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2014年4月24日 (木)

このままいけば経産省の「クールジャパン」は間違いなく失敗。マーケット戦略不在とクリエーター軽視が問題

以前こういう記事を書いたが

秋元康のクールジャパン推進会議にみる政府と経産省のお粗末な内容とコンテンツやクリエーター軽視の態度
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2013/04/post-16d8.html

確かに元々「クールジャパン」なるものは鳩山政権の頃から出ていたが安部政権や経済産業省が推進している、となると何やら胡散臭い部分がどうしても出てくる。

そしてやはりそう感じているのは私だけではないということが以下の赤田祐一氏とソニー・デジタルエンタテインメント社長・福田淳氏の対談でもわかる。

■クールジャパン、なぜ国の主導だと失敗?無駄で誤った予算の使い方と、戦略の欠如
http://biz-journal.jp/2014/04/post_4661.html?fb_action_ids=10202465363968591&fb_action_types=og.likes

長いのでポイントとなる部分だけ引用させていただく

福田淳氏(以下、福田) 最近よく、クールジャパンなどといわれますが、米国ロサンゼルスの友達に「自分のことクールって言うのがまずクールじゃないけど、それって何?」と笑われました。

赤田祐一氏(以下、赤田) 確かに、ちょっとおかしいですね。

<中略>;

福田 経済産業省が主導する「クールジャパン推進会議」(第2回)の議事録(13年4月3日)を読んで驚きました。ある委員の方が、「台湾 のお客様をお招きした際に、おもてなしのバーベキューをしたり、金魚すくいをしたりして喜ばれた。これこそがおもてなしの心、つまりクールジャパンなん だ」と話していたのですが、本質的なところが抜けていると感じました。

<中略>;

その国特有の文化が、各国にいろいろありますよね。日本にも温水洗浄便座やウスターソースなど、海外に普及している商品がいっぱいあります。エンターテインメントの分野でも、アニメやコミック、アートなどは世界に広まっています。

 それを国がクールジャパンとして普及促進しようとすると、「英語字幕の補助金を出します」などと実務的な話になってしまいます。「それらのコンテ ンツを、どうしたら外貨を稼ぐものにできるのか」「今それができていないのは、どうしてなんだろう」という話にまでならないのです。

赤田 サブカルチャーなどは、お上(国)から出てくるものではなくて、やはり下(市民レベル)からわき上がってくるようなものが面白いわけで、お上主導で進めるのは無理だと思います。

福田 日本でも、クールジャパンのコンテンツ市場における海外売上高を10年の4兆円から20年までに17兆円にしようと鳩山内閣が 提唱しましたが、発表された10年当時、実はコンテンツの海外輸出市場は1兆円もなかった。それを別分野も入れて無理やり水増ししようとするから、変な話 になるんですよ。経済産業省が「クールジャパンになるものだったら、個々に企画を審査して予算を出します」と言いだして、何をするのかと思えば、シンガ ポールでクールジャパン展みたいなものを開催して、“Jアート”(美術展)や“Jファッションショー”などの費用として15億円拠出したことが明らかにな り、Twitter上でも「ひどい」などと話題になりました。ミヅマアートギャラリーの三潴末雄さんも「こんなもん、日本の文化の礎になるか」とつぶやい てました。

赤田 もったいない予算の使い方ですよね。お金のかけどころを完全に間違っている感じです。以前、「ガロ」(青林堂)というちょっと カルトな漫画雑誌がありましたが、そのバックナンバーがインターネットの取引で、10ドルくらいで香港をはじめアジアを中心として、飛ぶように売れるらし いです。しかも今、漫画家・辰巳ヨシヒロの作品が北米で復刻されているのですが、それも「ガロ」マニアの個人が手がけていているらしいです。そういうとこ ろに予算を割いてくれればいいですね。

 何がクールジャパンかという定義も大事ですが、伝え方も重要ですよね。

福田 本当にポテンシャルのある面白いものや人をいかに紹介していくか、「これが日本の底力だ」とアピールしていくかが重要ですよね。

福田氏と赤田氏の対談内容には共感するが上記の議論を補足させてもらうとクリエーターに対する敬意が足りない。上から目線でお前らに予算をやる、という感じ。あと「委員」が特定の方向の人間に偏っていて秋元氏などは「クリエーターはノーギャラでやれ、国家のプロジェクトに参加させてやるんだ、ありがたいと思え」などという傲慢な態度が見えること。

