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2011年4月25日 (月)

大賀典雄氏を悼む

先日の田中好子さんに続いてまた訃報の記事を書かねばならないとは、

■元ソニー社長・大賀典雄氏死去

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1104/25/news030.html

CDを事実上作った人といっていい。

東京芸術大学卒業後声楽家として活躍しながら、実業界に転身した異色の人物。東京フィルハーモニー交響楽団の会長・理事長を務め、指揮者としても活躍した人で、ソニー創業者、井深大、盛田昭夫両氏から誘われて入社した方。面白いのは大賀氏が「こんな音しか出ないんじゃいい音楽は聞けない」と盛田氏に面と向っていったら、「じゃあ君もソニーに入れ」といわれ入社したという話だ。どちらも器の大きい人物である。まだソニーが町工場同然の会社だった頃だ。

大賀氏の訃報は昨今の音楽業界の状況を考えても何か象徴的な感じがする。

CDが72分になったのも大賀氏が「ベートーベンの第九が丸々入るように」と考えて決まったもの、芸術とビジネスの両面に長けていた人物で私も大いに尊敬していた。私自身ソニーミュージックとのつきあいはあったものの、大賀社長(当時)など雲の上の人だったのでついにお会いする機会などなかったが、声楽家出身らしく声も通りとても明るい人だったという。

ソフトあってのハードだ、ということをよく理解していた人であり、コロンビア・ピクチャーズを買収し、ハード・ソフト両輪の事業を推進した人だ。旧家電メーカーが続々ソフト事業から撤退する中、ソニーは家電のハードと音楽や映像のソフト(コンテンツ)の両輪の流れを維持する事実上最後の砦といっていいかもしれない。

とかく日本人はソフトを論じるときもハードウエアの観点ばかりに目がいきがちである。その傾向は今でも変わらず、ネットのコンテンツといってもコンテンツを扱うシステムにばかり目が行って、コンテンツの中身の議論などほったらかしにされることが多い。しかしそれではソフトウエア(コンテンツ)の本質的な議論など不可能である。その意味ではネットの世界で大賀さんのような存在が今必要かもしれない。

情報源がどこからだったかわからないが、大賀さんがソニーミュージックの社長を退任するとき「今のレコード産業はどこかおかしい」と発言したと聞いたことがある。もし事実だとすると今の音楽業界の惨状を予見していたのかもしれない。実際音楽業界の状況は悪くなるばかりだ。

改めて心からご冥福をお祈り申しあげます

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