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2013年9月28日 (土)

「ジャパンパッシング」でいまだメドすら立っていないSpotifyの日本サービス開始

ここ数週間ほど多忙で音楽記事に関して書けなかったけど、当ブログでもサブスクリブションが今後の音楽産業の大きな柱になるという内容の記事を書いてSpotifyも秋頃には日本でサービス開始では? などという情報も入ってきた。

だが少なくとも本日現在、Spotifyの日本でのサービス開始については全く情報が入ってきていない。
そうこうしているうちにSpotifyが台湾を始め四か国でサービスを開始したという情報が入ってきた

■音楽ストリーミングサービスSpotify、台湾でサービスを開始。新たに4市場を加え世界展開を拡大
http://jaykogami.com/2013/09/4169.html

音楽ストリーミングサービス「スポティファイ」が台湾でサービスを開始しました。またスポティファイは台湾を含む新たに4市場で本日サービスインし、世界展開を32ヶ国に拡大しました。

新たにサービスインしたのは台湾の他に、アルゼンチン、ギリシャ、そしてトルコです。

<中略>

スポティファイの台湾版では無料と有料の2プランが用意されています。無料プランでは、広告付きの無制限聴き放題ができるデスクトップ向けサービス。有料のプレミアムプランでは、月額150NTドル(約5ドル)を支払うことで、広告無しの視聴やオフライン再生がデスクトップとモバイルから楽しめます。

台湾への進出はスポティファイにとって香港、マレーシア、シンガポールに続くアジア圏内でのサービス展開になります。 

<後略>

こうしているうちに台湾や他のアジア諸国に抜かれてしまっている。相変わらず中身にごねている会社が多いということか? と最初は思ったがどうもそういうことだけでもないらしい。

どうも日本の市場の「特殊性」も大きいようだ。

■取り残される日本Spotifyのジャパン・パッシングはなぜ起きたか
http://www.musicman-net.com/SPPJ01/24.html

「それでSpotifyは日本にいつ来るの?」

音楽ファンがいちばん知りたい話はこれだろう。結論からいうと向こう1〜2年は厳しいが、洋楽限定ならあるかもしれない、という感じだ。日本の特殊事情を挙げれば切りが無いし、オフレコ話も多いので、筆者の到達した最重要事項に絞って話そう。

Spotifyが日本に入って来られない最大の理由は、Spotifyの株主である四大メジャーの影響力が、日本では低いからだ。

海外では7割の占有率を誇る四大メジャーも、日本では36%ぐらいシェアを持ってない。さらに四大メジャーの一角が、親会社や子会社等の諸事情で、日本に限っては公然とSpotifyを推進しにくい立場にあるようだ。
(※ 2010年度オリコン調べ http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/78203/full/ )

話をかんたんにすると、欧米諸国では4人に話をつければSpotifyはできる。しかもその4人は
Spotifyの株主であり、身内のようなものだ。

だが、日本になると4人の影響力が下がり、1人に事情が出来てしまう。その上、Merlinのようなドメスティックメジャーの取り纏め役もいないので、同意をいただくべき方々が片手で数えられないほどに増える。

結果、起こっているのが
Spotifyジャパン・パッシングだ。

2011 年の末、Spotifyのホームページに、Spotifyのない国の人材募集が掲載された。アジア太平洋地域では、香港、シンガポール、そしてオーストラ リアのシドニーでリクルーティングが始まったが、東京の名前は無かった。半年後、オーストラリアとニュージーランドでSpotifyはサービスインした が、シンガポールや香港も時間の問題だろう。

<中略>

まず上記で抑えておかなければならないのは日本の音楽市場の特殊性だ。若者の大半は洋楽を聞かないし、最近は特に歌詞が日本語でない、というだけで聴こうとすらしない。

オリコンに限らず日本のチャートの中身を見ても欧米だけでなく他のアジア諸国のチャートとみても全く異質なものであるのは一目瞭然である。例えばアメリカのビルボードトップ10のアーチストが日本のオリコンのトップ10に入るなどということはまずありえない。

日本のレコード会社は依然として国内市場しか見ておらず、なまじっかそれだけで今までやっていけただけにそこから発想を変えようなどとは考えもしない

Spotifyの最大の競合と呼ばれているのがDeezer(ディーザー)だ。フランス生まれのDeezerは独自の戦略で、2300万人の会員と150 万人の有料会員を獲得してきた。その戦略というのが、「アメリカと日本には進出しません」と宣言することで、日米以外の国でストリーミング配信をするライセンスをメジャーレーベルからさくさくと得るやり方だ。

