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2012年10月11日 (木)

音楽配信に関するイメージの事実誤認ーi-tunesのシェアはわずか一割

このブログを定期的に読んでくださっている方は私は別に音楽配信を否定しているわけでもないし、実際自社の商品をi-tunesその他で配信していることはおわかりいただいているだろう。

しかし一方では音楽配信に関して誤った認識がネットを初め、一般的に広がっていることも事実でありそれに関しては異を唱えてきた。もっとも顕著な例はi-tunesが出てきた、だから日本のCDは落ち込んだ的な議論があたかも正しいデータであるかのようにいわれている点である。

iPhoneやiPodは確かに普及した。だが実はiTunes Storeの日本でのシェアは1割にも満たない現実をご存じだろうか?

以下の図をご覧いただきたい

Image01

上記の図はレコード協会「2011年有料音楽配信売上実績」の金額をもとにグラフ化したもので「インターネットDL」の中にiTunes Storeの売上が含まれている。勿論音楽配信はiTunes Storeだけではなく、amazonその他もあるわけで、結論からいうと欧米で音楽配信のデフォルトプラットフォームとなったiTunes Store日本でのシェアは1割にも満たず残念ながらこの現状を見る限り失敗しているといわざるを得ないのだ。

詳しくはこちらの記事を参照されたい

iTunes Store は日本で失敗しているんだよ。       
~「日本の音楽市場状況2012」・週刊ダイヤモンド「アップル特集」の誤り~

http://www.drillspin.com/articles/view/152

上記引用の記事にも書いてあり、私もこの手を記事が出るたびにいつも「またか」と思うのはIT専門のジャーナリストにありがちな、米国と日本の状況を混合した^-事実を「パッチワーク」の様に組み合わせた誤った記事だ。つまり、欧米でこうなのだから日本も当然こうなるべきだ、いやこうなっていないのはおかしいといった内容の記事。いわゆるグローバル派のエコノミストの記事にもよくこの傾向がみられるがどうも「グローバル化=世界中が金太郎飴のように欧米ーとりわけ米国だがーと同じになること」と考えているとしか思えない、はっきりいって誤ったグローバリズムの認識に基づいている。

困ったことにこの手の記事はいわゆるマスコミに本当に多く、あたかも正論であるかのように扱われている。しかしこうした記事の殆どは事実を誤って認識させ、世論を誤った方向に誘導することが多い上記のダイアモンド社のアップルの記事などまさにその典型である。はっきりいってこういう記事が今あまりにも多すぎる

さて、上記の記事にも書いているが日本でi-tunesが成功しなかった原因として次の原因が考えられる。

1.日本にしかないCDレンタル店という業態の存在
このサービスは「貸与権」という法律でも守られている。アナログレコード時代につくられた法律と業界慣習が、デジタルとなったCDにおいても、そのまま続いている

2.ソニーミュージックのi-tunesの不参加
有力なアーティストの楽曲がiTunes Storeで販売されていないこと。ソニー^ミュージックも海外では、i-tunesに提供しているが、日本ではなぜか頑なに拒んでいる。しかしこのことによってソニーミュージックのシェアは必ずしも伸びておらず、その意味では音楽配信そのものは音楽市場の状況に一般にいわれているほど大きな影響を及ぼしてないということだろう。

3.日本ではまだCD販売のシェアは大きい
この事実を知っている人は意外に少ないが日本では、まだまだCDが粘っていて、意外に売れているという事実がある。7,000億円以上あったピーク時に比べれば、1/2になっているとはいえ、2011年のCD+音楽DVDの売上は3,618億円ありまだまだ売上のトップシェアはキープしている。

あと上記の記事には書いていないが

4.日本では着うたのシェアは大きい
これも知っている人はIT系の人の中ですら少ないが、実は「着うた」というビジネスモデルは日本で生まれたものである。つまりこのビジネスモデルはむしろ欧米の方が追従している。上記のグラフでも着うたのシェアは8割を越しており、まだまだ音楽配信の主役は少なくとも日本では「着うた」が中心である、

以上の内容に関してITジャーナリストやいわゆるグローバル派のエコノミストの中からは「だから日本は遅れている」などという人間が必ずいるが、私はそういう見解にはきわめて批判的である。
なぜなら真の意味のグローバリズムとは必ずマーケットのローカリズムを考慮した上で世界と情報その他商行為のトランズアクションを行う、というもので一部の自称グローバリストの見解のように「世界中が金太郎飴のように米国と同じになること」では断じてない。それはグローバリズムのの名を借りた単なる帝国主義の変形にすぎず、これこそジョセフ・E・スティグリッツのいう「世界を不幸にしたグローバリズム」につながると思う。何度もいうがグローバリズムというとこういう「不幸にするグローバリズム的な見解で論じる人間があまりにも多すぎる。

何よりも音楽というのは元々ライブ演奏が基本であり、演奏する場で経験する「空間芸術」というのは本来のありかたである。音楽配信が停滞している=だから日本は遅れている、かのような見解はあまりにも短絡的な観点であり、音楽の入り口がコンピュタースクリーンだけになってしまう事態には私はむしろ危機感を感じてしまう。音楽というのは本来そういうものではないのである。

何よりも上記のような論法を飽きもせず繰り返す一部の
ITジャーナリストやいわゆるグローバル派のエコノミストのいうことがいまだに正論であるかのように伝わっているのが最大の問題である、

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