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2015年7月 4日 (土)

コンテンツTOKYO基調講演ー株式会社KADOKAWA 角川会長の「ネットフリックスとコンテンツの未来」

前の記事にもかいてありましたが今年の「コンテンツTOKYO」のメインの目的は株式会社KADOKAWAの角川歴彦会長の基調講演を聞きに行くのが目的でした

ご存じのように角川歴彦会長は川上さんのドワンゴの合併(買収)を行い、旧角川書店とドワンゴを合併して株式会社KADOKAWAと命名しメガコンテンツパブリッシャーというコンセプトを打ち出した方です。

Kadokawa00

実は当初は「一億総クリエーター時代の本格的到来とコンテンツ産業の未来」というタイトルでしたが、当ブログの記事にも書きました10月のネットフリックスの日本進出に鑑み、急きょ講演のタイトルを「ネットフリックスとコンテンツの未来」と講演の内容が変更になりました。

感想だけ先述べますと「きわめて有意義な講演だった」といっていいと思います。さまざまな面で大いに参考になりました。

そんな感じで講演がスタートしました

Kadokawa03

講演の基本的な中身はこんな内容で進行しました。

Kadokawa02

内容をざっくりまとめますと以下のようになります

1.NetFlixは第二の黒船か

実はなぜこのネットフリックスの日本進出が今後のコンテンツ産業に大きな影響を与えるかといいますとネットフリックス単体で既存の地上波テレビ、動画配信 サイトやモバイルのキャリアサービス(dアニメ。dTV等) 全てが関係してくるためです。

Apple Google 等の既存のIT企業とNetflixの違いは一口でいうと

Apple  Google  Amazon ー デジタル流通網はあるが、メデイアではない(コンテンツの制作もない)

NetFlix - デジタル流通網+ 制作 + メデイアを持っている

つまりNetFlix は元々ビデオのレンタル宅配業者からスタートしたこともあり映画、映像コンテンツの第一次(劇場) 第二次(DVD パッケージ) 第三次(ストリーミング配信)の全てを自前でできる点が従来と違う

2.IP2.0について 

IP2.0とは昨年角川アスキー総合研究所が主催する勉強会で今まで以下の内容の勉強会が行われました。

1.グローバル時代の著作権・特許ルール
2.機械が生み出すデザイン、
機械が生み出す知財」とどう向き合うのか
3.モノが情報になる時代に企業はどうする


等を筆頭とした新しい時代における著作権のありかたについて論じられましたが、特に新しいイノベーションが起きている時に

ユーザ―の使い勝手      クリエーターの権利
(規定を緩やかにすることを希望)               (権利ロイヤルテイ強化を希望)

という全く相反する両者の折り合いをどうつけるか、という点を真剣に議論すべきだと角川会長は述べられ、私も全くこれには同意します。既にサブスクリプション、ストリーミング等の時代では既存の著作権法では
もはや対応が難しくなっていると指摘しています

3.カタカナ”カドカワ"が目指すものー企業のカタチ 

そもそもカドカワがなぜドワンゴと合併したのか、といいますとアメリカのApple  Google  Amazon といった会社に対抗するためにはコンテンツだけでなく技術(ITノウハウ)も同時に所有していないと太刀打ちできないと会長が判断したためのようです。

一方でIT会社は従来のバーチャルの世界だけにとどまっていては限界があり、リアルな世界の方向に目を向けないといけないという背景があり、実際Googleは本の宅配を開始しています。

