Kyoji "metanature"
i-tunesでも好評配信中!!
i-tuneページを表示するにはお客様のPCにi-tunesとquicktimeがインストールされている必要があります。 i-tunes及びquicktimeのダウンロードはこちら





« 弊社のハイブリッドミュージックの英語ページ完成 | トップページ | ステイービーワンダー »

2010年8月 3日 (火)

音楽業界を去った人からのコメントをいただきました。

もう4年前に書いた記事なんですがいまだに当ブログの記事で一番のアクセスを稼いでいる記事

コラム「音楽業界の現状と将来、そしてある取るに足りない者からの業界への提言」(長文注意)
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2006/07/post_1324.html

この記事に関して元音楽業界人だった方からコメントをいただきました。コメントはご本人の了解の上、上記の記事に公開いたしました。実は当ブログは幸いなことに炎上はしていませんが、コメント覧で執拗なスパム攻撃にさらされたことが何回かあり、そのため現在多くの記事でコメントを書くことができないようになっています。しかし今回のように直接メールをいただければ内容のあるものであれば公開したいと思っております。

さて上記の記事は大変コメントが多いので、見てもわかりにくいでしょうからこの記事で改めて公開します。ハンドル名「コロン」さんとして公開しております。長文ですが全文公開しています。

初めまして。コラム「音楽業界の現状と将来・・」を読ませて頂きメッセージをお送ることに致しました。多少長いのですが何卒ご容赦下さい。

コラムは面白い視点で書かれていたと存じます。

私も20年間程音楽業界におり、2002年に業界を去り、現在は衛星放送関係で韓国ドラマを扱う仕事をしております。

ここ15年のCD市場の低迷は元業界人として憂いの現象でございます。それ故現役の業界人がどのように考えているのかは非常に興味深い所でした。

特に大野さんが指摘していいた「アーチストも含め全員がスタッフである」という提議はその通りだと思います。

音楽ビジネスの様態が様変わりし、嘗てのようにアーチストが自身のビジョンだけを全面に押し出してやって行ける時代ではなくなったのだということだと解釈致しました。つまりアーチストは以前よりも周囲との連携性に格段の配慮がないと、自滅するだけでなく、チームの存亡を危うくしかねないという意味です。

アーチストの中には“そういうのはアーチストのやることじゃない!”という人もいるかもしれませんが、そうであれば彼らは他人を巻き込まず、趣味で音楽をやるべきだとも言えます。

音楽ビジネスをする上で、アーチストは、ビジネスチームの一員としての自覚を持ち、もはや上位概念に君臨する訳ではないということだとも言えます。

現代の音楽ビジネスは、音楽制作、宣伝、販促、興行においてチームによる緻密な連携体制を求められる時代なのでしょう。

アーチスト、スタッフ双方の連携と自覚が嘗て無いほど重要であるとも言えます。私の時代、アーチストは神であり、彼らのクリエイティブに触れる事は一部の人間を除いて論外でしたが、もはやそうも言っていられない時代のようです。本当にそれが良いかは議論が分かれる所でしょうが・・。

さて、昨今のレコード業界はテレビ業界と似ていて、市場のない所にモノを(テレビ局なら見ない番組を作って)投下しているように思えます。

こうした行為の累積で次世代の市場を育てるために必要な文化的積み上げを蔑ろにしていたため、ユーザーからそっぽを向かれているのが現在なのだと思います。

特にレコード会社の方々は、相変わらず夜な夜なアーチストたちと無駄な飲み食い行為を続けているようで、それを仕事の1つだとうそぶいております。実際嘗ての私もそうした経験がある訳ですが、冷静に考えてみると、飲ませて食わせる事でアーチストを多少管理しやすくするため以外に役立った事はほとんどありませんでした。酔っ払った席で出くるアイデアは、翌日になって考えると殆どが使えませんでしたし・・。

結局こうした無駄も必要経費なんだと見なされた古い体質が、現在のレコード業界低迷の遠因になのかもしれません。アーチストたちも、その飲み食いの経費を結局は自分達の活動等で償却しなければならない義務を負っているという現実にそろそろ気がつくべきでしょう。

