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2014年6月26日 (木)

川上量生ドワンゴ会長インタビュー [ネットの対決はオールドメディアが圧勝」「最後は有料モデルが勝つ」

だいぶ前の記事でもドワンゴの川上さんのインタビューを引用し、それに対して好意的なコメントを書いたため、多くのITギーグと呼ばれる人たちから大いなる反発を食らったが(笑)

今回の記事も認めたくないネット住人は多いだろうが、インターネットやそのコンテンツビジネスについてかなり真実を述べているといっていいだろう

■「ネットはオールドメディアが圧勝」
――川上量生ドワンゴ会長インタビュー
http://diamond.jp/articles/-/55086?fb_action_ids=10203932198932807&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=[766643506690791]&action_type_map=[%22og.likes%22]&action_ref_map=[]

川上氏はIT起業家に得てしてありがちな、「IT革命論」や過剰なまでに「ネットの可能性」をいいたてるのではなく、ドワンゴ、ニコニコを通してネットの中のコンテンツビジネスを冷静に客観的に分析している、という面で「地に足がついた」議論になっているところが素晴らしい。
これは川上氏がITの世界に閉じこもるのではなく他の業種とのコラボレーションをやって成長してきた経緯があるため、他のIT起業家と違い広い視野で見ることができるためだと思われる。はっきりいってIT系の経営者で殆ど唯一まともなことを言っている人といっていいだろう。

今、ネットメディアは無料モデルが席巻していると思われています。無料の方が記事は拡散しやすく、有料にすると記事が読まれないという認識があるからです。

 ただ実は、有料記事でも拡散されている記事が目立ち始めています。これは重要なポイントですね。

<中略>

ネットメディアというのは、相変わらずアービトラージ(さや抜き)モデルですよね。自分で取材しないで、他媒体のニュースを集めたり、そのニュースを見て記事を書いたりしています。ページビュー(PV)を集め、広告収入を得るというモデル。人件費を抑えることで運営してきました。 結果として、そういうメディアが多数でてきたために過当競争になり、市場が荒れ地と化しました。数十人レベルで影響力のある媒体はできましたが、そこから大きく成長したものはなく、成長の道筋もない。

このモデルって古臭いし、将来性がないのです。つまり、ネットメディアは、ビジネスモデルを作れていないと言えるでしょう。

――新興のアプリ会社は、ベンチャーキャピタルなどから資金を得て、テレビ広告を打ち利用者を増やそうとしています。

それもね、このまま永続するモデルではないのです。結局、コンテンツを自ら作っているところが勝つと思いますよ。みなさん、勘違いしていますよ。本当に勘違いしている。新興のネットメディア対オールドメディアの勝負は、実のところ、オールドメディアの圧勝です。それを、わかっていない。

川上さんは世間的には「まとも」な人なのだがどうも私のみるところ。ITの世界ではまともに思われていないらしい(笑)、ご存じの通り当ブログで川上さんの見解を賞賛したらいわゆるITギークといわれる連中から多いに反発を受けたのは記憶に新しい。中川淳一郎さんも指摘しているように、ITギーグ連中の多くは「ネットが他のメデイアを凌駕する、優れている」という言質以外を受け入れようとしない、(こういう連中を中川さんが云うところの「ネット教信者」という)まあそういう連中は認めたくないだろうが、残念ながら上記の川上さんの分析は正しい。

そういう連中に対してはひとことでいって、

いい加減夢にすがっていないで現実を見ろよ、

        といいたくなる。

そもそも、ニュースのレベルが違いすぎる。記者の数も違うなど、体制が違いすぎる。その中で、日経さんのようにマネタイズまで成功しているメディアが出始めている。

 日経新聞と朝日新聞が、どこのネットメディアに負けるというのですか。このメディアには、ブランドとコンテンツ力、そして収益力があるのですから。

――中には、記事に記者のプロフィールを入れたり、顔写真を載せたりしてスター記者を生もうとするメディアも出ています。

それは、正しいです。これまで、そういうことをやってきませんでしたからね。記者のレベルって幅がある。本当に優秀な人から、……な人まで、かなりばらつきがある。それも、記事の匿名性で守られていたからだと思います。

それが署名となれば競争が働きます。淘汰も起こりますが、全体として、記者のレベルが上がると思います。

ネット、とりわけ日本の場合顕著だが「匿名性」というのが支配しており、それが2ちゃんを始めネットの炎上を後押ししたり、無責任な言質を横行させる結果になった。メデイア系の記者も例外ではなく結果として「匿名性」によって「守られて」きた。(だから大手新聞記者で多少暴論をいっても許される雰囲気が出てきた)

