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2016年1月24日 (日)

デビッドボウイ"BlackStar" レビューー死を目の前にしたアーチストの生き様とファンへのダイイングメッセージ

この記事にはデビッドボウイ"Blackstar" のネタバレの内容が含まれています。同アルバムを聴いていない方はなるべくご遠慮下さい。

先日のデビッドボウイの衝撃の訃報から2週間余り
オーダーが集中したのだろう。なかなか商品が到着しなかったが昨日ようやく商品が到着した。

Blackstar_bowie

デビッドボウイが癌の告知を受けたのは2014年
誰でもそうだががんの告知を受ければ「死」というものを連想する。そして自分が余命いくばくもないことを悟ると「死ぬまでに自分は何をしなければならないか}ということを考えるだろう。そしてこの"Blackstar"はまさに稀代のアーチスト デビットボウイのダイイングメッセージである。

そして率直な感想をいうと実に凄まじい。聴いていて戦慄を覚えた。

特に最後の二曲は泣けた。アーチストの思い、自分の生き方についての思いを感じることができて涙が出た

私なりにアルバムのレビューを書くが当然ながらかなりネタバレの内容を含んでいるのでまだ聴かれていない方はなるべくお読みにならない方がいいと思う。各トラックについてわかる範囲で若干解説も加えてレビューを述べる

そもそも今回のアルバムタイトルBlackstarは通常は宇宙の「恒星」が爆発して「白色矮星(輝きのない星」を意味し、それを自分に重ね合わせたという意味もあるが、どうやらプレスリーフリークだったBowieがプレスリー晩年の未発表の作品から取ったといわれる。

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この歌の歌詞を見ると”he knows his time … has come.”(彼は死期が来たことを.悟った)"と書いてある。Bowieがこれを知らないはずはなく、このタイトルからしてこのアルバムは死期を悟ったデビッドボウイのダイイングメッセージであることを示すものである。

1.Blackstar

そしてのっけからぶっとんだ。デビッドボウイの"Low"を思わせる暗いイメージの曲だが

In the villa of Ormen, in the villa of Ormen
Stands a solitary candle, ah-ah, ah-ah

(オルメンの里に  1本のろうそくがたっている,)

Ormenというのはノルウエ―の街の名でデビッドが夢中になったAleister Crowley作のオカルト小説にも登場する大ヘビの名前でもあるらしい。最後に自分の大好きな小説を引用したというのも死を意識したものなのだろうか?

Something happened on the day he died
Spirit rose a metre and stepped aside
Somebody else took his place, and bravely cried

(I’m a blackstar, I’m a blackstar)

(その男が死んだとき何かがおきた)
(魂が上に登って、傍らに降りた)
(誰かが勇気を出して叫んだ)
僕はブラックスター(消えゆくスター) 僕はブラックスター

I can’t answer why (I’m a blackstar)
Just go with me (I’m not a filmstar)
I’m-a take you home (I’m a blackstar)
Take your passport and shoes (I’m not a popstar)
And your sedatives, boo (I’m a blackstar)
You’re a flash in the pan (I’m not a marvel star)
I’m the Great I Am (I’m a blackstar)

なぜかわからないー 僕はブラックスター(消えゆくスター)
とにかくついてきてくれー 僕は映画スターじゃない
家まで送ってあげよう 僕はブラックスター(消えゆくスター)
パスポートと靴を持って 僕はポップスターじゃない
鎮静剤も持ってね 僕はブラックスター(消えゆくスター)
君はなべの上の光 僕は不思議なスターじゃない
僕はあるがままにグレートさー 僕はブラックスター(消えゆくスター)

この歌詞を見ればデビッドが自分の死をみつめ、死を覚悟した上でこの曲のレコーデイングに取り組んだことへの説明の必要はないだろう。自分には死期が近づいてくることに対し、勇敢に死に立ち向かっているアーチストの姿を見ているような気がした。

2.Tis a Pity She's a Whore
4 "Sue (Or a Season in Crime),"

共にボウイの未発表作品を集めたコンビレーションアルバム、ナッシング・ハズ・チェンジドからの曲でいずれもシングルカットされた曲だが、複数のレーベルからのコンビレーションアルバムのために、正式なアルバムの中に最後にデビッドはいれたかったのだろうか? 曲自体も録り直しており最後はデビッド自身が悔いのないように納得したトラックに仕上げたいという意図もあったのだろうか?

