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2013年3月 6日 (水)

「聴き放題」だけでは音楽ストリーミングサービスは成功しない

私自身もPandora RadioSpotifyを使い始めて早いもので一か月以上経った。

使ってみて確かに感じるのは、従来のパッケージとは違う「サブスクリブション」サービスというビジネスモデルは確かに音楽産業復活の起爆剤になる可能性があると思う。ユーザーにとっても端的に、すごく便利だし、ここに未来の音楽のありかたへのヒントがあると思っている。

そんなこともあってか日本でも続々とサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスが開始される

NTTぷららの「ひかりTVミュージック」やJ-POPを中心とした100万曲をスマホ上で聴き放題というレコチョクによるサービス「レコチョク Best」2012年夏にサービスを開始していたKDDIの「LISMO unlimited」やソニーの「Music Unlimited」も開始し、すでに激しい競争が始まっている。

それにSpotifyも予定通りいけば今年の秋頃、サービスを開始するようだし、Pandora Radioもまだメドはたっていないもののサービスを日本で開始するのは時間の問題だろう。

ただ私自身Pandora RadioSpotifyを使っていて日本のサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスのサービスの打ち出し方を見て正直どうも違和感を感じるのだ。というか各サービスの打ち出し方を見て何か違う、という印象は否めない。

そうしているうちに面白い記事をみつけた。

■聴き放題」だけでは音楽ストリーミングサービスが成功しない理由
~「着うた」市場壊滅の本当の理由から、次世代音楽配信サービスの「成功モデル」を探る~
http://www.drillspin.com/articles/view/571

この記事が私の持っていた違和感をぬぐってくれた。

ひとことでいえばストリーミングサービス」は「何曲無料で聴けます」「何曲聴き放題です」というのは別に重要な点ではない、という点である。

日本の主な定額制音楽配信サービス

                                                                                                                                                             
サービス名 提会社 月額料金 楽曲数
レコチョクBest レコチョク 980円 100万曲
Music Unlimited ソニー 980円 1300万曲
LISMO unlimited KDDI 980円 100万曲
うたパス KDDI 315円/450円※ 100万曲
Groovy DeNA 未定 100万曲
dヒッツ NTTドコモ 315円 100万曲
ひかりTVミュージック NTTぷらら 980円 100万曲

たしかにユーザーからみれば料金とその潜在的な曲数というのは一見大事なようにも思える。しかし大事な点は各ストリーミングサービスが何曲あろうがただそのライブラリーに入っているだけではただの展示物でしかないという点だ。そこから「人に聴いてもらうためにはどうするか」について考えないといけない。

you tubeの現状を見てもらえばいい、仮に音楽の動画をアップロードしたところでただアップロードしただけで自動的に大勢の人に聴いてもらうわけではない。せっかくアップロードしても再生回数が数百程度じゃ何のプロモーションにもならない。ネットではとかくツール出現=これですごいことになる、などという安易な発想になりがちだが、どんなにいいツールができたってツールがあるからそれだけですごいことがおきるわけじゃない。そこにいろんな複合的な要素や仕掛けが加わって初めて大勢の人に聴いてもらうわけである。

そしてその「大勢の人に聴いてもらえる」ような仕掛けが大事なのである。私がみたところ上記のストリーミングサービスでそういう仕掛けをはっきり打ち出しているところは残念ながら見当たらない。

上記の文章の中で

「とにかく沢山の楽曲を揃えて“聴き放題”にすればサービスが成功するはず」という発想こそが大きな間違いなんじゃないか?ということ。価格と曲数だけを競争するより、音楽を聴くことを楽しませる工夫の方がずっと大事なんじゃないか?ということだ。

全くそのとおり。Spotifyが欧米で成功したのはfacebookと連携することによって「音楽のコミュニケーションツール」として機能し、それが「音楽によるコミュニケーション体験」を可能にした。 これは日本のようにカントリーR&Bといった音楽のルーツが根付いていない風土では特にこの機能を充実させないとダメだ。

 バブルのころの日本のJ-popの状況を分析するとわかるが元々日本人にとってJ-popなどは音楽文化というよりは単なる若者同士のコミュニケーションツールにすぎなかった。それが携帯というメデイアに取って代わり、上記の記事の記述のように「着うた」も単なるコミュニケーションツール以上のものではなかったのである。

最近の「音楽離れ」がおきているのは音楽業界側のユーザーをバカにしたようなプロモーション方法も大きいが、そのコミュニケーションツールとしての機能すら果たせなくなった点が大きい。つまり音楽体験を「共有」する機会がなくなったためである。

 しかしSpotifyそして恥ずかしながら知らなかったお隣の台湾のKKBOXなどは音楽のコミュニケーションツール機能を復活させ、「音楽離れ」に歯止めをかける可能性がある。 これは日本のように音楽のルーツ文化が定着していない風土では特に必要なことである。

実はサブスクリプション型音楽ストリーミングサービスの重要なところはまさにそこである。Pandora Radioも「自分だけのラジオ局」から新しい音楽体験をすることができるし、実はtwitterその他で共有もできる、(曲を流すところに"Share"の項目がある。これが大事なところである)

日本の音楽ストリーミングサービスの運営者ははたしてこの点をきちんと理解しているのだろうか? 傍から見ると聴き放題の曲数だけを売りにしているように見えるが、もし上記の本質を理解せず曲数や値段だけで競争するだけだったらPandora RadioSpotifyKKBOXなどには到底勝てず、日本発のサブスクリブションサービスは全滅してしまうだろう。

一方では日本の音楽業界ではいまだにサブスクリブションサービスに対して「抵抗」を示したり、条件にゴネていたりするメーカーもいるようだ。相変わらず新しいことに拒絶反応示す人間が多いとみえる。

でも時代はもう変わる、今年は大きな変革の一年になるのは避けられない。

今後のなりゆきを注目したい

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