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2013年1月 5日 (土)

ワーグナー生誕二百年とワーグナーの音楽

今年は19世紀の偉大な作曲家のひとりであるリヒャルトヴァーグナー(1813-1883)の生誕二百年にあたります。

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実は昨年末、とあるクラシック系の音楽事務所の依頼でヴァーグナーのあまり知られていない曲(たぶん日本では演奏されていない)の資料用にオーケストラの打ち込みを行いました。この仕事は単にmidi打ち込みの技術だけでなく、クラシックオーケストラの楽譜も読む能力が要求されるために私に依頼が来たのですが、その打ち合わせのさなかにその話が出て気づきました。

ヴァーグナーは19世紀では後世の多くの作曲家に影響を与え、バッハ、モーツアルト、ベートーベンに匹敵する大作曲家としての評価を得ていますが、同時に生前のユダヤ教徒に対する差別発言やその音楽がナチスに利用された、という不幸な歴史があるためにややダークなイメージも付きまといます。
 特にヒトラーがローエングリーンやタンホイザーを非常に好んでいたこと、そして宣伝相のゲッペルス(この人は現代のテレビCMは殆どゲッペルスの手法を踏襲したものです)がヴァーグナーの音楽を非常に効果的に演出に利用し、当時のドイツ国民の「洗脳」を巧みに行ったという人類にとって負の歴史にからんでしまったため、どうしてもヴァーグナー イメージ的に良くない面があります。

勿論、それは別にヴァーグナーの責任ではありません。非難されるべきはあくまでナチスなわけですが、しかしヴァーグナーの音楽には確かに人間の心情を高揚する要素があることも事実です。フランシスコッポラの映画の名作「地獄の黙示録」ヴァ―ルキューレが戦場のシーンに効果的に使われていましたがやはりヴァーグナーの音楽にはそういう人間の気分を高揚させる何かをもっていることを示しています

特に今までのオペラを「音楽による劇楽劇」という全く新しいジャンルを確立し、音楽だけでなく台本やビジュアル的な演出まで全て行った例は過去のオペラにはないものです。最晩年の傑作「パルシファル」はいまだにバイロイト以外での公演はできないくらい綿密に劇場と演出が不可分なものになっています。

ヴァーグナー楽劇は神話や中世の騎士等によるファンタジーになっており、一度その世界に引き込まれるとまさに虜になります。あまりにも有名な例はバイエルン国王ルートヴィヒ2世ヴァーグナーの音楽に心酔しついには国家予算の大半をつぎ込んでしまう事態を作ってしまいます。

私の見るところヴァーグナーの音楽には「オタク」的な要素があるように思います。ワグネリアンという言葉がありますが、要するにヴァーグナーオタクです。実際ヴァーグナー楽劇ファンタジーはまさにRPG(ロールプレイングゲーム)のようであり、一度その世界の虜になったら最後、もうやみつきになります「ニーベルングの指環』なんかRPGの世界そのものだと思いますね。

私の大学の友人で普段は普通のサラリーマンで物静かな男なのですが、ヴァーグナーの音楽になると目つきが変わり熱弁をふるい、そして毎年必ずバイロイトにまで出かけていくという、まあヴァーグナーオタクもここまでくれば、という人間がいますが、おそらくバイエルン国王ルートヴィヒ2世もこれに近かったんじゃないでしょうか?

もしヴァーグナーが現代に生きていれば間違いなくRPGを作っていたでしょうね。それもゲーム音楽じゃ飽き足らず自分でゲームの台本から全て作り、自らプロデユーサーになっていたことでしょう。ドラクエやファイナルファンタジーなんか目じゃない新たなゲームを創造していたかもしれません。

その意味ではヴァーグナー「オタク」の先駆けだったかもしれないですね。

まあ生誕二百年、何年か前のモーツアルトなみ、いやそれ以上にクラシックの世界はもりあがるでしょう。(笑)

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