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2011年8月16日 (火)

音楽業界私なりの結論5-日本独自の音楽文化を構築とBGMの否定

6年間音楽業界について述べました。若い人にはジジイが御託を並べて訳のわからないことを云っているなどと思う人もいたかもしれませんし、業界人の一部の人からは私はあまり良く思われていないことも知っています。私自身が音楽業界の中で占める地位など微々たるもの、取るにたらない者ですが1つだけこの業界27年仕事をしてきているというプライドだけはあります。その人間がとにかくこの音楽業界の現状を少しでもよくしたいと考えて今までの一連の記事を書きました。

そして最後はやはり私たちミュージシャン、音楽を作る立場の人間がこの状況にたいしてどうするか、という問題に取り組まなければなりません。

先ほどの4番目の記事で日本には欧米のような音楽のファンダメンタルとなりうる音楽がない、というのは非常に重い問題です。これは音楽の「消耗品」としてのありかたを結果として加速してしまいました。ここでやはり我々音楽を創る人間としてこの厳しい状況ではありますが、この命題を何とかしないと日本の音楽の明日はない、といっても過言ではありません。

それには今のプロのミュージシャンの間に浸透しているいくつかの点についての意識革命も必要です。

1.売れセンという概念放棄の勧めー本物の音楽への回帰

また音楽で現在仕事をしている際に音楽のプロフェッショナルの間ではびこっている「売れセン」という言葉は日本の音楽業界人の多くの耳を毒してしまいました。私はそういうものは放棄すべきだと何回も主張してきました。
音楽を作品ではなく「製品」として作るというのも1つの考え方かもしれませんが、それが結局音楽を単なる「消耗品」にしてしまう元凶だと思います。なまじっかそれで成功体験があるからこの考え方に固執する業界人が多いですがもうやめましょう。
これによってできた1つの弊害は音楽をフィーリングや「心」でやるのではなく「頭」でやるクセがついてしまった点です。これによってできる音楽は「ノリのないロック」だったり「即興しないジャズ」だったりします。よく聞けば単なるポップスなのにそれを本物のR&Bと勘違いする風土等音楽の感性、聞く耳を著しく害しました。インターネット時代ではどうしても頭でっかち、データ偏重の方向に行きやすいですが、音楽のリスナーにとってはそうした能書き、データなどははっきりいってどうでもいいことのはずです。

とにかく余計な「売れセン」の知識などいったん全部捨てて、ちゃんとした音楽、心の底からやりたい音楽をやることを考えましょう。頭でっかちの音楽の時代に終止符を打ちたい

長々と書きましたが要はミュージシャンはくだらないことを考えないで

本物の音楽をやることを心がけましょう。

何が本物の音楽だって? それは皆さんが音楽を聴いて感動した経験が一度でもあるのならあなたたちの心の中にあるはずです。ただ好き嫌いは別としてなるべくならロック、R&Bその他のルーツといわれる音楽を一度聴くことをお勧めします。聴いて損には決してなりません。ロックならRストーンズ、Lツエッペリン、R&Bならアレサフランクリン、BBキング、Jブラウンとかね

そしてそのことによって日本独自の音楽のファンダメンタルズを再構築しましょう。

4番目の記事で書きましたように音楽のルーツ、ファンダメンタルズといいましても絶えず違った音楽の遭遇、交じり合いでできて新たなルーツ音楽になるものなのです。それを考えますと今からでも日本独自の新たな音楽を創り上げるのも不可能ではないはず。結局それを創り上げないと日本の音楽文化の明日はありません。最終的には我々音楽家でそういうファンダメンタルな、そして生活に密着した音楽で今風の感覚テーストが入っている音楽ーそれをみんなで0から考え直すことです。どのような音楽がそうなのかは私にもわかりませんが..

2.アナログ的な音楽制作を見直して個性的なサウンドを作る
まあアナログのレコーデイングの時代を知っているものからすると最近の若手ミュージシャンは綺麗な音に慣れすぎていて、アナログ的な音の広がり、微妙なずれの良さ、というものを理解できなくなっている傾向が強いように思います。ピアノのダンパーペダルの音やギターのフレットの音まで「ノイズだ」などと主張する人間がいる始末で(そういう音が入っているからこそ真のアコーステイックなんですよ)、ドラマーも微妙なビートのずれが味になっているのに、それを修正するといった面が強いように思います。こうしてサウンドがいつのまにか画一的に無個性なものに仕上がっていきます。

