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2014年5月19日 (月)

美味しんぼ騒動を見てー過剰反応と「風評」を盾にした言論と表現の弾圧、独裁国家の体をなしてきた日本(今回も長文注意)

既にご存じの通り「美味しんぼ」の福島の描写で騒動が起きている。

この騒動の成り行きを見ていると当ブログで書いた以下の構図と全く同じであると感じる、

■放送禁止のCMに見る日本の「表現の自由」の危機と日本社会を閉塞させている病原菌たち

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2013/03/cm-b0f6.html

■ドラマ「明日ママがいない」その他CMの状況に見る、安部政権の表現の自由項改悪とは別のもう1つの危機

http:/kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/01/cm-af54.htmll;

■当事者気取りで『大声で」批判する表現の自由をなくす害虫たち;

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/02/post-852e.html

すなわち以下の構図を見ることができる

ある表現に対して「過剰反応」するクレーマーの大合唱が起きる
(今回の場合、政治家、官僚そしてマスコミ)
             

これにネットの「ヒマ人」連中が便乗して叩く
           

その「批判」に表現の発行元が腰砕けになり、自粛、発行停止等の措置を取る
(事なかれ主義、発行元トップの「保身」

そして以下のようなことが実際に起こった

「美味しんぼ」休載へ=19日発売の最新号で釈明-小学館
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jiji-2014051700128/1.htm

「美味しんぼ」“風評”釈明で識者の見解集約 次号で特集記事掲載へ
http://www.oricon.co.jp/news/2037043/full/

私はこれは日本の表現の自由の危機である、と何回も書いてきた。クレーマーという害虫によって放送禁止の追い込まれた数々のCMや脚本を書きなおさざるを得なかったドラマ「明日ママがいない」それと同じ構図のことが今回も起きたわけである。

但しCMとドラマのケースと違うのは、今回のクレーマーは原発の悪影響を可能な限り「小さく」報道したいという思惑の政治家と官僚、そして電力会社の広告がなくなることを恐れた大手新聞を始めとするマスコミである。政治家、とりわけ原発の利権を守ろうとする政治家はまあ過剰反応するのは予想できる。だがいつものことだが、今回のマスコミの反応はいただけない。

さらに今回も問題なのは「きちんとした取材に基づく表現」と言っておきながらいとも簡単に腰砕けとなったビッグスピリッツの発行元の小学館である。

1.権力迎合、権力に従順なマスコミ

まず今回大々的にバッシングに加わったマスコミだが、1つ問いたいのはそもそもマスコミは今の福島の現状に対してどれだけきちんと取材活動をしているのか、という点である

あの震災から3年以上経過したが、福島第一原発の周囲には一部のフリージャーナリストを除き、マスコミ関係者は殆ど取材らしい取材をしていない。それは報道各社が「官邸記者クラブ」内の報道協定の元「コンプライアンス」に基づく取材自粛という名の「報道しない自由」を行使しているためである。殆どのマスコミの情報は政府や東電の流す、信憑性に乏しいといわざるを得ない情報を垂れ流ししているだけである。

つまりそんなマスコミがあの「美味しんぼ」の内容を風評をばらまく、などと批判する資格が果たしてあるのか? という点だ。

マスコミ各社がきちんとしたジャーナリズム精神に基づき、今福島で何が起きているのか、真実は何なのかをきちんと取材していた上での批判ならわかる。だが残念ながらどうみてもそのようには見えない。

そもそも放射能について「どのくらい以上が危険」で「どの程度なら問題ないのか」その情報が一般国民には殆ど開示されていない。そもそもシーベルト は値が問題なのではなく、その値がどれだけの時間枠(1時間なのか、一日なのか)表示されているのかが問題である。そのことを政府は勿論のこと、マスコミ 各社は殆ど何の取材もしていない。

私がとある専門家のサイトに書かれていることを記事に書いた。私が見たところもっとも信頼性が高い人の記事なのでご興味のある方はご覧いただきたい。

■放射能値ーどのくらいが危険かの認知方法について
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20131107

政治家の中でもこの知識が広がっているとは思えない

小泉進次郎氏「美味しんぼ」描写に反論 「あれだけ行ってるのに鼻血流したことない」「行くたびに元気
http://www.j-cast.com/2014/05/14204709.html

政治家なんてどうせ一瞬かそんなに長い間現地にいくわけではないだろう。問題は放射能の値ではなくその場所にどれだけ長くいたか、という点、そして抵抗力の低い子供たちと大人を同じ尺度で語るのもおかしい。そんなこともわからん奴が「反原発」など語るなといいたい。