「アメリカ(と日本)でサービスをやりたい、と言うと、とたんにレーベルとの交渉がむずかしくなるんです」

DeezerのCEO、アクセル・ドーシェ(Axel Dauchez)は答える。

ア メリカと日本は、レコード産業売上で世界ナンバー1&2だが、ふたつ合わせても全世界の25%にすぎないし、成長率も低いから、他の75%を取り にいくのだ、という。
Deezerはすでに91ヶ国でサービスインし、数年後には200国を目指している。特にアジア、アフリカ、南米を重点的に展開中 だ。

「レーベルとの交渉よりも、パブリッシャー(※)と交渉する方がたいへんですね」

(※ 何十ヶ国もの音楽出版社や著作権協会をまとめて指していると思われる)

<中略>

現時点でSpotifyと世界でまともに競っているのはフランスのDeezerぐらいしかないが、フランスからSpotifyを閉め出していたからDeezerは育ったろうか?

Spotifyがフランスに入ってきたのは2009年だ。Deezerは最強のライバルSpotifyと端から生存競争を繰り広げなければならなかった。だが、このおかげでDeezerは国際競争力を獲得した、と筆者は思う。

Spotify の差分を世界規模で押さえに行くDeezerの戦略では、Spotifyのある国で後発しても負けるのは織り込み済の話だ。かわりに、現在のフランス国内 の状況と同じく、Spotifyより先行しておき、その後、Spotifyが入ってきても拮抗できればよい。

Deezerは現在、フランス国内でSpotifyの追い上げを受けているが、まだフリーの時間を毎月5時間からSpotifyと同じ10時間に伸ばす手も残っている。Spotifyは南アなどDeezerが先行した国にも入って来たが、そこまではドーシェの想定通りだ。

ただ、この戦略は、少なくともフランス本国で
Spotifyと競争して、先行すれば拮抗できるだけのサービス力を身につけたから成り立ったものだ。

日本版の
Spotifyクローンを創る、という発想も確かにある。

だがそのとき忘れてはならないのは、「生物学的にも閉じられた世界で育った種はひ弱だ」ということだ。「その世界でだけ生きているのだから十分じゃないか」と思っていても、閉じた世界にも変化は起こる。結果、滅亡の危機に瀕してしまう。

今の時代、国内から
Spotifyを完全にシャットする保護主義よりも、Spotifyと適度な自由競争が起こる状況をつくり、日本の音楽配信事業者にイノヴェーションを促す方が、環境の変化が目まぐるしい世界経済の中では安全ではないだろうか。

さて正直いってこういう情報を聞くとまた絶望的な気分になってしまう。あまりネガテイブなことは書きたくないのだが、

「生物学的にも閉じられた世界で育った種はひ弱だ」

これはまさに日本の音楽業界の状況そのものではないだろうか、日本でしか通用しない音楽のクオリティ標準、海外の音楽を積極的に聴こうとしない若者

「その世界でだけ生きているのだから十分じゃないか」と思っていても、閉じた世界にも変化は起こる。

日本の音楽業界の体質そのもの。、日本の音楽業界の人間に改革の意識が目覚めないのはまさに「今までこのやりかた」でなまじっかミリオンセラーまで出してしまっている、という状況からである。

だがもうそんなことは起こらなくなっていくだろう。そのため変化を起さなくてはならないのだが音楽業界の人間にその変化に対する危機感は皆無である。

結果、滅亡の危機に瀕してしまう。

結論からいうと日本の市場はフリーミアムの観点から完全に世界から「パッシング」されてしまっているのだ。もっとはっきりいえば無視されているのだ。今や世界最大の市場となった日本が世界中から相手にされていないのである

これというのも音楽文化を作って行こうなどという意識が全くないこと。そしてリスナー含めてガラパゴス(この言葉は使いたくなかったが..)というか業界全体が「井の中の蛙」となっている現状。

それら諸々がSpotifyの日本でのサービス開始を遅らせ、現在でも全く目途すらたっていない状況を生み出した

日本の音楽文化は世界中からの「ジャパン・パッシング」でただでさえ貧弱になっているのに余計に衰退してしまうだろう。

これじゃ2020年のオリンピックの開会式、閉会式で日本の音楽が鳴っても世界中からの笑いものになるだけだ。


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