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2014年1月 4日 (土)

新春コラムー大衆音楽文化のマスマーケット戦略の終焉とコンシューマーマーケットの変質

       あけましておめでとうございます。

Geishunn

皆さん新年明けましておめでとうございます。

3年ぶりとなりますが、今年は久々に新年で音楽業界に関するコラムを書かせていただきます。といいますのもここ数年で音楽だけではないですが、コンテンツ全体、強いてはコンシューマーマーケットの本質が大きく変質したと感じたと同時に今後の音楽文化のありかた自体が大きく変わらざるを得ない状況だと考えるからです。

結論からいいまして音楽業界がわが世の春を謳った1990年初頭のような状況はもう二度と来ない、といっていいでしょう。

ひとことでいえば大衆音楽文化のマスマーケット戦略は事実上終焉を迎えたといっていいと思います。

しかしここで私はあえて「音楽のマスマーケットの終焉」とあえて言わず、大衆音楽文化のマスマーケット戦略の終焉といっている点に注目してください。

ネットが普及し、もはやマスというものがなくなった、といった類の言質がネット内では後を絶ちませんが、

実はマスマーケットはなくなったわけではありません。マスマーケットの本質が変わったのです。

詳しく説明すると以下のようになります。

たとえば昨年一大ブームを巻き起こした「あまちゃん」「半沢直樹」は高視聴率を記録し、またアーチストとしてはAKB48が圧倒的人気を誇っています。これらは一見マスマーケテイングが成功したように見えますが、よく見ると少し前の単純にマスに向けてヒットした構造とは本質的に異なる部分があります。

といいますのも10-20年前の「ヒット作」というとかなり「ヒットしているから」という理由だけで商品(CD等)を購入したり、という例が多かったように思います。しかし「あまちゃん」AKB48もよく見るとその構造とは少し違うように思います

実はいずれのケースを分析しますといずれもコアなファン層が存在し、そのコアなファン層中心にマーケットが広がっている、という点があります、たとえばAKB48はいわゆる「オタク層」というコアなファン層が存在し、勿論「オタク層」だけではなく「オタク層」中心に他の層まで拡大はしているものの、総選挙等では「オタク層」中心のコア層が中心に動いている構図が見えます。などはさらに凄まじく、私の娘もそうですが「ファンクラブの会員」ですらコンサートチケットが手に入らないほどの広大な広がりを持っています。に限らずジャニーズ系全般にいえることですが、熱烈なコアなファン層を築き上げ、そのコア層中心に集中マーケテイングを行っております。などはそのコア層がかなり巨大化しており、それだけで殆ど商品、グッズの採算、そしてテレビ番組の視聴率等が成り立ってしまうほどに成長しています。

AKB48が若年層中心だとしたら、「あまちゃん」などは30-50以上の「中年層」を中心に広がりを持っており、特に「あまちゃん」の場合はドラマの性質上、80年代のアイドルのエッセンス等(「わかる人にわかればいい」)かなりマニアックな内容も入っており、そこが中年層を中心とした熱烈なファン層の興味をくすぐりました。ファンになっている文化人も多く、それらがコアな層を形成しており、しかもそのコア層自体が巨大な層に成長しています、

つまり最近の「ヒット作」というのは10-20年前と違い、コア層が巨大化した構造になっているという点です。

以前の記事で私はファンには大きくわけて3種類あると書きました。

A層:いわゆるコアな層: アーチストの真のファン CD等の商品やコンサート、番組なら必ず番組をチェックしてくれる人たち
B層:中間層:コアというほどではないが一定の関心は持ってくれる層;CDもできがよければ買ってくれる
C層:いわゆるミーハー層 真のファンにはならないが「流行っている、みんなが聞いている」というと買う層ー数的にはA層、B層に比べ圧倒的に多い

お断り:上記のA層とかC層というのは小泉政権時に某広告代理店が国民を分類したランク分けとは全く異なるものです。同広告代理店はIQの高低とか、政治上の構造改革に対するスタンスの概念がありますが上記の分類はそれとは全く関係ありません。あくまでコンテンツに対するマーケット上でのスタンスを便宜上分類したにすぎません。

つまり20年前と現在ではヒットの構造自身は以下のように変化しているように思うのです

1_2

図1:20年前のファン構成目安表(C層ミーハー層が大半を占める

それに対してAKB48「あまちゃん」も以下のようなファン構成に変化しています。

2

図2:現在の構成目安表(A層コア層が大半を占める

それらを見ると既に音楽もドラマも、そしてたぶん映画もコア層をメインターゲットとした「ニッチマーケテイング」が既に行われており、AKB48「あまちゃん」もそのコア層が巨大化した「ニッチマーケテイングの成功例」ということができます。

一方で音楽業界はバブル以降、伝統的なマスマーケテイングによる展開にいまだ固執し、主要ターゲットを最初からC層ーいわゆるミーハー層へのメインターゲットとした戦略に今も固執しています。いわゆる従来のタイアップ手法も過去ほど効果がなくなっており、従来通りのマスマーケテイングはもはや有効ではなくなっています。