反論があるマスコミ関係者は反論をしていただいて結構、ただしネットのヒマ人君たちはご遠慮願いたい。あなたたちにかまっている暇はない。

2.自分の表現に責任と信念がない発行者

そしていつもながら世間の批判にいとも簡単に腰砕けになる発行者、今回は小学館なわけだが、そもそも「美味しんぼ」のような人気マンガがこういうことを描けば大きな反響が出るくらいのことは予測できたはず。そしてビッグスピリッツ側は「きちんとした取材に基づく表現」と言っている。ならば自分たちの取材した内容に対してもっと自信を持っていいだろうし、批判があれば反論すればいいだけのこと。

その辺の大企業の広告担当者のようなシロウトならともかく、小学館はれっきとした言論機関であり出版社である。なぜ自分の出した表現、言論に自信を持つことができないのか?会社のトップも「事なかれ主義」「保身」にかられ、販売自粛などという措置をとるのは「腰砕け」といわれても仕方がないし、言論機関として恥ずかしいとは思わないのか。といいたい。

美味しんぼに登場した松井英介医師は別に個人的に知っているわけではない、だがこの人の語り口等を見ると意図的に風評やデマを流す人には見えない。

そしたらはたせるかな、こんな情報が飛び込んできた

福島県双葉町で鼻血「有意に多い」調査 「避難生活か、被ばくによって起きた」
http://www.j-cast.com/2014/05/16204959.html

福島県双葉町では、鼻血などの症状の統計が有意に多かった――。岡山大などの研究グループが町の依頼で健康調査したところ、こんな結果が出ていたことが分かった。一体どうなっているのか。

   健康調査は、岡山大、広島大、熊本学園大のグループが、「美味しんぼ」で鼻血の症状を訴えた井戸川克隆町長時代の2012年11月に実施した。全町民にアンケート用紙を配って調査したため、町に配布などの協力を依頼した。

体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気…

 その中間報告が載ったのは、熊本学園大の中地重晴教授が13年11月に学術雑誌に発表した論文だ。「水俣学の視点からみた福島原発事故と津波 による環境汚染」の論文によると、住民には原発事故による健康不安が募っていることから、放射線被ばくや避難生活によるものかを確かめるために疫学による 調査を行った。

    比較するために、双葉町のほか、福島県境にあり放射線汚染地域でもある宮城県丸森町筆甫地区、さらに原発から離れた滋賀県長浜市木之本町でも 調査した。その結果、双葉町と丸森町は、体がだるい、頭痛、めまい、目のかすみ、鼻血、吐き気、疲れやすいなどの症状で、木之本町よりも有意に多かった。

   特に、両町では、鼻血が特に多く、オッズ比を取ると、双葉町が3.8、丸森町が3.5もあった。双葉町では、ほかに肥満、うつ病など様々な症状がオッズ比3以上の高い値を示し、両町では、消化器系の病気や神経精神的症状も多かった。

    論文では、「これら症状や疾病の増加が、原子力発電所の事故による避難生活又は放射線被ばくによって起きたものだと思われる」としており、事 故の影響であることを明確に認めている。今後は、双葉町が行った住民の動向調査から、被ばくとの関係をも調べる予定だとしている。

美味しんぼの情報が「風評をばらまく」といってバッシングしていた政治家やマスコミ関係者はこの論文に対してどう反論するつもりなのだろうか?

そもそも日本人は「議論する」ということをケンカと勘違いする人間が少なくない。アメリカの学校なら"Debate'(デイベート)"という時間をもうけるが日本の殆どの学校はそんなことをしていない。万事丸く収めて、討論するということを学校で教えていないためであろう。批判と誹謗中傷の差が理解できない人間も多い。ちなみに「批判」は議論の問題点を指摘する行為であり、誹謗中傷は問題点もクソなく人格を言葉によって傷つけることである。こういえば小学生程度の頭の人間でも両者の差がわかるであろう。

ちなみに言論と批判については藤子不二雄さんが「エスパーマミ」でこのようなことを書いている。

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「あいつはけなした、僕は怒った。 これでこの一件はおしまい」

そのとおり、これでいいのである。批判するのも自由だし、それに対する反応も自由。だけど相手の言論を封殺するような行為は断じてしてはならない。それが自由と民主主義の社会に住む人間の鉄則である。

今回の騒動は議論というものに対して未熟な日本人の体質と、原発の利権を守ろうとする政治家とマスコミによって事実上の言論弾圧が行われている、という点が大きな問題である。

今や安部にいいなりの広報機関となりつつあるマスコミ、きちんとした情報が公開されていない社会。そしてこのあからさまな言論弾圧

この国が急激に独裁国家に向かっていると感じざるを得ない。


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