グーグルはなぜ宅配事業をするのか? 米国では当日配送の物流サービスも !
https://netshop.impress.co.jp/node/310

つまり企業体として以下のような現象が起きているとのことです

IT バーチャル       リアルな業態、リアルな世界を志向

既存のリアルな業態  バーチャルな世界、IT技術導入を志向

それを考えると旧角川書店とドワンゴが合併したのはほぼ必然だったということができます

実際角川会長は今日の講演で最大のポイントをここの部分で述べています

それは21世紀の企業が生き残るためには

オフラインのリアルな世界だけでは勿論だめだがオンラインーのデジタルに偏ってもダメ。両方を使いこなさないと生き残れない 

この点は私も激しく同意します。

4.所沢Cool Japan Forest 構想 

ここの部分に関しては以下のリンクページをご参照ください。カドカワさんは他の出版社さんの協力も仰いでいます

■COOL JAPAN FOREST 構想
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/shiseijoho/keikaku/cooljapanforest/

■ニコ動ページ
http://live.nicovideo.jp/watch/lv222792604

http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20150604_v84er.pdf

<感想と考察>

今大きく 変化しているコンテンツ産業の環境で、とかくネット上ではクリエーターや著作者の権利を軽視する見解が多い傾向にあることを考えると角川会長の広い視野で明確な戦略を持って今後のコンテンツ産業のありかたについて論じていることに対し敬意と尊敬の念を表します。

その中でそれが私の属する音楽の世界でここの部分に関してどのようにとらえたらよいのかについて改めて考えたいと思います。

1.著作権

率直に言って音楽配信にせよ、今後始まるストリーミングにせよ現行の著作権のシステムー特に既存のCDパッケージと同じパーセンテージで運用するという発想は基本的に無理があります。正直いって現行のシステムではアーチストやクリエーター(作曲者、作詞者)にとってたいしたメリットにはなっていません。ここのアーチストやクリエーターに対する分配の取り決めについては根本的に考え直す必要があります。

そしてカドカワの会長がおっしゃったように、ユーザーへの使い勝手をよりよくする部分とクリエーター、アーチストの権利強化の部分をどう折り合いをつけるか、ここの部分は極めて重要なポイントであると考えます

2.音楽の事業形態

音楽配信が出た時「CD等のパッケージはもはや無用の長物である」という論調が圧倒的でした。しかしそれらはアーチストとファンとの関係のビジネスモデルをあまり理解した見解ではないと私は繰り返し述べてきました。

またCDが出てアナログレコードが無くなったかというと今アナログレコードが復活していることは当ブログの記事でも述べました。ソフトやデジタルシンセが出てアナログシンセが消えたかというと最近の楽器フェアを見ますと寧ろ逆です。ネットの論調はとかく頭でっかちになりがちですが、いい加減何が出てきたから何が無用と考えるのはやめたらどうでしょうか?

つまり、デジタルが出てきたからアナログは無用、ITのバーチャルが出てきたからリアルな部分は無用ーこういう短絡的な白でなければ黒しかない、右でなければ左しかないという発想

こんな単純な発想では21世紀は生き残れない

ということは私も感じています。

先ほどの角川会長の言葉

オフラインのリアルな世界だけでは勿論だめだがオンラインーのデジタルに偏ってもダメ。両方を使いこなさないと生き残れない

これは私も現場で動いていてひしひしと感じることです。

音楽配信は音楽配信で必要、ウエブサイトやSNS, You tubeといったネットツールもおおいに活用すべき。

しかしそれだけで全てOKではないということです。

リアルな世界での活動 それはライブだったり、アナログレコードだったり、勿論CDだったり、

多くのITギーグ連中が「旧態依然」だと蔑んでいるようなものも実は今後重要だったりするわけです。

本当にネトウヨなんかもそうですが、白か黒、左でなければ右という単純な発想しかできない人間がネットでは多すぎますね。バーチャルだけでリアルに目もくれない、いわゆるリア充になれない、そういう人は21世紀は生き残れないということです。

リア充だ、リア従じゃない、なんて話はもはや時代遅れということです。

角川会長の話、本当に面白かったです。旧ドワンゴの川上さんといい世の中で今何が起きているかきちんと把握した上で戦略を練っているのがわかります。

先着300名に角川会長の本をいただきました。あとで読んでレビューを書かせて頂きます。


グーグル、アップルに負けない著作権法 (角川EPUB選書)

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