これはデジタル録音機器が普及してきたあたりからこの傾向が強くなりましたが、それが音楽をつまらなくしている一要因だと思います。現代のミュージシャンはデジタルの便利さにあまりにも慣れすぎました。アナログ的な耳をもう一度取り戻す訓練をしましょう。

これによって耳は間違いなく今よりよくなります。

3.リスナー対策
私がリスナーに関しての問題点、傾向について語るとそれをけしからんなどという人もいるんですが、やはり誰がなんと言おうとリスナーに対する対策というのは私は絶対必要だと思いますのであえてここで書きます。
実は音楽が「消耗品」的な扱いを受ける1つの原因として全ての音楽がBGM化した、という点が揚げられます。デジタルになり音楽がi-pod等で手軽にどこでも聴けるようになる、そのこと自体は必ずしも悪いことではありませんが音楽をじっくり聴くのではなく聞き流す習慣がついてしまいました。

実は私自身は昔BGM制作会社に所属していたこともあり、映像劇伴音楽などもBGMといわれればその通りなんですが、実はこのBGMという音楽のありかたに今一石を投じようという試みを私はやろうとしています。云ってみれば自分が四半世紀以上やってきたことをある意味で否定しようとしているんです。それを現在企画中の番組のコーナーでやろうとしています。今はここまでしか云えませんが一応私なりのやりかたも考えていることだけご理解下さい。

最後に音楽に純粋な意味で芸術的要素を復権させるために、サウンド&レコーデイングの2011年9月号に掲載されている山下達郎さんのインタビューをここに一部引用させていただきます。これからの若いミュージシャンだけでなく、私自身もハッとさせられる内容でした。皆さんのこれからの音楽をやる上で何らかの参考になれば幸いです。
尚、これは大先輩で作曲家、編曲家の船山基紀先生に「是非読んで欲しい」と勧められたものです。船山先生ありがとうございました。

の若いバンドもローバジェットな制作を強いられているよね。レコーデイングまでに曲を書いて来いって云われて、いざ曲を持っていったら作曲家気取りのA&Rにサビが弱いとか指図される。挙句ドラマーがヘタだって言われてあとで編集される......でもメジャーデビューできるならバンドもそれに従っちゃう。僕も若いころ同じようなことがあって"お前は曲はいいけど詞が良くないから他の作詞家を使う"っていわれて冗談じゃないって啖呵を切ったの。下積みに戻ったとしてもそんな作り方をされるんだったら辞めるって。そこは僕の主張が通ったんだけど、ケンカしなくちゃいけないときっというのはあってね。なんで自分は音楽をやっているのかを考えたら、その相手のいうことを聞けなかったんです。だから若いミュージシャンの人たちは"ここで妥協してくれ。売れたら好きなことができるようにするから"っていわれても絶対に聞いちゃダメですよ。絶対にそんなことないから。始めからやりたいことを通さなかったら有名になっても好きなことはできない。僕は36年この商売をやってきてそれは信念として通しているし。逆にそうやってつぶされてきた人たちもたくさん見ている。自分の音楽表現に対して絶対に妥協しちゃダメ。(山下達郎 談)

プロのミュージシャンとしてやっていくためにはこれだけの覚悟が必要だということです。私自身も勉強になりました。

以上が私が6年間で音楽業界に関して考えたあげくにまとまった考えです。これに同意する方、異議がある方様々でしょうがとにかく音楽文化を復権するためには我々サイドにかなりの覚悟と相当思い切ったことをすることが必要です。

あとの考えは皆さんに委ねます。私は私なりにこれを元に私なりの活動をしていきます。そのレポートを当ブログに書きますのでよろしくお願いします

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コメント

はじめまして。柏でTHE DEADMANSというバンドをやっています。最近この手のブログを読み漁っています。その度に勇気をもらい、背中を押される思いです。バンドとは別にイベントの企画運営をやりムーブメントを起こせる様にと活動を計画中です。

仕事中なので、まだ全部は読めていませんが、山下達郎さんの話でジャケット政策を担当した知り合いを思い出し親近感が湧いたので、ついメールをしてしまいました。

自分達も模索しながら頑張っていきます。

応援しています。長文失礼しました。

投稿: 加瀬 裕一郎 | 2012年6月13日 (水) 15時44分

加瀬さん

コメントありがとうございます。

引き続きよろしくお願い申し上げます

投稿: Kyoji | 2012年6月17日 (日) 13時31分

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