いずれにしても「タダ」というものはないという当たり前の事実は普遍なのですから。余分な飲み食いに使うならクリエイティブに予算を割くべきなのは言うまでもありません。現在ではアーチストの不確実なクリエイティブに大量な資金投資出来る時代でもありません。

アーチストはクリエイティブのためなら何でも犠牲に出来ると考えているフシがありますが、それを可能にするためには実績が伴わなくてはなりません。

鶏と卵の世界で難しいですが、当初においてある程度の制約がつくのは致し方ないでしょう。

大野さんのコラムに「昨今のメーカーには、ディレクターが音楽を知らなくても良い風潮がある」ということですが、こうした音楽産業内の「劣化」が累積して現在のユーザーに悪影響を与えているのだと思います。

昨今のユーザーは、昔よりもかなり情報をもっており、メーカーの販売戦略を見ぬいているため、小賢しいやり方は通用しなくなっておりますし、音楽面についても同様です。

また経産省の音楽ビジネスに関するレポートを読んでも、レコード会社は現状のビジネスモデルの延長線上にしか未来を見ていないようでもあります。

昨今のK-POPアーチストの台頭を見ても、既に日本のアーチストはこうしたアジア勢との競争を余儀なくされており、既にそうした面においても体制を整えないとならない時代が来ている事にどの位のJ-POP関係者が気づいているのかは疑問であります。

音楽が無くなる事はないですし、音楽ビジネスも無くなる事はないと思っておりますが、未来に向かって音楽ビジネスを継続させるためには、過去の経験則を捨てる位の覚悟が業界各位に求められそうです。

しかしその要点はシンプルで「お代を頂戴するためにはそれだけの芸が必要」ということでしょう。
勝手な事ばかり書き申し訳ございませんでした。それでは失礼致します。

あとでこのコメントの書かれた方とコンタクトを取りましたが、かつては超有名アーチストの関係の仕事をされており、業界の第一線で活躍された方であることがわかりました。このようにかつてはプロデユーサーとして、デイレクターとして極めて優秀な方が今は殆どが業界の外に出て行ってしまった。従って業界のノウハウや音楽業界人としての心得といった部分を伝える人材が殆ど残っておらず、それが業界の衰退にますます拍車をかけているという実態があります。

この記事を書いた4年前での音楽業界関係の反応は私の周囲を除いては殆どが否定的な反応でなかには脅迫めいたメールも何通かもらいました。結局業界の主だった面々から殆ど聞く耳をもたれることなく進み、必然的にこの記事を書いた4年前よりかなりひどい状態になりました。それはわざわざ私がここで述べる必要などもはやないと思います。

このコメントを書いた「コロン」さんは「体質的に改善が難しい業界なので沈没するまで(何の改革も)実行出来ないと思われます。と諦めムードにおっしゃっていましたが、残念ながら私も同感せざるを得ません。もうここまで来たらもう業界は崩壊するでしょうし、その方がかえっていいかもしれないとすら思っています。

最後に「コロン」さんは私の意見に同意された上で以下のようなことをおっしゃっておられました。

私もある意味で音楽業界は一度整理された方が良いと思ってます。現場の方々には大変な事態なのでしょうが、旧来のやり方を見直す良いチャンスでしょう。これはアーティスト、スタッフ双方に言える事です。それによる副作用で多様性や突然変異の才能を失う可能性も高いですが、それでも出てくる人は出てくるでしょう。売れないからダメな音楽はないのですが、生業にするなら売るためも施策を徹底して行う必要があるというシンプルな原理をもう一度考えるべき時期なのでしょう。

私は業界で「優秀だ」と思っていた音楽プロデユーサーの殆どが今は業界を去っています。この「コロン」さんのような方が業界を去った、去らざるを得なかったのは音楽業界にとって損失であり、結果的に業界が自分で自分の首を絞めることになってしまったでしょう。

今年はまだまだカタストロフィックなことが起きるでしょう。とにかくもう腹はくくったほうがいいと思います。

|