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2015年8月11日 (火)

定額ストリーミング成功のカギはストリーミングサービスからブレイクするアーチストが生まれるかどうか

さて、日本ではいまだPandora RadioSpotifyのサービス開始についてメドが立っていない現状ではあるものの、すでに"Apple Music"や"Line Music" そしてエーベックスが主宰している”AWA”がサービスを開始したこともあり、私見ではPandora RadioSpotifyの日本でのサービス開始はもはや時間の問題だと考えている。

音楽業界ではこれらの定額制音楽ストリーミングサービス(尚、いまだに一部マスコミは「無料音楽サービス」などと報じているところがあるが、それは「無料期間」があるだけで無料期間終了後は定額の料金を支払うシステムなのでその報じ方は正しくないー特にネットではネット住民にとって「都合のよい情報」は勝手に一人歩きするのでこの手の報道は気を付けていただきたい)に対してネガテイブな受け止め方が多く、確かにその気持ちはわからないではないが、この流れはもはや止めることは不可能なので、その時代に応じた対応を音楽業界人として考えるべきである。

まず定額ストリーミングサービスに関して一部誤解している人が多いが、これは音楽のデイストリビュート(販売)の最終形式ではない、という点を抑えて行かねばならない。

あくまで定額ストリーミングサービスには宣伝、というニュアンスが存在することを抑えて行かないととんちんかんな議論になる。

とはいえ、このサービス出現によって音楽業界のビジネスのありかたは大きく変わらざるを得ないのも事実である。日本の音楽業界人は今でもそうだが「変わる」ということを極端なほど嫌う人間が多いが、もはやこの流れは避けられないだろうと思う。

音楽業界人なら誰でも読む『Musicman NET』連載の本格論考『未来は音楽が連れてくる』の著者でもある榎本幹朗氏の記事はかなり的確な分析をしているのでここでご紹介させていただく

■定額ストリーミングサービスは音楽に何をもたらす? 専門家・榎本幹朗が分析する現状と未来
http://realsound.jp/2015/08/post-4168_3.html

定額ストリーミングサービス登場後の音楽ユーザーの流れは榎本氏が指摘するように

「知らないアーティストは無料の動画で済ませよう」「知っているアーティストの曲はレンタルで済ませよう」大好きなアーティストの作品はCDを購入しよう」という最近の傾向が明らかになっています。

<中略>

まず『Spotify』におけるロードのように定額制配信からブレイクする新人を創りだす。同時に、定額制配信のミッションに賛同していただける大物アー ティストを探していかなけれなりません。これまでのCDやiTunesのように、アーティストが自分にお金を払ってくれるファン作りに勤しむ時代ではなく なります。「定額制ストリーミングサービスを使って、音楽ファンの分母を増やそう」という考え方に賛同してくださる大物アーティストを探さねばなりません。

特に後者がポイントだと思う。サービスが「宣伝メデイア」として機能できるか。アメリカではロードというSpotify経由でブレークしたアーチストがあるが日本で同じことが起きるかどうか、だ。

た だ日本の市場は欧米の市場とかなり根本的に違う体質がある。榎本氏が指摘したレンタルCDという日本独特のシステムもそうだが、それよりもまだ日本社会と していまだに地上波テレビへの依存度がかなり大きい部分を持っている点だ。実際自分で仕事をしていてわかるが、自分の仕事がテレビでオンエアされていると「すごい」という反応が返ってくるが、単にネットメデイアだったりウエブページだと「あ、そ!」という感じだ。テレビを見ない人が増えているなどといわれている割には、まだこれが日本の実情なのである。

また車社会であるアメリカなどではラジオが文化として根付いているが、電車社会である日本ではラジオはあまり機能していない。

その2点を考えると日本で果たして定額ストリーミングサービス宣伝メデイアとして果たして機能できるのか、決して私は楽観的にはみていない。

とはいえ音楽制作者の立場から考えると定額ストリーミングサービスによってコアなファンの開拓する、という基本戦略をもって臨まないと今後は生き残れないだろう。またアルバムや曲をやみくもに配信やストリーミングに流すのではなく、アーチストのプロモーション戦略の観点からストリーミングに流す曲、配信に流す曲、そしてCD化する曲と分けた方がいいだろう。

一部のIT系論客が主張するように配信やストリーミングの時代だからパッケージは無用の長物という主張に耳を傾ける必要はない。コアなファン層はCDでもグッズでも何でも買ってくれるからである。コアなファン層を中心にニッチなマーケテイングを行うことがこれからは重要になる。

自分で使っていて思うのは、音楽のプロモーションツールとしての機能としてもっともすぐれているのはPandora Radioだ。榎本氏の言葉を借りれば「発見のフェーズ」ーつまり選曲の精度を磨き上げることによってとても便利にお気に入り曲を発見できる、という利便性でPandora Radioはその機能では他の追随を許さない。Apple Music"がこの機能をマネしようとしているようだが、いずれにせよ定額ストリーミング機能が宣伝メデイアとして機能できるか、今後の音楽業界、しいては音楽文化の行方はこれにかかっているといっても過言ではない。


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