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2010年4月18日 (日)

サウンドコンテンツ業者として生き残るための心得

さて何度も書いていますように今年は私にとっても大事な年であると同時に、おそらく音楽業界自体が激動すると思います。私が以前の記事で「音楽業界の現状と将来、そしてある取るに足りない者からの業界への提言」という記事を四年前に書いたときは業界からの私に対する反応は脅迫めいた圧力、嘲笑、罵倒だったのですが、ここまでひどい状況になっても彼らの考え方は変わっていないのでしょうかね? まさかまだ音楽業界は繁栄している、とこの段階でも思っている人はいるんでしょうか? ちょっと聞いて見たい気がします。

音楽業界の衰退は実は数字上は1998年から始まっており、それがほぼインターネットが普及し始めた時期とほぼ一致するため、音楽業界の衰退はネットの影響などということがよく言われてきました。

確かに違法コピーYou tube経由のmp3違法ダウンロード等は目に余るレベルにはなっているのは事実ですが、どうも私は衰退の原因は本当にそれだけなんだろうか? という疑問がぬぐいきれません。それに音楽配信が出てきたからCDが売れなくなった(あるいはパッケージ自体がもはや無用の長物である)、というのも昨今の音楽配信の頭打ちから減少の傾向を見るとどうもそれも違うぞ、という気がしています。

問題はCDのパッケージが高い、とか音楽配信がどうか、とかいうのは単に表面的な問題に過ぎずそれはコンテンツに魅力があるかどうか、ということが先決なのではないか? という気がしています。つまり今メジャーレコードが本当にユーザーにとって魅力的であるというコンテンツを供給していない、ということの方が大きいのではないか、という気がしています。

メジャーレコードではだいたい90年代の中頃からいわゆる「売れセン」などという言葉が出現し、ラップが流行れば他社もラップのアーチストを出す、ユーロビートが流行れば他社もユーロビートを出すという、まあ日本人特有の「横並び」的なマーケテイングを行ない始めてきました。その結果どういうことが起こったか? どこのCD店も「同じような」商品しかそろえていないし、テレビもラジオも「同じような」音楽しか鳴らなくなってしまいました。

つまりあるメーカーであるジャンル、スタイルの音楽がヒットするとその「売れセン」二番煎じ、三番煎じが出る、ということを繰り返してきた。そしてそれがマーケテイングだなどという大勘違いを業界全体で行ってきたのが現在の状況を作っているとはいえないでしょうか?

実際どこにでもあるようなCDならわざわざCDショップまで行かなくてもアマゾンや配信で事足りるし、それだったらわけのわからない新人よりは少しは名前のあるアーチストに流れるのはごく自然な流れでしょう。

ちなみに音楽業界がこの世の春を歌っていた1990年代初頭は、ある傾向の音楽が受けてもそれと全く別の傾向の音楽も流れていました。そういう傾向がいつのまにか忘れられてしまったという気がします。

要は業界全体が頭を使わない、思考停止の状態で現在になってもそれがまだ続いている、ということができます。

これは作る方の問題、あともう1つ問題があるとすればそれは「音楽ジャーナリズム」崩壊が揚げられるでしょう。昔は渋谷陽一さん、中村とうようさん、山岸伸一さんといった骨のある音楽ジャーナリストが、時には同意できない見解を見ることがあっても、彼らの音楽コラムはそれなりに健全な「音楽ジャーナリズム」を支えていました。しかし最近の音楽評論家、芸能記者は殆どメーカーやプロダクションのお抱え的な存在となり「批評」が衰退させられていったという現状があります

つまり市場の拡大とともに、音楽の消費財化が進んで、 メーカーが、メディアの言説のコントロールを強化。 「俺たちのいうことだけ書けばいいんだよ」と。 短絡的な「似非マーケティング」「似非ブランディング」が行なわれました。当然のことながらこういう記事ばかりですと雑誌の言説がつまらなくなり、それが音楽雑誌の衰退そのものに繋がっていったように思います。

それによって消費者もどの音楽を選んでいいかの選択をすることが難しくなり、自ら音楽を選ぶという労もしなくなったように思います。こういうと「昔は良かった論者」に思われるかもしれませんが、我々の世代はレコード店でそういう音楽を探すという行動をしていました。そしてそれが結構楽しかったんですね。

よって「売れセン」の横並び化と、消費者が音楽雑誌等からの「確かな」情報を選ぶことの難しさ、それらによる各アーチストの「差別化」の難しさ等も原因の1つになっているように思います。

とにかくそういった点からサウンドコンテンツ業者として生き残るためには次のことを心がけようと考えています。

1.まず「売れセン」という概念を捨てること

2.制作するコンテンツ、アーチストをいかに「差別化」させるかということ。

3.そしてそのコンテンツにいかに付加価値をつけるか、ということ

今インデイースのアーチストを見ると以前のインデイースと比べても非常にレベルは高いです。ある分野では少なくとも音楽のクオリテイではメジャーと完全に逆転しています。しかし「歌がうまい」「曲がいい」アーチストはいっぱいいます。その中から頭一つ飛び出すにはそれプラスアルファの「何か」が必要です。

とにかく日本人特有の何でも「横並び」的な体質も音楽業界の衰退の一因になっているような気がしてしょうがないんですね。

そもそも「売れセン」などは業界の連中が勝手に思い込んだものに過ぎない、ということにいい加減気がつくべきではないか、と思うのですが...

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