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2010年9月 5日 (日)

DRMフリーの流れとデジタルミュージックの将来

さて音楽制作を正業としている人間として今後避けて通れないのがこの問題だ。日本の音楽業界云々についてはもうある程度結論ーというかはっきりいって見放しているんだが、このデジタルミュージックの行方、そしてそれに伴う新たなビジネスモデル(?-とIT系の人はいっているが..) この姿についてはまだ私なりに結論は出ていない。出せていない。

私は「音楽配信が出てきたからパッケージやその他の商品はもはや無用の長物である」という短絡した考え方には反対だ。しかしこれは音楽配信という新たなビジネスチャンネルの存在を否定するものではない。音楽配信は日本では頭打ちの傾向を示しているが、アメリカでは確かに大きな伸びを示している。そんな中で皆さんご存じのとおりDRMフリーの動きが現在加速している。事の発端は:米AppleのSteve Jobs氏,「デジタル著作権管理技術の廃止が理想的」 という発言からである。

関連記事
■:著作権管理にはメリットなし!? 欧米で広がるDRMフリーの音楽配信

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070921/282670/

消費者の声が強い欧米社会ではDRMに対する拒否感があり、特にi-tunesでダウンロードした曲を他のプレーヤーで演奏できないことを問題視する声が大きい。そのためDR廃止の声は大きかったし、結果的には現在のアメリカのメジャーレコード会社の大半がDRMフリーの流れに移っている。その根底にある考え方が

「どこで楽曲を購入しようとも,消費者がそれをいつでも自分の好きな機器で再生できるようにすべき」「他社製プレーヤに乗り換えた際も,今まで購入した楽曲を容易に持ち越せるようにすべき」

確かにこの声もわからないではない。だが問題は音楽ファイルは物品ではなく知財である、ということを忘れてはならない。 このブログの一部の読者だけでなくおそらく多くのネットユーザーが望んでいることだろうと思うが

「コンテンツを大量に自由にコピーできるようにしてネット内で自由に垂れ流すことができる。」ーこれこそがネットの中でコンテンツ流通のあるべき姿である」

しかしこれをやったらおそらく21世紀中に殆どのレコード会社、音楽制作会社がこの世から消滅するだろう。

私もネットで音楽コンテンツがどんどんコピーされそれが広がることが「新たな音楽のプロモーションになる」という考えに一時染まっていた時代があった。これは今でも津田大介氏を始めIT系の論客の基本姿勢である。

しかしはっきりいおう。 それは大嘘である。 これは実際にネットプロモーションでありとあらゆることをやってきた人間の実感である。

従ってDRMのような著作権管理をはずし音楽をコピーし放題、となってもその音楽のプロモーションどころか、売るチャンスは殆ど絶望的になる。当たり前だ。タダで手に入るものにわざわざ金をはらう奴などいない。よく考えれば簡単な理屈なのだが津田氏などはそれを理解できないらしい。

ネットユーザーの殆どは「タダだから聴く、タダだから見る」というユーザーである。しかもマーケテイングなどは無理で何の意味もないことはいまや殆どの広告代理店なら常識といっていい。いわゆる「ネット万能論」「ネット夢物語」はネットユーザーが全員賢いことを前提にするのなら正しい。しかし現実はそうでないことは今ここで例を示すまでもない。

そしてこれはたぶん日本だけの実情ではない。これは音楽のネットプロモーションの先駆者というべきNINトレント・レズナーのこの発言からも明らかである。ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー氏は、ネットコミュニティーへの参加は「益よりも害の方が多い」という考えに至った。

■SNSは「バカが支配している」――NINのトレント・レズナー

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/12/news041.html

これは私もアメリカの掲示板とかよく見ているが、確かにそのとおり。ネットに「バカでヒマ人」が多いのは何も日本だけの話ではない。

従って先々月Tom Silverman氏(Tommy BoyレコードのCEO兼会長)とEric Garland氏(Big ChampagneのCEO)がネットと音楽について講演した記事があるが、彼らのいうFFF数値。 (これは、SNSでのファンの数FriendsFansFollowers) が本当にうまく機能しているのか正直疑問である。ただアメリカにはオバマ現大統領のようにこのプロセスで大統領になった例もあるので、不可能と決め付けるのは早計かもしれないが、そうそう簡単にできることではないし、この記事の記者のようにアメリカではこれが当たり前、であるかのように書くのはいかがなものだろうか。 少なくとも日本においてはこのメソードによるプロモーションを行なって成果を期待するのは非現実的といっていいだろう。

音楽とインターネットの関係

http://www.gizmodo.jp/2010/07/post_7355.html

話をDRMにもどすが、いずれにせよDRMがはずれネットが無秩序なコピーし放題(大半が違法コピーになる)になり、米レコード業界がそれを結果的に推進すればそれは自殺行為にしかならない。

解決策としてジョブスはiTunesの著作権管理(DRM):FairPlay(フェアプレイ) iPod/iPhone/iPad に導入。書き込み数を制限して他のプレーヤーでも再生可能になる、いわば従来のDRMとヨーロッパの消費者団体の主張の折衷案みたいなものである。

http://www2k.biglobe.ne.jp/~t_muto/ipod/howto_itms_FairPlay.htm

わかりやすくいえばDVDのダビング8みたいなものだが、果たしてこれが解決策になりうるだろうか


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