我々クリエーターの立場からいわせてもらえばふざけんな! それならやらせてもらわんで結構だよ。といいたくなる。

とにかく政と官がつるんでやったものにだいたいロクなもんはないということだ。

で、経産省の推進しようとしている「クールジャパン」の問題点を整理すると以下のようになろう。

1.「クールジャパン」の定義の曖昧さとマーケット戦略の欠如。

そもそも「クールジャパン」の定義が曖昧。現代の日本文化、伝統文化の何に対して海外のマーケットが魅力的に移るか、という根本的な議論が欠けている。日本の文化、コンテンツの本質をきちんと理解した上で「クールジャパン」を推進しているとは思えないこと 

例えば手塚、大友作品やジブリ作品ならまだしも、アキバ系や同人誌系を「クール」だと考えている日本人は寧ろ少数派だと思うし個人的にはああいうのは恥ずかしくて出してほしくない。アニメやゲームだからなんでもいいというわけではないのだ。

それに日本のアニメを始めとする日本の文化はどうすればマーケッタブルな商材になるかか、日本の文化のどこが海外の人を惹きつけるのかについての議論は皆無といっていい。日本のコンテンツを海外に販売するためのマーケット戦略の根本ができていない。

2.お金の使い方の勘違い(既存の「公共事業」と同じ発想)

そもそも予算の使い方が問題。コンテンツ(ソフト)のプロジェクトなのに予算の大半を展示会やハードウエア部分に使うというのは本末転倒

この点は上記の対談に触れられているのでこれ以上は述べない。そもそもダムや橋を作る公共事業と同じ発想で「クールジャパン」などを推進しようとするからこういうことになる。予算配分に関しては文化、コンテンツに対する理解をきちんと持っている人間が行わないととんちんかんなことが起きる。

3.そもそも「クリエーター」を尊重、敬意を払う態度が根本的に欠如している

先ほどの秋元氏(そもそもなぜこんな奴に「クールジャパン」などを仕切らせるんだ!) の発言を見るまでもなくそもそも日本社会にはクリエーターに対する敬意、リスペクトの意識が甚だしく欠如しているのを感じる。

政治家や官僚は勿論のこと、一般の民間企業の中にも「クリエーター軽視」の態度を見ることができる。

以前こんな記事を書いたが
コンテンツー形のないものにお金を払いたがらない日本人ー文化程度の低さ、文明国家とは到底いえないコンテンツに対する意識
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/02/post-1031.html

twitter経由だが先日こういうことがあったらしい。

サイバーエージェントはイラストを作家に依頼した際、ギャラの事を聞かれて「そんなことより、XXさんには夢とか無いんですか?有名になりたいとか名前を 売りたいとか」とか言いだして、ギャラのことをうやむやにしようとしたそうで、すげえなと思いました いい根性の会社だと思います

この件の真偽はともかく、この手の話が後を絶たないのは殆どギャラ無し同然で受けてしまうクリエーターも少なくないという問題もあるが、やはり日本社会に根強くある「クリエーター軽視」の風潮があるからだろう。

上記リンクの私の文章に書いてあるようにコンテンツに相応のお金を払わないのであれば、ビジネスをやる資格はない。このサイバーエージェントが事実このイラストレーターにあのようなことを云ったとすれば、Amebloで多くの芸能人のブログを有する会社がコンテンツに対してこの程度の認識しかない、ということになり、多くの芸能人のコンテンツはこの会社にぞんざいに扱われる可能性がある。であるならばこんな会社のシステムの中にブログを作るのはやめた方がいい

ITの世界ではもてはやされているサイバーエージェント社だが、事実あのようなことをやったとすればブラック企業という噂もあり、間違いなく三流以下の会社といわざるを得ない。こういう「クリエーター軽視」の態度を「クールジャパン」の推進者の中にも感じる時がある。これでは「クールジャパン」についてくるクリエーターなどいないだろう。

いずれにせよこのままでは「クールジャパン」は失敗するといわざるを得ない。

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