Kyoji "metanature"
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2012年7月29日 (日)

音楽大学への進学と実際のプロフェッショナルの仕事

実は現在中学一年生の娘の進路について悩んでいる。

私自身は最初からそんな意図はなかった。寧ろ私自身などは最近の実情を知りすぎているだけにあまりこちらの方に進んでほしくはなかったのだが、娘は音楽大学付属高校のピアノ科への進学を望んでいる。

とはいえいわゆる音大がよくやっている「子供のための音楽教室」などには今まで参加したことはなく、町のピアノ教師に「おけいこ」レベルのピアノレッスンを受けていた程度だが、本人の強い希望で無謀とは知りつつ、とある音大の「夏期講習」に参加している。

まあ実際行ってみて自分がどれだけ周囲と力の差があるのか、を実感するのもいいだろうと思い参加させたのだが、いずれにせよ今後本人とはじっくり話し合わなくてはならない。今から音高に行こうものなら今までの生活を根本から変えなければならず、しかも音大は入ってからの生活もきつい、そして何よりも卒業してからはもっときつい。私はその事実を知っているからあまり行ってほしくはないのだが...

とはいえ、私も自分が子供のころを考えるとあまりえらそうなことをいえない。だから困っている。
私はピアノ科や器楽などの「演奏家」ではなく最初から「作曲科」志望である。実は「作曲科」は楽理科なんかもそうだが、「演奏家」などと比べると結構いい加減な学科である。
勿論、和声、対位法、管弦楽法とやることは結構あるのだが、最終的には本人の元々もっている能力に依存する点が大きい。

実は高校3年の初めくらいは大真面目に芸大の作曲学科を受けることを考えていた。しかし結局やめて普通の大学に進学した。理由はいろいろあるが「アカデミックな作曲教育」というものがどうしてもなじめなかったのである。加えて今はそれほどでもないが、当時の音大ー特に芸大ーはポピュラー音楽に対して強い偏見を持っていた。当時すでにプログレシヴロックにはまっていた私は、教師や芸大関係者に眼下でプログレ、やロックそのものを否定する言動に接したのである。これは私にとって到底 受け入れられるものではなかった。そしてこういう人たちと今後4年間付き合うことに耐えられる自信がなかったのである。

そして普通の大学に入った。不思議なことに普通の大学に入っても自分が作曲家になるという目標は少しも揺るがなかった。むしろ強くなっていったかもしれない。大学に入ってバンドに参加したりして自分で作品も書いて、コンクールとかに提出したりして(全部落選したが) 結局は知人の紹介で青島広志という作曲家の門をたたいた。傍から見たら変な学生に見えただろうな、と自分でも思う。そして社会人になりいったん普通のサラリーマンを経験してからBGMやCMを作る会社に移籍しプロのクリエーターとしてのスタートを切った。

それからもう四半世紀と数年、おかげさんでまだ一応プロとしての仕事は続けられている。プロの作曲家、編曲家になればどこの音大出たなんてのは全く関係ない。プロの仕事人として何かできるかどんな実績があるのか、の方がはるかに重要なのだ。制作会社も広告代理店も基本的にはそこしか見ない。 芸大出たから仕事がバンバン来る、といった甘いもんではないのだ。
その意味で作曲家というのはアカデミズム的な観点からみれば非常にいい加減な分野の職業なのである。そしていい加減だからこそクリエイテイブな仕事ができるのだ。芸大を主席で卒業しようが、アカデミズムでがちがちになってしまうと柔軟性に欠け、作家として融通の利かない人間になってしまう。それでは真の意味でクリエイテイブな仕事などできない。多額の投資をした結果、クリエイテイビテイという面ではむしろ能力に乏しい人間になる可能性が高くなっているのが現状だ。(アカデミズムな考え方でがちがちになると、、アカデミズム的な手法から少しでもずれると「シロウト的」と彼らは決めつける。だが多くの場合はその考え方がプロフェッショナルな仕事をする場合に障害となる)

演奏家でもプロになると事情は似たようなものである。但し作曲家と違い演奏家の場合は専門教育をきちんと受けないとなかなか難しいのは事実だ。但しどこの音大出た、なんてことは基本的に関係ない。問題はプロフェッショナルとして仕事しやすい人かどうか、演奏家としての腕がいいかどうか、である。
私は結果的には音大出身者とよく仕事をするが、やはりプロフェッショナルなアプローチできちんと取り組んでくれる演奏家を優先して使う。なぜならそういう人と組んだ方が現場がスムーズに動くからである。

うちの娘がそういう人間になれるか、ちょっと親としては正直疑問なのだが...

何にせよ現実をよく知っているだけに、できれば考え直してほしいのだがかといって変に親が夢をこわすのもいかがなものか、という考えもある。自分もそうやって現在の道に進んできたという背景もあるので.............  難しいところだ。

まあじっくり話し合いながら進めていくしかないか、とも思う

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コメント

私の娘ですが、おかげさまで無事東京音大付属高校に合格、入学することができました。

本人も努力もあったと思いますがよい先生に恵まれたことが大きかったと思います。

関係者の皆様にはこの場を借りて御礼を申し上げます。

投稿: Kyoji | 2015年4月 3日 (金) 09時39分

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