3.Lazarus

Lazarusとは聖書でキリストの金持ちと貧乏人のたとえ話に出てくる病気の乞食のことをいいガンと闘病する自らを揶揄したものだろうか?以下の歌詞にはデビッドのファンへの別れのメッセージが込められているという話だ、(プロデユーサートニー・ヴィスコンティの話)

実際に歌詞を訳してみる。意味については皆さんのご想像にまかせる

Look up here, I'm in heaven
I've got scars that can't be seen
I've got drama, can't be stolen
Everybody knows me now


Look up here, man, I’m in danger
I’ve got nothing left to lose
I’m so high it makes my brain whirl
Dropped my cell phone down below
Ain’t that just like me

見上げてごらん、僕は天国にいるんだ
僕には目に見えない傷がある
誰からも盗まれないドラマも見てきた
誰もが僕のことを知っている

見上げてごらん。僕は今危機に瀕している
僕には失うものはない
僕は高いところに上ってくるくる回っている
携帯は地面に置きっぱなしだ
今の僕はそんな感じじゃないかい?

By the time I got to New York
I was living like a king
Then I used up all my money
I was looking for your ass
This way or no way
You know, I’ll be free
Just like that bluebird
Now ain’t that just like me
Oh I’ll be free
Just like that bluebird
Oh I’ll be free
Ain’t that just like me

僕がニューヨークに着いたときには
王様のような暮らしをしていた
でももうお金を使い果たした
そして君のお尻を探していた
こっちに行こうが、あっちに行こうが
僕が自由になることがわかるだろ?
あの青い鳥のようにね
僕はそんな感じじゃないかい?
僕は自由になるんだ
あの青い鳥のようにね
僕は自由になるんだ
僕はそんな感じじゃないかい?

5.Girl Loves Me

この曲はおそらくデビッドが書き溜めていた曲の中の一曲だろうと思う。いわゆるダイイングメッセージとはたぶん関係ないと思われるが、結構意味不明な歌詞がある。

Where the fuck did Monday go? (一体月曜日はどこにいったんだ?)

とか
歌詞に出てくる女の子、チーナ(Cheena) は単なる想像上の女性なのか、デビッドがある特定の女性を念頭に置いているのか。この時点ではわからない。ご存じの方がいればご教示いただければ幸いである、

・さて、実はアルバムの最後の二曲もデビッドの明らかなダイイングメッセージである。勿論ファンに向けてのメッセージでもあるが、それと同時に特に”I can't give anything away”;は死を迎えて何か自分言い聞かせている、シミュレーションをしているようにも思える。

5.Dollar Days

デビッドのファンに対するダイイングメッセージである。

Cash girls suffer me, I’ve got no enemies
I’m walking down
It’s nothing to me
It’s nothing to see

<中略>
Don’t believe for just one second I’m forgetting you
I’m trying to
I’m dying to

(お金をたかる)女には困ったもんだ。僕には敵(恋敵?)などいないのに
今僕はそこから離れて歩いている
僕にとっては何の価値もないものだ
見るべきものなどなにもない

だけど僕が君のことを忘れるなどとは一瞬たりとも思ってはダメだよ。
僕は忘れようとは思わない。
死ぬほど忘れたいと思ってもね

6.I can't give anything away

この曲には泣いた。自分が死に臨んだ時を想像していた気がした。曲の最後には涙がながれてきた。自らの死をシミュレーションしている、そんな気がした。

I know something is very wrong
The pulse returns for prodigal sons
The blackout's hearts with flowered news
With skull designs upon my shoes

I can't give everything
I can't give everything
Away

Seeing more and feeling less
Saying no but meaning yes
This is all I ever meant
That's the message that I sent

I can't give everything
I can't give everything
Away

何かがおかしいことはわかっている。
脈が無駄な音に変わっていくことを
花束に囲まれた心臓の静寂が
靴が骨の大きさに合わせて作られることも

僕は全てを与えられない
僕は全てを捨てられない

いろんなことがみえてわかってくるが 感じなくなる
ノーということがイエスの意味になる
僕はそれを意図していたんだ
そういうメッセージを伝えていたんだ

僕は全てを与えられない
僕は全てを捨てられない

この言葉がデビッドの最後の言葉なのだ。

Rest in peace David.  Thank you for all of your work and all of your memories.

(デビッド安らかに。 たくさんの作品と思い出をありがとう)

一応作曲、クリエーターの端くれとして、自分がデビッドと同じ余命いくばくもないと宣告されたら果たしてどうするだろうか?

どのような作品を最後に作ろうとするだろうか?

自分があとどのくらい生きてどのくらいの作品を作る時間があるのかはわからない。だがデビッドの"Blackstar"を聴いて今後の自分の作品、自分のクリエーターとしての生き様、についてじっくり考える必要性を感じた次第。

改めてデビッドのご冥福を祈りたい。そしてデビッドのダイイングメッセージを自分の今後の生き方に生かしたい、と思う。

(注:歌詞の翻訳は私自ら行いました。私の意訳もかなり入っていますので翻訳内容が正しいかどうかの保証はいたしません。ご了承ください)

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