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2015年3月 2日 (月)

インターネットの中のコンテンツの価値ー音楽の無料化とストリーミング等について

今年の私のテーマは再三当ブログでも書いてあるようにいかに自分の価値を高めるか、であります。

その議論の中でネットの中では情報やコンテンツの価値を下げるベクトルはあっても上げるベクトルはないということを私は書きました。それに関して一部IT関係者(と思われる)方達から「インターネットには不可能はない」という内容の反論をいただきました。(笑)

まあITを推進する立場の方としてそう考えたくなる気持ちはわからないではないですが..

しかし結論から申し上げてそういった考えは「インターネット万能論」的な観点といわざるを得ません。

例えば20世紀初頭に自動車が発明され、そのことによって人類がいつでも自由に好きなところに移動できるイノベーションが出現しました。それをもって産業革命だという人はいますが、残念ながら自動車は産業革命の中で発明された一イノベーションに過ぎず、自動車が存在すること自体が革命なわけではありません。

自動車自体は便利ですが、便利なツールでしかありません。インターネットも同じです。

車も便利ですが運転を間違えて人を轢いてしまえば凶器になります。同じようにインターネットは便利ですが、使い方を間違えばスパムなどの迷惑行為に遭遇しますし、ソーシャルネットはとりわけ人脈が貧弱だった私にとって人脈構築に有効なツールだった反面、「望ましくない人間」ともつながる危険性もあり、実際それがもとでストーカー行為や殺人事件にまで発展した例があります。便利なツールほど諸刃の刃であるという認識は必要です。

どうもいまだにいわゆる「ネット住民」やIT関係者の中に「インターネット」だけは特別だ」的な考え方を持っている人が根強くいるようです。まあIT関係者はそういう意識でないと仕事できないのかもしれませんが、いわゆる「ネット住民」がその見解にこだわるのは一言でいえばこの人たちには「ネットしかない」からでしょうけどね。

さて、本題に入りましょう。ネットがコンテンツの価値を下げるベクトルしかない、というのはよく考えれば当たり前です。なぜならインターネットによる情報社会は文字通り、ネットもコンテンツもネットワーク内であふれる状況になるーつまり情報もコンテンツも供給過剰な状態になるわけで、供給過剰になれば価値、価格は下がる方向に当然いきます。中学生でもわかる経済理論です。

加えて最近のネットの情報を見ると、デマやゴミ情報のオンパレードです。はっきりいって八割は信頼できない情報といっていいでしょう。それがインターネットの情報の信頼性を著しく損ね、情報やコンテンツの価値の低下に拍車をかけています。

ここで音楽とインターネットについて論じる時に必ずといって出てくる議論について述べます。

それは「音楽の無料化」についてです。

よくあるのは「音楽をネット内で無料にすることが最高のプロモーションになる」という考えです。確かにいくつかそういう例があります。しかしそれらの例をみると実はいくつかの偶然が重なった結果実現したもので、「いついかなる場合でも音楽を無料にすればプロモーションできるわけではありません」 ここは音楽関係者でも誤解している人間が少なくない点です。

実はこの点に関しては津田大介氏と激論をかわせたことがあります。勿論津田さんは「いついかなる場合でも音楽を無料にすべきだ」とは言っていませんが、私の「いくつか偶然が重なった上での結果」という点では残念ながら意見の一致を見ることはありませんでした。

実は最近気づいたんですが、「ネット住民」にとって都合のいい情報はものすごい勢いで拡散される一方、「ネット住民」にとって都合の悪い情報は全く拡散されない、という点です。

つまり「音楽が無料が有効」という「ネット住民」にとって都合のいい情報はどんどん拡散され、さらに「伝言ゲーム」で明らかなようにそういう情報にはどんどん尾びれがつき。「ネット住民」によってますます都合のいい情報に変質していきます。特に「無料」という情報がどんどん一人歩きするんですね。そうした情報が拡散されていくうちに音楽関係者まで一部そういう情報に洗脳されてしまいます。

一方「無料で成功しなかった」という「ネット住民」にとって都合の悪い情報は実際に無料で成功した例より一桁も二桁も大いにも関わらず、全くといっていいほど拡散されません。ネットでは必ずしも重要な情報が拡散されるわけではないのです。そこを考える必要があります。実はネットで拡散されるのは「ネット住民」が面白いという情報か、「都合のよい情報」しか拡散されません

結論からいいますと「音楽の無料化」というのは有効な方法ではなく。はっきりいって自殺行為に等しいです。なぜなら無料=無価値になるからです。価値がないものに対して人は真剣にそれを見たり聞いたりしようとしないものです。それは自分の経験上でもわかりますし、当ブログのドワンゴの川上氏の記事を読んでもわかります。つまり

お金を払った人は最後まで見ますが、無料の利用者は、途中で見るのをやめてしまう
ネガティブな反応を示すのも、無料の利用者の特徴です。

有料サービスを実際にやっている人だからこそいえる見解だと思います。(当然のごとく「ネット住民」から反発がありましたけどね(笑))

