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2013年8月24日 (土)

藤圭子さんの自殺とその報道ーメデイア報道の連鎖反応の懸念

もう一昨日の話になりますが、宇多田ヒカルのお母さんでもある歌手の藤圭子さんが自殺という痛ましいことが起きました。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます

ただここでは藤さんについてではなく、その藤さんの自殺の報道のありかたについて、そしてそれによる起きてほしくない連鎖反応について懸念を表明させていただきます。

藤さんの自殺報道に関しましてこういう記事がありました

■藤圭子さんの自殺 テレビのニュース報道は、国際的な「ルール違反」だらけ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20130823-00027482

文章が長いので一部のみ抜粋引用させていただきます。

8月22日、テレビ各社は昼ニュースから夕方ニュース、夜のニュースまで、歌手の藤圭子さんの転落死を伝えるニュースをトップ扱いで報道した。

こうしたテレビ報道の多くが、実は自殺に関する「国際的な報道のルール」ともいうべきガイドラインに違反している。ところが、このガイドラ イン、一般的にほとんど知られていないばかりか、肝心のメディア報道に携わる記者やデスクらもほとんど理解していない。このため、有名人が自殺するという ニュースのたび、同じようなルール無視の報道が繰り返されている。

■自殺に関する国際的なルールは・・・

「国際ルール」というのは、国連の専門機関であるWHO・世界保健機関が定めた報道のガイドラインのことだ。

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/link/kanren.htm

(1) 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う。

(2) 自殺をセンセーショナルに扱わない、当然のことのように扱わない。

あるいは問題解決法の一つであるように扱わない。

(3)自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない。

(4)自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない。

(5)自殺既遂や未遂が生じた場所について、詳しい情報を伝えない。

(6)見出しの付け方には慎重を期する。

(7)写真や映像を用いる時にはかなりの慎重を期する。

(8)著名な人の自殺を伝える時は特に注意をする。

(9)自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする。

(10)どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する。

(11)メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る。

なぜ、これらがWHOによる国際的なガイドラインの主な項目になっているかといえば、自殺についての大量の報道が模倣自殺を引き起こしてしまうから だ。ガイドラインでは「自殺に傾いている人は、自殺の報道が大々的で目立つものであったり、センセーショナルであったり、自殺の手段を詳しく伝えられたり することで、その自殺に追随するように自殺することに気持ちがのめりこんでしまう」という。

自殺についての情報の多さや露出の大きさは模倣自殺への影響と強い相関関係がある、というのは国内外の様々な研究で明らかにされている。

<中略>

「手引き」の(3)については、こう書かれている。

― 自殺に関する新聞報道は、第一面や、中のページの最上部に掲載されるよりも、中のページの最下部に掲載されるようにすべきである。同様 に、テレビの報道番組においても、自殺の話題は、番組のトップではなく、番組の流れにおける最初の区切りか、2つ目の区切りの後に報道すべきである。

「手引き」の(4)について、

― 自殺既遂や未遂の方法を詳しく述べることは避けなければならない。なぜなら、それをひとつずつ順を追って述べることで、自殺に傾いているひとがそれを模倣するかもしれないからである。

 

(5)について、

― ある場所が、“自殺の名所”といわれるようになることがある。例えば、自殺企図が生じる橋、高いビルディング、崖、鉄道の駅や踏み切り などである。センセーショナルな表現によって、あるいはそこでの自殺の件数を誇張するような報道がそういった場所を“自殺の名所”にしてしまうことがある ので、報道関係者は特に注意しなければならない。

(6)について、

― 見出しでは、“自殺”のことばを使うべきではないし、同様に自殺の手段・方法や場所についての言及も避けるべきである。

(7)について、

― 自殺の状況・現場の写真やビデオ映像は使うべきでなく、特にそれが自殺の生じた場所や自殺の手段・方法を読者や視聴者にはっきりと分からせるようなものであればなおさら使ってはならない。

― 自殺をした人の写真を報道に使うこともすべできはない。もし視覚的な画像を用いるのなら、遺族から正式な許可を得なければならない。それらの画像は、目立つところに掲載されるべきではなく、また美化するべきでもない。また、遺書も掲載するべきではない。

(8)について、

― 著名な人の自殺は、報道の対象になりやすいし、しばしば関心の対象となる。しかしながら、著名な芸能人や政治的に力をもつ人の自殺は、その人たちが崇敬の対象であれば特に自殺に傾く人に影響を与えてしまう。

実際の報道を見て、ガイドラインに照らしてセーフかアウトか検証してみよう。まずは新聞はどうだったろうか。

<中略>

「ベランダから飛び降りて自殺した」という方法を伝えている点で、「手引き」の(4)に抵触する可能性があるものの、さほど詳しく伝えずに情報をあえて抑制的に伝えている印象だ。

では、テレビはどうだろう。

 

