修正マスタリング
本日一昨日行なわれたマスタリングの修正を行ないました。
実はうちの会社では「おまかせマスタリング」 (固定料金)というシステムがあり、いわゆるコストダウン対策の1つなのですが、勿論細かいことをこだわるのなら「立会い」がいいに決まっているんですけどね。しかしコストの関係で殆どの人が「おまかせマスタリング」を選びます。
弊社のマスタリングのシステムに興味ある方はこちら
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/mastering.htm
まあ事務所のスタッフなんかは最初我々のやったマスタリングで「別に問題ないのではないか」という声があったんですが、アーチスト側からいろいろいってきたので結局修正ということになりました。
普通、我々がマスタリングする時に最初に考えることは「音の抜け」をよくすることを最優先に考えます。それによって音をよりクリアにし、音楽を引き立てるための作業を行ないます。特に音楽配信が普及しだしてから携帯やパソコンで音楽を聴く機会が増えてきているためにとくに「音の抜け」を重要視するんですね。そのためコンプレッサーやEQなどを通してより音を広げてクリアにする作業を行ないます。
ところが今回のケースはミックスの段階でアーチスト側がもうイメージを固めてしまい、しかも今回が弦楽器奏者ということもあるのでしょうが、コンプレッサーの音に相当違和感を感じてしまったようです。
弦というのはご存じの通り高調波成分があり、時々その成分に過剰なまでに敏感な人がいるようです。今回のケースはまさにそれでどう聞いても歪んでいない音をアーチストは「歪んでいる」と主張していました。
一方で弓が弦をならす時に当然「弓」ノイズが発生しますが、「それが気になる」とも云ってきているのですが、私自身はそれほど気になるほどのレベルとは思えず、まあ生の弦楽器ならこのくらいの弓の音が出るのは普通だと思うのですが、こういうクラシック系の人でもそういう「自然なノイズ」を忌み嫌う人が出てきたんでしょうか?
よくギターのフレットを指が鳴らす音やピアノのダンパーペダルの音を「ノイズ」といって騒ぐ人がいますが、シロウトやエレクトリックな楽器しかやらない人ならともかく生の楽器の演奏者までそういうことを言い出すというのはちょっと私には驚きでしたね。以前も書きましたが私はこういうのをジャンクフード文化症候群と読んでいます。詳しくは
■生とリアルの価値が理解できない病気=ジャンクフード文化症候群
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/02/post-cad5.html
を読んでください。
結局アーチストの希望を優先しようとするためにコンプレッサーやEQを一切通さずに、レベルだけ底上げして揃える、という作業のみにしました。音の抜けを作らずmixiの音をそのままに出したほうが無難だという判断からです。
でも「普通の感覚」だと一昨日やったマスタリングの音の方が広がりがあり気持ちよく聞こえるはず、ですがね。まあ世の中にはいろんな感覚の人がいるもんです。
弊社ハイブリッドミュージックのマスタリング
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/mastering.htm
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