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2011年10月15日 (土)

アップルと音楽業界「攻防」再び 舞台は「iCloud」 価格決定巡り深い溝

ジョブス逝去からまだ日がそんなに経っていないときにこのニュース

アップルと音楽業界「攻防」再び 舞台は「iCloud」価格決定巡り深い溝
http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A9C889DE1E7E

これについてネットの中の論調の大半は予想通り以下のような感じ

これでまた日本の音楽ビジネスの進歩が世界から数年遅れる結果になるんだろうなぁ… 気軽に買えなきゃどんどん売れないのにね

まあ2-3年前だったら私も同じ意見を持ったと思います。

しかし今は違います。クラウド化は違法コピーに対する対策にはなりますが実は問題はそのクラウド化ではありません。収益性の問題です。

前にも書いたようにこれはアップル云々という問題ではなく実はインターネットの特質の問題で音楽配信というのはそもそもコンテンツホルダーの収益という点でははっきりいってそんなに期待が持てないチャンネルです。将来性は皆さんが思っているほどそんなにない、というのが実態です。

なぜならインターネットで付加価値をつけるのは不可能、そして情報やコンテンツはインターネットの中では価格を下げることはあっても上げることには絶対にならないからです。つまり音楽配信は今の価格よりも将来的には下がる方向に行く可能性が極めて高い、というのがインターネットの特質を考えた時の現状です。。

あと音楽配信の中でおそらくこのブログの読者の皆さんは音楽配信でもダウンロードが多くなればコンテンツホルダーは大もうけするとお思いだと思います。いうまでもなくクリエーターも.大もうけする...

実はそうでもないことをここで皆さんにお示ししましょう。仮にある音楽配信の楽曲が\150100万ダウンロードを達成したとしましょう。まず作曲、作詞家の著作権料はCDと同じ5.9%ですから1ダウンロードあたり\8.85です。それが100万ダウンロードされますと

\8.85 x 100万  =  885万 にすぎません。

それをJASRAC手数料、音楽出版社(多くの場合出版社が介在します)の手数料を引いたあと残りを作曲家と作詞家で分けます。音楽出版社とクリエーターは殆どの場合50-50でわけますから作詞家と作曲家の分は400万余り、つまりクリエーターには100万ダウンロードされてもせいぜい200万程度の著作権印税しか入りません。

つまり音楽配信でクリエーターがもうかることはありません。

そうするとパーセンテージからしますと原盤を持つレコード会社が一番取っていることになりますが、100万ダウンロードの1/3がアップルや配信介在業者の手数料で消えますが、100万ダウンロードで1億弱の売上、CDが100万枚の場合\1000で販売店のコミッションを取っても8億ですから、売上の落ち込みを埋めるには程遠いものがあります。しかも1億で宣伝費、レコーデイング費用、スタッフの給料を賄わなければなりません。「充分な売上」などと思うかもしれませんが地上波のタイアップがないと売れない現実とタイアップ1つ取ると数千万は軽く飛びますから、実は全てを差し引くと殆ど利益が出ていないのです。

しかも先ほど書いたように音楽配信の価格はいずれ間違いなく下がる方向にベクトルが行きます。そうなったら赤字になるのは目に見えています。

勿論100万ダウンロードを達成する曲などそうそうあるもんじゃありません。

まあインターネットというメデイアの中だけで見ると、どうしてもものの見方がネット中心になってしまいます。どうしてもものの見方が頭でっかちになってしまい、断片的な情報のみで全てを判断してしまう傾向がありますが、現実はこうだということはおわかりいただけますでしょうか? 私が最近「ネットマーケテイング」とかアメリカの経済理論とかをうそぶく人間を信用しなくなっているのは、ものの見方があまりにも頭でっかちで断片的な情報で全てを判断する傾向が強いからです。そういう本や情報ばかり見ていると人間がどんどん馬鹿になる、という人もいますが私もそれに同意します。自分が専門とする分野を持っていると余計そういうものが見えてきます。

だから皆さんとは意見が違うでしょうが、音楽配信の動向に慎重な日本のレコード会社の姿勢は必ずしも間違ってはいない、ということです。コンテンツホルダーは自分のコンテンツにいかに付加価値をつけるかということを考えますし、自分の商品の価値が下がるのを承知で売る業者などどの業界にもいないはずです。

インターネットはあくまでも告知宣伝のみにとどめ、音楽配信の場合はあくまでアーチストの目玉曲でアーチストをより多く知ってもらうための「宣伝手段」と考えた方が賢明です。インターネットの特質を考えればそれが正しい選択だと思います。


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