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2015年6月 7日 (日)

日本で知名度が高くない世界三大ピアノブランドの1つベヒシュタインとその原因

ピアノにそれほど詳しくない人でも「世界最高のピアノ」といわれたら「スタインウエイ」という名前くらいは聞いたことがあるでしょう。

あとちょっと詳しい人ならオーストリアの「ベーゼンドルファー」(現在はYAMAHA傘下)もご存じの方もいるかもしれません。

しかし「ベヒシュタイン」と聞いて、それが世界三大ピアノの1つだと答えられる人は日本ではまだそんなに多くはない印象があります。

Bechstein_salon01

「ベヒシュタイン」を愛用しているアーチストは結構多いです。ジャズではチックコリアがそうですし、クラシックではフジコヘミングが愛用しています。しかしそれでも知名度では他の2機種に一歩も二歩も譲ってしまいます。

なぜこうなったのでしょうか?

実は日本では殆ど知られていませんが、第二次大戦前はヨーロッパではこの「ベヒシュタイン」が圧倒的なシェアを持っていました。リストを始めとする現在名を残している多くの大作曲家が愛用し、まさにこの世の春を謳歌していました。

しかしそのことがこの「ベヒシュタイン」にとってかえって不幸の源になってしまいました。

最大の原因はこの「ベヒシュタイン」はドイツ製のピアノであったことでした。

そしてそのドイツに1930年代ナチス政権が発足してしまった点が「ベヒシュタイン」にとって最大の不幸になってしまいます。

ヒトラーはこの「ベヒシュタイン」「第三帝国のピアノ」として庇護しました。しかも工場がベルリンにあったため「ベヒシュタイン」の工場は連合国に徹底的に破壊されてしまいます。ちなみにロマンスキーのオスカー受賞作「戦場のピアニスト」で使われたピアノはこの「ベヒシュタイン」です。

同じ「ハンブルグ」に起源を持ち、現在はアメリカ資本の「スタインウエイ」は破壊をまぬがれ、既に19世紀中にアメリカニューヨークに移転したため、ほぼ無傷で第二次大戦後も操業を続けました。日本人が「スタインウエイ」になじみが深いのは既に同社が工房がハンブルグにあるとはいえ、実質的にアメリカの会社になっていたため、戦後アメリカ文化の大量流入とともに普及していった点が揚げられます。

一方「ベーゼンドルファー」の本拠地があるウイーンは第二次大戦当時それほど連合国に強い攻撃を受けずに済んだことや、戦後「オーストリアはドイツに強制的に併合された」という被害者の立場を主張できたので、「スタインウエイ」同様それほどの損害を被らずにすみました。第二次大戦後はその音質を評価する有名演奏家も多いことからその「スタインウエイ」と人気を二分することになります。

しかし第二次大戦後「ベヒシュタイン」は殆ど0からのスタートを余儀なくされ、1940年代末に辛うじて操業を開始できたものの、長く低迷の時代を過ごすことを余儀なくされました。1962年にアメリカのBaldwin社に買収され、1986年にようやくドイツの会社として独立しました。(ちなみに私が子供の頃から愛用したピアノはBaldwinのアップライトでした。)

そのため日本への本格導入も他の二社と比べ大幅に遅れることになってしまいました。本格的に普及し始めたのはここ10-15年くらいではないかと思います。

この「ベヒシュタイン」にとってのターニングポイントはやはり創業から150年を迎えた2003年に、かなり大きな設計変更を行なったことではないかと思います。それまでの「ベヒシュタイン」は大きなホールでの演奏よりは少し小さめな会場での演奏向きといわれピアノの微妙なニュアンスが伝わりやすい、どちらかというと「ベーゼンドルファー」に近い設計だったため大きな音量、大きなホールで演奏するには適さないピアノといわれたので、この設計変更により 「スタインウエイ」のようなダイナミックさと、「至福の音色」と呼ばれた「ベーゼンドルファー」に近い柔らかくて繊細な音色の両方を併せ持つピアノになりました。

私が初めて「ベヒシュタイン」のピアノに触れたのは今から10年前、楽器フェアに展示されているBモデルを弾いたのですが、少し演奏しただけでこのピアノの虜になりました。

 「スタインウエイ」は確かにいいピアノですし、とても弾きやすいピアノ(だから日本に普及した、という点もあるのですが)ですが、時々おかしな調律されていることがあり、音を鳴らすために必要以上に高音をキンキンさせることがあり、私はそれが嫌でたまらなかったんですね。まあこれは「スタインウエイ」のせいではなく日本の調律師のレベルの問題なんですが、まだ三大ピアノに適した調律の腕をもつ調律師が少ないということでしょうね。

私はいわゆる「癒し系の作曲家」というレッテルを業界から貼られていることもあり、確かに私の「癒し系」の曲は「至福の音色」と呼ばれた「ベーゼンドルファー」で演奏すると私がイメージした通りのサウンドになります。

しかし一方では私は激しい弾き方をする必要がある作品も、特に最近増えておりそれは「スタインウエイ」は適していても 「ベーゼンドルファー」だと正直厳しい面はあります。何せピアノをドラムのようにたたくときがありますからね。

しかしこの「ベヒシュタイン」ー今の「ベヒシュタイン」ですがーは私の音楽を表現するのに一番適したピアノではないか、と思いました。このピアノでライブをするのがある意味悲願でもあったのですが、

それが今度実現することになりました。
世界三大ピアノの1つベヒシュタインによる大野恭史 「癒しフェーズ+ダイナミ ックフェーズ」ライブ

7/10 (金)  19:30-

\2500   当日¥3000

汐留ベヒシュタインサロン 
http://www.bechstein-salon.com/

Tel.:03-6432-4080

Bechstein_salon02

「癒しフェーズ」かつて私がヒーリングアルバムで演奏した癒し系の曲を中心に、そして「ダイナミックフェーズ」は最近のジャズ、ロックやさまざまな音楽形式を取り入れた私独特の作風のピアノ曲。後者はかなり激しく弾きます。「ベヒシュタイン」はその両方の表現に耐えうるピアノといっていいと思います。

ご興味ある方は是非ご来場いただければ幸いです。

コンサートの予約はこちら 
http://www.hybridmusic.jp/reservation.htm

Bechstein_salon03



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