テレビ朝日の夕方ニュース「スーパーJチャンネル」はトップニュースだった。最初から「手引き」の(3)違反だ。しかも、スタジオ部分で 「宇多田ヒカルさんの母 藤圭子さん(62)飛び降り自殺」という大きな字幕タイトル。これも見出しに「自殺」という言葉を使い、方法まで示していて (6)にも違反する。女性レポーターが「藤圭子さんはこちらの路上で倒れているのを発見されました」とまだ跡が残る路面を指し示し、「すぐ横のマンション から飛び降りたと見られていて」とレポート。交流のあった新聞記者が「寂しいと言っていた」などと証言している。かつての映像も多用し、(7)(8)にも 触れる。

フジテレビは夕方の「スーパーニュース」で遺体が発見された現場マンション前から生中継した。レポートした記者は「藤さんは、13階の知人 の30代の男性宅にいましたが、この男性が寝ている間に、ベランダから1メートル以上あるフェンスを乗り越え、飛び降りたものとみられています」と語り、 「ベランダには、フェンスを乗り越える際に、踏み台にしたとみられるクーラーボックスがあり、フェンスの外にはスリッパが1つ、藤さんが倒れていた現場の 近くにスリッパが1つあったということです」と続けた。その際、「ベランダには踏み台にしたとみられるクーラーボックス」と字幕が出て、自殺方法が詳細に 説明された。

明確な(4)違反といえるフジテレビは夜の「ニュースJAPAN」も同じ字幕が出た。

日本テレビは夕方ニュースの「news every.」でやはりこのニュースをトップニュースとして扱った。(3)の違反だ。クーラーボックスを足場に使って飛び降りた可能性と詳しく報じた。こちらも明確な(4)の違反だ。

日本テレビの深夜ニュース「NEWS ZERO」では見出しのテロップは「最新 宇多田ヒカルさんの母/藤圭子さん(62)転落死 “自殺”か」で、(3)と(6)に違反している。

スタジオでアナウンサーが「マンションのベランダの手すりを抜けて飛び降り自殺をはかったとみて調べを進めています」と伝え、早くもスタジ オ部分で(3)(4)の違反。続くVTRでは自殺現場の地上からの映像とマンションを上空から撮影した空撮映像とが混じり、「28階建てマンションの13 階から飛び降りたと見られる」という字幕が載る。地上で記者がレポート。(4)(5)(7)違反だ。

記者は臨場感を出そうと「亡くなった藤圭子さんはこちらの路上に倒れていた、ということです」と伝える。

その後で「藤さんが飛び降りたとみられる13階の部屋」の映像が字幕とともに映し出される。これは(4)(7)違反だ。

さらにCG映像でベランダとそこに置いてあったクーラーボックスが再現され、人が足場にしてベランダの柵を乗り越える様子を想像させる。 「これを足場にして飛び降りた可能性があるという」とナレーションと字幕で報道。これは(4)違反。自殺のやり方を再現してしまうような、やってはいけな い報道ではないか。このニュースを見た自殺に傾いている人はベランダを乗り越えるクーラーボックスなどの箱を探すに違いない。

<中略>

この「WHOによるメディアのガイドライン」を報道関係者はそれぞれの会社の中で、どう教えられているのだろうか?

あるいは教えられていないのだろうか?

 

昨年まで30年間、報道の現場で記者やディレクターの仕事をしてきた私の経験を振り返れば、WHOのガイドラインを知ったのは比較的最近の ことだ。それも職場で教わったわけではない。教えてくれたのは、自殺者を減らすために様々な活動を行っているNPO法人「ライフリンク」代表、清水康之さ んだ。東日本大震災が起きた後で清水さんと一緒に被災地を訪問していた時に、被災者が自殺する事件があって、詳しい自殺法まで詳しく報じていた新聞記事に 彼が抗議する姿を間近で見て、そうしたガイドラインの存在を知ったという次第だ。だから、あまりほめられたものではない。

 確かに1986年の岡田有希子さんや2011年の上原美優さんの自殺あとにも模倣的な自殺が相次いだ記憶がありました。またこの記事を見て思いましたのは、自殺という例ではないにせよ最近「模倣犯」が相次いでいる、お店でアイスクリームのボックスや冷蔵庫に入った写メをソーシャルネットで流す事例が後を絶たないのもこれと同じ構造のような気がします。

要はマスコミがそれらをセンセーショナルに伝えるために変な意味で「目立ちたい」あるいはその世界に「のめりこみたい」というおかしな欲求が発生し同じ行為を起そうと触発される輩が多いということでしょう。これはある意味「目立ちたい」という幼稚な欲求とともに、「こういうことをしたらどうなるか?」といことに関する想像力が著しく欠如している現代人の姿といってもいいかもしれません。

それだけ現代人というのはメデイアやネットが発達した社会で、逆に情報のリテラシーの著しい低さ、そして想像力の著しい欠如の傾向が強いということがいえます。

特にマスメデイアの報道はそこの部分に強い配慮を行うべきであり、表現の自由や知る権利も勿論大事ですが、情報を受け止める側の配慮というものをもう少しおこなうべきではないか、と思います。特に最近ニュース番組のワイドショー化が著しい(とりわけフジと日本テレビははっきりいってひどいです)傾向を考えますとこの点を考慮すべきだし、何よりも自殺情報の国際的ガイドラインくらいは現場の人間に報道現場にいる人間の常識として周知徹底すべきだと思います。

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