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2011年1月13日 (木)

音楽の「無料」提供論についてのネットでの論調について

ちょっといろいろあってしばらくブログ更新ができませんでした。今年は割りとこのくらい間があくことがあるかもしれません。しかし先日Twitter関係で津田大介氏とちょっとやりあった(というほどでもないか)のでそれに関する記述はしておいた方がいいでしょう。

きっかけはメリデイアンローグの公式ページのこの記事から
http://meridianrogue.com/pc/oas.html

まあ要はアーチストのファンを増やすために自分の作品を「無料公開する」という話ですが、私はこの実験をすでにもう5年前から実施しているので「たぶんうまくいかないよ」といった類のつぶやきを行いました。
当然ながらそれを支持する人と批判的な人に分かれましたが(概して音楽、ミュージシャン関係は批判的)その一環で私が最近よく当ブログで書いている「コンテンツをコピーし放題にすればプロモーションになる」などというのは大嘘、という書き込みに津田氏が反応したのが発端です。
まあこの主張は津田氏の主張と相容れないのはわかっているけど、ネットユーザーのかなりの層が「コンテンツをコピーし放題にすればプロモーションになる」という私に言わせれば「神話」に過ぎない見解を支持するには理由があります。それは一応「成功例」があるからででそれは津田氏の著書に書いているRadioheadPrinceの例です。

しかし実はこれが大きな問題なのです。

というのはこれは超ビッグネームがあくまで一時的な戦略としてインパクトを与えるためにあえてやっただけの話。だから「特殊な例」なのです。「あのアーチストの音楽が無料」ということに大勢のネットユーザーが反応して成功した例なのです。

しかしこの「成功例」は同時にネットユーザーの中に大きな誤解と誤った認識を植えつけました。

つまり「この成功例があるから全てのアーチストが同じことしても成功するはずだ」という考え、イメージが一人歩きしてしまった感があります

それが音楽に関するコンテンツビジネスに関して誤った認識を結果的に広めてしまったように思います。音楽に限らない話ですが基本的にコンテンツビジネスは権利ビジネスなんですね。だからクリエーターは自分の作品のロイヤリテイで食べていくしかありません。

しかしこの「成功例」が広まったためにそれを放棄せよ、などという雰囲気がネットで非常に強くなってしまったのが問題です。この「成功例」はその主張の根拠だったりします。

津田氏の本は確かによく調べてみますが、津田氏が上記の2件以外に上げた「成功例」を詳しく見ますと、「無料化」以外のさまざまな要素ー私に言わせれば偶然ーが重なったために起きた「成功例」のように思います。つまりどれも特殊な例の範疇を出ていないように私には見えます。この特殊な例があるために「音楽をネットで戦略的に無料にするのは有効」といった誤ったイメージがネットですっかり定着してしまった感があります。あたかもこの「成功例」が一般法則であるかのように考える人が結果として非常に多くなったような印象があります。

津田氏は著書の中でこの「成功例」一般法則であるとは云っていない、と本人から直接伺いました。確かに津田氏の著書にはどこにもそう書いてありません。

ただ、

ネットユーザーの中のかなりの割合の人がこの「無料化」が一般法則であるかのように受け取っているように私には見えます。RadioheadやPrince, マドンナ、リリー・アレンやマイ・ケミカル・ロマンス、アークティックモンキーズがこのやりかたで成功したのだから全てのアーチストが同じことしても成功するはずだそういうイメージが何となく一人歩きしている感じがしています。

しかしここで声を大にしていいます。

それはとんでもない間違いです。

現場経験した人間の実感です。

勿論レコード会社や作家が「自主的に」無料化することに関しては、戦略としては否定するつもりはありません。人がすることですからそれにはとやかくいいません。

しかしそれをあたかも「絶対やらなければならないこと」であるかのように云うのは全く別の話です。今ネットでは確実にそういう雰囲気があります。

最近の音楽業界に関する議論、特にネット内での議論ですが、私自身非常に違和感を覚えるのは音楽業界のシステムやその他モロモロについて机上やPC上のみで考えた議論が多すぎるように感じます。実際の動きは机やPCで起きているのではなくリアルな現場で起きているのです。そろそろそういった机上の空論の類に終止符を打ちたいと思っています。

それにしても津田さんとちょっとtwitterでやりとりしただけで私の公式サイトにとてつもないアクセスが集中していることに気づきました。ネットの有名人とやりとりするだけでこういう影響があるんですね。

しかし別に津田さんがどうこう、ということじゃないんですが1つの問題としてネット論壇がある特定の人間に偏っているのが日本の問題だと思います。中川淳一郎さんがいう ようにネットの中で「格差」が起きている。極端にいえばリアルの世界とは別の既得権益になりつつある。アメリカのネットにもいろんな問題がありますが、日本と違うのはネット論壇が一定の方向に偏っていないことですね。ネットの問題を指摘しただけで袋だたきに遭うどこかの国と違います。そこがアメリカと違うところだと思います。

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