しかしそれが今変わりつつあるということだろう。ソーシャルネットも「匿名性」mixiから実名を書くfacebookに世の中の中心が移りつつあるのも、世の中の流れと思われる。例えば日経や朝日のような大手新聞サイトも記事に記者のプロフィールを入れたり、顔写真を載せたりしてスター記者を生みだそうー仕事をする人たちの「職人性」を際立たせるという意味では従来の誰でもできる=代替のきく「安い」「速い」みたいいなネットの方向性とは真逆になりつつある。私はそれは非常にいい傾向だと考える。

ニコ動の利用者は、月間利用者(ユニークユーザー)が約830万人います。有料会員であるプレミアム会員が約230万人です。これは、実際の利用者のうち4分の1が有料会員で占めていることになります。  

投稿動画に付けられるコメント数の比でみると、有料会員によるものが、実は全体の5~6割に達します。

例えば、ライブイベントの「ニコニコ超パーティー」を視聴するには、3000円ほど払わなければいけない仕組みにしています。

これを無料にしたら利用者の人数自体は増えるかもしれませんが、全体の視聴時間は増えないと思っていますお金を払った人は最後まで見ますが、無料の利用者は、途中で見るのをやめてしまうからです。

 しかも、ネガティブな反応を示すのも、無料の利用者の特徴です。有料の利用者はそうはならない。なぜかといえば、お金を払った自分を否定することにつながるからですね(笑)

さて、ようやく本題に入ろう。ポイントは上記の赤文字の部分である。

この話は音楽配信に限らないが私はネット内でのコンテンツビジネスを語る時に、コンテンツの中身云々の話ではなく「システム論」だけでこれからのコンテンツビジネスを語っている論調が多すぎることに大いなる違和感を感じていた。当然のことながら一面的な議論に終始してしまい偏った論調がネットにあふれてしまう。

「コンテンツをネット内で全て無料にするのが最善のプロモーション方法だ」

「CDで稼げなければライブでかせげばいい、それでやっていけるでしょ」

こうした見解の多くは実際にアーチストのマネージメントやプロモーションに携わった人間から出てきたものではない。ということだ。多くの場合、「システム論」の観点のみで音楽の運営の現場を語っており、それがあたかも真実であるかのように広まっている。しかしあえていわせててもらえばこれらは音楽マネージメントを「知ったかぶり」して述べた見解に過ぎない。多くは誰かがいったことをそのまま鵜呑みにしてその断片的な情報のみで自分が全て理解した、などという勘違いをしているに過ぎない。実際現場にも行ったことのない奴が何わかったようなことを云ってるのだ?というのが正直な印象。ネットで困ったことはこの勘違いが「あたかも正論」であるかのように広まっている点である。

それに対して川上さんはドワンゴで実際ネットの有料モデルの現場をつぶさに、しかも冷静に観察してマーケテイングしている。

だから

お金を払った人は最後まで見ますが、無料の利用者は、途中で見るのをやめてしまう

ネガティブな反応を示すのも、無料の利用者の特徴です。

ということがいえるのだ。「知ったかぶり」している連中からはこんな見解は出てこないであろう。

ここで面白いのは従来のネット内の「通説」とは180度違うことを川上さんはここで述べている点である。

それは

ネット内では「結局は有料モデルが勝つ」ということ。認めたくない人もいるかもしれんが,,

世の中のバランスが変わったときに、有料のモデルが優勢になる可能性があります。実際、ニコ動の中では、それが局地的に起こっています。僕らは、有料モデルが最終的に勝つと信じている。<中略>

コンテンツ産業も、経済原理に従います。ゲーム業界では過去に同様なことが起きています。無料のカジュアルゲームが席巻していたと思ったら、いつのまに、 万円単位を支払う重課金ゲームが主流になっていました。無料ではコンテンツ制作者が食べていけないので、結局、無料から有料マーケットに移動するのです。 このような歴史が繰り返されてきました。

正直今のインターネットの惨状は酷いものだ。情報にしてもはっきりいって8割はゴミ情報といっていい。デマも平気で横行し、ネットの情報の信頼性の低下に大きく貢献している。ネットにコンテンツをさらせば価格を下げることはあっても上げることは決してない。

だがビジネスモデルをきちんと構築すればそれと逆のベクトルになる可能性があるということだ。オンラインゲームの現状(いささか行きすぎという気もするが)などもその一環であろう。我々コンテンツ制作者もそこの部分を考えながらやっていく必要があろう。


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