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2014年3月24日 (月)

ネット時代に情報、コンテンツの価値を「管理する」という考え方

私はFacebook等のソーシャルネットでアーチストの方とも多くつながっていただいている。その中で最近気づいたことがある。

そのアーチストの中にはモデルさん女優さん、俳優さんがいる。その中で最近テレビその他の露出が増えると同時にFacebookの記事のアップが少なくなっていることに気づいた。(ブログ更新も同様)

実は芸能事務所の中にはソーシャルネットへの参加禁止どころかブログすら禁止している事務所も少なくない。あのジャニーズ事務所などはそうである。

芸能事務所のこうした対応を「時代に対して遅れている」とか「芸能界はネット時代を理解していない」などと思う人が多いかもしれないが、実は最近それは違うと感じている。ジャニーズなどはその際たるものだが実はジャニーズほどネットを含めて現代のマーケットを分析してきちんと戦略をたてているところはない、といっても過言ではない。

当然ながら事務所がアーチストのソーシャルネットやブログに制限を加えるのはマーケテイングという観点から考えればきちんとした理由がある。

ネット草創期には「あらゆる情報やコンテンツはタダ(無料)であるべきだ」などという論調があった。今ではさすがにそういうことをいう人間は少なくなったが、私自身もネットでのマーケテイング経験で確実にいえることは、インターネットのようなフリーな空間で世界をフラットにするメデイア内では、「インターネットは価値、価格を下げる方向にベクトルは行っても上がる方向には決して行かない」という点である。それは音楽配信の実態を見ればわかるし、ネットでの音楽マーケットが既に衰退の様子を見せている音楽配信よりもストリーミング(サブスクリブション)の方向に大きく動いていることかもわかる。後者のストリーミングに関しては残念ながら日本は大きく後れを取っているが、その流れは避けることができないであろう。

ここで1つ理解しなければならないのは芸能事務所にとってアーチストの写真(ブログ等の肖像権のあるスナップ写真を含め)やアーチストの関連コンテンツはいずれも芸能事務所にとって「商材」であるという点である。

芸能事務所はそれを使って商売するわけだから、従ってその「商材」をどのメデイアに流すかということに関して統制をとる、管理するというのは至極当たり前のことであることを理解しなければならない。

ネット出現によって情報化社会とかいわれるようになったが、そのインターネットも数ある媒体ーメデイアの中の1つに過ぎない。ネット内でいまだにインターネットをある意味特別視するというか、あらゆるメデイアの中でネットが最も優れている、などといった言質に固執する人間が少なくないが、インターネットというのはパーソナルなメデイアでありテレビ等のマスメデイアとは本質的に違うものである。そもそも比較の対象にすることすらおかしい。

マスメデイアが以前と比べ相対的に下がったとはいえ、情報の波及力はネットがどんなにがんばってもマスメデイアにかなうものではない。ネットがいずれマスメデイアを凌駕する、などということが一時まことしやかにいわれたが勿論そんなことはありえない。認めたくない人もいるかもしれんが。

またネット社会になって「マス」というものがなくなる。というのもである。それはマスメデイアが流す情報によって店に行列ができたり、いわゆるB層という新たな形の「マス」を形成する層が政治その他に大きな影響を与えている事象をみても、「マス」はなくなっていない。しいて言えば「マス」が無くなったのではなく「マス」というものの本質が変わったのである。

さてその「マス」といわれる層が「知りたがっている情報」「体験したいコンテンツ」というものがあった場合、その「情報」や「コンテンツ」の価値というのはどうなるだろうか?

当然その「情報」や「コンテンツ」に対するニーズー需要が高いということになる。これは入札ービデイング(bidding)の理屈で考えるとわかりやすい。そう。いうまでもなくみんなが知りたがっている情報」、みんなが「体験したいコンテンツ」というのは需要が高くなると同時に価値が高くなるのである。

そしてネット小僧連中には申し訳ないが、そういう「情報」や「コンテンツ」の一番みんなが欲しがっているオイシイ部分がネットに流れることはまずない。なぜならネットに流れた瞬間に「情報」や「コンテンツ」の価値がなくなってしまうからである。

つまりどういうことか?

ネットのヘビーユーザーには悪いが、情報やコンテンツの価値が高いものほどネット内での露出は制限され、逆に価値が低いものほどネット内での露出は多くなる。認めたくない人もいるだろうが情報化社会の中でのネットの情報やコンテンツは相対的に価値の低いものーあるいが宣伝目的としたもの中心にならざるを得ないのである。ネットにゴミ情報が元々多いのはある意味必然なのかもしれない。

そのために「情報」や「コンテンツ」はそれがどれだけニーズがあるかによってどのメデイアに集中的に流すかをきちんと管理する必要がある。

つまり「情報」や「コンテンツ」価値を管理する、という概念である

前述のようにジャニーズ事務所などは情報」や「コンテンツ」の価値を徹底的に管理する。そのことがかえってジャニーズのアーチストのファンの需要を誘発し、嵐のファンクラブ(有料)ですらライブチケットも容易に手に入らないほどコア層が肥大している。AKBも同様の方策を取っている。

音楽の質や好き嫌いはともかく、現在嵐やAKB48がCDだけでなくグッズその他の売り上げでも突出しているのは「情報」や「コンテンツ」価値の管理成功したためである。

また私も仕事をしたことがある、高級化粧品や海外の高級ブランドなどはあえてインターネット販売をしていない。全て原則対面販売を守り抜いている。しかしこれはこれら高級化粧品メーカーや高級ブランドが「ネット時代に遅れている」からではなく、その方法がブランドの価値を維持し管理するのに最適な方法であることを知っているためである。私は化粧品メーカーでの音楽の仕事をして化粧品メーカーがどれだけ見事なマーケット戦略で臨んでいるか身を持って体験している。

そうなると1つの法則が見えてくる。

(1) ネットに情報を流す場合、情報やコンテンツの量とその価値は反比例する。

(2) マスメデイアにおいて大きく取り上げる場合は情報やコンテンツの量とその価値は正比例する。

ネット内では認めたくない人もいるだろうが、「マス」はなくなったわけではない。本質が変わっただけである。そして上記の法則は情報化社会になり、「マス」というものの本質が変わったところで変わらない

そのため冒頭のアーチスト、モデルさん女優さん俳優さんが等で最近テレビその他の露出が増えた人が同時にFacebookやブログの記事のアップが少なくなり、とりわけ肖像権がからむモデルさん女優さん俳優さんの写真のアップロードが減っていくのもコンテンツの価値を管理する、という観点からすれば当然の方策である。

それを考えると情報やコンテンツをただむやみやたらにネットに「公開する」のではなく価値を管理するために「あえて公開しない」という選択肢は当然ある。さきほどの入札ービデイングの理屈と同じである。

成功しているコンテンツプロバイダーは既にそのノウハウを会得している。そしてコンテンツプロバイダーもそのことによって自らの商材である「情報」や「コンテンツ」価値を上げるためのさまざまな方策をとることによって活路を見出すことができる。

コンテンツプロバイダーだって商売でやっているのだ。そういう方策で自らの価値を上げることを考えることは当然であり、本当に価値のあるものであればユーザーはお金を出すであろう。ただ今までのネット内での雰囲気、ならびに日本国内でのコンテンツや情報に対する価値の意識があまりに低いためにこういうことがあまり行われていなかったからである。

それは犯罪行為でもなんでもない、正当な商行為である。「情報」や「コンテンツ」価値を管理可能な限りその価値を上げる努力をする、ことがコンテンツプロバイダーの生き残る道である。


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