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2013年6月17日 (月)

ストラビンスキー「春の祭典」初演から100年-「題名のない音楽会」の番組を見て

別に記事を書くつもりはなかったんですが、朝twitterで書いたことをもう少し詳しくという要望が私のところに来ましたので..

きっかけは本日放送の「題名のない音楽会」で本日ストラビンスキーの「春の祭典」の特集をやっていたためにそれに関してtweetを3つ書いたんですが、やはり140文字では伝えきれない部分がありましたので

このストラビンスキーの「春の祭典」は音楽史上でももっともセンセーショナルな作品でありストラビンスキーの代表作として知られていますが、ここであまりクラシック系やストラビンスキーを知らない方のために簡単な予備知識を記しましょう

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イゴールストラビンスキー(1882-1971)

ストラビンスキーはロシア生まれの作曲家で1882年にロシアのサンクトペテルブルク近郊のオラニエンバウム(現・ロモノソフ)に生れ、1908年ころにパリに移住 パリでロシア・バレエ団のために「火の鳥」「ペトルーシュカ』を発表したあと、ロシア・バレエ団のセルゲイ・ディアギレフ、、美術家で総合プロデユーサーとなったニコライ・レーリヒ、舞台美術家のレオン・バクストといった当時最新鋭の感覚を持ったクリエーターが集結して作り上げたのがこのバレエ曲「春の祭典」なわけです。

この「春の祭典」と先ほどの「火の鳥」「ペトルーシュカ』をあわせてストラビンスキーの三大バレー曲と呼ばれ、ストラビンスキーの代表作として今日まで伝えられているわけですが.. その後は新古典主義、十二音とくるくる作風を変え「カメレオン」と揶揄されるほどで、私自身も新古典主義以降のストラビンスキーの音楽は正直あまり興味ありません。ある意味「初期の作品」と呼ばれる作品が代表作となってしまっているわけで、ちょっとその辺りは少し残念な気がします。

でその「春の祭典」が初演された今年が100周年ということで本日放送のテレ朝の長寿音楽番組「題名のない音楽会」で佐渡裕、池辺晋一郎その他が出演しての番組になったわけです.

ではこの「春の祭典」がどれだけすごい曲かというとひとことでいうとそれまでの音楽の拍子、リズムの常識を全て根底からくつがえしたことです

具体的にはどういうことかというと

1.変拍子 

 従来の音楽は3拍子、4拍子、8分の6拍子などを基本でした、それ以外の拍子を変拍子といいますが、たとえ5拍子 7拍子といった変拍子でもそれは3拍子+2拍子あるいは3拍子+4拍子 といった形で分解できるものでした。しかし「春の祭典」は11拍子、13拍子などと分解不可能な拍子、リズムを多用しました。従来の「拍子」の既成概念を完全に排したものです。

2.ポリリズム 

 従来の音楽はアンサンブルでも同じ拍子、3拍子でも4拍子でも全パートが同じ拍子で演奏するのが普通でした。しかしこの「春の祭典」はあるパートは3拍子、別のパートが4拍子という楽器によって違う拍子で演奏する部分があります。当然ながら一時的にリズムはずれますが最後には合うように計算されています。これを異なるリズムが同時に演奏されるということからポリリズムといいます。

3.毎小節変拍子、違う拍子

 そしてクライマックスにもっともとんでもないことをやっています。小節ごとに拍子が違うしかも変拍子、最初が16分の11拍子、次が16分の12拍子そして16分の9拍子 etc etc

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「春の祭典」の自筆楽譜

まあこういう作品を作ったことで有名です。この作品は「リズム」についてのあらゆる可能性を特化した作品として現代のさまざまな音楽にも影響を与えたのは事実ですし、我々ポピュラー肌の人間はリズムをベースとして最初曲を作ることが多いですが、私的にはいかなるロック音楽(ハードロック、ヘビメタ含む)もクラブミュージックもまだ「春の祭典を超えた作品はないと思っています。そのくらいこの曲は強烈なリズムによる表現の作品です。

尚、この「春の祭典が強烈なリズムを持っていることから、「題名のない音楽会」の番組内で出演している音楽評論家が「春の祭典」はロック音楽にも影響を与えた、などという話がありますが、これはいささか誤解を呼ぶ表現のような気がします。確かに影響を与えた場合もあるかもしれませんが、仮に影響を与えたにしてもそれは比較的最近の話で「春の祭典を始めとするクラシック系現代音楽と「ロックの歴史」は源流からして全然別に発展してきた経緯がありますので厳密にはこの表現は誤解も呼ぶ表現ですし、正しいとはいえないと思います。まあそれだけこの「春の祭典」がリズムが強烈だということをいいたかったんでしょうが...

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