さて、以上のことを書くと私があたかも「ネットには音楽コンテンツを流すな」とか「音楽はインターネットではプロモーションできない」などと考えていると誤解する人が出てきそうですが、勿論そうではありません。インターネットは低価格で情報を発信できるメデイアであり、便利で有効なツールになる場合があることを否定するものではありません。

但し使い方があるのです。そしてその使い方を間違えるとえらいことになります。

例えば私などが仕事しているときに、アルバムや映画の中で出演するアーチストのファンが知りたがるような情報は多くの場合デイスクロージャー(非公開の情報)されます。それは社会的にも「価値のある情報」だからです。

つまり「ネットで流していい、もしくは流すべき情報」とそうでない情報を明確に区別するということです。そのような情報を情報解禁前に流すのは、治安の悪い貧乏な国に大量の現金を落としてしまうのと同じ行為です。それが起きると現金を争奪するがごとく、情報に「ネット住民」が群がることになります。

昔よくあったのは、ネット黎明期でまだインターネットについてよくわかってないソフトメーカーがIT関係者に質問しても、IT-とりわけプロバイダーやウエブ業者はトラフィックを多くしたいという思惑から、無責任に「どんどん公開しましょう」などといって情報公開すべきでない情報まで公開した、ということがよくありました。

どうも音楽関係者も映画関係者もまだインターネットというものを使いこなしてはいない、きちんと理解していない、という問題があります。You tubeで広告付で無料公開すればアルバムが売れるくらい同じくらいの収入がある、などという口車に乗った会社が多かったようですが、実にばかげています。まあ例え何千万ビューあったところで制作費の一部回収がせいぜいでしょう。1ビュー0.1円なんてそんなもんです。

そういうIT会社の口車に簡単に乗ってしまう例が多いですね。だからコンテンツ会社のIT業者に対する不信感は強くなるばかりです。

そうした背景もあって日本ではSpotifyとかPandoraといったストリーミングサービスが一向に開始されない原因にもなっているようです。どちらも某大手数社が頑強に反対してサービス開始ができないでいます。今や先進国で唯一サービスが開始されてない国になっています。

こういうことがおきている原因は

1.インターネットメデイアに対する無理解

2.過去のビジネスモデルに固執している

の2点が原因となっています。

特にストリーミング、(サブスクリプション)に関しては日本のIT関係の記事も誤解されるような伝え方をしています。

なぜならどちらも「音楽の無料化」という点のみに焦点をあてているからです。

厳密にはSpotifyとかPandoraも無料ではありません。導入時は無料ですがあるレベル以上になると有料になります。(無料の時は広告を聴かないといけません)オンラインゲームと同じです。特にモバイル経由で聴くと完全有料になります。そこの一番肝心な部分を日本のネットメデイアは伝えていません。

そして何よりもSpotifyとかPandoraが音楽産業のメインである、かのように伝えていますがそれも正しくありません。実はそこの部分を音楽業界関係者ですらきちんと理解していません。

結論からいってネットに流していいのは「宣伝コンテンツ(になりうるもの)」だけでいいのです。

といっても別にアフィリエイト広告とか、Yahooその他でCMをうつ、ということではありません。

実はYou tubeSpotifyPandoraも、一応収入が入るシステムになっていますが、その主目的は音楽を配信する、というよりは宣伝です。SpotifyPandoraは音楽配信というよりは寧ろラジオ、といっていいと思います。それを考えるといわばお金をもらって宣伝できる、と思えばいいのです。どこかのFM局の「編成買い」にお金を出すくらいならSpotifyPandoraを使った方がはるかに有効なプロモーションになりうると思います。

宣伝というのはある意味、自分の価値を捨てて人をひきよせる手法です。しかし宣伝しなければモノにしてもコンテンツも売れるわけはありません。

だからこそYou tubeSpotifyPandoraといったネットの宣伝ツールは逆に有効に使うべきなのです。音楽業界関係者はそこの部分を理解していない人間が多すぎます。

一方ではコンテンツの一番、おいしいところ、一番ファンその他が「価値がある」と考える情報、コンテンツはネットでは公開しないことです。公開してはいけないと思います。そこの部分はコンテンツの価値を理解し、評価してくれる人のみに公開すればいいのです。

残念ながら全ての人がある特定のアーチストの音楽をきちんと理解できるとは限りません。なかには理解しようとすらしない人もいます。そういう人たちに大事な情報やコンテンツをタダで提供するというのはナンセンスです。

当ブログの記事「音楽を広く安く売る時代は終わった」書いた記事がありますが、コンテンツの価値を理解する人たちに集中マーケットする時代になっているのだと思います。そう「狭く高く売る時代」なのです。それがネット時代に「アーチストの価値を高める」ことにつながります。

残念ながら日本の音楽産業の関係者の大多数が音楽を広く安く売る、というビジネスモデルに固執しているように見えます。音楽バブルの時代の発想から全く抜け切れていないのです。

情報社会、ネット社会でも音楽を始めとする情報コンテンツの価値を高める方法はあります。いつまでも音楽バブル時代のやりかたに固執していれば滅亡しかありません。


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