にこの意識がきわめて低いことだ。そのような態度では生き馬の目を抜くような外国のエージェントには到底太刀打ちできない

実際アメリカのスポーツや映画出演の契約書を見ると何十ページにも及び、難解な法律のテクニカルタームが沢山あり、到底専門家でないと内容を理解できるものではない。特にこれから「クールジャパン」を始め海外でのコンテンツビジネスを行う時には英語にも堪能で弁護士と同等の能力を持った人間をスタッフにそろえることが絶対に重要になってくる

2.国際的、国に関係なく仕事するためにはアーチスト自身が自立した意識を持たなくてはいけない、ということ

日本は「会社主義」というのか、組織に依存するメンタリテイに陥りやすい。事務所に所属する=会社に就職する、というニュアンスが根強くあるし、芸能事務所の中にはそういう体系を持っているところもある。
また芸能人の中には変に事務所の社長に「借り」を作り結果的に身動きが取れなくなる場合も少なくない

だがそういう日本的なサラリーマン的メンタリテイでは日本国内ではそれで通用してもこれからコンテンツがグローバルに広がっていく時代になると、それでは世界では通用しない。

「エージェント制」導入にはアーチストの方にも意識革命が必要なのである、日本のサラリーマン的メンタリテイを捨て去る覚悟を持たないと世界では到底通用しない。

今は表に出てこないかもしれないがこの動きは確実に出てくる。しかし表にでてきてから対応しても実は既に遅い。「クールジャパン」を始めこれから日本から映画やアニメといった映像コンテンツを積極的に発信していく流れが現在大きく水面下で動いており、その流れはもはや止めることができない。そしてその映像コンテンツの権利を守るため、アーチストの権利を守るためにもエージェントは必要なのである。

先月のSMAPの「公開処刑」のような事件は「エージェント制」を導入していれば起こり得なかった事件である。あのようにトップアーチストに恥をかかすようなことを地上波のテレビという公共電波を使って行うなどというのは欧米では考えられないことである。

私自身はこれからSMAPやジャニーズ事務所が今後どうなろうか、関心はない。正直どうでもいいと思っている。関わっている映画にジャニーズ事務所は関係していないし

しかしあのような人身御供は見ていて非常に不快である。やはりこういう流れをそろそろ何とかしなくては、という風に考えてもいいのではないだろうか

もっとも俳優事務所なんてプロモーションなんていってもたいしたことはしない。宣材の製作費用は多くの場合所属する俳優や女優が支払う。だから俳優、女優の事務所などエージェントでいいのだ。それ以上はいらない。あとは出演したドラマ、映画が何かのきっかけでブレークすればそこから発展性が出てくる。

しかし音楽の場合はそうはいかない。ライブも人を呼ばなきゃならんし、デモテープだって作るには費用がかかる。欧米の場合はラジオやストリーミング等でブレークするケースもあるだろうが日本はタイアップというハードルがある。そこをどうクリアするか。簡単ではない。これは音楽人として何か方法を考えたいと思うが、いずれにせよ日本の場合は音楽単体でプロモーションして成功する可能性は低い。これは今後の課題となる。私は映画やドラマの音楽に関係しているので、そこの部分を利用できれば利用しようと考えている。

いずれにせよ音事協にも関係ない自分だから提唱できるのだろうが、何とか日本でも「エージェント制」が定着してあの「公開処刑」のような気持ち悪い、不快極まりないものを二度と見ないですむような芸能界に脱皮して欲しいものである。

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