つまり先ほども申し上げたとおり大衆音楽文化のマスマーケット戦略の終焉の時代がやってきたといってもいいと思います。

これは必ずしも音楽やドラマ、映画等のコンテンツのマーケテイングに限らないと思います。いわゆる一般コンシューマ市場全般にこの傾向があるような気がします。

先ほども申し上げた通り「ニッチマーケテイング」が主流になったとはいってもマスマーケテイングが終了したわけではありません。仮にC層ーいわゆるミーハー層へのマーケテイングでもマスで売ることができる時もあります。但しミーハー層というのは実に心変わりの激しい人たちです。流行らなくなったらすぐにそっぽを向いてしまいます。

つまり今のコンシューマ市場というのは仮に一時的によく売れていても、ちょっとしたきっかけであっという間に販売不振に陥ってしまう、という傾向があるように思います。典型的な例は今の携帯機器で、高い携帯端末でも時間がたてばあっという間にタダ同然になってしまうし、かつては家電の中心的存在だった液晶テレビがあっという間に奈落の底に落ちたように、多くの家電機器もそういう傾向があるように思います。

音楽業界に限ったわけではないですが、何がブームになるか、流行するかなどということを事前に完全に予想することはほぼ不可能です。バブルとバブル直後にはそういったメデイア操作による「ブーム」を作ることはありましたが、昨今のように情報化が進んだ社会ではそういった操作は難しくなっていると思います。

となると最初からマスにたいして大量に売ろう、というマーケテイング戦略はギャンブル性が高いものになってしまい、非常にリスクも高い、ということになります。少なくとも事業ベースとして進めていく場合にはこのような市場ばかり狙うのはあまりにリスクが大きすぎるということができるでしょう。

そうした観点から音楽を始めとするコンテンツは既に「ニッチマーケテイング」が主流になりつつある、というのはある意味自然な流れかもしれません。結果的にコア層が肥大化して結果的にマスで売れる状況になる可能性は0ではありませんが、最初からそれを期待したマーケテイングでは失敗する可能性が高い、ということが言えましょう。

特にこれからはそうだと思いますが、コア層でないーファンでもない人はおそらく少額の音楽配信ですら満足にダウンロードしないと思います。しかしコア層の中に入ればCDだろうがDVDもその他のグッズに対しても惜しみなくお金を使います。つまりこれからのコンテンツビジネスはまずは「ニッチマーケテイング」ありき、あとはそのコア層をどれだけ拡大し肥大化できるか、というのがポイントになると思います。そのためには音楽も映像もドラマも、そしてアーチスト自身もコア層を形成しうる人を強力に惹きつけるものでなくてはならない、と思います。

ちなみに音楽業界でかなり前からこの「ニッチマーケテイング」で生きながらえてきた人たちがいます。それは演歌の世界の人たちです。演歌はかなり前からメジャーレコードのメインストリームから離されてしまったジャンルの音楽ですが、地方の「営業」を中心に「ニッチマーケテイング」の展開で活動を続けてきた人で、いわゆる爆発的ヒットはないもののきちんと採算ベースでの活動を続けることができてきた人たちです。

私自身は演歌は正直苦手ですし、この関係者のおつきあいは殆どないのですが、まあ彼らの活動をみても音楽業界がつぶれても演歌系の人たちがつぶれることはないだろうな、というのが正直な印象です。

いずれにせよ音楽にしても映像にしてもその他、絵画や美術にしても「価値を理解できる」人を対象とした「ニッチマーケテイング」中心での展開の時代が来て、最初からマスのみを相手にする大衆文化のマスマーケット戦略の時代は終わったといっていいと思います。

これは必ずしも悪いことだとは思いません。寧ろ文化というのは本来そういうものであり、芸術文化の本来のありかたに戻りつつあるのだと思います。芸術を理解できない人間に芸術を理解しろ、というのは土台無理だと思いますので..

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コメント

一体どなたがMusicという英語を【音楽】と和訳したんでしょうかねぇ?
音を楽しむ。
まさに言い当て妙ですね!
大衆音楽とは、難しい理屈・理論は要らない。
原点は音を楽しむってことなんでしょう。
パッと聴いて、あぁいいな!が基本ですよね【笑】

ベートーベンもグレンミラーもビートルズもスティービーワンダーも、パッと聴いていいメロディーだなぁってことですよねぇ!

どうも今年あたりから、原点回帰なんじゃないかしら?

個人的にはクラシックを基調としたポップスを作って欲しいですね!お願いします。
【限りなく美しい】を聴かせて下さい!

投稿: モトヤマです | 2014年1月 7日 (火) 11時37分

モトヤマさん いつもコメントありがとうございます。

今年から未来の音楽マーケットの輪郭が見えてくるような気がします

と同時に音楽文化、そのものの復活の動きも出てくるんじゃないかとも思いますね

私自身も作家としては勝負の年だと思います。
よろしくお願いします

投稿: Kyoji | 2014年1月12日 (日) 21時31分

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